JP2006098349A - 高圧回転機の残存絶縁寿命推定システムおよび推定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高圧回転機の残存絶縁寿命を定量的に推定可能なシステムを得る。
【解決手段】高圧回転機100に関する既知のデータベース1と、高圧回転機100に関する現在の絶縁抵抗値Riまたは誘電体損失率tanδiを含む絶縁データを取得する手段2と、データベース1を絶縁指標別に統計的重回帰解析して時間経過に対するデータ値の傾斜パラメータPを推定する統計的重回帰解析手段3と、絶縁データおよび傾斜パラメータPに基づいて、複数段階の各信頼度に対する絶縁データの現在レベルを決定する手段4と、傾斜パラメータPおよび現在レベルに基づいて高圧回転機100の残存絶縁寿命を推定する残存絶縁寿命推定手段5とを備えている。残存絶縁寿命推定手段5は、今後の運転経過年数に対する各信頼度における絶縁データが、傾斜パラメータPに沿って悪化して破壊に至ると予想される非破壊絶縁データ閾値に到達するまでの期間を残存絶縁寿命として推定する。
【選択図】図1

Description

この発明は、大規模ビルの中枢機能を担う高圧回転機たとえば、空調用のターボ冷凍機や大容量の給排気ファンなどに使用される高圧電動機、あるいは、常用または非常用の電源設備としての高圧発電機などについて、任意の運転経過年数時点における残存絶縁寿命を推定するシステムおよび推定方法に関するものである。
一般に、大規模のビルや工場においては、ビル機能の維持に重要な高圧回転機として、たとえば、空調設備や換気設備などの動力負荷設備として高圧電動機が設置されており、また、商用の電源設備に系統連系された常用の高圧発電機が設置され、あるいは、商用電源のバックアップとして非常用の高圧発電機が設置されている。
これらの高圧回転機において、回転機のコイルなどに施された絶縁物には、回転機の運転および休止の都度、電界ストレスが繰り返し加えられるとともに、運転損失による熱的ストレスや電磁機械的な応力ストレスが複合されて加えられる。
さらに、これらストレスに、吸湿および塵埃などの環境的な劣化要素が作用することにより、高圧回転機の絶縁物においては、いわゆる複合的な絶縁劣化が進んで行くものと考えられている。
高圧回転機において絶縁事故が発生すると、その場合の影響範囲は、小容量の低圧回転機よりも非常に大きく、ビルや工場の生産性そのものを著しく低下させることになり得る。
また、あってはならないことではあるが、高圧回転機の絶縁事故が引き金となって、ビルや工場の主電気室の遮断機をトリップさせてしまい、この結果、全館停電を引き起こすという事例も散見されている。
このような観点から、重要な負荷設備である高圧回転機設備の保全において、高圧回転機(高圧電動機や高圧発電機)が絶縁事故を起こす以前に、最適な時期にオーバホールを行うか、もしくは高圧回転機そのものを更新するなどの管理を行うことが重要な保全技術につながる。
高圧回転機の絶縁劣化の進行を判断して、その継続使用の可否判定を行うために、従来から最も多用されている方法としては、定期点検時に測定される絶縁抵抗値(通常、10MΩ〜10000MΩ程度)が基準値(約10MΩ)まで低下した時点で不良と判定する方法があげられる。
この場合、高圧回転機の運転経過年数がたとえば10年〜15年程度であれば、オーバホールによる絶縁物の洗浄および乾燥を行い、場合によっては絶縁含浸材の再含浸を行うようになっている。
さらに、運転経過年数が約20年を経過しているような場合には、絶縁回復の度合い、および機器のライフサイクルコストを総合的に判断して、高圧回転機そのものを更新する方法が提案されている。
この場合、判断基準となっている絶縁抵抗値の下限閾値は、高圧回転機の絶縁抵抗値の運転経過年数に対するトレンド、および高圧回転機の絶縁破壊相対値[%]と、乾燥時および吸湿時の絶縁抵抗比の特性にその根拠を置いている。
具体的には、調査対象とした複数台の高圧回転機の絶縁抵抗データを、現地から工場に持ち帰って受入時の絶縁抵抗値の特性分布データと、工場で洗浄乾燥した後に測定した絶縁抵抗値の特性分布データとにプロットすると、運転経過年数が15年前後のものは、洗浄乾燥による絶縁抵抗値の回復が顕著であるものの、経過年数が20年を過ぎて絶縁抵抗値が10MΩ程度まで低下したものは、洗浄乾燥しても絶縁抵抗値の回復程度は少ないことが解かる。
たとえば、特性図として、乾燥時の絶縁抵抗値RDと吸湿時の絶縁抵抗値RWとの比(=RD/RW)の対数を横軸にとり、調査した絶縁破壊相対値を縦軸にとってプロットすると、吸湿時の絶縁抵抗値RWが低くなってlog(RD/RW)が増大するほど絶縁破壊値が目減りし、log(RD/RW)≒3になると、絶縁破壊のレベルが新品時の50%程度に至ることが解かる。
また、一般的な絶縁寿命の観点から、絶縁破壊値が新品レベルの半分(50%)まで低下する時点を寿命と見なすことが通常受け入れられている。
したがって、乾燥時の絶縁抵抗値RDを10000MΩとすると、絶縁破壊値が半減するような吸湿時の絶縁抵抗値RWは、10MΩとなる。
このような技術的背景のもとに、従来から採用されている良否判定の目安として、絶縁抵抗値の下限閾値を「10MΩ」に設定してきた経緯がある。
一方、上記下限閾値(10MΩ)を用いた高圧回転機の絶縁良否判定方法に対して、局所的な絶縁劣化の検出確度が高いと考えられる誘電体損失率tanδを用いた第2の良否判定方法も提案されている(たとえば、非特許文献1参照)。
この場合、判断基準となっている誘電体損失率tanδの上限閾値は、高圧回転機のベース誘電体損失率tanδ0の運転経過年数に対するトレンド、および高圧回転機の絶縁破壊相対値[%]とベース誘電体損失率tanδ0との特性にその根拠を置いている。
この場合の特性分布は、調査対象とした複数台の高圧回転機のベース誘電体損失率tanδ0データを、現地から工場に持ち帰って受入時のベース誘電体損失率tanδ0と、工場で洗浄乾燥した後に測定したベース誘電体損失率tanδ0とに分けてプロットすることにより得られる。
この特性図から、運転経過年数が15年前後のものは、洗浄乾燥によるベース誘電体損失率tanδ0の回復が顕著であるが、経過年数が20年を過ぎてtanδ0が10%を超える程度までに悪化したものは、洗浄乾燥してもベース誘電体損失率tanδ0の回復の程度は少ないことが解かる。
たとえば、特性図として、ベース誘電体損失率tanδ0の値を横軸にとり、調査した絶縁破壊相対値を縦軸にとってプロットすると、特性カーブのバラツキはあるものの、ベース誘電体損失率tanδ0の大きさが増えるほど絶縁破壊値が目減りし、ベース誘電体損失率tanδ0が10%〜20%程度になると、絶縁破壊のレベルが新品時の50%を下回るケースが見られる傾向にあることが解かる。
また、前述のように、絶縁寿命の観点からすると、絶縁破壊値が新品レベルの半分まで低下する時点を寿命と見なすことが通常受け入れられているので、絶縁破壊値が半減するようなベース誘電体損失率tanδ0は、平均的に見て15%となる。
このような技術的背景のもとに、従来から採用されている良否判定の目安として、ベース誘電体損失率tanδ0の上限閾値を「15%」に設定してきた経緯がある。
このように、従来の高圧回転機のオーバホール(または、更新)の要否判定においては、定期点検時に測定可能な絶縁抵抗値あるいはベース誘電体損失率tanδのレベルに一定の閾値を設け、測定値がこの閾値を超えたか否かの情報と、運転経過年数とを勘案して判定している。
しかし、予防保全の見地から設備管理者が最も要求している残存絶縁寿命については、不明であるので、オーバホールや更新の時期を何年後に設定すべきかについて、定量的な解答を与えることはできなかった。
したがって、高圧回転機の残存絶縁寿命に対する定量的な判断は、調査者または設備管理者の主観に委ねざるを得ず、ときには、タイミングを失した更新計画を立ててしまう結果、更新を目前に控えての絶縁事故を起こしてしまい、大きな経済的損失を与えたり、場合によっては社会的問題を生起する可能性があった。
電気学会技術報告II部 第267号
従来の高圧回転機の管理方法では、運転経過年数に加えて、年次点検時などに測定される絶縁抵抗値の試験データが、たとえば管理レベル(10MΩ)以上を示しているか否かを目安として、高圧回転機の良否判定および更新判定を行い、設備管理者などの主観的な判断で更新時期が決定されていた。
しかしながら、「定期的な点検もしくは検査の本来の目的は点検および検査時における余寿命を知り、今後の修繕(オーバホール)、あるいは更新計画に反映したい」という設備管理者の要求に応えるような、残存絶縁寿命の定量的評価を実現する方法および寿命を推定するシステム(ソフトウエア)が存在しないので、残存絶縁寿命を推定することができないという課題があった。
したがって、管理が行き届かず、高圧回転機の修繕または更新のタイミングを失したことによる絶縁破壊事故のリスクが大きいという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、ビルなどで稼動している高圧回転機(高圧電動機や高圧発電機)に関して、定期点検時あるいは不定期の点検時における非破壊絶縁データに基づいて、絶縁破壊に至るまでの統計的な残存年数を推定し、絶縁破壊のリスクを最小限に抑制して、予防保全ならびに計画的な修繕計画に反映することのできる高圧回転機の残存絶縁寿命推定システムおよび推定方法を得ることを目的とする。
この発明による高圧回転機の残存絶縁寿命推定システムは、任意の運転経過年数時点における高圧回転機の残存絶縁寿命を推定するシステムであって、高圧回転機に関してあらかじめ知られている複数の非破壊絶縁データおよび破壊電圧データを含むデータベースと、高圧回転機に関する現在の絶縁抵抗値または誘電体損失率を含む絶縁データを取得する絶縁データ測定手段と、データベースを絶縁指標別に統計的重回帰解析して時間経過に対するデータ値の傾斜パラメータを推定する統計的重回帰解析手段と、絶縁データおよび傾斜パラメータに基づいて、複数段階の各信頼度に対する絶縁データの現在レベルを決定する現在レベル決定手段と、傾斜パラメータおよび現在レベルに基づいて高圧回転機の残存絶縁寿命を推定する残存絶縁寿命推定手段とを備え、残存絶縁寿命推定手段は、今後の運転経過年数に対する各信頼度における絶縁データが、傾斜パラメータに沿って悪化して破壊に至ると予想される非破壊絶縁データ閾値に到達するまでの期間を残存絶縁寿命として推定するものである。
また、この発明による高圧回転機の残存絶縁寿命推定方法は、任意の運転経過年数時点における高圧回転機の残存絶縁寿命を推定する方法であって、高圧回転機に関してあらかじめ知られている複数の非破壊絶縁データおよび破壊電圧データを含むデータベースを取得するステップと、高圧回転機に関する現在の絶縁抵抗値または誘電体損失率を含む絶縁データを測定するステップと、データベースを絶縁指標別に統計的重回帰解析して時間経過に対するデータ値の傾斜パラメータを推定するステップと、絶縁データおよび傾斜パラメータに基づいて、複数段階の各信頼度に対する絶縁データの現在レベルを決定するステップと、傾斜パラメータおよび現在レベルに基づいて、今後の運転経過年数に対する各信頼度における絶縁データが、傾斜パラメータに沿って悪化して破壊に至ると予想される非破壊絶縁データ閾値に到達するまでの期間を残存絶縁寿命として推定するステップとを備えたものである。
この発明によれば、任意時点で測定された非破壊絶縁データに基づいて、絶縁破壊に至るまでの残存絶縁寿命を定量的に評価することができるので、タイムリなオーバホール、または機器の更新計画を策定することができ、したがって、従来のように修繕または更新のタイミングを失したことによる高圧回転機の突発的な絶縁事故の発生を防止することができる。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る高圧回転機の残存絶縁寿命推定システムを概略的に示すブロック図である。
図1において、高圧回転機100に関連した残存絶縁寿命推定システムは、データベース1と、絶縁データ測定手段2と、統計的重回帰解析手段3と、現在レベル決定手段4と、残存絶縁寿命推定手段5と、表示手段6とを備えている。
データベース1は、高圧回転機100に関して、あらかじめ知られている(たとえば、前述の非特許文献1に公表された)複数の非破壊絶縁データおよび破壊電圧データなどを含む。
絶縁データ測定手段2は、定期点検時または非定期の任意点検時に、オペレータにより使用されて、高圧回転機100に関する現在の絶縁抵抗値Riまたは誘電体損失率tanδiを含む絶縁データを取得する。
なお、表示手段6は、キーボードなどの入力手段を有しており、取得された絶縁データRi、tanδiは、入力手段の操作により、後述するように、表示手段6の画面を介して入力される。
統計的重回帰解析手段3は、データベース1内のデータ値を絶縁指標別に統計的重回帰解析して、時間経過に対するデータ値の傾斜パラメータPを推定する。
現在レベル決定手段4は、絶縁データRi、tanδiおよび傾斜パラメータPに基づいて、複数段階(50%、90%、95%、99%)の各信頼度に対する絶縁データRi、tanδiの現在レベルを決定する。
残存絶縁寿命推定手段5は、絶縁データRi、tanδiの現在レベルおよび傾斜パラメータPに基づいて高圧回転機100の残存絶縁寿命を推定する。
具体的には、残存絶縁寿命推定手段5は、今後の運転経過年数に対する各信頼度における絶縁データRi、tanδiが、傾斜パラメータPに沿って悪化して破壊に至ると予想される非破壊絶縁データ閾値に到達するまでの期間を残存絶縁寿命として推定する。
表示手段6は、後述するように、操作パネル機能を有する各種メニュー画面を切換表示するとともに、オペレータ操作に応じて残存絶縁寿命推定手段5の推定結果を表示するようになっている。
また、表示手段6には、必要に応じてプリンタが接続されている。
図2は図1内の表示手段6に出力される残存絶縁寿命の診断結果の表示例を帳票20として示す説明図である。
また、図3、図4は図1の残存絶縁寿命推定システムの処理動作を画面フローで示す説明図である。
図2において、表示される帳票20は、帳票のタイトルおよびメニュー部分21と、被診断対象となる高圧回転機100の絶縁データのデータ記載部分22と、アルゴリズム部分(残存絶縁寿命を推定するシミュレーション図)23と、各信頼度に対する残存絶縁寿命(追加所見リスト)の記載部分24と、自動選択された診断所見の記載部分25とを有する。
メニュー部分21には、調査対象の高圧回転機の仕様および製造年月のほか、建物名称、調査年月、調査に用いた機材名などが記載される。
データ記載部分22には、たとえば調査対象の高圧回転機の絶縁点検をtanδで実行した場合、そのデータが記載される。
アルゴリズム部分23は、調査時のtanδiの値から、各信頼度別の残存絶縁寿命をシミュレーション的に演算推定するアルゴリズムを示している。
残存絶縁寿命の記載部分24には、アルゴリズム部分23のシミュレーションから得られる信頼度別の残存絶縁寿命が記載される。
追加所見の記載部分25には、残存絶縁寿命の記載部分24の推定結果をパターン化し、あらかじめ登録された診断所見が自動出力されるとともに、調査者により任意に追加所見が記載される。
図3、図4において、各画面31〜35、41〜44、51〜54は、オペレータとの間の対話操作に応じて、表示手段6に表示される。
メインメニュー画面31は、診断データ入力画面32、診断データ読み出し画面33、35を選択可能になっている。
一方の診断データ読み出し画面33は、単独処理により選択され、単独処理メニュー画面34との間で双方向に関連しており、他方の診断データ読み出し画面35は、報告書出力処理により選択される。
単独処理メニュー画面34は、残存寿命シミュレーショングラフ画面41、51、残存寿命推定表出力画面42、52、所見文章確認画面43、53、および、ファイル(報告書データ)保存画面44、54との間で双方向に関連しており、各画面41〜44、51〜54を選択可能になっている。
各画面41〜44は、データベースから誘電体損失率tanδが選択された場合の画面であり、各画面51〜54は、データベースから絶縁抵抗値Rが選択された場合の画面である。
残存寿命シミュレーショングラフ画面41、51においては、傾斜パラメータPに基づく特性直線が表示され、残存寿命推定表出力画面42、52においては、推定された寿命が各信頼度(50%、90%、95%、99%)ごとに表示される。
次に、図3、図4の説明図を参照しながら、図1の残存絶縁寿命推定システムを用いて図2に示す帳票20が得られる動作について説明する。
寿命推定フローを示す図3、図4において、まず、メインメニュー画面31上で、たとえば診断データ入力メニューを選択すると、診断データ入力画面32が表示される。
続いて、診断データ入力画面32上で、調査対象の建物名称、調査対象の高圧回転機の仕様や製造年月などを対話形式で入力する。
最後に、診断データ入力画面32上で、診断データとして、絶縁指標となる誘電体損失率tanδ(測定値tanδi)および絶縁抵抗値R(測定値Ri)のいずれかを選択する。
その後、図示されていないが、診断データのファイル登録のプロセスを経て、再びメインメニュー画面31に戻る。
ここでは、絶縁指標として誘電体損失率tanδを選択し、そのデータ値を入力した場合における画面41〜44に関する手順について説明する。
なお、絶縁指標として絶縁抵抗値Rを選択した場合の画面51〜54に関する処理手順(後述する)は、この場合とほぼ同様である。
次に、メインメニュー画面31上で単独処理メニューを選択すると、診断データ読み出し画面33が表示される。
続いて、診断データ読み出し画面33の中から、登録した物件ファイルを選択すると、単独処理メニュー画面34に進む。以下、単独処理メニュー画面34上の処理メニューについて、図中の上段から番号1〜6の順番に処理が遂行される。
単独処理メニュー画面34において、まず、1番目の残存絶縁寿命シミュレーショングラフを選択すると、残存寿命シミュレーショングラフ画面41が表示される。
続いて、残存寿命シミュレーショングラフ画面41を確認した後、単独処理メニュー画面34に戻ると、単独処理メニュー画面34上の処理メニューのチェックボックスが塗りつぶされているので、次に、2番目の残存寿命推定出力メニューを選択することになる。
これにより、残存寿命推定表出力画面42が表示され、入力した誘電体損失率tanδのデータ値と各信頼度別の残存絶縁寿命が表示されるので、オペレータはこれらの出力値を確認する。
その後、再び単独処理メニュー画面34に戻ると、これまでの2つの処理メニューのチェックボックスが塗りつぶされているので、3番目の所見文章確認メニューに進む。
このとき、残存絶縁寿命推定手段5(図1参照)は、推定された残存絶縁寿命の長短および運転経過年数などを考慮して、あらかじめ登録された所見文章(たとえば、6パターン)の中から、最適な所見文章確認画面43を自動的に選択表示する。
以下、オペレータは、所見文章確認画面43を確認し、場合によっては、必要に応じた加筆修正を行う。
その後、単独処理メニュー画面34に戻って、4番目の報告書プリンタ出力を選択すると、帳票20(図2参照)の印刷プレビューが表示されるので、これを確認した後に印刷処理を実行する。
最終的には、単独処理メニュー画面34に戻って、5番目の報告書ファイル保存メニューを選択し、ファイル保存画面44上で報告書の登録保存を実行した後に、単独処理メニュー画面34上の処理メニューの最後(6番目)の終了メニューを選択することにより、一連の単独処理操作(図3、図4参照)を終了する。
次に、図5〜図7の説明図を参照しながら、残存絶縁寿命の絶縁指標として誘電体損失率tanδを選択した場合におけるこの発明の実施の形態1による寿命推定アルゴリズムについて説明する。
図5および図6は統計的重回帰解析手段3の処理に対応し、図7は現在レベル決定手段4および残存絶縁寿命推定手段5の処理に対応している。
図5は既知の(たとえば、非特許文献1で公表された)高圧回転機100に関する誘電体損失率tanδのデータベース値を示す説明図である。
図6は図5のデータベース値を重回帰解析した誘電体損失率tanδに関する回帰直線および近似式を示す説明図である。
図7は高圧回転機100の誘電体損失率の調査値tanδiから統計的な残存絶縁寿命をシミュレーション推定するための説明図である。
図5においては、横軸に運転経過年数をとり、縦軸に誘電体損失率tanδの値をとり、従来技術のベースとなっていた誘電体損失率tanδのデータ値のうち、工場受け入れ時の誘電体損失率tanδの各データ値をプロット(◆印を参照)で示している。
図5のように、誘電体損失率tanδの値は、同じ運転経過年数であっても広範囲にばらついているので、統計的重回帰解析手段3は、これらのデータ値を統計的に扱い重回帰解析を行うことにより、図6のような解析結果を取得する。
ここでは、図5に示した誘電体損失率tanδのデータ値(◆印)を運転経過年数の長短に依存した5つのゾーンに分け、各ゾーン別に、正規分布の高域側の誘電体損失率tanδの発生確率に対応するデータ値を求めるものとする。
たとえば、10年〜12.5年、12.5年〜15年、15年〜17.5年、17.5年〜20年、20年〜22.5年、の5つのゾーンに分けることにより、すべてのデータを効率的に処理することができる。
図6において、50%の発生確率を示すデータ値(tanδ)は、「□内の■印」でプロットされ、10%、5%、1%の各発生確率でのデータ値(tanδ)は、それぞれ、「△内の黒三角印」、「○内の×印」、「□内の*印」でプロットされている。
これら4通りの発生確率(50%、10%、5%、1%)別に、各5ゾーンのプロットに対して重回帰解析を遂行することにより、以下のように、重回帰直線L1〜L4の1次近似式(1)〜(4)が得られる。
y=0.8063x+ 0.7747 ・・・(1)
y=0.8634x+ 6.5500 ・・・(2)
y=0.8796x+ 8.1872 ・・・(3)
y=0.9100x+11.2580 ・・・(4)
上記近似式(1)〜(4)において、xは横軸の運転経過年数を示し、yは縦軸のデータ値(tanδ[%])を示す。
また、各重回帰直線L1〜L4を示す1次近似式(1)〜(4)のうち、直線L1の近似式(1)は50%の発生確率に対応し、また、直線L2〜L4の近似式(2)〜(4)は、それぞれ、10%、5%、1%の各発生確率に対応している。
なお、図6のように重回帰解析によって得られた各回帰直線L1〜L4の相関係数は、十分に良好な値(たとえば、0.7〜0.9)を示すことが実験的に分かっている。
ところで、任意の現場において調査対象となる高圧回転機100の定期点検時に測定される誘電体損失率tanδiは、高圧回転機100の調査時点に取得される唯一の絶縁データであるので、統計的には、高圧回転機100の運転経過年数での50%の発生確率のデータ値(tanδ)として扱われる。
したがって、図7の残存シミュレーション説明図に示すように、現在時点で測定された絶縁データ値(tanδ)を通る50%の信頼度曲線L50と、その上位に90%、95%、および99%の各信頼度曲線L90、L95およびL99を位置付けることができる。
これらの信頼度曲線L50、L90、L95、L99は、現在時点と同じ運転経過年数(この場合、17年)に対応させて、図6におけるたとえば10%の発生確率の回帰直線L3と、50%の発生確率の回帰直線L1との位置関係を配慮することによって、図7内の90%の信頼度曲線L90が位置付けされる。
現在時点における95%および99%の信頼度曲線L95、L99についても、図6をベースとして同様に位置付けされる。
また、これら4本の信頼度曲線L50、L90、L95、L99の運転経過年数に対する依存性は、前述の近似式(1)〜(4)の各傾斜パラメータを採用して描かれている。
図7においては、高圧回転機100の絶縁破壊レベルが新品時のレベルよりも半減するようなデータ値(tanδ)として、従来から採用されてきた上限閾値TH(tanδ=15%に対応)で示されている。
残存絶縁寿命推定手段5は、上記の各信頼度(50%、90%、95%、99%)のシミュレーション曲線L50〜L99が上限閾値THと交叉する点に対応させて、たとえば、運転経過年数T50と現在の運転経過年数(17年)との差から、50%の信頼度の残存絶縁寿命を演算する。
同様に、運転経過年数T90、T95およびT99と現在の運転経過年数との差から、それぞれ、90%、95%および99%の残存絶縁寿命を定量的に演算する。
以上のように、この発明の実施の形態1によれば、前述の非特許文献1で公表されたデータベース1に含まれる多くの高圧回転機100の絶縁データ値(tanδ)を、重回帰解析した統計的分析結果と、従来の高圧回転機100の絶縁データ値(tanδ)に対する良否判定用の上限閾値THとを組合せることにより、従来技術では実現し得なかった定量的な残存絶縁寿命推定を実現することができる。したがって、重要設備である高圧回転機100の合理的な予防保全に貢献できるという効果が得られる。
つまり、定期点検時または非定期の点検時に取得された非破壊絶縁抵抗値Riまたは誘電体損失率tanδの値から、非特許文献1から知られている下限閾値(絶縁抵抗値Rの下限管理レベル、誘電体損失率tanδの上限管理レベル)に到達すると予想される年数を統計的に推定することができる。
すなわち、統計的重回帰解析手段3は、非特許文献1などで公表されている多くの高圧回転機100に関する非破壊絶縁データおよび貴重な破壊電圧などを含むデータベース1を踏まえて、これらを統計的に重回帰解析する。
また、現在レベル決定手段4は、任意の時点で測定された絶縁データ(絶縁抵抗値Riまたは誘電体損失率tanδi)から、50%の信頼度の現在レベル、および90%、95%、99%などの信頼度に対するそれぞれ現在レベルを決定する。
これにより、残存絶縁寿命推定手段5は、現在レベルに基づいて、今後の運転経過年数に対する各信頼度における絶縁指標別の重回帰解析で推定された傾斜パラメータP(特性曲線の傾き)に沿って、絶縁データが悪化して破壊に至ると予想される非破壊絶縁データの閾値(誘電体損失率tanδに対する上限閾値TH、または、絶縁抵抗値Rに対する下限閾値)に到達するまでの残存絶縁寿命を得ることができる。
この発明の実施の形態1による残存絶縁寿命の推定方法および寿命推定のシステムにより、任意の時点での非破壊の絶縁データから破壊に至るまでの残存絶縁寿命を定量的に評価できるので、タイムリなオーバホール、または、高圧回転機100の内部機器の更新計画を策定することができる。
したがって、従来システムのように修繕または更新のタイミングを失して、高圧回転機100の突発的な絶縁事故を発生する、などというリスク管理のまずさを防止することができる。
なお、以上の説明においては、絶縁指標として誘電体損失率tanδを選択した場合を例にとったが、絶縁指標として非破壊絶縁抵抗値Rを選択した場合も、データベース1と前述の下限閾値(10MΩ)とを組み合わせることにより、前述と同様に残存絶縁寿命を推定することができる。
ただし、この場合、残存シミュレーションで使用される信頼度曲線の傾きは、図4内のグラフ画面51のように、誘電体損失率tanδの場合とは逆に負となる。
以下、図1、図3および図4を参照しながら、絶縁抵抗値Rを選択した場合の処理動作について説明する。
前述では、図3、図4(寿命推定システムの画面フロー)において、高圧回転機100の絶縁データとして誘電体損失率tanδ(測定値tanδi)を入力した場合について説明したが、絶縁データとして高圧回転機100について調査した絶縁抵抗値R(測定値Ri)を入力することによって、同様に残存絶縁寿命を定量的に推定することができる。
すなわち、図3内のメインメニュー画面31において、前述と同様に診断データ入力メニューを選択後、診断データ入力画面32上で、調査対象の建物名称、調査対象の高圧回転機100の仕様や製造年月などを対話形式で入力し、最後に、診断データの絶縁指標として絶縁抵抗値Rを選択してそのデータ値(Ri)を入力する。
その後、診断データのファイル登録のプロセスを経て、再びメインメニュー画面31に戻る。
次に、前述と同様に、メインメニュー画面31上で、単独処理メニューを選択すると、診断データ読み出し画面33が表示されるので、この中から登録した物件ファイルを選択すると、単独処理メニュー画面34に進み、以下、単独処理メニュー画面34上の処理メニューについて順番に処理が行われる。
まず、1番目の残存絶縁寿命シミュレーショングラフを選択すると、絶縁抵抗値Rを選択した場合の残存寿命シミュレーショングラフ画面51(図4参照)が表示されるので、このグラフ画面を確認した後に単独処理メニュー画面34に戻る。
このとき、単独処理メニュー画面34上の処理メニューのチェックボックスが塗りつぶされているので、次に、2番目の残存寿命推定出力メニューを選択することになる。
これにより、残存寿命推定出力画面52が表示され、入力した絶縁抵抗データ値(Ri)と、各信頼度(50%、90%、95%、99%)別の残存絶縁寿命が表示されるので、これらを確認する。
その後、再び単独処理メニュー画面34の画面に戻ると、これまでの2つの処理メニューのチェックボックスが塗りつぶされているので、次に、3番目の所見文章確認メニューに進む。
これにより、推定された残存絶縁寿命の長短と運転経過年数とを考慮して、あらかじめ登録された所見文章(6パターン)の中から最適な所見文章が確認画面53に自動的に選択表示されるので、これを確認し、場合によっては加筆修正などを行う。
以下、前述と同様に、報告書プリンタ出力、報告書ファイル保存などを遂行し、絶縁抵抗値Rを選択した場合の処理動作を終了する。
次に、図8および図9の説明図を参照しながら、絶縁指標が絶縁抵抗値Rの場合の絶縁寿命推定アルゴリズムについて説明する。
図8は非特許文献1で公表された高圧回転機100の絶縁抵抗値R(データベース1)を示しており、図9は図8に示すデータ値を重回帰解析した絶縁抵抗値Rに関する回帰直線および近似式を示している。
図8においては、誘電体損失率tanδの場合(図5)と同様に、データベース1内の絶縁抵抗値Rのうち、工場受け入れ時の各絶縁抵抗データ値をプロット(◆印)で示しており、同じ運転経過年数であっても広範囲にばらついている。
したがって、この場合も、各絶縁抵抗データ値は、統計的重回帰解析手段3により重回帰解析される。
図9に示す重回帰解析結果においては、図8に示された絶縁抵抗のデータを、運転経過年数の長短に依存した11個のゾーンに分け、各ゾーン別に正規分布の低域側絶縁抵抗の発生確率(50%、10%、5%、1%)に対応する絶縁抵抗値が求められている。
たとえば、12年〜13年、13年〜14年、・・・、22年〜23年、の11つのゾーンに分けることにより、すべてのデータを効率的に処理することができる。
図9において、50%の発生確率を示す絶縁抵抗値は、「□内の■印」でプロットされ、10%、5%、1%の各発生確率での絶縁抵抗値は、それぞれ、「△内の黒三角印」、「○内の×印」、「□内の*印」でプロットされている。
これら4通りの発生確率(50%、10%、5%、1%)別に、各11ゾーンのプロットに対して重回帰解析を遂行することにより、重回帰直線L11〜L14の指数関数として、以下の近似式(11)〜(14)が得られる。
y=2104.2148×exp(−0.2231x) ・・・(11)
y= 355.4772×exp(−0.1695x) ・・・(12)
y= 214.7243×exp(−0.1543x) ・・・(13)
y= 83.4080×exp(−0.1258x) ・・・(14)
上記近似式(11)〜(14)において、xは横軸の運転経過年数を示し、yは縦軸のデータ値(絶縁抵抗値R[MΩ])を示す。
また、各重回帰直線L11〜L14の近似式(11)〜(14)のうち、直線L11の近似式(11)は50%の発生確率に対応し、また、直線L12〜L14の近似式(12)〜(14)は、それぞれ、10%、5%、1%の各発生確率に対応している。
なお、図9のように重回帰解析によって得られた各回帰直線L11〜L14の相関係数は、十分に良好な値(たとえば、0.7〜0.8)を示すことが実験的に分かっている。
ところで、任意の現場において、調査対象となった高圧回転機100の定期点検時の絶縁抵抗値Riは、調査対象の高圧回転機100の調査時点における唯一の絶縁データなので、統計的には、調査対象の高圧回転機100の運転経過年数での50%の発生確率の絶縁抵抗値として扱われる。
したがって、ここでは図示を省略するが、図9の重回帰解析結果を踏まえて、前述(図7参照)の誘電体損失率tanδに対する残存シミュレーション図と類似した絶縁抵抗値Rに対するシミュレーション図を同様に構築することができる。
また、高圧回転機100の絶縁破壊レベルが新品時のレベルよりも半減するような絶縁抵抗値の下限閾値として、従来から採用されてきた「10MΩ」を適用することにより、50%の信頼度の残存絶縁寿命のみならず、90%、95%および99%の各残存絶縁寿命を定量的に演算するができる。
以上のように、この発明によれば、非特許文献1で公表された多くの高圧回転機の絶縁抵抗の絶縁データを重回帰解析した統計的分析結果と、高圧回転機100の絶縁抵抗値Rに対する良否判定の下限閾値(10MΩ)とを組合せることによって、従来技術ではなし得なかった定量的な残存絶縁寿命の推定が可能となり、重要設備である高圧回転機100の合理的な予防保全に貢献することができる。
この発明の実施の形態1に係る高圧回転機の残存絶縁寿命推定システムを示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る残存絶縁寿命推定方法によって得られる残存絶縁寿命診断の帳票例を示す説明図である。 この発明の実施の形態1に係る高圧回転機の残存絶縁寿命推定システムによる画面フローを示す説明図である。 この発明の実施の形態1に係る高圧回転機の残存絶縁寿命推定システムによる画面フローを示す説明図である。 この発明の実施の形態1に係るデータベースに含まれる高圧回転機の誘電体損失率(tanδ値)の運転経過年数に対する分布例を示す説明図である。 図5のデータ値を統計的に重回帰解析した誘電体損失率(tanδ)に関する回帰直線および近似式を示す説明図である。 調査した高圧回転機の誘電体損失率(tanδ値)から統計的な残存絶縁寿命を推定するためのシミュレーション処理を示す説明図である。 この発明の実施の形態2に係るデータベースに含まれる高圧回転機の絶縁抵抗値の運転経過年数に対する分布例を示す説明図である。 図8のデータ値を統計的に重回帰解析した絶縁抵抗値に関する回帰直線および近似式を示す説明図である。
符号の説明
1 データベース、2 絶縁データ測定手段、3 統計的重回帰解析手段、4 現在レベル決定手段、5 残存絶縁寿命推定手段、6 表示手段、20 帳票、21 帳票のタイトルおよびメニュー部分、22 データ記載部分、23 アルゴリズム部分、24 残存絶縁寿命の記載部分、25 追加所見の記載部分、31 メインメニュー画面、32 診断データ入力画面、33、35 診断データ読み出し画面、34 単独処理メニュー画面、41、51 残存寿命シミュレーショングラフ画面、42、52 残存寿命推定表出力画面、43、53 所見文章確認画面、44、54 ファイル(報告書データ)保存画面、L1〜L4、L11〜L14 重回帰直線、P 傾斜パラメータ、Ri 絶縁抵抗値の測定値、tanδi 誘電体損失率の測定値、TH tanδの上限閾値。

Claims (8)

  1. 任意の運転経過年数時点における高圧回転機の残存絶縁寿命を推定するシステムであって、
    前記高圧回転機に関してあらかじめ知られている複数の非破壊絶縁データおよび破壊電圧データを含むデータベースと、
    前記高圧回転機に関する現在の絶縁抵抗値または誘電体損失率を含む絶縁データを取得する絶縁データ測定手段と、
    前記データベースを絶縁指標別に統計的重回帰解析して時間経過に対するデータ値の傾斜パラメータを推定する統計的重回帰解析手段と、
    前記絶縁データおよび前記傾斜パラメータに基づいて、複数段階の各信頼度に対する前記絶縁データの現在レベルを決定する現在レベル決定手段と、
    前記傾斜パラメータおよび前記現在レベルに基づいて前記高圧回転機の残存絶縁寿命を推定する残存絶縁寿命推定手段とを備え、
    前記残存絶縁寿命推定手段は、今後の運転経過年数に対する前記各信頼度における前記絶縁データが、前記傾斜パラメータに沿って悪化して破壊に至ると予想される非破壊絶縁データ閾値に到達するまでの期間を前記残存絶縁寿命として推定することを特徴とする高圧回転機の残存絶縁寿命推定システム。
  2. 前記現在レベル決定手段は、50%、90%、95%および99%の各信頼度に対して、前記絶縁データの現在レベルを決定することを特徴とする請求項1に記載の高圧回転機の残存絶縁寿命推定システム。
  3. 前記残存絶縁寿命推定手段の推定結果を表示するための表示手段を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高圧回転機の残存絶縁寿命推定システム。
  4. 前記表示手段は、表示モードを選択するための第1のメニュー画面を表示するとともに、前記第1のメニュー画面上で選択された複数の選択画面を表示し、
    前記複数の選択画面は、
    前記データベースの絶縁指標を選択するためのメニュー画面と、
    現在時点の前記絶縁データを前記現在レベル決定手段に入力するための入力画面と
    を含むことを特徴とする請求項3に記載の高圧回転機の残存絶縁寿命推定システム。
  5. 任意の運転経過年数時点における高圧回転機の残存絶縁寿命を推定する方法であって、
    前記高圧回転機に関してあらかじめ知られている複数の非破壊絶縁データおよび破壊電圧データを含むデータベースを取得する第1のステップと、
    前記高圧回転機に関する現在の絶縁抵抗値または誘電体損失率を含む絶縁データを測定する第2のステップと、
    前記データベースを絶縁指標別に統計的重回帰解析して時間経過に対するデータ値の傾斜パラメータを推定する第3のステップと、
    前記絶縁データおよび前記傾斜パラメータに基づいて、複数段階の各信頼度に対する前記絶縁データの現在レベルを決定する第4のステップと、
    前記傾斜パラメータおよび前記現在レベルに基づいて、今後の運転経過年数に対する前記各信頼度における前記絶縁データが、前記傾斜パラメータに沿って悪化して破壊に至ると予想される非破壊絶縁データ閾値に到達するまでの期間を前記残存絶縁寿命として推定する第5のステップと
    を備えたことを特徴とする高圧回転機の残存絶縁寿命推定方法。
  6. 前記現在レベルは、50%、90%、95%および99%の各信頼度に対して決定されることを特徴とする請求項4に記載の高圧回転機の残存絶縁寿命推定方法。
  7. 前記第5のステップに続いて、前記残存絶縁寿命の推定結果を表示する第6のステップを備えたことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の高圧回転機の残存絶縁寿命推定方法。
  8. 前記第6のステップの前に、
    表示モードを選択するための第1のメニュー画面を表示する第7のステップと、
    前記第1のメニュー画面上で選択された複数の選択画面を表示する第8のステップとを備え、
    前記第8のステップは、
    前記データベースの絶縁指標を選択するためのメニュー画面を表示する第9のステップと、
    現在時点の前記絶縁データを前記現在レベル決定手段に入力するための入力画面を表示する第10のステップと
    を含むことを特徴とする請求項7に記載の高圧回転機の残存絶縁寿命推定方法。
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