JPH0980007A - イオン交換樹脂のイオン組成測定装置 - Google Patents
イオン交換樹脂のイオン組成測定装置Info
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- JPH0980007A JPH0980007A JP7233924A JP23392495A JPH0980007A JP H0980007 A JPH0980007 A JP H0980007A JP 7233924 A JP7233924 A JP 7233924A JP 23392495 A JP23392495 A JP 23392495A JP H0980007 A JPH0980007 A JP H0980007A
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- ion
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 簡単な装置と方法により、硫酸イオン等のア
ニオン組成を含むイオン交換樹脂の総合的なイオン組成
を迅速かつ低コストで測定することができるイオン交換
樹脂のイオン組成測定装置を提供する。 【解決手段】 試料樹脂カラム1に試料樹脂2を充填
し、アンモニア含有水21を通液して、試料樹脂2に吸
着されているカチオンおよびアニオンを溶離させ、その
流出水の一部をカチオン交換カラム9に通液してカチオ
ンを除去し、他の一部をアニオン交換カラム10に通液
してアニオンを除去し、流出水の導電率を測定する導電
率計16、17、18の導電率の検出値、および流量計
19の流量信号を演算装置20に入力し、導電率計17
のピーク値からアニオン濃度を演算し、導電率計16、
18の差からカチオン濃度を演算し、これらの演算結果
から試料樹脂中のイオン組成を演算し、再生不良の測定
を行う。
ニオン組成を含むイオン交換樹脂の総合的なイオン組成
を迅速かつ低コストで測定することができるイオン交換
樹脂のイオン組成測定装置を提供する。 【解決手段】 試料樹脂カラム1に試料樹脂2を充填
し、アンモニア含有水21を通液して、試料樹脂2に吸
着されているカチオンおよびアニオンを溶離させ、その
流出水の一部をカチオン交換カラム9に通液してカチオ
ンを除去し、他の一部をアニオン交換カラム10に通液
してアニオンを除去し、流出水の導電率を測定する導電
率計16、17、18の導電率の検出値、および流量計
19の流量信号を演算装置20に入力し、導電率計17
のピーク値からアニオン濃度を演算し、導電率計16、
18の差からカチオン濃度を演算し、これらの演算結果
から試料樹脂中のイオン組成を演算し、再生不良の測定
を行う。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カチオンおよびア
ニオン交換樹脂の混合物からなる試料樹脂中のカチオン
交換樹脂中に占めるカチオン形樹脂およびアニオン交換
樹脂中に占めるアニオン形樹脂の割合を測定するための
イオン交換樹脂のイオン組成測定装置に関する。さらに
詳細には、アンモニア形復水脱塩装置に用いられる混床
式イオン交換樹脂層の再生済樹脂のイオン組成の測定に
使用されるイオン組成測定装置に関する。
ニオン交換樹脂の混合物からなる試料樹脂中のカチオン
交換樹脂中に占めるカチオン形樹脂およびアニオン交換
樹脂中に占めるアニオン形樹脂の割合を測定するための
イオン交換樹脂のイオン組成測定装置に関する。さらに
詳細には、アンモニア形復水脱塩装置に用いられる混床
式イオン交換樹脂層の再生済樹脂のイオン組成の測定に
使用されるイオン組成測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】アンモニア形復水脱塩装置はH形カチオ
ン交換樹脂とOH形アニオン交換樹脂との混床に、アン
モニアを含有する復水を通液することにより、復水中の
ナトリウムイオン、塩素イオン等の不純物イオンを除去
するように運転されるが、通常時(海水リーク等の異常
が発生していない時)はナトリウムイオン、塩素イオン
等の不純物はほとんど含まれていないため、H形カチオ
ン交換樹脂がアンモニアイオンにより飽和されても再生
を行わず、アンモニア形の状態で通水を続ける。そして
一般的には樹脂のクラッド捕捉による差圧損失を要因と
して運転を停止し、樹脂の再生を行う。
ン交換樹脂とOH形アニオン交換樹脂との混床に、アン
モニアを含有する復水を通液することにより、復水中の
ナトリウムイオン、塩素イオン等の不純物イオンを除去
するように運転されるが、通常時(海水リーク等の異常
が発生していない時)はナトリウムイオン、塩素イオン
等の不純物はほとんど含まれていないため、H形カチオ
ン交換樹脂がアンモニアイオンにより飽和されても再生
を行わず、アンモニア形の状態で通水を続ける。そして
一般的には樹脂のクラッド捕捉による差圧損失を要因と
して運転を停止し、樹脂の再生を行う。
【0003】樹脂の再生は、混床を逆洗(上向流洗浄)
することによりカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂と
を分離し、これらを別々に、カチオン交換樹脂に対して
は硫酸水溶液等の酸液を薬注し、アニオン交換樹脂に対
しては水酸化ナトリウム等のアルカリ液を薬注して、カ
チオン交換樹脂をH形に、アニオン交換樹脂をOH形に
再生する。
することによりカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂と
を分離し、これらを別々に、カチオン交換樹脂に対して
は硫酸水溶液等の酸液を薬注し、アニオン交換樹脂に対
しては水酸化ナトリウム等のアルカリ液を薬注して、カ
チオン交換樹脂をH形に、アニオン交換樹脂をOH形に
再生する。
【0004】ところが再生における樹脂の分離が完全で
ないと、逆再生された樹脂が残ることになる。例えばカ
チオン交換樹脂にアニオン交換樹脂が混入した状態にお
いて硫酸で再生すると、混入したアニオン交換樹脂は硫
酸形となる。同様にアニオン交換樹脂中にカチオン交換
樹脂が混入した状態において水酸化ナトリウムで再生す
ると、混入したカチオン交換樹脂はナトリウム形とな
る。
ないと、逆再生された樹脂が残ることになる。例えばカ
チオン交換樹脂にアニオン交換樹脂が混入した状態にお
いて硫酸で再生すると、混入したアニオン交換樹脂は硫
酸形となる。同様にアニオン交換樹脂中にカチオン交換
樹脂が混入した状態において水酸化ナトリウムで再生す
ると、混入したカチオン交換樹脂はナトリウム形とな
る。
【0005】一般にイオン交換装置の処理水水質は、使
用している樹脂のイオン組成により決まる。そのため、
樹脂の再生時に、逆再生樹脂を多量に発生させてしまっ
た場合、洗浄を行っても処理水水質が復水処理に適する
純度にならない異常や、復水脱塩運転に移行したときに
通常時より多い腐食性成分を吐き出す異常などが起こ
る。従来は、これらの異常検出方法として、実際に通水
した後の処理水水質で良否を判断しているため、大量の
洗浄水が必要になったり、場合によっては純度の低い
(管理値より多い腐食性成分を含んだ)処理水をボイラ
へ漏出させる可能性がある。再生毎に再生後の樹脂のイ
オン組成を測定して再生不良を通水前に検出すれば上記
問題を解決することができるが、従来は手分析による計
測しか方法がなく、時間、費用の面から毎再生時に樹脂
イオン組成計測を実施することはほとんどできない状態
である。
用している樹脂のイオン組成により決まる。そのため、
樹脂の再生時に、逆再生樹脂を多量に発生させてしまっ
た場合、洗浄を行っても処理水水質が復水処理に適する
純度にならない異常や、復水脱塩運転に移行したときに
通常時より多い腐食性成分を吐き出す異常などが起こ
る。従来は、これらの異常検出方法として、実際に通水
した後の処理水水質で良否を判断しているため、大量の
洗浄水が必要になったり、場合によっては純度の低い
(管理値より多い腐食性成分を含んだ)処理水をボイラ
へ漏出させる可能性がある。再生毎に再生後の樹脂のイ
オン組成を測定して再生不良を通水前に検出すれば上記
問題を解決することができるが、従来は手分析による計
測しか方法がなく、時間、費用の面から毎再生時に樹脂
イオン組成計測を実施することはほとんどできない状態
である。
【0006】アンモニア形復水脱塩装置の混合イオン交
換樹脂のナトリウムイオン分率を測定する方法として、
ナトリウム電極を用いる方法が提案されている(特公平
3−10376号)。しかしこの方法では、ナトリウム
イオン組成の測定は可能であるが、硫酸イオン等のアニ
オン組成については測定できず、再生不良を総合的に判
定することはできない。
換樹脂のナトリウムイオン分率を測定する方法として、
ナトリウム電極を用いる方法が提案されている(特公平
3−10376号)。しかしこの方法では、ナトリウム
イオン組成の測定は可能であるが、硫酸イオン等のアニ
オン組成については測定できず、再生不良を総合的に判
定することはできない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題点を解決するため、簡単な装置と方法により、硫
酸イオン等のアニオン組成を含むイオン交換樹脂の総合
的なイオン組成を迅速かつ低コストで測定することがで
きるイオン交換樹脂のイオン組成測定装置を提供するこ
とである。
の問題点を解決するため、簡単な装置と方法により、硫
酸イオン等のアニオン組成を含むイオン交換樹脂の総合
的なイオン組成を迅速かつ低コストで測定することがで
きるイオン交換樹脂のイオン組成測定装置を提供するこ
とである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、試料樹脂を充
填する試料樹脂カラムと、試料樹脂カラムにアンモニア
含有水を供給するアンモニア含有水供給路と、試料樹脂
カラムの流出水の一部を受入れてカチオン交換するカチ
オン交換カラムと、試料樹脂カラムの流出水の一部を受
入れてアニオン交換するアニオン交換カラムと、カチオ
ン交換カラムの流出水の導電率を測定するための第1の
導電率計と、アニオン交換カラムの流出水の導電率また
はイオン濃度を測定するための第2の導電率計またはイ
オン濃度計と、第1の導電率計の測定値のピーク値から
試料樹脂のアニオン組成を演算し、第2の導電率計また
はイオン濃度計の測定値から試料樹脂のカチオン組成を
演算する演算装置とを備えていることを特徴とするイオ
ン交換樹脂のイオン組成測定装置である。
填する試料樹脂カラムと、試料樹脂カラムにアンモニア
含有水を供給するアンモニア含有水供給路と、試料樹脂
カラムの流出水の一部を受入れてカチオン交換するカチ
オン交換カラムと、試料樹脂カラムの流出水の一部を受
入れてアニオン交換するアニオン交換カラムと、カチオ
ン交換カラムの流出水の導電率を測定するための第1の
導電率計と、アニオン交換カラムの流出水の導電率また
はイオン濃度を測定するための第2の導電率計またはイ
オン濃度計と、第1の導電率計の測定値のピーク値から
試料樹脂のアニオン組成を演算し、第2の導電率計また
はイオン濃度計の測定値から試料樹脂のカチオン組成を
演算する演算装置とを備えていることを特徴とするイオ
ン交換樹脂のイオン組成測定装置である。
【0009】本発明において測定の対象となる試料樹脂
は、カチオン交換樹脂および/またはアニオン交換樹脂
であって、混合物でもそれぞれ単独のものでも対象にな
るが、復水脱塩装置、特にアンモニア形復水脱塩装置に
おける流体の再生を行った後の樹脂が対象として適して
いる。この場合、再生したカチオン交換樹脂またはアニ
オン交換樹脂を単独で、あるいは両樹脂を混合した状態
で試料樹脂とすることができる。
は、カチオン交換樹脂および/またはアニオン交換樹脂
であって、混合物でもそれぞれ単独のものでも対象にな
るが、復水脱塩装置、特にアンモニア形復水脱塩装置に
おける流体の再生を行った後の樹脂が対象として適して
いる。この場合、再生したカチオン交換樹脂またはアニ
オン交換樹脂を単独で、あるいは両樹脂を混合した状態
で試料樹脂とすることができる。
【0010】再生後の樹脂は、再生に先立つアニオン交
換樹脂とカチオン交換樹脂との分離が完全に行われてい
れば、反対側の樹脂は含まれないので、逆再生樹脂は生
じないが、分離が不完全であると反対側の樹脂が含まれ
るため、逆再生樹脂が生じる。本発明ではこのような逆
再生樹脂の生成による再生不良の検知に利用できるが、
他の原因による再生不良の検知も可能である。樹脂の再
生は復水脱塩装置の場合、カチオン交換樹脂は硫酸水溶
液で、アニオン交換樹脂は水酸化ナトリウム水溶液で行
われる。
換樹脂とカチオン交換樹脂との分離が完全に行われてい
れば、反対側の樹脂は含まれないので、逆再生樹脂は生
じないが、分離が不完全であると反対側の樹脂が含まれ
るため、逆再生樹脂が生じる。本発明ではこのような逆
再生樹脂の生成による再生不良の検知に利用できるが、
他の原因による再生不良の検知も可能である。樹脂の再
生は復水脱塩装置の場合、カチオン交換樹脂は硫酸水溶
液で、アニオン交換樹脂は水酸化ナトリウム水溶液で行
われる。
【0011】上記のような再生不良はカチオン交換樹脂
またはアニオン交換樹脂のどちらかに起こる場合が多い
ので、再生後のカチオンまたはアニオン交換樹脂につい
てそれぞれについて測定を行うことができるが、この場
合はそれぞれの樹脂を均一に混合して、その一部をそれ
ぞれサンプリングする必要がある。一方、両者の混合物
を試料とする場合は、両樹脂を混合して洗浄も終った段
階でサンプリングされる。
またはアニオン交換樹脂のどちらかに起こる場合が多い
ので、再生後のカチオンまたはアニオン交換樹脂につい
てそれぞれについて測定を行うことができるが、この場
合はそれぞれの樹脂を均一に混合して、その一部をそれ
ぞれサンプリングする必要がある。一方、両者の混合物
を試料とする場合は、両樹脂を混合して洗浄も終った段
階でサンプリングされる。
【0012】試料樹脂は通常0.1〜10 liter、好ま
しくは0.5〜2 liter程度試料樹脂カラムに充填して
測定に供される。試料樹脂に通液するアンモニア含有水
は、試料樹脂に交換吸着されたナトリウムイオン等のカ
チオン、ならびに硫酸イオン等のアニオンを溶離するた
めのもので、0.1〜20重量%、好ましくは約10重
量%のアンモニア水溶液が用いられる。
しくは0.5〜2 liter程度試料樹脂カラムに充填して
測定に供される。試料樹脂に通液するアンモニア含有水
は、試料樹脂に交換吸着されたナトリウムイオン等のカ
チオン、ならびに硫酸イオン等のアニオンを溶離するた
めのもので、0.1〜20重量%、好ましくは約10重
量%のアンモニア水溶液が用いられる。
【0013】カチオン交換カラムに充填するカチオン交
換樹脂は、中性塩分解能を有する強酸性樹脂であればよ
く、その使用量は通常1〜10 liter、好ましくは2〜
4 liter程度である。アニオン交換カラムに充填するア
ニオン交換樹脂は、中性塩分解能を有する強塩基性樹脂
であればよく、その使用量は通常0.1〜1 liter、好
ましくは0.5〜1 liter程度である。
換樹脂は、中性塩分解能を有する強酸性樹脂であればよ
く、その使用量は通常1〜10 liter、好ましくは2〜
4 liter程度である。アニオン交換カラムに充填するア
ニオン交換樹脂は、中性塩分解能を有する強塩基性樹脂
であればよく、その使用量は通常0.1〜1 liter、好
ましくは0.5〜1 liter程度である。
【0014】カチオン交換カラムの流出水の導電率を測
定するために第1の導電率計が用いられる。アニオン交
換カラムの流出水については、第2の導電率計を設けて
導電率を測定してもよく、またその代りに前記特公平3
−10376号に示されたナトリウム計のようなイオン
濃度計を用いてもよい。第2の導電率計を用いる場合
は、アンモニア含有水の導電率を測定する第3の導電率
を設け、導電率の差を検出できるようにする。
定するために第1の導電率計が用いられる。アニオン交
換カラムの流出水については、第2の導電率計を設けて
導電率を測定してもよく、またその代りに前記特公平3
−10376号に示されたナトリウム計のようなイオン
濃度計を用いてもよい。第2の導電率計を用いる場合
は、アンモニア含有水の導電率を測定する第3の導電率
を設け、導電率の差を検出できるようにする。
【0015】演算装置は第1の導電率計の検出値のピー
クから、硫酸イオン等のアニオン量を演算し、また第2
および第3の導電率計の検出値の差またはイオン濃度計
の検出値からナトリウムイオン等のカチオン量を演算
し、これらからイオン交換樹脂のカチオン組成およびア
ニオン組成を演算するように構成される。
クから、硫酸イオン等のアニオン量を演算し、また第2
および第3の導電率計の検出値の差またはイオン濃度計
の検出値からナトリウムイオン等のカチオン量を演算
し、これらからイオン交換樹脂のカチオン組成およびア
ニオン組成を演算するように構成される。
【0016】上記の装置による測定方法は、まず試料樹
脂カラムに試料樹脂を充填し、これにアンモニア含有水
を通液することにより、試料樹脂に交換吸着されている
カチオンおよびアニオンを溶離させる。この場合、試料
樹脂中のカチオン交換樹脂にアンモニウムイオンが交換
吸着されることにより、ナトリウムイオン等の他のカチ
オンが溶離され、またアンモニウムイオンの吸着によっ
て樹脂が高pHになることにより、アニオン交換樹脂に
交換吸着されている硫酸イオン等の他のアニオンも溶離
され、流出水中に流出する。
脂カラムに試料樹脂を充填し、これにアンモニア含有水
を通液することにより、試料樹脂に交換吸着されている
カチオンおよびアニオンを溶離させる。この場合、試料
樹脂中のカチオン交換樹脂にアンモニウムイオンが交換
吸着されることにより、ナトリウムイオン等の他のカチ
オンが溶離され、またアンモニウムイオンの吸着によっ
て樹脂が高pHになることにより、アニオン交換樹脂に
交換吸着されている硫酸イオン等の他のアニオンも溶離
され、流出水中に流出する。
【0017】このような試料樹脂カラムの流出水の一部
をカチオン交換カラムに通液することにより、流出水中
のカチオンが交換除去され、硫酸イオン等のアニオンを
含む水が流出し、この流出水の導電率が第1の導電率計
により検出される。また試料樹脂カラムの流出水の他の
一部をアニオン交換カラムに通液することにより、流出
水中のアニオン(酸)が交換除去され、ナトリウムイオ
ン等のカチオンを含む水が流出し、この流出水の導電率
が第2の導電率計により検出されるか、あるいはイオン
濃度計によりイオン濃度が検出される。
をカチオン交換カラムに通液することにより、流出水中
のカチオンが交換除去され、硫酸イオン等のアニオンを
含む水が流出し、この流出水の導電率が第1の導電率計
により検出される。また試料樹脂カラムの流出水の他の
一部をアニオン交換カラムに通液することにより、流出
水中のアニオン(酸)が交換除去され、ナトリウムイオ
ン等のカチオンを含む水が流出し、この流出水の導電率
が第2の導電率計により検出されるか、あるいはイオン
濃度計によりイオン濃度が検出される。
【0018】これらの検出信号は演算装置に入力され、
これに基づいて流出水中のカチオンおよびアニオン濃度
が演算され、その演算結果により試料樹脂中のイオン組
成が演算される。演算装置ではその結果に基づいて、再
生不良の有無の判定が行われ、その結果は表示装置に表
示され、再生不良の場合は警報が発せられる。
これに基づいて流出水中のカチオンおよびアニオン濃度
が演算され、その演算結果により試料樹脂中のイオン組
成が演算される。演算装置ではその結果に基づいて、再
生不良の有無の判定が行われ、その結果は表示装置に表
示され、再生不良の場合は警報が発せられる。
【0019】試料樹脂がカチオンまたはアニオン交換樹
脂の一方であるときは、イオン組成はその樹脂と、これ
に混入した少量の反対側樹脂中のイオン組成として演算
されるが、混合樹脂の場合は、混合樹脂全体のイオン組
成として演算される。
脂の一方であるときは、イオン組成はその樹脂と、これ
に混入した少量の反対側樹脂中のイオン組成として演算
されるが、混合樹脂の場合は、混合樹脂全体のイオン組
成として演算される。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
により説明する。図1は一実施形態によるイオン交換樹
脂のイオン組成測定装置を示す系統図である。
により説明する。図1は一実施形態によるイオン交換樹
脂のイオン組成測定装置を示す系統図である。
【0021】図1において、試料樹脂カラム1は、試料
樹脂2としてカチオン交換樹脂およびアニオン交換樹脂
の混合樹脂を試験に必要な量(例えば500〜2000
ml)充填して通水試験できるように構成されている。
そしてその上部に樹脂貯槽3から樹脂導入路4、および
アンモニア含有水貯槽5からアンモニア含有水供給路6
が連絡し、下部には樹脂流出路7および流出水路8が連
絡している。
樹脂2としてカチオン交換樹脂およびアニオン交換樹脂
の混合樹脂を試験に必要な量(例えば500〜2000
ml)充填して通水試験できるように構成されている。
そしてその上部に樹脂貯槽3から樹脂導入路4、および
アンモニア含有水貯槽5からアンモニア含有水供給路6
が連絡し、下部には樹脂流出路7および流出水路8が連
絡している。
【0022】流出水路8は分流路8a、8bに分岐し、
それぞれカチオン交換カラム9およびアニオン交換カラ
ム10が設けられており、それぞれ試験の対象となる樹
脂とは別のカチオン交換樹脂11およびアニオン交換樹
脂12が充填されるとともに、下部から流出水路13、
14が排液槽15に連絡している。アンモニア含有水供
給路6、流出水路13、14には導電率計16、17、
18が設けられ、また流出水路8には流量計19が設け
られ、それぞれ検出信号を演算装置20に入力するよう
に連絡している。導電率計18はナトリウムイオン濃度
計でもよい。
それぞれカチオン交換カラム9およびアニオン交換カラ
ム10が設けられており、それぞれ試験の対象となる樹
脂とは別のカチオン交換樹脂11およびアニオン交換樹
脂12が充填されるとともに、下部から流出水路13、
14が排液槽15に連絡している。アンモニア含有水供
給路6、流出水路13、14には導電率計16、17、
18が設けられ、また流出水路8には流量計19が設け
られ、それぞれ検出信号を演算装置20に入力するよう
に連絡している。導電率計18はナトリウムイオン濃度
計でもよい。
【0023】演算装置20は導電率計17のピーク値か
ら硫酸イオン濃度を演算し、導電率計16、18の差か
らナトリウムイオン濃度を演算し、これらの結果からイ
オン交換樹脂のイオン組成を演算するように構成されて
いる。導電率計18の代りにナトリウムイオン濃度計を
用いる場合は、ナトリウムイオン濃度によりナトリウム
イオン濃度が検出される。
ら硫酸イオン濃度を演算し、導電率計16、18の差か
らナトリウムイオン濃度を演算し、これらの結果からイ
オン交換樹脂のイオン組成を演算するように構成されて
いる。導電率計18の代りにナトリウムイオン濃度計を
用いる場合は、ナトリウムイオン濃度によりナトリウム
イオン濃度が検出される。
【0024】上記の装置により、逆再生樹脂を含むイオ
ン交換樹脂のイオン組成を測定する方法について説明す
ると、まず試料樹脂カラム1に樹脂貯槽3から樹脂導入
路4を通して試料樹脂2を導入して充填する。この状態
でアンモニア含有水貯槽5からアンモニア含有水供給路
6を通してアンモニア含有水21を供給し、試料樹脂カ
ラム1に通液する。このとき導電率計16でアンモニア
含有水21の導電率を検出し、流量計19で流量を検出
し、これらの検出信号を演算装置20に入力する。
ン交換樹脂のイオン組成を測定する方法について説明す
ると、まず試料樹脂カラム1に樹脂貯槽3から樹脂導入
路4を通して試料樹脂2を導入して充填する。この状態
でアンモニア含有水貯槽5からアンモニア含有水供給路
6を通してアンモニア含有水21を供給し、試料樹脂カ
ラム1に通液する。このとき導電率計16でアンモニア
含有水21の導電率を検出し、流量計19で流量を検出
し、これらの検出信号を演算装置20に入力する。
【0025】アンモニア含有水21の通液により、試料
樹脂2に交換吸着されているナトリウムイオン等のカチ
オン、および硫酸イオン等のアニオンが溶離される。こ
の場合、試料樹脂2中にカチオン交換樹脂が含まれてい
ると、アンモニウムイオンの交換吸着により、カチオン
交換樹脂に吸着されていたカチオンが溶離する。
樹脂2に交換吸着されているナトリウムイオン等のカチ
オン、および硫酸イオン等のアニオンが溶離される。こ
の場合、試料樹脂2中にカチオン交換樹脂が含まれてい
ると、アンモニウムイオンの交換吸着により、カチオン
交換樹脂に吸着されていたカチオンが溶離する。
【0026】アンモニウムイオンの交換吸着によって試
料樹脂2層が高pHになると、アニオン交換樹脂に吸着
されていたアニオンが溶離する。なお、試料樹脂2にカ
チオン交換樹脂が含まれていないときは、アンモニア含
有水21の通液により高pHになり、吸着されていたア
ニオンが溶離する。
料樹脂2層が高pHになると、アニオン交換樹脂に吸着
されていたアニオンが溶離する。なお、試料樹脂2にカ
チオン交換樹脂が含まれていないときは、アンモニア含
有水21の通液により高pHになり、吸着されていたア
ニオンが溶離する。
【0027】こうして溶離したカチオンおよびアニオン
を含む流出水は流出水路8に流出し、分流路8a、8b
に二分されてカチオン交換カラム9およびアニオン交換
カラム10に通液される。カチオン交換カラム9ではカ
チオン交換樹脂11によりカチオンが吸着除去されるた
め、硫酸イオン等のアニオン(酸)を含む水が流出し、
導電率計17によりアニオン(酸)を含む流出水の導電
率が検出される。
を含む流出水は流出水路8に流出し、分流路8a、8b
に二分されてカチオン交換カラム9およびアニオン交換
カラム10に通液される。カチオン交換カラム9ではカ
チオン交換樹脂11によりカチオンが吸着除去されるた
め、硫酸イオン等のアニオン(酸)を含む水が流出し、
導電率計17によりアニオン(酸)を含む流出水の導電
率が検出される。
【0028】アニオン交換カラム10ではアニオン交換
樹脂12によりアニオンが吸着除去されるため、ナトリ
ウム等のカチオンを含む水が流出し、導電率計18によ
りカチオンを含む流出水の導電率が検出され、あるいは
その代りに設置されるイオン濃度計によりカチオン濃度
が検出される。これらの検出値は演算装置20に入力さ
れる。流出水路13、14に流出する流出水は排液槽1
5に貯留されたのち、系外に排出される。
樹脂12によりアニオンが吸着除去されるため、ナトリ
ウム等のカチオンを含む水が流出し、導電率計18によ
りカチオンを含む流出水の導電率が検出され、あるいは
その代りに設置されるイオン濃度計によりカチオン濃度
が検出される。これらの検出値は演算装置20に入力さ
れる。流出水路13、14に流出する流出水は排液槽1
5に貯留されたのち、系外に排出される。
【0029】演算装置20では導電率計16、17、1
8および流量計19の検出信号を逐次記憶し、アンモニ
ア含有水21によるイオンブレークから導電率計18の
導電率が導電率計16の導電率と同一値になるまで、連
続的に記憶されたデータを演算処理し、試料樹脂2に収
着されている硫酸イオン等のアニオン、ナトリウムイオ
ン等のカチオンならびにH形、OH形のイオン量を算出
する。
8および流量計19の検出信号を逐次記憶し、アンモニ
ア含有水21によるイオンブレークから導電率計18の
導電率が導電率計16の導電率と同一値になるまで、連
続的に記憶されたデータを演算処理し、試料樹脂2に収
着されている硫酸イオン等のアニオン、ナトリウムイオ
ン等のカチオンならびにH形、OH形のイオン量を算出
する。
【0030】試料樹脂2として、再生したカチオンおよ
びアニオン交換樹脂の混合樹脂を用いる場合、逆再生が
なく、反対イオンを全く含まない場合の各導電率の変化
は図2に示す通りとなる。これに対して逆再生により、
反対イオンを含む場合(Na形:5%、SO4形:30
%)の各導電率の変化は図3に示す通りとなる。図3に
おいて導電率計17の導電率のピークからアニオン(硫
酸イオン)のイオン濃度を算出し、導電率計16、18
の導電率の差からカチオン(ナトリウムイオン)のイオ
ン濃度を算出する。
びアニオン交換樹脂の混合樹脂を用いる場合、逆再生が
なく、反対イオンを全く含まない場合の各導電率の変化
は図2に示す通りとなる。これに対して逆再生により、
反対イオンを含む場合(Na形:5%、SO4形:30
%)の各導電率の変化は図3に示す通りとなる。図3に
おいて導電率計17の導電率のピークからアニオン(硫
酸イオン)のイオン濃度を算出し、導電率計16、18
の導電率の差からカチオン(ナトリウムイオン)のイオ
ン濃度を算出する。
【0031】図3において、アンモニア含有水21の通
液を開始してからA点までは、イオン交換樹脂がNH4
をH形イオンとイオン交換するため、流出水は純度の高
い水であり、導電率計17、18の導電率はともに低
い。A点から導電率が最大になるB点までは、イオン交
換樹脂がイオンブレイクしはじめ、樹脂のH形イオンが
完全にNH4形イオンにイオン交換されるまでの変化で
ある。
液を開始してからA点までは、イオン交換樹脂がNH4
をH形イオンとイオン交換するため、流出水は純度の高
い水であり、導電率計17、18の導電率はともに低
い。A点から導電率が最大になるB点までは、イオン交
換樹脂がイオンブレイクしはじめ、樹脂のH形イオンが
完全にNH4形イオンにイオン交換されるまでの変化で
ある。
【0032】流出水のNa+濃度、SO4 2-濃度はイオン
交換樹脂のイオン平衡式により、下記に示す式で表わさ
れる。
交換樹脂のイオン平衡式により、下記に示す式で表わさ
れる。
【数1】[Na(eq/l)]=(1/Kc)×([R
−Na%]/[R−NH4%])×[pOH] [SO4(eq/l)]=(1/Ka)×([R−SO4
%]/[R−OH%])×[pOH] 式中、 [Na]:出口液のNa+濃度 [SO4]:出口液のSO4 2-濃度 Kc:NH4イオンとNaイオンに対するイオン交換樹
脂の選択係数 [R−Na%]:カチオン交換樹脂中のNaイオン形樹
脂の割合 [R−NH4%]:カチオン交換樹脂中のNH4イオン形
樹脂の割合 Ka:OHイオンとSO4イオンに対するイオン交換樹
脂の選択係数 [R−SO4%]:アニオン交換樹脂中のSO4イオン形
樹脂の割合 [R−OH%]:アニオン交換樹脂中のOHイオン形樹
脂の割合 [pOH]:OHイオン濃度(OHペーハー)
−Na%]/[R−NH4%])×[pOH] [SO4(eq/l)]=(1/Ka)×([R−SO4
%]/[R−OH%])×[pOH] 式中、 [Na]:出口液のNa+濃度 [SO4]:出口液のSO4 2-濃度 Kc:NH4イオンとNaイオンに対するイオン交換樹
脂の選択係数 [R−Na%]:カチオン交換樹脂中のNaイオン形樹
脂の割合 [R−NH4%]:カチオン交換樹脂中のNH4イオン形
樹脂の割合 Ka:OHイオンとSO4イオンに対するイオン交換樹
脂の選択係数 [R−SO4%]:アニオン交換樹脂中のSO4イオン形
樹脂の割合 [R−OH%]:アニオン交換樹脂中のOHイオン形樹
脂の割合 [pOH]:OHイオン濃度(OHペーハー)
【0033】樹脂がNH4形になると、試料樹脂2層内
のpHが中性からアルカリ性になるので、上記式中のp
OHが10-7(中性時数値)から10-1〜10-5(アル
カリ性)へと100倍以上大きくなり、それが影響して
Na+、SO4 2-が流出水へ漏出する。そのため、流出水
の導電率計17、18の導電率に影響が与えられるよう
になる。そしてこれらの導電率の変化から樹脂の持つH
形・Na形・SO4形イオン量を演算し、その結果から
上記式によりイオン組成[R−Na%]、[R−SO4
%]に換算する。
のpHが中性からアルカリ性になるので、上記式中のp
OHが10-7(中性時数値)から10-1〜10-5(アル
カリ性)へと100倍以上大きくなり、それが影響して
Na+、SO4 2-が流出水へ漏出する。そのため、流出水
の導電率計17、18の導電率に影響が与えられるよう
になる。そしてこれらの導電率の変化から樹脂の持つH
形・Na形・SO4形イオン量を演算し、その結果から
上記式によりイオン組成[R−Na%]、[R−SO4
%]に換算する。
【0034】以下、各イオン毎に演算方法を示す。硫酸
イオン形樹脂の割合は次のようにして算出される。復水
脱塩装置に使用されている樹脂は、入口負荷により吸着
されたイオン(NH4 +)と再生剤により吸着されたイオ
ン(Na+・SO4 2-)を持ち、これらが流出水に漏出す
る。流出水中のイオンからカチオン交換カラムにより陽
イオンを除去した結果、残るイオンはSO4 2-のみであ
るため、カチオン導電率CSは下式で表される。
イオン形樹脂の割合は次のようにして算出される。復水
脱塩装置に使用されている樹脂は、入口負荷により吸着
されたイオン(NH4 +)と再生剤により吸着されたイオ
ン(Na+・SO4 2-)を持ち、これらが流出水に漏出す
る。流出水中のイオンからカチオン交換カラムにより陽
イオンを除去した結果、残るイオンはSO4 2-のみであ
るため、カチオン導電率CSは下式で表される。
【0035】
【数2】 CS=λ1×[SO4]+λ2×[H]+λ3×[OH] 式中、 CS:カチオン導電率(×10-3μS/cm) λ1 :SO4の当量導電率(μS/cm/eq) [SO4]:SO4イオン量(eq) λ2 :Hの当量導電率(μS/cm/eq) [H]:Hイオン量(eq) λ3 :OH当量導電率(μS/cm/eq) [OH]:OHイオン量(eq)
【0036】ここで、[OH]=[SO4]+[H]、
[H]×[OH]=10-14なので、 A=((λ2+λ3)2−(2×λ1−λ2+λ3)2) B=4×(2×λ1−λ2+λ3)×CS C=4×10-14×(λ2+λ3)2−CS2 としたとき、 [SO4]={−B+(B2−4AC)1/2}/2A となり、この式により導電率計17の測定結果のピーク
値から試料樹脂カラム1から漏出するSO4 2-が算出で
きる。
[H]×[OH]=10-14なので、 A=((λ2+λ3)2−(2×λ1−λ2+λ3)2) B=4×(2×λ1−λ2+λ3)×CS C=4×10-14×(λ2+λ3)2−CS2 としたとき、 [SO4]={−B+(B2−4AC)1/2}/2A となり、この式により導電率計17の測定結果のピーク
値から試料樹脂カラム1から漏出するSO4 2-が算出で
きる。
【0037】ここで、[R−OH%]=1−[R−SO
4%]なので、イオン平衡式
4%]なので、イオン平衡式
【数3】[SO4]=(1/Ka)×([R−SO4%]/
[R−OH%])×[pOH] は、次式で表わされる。
[R−OH%])×[pOH] は、次式で表わされる。
【数4】[R−SO4%]=(Ka×[SO4])/([p
OH]+Ka×[SO4])
OH]+Ka×[SO4])
【0038】ナトリウムイオン形樹脂の割合は次のよう
にして算出される。NH4 +とNa+とでは当量導電率お
よび解離定数が異なるため、導電率計16の導電率と、
Na+の流出が始まる図3のA点からの導電率計18の
導電率とには差がある。これは樹脂から流出するNa+
の影響である。
にして算出される。NH4 +とNa+とでは当量導電率お
よび解離定数が異なるため、導電率計16の導電率と、
Na+の流出が始まる図3のA点からの導電率計18の
導電率とには差がある。これは樹脂から流出するNa+
の影響である。
【0039】試料樹脂カラム1入口水の導電率をIN−
S、NH4イオン濃度を[IN−NH4]、OHイオン濃
度を[IN−OH]、アニオン交換カラム10でアニオ
ンを除去した後の導電率計18のピーク導電率(アニオ
ン導電率)をAS、NH4イオン濃度を[OUT−N
H4]、OHイオン濃度を[OUT−OH]、Naイオ
ン濃度を[Na]とした時、次に示す式が成立つ。
S、NH4イオン濃度を[IN−NH4]、OHイオン濃
度を[IN−OH]、アニオン交換カラム10でアニオ
ンを除去した後の導電率計18のピーク導電率(アニオ
ン導電率)をAS、NH4イオン濃度を[OUT−N
H4]、OHイオン濃度を[OUT−OH]、Naイオ
ン濃度を[Na]とした時、次に示す式が成立つ。
【0040】
【数5】 IN−S=λ3[IN−OH]+λ4[IN−NH4] AS=λ3[OUT−OH]+λ4[OUT−NH4]+
λ5[Na] 式中、 λ3:OHの当量導電率(μS/cm/eq) λ4:NH4の当量導電率(μS/cm/eq) λ5:Naの当量導電率(μS/cm/eq)
λ5[Na] 式中、 λ3:OHの当量導電率(μS/cm/eq) λ4:NH4の当量導電率(μS/cm/eq) λ5:Naの当量導電率(μS/cm/eq)
【0041】流出水のNaは試料樹脂カラム1内の試料
樹脂2により入口NH3とイオン交換した結果、漏出し
たものである。また流出水のNH3はNaとイオン交換
されずに残ったイオンである。よって、入口水と流出水
のイオンの関係は下記式で表わされる。 [IN−NH3]=[OUT−NH3]+[Na]
樹脂2により入口NH3とイオン交換した結果、漏出し
たものである。また流出水のNH3はNaとイオン交換
されずに残ったイオンである。よって、入口水と流出水
のイオンの関係は下記式で表わされる。 [IN−NH3]=[OUT−NH3]+[Na]
【0042】入口水の各イオンの関係は下式で表わされ
る。 [IN−NH4]=[IN−OH] 流出水のアニオン交換後の各イオンの関係は下記で表わ
される。 [OUT−OH]=[OUT−NH4]+[Na] また、アンモニアの解離式より下記式が成立する。
る。 [IN−NH4]=[IN−OH] 流出水のアニオン交換後の各イオンの関係は下記で表わ
される。 [OUT−OH]=[OUT−NH4]+[Na] また、アンモニアの解離式より下記式が成立する。
【数6】[IN−NH4][IN−OH]=Kn×[I
N−NH3] [OUT−NH4][OUT−OH]=Kn×[OUT
−NH3] ここでKnはアンモニアの解離定数である。
N−NH3] [OUT−NH4][OUT−OH]=Kn×[OUT
−NH3] ここでKnはアンモニアの解離定数である。
【0043】アンモニア解離式および流出水の各イオン
の関係式より下記式が導かれる。
の関係式より下記式が導かれる。
【数7】[OUT−NH4]2+[Na][OUT−NH
4]−Kn([IN−NH3]−[Na])=0 2次式の解の公式により、
4]−Kn([IN−NH3]−[Na])=0 2次式の解の公式により、
【数8】[OUT−NH4]={−[Na]+〔[N
a]2+4×Kn×([IN−NH3]−[Na])〕
1/2}/2
a]2+4×Kn×([IN−NH3]−[Na])〕
1/2}/2
【0044】流出水の導電率算出式にイオンの関係式を
適用すると、
適用すると、
【数9】AS=(λ3+λ4)[OUT−NH4]+(λ3
+λ5)[Na] 解の公式で求めたアンモニアイオン濃度を代入して整理
すると、
+λ5)[Na] 解の公式で求めたアンモニアイオン濃度を代入して整理
すると、
【数10】〔(D1/D2)2−1〕[Na]2+(−4
×AS×D2/D12+4×Kn)[Na]+4×(A
S/D1)2−4×Kn×[IN−NH3]=0 ここで、D1およびD2は式を簡単にするために以下の
ように定義したものである。 D1=λ3+λ4 D2=λ5−λ3
×AS×D2/D12+4×Kn)[Na]+4×(A
S/D1)2−4×Kn×[IN−NH3]=0 ここで、D1およびD2は式を簡単にするために以下の
ように定義したものである。 D1=λ3+λ4 D2=λ5−λ3
【0045】よって解の公式より、
【数11】a=(D2/D1)2−1 b=−4×AS×D2/D12+4×Kn c=4×(AS/D1)2−4×Kn×[IN−NH3] [Na]=〔−b+(b2−4ac)1/2〕/2a
【0046】入口NH3は、入口水の導電率から下式で
算出できる。
算出できる。
【数12】 [IN−NH3]=〔IN−S/(λ3+λ4)〕2/Kn よって、[Na]を入口水の導電率とアニオン導電率よ
り算出できる。この結果をイオン平衡式を用いて[R−
Na%]を算出すると、試料樹脂2のナトリウムイオン
組成が算出できる。
り算出できる。この結果をイオン平衡式を用いて[R−
Na%]を算出すると、試料樹脂2のナトリウムイオン
組成が算出できる。
【0047】以上により試料樹脂2中のイオン組成が演
算され、演算結果が演算装置20に表示される。この場
合、上記演算結果から再生不良の判定が行われ、再生不
良の場合は警報が発せられる。測定終了後は樹脂流出路
7から試料樹脂2を排出し、必要によりカチオン交換カ
ラム9およびアニオン交換カラム10の樹脂を再生す
る。
算され、演算結果が演算装置20に表示される。この場
合、上記演算結果から再生不良の判定が行われ、再生不
良の場合は警報が発せられる。測定終了後は樹脂流出路
7から試料樹脂2を排出し、必要によりカチオン交換カ
ラム9およびアニオン交換カラム10の樹脂を再生す
る。
【0048】上記の説明は導電率計18により導電率を
検出する場合の説明であるが、イオン濃度計を使用する
場合は、直接ナトリウムイオン濃度等のイオン濃度が検
出され、それに基づいてイオン組成が演算される。また
上記の説明は混合樹脂を試料樹脂2とする例であるが、
カチオンまたはアニオン交換樹脂を試料樹脂とする場合
も上記と同様にして測定が行われる。
検出する場合の説明であるが、イオン濃度計を使用する
場合は、直接ナトリウムイオン濃度等のイオン濃度が検
出され、それに基づいてイオン組成が演算される。また
上記の説明は混合樹脂を試料樹脂2とする例であるが、
カチオンまたはアニオン交換樹脂を試料樹脂とする場合
も上記と同様にして測定が行われる。
【0049】以上の操作により、試料樹脂2のイオン組
成が短時間に低コストで測定でき、これにより樹脂の再
生不良かどうかを実際の通水前に判定することができ
る。このため再生不良が生じている場合は実際の通水前
に再度再生操作を行うことができ、これにより再生不良
のない完全に再生された樹脂を復水処理に供することが
でき、処理水悪化を事前に防止することが可能になる。
成が短時間に低コストで測定でき、これにより樹脂の再
生不良かどうかを実際の通水前に判定することができ
る。このため再生不良が生じている場合は実際の通水前
に再度再生操作を行うことができ、これにより再生不良
のない完全に再生された樹脂を復水処理に供することが
でき、処理水悪化を事前に防止することが可能になる。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、試料樹脂にアンモニア
含有水を通液することにより、試料樹脂に吸着されてい
るカチオンおよびアニオンの両方を溶離させることがで
きる。そしてこれらを含む流出水を2分して、一方をカ
チオン交換カラムに通液して流出水の導電率を検出する
とともに、他方をアニオン交換カラム通液して、流出水
の導電率またはイオン濃度を検出し、これらの検出値を
演算処理してイオン組成を算出することにより、簡単な
装置と方法により、硫酸イオン等のアニオン組成を含む
イオン交換樹脂の総合的なイオン組成を迅速かつ低コス
トで測定することができるイオン交換樹脂のイオン組成
測定装置を提供する。
含有水を通液することにより、試料樹脂に吸着されてい
るカチオンおよびアニオンの両方を溶離させることがで
きる。そしてこれらを含む流出水を2分して、一方をカ
チオン交換カラムに通液して流出水の導電率を検出する
とともに、他方をアニオン交換カラム通液して、流出水
の導電率またはイオン濃度を検出し、これらの検出値を
演算処理してイオン組成を算出することにより、簡単な
装置と方法により、硫酸イオン等のアニオン組成を含む
イオン交換樹脂の総合的なイオン組成を迅速かつ低コス
トで測定することができるイオン交換樹脂のイオン組成
測定装置を提供する。
【図1】実施形態によるイオン交換樹脂のイオン組成測
定装置の系統図である。
定装置の系統図である。
【図2】完全再生樹脂の流出水の導電率変化を示す線図
である。
である。
【図3】再生不良樹脂が混入した樹脂の流出水の導電率
変化を示す線図である。
変化を示す線図である。
1 試料樹脂カラム 2 試料樹脂 3 樹脂貯槽 4 樹脂導入路 5 アンモニア含有水貯槽 6 アンモニア含有水供給路 7 樹脂流出路 8、13、14 流出水路 8a、8b 分流路 9 カチオン交換カラム 10 アニオン交換カラム 11 カチオン交換樹脂 12 アニオン交換樹脂 15 排液槽 16、17、18 導電率計 19 流量計 20 演算装置 21 アンモニア含有水
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年11月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、試料樹脂にアンモニア
含有水を通液することにより、試料樹脂に吸着されてい
るカチオンおよびアニオンの両方を溶離させることがで
きる。そしてこれらを含む流出水を2分して、一方をカ
チオン交換カラムに通液して流出水の導電率を検出する
とともに、他方をアニオン交換カラム通液して、流出水
の導電率またはイオン濃度を検出し、これらの検出値を
演算処理してイオン組成を算出することにより、簡単な
装置と方法により、硫酸イオン等のアニオン組成を含む
イオン交換樹脂の総合的なイオン組成を迅速かつ低コス
トで測定することができる。
含有水を通液することにより、試料樹脂に吸着されてい
るカチオンおよびアニオンの両方を溶離させることがで
きる。そしてこれらを含む流出水を2分して、一方をカ
チオン交換カラムに通液して流出水の導電率を検出する
とともに、他方をアニオン交換カラム通液して、流出水
の導電率またはイオン濃度を検出し、これらの検出値を
演算処理してイオン組成を算出することにより、簡単な
装置と方法により、硫酸イオン等のアニオン組成を含む
イオン交換樹脂の総合的なイオン組成を迅速かつ低コス
トで測定することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 試料樹脂を充填する試料樹脂カラムと、 試料樹脂カラムにアンモニア含有水を供給するアンモニ
ア含有水供給路と、 試料樹脂カラムの流出水の一部を受入れてカチオン交換
するカチオン交換カラムと、 試料樹脂カラムの流出水の一部を受入れてアニオン交換
するアニオン交換カラムと、 カチオン交換カラムの流出水の導電率を測定するための
第1の導電率計と、 アニオン交換カラムの流出水の導電率またはイオン濃度
を測定するための第2の導電率計またはイオン濃度計
と、 第1の導電率計の測定値のピーク値から試料樹脂のアニ
オン組成を演算し、第2の導電率計またはイオン濃度計
の測定値から試料樹脂のカチオン組成を演算する演算装
置とを備えていることを特徴とするイオン交換樹脂のイ
オン組成測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7233924A JPH0980007A (ja) | 1995-09-12 | 1995-09-12 | イオン交換樹脂のイオン組成測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7233924A JPH0980007A (ja) | 1995-09-12 | 1995-09-12 | イオン交換樹脂のイオン組成測定装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0980007A true JPH0980007A (ja) | 1997-03-28 |
Family
ID=16962741
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7233924A Pending JPH0980007A (ja) | 1995-09-12 | 1995-09-12 | イオン交換樹脂のイオン組成測定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0980007A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007192702A (ja) * | 2006-01-20 | 2007-08-02 | Japan Organo Co Ltd | イオンセンサー、再生時期の判定方法、軟化器、イオン分析装置及びイオン分析方法 |
JP2016161289A (ja) * | 2015-02-26 | 2016-09-05 | 三菱日立パワーシステムズ株式会社 | 塩分測定方法及び塩分測定装置 |
CN116203089A (zh) * | 2023-03-14 | 2023-06-02 | 华能灌云清洁能源发电有限责任公司 | 一种便携检测氢导装置及使用方法 |
-
1995
- 1995-09-12 JP JP7233924A patent/JPH0980007A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007192702A (ja) * | 2006-01-20 | 2007-08-02 | Japan Organo Co Ltd | イオンセンサー、再生時期の判定方法、軟化器、イオン分析装置及びイオン分析方法 |
JP2016161289A (ja) * | 2015-02-26 | 2016-09-05 | 三菱日立パワーシステムズ株式会社 | 塩分測定方法及び塩分測定装置 |
CN116203089A (zh) * | 2023-03-14 | 2023-06-02 | 华能灌云清洁能源发电有限责任公司 | 一种便携检测氢导装置及使用方法 |
CN116203089B (zh) * | 2023-03-14 | 2024-02-27 | 华能灌云清洁能源发电有限责任公司 | 一种便携检测氢导装置及使用方法 |
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