JP2851442B2 - イオン交換装置で使用されるイオン交換樹脂の性能評価方法及び装置 - Google Patents

イオン交換装置で使用されるイオン交換樹脂の性能評価方法及び装置

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JP2851442B2 JP2404295A JP40429590A JP2851442B2 JP 2851442 B2 JP2851442 B2 JP 2851442B2 JP 2404295 A JP2404295 A JP 2404295A JP 40429590 A JP40429590 A JP 40429590A JP 2851442 B2 JP2851442 B2 JP 2851442B2
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  • Treatment Of Water By Ion Exchange (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、火力発電所あるいは原
子力発電所における復水脱塩装置に代表されるイオン交
換装置に関し、詳しくは、イオン成分を含んだ水を処理
するイオン交換装置において、脱塩塔で使用したイオン
交換樹脂の経時的な性能劣化を判断するために利用され
るイオン交換樹脂の性能評価方法等、およびこれに用い
られる装置に関するものである。
【0002】
【発明の背景及び従来の技術】本発明を、火力発電所あ
るいは原子力発電所の設備における循環水系中の復水脱
塩装置に適用した場合を代表例として以下説明する。
【0003】火力発電あるいは原子力発電の設備は、蒸
気タービンを駆動させた後の蒸気を海水等で冷却して復
水とし、この復水を再び加熱して得た蒸気で蒸気タービ
ンを駆動させるというサイクルを繰り返すものであり、
このサイクルで循環される系内の水は、各種の不純物イ
オンや酸化鉄微粒子(クラッド)で汚染されるため、こ
れらの除去を目的に上記の循環系内に復水脱塩装置が設
置されるのが普通である。また、上記循環系の冷却水と
して海水が利用されている場合には、この冷却水である
海水が復水中に漏洩する虞れを全く無視することはでき
ない場合が多いので、この所謂海水リークが万一発生し
た場合にも不具合を招かないようにするフェイルセイフ
の一つとして、上記復水脱塩装置が重要な役割を担って
いるという意義を有する。
【0004】この復水脱塩装置は、一般的には、複数の
混床式脱塩塔(以下単に「脱塩塔」という)からなる通
水系統と、この脱塩塔で使用されているイオン交換樹脂
を再生するための再生系統とからなるという装置構成を
有していて、脱塩塔内で使用されているイオン交換樹脂
は、H形あるいはNH4 形の強酸性カチオン交換樹脂
と、OH形の強塩基性アニオン交換樹脂の混合イオン交
換樹脂からなっている。そしてこの復水脱塩装置におい
て行なわれる復水処理は、復水脱塩装置内に複数並列し
た脱塩塔に対し復水を通水することで、復水中に含まれ
るのNa イオンやClイオン等の不純物をイオン交換作
用により除去し、あるいは復水中のクラッドを濾過作用
や吸着作用によって除去して、浄化された処理水を得る
ものであることは当業界においてよく知られている。
【0005】上記において復水脱塩装置が複数の脱塩塔
を備えるように設けられているのは、経時的にイオン交
換樹脂が性能低下しても、装置を連続稼動させることを
可能とするためである。すなわち、上記のように脱塩塔
の復水脱塩処理を連続的に行なわせようとすると、一つ
の脱塩塔はクラッドの蓄積によって圧力損失を招いたり
あるいは定体積処理量に達し、または当該脱塩塔内のイ
オン交換樹脂が不純物イオンで飽和する等の結果いわゆ
る通水終点に達する。この場合に復水脱塩装置が脱塩塔
を複数備えていれば、通水終点に達した脱塩塔のみを通
水系統から切り離して他の脱塩塔での通水を続行するこ
とができ、この切り離した脱塩塔については、当該脱塩
塔内のイオン交換樹脂を再生系統内の再生塔に移送させ
て再生処理を行ない、その後、再生処理を終了したイオ
ン交換樹脂を再び脱塩塔に戻して通水系統に復帰させる
ことが可能となるからである。なおこの再生処理につい
ては、再生処理済みイオン交換樹脂を貯槽に一時貯溜し
ておいて、上記通水終点に達した一つの脱塩塔のイオン
交換樹脂を再生塔に移送させると同時に、該貯槽に一時
貯溜した再生処理済イオン交換樹脂をこの脱塩塔に戻す
方式や、貯槽を備えずに、一つの脱塩塔からのイオン交
換樹脂を再生処理して再び元の脱塩塔に戻す方式のもの
も知られている。なお、上記の再生処理の内容は、バブ
リングによりクラッドを水洗除去する処理と、カチオン
交換樹脂に硫酸等の酸再生剤を通薬し、アニオン交換樹
脂には苛性ソーダ等のアルカリ再生剤を通薬してそれぞ
れの不純物イオンを脱着させる処理とを行なうものであ
り、再生方式としては、上層にアニオン交換樹脂を下層
にカチオン交換樹脂を分離形成させて再生を行なう一塔
再生方式と、両オン交換樹脂を別々の再生塔に分離し
てそれぞれの再生塔で再生する別塔再生方式がある。
【0006】さて、復水脱塩塔に使用されているイオン
交換樹脂は、上記にように再生処理により繰り返し使用
することが可能であるが、イオン交換樹脂を長期間使用
していくと徐々にその性能が劣化することは避けられ
ず、その傾向はアニオン交換樹脂において特に顕著に表
われる。なお上記の性能劣化は、別の言い方ではアニオ
ン交換樹脂の有機物等による汚染として説明される。
【0007】ところで近時においては、復水脱塩装置に
求められる脱塩性能は次第に高純度化する傾向にあり、
処理水の水質で言えば、例えばNa イオンで 0.1μg/
l以下、Clイオンで0.1μg/l以下というような
きわめて高純度のものが要求されるようになってきてお
り、一方、イオン交換樹脂においては上記のような劣化
が進行してしかもその劣化の進行状況を把握することが
困難であることから、イオン交換樹脂の交換時期を、上
記高度の脱塩性能を維持出来るように決定することが必
ずしも容易でないという状況を招くようになってきた。
【0008】このような状況から、脱塩装置において使
用されているイオン交換樹脂の性能を、出来るだけ正確
に把握しようとする様々な提案が従来からされている。
【0009】例えば特開昭61−162749号公報で
は、実装置からサンプリングしたイオン交換樹脂を、実
装置と同様な樹脂層高をもったカラムに充填し、これに
試験水を通してその処理水の水質からイオン交換樹脂の
性能を判断する方法が提案されている。
【0010】しかしこの方法は、実装置からイオン交換
樹脂を抜くというオフライン方式の手法であり、別の試
験カラムを用いて性能評価試験を行なうために、かなり
の労力と時間がかかるという問題があるだけでなく、原
理的にも、その試験結果は実際に使用されているイオン
交換樹脂の性能を正確に示しているとは言えないという
欠点がある。これは、復水脱塩装置で使用されるアニオ
ン交換樹脂(カチオン交換樹脂も同様)はその粒径が一
定の分布幅をもっており、しかもこの粒径の違いが性能
劣化の度合いに影響するという本出願人自身の知見(特
開昭62−4448号公報)に基づくものである。つま
り実装置からサンプリングしたイオン交換樹脂を試験し
ても、それが実際の装置における性能を正確に反映して
いるとは言えない場合が多いという問題を、現実的かつ
工業的な装置では容易に克服できないのである。
【0011】またこのオフライン方式の別の例として、
特開平2−36340号公報の提案もあるが、これも上
記と同様のオフライン方式の欠点を克服できない。
【0012】また、イオン交換樹脂の劣化度合いを測定
するものではないが、発電所蒸気サイクル水を準連続オ
ンライン監視するという提案もある(特開昭62−10
6367号公報)。しかしこの提案は、復水の通水に対
し酸導電率計を用いて従来から行なわれている万一の海
水リークを監視するにすぎない。そして仮に、上記酸導
電率計より検知レベルの高いイオンクロマト分析装置を
用いて、復水を処理した通水中のイオンを検出し、イオ
ン交換樹脂の劣化状態を測定しようとしても、実際に劣
化状態を把握できるような現象やデータを見出すことは
実際には殆ど不可能であり、万一の海水リークがあった
時に劣化していたことが分かるにすぎない。
【0013】以上のように、復水脱塩装置に使用されて
いるイオン交換樹脂について、その使用に伴って性能が
徐々に劣化する度合いを測定しようとする等の種々の提
案が従来からされているものの、いずれの提案もそれぞ
れ欠点があって、工業的に有効な対策をとるのに役立つ
ような十分正確な性能評価を行なうことが困難であると
いうのが現状である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な従来技術では克服困難な問題を解決しようとする観点
から、イオン交換樹脂特にアニオン交換樹脂の性質と、
イオン交換装置の運転サイクルとを詳細に検討し、その
結果アニオン交換樹脂の劣化を顕著に反映し、かつ精度
の高いアニオン交換樹脂の性能評価に有益な現象を見出
したことに基づき、イオン交換樹脂の性能評価を効果的
になし得る方法、及びイオン交換樹脂の交換時期を事前
に予測するのに有効な方法、及びこれらの方法の実施に
使用できる性能評価装置の提供を目的としてなされたも
のである。
【0015】また本発明の別の目的は、復水脱塩装置等
のイオン交換装置において実際に使用されているイオン
交換樹脂を、当該装置から外部に取り出すことなくイン
ラインの状態でその性能評価を可能とし、これによって
測定作業の労力や時間の無駄をなくした性能評価方法
等、及び性能評価装置を提供するところにある。
【0016】更に本発明の別の目的は、実際のイオン交
換樹脂を当該装置から外部に取り出すことなくその装置
内(インライン)で性能評価することにより、樹脂の粒
径分布等による性能劣化の違いの影響を受けることな
く、正確で精度の高い性能評価等を行なうことができる
方法及び装置を提供することにある。
【0017】これらの目的を実現するために、本発明者
等が種々の知見に基づいて行なった研究開発の成果につ
いて簡単に説明する。
【0018】上記の復水脱塩装置においては、使用する
イオン交換樹脂が比較的新しいうちは処理水中のNaイ
オン,Clイオン等の不純物をかなり低い値に処理する
ことができ、要求される水質を満足する高純度の処理水
が問題なく得られる。しかし、アニオン交換樹脂が復水
中の有機物等により汚染を受けると、イオン交換樹脂か
ら微量の例えばSO4 イオンの漏出がいつまでも続くこ
とが知見される。この問題は、再生済の両イオン交換樹
脂を脱塩塔に移送した直後の通水初期に、そのSO4
オンの漏出量が規定の数値を越えることがある問題とし
て顕著に現われる。
【0019】ここで本発明者等は、この再生イオン交換
樹脂からのSO4イオンの漏出量が多いことにむしろ着
目し、その現象を詳細に検討した。その結果、この現象
は、再生系統において両イオン交換樹脂を再生する際
に、カチオン交換樹脂再生剤である硫酸がアニオン交換
樹脂に接触し、そのために接触したアニオン交換樹脂が
SO4 形になると共に、当該SO4 形アニオン交換樹脂
粒子の内部には硫酸が残留することとなり、この硫酸が
通水中に微量づつ処理水中に漏出することに原因してい
るであろうと推定した。
【0020】なおカチオン交換樹脂再生剤として塩酸を
用いた場合には同様の理由でClイオンが通水初期に漏
出する。
【0021】カチオン交換樹脂再生剤である硫酸が本来
は接触すべきでないアニオン交換樹脂に接触する理由は
次のことによる。すなわち一般の復水脱塩装置において
は、再生後のカチオン交換樹脂におけるNa形分率をき
わめて少なくする必要があることから、カチオン交換樹
脂がアニオン交換樹脂再生剤である苛性ソーダと接触す
るのを極力防止できる再生方法及び装置の構成を採用す
るのが普通であり、その結果、かかる再生方法及び装置
構成に由来してカチオン交換樹脂再生剤である硫酸がア
ニオン交換樹脂に接触することを厳密に避けることが難
しくなる。これは一塔再生方式の再生塔であれあるいは
別塔再生方式の再生塔であれ理由は異なるにしても避け
難い問題となっている。なおその原因等の詳細な説明は
煩雑さを避けるため省略する。
【0022】さて、上記したように、再生後のイオン交
換樹脂から通水中に微量漏出する陰イオンの量は、極め
て微量であるがアニオン交換樹脂の劣化が進行するにつ
れて次第に増大する。しかしその量自体は繰返しになる
が極微量であって、従来のこの種のイオン交換装置のイ
ンライン系の水質監視装置として用いられている酸導電
率計やNaモニター等ではその漏出イオンを関知できず
また漏出イオンの種類も特定できない。このために、イ
オン交換樹脂の劣化の状態は、再生後のイオン交換樹脂
に対する通水初期の処理水の電気伝導率がかなり悪化し
た場合や、あるいは海水リークが起こって多量の不純物
が復水脱塩装置に入り込み、その結果処理水質の電気伝
導率が悪化したときに、初めてアニオン交換樹脂の相当
に進んだ汚染を知ることができた程度であり、性能評価
も、例えば上記海水リークで処理水質の電気伝導率が悪
化したことを交換時期の目安とできる程度であったとい
うのが実状である。
【0023】したがって処理水質の電気伝導率の相当な
悪化が検出されたときに、初めて交換の必要性が分かり
直ちにイオン交換樹脂を交換しなければならなかった。
【0024】しかしこのような方式では、交換すべきイ
オン交換樹脂は、いつそのような交換時期に至るか不明
であるために常に準備しておく必要があるし、交換のた
めの作業等の体制も常に準備しておかなければ、短時間
のうちの迅速な交換が実現できず、一般的にはそのよう
なイオン交換樹脂の相当量を、発電所等において常に準
備しておくための設備や作業人員の確保等に伴う経費負
担等がこの種のイオン交換装置についての管理上の大き
な負担となっていた。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記のような従来技術の
克服できなかった種々の問題を解決することを目的とし
てなされた本発明のイオン交換樹脂の性能評価方法、代
表的には原子力発電所や火力発電所の復水脱塩装置で使
用されるイオン交換樹脂の性能評価方法の特徴は、イオ
ン成分を含んだ水を処理するイオン交換装置の脱塩塔で
使用したイオン交換樹脂につき、当該イオン交換樹脂を
再生処理した時点から一定時間内の間にこのイオン交換
樹脂から漏出するClイオン又はSO4 イオン等のアニ
オン漏出量の変化を測定する操作を、上記イオン交換樹
脂の再生処理毎に行ない、このアニオン漏出量の変化が
再生処理毎に移り変わる履歴を上記イオン交換樹脂の劣
化判断の情報とすることにある。上記漏出アニオンの種
類は、イオン交換樹脂の再生のために通薬する酸により
決まる。
【0026】上記において、再生処理したイオン交換樹
脂から漏出するアニオンの測定を行なうためには、再生
処理済イオン交換樹脂を混合し次いで純水をブローし
て、その時の排水を例えばイオンクロマト分析装置に流
して行なうことができる。漏出アニオンの測定は、再生
後のイオン交換樹脂を放置すると漏出アニオン量が低下
するいわゆる「ねかし効果」が現われるため、イオン交
換樹脂の再生後できるだけ迅速に行なうことが望まし
く、再生処理のシステムにより一律には決められない
が、一般的には再生処理後5時間以内、好ましくは3時
間以内、より好ましくは1時間以内に行なうことがよ
い。測定時間の長さは特に限定されるものではないが、
数十分以上特には30分〜1時間程度の間行なうことが
好ましい。再生処理毎に行なわれる上記漏出アニオンの
測定においてのこれらの測定開始時間,測定継続の時間
を含めて、評価をより正確なものとするために、再生条
件は、一定の条件で行なうことが望ましい。
【0027】上記漏出アニオンの測定には、イオンクロ
マト分析装置を好ましく用いることができ、例えば横河
電機(株)製のイオンクロマトアナライザーIC−70
00を搭載したプロセス用イオンクロマト測定装置(A
U−10)等を例示することができる。
【0028】本発明の上記方法は、再生塔で再生処理し
たイオン交換樹脂を貯槽に一時貯溜し、通水終点に達し
た一つの脱塩塔のイオン交換樹脂を再生塔に移送させる
と同時に、この一時貯溜した再生処理済イオン交換樹脂
を脱塩塔に戻す方式や、貯槽を備えず脱塩塔からのイオ
ン交換樹脂を再生処理して再び元の脱塩塔に戻す方式の
何れのイオン交換装置においても実施でき、前者では再
生装置(再生塔又は樹脂貯槽)において評価のための操
作を行ない、後者においては再生塔あるいは脱塩塔に戻
してから評価の操作を行なえばよい。最も好ましい実施
態様としては、再生装置あるいは脱塩塔に切換えバルブ
を介してイオンクロマト分析装置を連結したインライン
で測定のための操作を行なう方式が推奨される。
【0029】本発明はまた、上記方法によりイオン交換
樹脂の性能(劣化の度合)を評価することで、このイオ
ン交換樹脂の交換時期を予測し、必要な対策を逐次とる
ことができる。この交換時期の予測方法としては、アニ
オン漏出量の変化を示す特性曲線を得て、この特性曲線
が再生処理毎に移り変わっていく履歴を、同一,同種の
イオン交換樹脂について経験的知識に基づいて、あるい
は実際に試験して作成した劣化履歴を示す判定基準と対
比判定する方法や、劣化の段階を予め複数に分けて設定
した判定基準に対し、その劣化段階のいずれに該当する
かで判定する方法などを例示できる。
【0030】特に後者の方式では、設定した劣化の段階
毎に、行なうべき対応例えば最終段階では交換作業の開
始、その前の段階ではイオン交換樹脂の発注、更にその
まえの段階では樹脂交換スケジュールの策定等々を定め
ておくことで、システム化した対応を実施できる点で工
業的,実用的に特に優れている。
【0031】以上のような本発明の評価方法、交換時期
予測方法を実施するための具体的な装置としては、再生
処理装置の再生塔内の再生処理後のイオン交換樹脂の混
合,純水ブローの各処理を順次に行なうための通液手段
と、再生塔に上記純水ブローを行なったときの排水をイ
オンクロマト分析装置に送る送液管と、上記排水に含ま
れるアニオン量を純水ブロー開始から一定時間の間、例
えば上記イオンクロマト分析装置で測定する測定手段
と、イオンクロマト分析装置の測定結果を記録する記録
手段とを設けたイオン交換装置を挙げることができる。
また、脱塩塔内で上記再生処理済イオン交換樹脂の混
合,純水ブローの各処理を順次に行なうための通液手段
と、上記純水ブローを行なったときの排水をイオンクロ
マト分析装置に送る送液管と、上記排水に含まれるアニ
オン量を、上記純水ブロー開始から一定時間の間イオン
クロマト分析装置で測定させる測定制御手段と、イオン
クロマト分析装置の測定結果を記録する記録手段とを設
けたイオン交換装置も例示できる。
【0032】
【作用】本発明方法によれば、再生済イオン交換樹脂か
らアニオンが極微量漏出する現象を、実際の装置で使用
されている樹脂そのものを該装置内に保持したままで測
定し、この測定結果に基づいてイオン交換樹脂の劣化度
合を判断でき、またその劣化度合に基づき交換時期を予
測できる。
【0033】また本発明装置は、インラインで自動化し
た測定が可能である。
【0034】
【実施例】以下本発明を図面に示す実施例に基づいて説
明する。
【0035】実施例1 図1は、本発明方法を実施するために構成された復水脱
塩装置の構成概要をフロー図として示したものであっ
て、この復水脱塩装置は三つの脱塩塔を備えている。
【0036】この図において、1はそれぞれ塔内にH形
(又はNH4 形)のカチオン交換樹脂とOH形のアニオ
ン交換樹脂を混合イオン交換樹脂2として充填した脱塩
塔を示し、各脱塩塔1の上部には、それぞれ入口弁3を
介して復水流入管4が連結され、また下部には、それぞ
れ出口弁5を介して復水流出管6が連結されている。な
お上記三つの脱塩塔を区別するために、本例ではこれら
の脱塩塔およびその付属構成を示す符号にA,B,Cを
付記した。
【0037】7は脱塩塔1から取出した使用済み混合イ
オン交換樹脂2を逆洗分離及び再生するための一塔再生
方式の再生塔、8はこの再生塔7で再生したカチオン交
換樹脂及びアニオン交換樹脂を一時貯溜するための樹脂
貯槽を示し、再生塔7の上部は、上記各脱塩塔1の下部
と点線で示した樹脂移送管9でそれぞれ連結され、また
再生塔7の下部は、樹脂貯槽8の上部と同じく点線で示
した樹脂移送管10で連結され、更に、樹脂貯槽8の下
部と上記三つの脱塩塔1の上部とはそれぞれ樹脂移送管
11で連結されている。なおこれらの樹脂移送管9,1
0,11を必要時にのみ開路するようにそれぞれ付設さ
れている弁類については、図が複雑となるため便宜的に
省略している。
【0038】以上の構成において、復水脱塩装置を通常
運転し、いま脱塩塔1Aの混合イオン交換樹脂2Aが通
水終点に達したとすると、他の二つの脱塩塔1B,1C
の通水脱塩処理を継続したまま、上記脱塩塔1Aの入口
弁3A及び出口弁5Aを閉じ、他方図示しない樹脂移送
管9の常閉弁を開いて、該脱塩塔1Aの混合イオン交換
樹脂2Aをスラリー状で再生塔7に移送させる。
【0039】またこの通水終点に達した樹脂2Aの再生
塔7への移送が終了した時点で、樹脂貯槽8に一時貯溜
されていた再生済混合イオン交換樹脂2を、樹脂移送管
11で上記脱塩塔1Aにスラリー状で移送させ、移送の
完了に伴って上記入口弁3A及び出口弁5Aを開き、再
び通水脱塩処理を行なう状態に復帰させる。
【0040】一方、再生塔7に脱塩塔から送られた混合
イオン交換樹脂2は、通常の再生処理により再生が行な
われる。すなわち、再生塔7内に移送された混合イオン
交換樹脂は逆洗分離等によりアニオン交換樹脂とカチオ
ン交換樹脂が上下二層に分離され、それぞれの樹脂に対
して再生剤が通薬される(カチオン交換樹脂に対しては
例えば硫酸が再生剤として通薬され、アニオン交換樹脂
に対しては例えば苛性ソーダが再生剤として通薬され
る)。そしてこれに続き、通薬された薬液の押し出し、
樹脂の洗浄を行なって再生処理を終了する。
【0041】再生の終了した混合イオン交換樹脂は樹脂
移送管10を通して樹脂貯槽に移送され、貯溜待機され
る。
【0042】以上の構成及び操作は従来の復水脱塩装置
の場合と同様である。
【0043】次に本例における特徴的な構成、操作につ
いて説明する。
【0044】上記のように、再生塔7に移送された混合
イオン交換樹脂2について所定の再生処理を行ない、一
塔再生方式ではこの再生処理が済んだ混合イオン交換樹
脂2を樹脂貯槽8に移送し、次の脱塩塔への移送まで貯
溜待機させるのが従来の通常の操作である。そして本例
においては、この通常の再生処理の操作に加えて、再生
塔7内において、上記再生処理済混合イオン交換樹脂2
を再生処理後に直ちに十分に混合する混合操作と、これ
に続き、例えば純水供給管20からSV20で約1時間
に渡って再生塔7に純水ブローを行ない、該混合された
イオン交換樹脂を洗浄する洗浄操作とを行ない、このブ
ローした純水を再生塔7の下部から排水管23を通して
イオンクロマト分析装置13に導き、排水中に含まれる
微量濃度のSO4 イオン(再生剤が塩酸である場合には
Clイオン)を経時的に測定するように設けられてい
る。上記イオンクロマト分析装置13で、例えば1時間
の間連続的に(あるいは一定の単位時間毎に間欠的に)
測定された測定データは、例えばマイクロコンピュータ
を有する判定,記録装置16に送られる。
【0045】ここで、イオン交換樹脂の再生処理後に行
なう混合操作とは、既存の復水脱塩装置において通常行
なわれている樹脂の混合操作に準じて行なうことができ
る操作を言い、具体的にその代表的な例を示せば、樹脂
面近くまで水抜きした後塔下部から例えば約2kg/c
2 のエアを吹き込んで5〜10分間に渡りよく混合す
る操作を例示することができる。また上記操作において
行なわれる純水ブローは、一般的には5μS/cm以
下、好ましくは1μS/cm以下の純水を、例えばSV
10〜50でブローする操作を代表的に例示できる。
【0046】この操作を、混合イオン交換樹脂の再生処
理毎に繰り返し行なう。
【0047】上記のようにして情報が送られるマイクロ
コンピュータをもつ判定,記録装置16には、例えば本
例のように、劣化の段階を予め複数に分けて判定基準を
設定(図2参照:この例では汚染度を0〜5の段階にし
て基準を設けている)しておくことで、実際に測定され
たデータから、アニオン樹脂の汚染度を判定し、判定結
果及びそれに基づく対応等を適宜の表示装置で表示する
ことができる(後記の表3参照)。
【0048】なお上記判定基準は、使用するイオン交換
樹脂の種類や復水脱塩装置の設計、運転状況等々の様々
な条件を十分に加味したものであり、例えばコンピュー
タの記憶部にそれらの条件に応じた複数種類の判定基準
を具備させておいて、設備や運転状況に応じて適切な判
断基準を採用するようにすることで設備毎に応じた個別
のプログラムを組込む手間を省くこともできる。
【0049】以上の操作を混合イオン交換樹脂の再生処
理毎に行なうことにより、例えば混合イオン交換樹脂2
Aについて、再生サイクル毎の汚染度の経時的な変化を
見ることができる(図3参照)。
【0050】このようにして本発明方法によりアニオン
交換樹脂の汚染を比較的軽微なうちから経時的に知るこ
とができるので、樹脂の取り替え時期を予め予測するこ
とができ、常に厳しい水質が要求される復水脱塩装置の
管理に非常に有用な管理情報を得ることができる。
【0051】表1に、上記実施例によりアニオン交換樹
脂の汚染度の評価を行なうためのフローチャートの一例
を図表として示した。
【0052】
【表1】
【0053】なおこのような操作は、既存のコンピュー
タ技術を用いて容易に実現することができ、例えば、上
述説明に則したシーケンスプログラムを組むことで実現
できる。
【0054】本例の方法によれば、従来の方法や装置で
は実現できなかった実装置内の混合イオン交換樹脂の性
能を、その実装置内で使用されている状態そのままを対
象として、かつ、実装置から混合イオン交換樹脂を取出
して試験するという人員的にもまた時間的にも手間のか
かる作業を必要とすることなく機械的に行なうことが可
能である。
【0055】そして、通常運転時において樹脂の劣化に
伴って現われる情報(例えば処理水質の極微量な低下)
では、これを検出することは現在の技術では事実上不可
能であるという技術的な困難性を克服して、復水脱塩装
置で使用されている混合イオン交換樹脂の経時的な劣化
を、工業的、実用的に有効に利用できる範囲で、高精度
にかつインラインで自動的,機械的に測定出来るという
従来技術からは予想も出来なかった極めて優れた効果を
もたらすことができる。
【0056】なお本発明の方法の実施の態様は、以上述
べたような、再生塔内においての再生処理済混合イオン
交換樹脂に対する純水ブロー、及びこのブローした純水
の排水中に含まれるSO4 イオン濃度の測定という態様
に限定されるものでないことは言うまでもない。
【0057】例えば、この再生処理済混合イオン交換樹
脂に対する純水ブロー、及びこのブローした純水の排水
中に含まれるSO4 イオン濃度の測定の操作は、樹脂貯
槽8において行なうこともできる。具体的には、上記再
生塔7に対する混合のための液供給管(図示せず)及び
純水供給管20に代えて、樹脂貯槽8に対して同様の混
合のための液供給管(図示せず)及び純水供給管21を
図1に示しているように設け、上記と同様の操作を行な
うことによっても、本発明は同様に実施することができ
る。
【0058】また既存の復水脱塩装置においては樹脂貯
槽8を具備しないタイプもあるが、かかる方式の装置に
おいては、脱塩塔に対して再生処理済の混合イオン交換
樹脂を戻した後、通常の脱塩処理への復帰の前に、この
脱塩塔に対して純水ブロー管22A,22B,22Cか
ら脱塩塔に純水をブローし、その際に生ずる排水を、図
1で示しているようにこれらの脱塩塔とイオンクロマト
分析装置13を連結している送水管14A,14B,1
4Cの途中の常閉型弁15A,15B,15Cを開いて
イオンクロマト分析装置13に送水し、上記と同様のS
4 イオン濃度の測定を行なって混合イオン交換樹脂に
対する性能評価のための測定データを得ることができ
る。
【0059】なお、本発明の装置には既知の手段を併せ
て用いることができる。例えば図1で参考的に示してい
るように、各脱塩塔1A,1B,1Cの下流に酸導電率
計12A,12B,12Cを介設し、これにより通常運
転時の万一のイオンリークを検出するとか、各脱塩塔か
らの処理水の合流する管6に同様の酸導電率計12Dを
介設することも有効である。また復水流入経路に分岐し
た経路を設けて常閉型の開閉弁15Eを介設し、通常運
転時の通水をこの弁15Eの間欠的な開路でイオンクロ
マト分析装置13に導いて、これにより万一の海水リー
クを検出するような方式を採用することも、本発明の実
施と並行して有益である。
【0060】以下、本発明の効果を一層明瞭とするため
に具体的な性能評価試験例を説明する。
【0061】性能評価試験例 実際の火力発電所において、設備されている復水脱塩装
置の具体例として、強酸性カチオン交換樹脂であるアン
バーライト(登録商標:以下同様)200CTと、強塩
基性アニオン交換樹脂アンバーライトIRA−900の
混合イオン交換樹脂を使用している復水脱塩装置におい
て、およそ100サイクルの再生サイクルを経たアンバ
ーライト200CTとアンバーライトIRA−900と
を、再生塔において常法により分離し、通常の再生工程
の後に、水抜きを行なって以下の表2の工程を加えて再
生を行なった。
【0062】
【表2】
【0063】そして純水ブロー中の再生塔出口水をイン
ラインでイオンクロマト測定器へと導き、約1時間に渡
り純水ブロー時排水中SO4 イオンを測定した。
【0064】測定結果は図2の点線で表わされた。
【0065】この結果の評価として下記表3より、この
樹脂(およそ100サイクルを経た樹脂)の汚染度は1
で、やや汚染傾向にあることが分かった。
【0066】
【表3】
【0067】同樹脂について、上記と同様の評価をさら
に再生サイクル150サイクルまで連続的に行ない、汚
染度と再生サイクル数の関係を求めた(図4参照)。
【0068】この図4より、150サイクル付近ではま
汚染度は小さい段階であるが、予想曲線よりあと数1
0サイクルで汚染度が3→4と進むことが予想され約2
00サイクル付近で樹脂を交換しなければならないこと
が予想される。
【0069】性能評価試験の実施時 期の確認試験 図1で示した再生塔で再生処理を行なった混合イオン交
換樹脂の性能評価のための測定(樹脂貯槽あるいは脱塩
塔で行なう場合も同様)を、再生処理後のいかなる時期
に行なうことが適当であるかを確認するために次の試験
を行なった。
【0070】すなわち、第1に、再生処理後直ちに混合
及び純水ブローを約1時間に渡って行ない、その排水の
硫酸イオンの経時的変化をイオンクロマト測定器により
測定した。
【0071】またこれと対比するため、上記再生処理後
に樹脂を3,5,16,24時間それぞれ放置し、その
後に混合及び純水ブローを約1時間に渡って行ない、そ
の排水の硫酸イオンの経時的変化をイオンクロマト測定
器により測定する試験を行なった。
【0072】これらの試験により得られた硫酸イオンの
経時的変化を示す特性線を図5に示した。
【0073】この結果から明らかであるように、イオン
交換樹脂に使用されている混合イオン交換樹脂の本発明
方法によって行なわれる性能評価は、樹脂の再生処理後
出来るだけ迅速に行なう必要のあることが確認され、評
価のための測定時期を再生処理後迅速に行なわない場合
には、本発明方法の有効性が確保できない場合の有るこ
とが分かる。
【0074】本発明者らの試験あるいは経験によれば、
工業的,実用的に有効な評価を得るためには、その性能
評価のために行なわれる樹脂の混合,純水ブロー、及び
その排水中に含まれる漏出アニオンの測定の操作を、混
合イオン交換樹脂に対する再生処理の終了した後、5時
間以内、好ましくは3時間以内、最適には1時間以内に
おいて行なうことが適当である場合が多く、また経時的
に変化する漏出アニオン濃度の変化を示す特性線を検出
するためには、一般に1時間程度に渡る範囲で測定を継
続することが好ましい場合が多い。なお、再生処理毎に
行なう操作は実質的に同一の条件で行なうのが適当であ
ることは言うまでもない。
【0075】
【発明の効果】本発明の方法及び装置によれば、従来は
アニオン交換樹脂の汚染がかなり進行した後でなければ
その樹脂の劣化が検出できなかったという問題が解消で
き、比較的汚染の少ない段階からその汚染の進行状況を
把握できるため、その汚染進行に応じた対策をとれると
いう点で、極めて優れた性能評価を実施できるという効
果がある。
【0076】またこのような比較的汚染度合の低い段階
から具体的に性能評価が可能となることに伴って、イオ
ン交換樹脂の交換時期を段階的に予測でき、これに応じ
た交換準備の対策を取ることができるという点で、その
工業的な価値は極めて大きなものがある。
【0077】また、本発明方法及び装置は、イオン交換
樹脂の性能評価を、実装置内に存在したままのイオン交
換樹脂を対象として行なうことができるので、樹脂をサ
ンプリングする等の従来の測定手法に比べて樹脂の無駄
がなく、かつサンプリング試料が実装置の状態を必ずし
も再現するものではないという従来技術において難点と
されていた問題の影響を全く受けず、従来の技術では到
底得ることが出来なかった極めて高精度で、実際に則し
た優れたデータに基づく性能評価あるいはこれに基づく
交換時期の予測が可能となるという効果がある。
【0078】また更に、本発明の方法及び装置は、イオ
ン交換樹脂を実装置の外部に取出すことなくインライン
で測定を行なうことができるものであるため、その測定
作業には、実装置からイオン交換樹脂をサンプリングす
る等のために従来必要とされていた作業人員が不要とな
り、また機械的,自動的な測定を実現できるという工業
的に極めて優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明方法を実施するための構成を備えたイ
オン交換装置の構成概要一例を示した図であり、図中に
は、再生塔において性能評価のための樹脂混合,純水ブ
ローを行なう場合の構成、樹脂貯槽において性能評価の
ための樹脂混合,純水ブローを行なう場合の構成、及び
脱塩塔において性能評価のための樹脂混合,純水ブロー
を行なう場合の構成を、夫々一括して示しているが、こ
れらは説明のためのものであって同時にイオン交換装置
に組み込まれる必要性は特にない。
【図2】 混床式脱塩塔の再生塔における純水ブロー中
のSO4 イオン濃度(μgSO4 /l)を示すグラフで
あって、横軸は純水ブロー時間、縦軸は純水ブロー中の
SO4 イオン漏出量を示した片対数グラフである。な
お、RUN1〜7の曲線は劣化の段階を予め複数に分け
て設定したものであって、各段階の汚染度は( )内に
表示した。また点線は実施例で測定した曲線を示してい
る。
【図3】 本発明方法の性能評価試験を再生処理毎に行
なって得た汚染度の経時的な変化の例を示した図であっ
て、横軸は再生サイクル数、縦軸は樹脂の汚染度を示し
たグラフである。
【図4】 図3と同様に、本発明方法の性能評価試験を
再生処理毎に行なって汚染度の経時的な変化をみた実施
例を示した図であって、横軸は再生サイクル数、縦軸は
樹脂の汚染度を示した図である。
【図5】 本発明方法の性能評価試験を実施する時期を
確認するための試験を行なった結果を示した図であっ
て、横軸は時間、縦軸は処理水中のSO4 イオン漏出量
を示した片対数グラフである。
【符号の説明】
1:脱塩塔 2:混合イオン交
換樹脂 3:入口弁 4:復水流入管 5:出口弁 6:復水流出管 7:再生塔 8:樹脂貯槽 9,10,11:樹脂移送管 12:導電率計 13:イオンクロマト分析装置 14:送水管 15:常閉型弁 16:判定,記録
装置 20,21,22:純水供給管 23,24:排水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−36340(JP,A) 特開 平4−66185(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 30/96 G01N 30/00

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン成分を含んだ水を処理するイオン
    交換装置の脱塩塔で使用したイオン交換樹脂につき、当
    該イオン交換樹脂を再生処理した時点から一定時間内の
    間にこのイオン交換樹脂から漏出するアニオン漏出量の
    変化を測定する操作を、上記イオン交換樹脂の再生処理
    毎に行ない、このアニオン漏出量の変化が再生処理毎に
    移り変わる履歴を上記イオン交換樹脂の劣化判断の情報
    とすることを特徴とするイオン交換装置で使用されるイ
    オン交換樹脂の性能評価方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、イオン交換樹脂から
    漏出するアニオンがClイオン又はSO4 イオンである
    ことを特徴とするイオン交換装置で使用されるイオン交
    換樹脂の性能評価方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、再生処理が、
    イオン交換樹脂に対する再生のための通薬処理、通薬し
    た薬液の押し出し処理、及び薬液押し出し後の樹脂の洗
    浄処理であり、当該再生処理を行なったイオン交換樹脂
    を混合し次いでイオン交換樹脂に対して純水をブローす
    る処理を行ない、この純水ブロー処理の開始から予め定
    めた所定の時間の間、イオン交換樹脂から漏出するアニ
    オン漏出量の変化を測定することを特徴とするイオン交
    換装置で使用されるイオン交換樹脂の性能評価方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、再生処理後のイオン
    交換樹脂から漏出するアニオン漏出量の変化の測定を、
    イオンクロマト分析装置により行なうことを特徴とする
    イオン交換装置で使用されるイオン交換樹脂の性能評価
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
    イオン交換樹脂の再生処理後に行なうイオン交換樹脂か
    ら漏出するアニオン漏出量の変化の測定を、再生処理装
    置に連結したラインで行なうことを特徴とするイオン交
    換装置で使用されるイオン交換樹脂の性能評価方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
    イオン成分を含んだ水を処理するイオン交換装置が、火
    力発電所又は原子力発電所における復水脱塩装置である
    ことを特徴とする復水脱塩装置で使用されるイオン交換
    樹脂の性能評価方法。
  7. 【請求項7】 再生処理毎にイオン交換樹脂から漏出す
    るアニオン漏出量の変化を示す特性線を得、この特性線
    が再生処理毎に移り変わる履歴に基づいて、イオン交換
    樹脂の交換時期を予測することを特徴とする請求項1な
    いし6のいずれかの方法を用いたイオン交換樹脂の交換
    時期予測方法。
  8. 【請求項8】 アニオン漏出量の変化を示す特性線が再
    生処理毎に移り変ってゆく過程を予め複数の劣化段階に
    分けて設定しておき、実際に使用されているイオン交換
    樹脂についての再生処理毎に実測される上記アニオン漏
    出量の変化を示す特性線が、これら複数の劣化段階のい
    ずれに該当するかを判定して交換時期を予測することを
    特徴とする請求項1ないし6のいずれかの方法を用いた
    イオン交換樹脂の交換時期予測方法。
  9. 【請求項9】 請求項8の予め設定された複数の劣化段
    階に夫々対応して、イオン交換樹脂の交換に必要な準備
    対策を定めておくことを特徴とするイオン交換装置で使
    用されるイオン交換樹脂の交換時期予測方法。
  10. 【請求項10】 イオン交換装置の脱塩塔に連結された
    再生処理装置と、上記脱塩塔と再生処理装置の再生塔と
    の間でイオン交換樹脂を移送する樹脂移送手段と、再生
    塔内のイオン交換樹脂に対して通薬,薬液押し出し,洗
    浄の再生処理を行なう手段を備えたイオン交換装置にお
    いて、上記再生塔内の再生処理後のイオン交換樹脂の混
    合,純水ブローの各処理を順次に行なうための通液手段
    と、再生塔に上記純水ブローを行なったときの排水をイ
    オンクロマト分析装置に送る送液管と、上記排水に含ま
    れるアニオン量を、純水ブロー開始から一定時間の間上
    記イオンクロマト分析装置で測定させる測定制御手段
    と、イオンクロマト分析装置の測定結果を記録する記録
    手段とを備えたことを特徴とするイオン交換装置におけ
    るイオン交換樹脂の性能評価装置。
  11. 【請求項11】 イオン交換装置の脱塩塔に連結された
    再生処理装置と、上記脱塩塔から再生処理装置の再生塔
    にイオン交換樹脂を送る樹脂移送手段と、再生塔内のイ
    オン交換樹脂に対して通薬,薬液押し出し,洗浄を行な
    う通液手段と、再生処理装置から脱塩塔に再生処理済イ
    オン交換樹脂を戻す樹脂戻し手段とを備えたイオン交換
    装置において、脱塩塔内で上記再生処理済イオン交換樹
    脂の混合,純水ブローの各処理を順次に行なうための通
    液手段と、上記純水ブローを行なったときの排水をイオ
    ンクロマト分析装置に送る送液管と、上記排水に含まれ
    るアニオン量を、上記純水ブロー開始から一定時間の間
    イオンクロマト分析装置で測定させる測定制御手段と、
    イオンクロマト分析装置の測定結果を記録する記録手段
    とを備えたことを特徴とするイオン交換装置におけるイ
    オン交換樹脂の性能評価装置。
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