JP2776722B2 - アンモニア型復水脱塩装置の運用方法 - Google Patents
アンモニア型復水脱塩装置の運用方法Info
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Description
の復水をアンモニア型復水脱塩処理法で運用する方法に
関するものである。
蒸気を冷却して復水とし、当該復水を加熱して再び蒸気
とし、この蒸気で再び発電タービンを駆動させるサイク
ルを繰り返しているが、当該系内を循環する復水は各種
の不純物イオンやクラツドで汚染されるので、これらを
除去するために復水脱塩装置が設けられる。
モニア形強酸性陽イオン交換樹脂とOH形強塩基性陰イ
オン交換樹脂の混合イオン交換樹脂を用いて、復水中の
アンモニウムイオンを除去せずに他の不純物を除去する
アンモニア型の復水脱塩処理が採用されることが多くな
っている。これはいわゆるH−OH形復水脱塩法(H形
強酸性陽イオン交換樹脂とOH形強塩基性陰イオン交換
樹脂の混合イオン交換樹脂を用いる方法)と比較してラ
ンニングコストが廉価であることによる。
般的運用は、復水を処理するための混合イオン交換樹脂
を充填した複数並列の通水塔(復水脱塩塔)と、この通
水塔内の混合イオン交換樹脂を再生するための再生系統
とからなる装置で行われ、通水塔内のNH4 形陽イオン
交換樹脂とOH形陰イオン交換樹脂の混合イオン交換樹
脂層により、復水中の不純物イオンをイオン交換作用に
より除去し、またクラッドをろ過作用あるいは吸着作用
で除去し、経時の使用によってクラッドの蓄積で圧力損
失が増加したり、定体積処理に達した場合やNaリーク
が生じた場合に、混合イオン交換樹脂を前記再生系統に
送って再生処理を行う運用がされている。
イオン交換樹脂を初めに充分にバブリングしてクラッド
を逆洗除去し、次ぎに、逆洗沈整して分離した陽イオン
交換樹脂層と陰イオン交換樹脂層に対し、陽イオン交換
樹脂層には酸再生剤(通常はH2 SO4 )を通薬し、ま
た陰イオン交換樹脂層にはアルカリ再生剤(通常はNa
OH)を通薬してそれぞれ不純物イオンを脱離させるよ
うにして行われ、再生後のH形陽イオン交換樹脂は、通
水開始後、復水に含まれている水酸化アンモニウムによ
りNH4 形に変換されて、アンモニア型復水脱塩処理に
移行する。
は、初期はH形の陽イオン交換樹脂を混合したイオン交
換樹脂から、経時の変化で処理水中にリークするアンモ
ニウムイオンが処理原水である復水中のそれと同じ量に
なっても、更に通水を続行し、復水中のナトリウムイオ
ンや他の不純物を除去することを特徴として運用するも
のである。
に行っている従来のアンモニア型復水脱塩処理法での実
際の処理水質の推移を観察すると、これは図4に示す状
態であることが知られている。すなわち、H形陽イオン
交換樹脂とOH形陰イオン交換樹脂での2〜5日間の運
転期間(H/OH運転)、陽イオン交換樹脂がH形から
NH4 形への移行期間(1〜2日)、その後NH4 形陽
イオン交換樹脂とOH形陰イオン交換樹脂での20〜2
5日間の運転期間(NH4 /0H運転)に分けられる。
ここで復水中の不純物イオンが極微量であるとすると、
図4から分かるようにH/OH運転期間はナトリウムイ
オンのリークはほとんど無く、NH4 ヘの移行期間にナ
トリウムイオンのリークが最大となり、NH4 /OH運
転期間にはナトリウムリークが次第に低下する。なお復
水中には陰イオン成分である塩化物イオン、硫酸イオン
等は極く微量のため陰イオン交換樹脂のOH形の消費は
下記に示す如くほとんど無く、処理水中へのリークも非
常に少なく通常時は陰イオン交換樹脂の再生は不要であ
る。
g CaCO3 /リットル以下 陰イオン交換樹脂に対する通水流量 150 l/l-R・hr (全
樹脂量に対してSV=50) したがって1年間の R-OH 消費量(=吸着イオン量)は
以下の通りである。
H形に再生される陽イオン交換樹脂の再生は厳密に行わ
れる必要があるとされている。それは、再生直後の陽イ
オン交換樹脂中に規定量以上のNa形陽イオン交換樹脂
が含まれていると、通水塔の通水再開時にナトリウムイ
オンのリークが多くなって当該規定値を越えてしまうか
らであり、再生後のナトリウム分率(全交換基に対する
Na形交換基のモル分率)は一般に0.003以下でな
ければならないとされている。
全になくすことは理論的には可能であっても実際の工業
的規模での実施ではその実現は容易でない。その理由と
しては、逆洗で分離した上層の陰イオン交換樹脂、下層
の陽イオン交換樹脂をそのままの状態で再生するl塔再
生法では、分離境界面からコレクターで陰イオン交換樹
脂の再生廃液を取り出す際に水酸化ナトリウムを含む再
生廃液が陽イオン交換樹脂に接触してしまう問題が挙げ
られ、また、両イオン交換樹脂を別々の塔で再生する2
塔再生法では、移送した陰イオン交換樹脂中に小量の陽
イオン交換樹脂が混入してこれに再生剤である水酸化ナ
トリウム溶液が接触してしまう問題が挙げられる。ま
た、逆洗分離不可能な微細な陽イオン交換樹脂が水酸化
ナトリウム溶液と接触する問題も上記両法に共通して挙
げられる。
夫が種々に提案され、例えば、1塔再生法については、
前記コレクターの設置位置を分離境界面よりも上側の陰
イオン交換樹脂層内に位置させることにより、分離境界
面付近の陽イオン交換樹脂に水酸化ナトリウムを含む再
生廃液が接触するのを低減させる提案があり、2塔再生
法については、逆洗分離した後上層の陰イオン交換樹脂
を他の塔に移送する際に、分離境界面の上方に少量の陰
イオン交換樹脂を残すことで、他の塔に移送した陰イオ
ン交換樹脂中への陽イオン交換樹脂の混入を防止する提
案がある。2塔再生法では、分離境界面上層の少量の陰
イオン交換樹脂と分離境界面下層の少量の陽イオン交換
樹脂を再生樹脂から除外する方法も提案されている。
交換樹脂中に存在してしまう問題に対しては、陰イオン
交換樹脂を再生した後に、水酸化アンモニウム溶液を通
薬し、陰イオン交換樹脂中に存在する微細な陽イオン交
換樹脂をNa形からNH4 形に変換する方法や、混合樹
脂を分離する際に両イオン交換樹脂の中間の比重を有す
る濃厚な水酸化ナトリウム溶液で比重分離する方法など
も提案されている。
方法も、一部は工業的に実施されているものの、再生廃
液の処理の問題や、設備コストの負担が大きい等の種々
の理由からいずれも不十分で、より改善された方法,装
置の提案が求められていた。
ン交換樹脂を用いてアンモニア型の復水脱塩処理を行う
従来の運用は、それぞれ多くの問題点があり、その改善
が求められていた。
運用法の一つとして、圧力損失が規定値に達した時点で
再生を行う際に、樹脂の一部をサンプリングして陽イオ
ン交換樹脂のNa分率を測定し、Na分率が規定値以下
であればクラッドの逆洗除去だけで通水状態に復帰させ
るという提案もされている(特公平3−10376
号)。
ング方法は、サンプリングした樹脂が通水塔内の樹脂の
状態を正確に示しているか否かという点で信頼性に問題
がある。すなわち、復水脱塩装置の1塔あたりの樹脂量
は通常数千リッターであり、これから取出した例えば数
リッターの樹脂によって通水塔内の混合樹脂の状態を再
現しようとしても、その取出しのタイミングや樹脂の劣
化状況等に影響されて、一定の条件を満足することが現
実には極めて困難で、不適切な測定情報に基づいて再生
処理を行なってしまう虞れが大きいからである。
型復水脱塩装置の運用法につき鋭意研究を重ねた。
交換樹脂の再生は、不純物イオンに対する吸着能力が未
だイオン交換樹脂に保有されているにもかかわらず、逆
洗によるクラッド除去操作と平行する形で、本来は再生
が不要なイオン交換樹脂の再生を行っていたことにな
り、この通薬再生によって、むしろ再生初期のナトリウ
ムイオンのリーク原因を作り出していたことに着目し
た。
き、またナトリウムイオンのリークが極力少なくできる
新規運用方法を提案することを目的として本発明をなし
たものである。
電設備において循環する復水を陽イオン交換樹脂と陰イ
オン交換樹脂の混合樹脂層に通し、この混合樹脂層を通
って脱塩された処理水中のアンモニウムイオンの存在は
無視しながら復水脱塩処理を行うアンモニア型の復水脱
塩処理法において、中空糸濾過膜装置で濾過してクラッ
ドを除去した濾過処理復水を上記混合樹脂層に通しなが
ら、該混合樹脂層を通った処理水に含まれるアンモニウ
ムイオン以外の不純物イオン濃度を、連続的に又は一定
時間毎にイオンクロマト装置で測定し、該不純物イオン
濃度が管理基準値以下であることを条件として、該混合
樹脂層を再生設備に移送することなく復水脱塩処理のた
めの通水を継続するところにある。
復水中の不純物イオン濃度を測定するには、これらを通
水する配管からの分岐管をインラインクロマト装置に接
続し、連続的にあるいは必要に応じ一定時間毎にこれら
の不純物イオンを測定する方法を用いることができ、測
定対象としては、通水塔の入口水、及び出口水を挙げる
ことができる。
段の中空糸濾過膜装置によってクラッドが除去されるの
で該クラッドの蓄積が殆どなく、したがって圧力損失は
実質的に増大する問題は考慮する必要はないが、二重,
三重のフェイルセイフの観点からは、従来既知の方法を
適宜採用して圧力損失状態を監視するようにすることも
好ましい。
は、発電所の復水中に発生するクラッドを除去するのに
適した濾過膜を用いたものであれば特に制限されること
なく用いることができる。
合等を除き、不純物イオンが管理基準値以下の状況であ
れば、クラッドは通水塔の前段の中空糸濾過膜装置によ
り除去されてイオン交換樹脂に蓄積されることが実質的
にないのでイオン交換樹脂の交換能力に変化がなく、ア
ンモニア型の運転を停止することなく継続できる。なお
通水中に海水リーク等によるナトリウムリークが発生し
た場合には、直ちにその通水塔の通水を止めて、薬剤に
よる再生操作を行なうことは従来と同様であるが、かか
る問題は実際上殆どないため、本発明によりイオン交換
樹脂の再生を実質的に不要とした連続運転が実現され
る。なお定期点検(例えば1年に1回程度)時にスクラ
ビング,薬品通薬等の再生処理を行なうことは当然であ
る。
来既知のものを適宜採用することができる。
する。
復水脱塩装置の構成概要例を示したもので、この図にお
いて1,2,3は陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂
を充填した通水塔であり、図示しないコンデンサーから
送られる復水中のクラッドを除去するための中空糸濾過
膜装置71,72を通してクラッドが除去された入口水
が、分岐された入口水側配管4の各分岐入口管41,4
2,43から、各通水塔1,2,3の入り口に送られる
ように接続されている。また本例では、この入口水側配
管4は更に分岐されてイオンクロマト装置5に接続され
ている。上記中空糸濾過膜装置71,72は、図示しな
いバルブの切換えにより、クラッドの逆洗除去が必要な
ものの通水を停止することで、設備全体の通水は継続で
きるようにしている。
62,63は、出口側配管6に合流流されて、図示しな
いボイラーに接続されていると共に、各出口管61,6
2,63は、それぞれ上記イオンクロマト装置5に接続
されている。
各通水塔の出口水の一部の水は図示しない通水切換手段
により、適時切換えて上記イオンクロマト装置5に流れ
ることができ、イオンクロマト装置5により復水及び出
口水中のナトリウムイオン、塩化物イオン、硫酸イオン
を実質的に連続して測定できる。
ラッドが蓄積することに伴って増大する圧力損失を測定
監視出来るようにすることがよいが、本発明とは直接関
係がないので図示は省略する。また同様に、通水塔内の
混合イオン交換樹脂を再生する再生設備を予備的に設け
ることがよいがその図示も省略する。
を充填した通水塔1,2,3を初期のH−OH形で起動
した後アンモニア型の運転状態に移行した以降において
は、いわゆる海水リークが発生しない限り各通水塔によ
る処理水のNa分率が次第に低下する傾向を示すことは
既に述べた通りである。
クラッドが除去されるので、混合イオン交換樹脂層には
クラッドが蓄積せず、したがって通常時には、混合イオ
ン交換樹脂を再生設備に移送することを含めて再生操作
を全く行なうことなく、アンモニア型の復水処理を続行
することができる。
に示したようにカラムを設置し、No.1のカラムには
中空糸濾過膜装置81を通してクラッドを除去した復水
を流し、No.2のカラムには、中空糸濾過膜装置を通
さない復水を流した。またNo.1のカラムに関連して
使用した中空糸濾過膜装置81の構成を下記表2に示
し、No.2のカラムについては、30日毎に混合イオ
ン交換樹脂をカラムから取出して再生カラムに移し、ス
クラビングを行なってクラッドを除去し、また下記表3
の条件でイオン交換樹脂の再生を行なった。
再生操作を行なわずにアンモニア型の復水脱塩処理を継
続して行ない、No.2カラムについては30日毎の再
生処理を行なって、インラインイオンクロマト測定装置
により両カラムの処理水のNa,Cl,SO4 を連続的
に監視してその結果を図3及び図4に示した。
測定してカラム内のイオン交換樹脂の差圧上昇を測定
し、その結果を図5及び図6に示した。
カラムでは差圧上昇がなく(図5)、また処理水質も3
0日以降は極めて良好で安定した水質が得られているこ
とが分かる(図3)。他方、No.2カラムでは再生処
理毎に水質が悪くなることを繰返し(図4)、また差圧
も再生後から次第に上昇する状態を繰返す(図6)こと
が分かる。
装置の通水塔に流れる復水の不純物イオン濃度を監視す
ることで、海水リークが無い通常の場合は、イオン交換
樹脂の再生設備への移送および樹脂のサンプリングが不
要で、イオン交換樹脂の再生操作を全く行なわずにアン
モニア型復水脱塩の運転を継続でき、再生は、万一の場
合のみの予備的な操作となるため、再生剤や再生水の使
用を実質的に零にできるという効果が得られる。
再生時に陽イオン交換樹脂のナトリウム分率が増加して
いたという問題を解消できるという効果もあり、周辺環
境への影響から、排水の窒素規制が厳しくなっている今
日において再生排水を実質的になくすことができる本発
明の効果は極めて大きい。
オンクロマト装置をインライン接続したアンモニア型復
水脱塩装置の構成概要一例を示した図である。
試験例の装置の構成を示した図である。
って得られた、アンモニア型復水脱塩装置における通常
運転時に現れる復水の処理水質の経時的な推移を示した
図である。
って得られた、従来の再生処理を定期的に行なった運転
時に現れる復水の処理水質の経時的な推移を示した図で
ある。
差圧変化を示した図である。
差圧変化を示した図である。
ロマト装置,6:出口側配管、41,42,43:分岐
入口管、61,62,63:出口管、71,72:中空
糸濾過膜装置。
Claims (1)
- 【請求項1】 発電設備において循環する復水を陽イオ
ン交換樹脂と陰イオン交換樹脂の混合樹脂層に通し、こ
の混合樹脂層を通って脱塩された処理水中のアンモニウ
ムイオンの存在は無視しながら復水脱塩処理を行うアン
モニア型の復水脱塩処理法において、中空糸濾過膜装置
で濾過してクラッドを除去した濾過処理復水を上記混合
樹脂層に通しながら、該混合樹脂層を通った処理水に含
まれるアンモニウムイオン以外の不純物イオン濃度を、
連続的に又は一定時間毎にイオンクロマト装置で測定
し、該不純物イオン濃度が管理基準値以下であることを
条件として、該混合樹脂層を再生設備に移送することな
く復水脱塩処理のための通水を継続することを特微とす
るアンモニア型復水脱塩装置の運用方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5068311A JP2776722B2 (ja) | 1993-03-26 | 1993-03-26 | アンモニア型復水脱塩装置の運用方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5068311A JP2776722B2 (ja) | 1993-03-26 | 1993-03-26 | アンモニア型復水脱塩装置の運用方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06280505A JPH06280505A (ja) | 1994-10-04 |
JP2776722B2 true JP2776722B2 (ja) | 1998-07-16 |
Family
ID=13370146
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5068311A Expired - Fee Related JP2776722B2 (ja) | 1993-03-26 | 1993-03-26 | アンモニア型復水脱塩装置の運用方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2776722B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5919548A (ja) * | 1982-07-23 | 1984-02-01 | Japan Organo Co Ltd | アンモニア形復水脱塩装置の処理方法 |
-
1993
- 1993-03-26 JP JP5068311A patent/JP2776722B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06280505A (ja) | 1994-10-04 |
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