JPH08248019A - カチオン交換樹脂の性能評価方法、評価装置、および前記方法による水処理系の管理方法 - Google Patents

カチオン交換樹脂の性能評価方法、評価装置、および前記方法による水処理系の管理方法

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JPH08248019A
JPH08248019A JP7470795A JP7470795A JPH08248019A JP H08248019 A JPH08248019 A JP H08248019A JP 7470795 A JP7470795 A JP 7470795A JP 7470795 A JP7470795 A JP 7470795A JP H08248019 A JPH08248019 A JP H08248019A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、カチオン交換樹脂の性能低下の度
合、更にはアニオン交換樹脂へ及ぼす影響の度合いを予
め予想するためのカチオン交換樹脂の評価方法、評価装
置、および該方法を利用した水処理系の管理方法を提供
することを目的とする。 【構成】 カチオン交換樹脂からアニオン交換樹脂へ順
に酸化剤水溶液を通水するか、またはカチオン交換樹脂
とアニオン交換樹脂とを混合した混床に、酸化剤水溶液
を通水したあと、アニオン交換樹脂、またはカチオン交
換樹脂とアニオン交換樹脂の混合樹脂に塩類含有水を通
水し、その処理水の電気伝導率または漏出イオン量を測
定するカチオン交換樹脂の性能評価方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カチオン交換樹脂単独
あるいはカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂を組合わ
せた水処理系で用いられているカチオン交換樹脂の性能
を評価する方法、評価装置、およびその方法を使用した
水処理系の管理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂を
組み合わせて用いる脱塩装置において、カチオン交換樹
脂の酸化劣化の評価は、TOC溶出量の増加、水分保有
能力の増加、およびTOC溶出物中の高分子物質の増加
などにより評価されていた。しかし、これらの評価はカ
チオン交換樹脂単体での評価にすぎず、アニオン交換樹
脂への具体的な影響と必ずしも対応しないという問題が
あった。
【0003】また、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹
脂を組合わせた脱塩装置に用いられているイオン交換樹
脂の性能の評価方法としては、以下の方法が知られてい
た。 1)脱塩装置から当該樹脂を少量サンプリングし、 2)混合状態の場合は逆洗等の手法により分離し、 3)再生が必要な場合カチオン交換樹脂は塩酸等の酸再
生剤を通薬してH形に調整し、アニオン交換樹脂はカセ
イソーダ等のアルカリ再生剤を通薬してOH形に調整
し、充分に洗浄を行い、 4)脱塩装置と同様の組合わせになるように調整し、 5)これを試験筒に充填して当該試験筒に一定濃度の塩
類含有水を通水し、処理水に漏洩するイオン量を電気伝
導率の値として測定する。しかしながら上記の方法は、
実際の脱塩装置で生じるであろうと思われる現象を試験
筒で再現するだけのものである。この試験結果からはイ
オン交換樹脂の反応速度の低下は知ることができるが、
カチオン交換樹脂の性能低下の度合、更にはアニオン交
換樹脂へ及ぼす影響の度合いを予想することはできな
い。たとえば、上記の方法により、アニオン交換樹脂の
反応速度は低下しているが、カチオン交換樹脂の反応速
度は低下していないとされた場合には、カチオン交換樹
脂は交換せずアニオン交換樹脂だけを交換していた。し
かし、場合によっては、アニオン交換樹脂を交換しても
通水再開後直ちにアニオン交換樹脂の反応速度が低下し
てしまうことがあった。上記の評価方法の欠点は、カチ
オン交換樹脂は劣化していないことを前提としていたこ
とである。これはアニオン交換樹脂に比較してカチオン
交換樹脂の劣化が非常に起こりにくい為であった。しか
し、近年、水質への要求が一層厳しさを増し、上記の問
題の解決が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、カチオン交
換樹脂の性能低下の度合、更にはアニオン交換樹脂へ及
ぼす影響の度合いを予め予想するためのカチオン交換樹
脂の評価方法、評価装置、および該方法を利用した水処
理系の管理方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、カチオン交
換樹脂が劣化すると、カチオン交換樹脂からの溶出物に
起因してアニオン交換樹脂が劣化し、そのために処理水
の水質が低下することを見いだし、これを解決するため
にカチオン交換樹脂の劣化の程度を正確に評価する方法
を開発した。脱塩装置に通常使用されているカチオン交
換樹脂は、交換基としてスルホン酸基を有する強酸性の
カチオン交換樹脂であるので、その溶出物はスルホン酸
基を有しており、これはアニオン交換樹脂に吸着しやす
い物質である。また、酸化劣化が進行しているカチオン
交換樹脂ほど溶出物は多くなる。したがって、カチオン
交換樹脂が劣化すればアニオン交換樹脂に吸着しやすい
物質が溶出し、これがアニオン交換樹脂に吸着してアニ
オン交換樹脂の性能を低下させる。また、カチオン交換
樹脂の劣化が進むほど溶出量は大きくなるので、アニオ
ン交換樹脂の性能低下が急速に起きる。本発明者は、上
記の新規な知見に基づいて、酸化剤溶液でカチオン交換
樹脂を処理することによりカチオン交換樹脂の劣化を促
進させ、そのカチオン交換樹脂のアニオン交換樹脂への
影響を評価することにより、カチオン交換樹脂の使用限
界を前もって評価する方法を見いだしたのである。本評
価方法によればカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂を
組合わせた水処理装置のアニオン交換樹脂が正常に機能
しなくなる前に、カチオン交換樹脂からの溶出物による
アニオン交換樹脂の性能低下をあらかじめ予測すること
が可能となる。
【0006】本発明は具体的には、水処理装置に用いら
れているカチオン交換樹脂の性能を評価するにあたり、
当該水処理装置からカチオン交換樹脂を採取し、当該カ
チオン交換樹脂からアニオン交換樹脂へ順に酸化剤水溶
液を通水するか、または当該カチオン交換樹脂とアニオ
ン交換樹脂とを混合した混床に、酸化剤水溶液を通水し
たあと、アニオン交換樹脂、またはカチオン交換樹脂と
アニオン交換樹脂の混合樹脂に塩類含有水を通水し、そ
の処理水の電気伝導率、または漏出イオン量を測定する
ことを特徴とするカチオン交換樹脂の評価方法を提供す
る。
【0007】本発明方法は、純水製造装置および復水脱
塩装置に使用されているカチオン交換樹脂について好適
に使用される。本発明方法においては、実装置で使用中
のカチオン交換樹脂のH形のものと、性能が低下してい
ないことが明らかなアニオン交換樹脂のOH形のものが
試料として使用される。なお、該アニオン交換樹脂とし
ては通常、未使用(新品)の樹脂を常法によりOH形に
再生して使用するとよい。本発明方法はMR型とゲル型
のどちらのカチオン交換樹脂についても適用することが
できる。本発明で使用される酸化剤としては、過酸化水
素、オゾン、次亜塩素酸ナトリウム等の公知の全ての酸
化剤が使用できるが、特に過酸化水素が好ましい。ま
た、塩類としては、NaCl、KCl、NH4Cl、N
2SO4、(NH42SO4、K2SO4、MgCl2、M
gSO4等が使用できるが、通水状態のアニオン交換樹
脂においては、Cl-よりSO4 2-の方が除去されにく
く、より早期にカチオン交換樹脂の劣化を予測できるの
で、硫酸根を有する塩、特にNa2SO4が好ましい。
【0008】酸化剤による処理条件は、カチオン交換樹
脂を適当に劣化させることができる条件であれば良い。
たとえば、酸化剤として過酸化水素水を用いた場合に
は、10-2から10-5wt/vol%の過酸化水素水
を、25〜30℃で線流速(LV)10から120m/
hで、0.2〜2時間通水すればよい。あまりに激しい
条件で酸化を行うとカチオン交換樹脂の酸化劣化が著し
く進行してしまい、試料のカチオン交換樹脂の酸化劣化
状態を正しく反映しなくなるので好ましくない。塩類含
有水の通水は、たとえば純水に硫酸ナトリウムを30p
pm以下の濃度で溶解し、線流速(LV)10〜120
m/hで通水すればよい。塩類含有水は、アニオン交換
樹脂単独、またはカチオン交換樹脂からアニオン交換樹
脂、さらにはカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂の混
合樹脂に通水することができる。塩類含有水の通水に先
立ち、純水を通水して塔を洗浄することが好ましい。処
理水の電気伝導率およびイオン漏出量の測定は公知の方
法で行うことができる。
【0009】本発明方法においては、得られた処理水の
電気伝導率、またはイオン漏出量の上昇の度合いによ
り、カチオン交換樹脂の酸化劣化の度合いを、アニオン
交換樹脂の反応速度の低下として評価できる。すなわ
ち、得られた処理水の電気伝導率、またはイオン漏出量
が、酸化劣化していないカチオン交換樹脂、例えば新品
のカチオン交換樹脂を用いて行った同様な試験の結果と
比較してかなり上昇するのであれば、カチオン交換樹脂
の酸化劣化がかなり進行していると判断できるのであ
る。
【0010】本発明方法により、カチオン交換樹脂の性
能劣化の度合、更にはカチオン交換樹脂の性能劣化がア
ニオン交換樹脂に及ぼす影響を評価できる理由は以下の
ように推定される。すなわち、酸化劣化がある程度進行
しているカチオン交換樹脂は、酸化劣化を全く、あるい
はほとんど起こしていないカチオン交換樹脂に比べて、
より酸化され易い状態になっているものと考えられる。
そのため、酸化劣化の進行しているカチオン交換樹脂に
前述のような希薄酸化剤水溶液を通水した場合には、該
カチオン交換樹脂の酸化が急激に促進され、その結果、
該カチオン交換樹脂から前述のような溶出物が多量に溶
出する。したがって、前記カチオン交換樹脂を充填した
試験筒と、性能低下を起こしていないアニオン交換樹脂
を充填した試験筒とを直列に接続した2筒式の試験筒、
もしくは前記カチオン交換樹脂と前記アニオン交換樹脂
とを同一の樹脂筒内に積層して充填した単筒式の試験筒
に、酸化剤水溶液をカチオン交換樹脂層からアニオン交
換樹脂層の順に通水した場合、あるいは前記カチオン交
換樹脂と前記アニオン交換樹脂とを同一の筒内に混合し
て充填した混床形の単筒式試験筒に酸化剤水溶液を通水
した場合は、カチオン交換樹脂から溶出した前記多量の
溶出物がアニオン交換樹脂に吸着されることとなり、そ
の結果、アニオン交換樹脂の性能が急激に低下する。一
方、酸化劣化を起こしていないカチオン交換樹脂、例え
ば新品のカチオン交換樹脂の場合は、上述のような希薄
酸化剤水溶液を通水してもほとんど酸化劣化されないの
で、アニオン交換樹脂の性能を低下させるような溶出物
が多量に溶出するようなことはなく、当然、アニオン交
換樹脂の性能も低下しない。
【0011】したがって、上記のような酸化剤水溶液の
通水後に、Na2SO4等の塩類含有水を酸化剤水溶液と
同じ順序で通水するか、あるいはアニオン交換樹脂のみ
に塩類含有水を通水すると、評価対象のカチオン交換樹
脂がかなり酸化劣化している場合は、得られる処理水の
電気伝導率あるいは漏出イオン量が酸化劣化を起こして
いないカチオン交換樹脂の場合のそれと比較して著しく
上昇することとなり、これにより評価対象カチオン交換
樹脂の酸化劣化の度合、更には該カチオン交換樹脂がア
ニオン交換樹脂に与える影響の度合を評価できるのであ
る。本評価方法によればカチオン交換樹脂とアニオン交
換樹脂を組合わせた脱塩装置のアニオン交換樹脂が正常
に機能しなくなる前の段階で、カチオン交換樹脂からの
溶出物によるアニオン交換樹脂の性能低下を予め予測す
ることが可能となる。
【0012】本発明は、1)単筒式、または2筒式の試
験筒、 2)酸化剤水溶液タンク、 3)塩類含有水タンク、 4)酸化剤水溶液タンクと前記の塔とを連結する配管、 5)塩類含有水タンクと前記の塔とを連結する配管、お
よび 6)酸化剤水溶液と塩類含有水とを別個に塔に導入でき
る切り替え弁を有する、カチオン交換樹脂の性能評価装
置も提供する。
【0013】混床の単筒式の試験筒を使用した場合の装
置の構成例を図1に示す。装置は酸化剤水溶液タンク
1、塩類含有水タンク2、酸化剤水溶液タンク1と前記
の筒とを連結する配管16、塩類含有水タンク2と前記
の筒とを連結する配管17、および酸化剤水溶液と塩類
含有水とを別個に筒に導入できる切り替え弁13および
14、および試験筒8を有する。試験筒8内に性能を評
価すべきカチオン交換樹脂と、性能が低下していないこ
とが明らかなアニオン交換樹脂の混合樹脂9を投入し、
酸化剤水溶液タンク1から酸化剤水溶液を通水ポンプ4
によって試験筒8内に通水する。その後、塩類含有水タ
ンク2から塩類含有水を通水ポンプ5によって試験筒8
内に通水する。なお、純水タンク3を設け、酸化剤水溶
液通水後、塩類含有水溶液を通水するに先だって純水タ
ンク3から純水を、純水用ポンプ6および弁15を介し
て試験筒8内に通水し、試験筒8内を純水で洗浄するこ
とが好ましい。また、好ましくは流量計7を設け、各液
の流量が管理される。なお、図1において符号10は試
験筒8の出口側配管に付設した電気伝導率計、12は弁
である。
【0014】さらに本発明は、水処理装置に用いられて
いるカチオン交換樹脂の交換時期を決定するにあたり、
当該水処理装置からカチオン交換樹脂を採取し、当該カ
チオン交換樹脂からアニオン交換樹脂へ順に酸化剤水溶
液を通水するか、またはカチオン交換樹脂とアニオン交
換樹脂とを混合した混床に、酸化剤水溶液を通水したあ
と、アニオン交換樹脂単独、またはカチオン交換樹脂か
らアニオン交換樹脂、さらにはカチオン交換樹脂とアニ
オン交換樹脂の混合樹脂に塩類含有水を通水し、その処
理水の電気伝導率または漏出イオン量を測定し、その値
に基づいてカチオン交換樹脂の交換時期を決定する、水
処理系の管理方法を提供する。
【0015】本発明の管理方法によればカチオン交換樹
脂とアニオン交換樹脂を組合わせた脱塩装置等の水処理
装置の、カチオン交換樹脂の酸化劣化によるアニオン交
換樹脂への影響度合いを、アニオン交換樹脂が正常に機
能しなくなる前に予測し、水処理系を安定的に管理する
ことができる。
【0016】
【実施例】
参考例 未使用(新品)のカチオン交換樹脂およびアニオン交換
樹脂、並びに実際の復水脱塩装置に使用されて交換の必
要がある程度まで劣化したカチオン交換樹脂およびアニ
オン交換樹脂を用い、それぞれのイオン除去率を測定し
た。なお、カチオン交換樹脂は予めH形に再生したもの
を用い、アニオン交換樹脂はOH形に再生したものを用
いた。試験筒に樹脂層高10mmでそれぞれのイオン交
換樹脂を単独で充填し、各試験筒にNaClを純水でそ
の電気伝導率が40μS/cmになるよう希釈した溶液
をLV=100m/hで通水した。カチオン交換樹脂に
ついてはNa漏出量を測定してその除去率を、アニオン
交換樹脂についてはCl漏出量を測定してその除去率を
算定した。結果を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】カチオン交換樹脂は表1に示すごとく酸化
劣化していても反応速度(イオン除去率)が低下してい
るとは云えない。一方、アニオン交換樹脂の場合は、実
機使用樹脂の反応速度(イオン除去率)が新品樹脂のそ
れに比較して著しく低下していることがわかる。そのた
め、反応速度のみを測定してカチオン交換樹脂の酸化劣
化を知ることは困難であることが理解できる。なお、上
記の実機使用カチオン交換樹脂が確かに酸化劣化してい
ることは、後述の実施例により明らかにする。
【0019】実施例 系統の異なる2基の復水脱塩装置で長期間用いられてい
る2種類の強酸性カチオン交換樹脂と強塩基性アニオン
交換樹脂をサンプリングした。なお当該脱塩装置はアニ
オン交換樹脂の反応速度が低下し樹脂交換直前のもので
ある。次に前記混合イオン交換樹脂を常法によりカチオ
ン交換樹脂とアニオン交換樹脂に逆洗分離し、当該分離
したカチオン交換樹脂と未使用(新品)OH形アニオン
交換樹脂とを混合(カチオン樹脂:アニオン樹脂=2:
1)し、混合樹脂を調整し、試験筒に充填した。なお試
験筒は直径25mmのアクリル樹脂製のものを使用し、充
填樹脂層高は500mmとした。また、比較のために未使
用(新品)のH形カチオン交換樹脂と未使用(新品)の
OH形アニオン交換樹脂を混合して試験筒に充填した。
なお混合比、使用試験筒等は全く同様である。次に純水
に過酸化水素水を溶解し10-4wt/vol%とした合
成水Iと、純水に硫酸ナトリウムを溶解して電気伝導率
5μS/cmとした合成水IIを調整し、合成水Iをそれぞ
れの試験筒にLV=50m/hの流速で通水した後、合
成水IIをLV=50m/hの流速で通水し、合成水I
I通水時の処理水の電気伝導率、およびイオンクロマト
グラフィーで硫酸イオン漏出量を測定した。また合成水
IIだけを通水したときの処理水の電気伝導率、硫酸イ
オン漏出量も比較として測定した。結果を表2に示す。
なお、表2における「実機カチオン樹脂II」は、前記
参考例で試験した実機使用樹脂と同じものである。
【0020】
【表2】
【0021】表2に示したように、過酸化水素水を通水
しないで硫酸ナトリウム合成水のみを通水した場合に
は、当該試験混合樹脂の処理水の電気伝導率、硫酸イオ
ン漏出量の上昇は小さい。しかし、過酸化水素水を通水
した後に硫酸ナトリウム合成水を通水した場合の当該試
験混合樹脂の処理水の電気伝導率、硫酸イオン漏出量の
上昇は新品のカチオン交換樹脂の場合に比べてかなり大
きく、その差は顕著であり、したがって上記2種類の実
機使用カチオン交換樹脂は、明らかに酸化劣化している
と判定できる。また、この結果より、新品アニオン交換
樹脂の陰イオン除去性能に与える影響がカチオン交換樹
脂の酸化劣化の度合いにより異なり、したがって、酸化
剤水溶液通水後の新品アニオン交換樹脂の陰イオン除去
性能の測定により、カチオン交換樹脂の酸化劣化の度合
いを評価できること、更には、カチオン交換樹脂の交換
時期を適確に判断できることがわかる。すなわち、使用
済カチオン樹脂Iは、酸化劣化がある程度進行してアニ
オン交換樹脂に影響をし始めているものと評価すること
ができ、また、使用済カチオン交換樹脂IIは、酸化劣
化が大幅に進行し、アニオン交換樹脂に大きく影響して
いる領域にあるものと評価することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の装置の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1:酸化剤水溶液タンク、2:塩類含有水タンク、3:
純水タンク、4:酸化剤水溶液用通水ポンプ、5:塩類
含有水用通水ポンプ、6:純水用ポンプ、7:流量計、
8:試験筒、9:混合樹脂、10:電気伝導率計、1
2:弁、13、14、15:弁、16、17:配管

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水処理装置に用いられているカチオン交
    換樹脂の性能を評価するにあたり、当該水処理装置から
    カチオン交換樹脂を採取し、当該カチオン交換樹脂から
    アニオン交換樹脂へ順に酸化剤水溶液を通水するか、ま
    たは当該カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とを混合
    した混床に、酸化剤水溶液を通水したあと、アニオン交
    換樹脂、またはカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂の
    混合樹脂に塩類含有水を通水し、その処理水の電気伝導
    率、または漏出イオン量を測定するカチオン交換樹脂の
    性能評価方法。
  2. 【請求項2】 1)単筒式、または2筒式の試験筒、 2)酸化剤水溶液タンク、 3)塩類含有水タンク、 4)酸化剤水溶液タンクと前記の塔とを連結する配管、 5)塩類含有水タンクと前記の塔とを連結する配管、お
    よび 6)酸化剤水溶液と塩類含有水とを別個に塔に導入でき
    る切り替え弁を有する、カチオン交換樹脂の性能評価装
    置。
  3. 【請求項3】 水処理装置に用いられているカチオン交
    換樹脂の交換時期を決定するにあたり、当該水処理装置
    からカチオン交換樹脂を採取し、当該カチオン交換樹脂
    からアニオン交換樹脂へ順に酸化剤水溶液を通水する
    か、または当該カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂と
    を混合した混床に、酸化剤水溶液を通水したあと、アニ
    オン交換樹脂、またはカチオン交換樹脂とアニオン交換
    樹脂の混合樹脂に塩類含有水を通水し、その処理水の電
    気伝導率、または漏出イオン量を測定し、その値に基づ
    いてカチオン交換樹脂の交換時期を決定する、水処理系
    の管理方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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