JPH0979817A - 光走査型変位測定装置 - Google Patents

光走査型変位測定装置

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JPH0979817A
JPH0979817A JP7237398A JP23739895A JPH0979817A JP H0979817 A JPH0979817 A JP H0979817A JP 7237398 A JP7237398 A JP 7237398A JP 23739895 A JP23739895 A JP 23739895A JP H0979817 A JPH0979817 A JP H0979817A
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light
light beam
scanning
housing
spring
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Application number
JP7237398A
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English (en)
Inventor
Takayasu Ito
隆康 伊藤
Atsuyuki Hirono
淳之 広野
Takeshi Hashimoto
健 橋本
Masayuki Okumura
雅之 奥村
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】集積回路のリードの長さ程度の範囲内で光ビー
ムの走査位置を変え、かつ短時間での測定を可能にす
る。 【解決手段】光ビームBmを対象物に照射する投光手段
2と、投光スポットの像の位置変化に基づいて対象物の
位置を検出する受光手段3とをハウジング4に設ける。
ハウジング4はリニアアクチュエータ20により、セン
サ本体11に対して往復走査される。ハウジング4内に
は投光手段2からの光ビームBmを、そのまま通過させ
る状態と、走査方向に直交する方向に偏移させる状態と
を選択する2枚の反射素子51,52よりなるビーム偏
移手段5を備える。ビーム偏移手段はハウジング4の走
査の際の往路と復路とで上記2状態が切り換えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、対象物に光ビーム
を照射しその反射光を受光することによって三角測量法
に基づいて基準平面に対する対象物の変位を測定する変
位測定装置であって、光ビームの対象物への照射位置を
往復走査するようにした光走査型変位測定装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、対象物に対して光ビームを照
射し、対象物に形成された投光スポットの像を受光光学
系を通して位置検出素子の受光面上に結像させることに
よって、受光光学系から見た投光スポットの視線方向に
相当する出力を位置検出素子の出力として求め、三角測
量法の原理に基づいて対象物までの距離あるいは基準平
面に対する対象物の変位を非接触で光学的に測定する変
位測定装置が提供されている。この種の変位測定装置で
は、対象物の各部位での測定を可能とするために、光ビ
ームを対象物の上で走査することが考えられている。
【0003】ところで、本発明者らは、光ビームを走査
するに際して投光手段と受光手段とを備えたハウジング
を一直線上で往復走査するセンサヘッドを備えるものを
先に提案した(特願平6−241599号)。先に提案
した光走査型変位測定装置では、投光手段と受光手段と
の位置関係を保ったままで一直線上を往復走査するか
ら、走査ミラーなどを用いた光ビームの走査に比較して
補正演算が不要であるという利点を有しているものであ
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図12に示
すように、面実装型の集積回路ICのリードLdのピッ
チpや浮き上がり量f(図13参照)を測定するに際し
ては、リードLdの並ぶ方向に光ビームBmを走査する
ようにセンサヘッド1を配置すればよいのであるが、集
積回路ICのリードLdの検査項目として図14に示す
ようにリードLdの曲がり角度θも重要である。このよ
うな曲がり角度θを求めるには、リードLdの長手方向
の2箇所j,kでピッチpを測定し、2箇所j,kのピ
ッチpの差を求める必要がある。
【0005】そこで、リードLdの長手方向の2箇所
j,kで光ビームBmを走査しようとすれば、センサヘ
ッド1と集積回路ICとを相対的にリードLdの長手方
向に移動させることが考えられるが、集積回路ICのリ
ードLdは比較的短いものであるから、センサヘッド1
ないし集積回路ICを微小量だけ移動させるような装置
が別途に必要になり、コスト高になるという問題が生じ
る。しかも、センサヘッド1または集積回路ICを移動
させて光ビームBmを走査するから、測定には通常の2
倍以上の時間を要することになる。
【0006】これに対して、図15に示すように、2個
のセンサヘッド1a,1bを並置することが考えられる
が、センサヘッド1a,1bの個数が増えるからコスト
高につながる。また、両センサヘッド1a,1bから照
射される光ビームBmの最小間隔はセンサヘッド1a,
1bの寸法により制限され、一般には集積回路ICのリ
ードLdの長さ範囲内で2本の光ビームBmをリードL
dに照射できる程度には、光ビームBmの間隔を小さく
することはできないのが現状である。つまり、2個のセ
ンサヘッド1a,1bを並置する構成では集積回路IC
のリードLdの検査には対応できない。
【0007】本発明は上記事由に鑑みて為されたもので
あり、その目的は、コストを大幅に増加させることなく
集積回路のリードの長さ程度の範囲内で光ビームの走査
位置を変えることができるようにし、かつ走査時の往路
と復路とで異なる箇所を測定することにより短時間での
測定を可能とした光走査型変位測定装置を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、光
ビームを対象物に照射する投光手段と、上記光ビームに
よる対象物からの反射光を受光するとともに上記光ビー
ムによって対象物の上に形成される投光スポットを定位
置から見るときの視線方向に相当する出力が得られる受
光手段と、受光手段の出力に基づいて三角測量法を適用
することによりあらかじめ設定された基準平面に対する
光ビームの照射方向での対象物の変位を求める距離演算
手段と、投光手段および受光手段の位置関係を定位置に
保った状態で投光手段および受光手段を対象物に対して
往復走査することにより対象物の上で上記投光スポット
を往復走査する走査手段とを備え、投光手段と対象物と
の間には走査時の往路と復路とで光ビームの照射方向を
変えずに走査手段による走査方向に交差する方向に光ビ
ームを所定量偏移させるビーム偏移手段が配設されてい
る。
【0009】この構成では、ビーム偏移手段を設けてい
ることによって、光ビームの走査時における往路と復路
とで、光ビームの対象物への照射位置を偏移させること
ができるから、大幅にコストを増加させることなく面実
装型の集積回路のリードの長さ程度の範囲内での微小な
位置偏移が可能であり、しかも往路と復路とで光ビーム
の照射位置を変えることによって、短時間で2箇所の測
定が可能になるのである。
【0010】請求項2の発明では、請求項1の発明にお
いて、ビーム偏移手段は、光ビームの通過経路に挿入さ
れる位置と通過経路から外れる位置との間で移動自在で
あって光ビームの通過経路に挿入されたときに光ビーム
を他の方向に反射する平面状の反射面を備えた第1の反
射素子と、定位置に固定されていて光ビームの通過経路
に挿入されたときの第1の反射素子の反射面に平行かつ
対向する平面状の反射面を備えた第2の反射素子と、光
ビームの走査時の往路と復路とで第1の反射素子を上記
2位置に選択的に位置させる切換手段とで構成されてい
る。
【0011】請求項3の発明では、請求項1の発明にお
いて、ビーム偏移手段は、投光手段からの光ビームの通
過経路に挿入される透明体であって入射面と出射面とが
互いに平行な屈折素子と、走査時の往路と復路とで光ビ
ームに対する屈折素子の入射面の角度を変更させる切換
手段とで構成されている。請求項2、請求項3の発明は
ビーム偏移手段の望ましい実施態様であり、簡単な光学
素子を配置するだけで、光ビームの微小偏移が可能にな
るのである。とくに、反射素子を用いる構成では光ビー
ムを比較的大きく偏移させることが可能であり、屈折素
子を用いるものでは光ビームを微小に偏移させることが
可能である。
【0012】請求項4の発明では、請求項1ないし請求
項3の発明において、投光手段と受光手段とを保持した
ハウジングと、ハウジングを往復移動させる走査手段を
備えたセンサ本体とを備え、ビーム偏移手段はセンサ本
体に設けられている。この構成では、往復走査されるハ
ウジングに対して固定側となるセンサ本体にビーム偏移
手段を設けることによって、ハウジングの重量を軽減す
ることができ、結果的にハウジングの加速性能(応答
性)に影響を与えることなく、光ビームを偏移させるこ
とが可能になる。
【0013】請求項5の発明では、請求項2または請求
項3の発明において、切換手段は、第1の反射素子と屈
折素子とのいずれかに結合される回動軸に結合されたば
ね受け板と、定位置に固定されたばね座とばね受け板と
の間に保持されるコイルスプリングよりなる反転ばね
と、ばね座に対向するとともに回動軸を中心とするばね
受け板の回転角度を規制する位置規制面を形成した部材
とからなり、反転ばねはばね受け板が位置規制面と平行
になる中立位置でもっとも圧縮されるようにしてある。
【0014】この構成では、反転ばねのばね力を用いて
第1の反射素子ないし屈折素子の位置を保持するから、
外部振動などによって光ビームの位置がずれることがな
く、安定した測定が可能になる。請求項6の発明では、
請求項5の発明において、投光手段と受光手段とを保持
したハウジングと、ハウジングを往復移動させる走査手
段を備えたセンサ本体とを備え、ハウジングとセンサ本
体との一方に設けた切換手段のばね受け板と位置規制面
との間にハウジングの走査範囲の端末位置において挿入
可能となる切換バーが他方に固定され、切換バーはばね
受け板と位置規制面との間に挿入されたときにばね受け
板が中立位置を越える位置に配置されている。
【0015】したがって、ハウジングを往復走査する際
に、ハウジングが走査範囲の端末に達するたびにばね受
け板が反転することになり、光ビームの位置を偏移させ
ることができる。しかも、光ビームを偏移させるに際し
て別途に駆動力を用いることなくハウジングを走査させ
るだけでよいから、構成が簡単になる。
【0016】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)本実施形態で用いるセンサヘッド1を図
1に示す。光走査型変位測定装置は、このセンサヘッド
1とセンサヘッド1の出力に基づいて対象物の変位を求
める距離演算手段(図示しない)とにより構成される。
【0017】センサヘッド1は、下面の一部が開放され
た直方体状のセンサ本体11を備え、センサ本体11内
には、水平方向に往復移動する可動コイル21を備えた
走査手段としてのリニアアクチュエータ20が配置され
る。すなわち、リニアアクチュエータ20は、日字状の
ヨーク22と、ヨーク22の中央片が挿通された空芯の
可動コイル21とを備え、ヨーク22により形成される
磁路内に永久磁石(図示せず)を挿入した構成を有す
る。この永久磁石により、ヨーク22の中央片内に一方
向の磁束が形成され、可動コイル21に電流を流す向き
に応じて可動コイル21が往復移動するようになってい
る。また、移動時の加速度は可動コイル21に流す電流
の大きさにより規定される。
【0018】リニアアクチュエータ20の可動コイル2
1には、投光手段2と受光手段3とを備えたハウジング
4(図はハウジングを透視して示してある)が結合さ
れ、このハウジング4は可動コイル21の往復移動に伴
って往復移動する。また、ハウジング4はヨーク22の
下方に平行に配置されたレール23によって案内されて
おり、ハウジング4の走行時にがたつきが生じないよう
にしてある。
【0019】投光手段2は、半導体レーザ(もしくは発
光ダイオード)よりなる投光素子31と、投光素子31
から出力された光から平行光線束の光ビームBmを形成
する投光レンズ32とからなり、光ビームBmを下向き
に出力する。また、受光手段3は、PSD(もしくはホ
トダイオードを受光面の長手方向に沿って2個並設した
もの)よりなる位置センサ33と、対象物の上に光ビー
ムBmによって形成される投光スポットを位置センサ3
3の受光面に結像させる受光レンズ34とからなる。こ
こに、光ビームBmの照射方向と受光レンズ34の光軸
とは一平面内に含まれるように配置され、かつこの平面
内に位置センサ33の受光面の長手方向が含まれるよう
に位置センサ33が配置される。したがって、光ビーム
Bmの照射方向において対象物が移動すれば、位置セン
サ33の受光面の上で投光スポットの像の位置が移動す
るから、位置センサ33の出力に基づいて投光スポット
の像の位置を検出すれば、三角測量法の原理に基づい
て、光ビームBmの照射方向における対象物まで距離を
求めることができるのである。
【0020】すなわち、投光手段2からの光ビームBm
の照射方向において対象物Xの位置がA,B,Cと移動
すれば、位置センサ33の受光面上では投光スポットの
像の位置はa,b,cと移動する。したがって、位置セ
ンサ33の出力に基づいて投光スポットの像の位置を検
出すれば、受光レンズ34の中心と光ビームBmとの間
の距離を基線長とする三角測量法を適用することによっ
て距離演算手段において対象物Xまでの距離を求めるこ
とができるのである。この種の光学的測距方法に関して
は、本発明者らの先の出願にかかわらず周知の技術であ
る。
【0021】また、本実施形態では、リニアアクチュエ
ータ20を用いてハウジング4を往復移動させるから、
ハウジング4の位置を検出することが必要である。そこ
で、ハウジング4の側面に反射板41を固定し、別に設
けた測距装置40により反射板41までの距離を求める
ことによって、ハウジング4の水平方向の位置を検出す
るようになっている。すなわち、測距装置40は、投光
素子42と、投光素子42からの光により光ビームを形
成する投光レンズ43と、受光面上での光スポットの位
置に応じた出力が得られる位置センサ44と、反射板4
1の上に光ビームによって形成される投光スポットの像
を位置センサ44の受光面に結像させる受光レンズ45
とを備える。また、センサ本体11には、光ビームを反
射板41に向かって反射させるとともに投光スポットを
一旦反射させて位置センサ44に入射させる反射鏡46
が配置されている。ここにおいて、測距装置40から出
力される光ビームの照射方向と受光レンズ45の光軸と
は一平面内に含まれ、この平面内に位置センサ44の受
光面の長手方向が含まれるようにしてある。
【0022】したがって、ハウジング4が移動すれば、
測距装置40からの光ビームの照射方向(反射鏡46で
一旦反射された後の光ビームの方向)における反射板4
1の位置が変化し、位置センサ44の受光面上での投光
スポットの像の位置が変化するから、位置センサ44の
出力に基づいて三角測量法の原理を用いることによっ
て、ハウジング4の水平方向の位置を求めることができ
るのである。つまり、測距装置40と反射板41と反射
鏡46とによりハウジング4の走査位置を検出する走査
位置検出手段が構成される。
【0023】ところで、ハウジング4内には本発明の要
旨とするところのビーム偏移手段5が配置される。ビー
ム偏移手段5は、図3に示すように、一対の反射素子
(ここでは板状の反射鏡を用いている)51,52より
なり、一方の反射素子51は図3(a)のように投光レ
ンズ32から出射された光ビームBmの通過経路から外
れた位置と、図3(b)のように光ビームBmの通過経
路に挿入される位置との間で移動自在になっている。ま
た、他方の反射素子52は定位置に固定され、図3
(b)のように反射素子51が光ビームBmの通過経路
に挿入されたときに、反射素子51で一旦反射された光
ビームBmを投光レンズ32から出射された光ビームB
mと平行な方向に再反射するように配置される。この動
作を可能にするために、両反射素子51は反射面を向か
い合わせにして配置され、反射素子51は、反射面の中
心に立てた法線が固定側の反射素子52の反射面の中心
に立てた法線と平行になる位置と、法線同士が交差する
位置との間で移動できるように、回動軸53を中心とし
て切換手段(後述する)によって回動されるのである。
図3に示す例では回動軸53は反射素子51の下端部に
設けてあるが、上述の動作が可能であれば他の位置でも
よい。
【0024】上述したビーム偏移手段5を設けたことに
よって、反射素子51が光ビームBmの通過経路に挿入
されていない状態では、従来と同様の測定が可能にな
り、反射素子51が光ビームBmの通過経路に挿入され
ると光ビームBmは元の位置から偏移することになる。
つまり、反射素子51の移動に伴って図4に実線で示す
位置と破線で示す位置とに光ビームBmが偏移するので
ある。ここに、光ビームBmの偏移の方向はハウジング
4の走査方向(矢印で示す)に直交する方向に設定して
ある。したがって、反射素子51,52の間隔を適宜に
設定すれば、光ビームBmを集積回路のリードの長さ程
度の小寸法だけ偏移させることが可能になるのである。
また、ハウジング4から同距離に位置する対象物であっ
ても、光ビームBmの位置が偏移することによって位置
センサ33の上での投光スポットの像の位置が偏移する
から、反射素子51の位置に応じた出力値はあらかじめ
調整しておくことが必要である。
【0025】ところで、反射素子51を上述のように移
動させるタイミングは目的に応じて適宜設定されるが、
本実施形態では、表面実装型の集積回路やコネクタのリ
ードの2箇所を測定してリードの傾き角度を測定すると
いう目的を達成するに際して最短時間で測定を完了する
ために、ハウジング4を走査する際の往路と復路とで反
射素子51の位置を変えるようにしてある。
【0026】反射素子51の位置を変える切換手段は、
ソレノイドやモータを用いて実現してもよいが、本実施
形態においては、図5に示す構成を採用している。すな
わち、反射素子51に結合されハウジング4に支承され
る回動軸53の一端部にばね受け板54を結合し、ハウ
ジング4の定位置に設けたばね座55とばね受け板54
との間にコイルスプリングよりなる反転ばね56を保持
している。ここに、回動軸53はばね受け板54の側面
の中心に固定される。反転ばね56は、図6(a)のよ
うに、ばね受け板54が水平になる中立位置でもっとも
圧縮され、図6(b)(c)のようにばね受け板54が
中立位置から傾くと伸長してばね受け板54をさらに傾
けるように機能する。また、ばね受け板54の下方には
ばね受け板54が所定角度傾いたときに、ばね受け板5
4が当接することによって、ばね受け板54がそれ以上
傾かないように位置規制するための位置規制面57がハ
ウジング4に形成されている。したがって、反射素子5
1の反射面とばね受け板54との角度を適宜に設定する
ことにより、ばね受け板54がどちらに傾くかに応じ
て、反射素子51を上述した2位置にそれぞれ保持させ
ることができる。ばね受け板54は、ハウジング4の走
査時の往路と復路とで傾ける向きを切り換える必要があ
るから、図7に示すように、センサ本体11にはばね受
け板54と位置規制面57との間に挿入可能な切換バー
58を取り付けてある。切換バー58の先端部の上面は
先端に向かって下り傾斜した傾斜面58aになってい
る。また、回動軸53に対して偏った位置でばね受け板
54に当接する。ここにおいて、回動軸53はハウジン
グ4の走査方向に一致させてある。
【0027】しかして、ハウジング4を図7(a)に矢
印で示す向きに走査すると、ばね受け板54が切換バー
58に近付き、図7(b)のように傾斜面58aに沿っ
てばね受け板54が切換バー58の上に乗り上げること
になる。切換バー58の上面の位置は、ばね受け板54
が中立位置を越えて回転するように設定してあり、ばね
受け板54が切換バー58に乗り上げることによって、
反転ばね55が中立位置を越えて反転動作することにな
る。つまり、ばね受け板54は、一方の位置から他方の
位置へ回動することになる。このように、上述した切換
手段を設けることによって、ハウジング4を走査するだ
けで反射素子51を回動させることができ、しかも往路
と復路とで反射素子51の位置を変えることができる。
ただし、図7ではばね受け板54をハウジング4の片面
にのみ設けているが、ハウジング4の走査時の往路と復
路とで反射素子51の位置を反復して変えるためには、
ハウジング4の両面に切換手段を設けておくことが必要
である。また、反射素子51の位置が反転ばね55のば
ね力で保たれるから、ハウジング4の走査などによって
生じる振動に対して反射素子51の位置の変化を防止す
ることができる。
【0028】(実施形態2)実施形態1では、ビーム偏
移手段5として2個の反射素子51,52を用いていた
が、本実施形態ではビーム偏移手段5として、図8、図
9に示すように、屈折素子61を用いた点が相違する。
この屈折素子61は、入射面と出射面とが平行な透明体
であって、周囲空間の媒質の屈折率をn1 、屈折素子6
1の材料の屈折率をn2 、厚みをd、入射角をθ1 、屈
折角をθ2 とするとき、入射点a、出射点b、入射する
光ビームBmに対して出射点bから下ろした垂線の足を
cとするときに、次の関係を満たす。 n1 sinθ1 =n2 sinθ2 bcab sin(θ1 −θ2 ab =d/ cosθ2 ただし、下線を付した記号は2点間の距離を表す。これ
らの関係式から、θ2 abとを消去し、θ1 を変数と
してbcを求めることができる。つまり、光ビームBm
の屈折素子61による偏移量bcは屈折素子61への入
射角θ1 の関数であって、入射角θ1 は、水平方向に対
する屈折素子61の傾き角度に一致するから、結局、光
ビームBmの偏移量は屈折素子61の傾き角度に依存す
ることになる。いま、図10(a)のように、傾き角度
θ1 が0°であれば、屈折角θ2 も0°であるから、
=0であり、光ビームBmは偏移せずに屈折素子61
を通過する。一方、図10(b)のように屈折素子61
を45°傾けたときには、上式によって偏移量bc
0.66mmになる(ただし、屈折素子61の厚みを2
mm、屈折素子61の材料はガラスないし合成樹脂であ
って屈折率n2 は1.5前後であるからここでは1.5
し、屈折率n1 は1とする)。このように、屈折素子6
1を比較的大きく回転させても光ビームBmの偏移量は
小さいから、光ビームBmを微小に偏移させる必要があ
るときには、この構成を採用するのが望ましい。他の構
成および動作については実施形態1と同様であって、屈
折素子61を回転させる切換手段も実施形態1と同様の
構成を採用することができる。すなわち、ハウジング4
の走査の往路と復路とにおいて、屈折素子61の位置を
変更し、光ビームBmを偏移させることができるのであ
る。
【0029】(実施形態3)実施形態1および実施形態
2では、センサ本体11に対して走査されるハウジング
4にビーム偏移手段5を設けていたが、本実施形態では
図11に示すように、センサ本体11にビーム偏移手段
5を設けてある。本実施形態で用いているビーム偏移手
段5は、実施形態2と同様に屈折素子62であって、受
光手段3の視野に入らない位置に配置してある。ただ
し、この屈折素子62はハウジング4の走査範囲の全長
よりも長寸に形成されている。また、屈折素子62はハ
ウジング4の走査方向の回転軸53を備え、ハウジング
4の走査に同期して往路と復路とで角度が変更されるよ
うになっている。屈折素子62の角度の変更は、図示し
ないソレノイドないしモータにより行なうか、もしく
は、実施形態1と同様の構成の切換手段を設けるととも
に、ハウジング4に切換バー58を設けることによって
実現される。他の構成は実施形態1、実施形態2と同様
である。
【0030】本実施形態ではビーム偏移手段5をハウジ
ング4とは別に設けていることによって、ハウジング4
の重量が軽減され、ハウジング4の走査時における応答
性が高くなる。本実施形態では屈折素子62を用いてい
るが、実施形態1と同様に反射素子を用いてビーム偏移
手段5を構成してもよい。
【0031】
【発明の効果】請求項1の発明は、光ビームを対象物に
照射する投光手段と、上記光ビームによる対象物からの
反射光を受光するとともに上記光ビームによって対象物
の上に形成される投光スポットを定位置から見るときの
視線方向に相当する出力が得られる受光手段と、受光手
段の出力に基づいて三角測量法を適用することによりあ
らかじめ設定された基準平面に対する光ビームの照射方
向での対象物の変位を求める距離演算手段と、投光手段
および受光手段の位置関係を定位置に保った状態で投光
手段および受光手段を対象物に対して往復走査すること
により対象物の上で上記投光スポットを往復走査する走
査手段とを備え、投光手段と対象物との間には走査時の
往路と復路とで光ビームの照射方向を変えずに走査手段
による走査方向に交差する方向に光ビームを所定量偏移
させるビーム偏移手段が配設されているものであり、ビ
ーム偏移手段を設けていることによって、光ビームの走
査時における往路と復路とで、光ビームの対象物への照
射位置を偏移させることができるから、大幅にコストを
増加させることなく面実装型の集積回路のリードの長さ
程度の範囲内での微小な位置偏移が可能であり、しかも
往路と復路とで光ビームの照射位置を変えることによっ
て、短時間で2箇所の測定が可能になるという利点を有
する。
【0032】請求項2の発明は、ビーム偏移手段が、光
ビームの通過経路に挿入される位置と通過経路から外れ
る位置との間で移動自在であって光ビームの通過経路に
挿入されたときに光ビームを他の方向に反射する平面状
の反射面を備えた第1の反射素子と、定位置に固定され
ていて光ビームの通過経路に挿入されたときの第1の反
射素子の反射面に対向しかつ平行になる平面状の反射面
を備えた第2の反射素子と、光ビームの走査時の往路と
復路とで第1の反射素子を上記2位置に選択的に位置さ
せる切換手段とで構成されているものであり、簡単な光
学素子を配置するだけで、光ビームの微小偏移が可能に
なるとともに、光ビームを比較的大きく偏移させること
が可能であるという利点がある。
【0033】請求項3の発明は、ビーム偏移手段が、投
光手段からの光ビームの通過経路に挿入される透明体で
あって入射面と出射面とが互いに平行な屈折素子と、走
査時の往路と復路とで光ビームに対する屈折素子の入射
面の角度を変更させる切換手段とで構成されているもの
であり、簡単な光学素子を配置するだけで、光ビームの
微小偏移が可能になるとともに、光ビームを微小に偏移
させることが可能であるという利点を有する。
【0034】請求項4の発明は、投光手段と受光手段と
を保持したハウジングと、ハウジングを往復移動させる
走査手段を備えたセンサ本体とを備え、ビーム偏移手段
をセンサ本体に設けたものであって、往復走査されるハ
ウジングに対して固定側となるセンサ本体にビーム偏移
手段を設けることによって、ハウジングの重量を軽減す
ることができ、結果的にハウジングの応答性に影響を与
えることなく、光ビームの偏移が可能になるという利点
がある。
【0035】請求項5の発明は、切換手段が、第1の反
射素子と屈折素子とのいずれかに結合される回動軸に結
合されたばね受け板と、定位置に固定されたばね座とば
ね受け板との間に保持されるコイルスプリングよりなる
反転ばねと、ばね座に対向するとともに回動軸を中心と
するばね受け板の回転角度を規制する位置規制面を形成
した部材とからなり、反転ばねはばね受け板が位置規制
面と平行になる中立位置でもっとも圧縮されるものであ
り、反転ばねのばね力を用いて第1の反射素子ないし屈
折素子の位置を保持するから、外部振動などによって光
ビームの位置がずれることがなく、安定した測定が可能
になるという利点がある。
【0036】請求項6の発明は、投光手段と受光手段と
を保持したハウジングと、ハウジングを往復移動させる
走査手段を備えたセンサ本体とを備え、ハウジングとセ
ンサ本体との一方に設けた切換手段のばね受け板と位置
規制面との間にハウジングの走査範囲の端末位置におい
て挿入可能となる切換バーが他方に固定され、切換バー
はハウジングの走査毎にばね受け板が中立位置を越える
位置に配置されているものであるから、ハウジングを往
復走査する際に、ハウジングが走査範囲の端末に達する
たびにばね受け板が反転することになり、光ビームの位
置を偏移させることができる。しかも、光ビームを偏移
させるに際して別途に駆動力を用いることなくハウジン
グを走査させるだけでよいから、構成が簡単になるとい
う利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1を示す概略構成図である。
【図2】三角測量法の原理を説明する図である。
【図3】実施形態1で用いるビーム偏移手段の動作説明
図である。
【図4】実施形態1における光ビームの偏移の状態を示
す斜視図である。
【図5】実施形態1で用いる切換手段の概略構成図であ
る。
【図6】実施形態1で用いる切換手段の動作説明図であ
る。
【図7】実施形態1で用いる切換手段の動作説明図であ
る。
【図8】実施形態2を示す概略構成図である。
【図9】実施形態2で用いる屈折素子の原理説明図であ
る。
【図10】実施形態2で用いるビーム偏移手段の動作説
明図である。
【図11】実施形態3を示す概略構成図である。
【図12】従来例による測定状態を示す斜視図である。
【図13】集積回路の検査項目を説明する図である。
【図14】集積回路の検査項目を説明する図である。
【図15】従来例を示す側面図である。
【符号の説明】
1 センサヘッド 2 投光手段 3 受光手段 4 ハウジング 5 ビーム偏移手段 11 センサ本体 20 リニアアクチュエータ 51 反射素子 52 反射素子 53 回動軸 54 ばね受け板 55 ばね座 56 反転ばね 57 位置規制面 58 切換バー 61 屈折素子 62 屈折素子 Bm 光ビーム X 対象物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥村 雅之 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ビームを対象物に照射する投光手段
    と、上記光ビームによる対象物からの反射光を受光する
    とともに上記光ビームによって対象物の上に形成される
    投光スポットを定位置から見るときの視線方向に相当す
    る出力が得られる受光手段と、受光手段の出力に基づい
    て三角測量法を適用することによりあらかじめ設定され
    た基準平面に対する光ビームの照射方向での対象物の変
    位を求める距離演算手段と、投光手段および受光手段の
    位置関係を定位置に保った状態で投光手段および受光手
    段を対象物に対して往復走査することにより対象物の上
    で上記投光スポットを往復走査する走査手段とを備え、
    投光手段と対象物との間には走査時の往路と復路とで光
    ビームの照射方向を変えずに走査手段による走査方向に
    交差する方向に光ビームを所定量偏移させるビーム偏移
    手段が配設されて成ることを特徴とする光走査型変位測
    定装置。
  2. 【請求項2】 ビーム偏移手段は、光ビームの通過経路
    に挿入される位置と通過経路から外れる位置との間で移
    動自在であって光ビームの通過経路に挿入されたときに
    光ビームを他の方向に反射する平面状の反射面を備えた
    第1の反射素子と、定位置に固定されていて光ビームの
    通過経路に挿入されたときの第1の反射素子の反射面に
    平行かつ対向する平面状の反射面を備えた第2の反射素
    子と、光ビームの走査時の往路と復路とで第1の反射素
    子を上記2位置に選択的に位置させる切換手段とから成
    ることを特徴とする請求項1記載の光走査型変位測定装
    置。
  3. 【請求項3】 ビーム偏移手段は、投光手段からの光ビ
    ームの通過経路に挿入される透明体であって入射面と出
    射面とが互いに平行な屈折素子と、走査時の往路と復路
    とで光ビームに対する屈折素子の入射面の角度を変更さ
    せる切換手段とから成ることを特徴とする請求項1記載
    の光走査型変位測定装置。
  4. 【請求項4】 投光手段と受光手段とを保持したハウジ
    ングと、ハウジングを往復移動させる走査手段を備えた
    センサ本体とを備え、ビーム偏移手段はセンサ本体に設
    けられて成ることを特徴とする請求項1ないし請求項3
    記載の光走査型変位測定装置。
  5. 【請求項5】 切換手段は、第1の反射素子と屈折素子
    とのいずれかに結合される回動軸に結合されたばね受け
    板と、定位置に固定されたばね座とばね受け板との間に
    保持されるコイルスプリングよりなる反転ばねと、ばね
    座に対向するとともに回動軸を中心とするばね受け板の
    回転角度を規制する位置規制面を形成した部材とからな
    り、反転ばねはばね受け板が位置規制面と平行になる中
    立位置でもっとも圧縮されることを特徴とする請求項2
    または請求項3記載の光走査型変位測定装置。
  6. 【請求項6】 投光手段と受光手段とを保持したハウジ
    ングと、ハウジングを往復移動させる走査手段を備えた
    センサ本体とを備え、ハウジングとセンサ本体との一方
    に設けた切換手段のばね受け板と位置規制面との間にハ
    ウジングの走査範囲の端末位置において挿入可能となる
    切換バーが他方に固定され、切換バーはばね受け板と位
    置規制面との間に挿入されたときにばね受け板が中立位
    置を越える位置に配置されていることを特徴とする請求
    項5記載の光走査型変位測定装置。
JP7237398A 1995-09-14 1995-09-14 光走査型変位測定装置 Withdrawn JPH0979817A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114001660A (zh) * 2021-11-02 2022-02-01 安徽科技学院 一种具有微调结构的全数字光电纠偏传感器
WO2022092606A1 (ko) * 2020-10-30 2022-05-05 주식회사 플로우토닉 객체 추적 시스템

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022092606A1 (ko) * 2020-10-30 2022-05-05 주식회사 플로우토닉 객체 추적 시스템
CN114001660A (zh) * 2021-11-02 2022-02-01 安徽科技学院 一种具有微调结构的全数字光电纠偏传感器
CN114001660B (zh) * 2021-11-02 2023-08-04 安徽科技学院 一种具有微调结构的全数字光电纠偏传感器

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