JPH0979737A

JPH0979737A - オープンショーケースのナイトカバー

Info

Publication number: JPH0979737A
Application number: JP25831995A
Authority: JP
Inventors: Shusuke Takahashi; 秀典高橋
Original assignee: NAKANO REIKI KK; Nakano Refrigerators Co Ltd
Current assignee: NAKANO REIKI KK; Nakano Refrigerators Co Ltd
Priority date: 1995-09-12
Filing date: 1995-09-12
Publication date: 1997-03-28

Abstract

(57)【要約】【課題】省エネルギー効果が高く、結露も防止でき、
かつ耐久性に優れたナイトカバー、特に低温オープンシ
ョーケースに適用しても結露及びその凍結が防止できる
素材と構造を有するナイトカバーを提供する。【解決手段】オープンショーケースのナイトカバーの
遮蔽膜１５Ｎの素材に、ポリプロピレン樹脂フィルムを
用いる。このポリプロピレン樹脂フィルムは、内外二層
構造から成り、内層１６を毛足の短いポリプロピレン系
の不織布で形成すると共に、外層１７を孔径０．１〜
０．３ミクロンの通気孔１７ａを多数有するポリプロピ
レン系フィルムで形成する。これにより、適度の通気性
と透湿性を有し、庫内側の蒸気Ｓを庫外に排出できると
共に、通水・通風を遮断して水滴Ｗ等を庫内側へ浸入で
きないようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ケーシングの前面ある
いは上面の開口部（商品の出し入れ口）を冷気のエアカ
ーテンで覆って庫内商品を保冷するオープンショーケー
スにおいて、非営業時に前記エアカーテン形成部の外側
を覆って省エネルギーを図るようにしたナイトカバー構
造に関し、詳しくは、食品店舗等で冷凍・冷蔵食品等を
陳列するために用いる冷凍・冷蔵オープンショーケー
ス、特に低温（冷凍）オープンショーケースに好適に用
いることのできるナイトカバーに関する。

【０００２】

【従来の技術】スーパーマーケットなどのセルフサービ
ス方式の食品販売店では、冷蔵食品や生鮮食品の陳列
に、冷凍・冷蔵オープンショーケースが用いられてい
る。

【０００３】このオープンショーケースは、例えばケー
シングの庫内に設けた複数段の棚板上に食品等の商品を
載置し、上部に設けた冷気吹出口から冷気をエアカーテ
ンとして下方に整流して吹き出し、ケーシングの前面下
部に設けた冷気吸込口から前記冷気を吸い込むととも
に、ケーシングと内部パネルの間に設けたダクトの下部
から送風ファンにより冷却用の蒸発器に冷気を送り、こ
のサイクルの連続により、ケーシング内の商品を冷却し
ている。

【０００４】そして、ケーシングの上部前端の天井外装
となるキャノピーの下部に、ロール状の遮蔽膜を備えた
ナイトカバーが装着され、夜間など店舗を閉めたとき
に、遮蔽膜を引き出してショーケースの開口部を覆い、
ショーケースの負荷軽減を図るようにしている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前記ロール
状に巻回された遮蔽膜の素材としては、従来より、透明
のナイロンや塩化ビニルフィルムなどが用いられている
が、この素材であると通気性がないため結露が発生しや
すいという問題がある。そのため、結露を防止する必要
からフィルム全面に直径１〜２ｍｍ程の孔を１ｃｍ間隔
ぐらいで開けるようにしていた。

【０００６】しかし、このような孔を開けると、そこか
ら外気も混入するが冷気も漏れ、ナイトカバー表面に風
の流れが生じることから結露が防止し易くなるが、その
反面、肝心の省エネルギー効果が十分達成できないとい
う不具合が生ずる。また、比較的大きな孔であるため、
頻繁な使用によって破れ等破損が生じやすく、耐久性に
劣るという欠点があった。しかも、従来の結露が生じや
すい素材のナイトカバーであると、低温ショーケースに
用いた場合にはその結露が凍結してしまって巻取りがス
ムーズにできないという不具合があるため、冷凍食品や
アイスクリーム等を陳列する低温ショーケースに用いる
ことはできなかった。

【０００７】そこで本発明は、省エネルギー効果が高
く、結露も防止でき、かつ耐久性に優れたナイトカバ
ー、特に低温オープンショーケースに適用しても結露及
びその凍結が防止できる素材と構造を有するナイトカバ
ーを提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明においては、ケーシングの商品出し入れ用の
開口部に冷気のエアカーテンを形成して庫内を保冷し、
非営業時に前記エアカーテンの外側を覆うナイトカバー
を備えたオープンショーケースにおいて、前記ナイトカ
バーの遮蔽膜素材に、ポリプロピレン樹脂フィルムを用
いたことを特徴としている。このポリプロピレン樹脂フ
ィルムは、フィルム表面に適度の通気性と透湿性を持た
せ、かつ通水・通風を遮断する微細な孔を多数に設けた
ものである。具体的には、内外二層構造から成り、内層
を毛足の短いポリプロピレン系の不織布で形成すると共
に、外層を孔径０．１〜０．３ミクロンの通気孔を多数
有するポリプロピレン系フィルムで形成したものが良
い。また、三層構造から成り、中央の層を毛足の短いポ
リプロピレン系の不織布で形成すると共に、その両側の
層を孔径０．１〜０．３ミクロンの通気孔を多数有する
ポリプロピレン系フィルムで形成したものでも良い。こ
の三層構造のものにすると、一層耐久性が増して好まし
い。そして、前記各層の各々あるいは何れかに、防カビ
用の抗菌処理を施すとカビの発生が防止できて好まし
い。なお、実際上は、内層又は中央の層を構成するポリ
プロピレン系の不織布に、防カビ用の抗菌処理を施せば
足りる。

【０００９】本発明は、上記の構成を採用したことによ
り、結露の防止と耐久性に優れ、かつ省エネルギー効果
の高いナイトカバーとすることができる。即ち、庫内の
空気や湿気は各層を通って、庫外に排出されるためナイ
トカバーに結露が生ずることはない。また、庫外からの
風は外層の微細な孔から庫内に入り込むことはなく、省
エネルギー効果が高くなる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を図面に基づいて詳細に説明する。図１は本発明のナ
イトカバーを多段オープンショーケースに応用した全体
斜視図、図２は断面側面図、図３はナイトカバー装着部
の側面図、図４は二層構造ナイトカバーの遮蔽膜の説明
図、図５は三層構造ナイトカバーの遮蔽膜の説明図、図
６は本発明のナイトカバーを冷凍食品やアイスクリーム
等を陳列する平型低温オープンショーケースに応用した
全体斜視図である。

【００１１】まず、図１及び図２に示すように、食品等
の商品を低温に保って収納・陳列する多段オープンショ
ーケース１は、前面が開口され、上部の天井部２ａ、背
面を覆う背面部２ｂ、下部の底面部２ｃ、前面下部を覆
う下部前面部２ｄ及び両側面を覆う側板２ｅに、断熱材
２ｆを充填して、ケーシング２が一体に形成され、これ
ら各部と内部パネル３との間に冷気を循環させるダクト
４が設けられている。

【００１２】前記ケーシング２の上部先端位置には、内
部パネルの天板３ａに、冷気をエアカーテンとして下方
に整流して吹き出すハニカム構造の冷気吹出口５が設け
られ、多段オープンショーケース１内に吹き出された冷
気は、下部前面部２ｄの後部に開口する冷気吸込口６か
らダクト４内に導かれる。また、下部のダクト４内には
前記冷気吸込口６から取り入れた空気を送る送風ファン
７と、該送風ファン７から送られた空気を冷却する蒸発
器８が設けられ、冷気は送風ファン７によりダクト４内
を通って冷気吹出口５から吹き出され、この冷気の循環
によって、多段オープンショーケース１の庫内の陳列棚
９，９…に載置された商品を冷却している。

【００１３】そして、ケーシング２の上部前端は天井外
装となるキャノピー１０で覆われていて、その下部にキ
ャノピー照明１１が配設され、キャノピー照明１１の光
をキャノピー天板１０ａで反射して庫内を均一に照らす
ようにしている。また、冷気吹出口５の前方にはキャノ
ピー天板１０ａに連ねて前方覆いとなるノジング部１２
が形成され、ノジング部１２の内部には防露ヒータ１３
が配設されている（図３参照）。

【００１４】ノジング部１２の前壁１２ａは前倒しの傾
斜面に形成してあり、内部に幅広の空間を形成し、該空
間内に庫内温度を表示するための隔測温度計１４の本体
を組み込んで、該温度計１４の目盛り部１４ａをノジン
グ部前壁１２ａの傾斜面に装着している。

【００１５】前記ノジング部前壁１２ａとキャノピー天
板１０ａの間には、本発明の要旨となるナイトカバー１
５，１５が取り付けられている。このナイトカバー１
５，１５は、遮蔽膜１５Ｎ，１５Ｎをロール状に巻回し
たもので、その開閉の容易性を考え、３尺（約９０ｃ
ｍ）〜４尺（約１２０ｃｍ）単位の間口寸法で製作さ
れ、ナイトカバー１５，１５が略一直線状になるように
多段オープンショーケース１に取り付けられている。

【００１６】そして、本実施形態においては、このナイ
トカバー１５の遮蔽膜１５Ｎ，１５Ｎの素材として、ポ
リプロピレン樹脂フィルムを用いている。このポリプロ
ピレン樹脂フィルムは、フィルム表面に適度の通気性と
透湿性を持たせたもので、通水・通風を遮断する微細な
孔を多数設けている。具体的には、図４に詳細を示すよ
うに、内外二層構造から成り、内層１６を毛足の短いポ
リプロピレン系の不織布で形成すると共に、外層１７を
孔径０．１〜０．３ミクロン、好ましくは孔径０．２ミ
クロン程度の通気孔１７ａを多数有するポリプロピレン
系フィルムで形成している。孔径０．２ミクロン程度の
微細な孔であるため、適度な通気性・透湿性を有し庫内
側の蒸れ（蒸気）Ｓを庫外に逃がすことができる。その
結果、遮蔽膜内側に結露を生じることはなく、また、通
風性がないことから、遮蔽膜表面全体からの外気混入、
冷気漏れの現象が発生せず、表面温度が極端に冷やされ
ることもないため、遮蔽膜外側に結露を発生することも
ない。それ故、冷凍オープンショーケースなどの低温シ
ョーケースに用いても、結露による凍結などの問題は生
ぜず、好適である。一方、庫外からの風や水滴Ｗは、こ
れらを遮断する微細な孔であるため、庫内側に侵入する
ことはなく、強い保冷性を確保できる。

【００１７】また、このナイトカバー１５は、ポリプロ
ピレン系の不織布１６とフィルム１７との二重接触構造
であり、かつ従来の如き比較的大きな孔も開いていない
ため、優れた強度を有し、頻繁に使用しても破れること
はない。しかも、微細な通気孔１７ａを有するポリプロ
ピレン系フィルムの外層であるため外からの風や水滴Ｗ
を遮断し、また、毛足の短いポリプロピレン系の不織布
の内層であるため優れた保冷性を有し、ショーケースの
負荷軽減が図れ、省エネルギー効果が高い。

【００１８】更に、本発明では、この遮蔽膜１５Ｎの内
層１６を構成するポリプロピレン系の不織布に、防カビ
用の抗菌処理を施している。このようにすると、多少の
湿気を持った場合にもカビの発生が防げて好ましい。勿
論、外層１７を構成するポリプロピレン系フィルムに防
カビ用の抗菌処理を施しても良いし、その双方に抗菌処
理を施しても良い。

【００１９】また、本発明においては、図５に詳細を示
すように、図４で説明した内層１６の内側に、更に上記
外層１７と同一素材及び同一構造からなるフィルム層１
８、即ち微細な通気孔１８ａを有するポリプロピレン系
フィルムからなるフィルム層１８を積層接触して、全体
を三層構造とすることもできる。このようにしても、上
記二層構造のフィルムと同一の作用を果たすと共に、一
層耐久性が増大して好ましい。

【００２０】そして、以上の実施形態では、本発明のナ
イトカバーを前面開口のオープンショーケースに用いた
例について説明したが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、例えば、図６に示すように、冷凍食品やアイ
スクリーム仕様の上面開口の平型低温オープンショーケ
ースなどのナイトカバーとしても、同様に用いることが
できる。

【００２１】即ち、図６は本発明のナイトカバーを平型
低温オープンショーケースに用いた例を示す。平型低温
オープンショーケース２１は、上部開放の箱形に形成さ
れた商品収納部２２と、この商品収納部２２を適度の高
さに保つ台座部２３とから構成され、商品収納部２２は
その中央に設けた左右仕切壁２４により２つの陳列部２
２ａ，２２ｂに分断されている。そして、商品の陳列部
２２ａ，２２ｂは、一体発泡パネル構造の外装パネル２
５で囲まれている。前記外装パネル２５と商品陳列部２
２ａ，２２ｂの間には、所定空間を設けて冷気の循環ダ
クト２６が形成され、商品収納部２２の床下循環ダクト
内には冷却器２７，２７と複数個の送風機２８，２８が
配設されている。この冷却器２７，２７で冷却された空
気は、商品収納部２２の中央に設けた左右仕切壁２４の
左右サイドの吹出口３０，３０から商品収納部２２の両
サイドに吹き出され、陳列部２２ａ，２２ｂ内に収容し
た冷凍食品あるいはアイスクリーム等を冷却した後、両
サイド内側の吸込口３１，３１から再び循環ダクト２６
内に循環される構造となっている。

【００２２】そして、前記中央の左右仕切壁２４の吹出
口３０の上方に、前記の多段オープンショーケースに用
いたのと同一（同一素材及び同一構造）のナイトカバー
１５が装着される。このナイトカバー１５は遮蔽膜１５
Ｎ，１５Ｎをロール状に巻回したもので、左右に一対設
けられている。また、ショーケース２１両サイドのアク
リル板３２，３２の上部には、前記ナイトカバー１５，
１５のフック１５ａ，１５ａを引掛けるための係止部材
３２ａ，３２ａを装着している。

【００２３】本発明のナイトカバーは、以上説明したよ
うに、前面開口の多段式オープンショーケースやアイス
クリーム仕様等上面開口の平型低温オープンショーケー
スに好適に適用することができる。但し、これらに限定
される訳ではなく、本発明のナイトカバーは、開口部の
位置やショーケースの型（特に冷蔵用、冷凍用の別）に
関係なく、商品出し入れ用の開口部を覆うナイトカバー
として好適であるという趣旨である。また、ナイトカバ
ー自体の取付位置や形状、構造等について、特に限定さ
れるわけではなく、ショーケースの構造に応じて適宜な
取り付けが可能である。例えば、２枚以上のナイトカバ
ーを用いる場合にも、一直線状に並べて取り付ける場合
のみならず、互い違いに並べて隣接する遮蔽膜同士を重
ね合わせるようにして取り付けることもできる。

【００２４】

【発明の効果】本発明は、以上のように構成したので、
結露の防止と耐久性に優れ、かつ省エネルギー効果の高
いナイトカバーとすることができる。即ち、庫内の空気
や湿気は各層を通って庫外に排出されるため、ナイトカ
バーの庫内外に結露が生ずることはない。また、庫外か
らの風や水滴は外層の微細な孔から庫内に入り込むこと
はなく、省エネルギー効果が高まるので、非営業時のシ
ョーケースの負荷軽減が図れる。更に、遮蔽膜面への結
露が防止されることから、冷凍オープンショーケース等
の低温ショーケースに用いた場合にも、結露が凍結して
不具合が生ずるといった問題は起きないため、本発明は
低温ショーケースに有効に用いることができるといった
利点を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のナイトカバーを多段オープンショーケ
ースに応用した実施例を示す全体斜視図である。

【図２】同じく断面側面図である。

【図３】同じくナイトカバーの装着状態を示す側面図で
ある。

【図４】同じく二層構造ナイトカバーの遮蔽膜の説明図
である。

【図５】同じく三層構造ナイトカバーの遮蔽膜の説明図
である。

【図６】本発明のナイトカバーを平型低温オープンショ
ーケースに応用した全体斜視図である。

【符号の説明】

１オープンショーケース２ケーシング２ａ天井部２ｂ背面部２ｃ底面部２ｄ前面部２ｆ断熱材３内部パネル３ａ天板４ダクト５冷気吹出口６冷気吸込口７送風ファン８蒸発器９陳列棚１０キャノピー１１キャノピー照明１２ノジング部１５ナイトカバー１５Ｎ遮蔽膜１５ａフック１６内層１７外層１７ａ通気孔１８フィルム層１８ａ通気孔２１平型低温オープンショーケース２２商品収納部２３台座部２４左右仕切壁２２ａ，２２ｂ陳列部２５外装パネル２６冷気の循環ダクト２７冷却器２８送風機３０吹出口３１吸込口３２アクリル板３２ａ係止部材Ｓ蒸れ（蒸気）Ｗ水滴

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ケーシングの商品出し入れ用の開口部に
冷気のエアカーテンを形成して庫内を保冷し、非営業時
に前記エアカーテンの外側を覆うナイトカバーを備えた
オープンショーケースにおいて、前記ナイトカバーの遮
蔽膜素材に、ポリプロピレン樹脂フィルムを用いたこと
を特徴とするオープンショーケースのナイトカバー。
【請求項２】前記ポリプロピレン樹脂フィルムは、フ
ィルム表面に適度の通気性と透湿性を持たせると共に、
通水・通風を遮断する微細な孔を多数設けたことを特徴
とする請求項１記載のオープンショーケースのナイトカ
バー。
【請求項３】前記ポリプロピレン樹脂フィルムは、内
外二層構造から成り、内層を毛足の短いポリプロピレン
系の不織布で形成すると共に、外層を孔径０．１〜０．
３ミクロンの通気孔を多数有するポリプロピレン系フィ
ルムで形成したことを特徴とする請求項１記載のオープ
ンショーケースのナイトカバー。
【請求項４】前記内層を構成するポリプロピレン系の
不織布又は／及び外層を構成するポリプロピレン系フィ
ルムに、防カビ用の抗菌処理を施したことを特徴とする
請求項３記載のオープンショーケースのナイトカバー。
【請求項５】前記ポリプロピレン樹脂フィルムは、三
層構造から成り、中央の層を毛足の短いポリプロピレン
系の不織布で形成すると共に、その両側の層を孔径０．
１〜０．３ミクロンの通気孔を多数有するポリプロピレ
ン系フィルムで形成したことを特徴とする請求項１記載
のオープンショーケースのナイトカバー。
【請求項６】前記中央の層を構成するポリプロピレン
系の不織布又は／及び外層を構成するポリプロピレン系
フィルムに、防カビ用の抗菌処理を施したことを特徴と
する請求項５記載のオープンショーケースのナイトカバ
ー。