JPH09790A - 衣類乾燥機 - Google Patents

衣類乾燥機

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Publication number
JPH09790A
JPH09790A JP7149847A JP14984795A JPH09790A JP H09790 A JPH09790 A JP H09790A JP 7149847 A JP7149847 A JP 7149847A JP 14984795 A JP14984795 A JP 14984795A JP H09790 A JPH09790 A JP H09790A
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JP
Japan
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rotary drum
drug
clothes
antibacterial
clothes dryer
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Pending
Application number
JP7149847A
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English (en)
Inventor
Morinori Fukuda
守記 福田
Hiroari Matsui
宏有 松井
Masayoshi Kamisaki
昌芳 上崎
Shunji Imai
俊次 今井
Fumio Ota
文夫 太田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication of JPH09790A publication Critical patent/JPH09790A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 家庭で簡単に、安価に、一般衣料の肌着や靴
下、シーツやパジャマなどの寝装寝具などに抗菌効果、
抗黴効果、防臭効果、防虫効果を付与する衛生加工の機
能を有する衣類乾燥機を提供する。 【構成】 衣類を転動攪拌する回転ドラム1内に熱交換
型ファン9により乾燥用空気を供給し、この回転ドラム
1内に抗菌、抗黴、防臭、防虫の少なくともいずれか1
種の性状を有する薬剤18を揮発拡散する気化装置15
を設ける。気化装置15は、閉ループ状で、回転ドラム
1内に連通した通路20内に薬剤18の気化室17を設
けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、少なくとも抗菌性、抗
黴性、防臭性、防虫性のいずれか1種を有する薬剤を気
化させて衣類に抗菌、抗黴、防臭、防虫処理を行う衣類
乾燥機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、衣類乾燥機は図7に示すように構
成していた。以下、その構成について説明する。
【0003】図に示すように、回転ドラム1は、メタル
2を介してシャフト3によってその一端を支持し、この
シャフト3はファンケース4によって外枠5に固定して
いる。回転ドラム1の他端はドラム支持板6を介してボ
デー7に支持されている。電動機8は、回転ドラム1お
よび熱交換型ファン9を駆動回転させる。ベルト10
は、電動機8の回転を熱交換型ファン(送風手段)9に
伝え、ベルト11は、電動機8の回転を回転ドラム1に
伝える。風胴12は、熱交換型ファン9によって送風さ
れた空気を回転ドラム1に戻すものである。熱源13
は、送風された空気を加熱する。蓋14は、回転ドラム
1内を略密閉状態としている。
【0004】以上の構成によって、回転ドラム1内の衣
類を入れ、衣類の撹拌を行いつつ温風を衣類内を通すこ
とによって、洗濯などによって湿った衣類を乾燥するこ
とができる。
【0005】近年、このような衣類乾燥機において、殺
菌および殺ダニ機能を有するものがある。これは、乾燥
行程における恒率乾燥時に所定の温度以上を維持するこ
とによる湿熱乾燥によって殺菌および殺ダニ効果を発揮
している。
【0006】つぎに、抗菌、抗黴、抗ダニ作用を有する
薬剤を吸着処理した衣類について説明する。市販の抗菌
処理衣料は、その購入前に抗菌剤によって処理されてい
るものであり、洗濯をくり返すとその機械力によって抗
菌剤が洗い落とされ、抗菌効果が徐々に低下するものが
多く、洗濯方法として手洗い表示となっている。さらに
市販の抗菌処理衣料は、シミ状の汚れが付着しても、漂
白剤が抗菌剤を分解するために漂白は禁止事項となって
いる。
【0007】中でも抗菌性を有する天然系植物精油を利
用した抗菌処理衣料では、天然系植物精油が気化するこ
とでその抗菌作用を発揮するものであるから、衣類上の
天然系植物精油は徐々に少なくなる。このことから明ら
かなように、初期性能を長期的に維持することはきわめ
て困難である。このため大変高価なものとなるが、抗菌
剤をマイクロカプセル化し、着用時に摩擦などによる物
理作用によってマイクロカプセルが徐々に壊れ、気化す
る構成としている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の殺菌および殺ダ
ニ効果がある衣類乾燥機では、衣類は衛生的に乾燥でき
るが、乾燥を終了した後、タンスなどに収納している期
間中に、または着用中にダニや菌の汚染を受ける。つま
り、せっかく衛生的に乾燥ができても、その状態を継続
的に維持できない一過性の効果である。
【0009】また、市販の抗菌処理衣料では、一般的に
洗濯などをくり返すと、徐々に抗菌作用が低下して行く
という耐久性の問題を有している。抗菌作用を長期にわ
たって発揮するためには、初期に薬剤を大量に吸着させ
ておかなければならないため、抗菌処理衣料を着用した
ときに、有益な皮膚常在菌まで殺菌してしまう恐れがあ
る。また、薬剤として天然系植物精油を利用したものに
ついては、一定期間効果を持続させるために天然系植物
精油をマイクロカプセル化する高度な技術手段がとら
れ、抗菌処理衣料が高価な衣類となっている。
【0010】しかしながら、シミ汚れを落とす漂白はで
きないという問題は解決されていない。その一方で、こ
のような抗菌性を有する衣類の購入者は、当然抗菌処理
をした衣類を数日間着つづけるのではなく、ほぼ毎日交
換するわけで、着替えるためには当然複数枚所持するこ
とが必要となってくる。また、季節によっても着る衣類
が違うため、多くの枚数が必要となる。
【0011】さらに、小児のアトピ−性皮膚炎などを対
象とした天然系の抗菌剤で抗菌処理した衣類では、成長
の早い小児の成長にあわせて抗菌処理衣類を新しく購入
する必要がある。抗菌剤をスプレ−などによって直接衣
類に振りかけて抗菌作用を発揮する方法も考えられる
が、安全性と効果の点から適量を付着させなければなら
ないが、衣類に必要量だけ均一に抗菌剤を吸着させるこ
とはきわめて困難である。また、抗菌剤を吸い込んだ
り、他のものに抗菌剤をつけてしまったりする危険性も
ある。
【0012】なお、近年アトピ−性皮膚炎が小児を中心
に患者数が増加の傾向にあり、その根本原因は、多くの
学説があり、いまだに特定には至っていない上に、決定
的な治療手段も確立されていない。しかし、ダニがアト
ピー性皮膚炎にとって外的増悪因子であることは学術的
に見てもほぼ間違いなく、また、皮膚表面の菌、特にカ
ンジタ菌や、黄色ぶどう状球菌などは、痒みを生じさせ
て睡眠を妨害したり症状を悪化させたりすることがわか
っている。また、ダニはアレルギー性ぜんそくのアレル
ゲンであること、汗の臭気は雑菌が汗を分解することに
よるものであることも周知の事実である。
【0013】また、高齢化社会を迎えようとしている
が、老人の弱い肌(乾燥肌)や寝たきり老人の増加、そ
して老人ホームなどを背景として、快適で衛生的な衣生
活をするために、抗菌防臭処理した寝装、寝具は期待さ
れるところである。
【0014】本発明は上記の課題を解決するもので、家
庭で簡単に一般の衣類や寝装、寝具を抗菌処理ができる
ようにすることを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、衣類を転動攪拌する回転ドラムと、この回
転ドラム内に乾燥用空気を供給する送風手段と、この回
転ドラム内に抗菌、抗黴、防臭、防虫の少なくともいず
れか1種の性状を有する薬剤を揮発拡散する手段とを備
え、前記揮発拡散手段は閉ループ状で前記回転ドラム内
に両端を連通した通路と、この通路内に設けた薬剤の気
化室とを備えたことを第1の課題解決手段としている。
【0016】また、上記第1の課題解決手段において、
回転ドラム内に連通した通路は、その両端を上下の位置
関係でそれぞれ開口するようにしたことを第2の課題解
決手段としている。
【0017】また、上記第1または第2の課題解決手段
において、回転ドラム内に連通した通路は、開口部に複
数の連通孔またはスリットを有する開閉自在の蓋を設け
たことを第3の課題解決手段としている。
【0018】また、上記第1から第3の課題解決手段に
おいて、気化室は、加熱体を備えたことを第4の課題解
決手段としている。
【0019】また、上記第4の課題解決手段において、
回転ドラム内に連通した上の位置関係にある通路は、回
転ドラムの内側へ上方向の傾斜を有したことを第5の課
題解決手段としている。
【0020】また、上記第4または第5の課題解決手段
において、気化室は、良好な熱伝導体で形成し加熱体と
熱伝導状態に構成したことを第6の課題解決手段として
いる。
【0021】また、上記第1から第6の課題解決手段に
おいて、抗菌、抗黴、防臭、防虫の少なくともいずれか
1種の性状を有する薬剤を含ませた担持体を備えたこと
を第7の課題解決手段としている。
【0022】また、上記第7の課題解決手段において、
担持体は、常温で液体の薬剤を常温で固体の薬剤の溶媒
として混合した少なくとも2種の薬剤を含ませたことを
第8の課題解決手段としている。
【0023】
【作用】本発明は、上記した第1の課題解決手段によ
り、抗菌、抗黴、防臭、防虫の少なくともいずれか1種
の性状を有する薬剤を揮発拡散手段から略密閉状態にあ
る回転ドラム内へ供給することができ、衣類は回転ドラ
ム内で転動攪拌されているので、薬剤が均一に吸着され
る。この結果、回転ドラム内に投入された衣類表面にむ
らなく、簡単にかつ安価に抗菌、抗黴、防臭、防虫機能
を付与することができる。
【0024】また、第2の課題解決手段により、回転ド
ラム内に連通した通路の両端が上下の位置関係でそれぞ
れ開口しているため、薬剤の自然対流を発生し易くする
ことができる。すなわち、気化室で揮発した薬剤が回転
ドラム内へ迅速に自然流入することにより気化室内の薬
剤の飽和蒸気圧が低下し、薬剤の気化がさらに促進され
る。この結果、回転ドラム内の衣類の表面に迅速に、そ
して簡単にかつ安価に薬剤を吸着させることができ、抗
菌、抗黴、防臭、防虫機能を付与することができる。
【0025】また、第3の課題解決手段により、回転ド
ラム内に連通した通路の開口部に複数の連通孔またはス
リットを有する開閉自在の蓋を設け、運転中に、衣類の
ボタンやホック類が通路の開口部に引っ掛かるのを防止
することができ、また、蓋を開閉自在にすることによ
り、揮発拡散手段へ侵入した糸くずや綿埃を容易に掃除
することができ、閉ループの自然対流を阻害するのを防
止することができる。
【0026】また、第4の課題解決手段により、気化室
に加熱体を備えことにより、薬剤を加熱し短時間に多量
に揮発させることができる。
【0027】また、第5の課題解決手段により、回転ド
ラム内に連通した上の位置関係にある通路が、回転ドラ
ム内側へ上方向の傾斜を有しているので、薬剤の飽和蒸
気からなる加熱上昇気流を滞留させることなく、効率よ
く回転ドラム内に導きいれることができる。
【0028】また、第6の課題解決手段により、気化室
を良好な熱伝導体で構成しているため、少なくとも気化
室の温度と気化室内全体の雰囲気温度が高くなり、気化
室への薬剤の凝結防止ができるとともに、気化室内の薬
剤の飽和蒸気圧が高くなる。この結果、気化室内は高濃
度の薬剤蒸気である加熱空気が上昇気流となり、閉ルー
プの揮発拡散手段から回転ドラム内へ効率よく高濃度の
薬剤蒸気を供給することができる。
【0029】また、第7の課題解決手段により、抗菌、
抗黴、防臭、防虫の少なくともいずれか1種の性状を有
する薬剤を含ませた担持体を備えているので、1回の処
理に必要な微量薬剤を適量供給することができ、使用者
の安全性と被処理衣類に必要な抗菌、抗黴、防臭、防虫
などの処理性能を確保することができる。また、担持体
により薬剤の表面積を大きく設定できるので、薬剤の気
化を早くできるとともに、衣類への吸着量も安定化でき
る。
【0030】また、第8の課題解決手段により、常温で
液体の薬剤を常温で固体の薬剤の溶媒として混合した少
なくとも2種類以上の薬剤を担持体に含ませているの
で、1種類の場合に常温で固体の薬剤も、担持体に含ま
せるときに加温する必要もなく、しかも時間とともに担
持体内に均一に浸透することができる。また、単なる溶
媒を混合使用するのではなく、常温で液体の薬剤を溶媒
として混合しているので、抗菌、抗黴、防臭、防虫など
の処理性能に相乗効果や1種類の薬剤では得られない薬
剤性能を付与することもできる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例を図1を参照し
ながら説明する。なお、従来例と同じ構成のものは同一
符号を付して説明を省略する。
【0032】図に示すように、気化装置(揮発拡散手
段)15は、蓋16に設け、この気化装置15の中央部
に気化室17を配置し、気化室17に少なくとも抗菌、
抗黴、防臭、防虫作用のいずれか1種を有する薬剤18
をセットしている。また、回転ドラム1の内側に一端を
回動自在に支持した開閉蓋19を設けており、薬剤18
を入れる際に開閉蓋19を開閉するようにしている。通
路20は、気化室17を介して閉ループを構成し、回転
ドラム1の内側に向けて開口部21a、21bを形成し
ている。
【0033】上記構成において、薬剤18は、気化室1
7内において気化し、徐々に閉ループの両端にある開口
部21a、21bから回転ドラム1内に入る。やがて、
回転ドラム1内の雰囲気は薬剤18の飽和蒸気圧とな
り、衣類へ薬剤18の蒸気を吸着することができる。こ
のとき、衣類は回転ドラム1内で転動攪拌されているの
で、薬剤18が均一に吸着される。この結果、回転ドラ
ム1内に投入された衣類表面にむらなく、簡単にかつ安
価に抗菌、抗黴、防臭、防虫機能を付与することができ
る。
【0034】つぎに、本発明の第2の実施例を図2を参
照しながら説明する。なお、上記第1の実施例と同じ構
成のものは同一符号を付して説明を省略する。
【0035】図に示すように、気化装置(揮発拡散手
段)22は、上記第1の実施例と同様に、蓋16に設
け、この気化装置22の中央部に配置した気化室17に
少なくとも抗菌、抗黴、防臭、防虫作用のいずれか1種
を有する薬剤18をセットしている。また、気化室17
の上部に位置する開口部23aと気化室17の下部に位
置する開口部23bとの間は、通路24で気化室17を
介して閉ループを構成している。
【0036】上記構成において、回転ドラム(図示せ
ず)内において送風されていないときは、薬剤18は、
気化室17内に気化し、薬剤蒸気の方が空気よりも軽い
場合は、徐々に閉ループの下端にある開口部23bから
回転ドラム内の空気が流入し、空気と気化した薬剤18
の蒸気の混合した上昇流が開口部23aから回転ドラム
内に入る。やがて、回転ドラム内の雰囲気は薬剤18の
飽和蒸気圧となり、衣類へ薬剤18の蒸気が吸着する。
【0037】また、薬剤18の蒸気の方が空気よりも重
い場合は、徐々に閉ループの上端にある開口部23aか
ら回転ドラム(図示せず)内の空気が流入し、空気と気
化した薬剤18の蒸気の混合した下降流が開口部23b
から回転ドラム内に入る。やがて、回転ドラム内の雰囲
気は薬剤18の飽和蒸気圧となり、衣類へ薬剤18の蒸
気が吸着する。この結果、回転ドラム内の衣類の表面に
迅速に、そして簡単にかつ安価に薬剤18を吸着させる
ことができ、抗菌、抗黴、防臭、防虫機能を付与するこ
とができる。
【0038】つぎに、本発明の第3の実施例を図3を参
照しながら説明する。なお、上記第2の実施例と同じ構
成のものは同一符号を付して説明を省略する。
【0039】図に示すように、開閉自在の蓋25の上部
と下部にそれぞれ複数の連通孔またはスリットを有する
通気性部25aと25bを一体に設け、通気性部25a
と25bは、気化装置22の上端の開口部23aと下端
の開口部23bを開閉自在に覆うように構成している。
【0040】上記構成において、通気性部25a、25
bを設けた蓋25により、気化装置22の閉ループ内に
衣類の綿埃が堆積するのを防止することができるととも
に、開口部23a、23bに衣類のボタンやホック類が
引っ掛かるのを防止できる。また、通気性部25a、2
5b蓋開閉自在にすることにより、気化装置22の閉ル
ープへ侵入した糸くずや綿埃を容易に掃除することがで
き、閉ループの自然対流を阻害するのを防止することが
できる。
【0041】なお、上記実施例では、上記第2の実施例
の気化装置22の開口部23a、23bを通気性部で覆
うようにしているが、第1の実施例の気化装置15の開
口部21a、21bを通気性部で覆うようにしてもよ
い。
【0042】つぎに、本発明の第4の実施例を図4を参
照しながら説明する。なお、上記第3の実施例と同じ構
成のものは同一符号を付して説明を省略する。
【0043】図に示すように、気化装置(揮発拡散手
段)26の中央部に配置している気化室17には、少な
くとも抗菌、抗黴、防臭、防虫作用を有する薬剤18を
セットする面に面状ヒータ(加熱体)27を設けてい
る。
【0044】上記構成において、薬剤18を面状ヒータ
27で直接加熱するので、短時間に温度の高い薬剤18
の蒸気を気化させることができ、閉ループ内に加熱によ
る強制上昇流が生じ、迅速に回転ドラム(図示せず)へ
薬剤18の蒸気を供給することができる。この結果、回
転ドラム内の衣類との温度差により衣類へ効率よく薬剤
18の蒸気を吸着させることができる。
【0045】なお、上記実施例では、上記第3の実施例
の気化室17に面状ヒータ27を設けているが、第1ま
たは第2の実施例の気化室17に面状ヒータ27を設け
てもよいことはいうまでもない。
【0046】つぎに、本発明の第5の実施例を図5を参
照しながら説明する。なお、上記第4の実施例と同じ構
成のものは同一符号を付して説明を省略する。
【0047】図に示すように、気化室28は閉ループの
上側の通路とを兼ねるとともに、開閉蓋29には上部と
下部にそれぞれ通気性部29aと29bを設けている。
気化室28の上壁30は回転ドラム(図示せず)の内側
に対し上方へ傾斜し、下壁31は回転ドラム側に対し下
方へ傾斜している構成としている。
【0048】上記構成において、薬剤18は、面状ヒー
タ27により加熱されて気化し、上昇流とともに上壁3
0に沿いながら回転ドラム内と連通した開閉蓋29の通
気性部29aを通して回転ドラム内へ入る。また、回転
ドラム内の空気は通気性部29bから下壁31に沿って
対流により導入される。上壁30と下壁31により薬剤
18の蒸気と空気は少ない抵抗で閉ループ内を流れ、薬
剤18の蒸気は回転ドラム内の衣類へ効率よく吸着す
る。
【0049】つぎに、本発明の第6の実施例を図6を参
照しながら説明する。なお、上記第5の実施例と同じ構
成のものは同一符号を付して説明を省略する。
【0050】図に示すように、閉ループを構成する気化
室32は、熱伝導が良好なアルミニウム鋳物で形成した
ケース33で構成し、薬剤18を加熱する面状ヒータ2
7を密着状態で固定し、このケース33は、樹脂ケース
34に収納している。
【0051】上記構成において、熱伝導が良好なアルミ
ニウム鋳物製のケース33は、面状ヒータ27により加
熱され、薬剤18から気化した薬剤18の蒸気が閉ルー
プ内に凝結することを最小限にできる。このことから、
薬剤18の蒸気は回転ドラム内の衣類へ効率よく吸着す
ることができる。
【0052】なお、上記実施例は、上記第5の実施例の
気化室28をアルミニウム鋳物で形成した構成としてい
るが、上記第4の実施例の気化室17をアルミニウム鋳
物で形成してもよい。
【0053】つぎに、本発明の第7の実施例について説
明する。図1から図6における薬剤18は、抗菌、抗
黴、防臭、防虫の少なくともいずれか1種の性状を有す
る薬剤を含ませた担持体としている。すなわち、内面と
外面に樹脂フィルムをラミネートしたアルミニウム製の
袋に、パルプ製のマット紙を担持体とした抗菌と防ダニ
作用を有する天然のハッカ油を1回使用量含ませた薬剤
マットを密封し、予め、製造してから使用する間に薬剤
の気散と光による劣化を防止するようにしている。
【0054】上記構成において、衣類乾燥機で衣類を抗
菌、防ダニ処理するときに、剤マットを密封したアルミ
ニウム製の袋を破り、衣類乾燥機内の気化装置に取り付
け、1回の処理に必要な適量の天然ハッカ油を提供する
ことができる。
【0055】つぎに、本発明の第8の実施例について説
明する。上記第7の実施例における担持体は、常温で液
体の薬剤を常温で固体の薬剤の溶媒として混合した少な
くとも2種の薬剤を含ませたものとしている。たとえ
ば、青森ヒバに含まれる天然精油の成分であるヒノキチ
オール(常温で結晶)は、天然の抗菌剤の中でも特別各
種の菌に対して低濃度で優れた抗菌性を示す。このヒノ
キチオールの結晶を、抗菌性と防ダニ性を有する常温で
液体の天然ハッカ油に溶解したものをパルプ製のマット
紙に含ませて薬剤マットを形成し、この薬剤マットを予
め内面と外面に樹脂フィルムをラミネートしたアルミニ
ウム製の袋に密封している。
【0056】上記構成において、衣類乾燥機で衣類を抗
菌、防ダニ処理するときに、薬剤マットを密封したアル
ミニウム製の袋を破り、衣類乾燥機内の気化装置に取り
付ける。このようにして、特に抗菌性に優れた結晶のヒ
ノキチオールを容易にかつ均一にパルプ製のマット紙に
浸透させることができる。また、1回の処理に必要な適
量の混合植物精油を提供することができる。
【0057】
【発明の効果】以上のように本発明は、衣類を転動攪拌
する回転ドラムと、この回転ドラム内に乾燥用空気を供
給する送風手段と、この回転ドラム内に抗菌、抗黴、防
臭、防虫の少なくともいずれか1種の性状を有する薬剤
を揮発拡散する手段とを備え、前記揮発拡散手段は閉ル
ープ状で前記回転ドラム内に両端を連通した通路と、こ
の通路内に設けた薬剤の気化室とを備えたから、一般家
庭で衣類や寝装、寝具に抗菌効果、抗黴効果、防臭効
果、防虫効果などを有する薬剤を簡単に吸着させること
ができ、従来の乾燥機能で得られる一過性の殺菌、殺ダ
ニ効果だけでなく、持続性のある抗菌、抗黴、防臭、防
虫などの衛生加工を安価に提供することができる。すな
わち、衣類表面にアトピー性皮膚炎の外的増悪因子であ
る黄色ブドウ状球菌やカンジダ菌の増殖を抑制する機能
やダニを忌避する機能を簡単にかつ安価に付与できる。
なお、洗濯で容易に除去できる薬剤を選択することによ
り、洗濯と衛生加工の繰り返しでいつも一定の性能を確
保できることはいうまでもない。
【0058】また、回転ドラム内に連通した通路は、そ
の両端を上下の位置関係でそれぞれ開口するようにした
から、薬剤の気化した蒸気が滞留することなく自然対流
し、回転ドラム内へ迅速に流入することで、閉ループ内
の薬剤の飽和蒸気圧が低下し、薬剤の気化がさらに促進
されることとなり、持続性のある抗菌、抗黴、防臭、防
虫などの衛生加工の処理時間を短縮することができる。
【0059】また、回転ドラム内に連通した通路は、開
口部に複数の連通孔またはスリットを有する開閉自在の
蓋を設けたから、回転ドラム内で衣類を転動攪拌してい
るとき、衣類のボタンやホック類が閉ループの開口部に
引っ掛かることを防止できるとともに、薬剤蒸気を回転
ドラム内に拡散することができる。複数の連通孔または
スリットを有する蓋は開閉自在となっているので、衣類
乾燥機を使用している間に徐々に閉ループ内に侵入し、
薬剤蒸気の自然対流を阻害する糸くずを容易に除去で
き、一定品質の持続性のある抗菌、抗黴、防臭、防虫な
どの衛生加工をすることができる。
【0060】また、気化室は、加熱体を備えたから、高
温の薬剤蒸気を短時間に多量に揮発させることができ、
衣類との温度差により衣類へ直接吸着させることとな
り、短時間に衣類表面に高濃度の薬剤を吸着させること
ができ、アトピー性皮膚炎の外的増悪因子である黄色ブ
ドウ状球菌やカンジダ菌をより積極的に殺菌する効果や
ダニを忌避する効果を付与することができる。
【0061】また、回転ドラム内に連通した上の位置関
係にある通路は、回転ドラムの内側へ上方向の傾斜を有
したから、薬剤の飽和蒸気からなる加熱上昇気流を滞留
させることなく効率よく回転ドラム内に導きいれること
ができ、閉ループ内で薬剤蒸気の温度が下がり、壁面に
凝結することを低減できることから、処理衣類への薬剤
吸着量低下を防止できるとともに、気化装置内に付着し
た薬剤臭気を低減することができる。
【0062】また、気化室は、良好な熱伝導体で形成し
加熱体と熱伝導状態に構成したから、気化室の壁面も高
温となり、雰囲気温度が高くなるので気化室への薬剤の
凝結防止ができるとともに、気化室内の薬剤の飽和蒸気
圧が高くなるので、回転ドラム内へ高濃度の薬剤蒸気を
供給でき、アトピー性皮膚炎の外的増悪因子である黄色
ブドウ状球菌やカンジダ菌をより積極的に殺菌する効果
やダニを忌避する効果を付与することができる。また、
気化装置の薬剤残留臭気も低減することができる。
【0063】また、抗菌、抗黴、防臭、防虫の少なくと
もいずれか1種の性状を有する薬剤を含ませた担持体を
備えたから、一回の処理に必要な微量薬剤を適量含ませ
た担持体を提供することができ、使用者の安全性と被処
理衣類に必要な抗菌、抗黴、防臭、防虫などの処理性能
を確保することができる。また、薬剤の表面積を大きく
設定できるので、薬剤の気化を早くするとともに、衣類
への吸着量も安定化でき、高品質の衛生加工衣類を得る
ことができる。
【0064】また、担持体は、常温で液体の薬剤を常温
で固体の薬剤の溶媒として混合した少なくとも2種の薬
剤を含ませたから、常温で固体の薬剤も、担持体に含ま
せるときに加温する必要もなく、しかも時間とともに担
持体内に均一に浸透させることができ、さらに、抗菌、
抗黴、防臭、防虫などの処理性能に相乗効果や1種類の
薬剤では得られない薬剤性能を付与することができる。
このようにして、優れた性能と各種の効果を有する衛生
加工衣類を得ることができる。
【0065】なお、実施例に挙げた薬剤をヒノキチオー
ルとハッカ油を主成分としたテルペン系精油(テルペノ
イド)を気化させると、アトピー性皮膚炎患者にも副作
用などの心配もなく、アトピー性皮膚炎患者の痒み原因
である黄色ブドウ状球菌やカンジダ菌をより積極的に殺
菌する効果とアレルゲンであるダニを忌避する効果と清
涼感や鎮静効果を付与でき、安心して皮膚表面を清潔に
するスキンケアーを目的とした衛生加工衣類を得ること
ができる。
【0066】また、靴下を処理した場合は、水虫の原因
菌である白せん菌の増殖を抑制できるので水虫の予防効
果が得られる。肌着の場合は、汗を分解し臭いを生じさ
せる菌の増殖を抑制し、汗臭さを予防できる。また、市
販の抗菌衣料とは異なり、抗菌処理と着用後の洗濯によ
る残留成分の除去を繰り返し、着用時にはいつも初期の
高い抗菌レベルを設定できることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) 本発明の第1の実施例の衣類乾燥機の断面
図 (b) 同衣類乾燥機の気化装置の拡大斜視図
【図2】本発明の第2の実施例の衣類乾燥機の気化装置
の一部切欠した斜視図
【図3】本発明の第3の実施例の衣類乾燥機の気化装置
の一部切欠した斜視図
【図4】本発明の第4の実施例の衣類乾燥機の気化装置
の一部切欠した斜視図
【図5】本発明の第5の実施例の衣類乾燥機の気化装置
の断面図
【図6】本発明の第6の実施例の衣類乾燥機の気化装置
の断面図
【図7】従来の衣類乾燥機の断面図
【符号の説明】 1 回転ドラム 9 熱交換型ファン(送風手段) 15 気化装置(揮発拡散手段) 17 気化室 18 薬剤 20 通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今井 俊次 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 太田 文夫 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 衣類を転動攪拌する回転ドラムと、この
    回転ドラム内に乾燥用空気を供給する送風手段と、この
    回転ドラム内に抗菌、抗黴、防臭、防虫の少なくともい
    ずれか1種の性状を有する薬剤を揮発拡散する手段とを
    備え、前記揮発拡散手段は閉ループ状で前記回転ドラム
    内に両端を連通した通路と、この通路内に設けた薬剤の
    気化室とを備えた衣類乾燥機。
  2. 【請求項2】 回転ドラム内に連通した通路は、その両
    端を上下の位置関係でそれぞれ開口するようにした請求
    項1記載の衣類乾燥機。
  3. 【請求項3】 回転ドラム内に連通した通路は、開口部
    に複数の連通孔またはスリットを有する開閉自在の蓋を
    設けた請求項1または2記載の衣類乾燥機。
  4. 【請求項4】 気化室は、加熱体を備えた請求項1〜3
    のいずれか1項に記載の衣類乾燥機。
  5. 【請求項5】 回転ドラム内に連通した上の位置関係に
    ある通路は、回転ドラムの内側へ上方向の傾斜を有した
    請求項4記載の衣類乾燥機。
  6. 【請求項6】 気化室は、良好な熱伝導体で形成し加熱
    体と熱伝導状態に構成した請求項4または5記載の衣類
    乾燥機。
  7. 【請求項7】 抗菌、抗黴、防臭、防虫の少なくともい
    ずれか1種の性状を有する薬剤を含ませた担持体を備え
    た請求項1〜6のいずれか1項に記載の衣類乾燥機。
  8. 【請求項8】 担持体は、常温で液体の薬剤を常温で固
    体の薬剤の溶媒として混合した少なくとも2種の薬剤を
    含ませた請求項7記載の衣類乾燥機。
JP7149847A 1995-06-16 1995-06-16 衣類乾燥機 Pending JPH09790A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009008560A1 (en) * 2007-07-10 2009-01-15 Lg Electronics, Inc. Removing method of smells

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009008560A1 (en) * 2007-07-10 2009-01-15 Lg Electronics, Inc. Removing method of smells
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