JPH0978743A - 曲面屋根の架構体 - Google Patents
曲面屋根の架構体Info
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- JPH0978743A JPH0978743A JP23561295A JP23561295A JPH0978743A JP H0978743 A JPH0978743 A JP H0978743A JP 23561295 A JP23561295 A JP 23561295A JP 23561295 A JP23561295 A JP 23561295A JP H0978743 A JPH0978743 A JP H0978743A
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- Japan
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- structural plane
- curved roof
- plane body
- frame structure
- annular
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 下方からの曲げモーメントに対しても十分な
剛性を有するとともに、骨組み部材を軽量化することが
できる曲面屋根の架構体を提供すること。 【解決手段】 架構体1は、全体が立体トラスから構成
されており、上方に向けて膨らむようにドーム状に形成
された上側構面体2と、この上側構面体2の下側の外縁
で突き合わせるように配され、下方に向けて膨らむよう
にドーム状に形成された下側構面体3と、前記上側構面
体2と前記下側構面体3とを連結する連結部材4とから
構成されている。
剛性を有するとともに、骨組み部材を軽量化することが
できる曲面屋根の架構体を提供すること。 【解決手段】 架構体1は、全体が立体トラスから構成
されており、上方に向けて膨らむようにドーム状に形成
された上側構面体2と、この上側構面体2の下側の外縁
で突き合わせるように配され、下方に向けて膨らむよう
にドーム状に形成された下側構面体3と、前記上側構面
体2と前記下側構面体3とを連結する連結部材4とから
構成されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、スタジアム等に
適用される曲面屋根の架構体に関するものであり、特
に、上下方向の外力に対して剛性が高く、且つ軽量化す
ることができる曲面屋根の架構体に関する。
適用される曲面屋根の架構体に関するものであり、特
に、上下方向の外力に対して剛性が高く、且つ軽量化す
ることができる曲面屋根の架構体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の上下層の構面体からなる曲面屋根
の架構体には、例えばダブルレイヤー型スペースフレー
ムと称されるものがあり、これは、図5に示すように、
所定長さの鋼材からなる骨組部材20を四角錐状にピン
結合等によって連結した構面体ユニット21を縦横に複
数連結して、全体で上方に向けて湾曲突出するドーム状
に形成し、その上部曲面に膜部材(図示せず)等を展開
したものである。
の架構体には、例えばダブルレイヤー型スペースフレー
ムと称されるものがあり、これは、図5に示すように、
所定長さの鋼材からなる骨組部材20を四角錐状にピン
結合等によって連結した構面体ユニット21を縦横に複
数連結して、全体で上方に向けて湾曲突出するドーム状
に形成し、その上部曲面に膜部材(図示せず)等を展開
したものである。
【0003】また、図6に示すように、別の曲面屋根の
架構体は、所謂一種のサスペンション構造のものがあ
り、これは全体で円形の車輪構造をなし、そのハブ状中
央部に設けられた円筒状の中央リング22と、外縁部に
設けられた剛性を有する外周リング23と、この中央リ
ング22の上下端部から外周リング23まで放射状に複
数連結された剛性を有する初期張力が導入されたケーブ
ルからなる上弦材24および下弦材25とから構成され
ている。
架構体は、所謂一種のサスペンション構造のものがあ
り、これは全体で円形の車輪構造をなし、そのハブ状中
央部に設けられた円筒状の中央リング22と、外縁部に
設けられた剛性を有する外周リング23と、この中央リ
ング22の上下端部から外周リング23まで放射状に複
数連結された剛性を有する初期張力が導入されたケーブ
ルからなる上弦材24および下弦材25とから構成され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の曲面屋根の架構体は部材構成が煩雑であり、さらに
ダブルレイヤー型スペースフレームにあっては、上下層
の構面体が双方で上方に膨らむように同一方向に湾曲し
ているために、自重、積雪等の静荷重に対しては十分な
強度を有するが、この反面、架構体の下側から風が吹き
上げた場合の下からの風圧力に対しては考慮しておら
ず、このとき、中央部の曲げ変形が大きくなって、架構
体を支持する下部構造の負担が大きくなるという問題が
あった。
来の曲面屋根の架構体は部材構成が煩雑であり、さらに
ダブルレイヤー型スペースフレームにあっては、上下層
の構面体が双方で上方に膨らむように同一方向に湾曲し
ているために、自重、積雪等の静荷重に対しては十分な
強度を有するが、この反面、架構体の下側から風が吹き
上げた場合の下からの風圧力に対しては考慮しておら
ず、このとき、中央部の曲げ変形が大きくなって、架構
体を支持する下部構造の負担が大きくなるという問題が
あった。
【0005】また、車輪構造の架構体にあっては、下弦
材として圧縮力に対して抵抗力のないケーブル材が用い
られているために、前述のように、架構体の下側から風
が吹き上げた場合には、下側の下弦材が撓んで上弦材の
みで風圧力を支えることになるために構造上の問題があ
った。また、上弦材から伝達された曲げモーメントを外
周リングのみによって受けることになるので外周リング
の剛性を高くする必要があり、これにより架構体が大重
量化するという問題があった。
材として圧縮力に対して抵抗力のないケーブル材が用い
られているために、前述のように、架構体の下側から風
が吹き上げた場合には、下側の下弦材が撓んで上弦材の
みで風圧力を支えることになるために構造上の問題があ
った。また、上弦材から伝達された曲げモーメントを外
周リングのみによって受けることになるので外周リング
の剛性を高くする必要があり、これにより架構体が大重
量化するという問題があった。
【0006】そこで、この発明は、上記従来例の未解決
の課題に着目してなされたものであり、下方からの風圧
力等に対しても十分な剛性を有して骨組部材を軽量化す
るとともに部材構成を単純化することができる曲面屋根
の架構体を提供することを目的とする。
の課題に着目してなされたものであり、下方からの風圧
力等に対しても十分な剛性を有して骨組部材を軽量化す
るとともに部材構成を単純化することができる曲面屋根
の架構体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明に係る曲面屋根の架構体を、上下層の構面
体からなる立体トラス状の曲面屋根の架構体において、
複数の骨組部材を連結して上方に向けて膨んでドーム状
に形成された上側構面体と、この上側構面体の外縁に固
定的に接続され、前記上側構面体の下側に、複数の骨組
部材を連結して下方に向けて膨んで形成された下側構面
体と、前記上側構面体と前記下側構面体とを連結する連
結部材とから構成したので、湾曲方向の異なる上側構面
体および下側構面体が圧縮材および引張材として機能す
ることになり、それぞれの曲げモーメントを打ち消し合
うことができる。
に、この発明に係る曲面屋根の架構体を、上下層の構面
体からなる立体トラス状の曲面屋根の架構体において、
複数の骨組部材を連結して上方に向けて膨んでドーム状
に形成された上側構面体と、この上側構面体の外縁に固
定的に接続され、前記上側構面体の下側に、複数の骨組
部材を連結して下方に向けて膨んで形成された下側構面
体と、前記上側構面体と前記下側構面体とを連結する連
結部材とから構成したので、湾曲方向の異なる上側構面
体および下側構面体が圧縮材および引張材として機能す
ることになり、それぞれの曲げモーメントを打ち消し合
うことができる。
【0008】また、前記上側構面体は、所定間隔をあけ
て複数同心状に配した環状部材と、この環状部材と交叉
し前記環状部材の中央部から外縁まで放射状に連結した
放射部材と、前記環状部材と前記放射部材によって形成
された四角形の構面を二つの三角形の構面に分割するよ
うにして、前記環状部材と前記放射部材との交点を対角
線状に連結したブレースとからなることによって、上側
構面体にかかる外力を放射部材によって中央から外縁ま
で伝達し、環状部材がこの放射部材にかかるせん断力を
環状部材の軸方向で抵抗する。
て複数同心状に配した環状部材と、この環状部材と交叉
し前記環状部材の中央部から外縁まで放射状に連結した
放射部材と、前記環状部材と前記放射部材によって形成
された四角形の構面を二つの三角形の構面に分割するよ
うにして、前記環状部材と前記放射部材との交点を対角
線状に連結したブレースとからなることによって、上側
構面体にかかる外力を放射部材によって中央から外縁ま
で伝達し、環状部材がこの放射部材にかかるせん断力を
環状部材の軸方向で抵抗する。
【0009】また、上側構面体内部に設けられたブレー
スによって、非対称な風圧力等によって発生するせん断
力に対して抵抗することができる。一方、前記下側構面
体は、所定間隔をあけて複数同心状に配した環状部材
と、この環状部材と交叉し前記環状部材の中央部から外
縁まで放射状に連結した放射部材とからなることによっ
て、特に下方から上方に向かって風圧力が働くときにお
いても、下側構面体が環状部材と放射部材によって圧縮
力に抵抗し、これを下側構面体から上側構面体全体に伝
達することができる。
スによって、非対称な風圧力等によって発生するせん断
力に対して抵抗することができる。一方、前記下側構面
体は、所定間隔をあけて複数同心状に配した環状部材
と、この環状部材と交叉し前記環状部材の中央部から外
縁まで放射状に連結した放射部材とからなることによっ
て、特に下方から上方に向かって風圧力が働くときにお
いても、下側構面体が環状部材と放射部材によって圧縮
力に抵抗し、これを下側構面体から上側構面体全体に伝
達することができる。
【0010】さらに、前記連結部材は上側構面体および
下側構面体を垂直方向で連結する束材からなることによ
り、架構体の曲げによる座屈を防止することができる。
下側構面体を垂直方向で連結する束材からなることによ
り、架構体の曲げによる座屈を防止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面を参照して説明する。図1に示すように、1は架構体
を示しており、ここでは、スタジアム10の屋根部分に
適用されている。この架構体1は立体トラスから構成さ
れており、複数の鋼管からなる骨組部材を連結して上方
に向けて膨らむようにドーム状に形成された上側構面体
2と、この上側構面体2の外縁に接続され、上側構面体
2の下側に、複数の骨組部材を連結して下方に向けて膨
らむようにドーム状に形成された下側構面体3と、上側
構面体2と下側構面体3とを連結する連結部材4とから
構成されている。
面を参照して説明する。図1に示すように、1は架構体
を示しており、ここでは、スタジアム10の屋根部分に
適用されている。この架構体1は立体トラスから構成さ
れており、複数の鋼管からなる骨組部材を連結して上方
に向けて膨らむようにドーム状に形成された上側構面体
2と、この上側構面体2の外縁に接続され、上側構面体
2の下側に、複数の骨組部材を連結して下方に向けて膨
らむようにドーム状に形成された下側構面体3と、上側
構面体2と下側構面体3とを連結する連結部材4とから
構成されている。
【0012】また、スタジアム10には、グラウンド2
0を囲んで階段状の観客席を備えた下部構造11と、こ
の下部構造11上面に設けられた骨組部材からなる脚部
13とが設けられており、架構体1が脚部13の上端に
架設されることにより、グラウンド20および下部構造
11全体を覆っている。先ず、この上側構面体2は、図
2に示すように、全体が平面視において楕円形状をな
し、所定間隔をあけて複数同心状に配した環状部材5
と、この環状部材5と交叉し環状部材5のうち中央部の
環状部材5aから外縁まで放射状に連結した放射部材6
と、中央部の環状部材5aの内部に渡された水平方向部
材8,9と、これら骨組部材によって形成された四角形
の各構面を二つの三角形の構面に分割するように、各交
点を対角線状に連結したブレース7とから構成されてい
る。
0を囲んで階段状の観客席を備えた下部構造11と、こ
の下部構造11上面に設けられた骨組部材からなる脚部
13とが設けられており、架構体1が脚部13の上端に
架設されることにより、グラウンド20および下部構造
11全体を覆っている。先ず、この上側構面体2は、図
2に示すように、全体が平面視において楕円形状をな
し、所定間隔をあけて複数同心状に配した環状部材5
と、この環状部材5と交叉し環状部材5のうち中央部の
環状部材5aから外縁まで放射状に連結した放射部材6
と、中央部の環状部材5aの内部に渡された水平方向部
材8,9と、これら骨組部材によって形成された四角形
の各構面を二つの三角形の構面に分割するように、各交
点を対角線状に連結したブレース7とから構成されてい
る。
【0013】また、この実施の形態においては、骨組部
材のうち、特に変形量の大きい中央部の環状部材5a、
外縁部の環状部材5b、5dおよびブレース7aは、他
の部材よりも径を大きくすることにより剛性を高くして
ある。そして、放射部材6は、上側構面体2の曲率が大
きくなっている長軸方向の両端部において、そのピッチ
がせまくなっており、垂直方向の荷重に対して補強して
ある。
材のうち、特に変形量の大きい中央部の環状部材5a、
外縁部の環状部材5b、5dおよびブレース7aは、他
の部材よりも径を大きくすることにより剛性を高くして
ある。そして、放射部材6は、上側構面体2の曲率が大
きくなっている長軸方向の両端部において、そのピッチ
がせまくなっており、垂直方向の荷重に対して補強して
ある。
【0014】この上側構面体2の中央の環状部材5aの
内部は、水平構面を形成しており、この内部には、長軸
方向の放射部材6が連通しており、この放射部材6と直
交するように環状部材5に接続された他の放射部材6,
6間を連結するように水平方向部材8が配されている。
また、中央の環状部材5と長軸方向の放射部材6との交
点間を水平方向部材9によって円弧状に連結しており、
さらにブレース7が、これら各部材によって形成された
四角形の構面を分割するように交点を対角線状に連結し
ている。
内部は、水平構面を形成しており、この内部には、長軸
方向の放射部材6が連通しており、この放射部材6と直
交するように環状部材5に接続された他の放射部材6,
6間を連結するように水平方向部材8が配されている。
また、中央の環状部材5と長軸方向の放射部材6との交
点間を水平方向部材9によって円弧状に連結しており、
さらにブレース7が、これら各部材によって形成された
四角形の構面を分割するように交点を対角線状に連結し
ている。
【0015】そして、上側構面体2および下側構面体3
は、外縁部の共通の環状部材5dによって一体となって
いる。下側構面体3は、図3に示すように、上側構面体
2の下側のほぼ同一位置に、放射部材6、環状部材5、
水平方向部材8,9が配されており、ブレース7を備え
ていないこと以外は、上側構面体2とほぼ同じ構成にな
っている。
は、外縁部の共通の環状部材5dによって一体となって
いる。下側構面体3は、図3に示すように、上側構面体
2の下側のほぼ同一位置に、放射部材6、環状部材5、
水平方向部材8,9が配されており、ブレース7を備え
ていないこと以外は、上側構面体2とほぼ同じ構成にな
っている。
【0016】また、下側構面体3の外縁部には、上側構
面体2よりも一周り大きな環状部材5cが設けられるこ
とにより、上側構面体2よりも外側上方に突出し、この
外縁部の環状部材5を連結するように放射部材6が上側
構面体2よりも延長されているとともに、この環状部材
5cと、環状部材5cの内側に配された環状部材5bお
よび放射部材6との交点間を対角線状に連結するブレー
ス7bが設けられている。
面体2よりも一周り大きな環状部材5cが設けられるこ
とにより、上側構面体2よりも外側上方に突出し、この
外縁部の環状部材5を連結するように放射部材6が上側
構面体2よりも延長されているとともに、この環状部材
5cと、環状部材5cの内側に配された環状部材5bお
よび放射部材6との交点間を対角線状に連結するブレー
ス7bが設けられている。
【0017】そして、図1に示すように、連結部材4
は、上側構面体2および下側構面体3の各交点間を垂直
方向に連結する束材から構成され、上側構面体2および
下側構面体3が圧縮荷重によって座屈するのを防止して
いる。また、上述した上側構面体2および下側構面体3
の環状部材5、放射部材6、連結部材4等の各節点は、
通常用いられる仕口金物(図示せず)を用いてボルト・
ピン接合、溶接接合等によって接合してある。
は、上側構面体2および下側構面体3の各交点間を垂直
方向に連結する束材から構成され、上側構面体2および
下側構面体3が圧縮荷重によって座屈するのを防止して
いる。また、上述した上側構面体2および下側構面体3
の環状部材5、放射部材6、連結部材4等の各節点は、
通常用いられる仕口金物(図示せず)を用いてボルト・
ピン接合、溶接接合等によって接合してある。
【0018】一方、脚部13は、図4に示すように、下
部構造11の上面全体に複数隣接配置してある三角錐ユ
ニット14と、これら配列された三角錐ユニットの内側
角部に掛け通して設けられた環状体15とから構成され
ており、また、この三角錐ユニット14は、下部構造1
1の上面から隣合う2本の鋼管がスタジアム10の中央
側に向かって傾斜して延在されて三角形を形成してお
り、その三角形の頂部14aと架構体1の接点とを連結
している。さらに、3本の鋼管が、この三角形を底辺と
してスタジアム10の中央側に向けて延在している。
部構造11の上面全体に複数隣接配置してある三角錐ユ
ニット14と、これら配列された三角錐ユニットの内側
角部に掛け通して設けられた環状体15とから構成され
ており、また、この三角錐ユニット14は、下部構造1
1の上面から隣合う2本の鋼管がスタジアム10の中央
側に向かって傾斜して延在されて三角形を形成してお
り、その三角形の頂部14aと架構体1の接点とを連結
している。さらに、3本の鋼管が、この三角形を底辺と
してスタジアム10の中央側に向けて延在している。
【0019】また、環状体15は、スタジアム10の外
周を沿うようにして設けられた2本の環状部材15a
と、これら環状部材15a,15a間に斜めに配設され
て各環状部材15a,15aを連結する複数のブレース
7とから構成され、前記三角形の構面と直交する方向で
前記三角錐ユニット14に内接することにより、上部の
架構体1から伝達された垂直荷重によって三角錐ユニッ
ト14が座屈するのを防いでいる。
周を沿うようにして設けられた2本の環状部材15a
と、これら環状部材15a,15a間に斜めに配設され
て各環状部材15a,15aを連結する複数のブレース
7とから構成され、前記三角形の構面と直交する方向で
前記三角錐ユニット14に内接することにより、上部の
架構体1から伝達された垂直荷重によって三角錐ユニッ
ト14が座屈するのを防いでいる。
【0020】このように、架構体1は、上側構面体2を
圧縮材、下側構面体3を引張材、また、連結部材4を座
屈防止材として機能させることにより、剛性の高い構造
とすることができる。また、上側構面体2は内部にブレ
ース7を包含していることにより、風圧等による上下非
対称荷重あるいは地震等の水平力が働いた際に生じる面
内せん断力を外周縁部の環状部材5まで伝達し、これを
脚部を介して下部構造11まで伝達することができる。
圧縮材、下側構面体3を引張材、また、連結部材4を座
屈防止材として機能させることにより、剛性の高い構造
とすることができる。また、上側構面体2は内部にブレ
ース7を包含していることにより、風圧等による上下非
対称荷重あるいは地震等の水平力が働いた際に生じる面
内せん断力を外周縁部の環状部材5まで伝達し、これを
脚部を介して下部構造11まで伝達することができる。
【0021】また、通常、架構体に自重、積雪等の静荷
重によって作用する垂直力を、湾曲方向の異なる上側構
面体2および下側構面体3で打ち消し合うことによって
架構体1に連続する脚部13および下部構造11への負
担を軽減することができる。逆に、下方から上方に向か
って風圧力が働くときにおいても、下側構面体3が圧縮
力に抵抗力を持つために下側構面体3から上側構面体2
全体に荷重が直接伝達されて抵抗することができる。
重によって作用する垂直力を、湾曲方向の異なる上側構
面体2および下側構面体3で打ち消し合うことによって
架構体1に連続する脚部13および下部構造11への負
担を軽減することができる。逆に、下方から上方に向か
って風圧力が働くときにおいても、下側構面体3が圧縮
力に抵抗力を持つために下側構面体3から上側構面体2
全体に荷重が直接伝達されて抵抗することができる。
【0022】一方、環状部材5を内部に所定間隔をあけ
て複数設けたことにより、上側構面体2および下側構面
体3の放射部材6の組立配置を確実にするとともに、放
射部材6のせん断補強として機能することになり、上側
構面体2および下側構面体3の圧縮強度を増強させるこ
とができる。従って、上部構面体2および下部構面体3
を連結する連結部材4を束材のみとして斜め材を不要と
し、架構体1を軽量なものとすることができる。
て複数設けたことにより、上側構面体2および下側構面
体3の放射部材6の組立配置を確実にするとともに、放
射部材6のせん断補強として機能することになり、上側
構面体2および下側構面体3の圧縮強度を増強させるこ
とができる。従って、上部構面体2および下部構面体3
を連結する連結部材4を束材のみとして斜め材を不要と
し、架構体1を軽量なものとすることができる。
【0023】また、放射部材6によって、上側構面体2
および下側構面体3の垂直方向にかかる曲げモーメント
をこの軸方向で抵抗することにより、上側構面体2およ
び下側構面体3の変形を抑制している。さらに、上側構
面体2に設けられたブレース7材によって、横風、地震
等の水平力が発生した場合に、架構体が捩じれたり、一
部の骨組が大きく変形するのを防ぐことができる。
および下側構面体3の垂直方向にかかる曲げモーメント
をこの軸方向で抵抗することにより、上側構面体2およ
び下側構面体3の変形を抑制している。さらに、上側構
面体2に設けられたブレース7材によって、横風、地震
等の水平力が発生した場合に、架構体が捩じれたり、一
部の骨組が大きく変形するのを防ぐことができる。
【0024】また、上側構面体2が鉛直荷重を受けるこ
とにより生じる外周部でのスラストを下側構面体3が抵
抗することにより、架構体1を支持する脚部13および
下部構造11への負担を軽減することができる。この架
構体1においては、架構体1にかかる垂直荷重、水平荷
重等を骨組部材の横方向にかかるせん断力でなく軸方向
の圧縮力または引張力で受けることにより、その断面を
小さくすることができ、架構体1全体を軽量なものとす
ることができる。
とにより生じる外周部でのスラストを下側構面体3が抵
抗することにより、架構体1を支持する脚部13および
下部構造11への負担を軽減することができる。この架
構体1においては、架構体1にかかる垂直荷重、水平荷
重等を骨組部材の横方向にかかるせん断力でなく軸方向
の圧縮力または引張力で受けることにより、その断面を
小さくすることができ、架構体1全体を軽量なものとす
ることができる。
【0025】そして、上側構面体2および下側構面体3
内部の環状部材5、放射部材6によって、架構体1の構
成要素を低減して接合箇所を少なくすることができるこ
とにより、工期の短縮と現場施工の簡略化を図ることが
できる。なお、この発明の実施の形態においては、架構
体1および脚部13を鋼構造によって構成しているが、
必ずしもこれに限られるものではなく木構造、アルミ構
造等によって構成することもできる。
内部の環状部材5、放射部材6によって、架構体1の構
成要素を低減して接合箇所を少なくすることができるこ
とにより、工期の短縮と現場施工の簡略化を図ることが
できる。なお、この発明の実施の形態においては、架構
体1および脚部13を鋼構造によって構成しているが、
必ずしもこれに限られるものではなく木構造、アルミ構
造等によって構成することもできる。
【0026】また、この発明の実施の形態においては、
架構体1の形状を平面視で楕円形状としているが、これ
に限らず、スタジアム形状に応じて円形、矩形、正多角
形等で構成することもできる。
架構体1の形状を平面視で楕円形状としているが、これ
に限らず、スタジアム形状に応じて円形、矩形、正多角
形等で構成することもできる。
【0027】
【発明の効果】以上、説明したように、この発明の曲面
屋根の架構体によれば、湾曲方向の異なる上側構面体お
よび下側構面体によって、特に、上下方向の垂直力を打
ち消し合うことで架構体に連結された脚部および下部構
造への負担を軽減し、剛性の高い構造とすることができ
る。
屋根の架構体によれば、湾曲方向の異なる上側構面体お
よび下側構面体によって、特に、上下方向の垂直力を打
ち消し合うことで架構体に連結された脚部および下部構
造への負担を軽減し、剛性の高い構造とすることができ
る。
【0028】また、架構体にかかる諸荷重を、環状部
材、放射部材等の骨組部材の軸方向によって抵抗するこ
とにより、部材断面を小さくすることができ、これによ
り、全体を軽量化することができる。
材、放射部材等の骨組部材の軸方向によって抵抗するこ
とにより、部材断面を小さくすることができ、これによ
り、全体を軽量化することができる。
【図1】この発明の実施の形態に係るスタジアム1を示
す側部断面図である。
す側部断面図である。
【図2】曲面屋根の架構体の上側構面体を示す平面図で
ある。
ある。
【図3】曲面屋根の架構体の下側構面体を示す平面図で
ある。
ある。
【図4】曲面屋根の架構体および下部構造を連結する脚
部を示す斜視図である。
部を示す斜視図である。
【図5】従来の曲面屋根の架構体に係るダブルレイヤー
型スペースフレームを示す斜視図である。
型スペースフレームを示す斜視図である。
【図6】従来の曲面屋根の架構体に係る車輪構造を示し
ており、同図(a)は平面図、同図(b)は側断面図で
ある。
ており、同図(a)は平面図、同図(b)は側断面図で
ある。
1は架構体 2は上側構面体 3は下側構面体 4は連結部材 5は環状部材 6は放射部材 8と9は水平方向部材 10は架構体 11は下部構造 13は脚部 14は三角錐ユニット 15は環状体
Claims (4)
- 【請求項1】 上下層の構面体からなる立体トラス状の
曲面屋根の架構体において、 複数の骨組部材を連結して上方に向けて膨らんでドーム
状に形成された上側構面体と、この上側構面体の外縁に
固定的に接続され、前記上側構面体の下側に、複数の骨
組部材を連結して下方に向けて膨らんで形成された下側
構面体と、前記上側構面体と前記下側構面体とを連結す
る連結部材とからなることを特徴とする曲面屋根の架構
体。 - 【請求項2】 請求項1に記載の曲面屋根の架構体にお
いて、前記上側構面体は、所定間隔をあけて複数同心状
に配した環状部材と、この環状部材と交叉し前記環状部
材の中央部から外縁まで放射状に連結した放射部材と、
前記環状部材と前記放射部材によって形成された四角形
の構面を二つの三角形の構面に分割するようにして、前
記環状部材と前記放射部材との交点を対角線状に連結し
たブレースとからなることを特徴とする曲面屋根の架構
体。 - 【請求項3】 請求項1に記載の曲面屋根の架構体にお
いて、前記下側構面体は、所定間隔をあけて複数同心状
に配した環状部材と、この環状部材と交叉し前記環状部
材の中央部から外縁まで放射状に連結した放射部材とか
らなることを特徴とする曲面屋根の架構体。 - 【請求項4】 請求項1に記載の曲面屋根の架構体にお
いて、前記連結部材は束材からなることを特徴とする曲
面屋根の架構体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23561295A JPH0978743A (ja) | 1995-09-13 | 1995-09-13 | 曲面屋根の架構体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23561295A JPH0978743A (ja) | 1995-09-13 | 1995-09-13 | 曲面屋根の架構体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0978743A true JPH0978743A (ja) | 1997-03-25 |
Family
ID=16988592
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23561295A Pending JPH0978743A (ja) | 1995-09-13 | 1995-09-13 | 曲面屋根の架構体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0978743A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017172204A (ja) * | 2016-03-24 | 2017-09-28 | 大成建設株式会社 | 屋根構造 |
JP2020133328A (ja) * | 2019-02-22 | 2020-08-31 | 株式会社竹中工務店 | 屋根構造 |
WO2024143291A1 (ja) * | 2022-12-26 | 2024-07-04 | NatureArchitects株式会社 | 構造体 |
-
1995
- 1995-09-13 JP JP23561295A patent/JPH0978743A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017172204A (ja) * | 2016-03-24 | 2017-09-28 | 大成建設株式会社 | 屋根構造 |
JP2020133328A (ja) * | 2019-02-22 | 2020-08-31 | 株式会社竹中工務店 | 屋根構造 |
WO2024143291A1 (ja) * | 2022-12-26 | 2024-07-04 | NatureArchitects株式会社 | 構造体 |
JP2024092371A (ja) * | 2022-12-26 | 2024-07-08 | NatureArchitects株式会社 | 構造体 |
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