JPH0978013A - ジェット印刷用水性インク組成物 - Google Patents

ジェット印刷用水性インク組成物

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JPH0978013A JP23264795A JP23264795A JPH0978013A JP H0978013 A JPH0978013 A JP H0978013A JP 23264795 A JP23264795 A JP 23264795A JP 23264795 A JP23264795 A JP 23264795A JP H0978013 A JPH0978013 A JP H0978013A
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川 哲 夫 須
Katsutaka Nakatsu
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Abstract

(57)【要約】 【課題】より多量の蛍光染料が被印刷体表面に残留する
ようにして、被印刷体表面での蛍光染料の濃度を高く
し、蛍光発光強度の高い像を形成することが可能なジェ
ット印刷用水性インク組成物を提供すること。 【解決手段】蛍光染料を含み、かつ水溶性樹脂をバイン
ダーとするジェット印刷用水性インク組成物において、
シリカ微粒子又はアルミナ微粒子を含有するジェット印
刷用水性インク組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光染料を含むジ
ェット印刷用水性インク組成物に関するものであり、特
に蛍光発光性が高い像の印刷物を得ることが可能なジェ
ット印刷用水性インク組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンターにより、蛍光
染料を含むインク組成物を被印刷体表面に吐出させて、
紫外光や赤外光の照射により蛍光発光する印字、図形、
線などの像を形成させるのに用いるジェット印刷用水性
インク組成物は、例えば特公昭62−5079号、特公
昭62−24024号、特表平6−500590号等の
公報に記載されていて公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のジェット印刷用水性インク組成物は、吸液性のない被
印刷体表面に対しては高い蛍光発光の像を形成すること
が可能であるが、例えば紙や織物等の吸液性のある被印
刷体表面に対しては、インクジェットプリンターで印刷
するとインク組成物中の蛍光染料が溶媒とともに被印刷
体の深部に浸透、拡散するので、被印刷体表面における
蛍光染料の濃度を高くすることが操作的に又は経済的に
困難であり、そのことに起因して被印刷体表面における
蛍光発光強度が不十分であるという問題点があった。特
に、吸液性被印刷体が墨等により着色している場合に
は、被印刷体表面における蛍光発光強度の不足は顕著で
あるという問題点があった。
【0004】本発明は、従来のジェット印刷用水性イン
ク組成物の問題点を解決するものでであり、より多量の
蛍光染料が被印刷体表面に残留するようにして、被印刷
体表面での蛍光染料の濃度を高くし、蛍光発光強度の高
い像を形成することが可能なジェット印刷用水性インク
組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために種々研究を行った結果、ジェット印刷
用水性インク組成物中にシリカ微粒子又はアルミナ微粒
子を含有させることにより、これらの微粒子が被印刷体
の深部に浸透することなく表面に固着し、また蛍光染料
がジェット印刷の前(即ち、塗布前のインク組成物中
で)又はジェット印刷時(即ち、インク組成物が被印刷
体表面に塗布されて被印刷体の深部に浸透する際)にこ
れらの微粒子の表面に吸着するので、被印刷体の深部へ
の浸透が減少し、その結果被印刷体表面の蛍光染料濃度
が高くなり、蛍光発光強度の高い像が得られるという知
見を得て本発明を完成した。
【0006】即ち、本発明は、蛍光染料を含み、かつ水
溶性樹脂をバインダーとするジェット印刷用水性インク
組成物において、シリカ微粒子又はアルミナ微粒子を含
有することを特徴とするジェット印刷用水性インク組成
物を提供する。以下に本発明について詳細に説明する。
本発明のジェット印刷用水性インク組成物は、蛍光染
料、バインダーとしての水溶性樹脂、シリカ微粒子又は
アルミナ微粒子、及び溶媒としての水を必須成分とし、
更に必要に応じて親水性有機溶剤、添加剤等を含有する
ことができる。
【0007】本発明で使用する蛍光染料は、紫外光、赤
外光あるいは可視光等の各種光により蛍光発光する蛍光
染料であり、使用目的に応じて適宜選択することができ
る。例えば、可視光では蛍光発光しないが、赤外光を照
射した時に蛍光発光させたい場合には、それに適した蛍
光染料を適宜選択すればよい。蛍光染料としては、具体
的には、C.I. Fluorescent Brightening Agent 14、
24、30、32、52、54、69、79、84、8
5、86、87、90、104、112、113、11
4、119、121、134、135、152、16
6、167、168、169、191、192、20
1、204、214、216、217、218、22
3、226、229、234、236、239、24
0、242、257、260、271、290、31
0、311、312、313、314、315; C.I.
Basic Red 1、1−1; C.I. Basic Violet 10、1
1:1; C.I. Basic Yellow 35、40、95; C.I.
Basic Blue 7;P−クオータフェニル;P−テルフ
ェニル;2,5−ジフェニルオキサゾール;2−(1−
ナフチル)−5−フェニルオキザゾール;2−フェニル
−5−(4−ビフェニル)−1,3,4−オキザジアゾ
ール;3−フェニル−7−(1,2−2H−ナフトトリ
アゾリル)−クマリン;3,7−ビス(ジエチルアミ
ノ)フェノキサゾニウム硝酸塩;3,7−ビス(ジエチ
ルアミノ)フェノキサゾニウムナイトレート;レーザー
染料であるDTTCI、DNTTCI、HDITCI、
IR−125、132、140、H.I.D.C. Iodide 等が
代表的なものとして挙げられる。これら蛍光染料は、ジ
ェット印刷用水性インク組成物の貯蔵安定性を考慮する
と、水に溶解もしくは安定に分散するものが望ましい
が、疎水性のものでも予めシリカ微粒子又はアルミナ微
粒子に吸着させることにより使用可能である。
【0008】本発明で使用する水溶性樹脂は、インク組
成物をジェットプリンターにて吐出させて印刷した時
に、蛍光染料及びシリカ微粒子やアルミナ微粒子を被印
刷体表面に強固に固着させるとともに、印刷により形成
された像の各種耐久性を向上させるために配合する。ま
た、インク組成物中にシリカ微粒子やアルミナ微粒子を
配合した場合には、例えば印刷を中断した時などにシリ
カ微粒子やアルミナ微粒子がジェットプリンターのノズ
ル先端において固着し、その固着物は水等による除去が
困難であるため、ノズル詰りの原因となりやすい。しか
し、本発明のジェット印刷用水性インク組成物において
はバインダーとして水溶性樹脂を用いているため、シリ
カ微粒子やアルミナ微粒子が、仮にノズル先端に固着し
ても、水洗浄により簡単に除去出来る機能も水溶性樹脂
が持っている。
【0009】水溶性樹脂としては、従来からインク組成
物や塗料に一般的に使用されている水溶性樹脂が特に制
限なく利用でき、具体的にはポリアクリル酸、ポリアク
リル酸塩、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレンス
ルホン酸−マレイン酸共重合体、ポリエステル、セルロ
ースエーテル、マルトシルサイクロデキストリン、ポリ
ビニルアルコール等が代表的なものとして挙げられる。
【0010】本発明で使用するシリカ微粒子又はアルミ
ナ微粒子は、被印刷体表面の蛍光染料濃度を高くして蛍
光発光強度の高い像を得るために配合する。即ち、吸液
性の被印刷体の場合には、蛍光染料は溶媒とともに被印
刷体の深部に浸透、拡散しやすいが、ジェット印刷用水
性インク組成物中にシリカ微粒子又はアルミナ微粒子を
配合すると、これら微粒子は被印刷体の深部に浸透する
ことなしで表面に残存し、その被印刷体表面に残存した
微粒子が蛍光染料をジェット印刷の前又はジェット印刷
時に吸着して蛍光染料の被印刷体深部への浸透を抑制
し、その結果、被印刷体表面の蛍光染料濃度が高くなる
のである。
【0011】シリカ微粒子やアルミナ微粒子の粒径は、
それらが被印刷体の表面に残存しやすく、またジェット
プリンターのノズル詰りが生じないように5mμm〜3
μm、好ましくは10mμm〜1μmが適当である。こ
れらのシリカ微粒子やアルミナ微粒子としては、インク
組成物の貯蔵中も安定に分散し、仮に凝集しても容易に
再分散できるものであれば従来から公知のものが利用出
来る。
【0012】具体的には、シリカ微粒子としては、スノ
ーテックス20、30、40、C、N、O、S、SS、
20L、OL、XS(以上は日産化学工業社製商品
名)、アデカライト20N(旭電化工業社製商品名)、
Cataloid SN、Si−350、Si−500(以上は
触媒化成工業社製商品名)等の市販品で知られている水
分散型コロイダルシリカやR974、R811、R81
2、R972、RX200、RY200、RY300、
RY380、OX50、200V、200CF、300
CF、TT600、MOX80、MOX170、COK
84(以上は日本アエロジル社製商品名)等の市販品で
知られているヒュームドシリカが代表的なものとして挙
げられる。またアルミナ微粒子としては、アルミナゾル
100、200、520(以上は日産化学工業社製商品
名)、アルミニウムオキサイドC(デグサ社製商品名)
等の市販品で知られるコロイド状アルミナが代表的なも
のとして挙げられる。
【0013】本発明で使用する溶媒は水であり、好まし
くは蒸留水又はイオン交換水であり、更に必要に応じて
メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルア
ルコール、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケト
ン、カルビトール、ジメチルスルホキシド等の水混和性
有機溶剤を一部併用することも可能である。
【0014】本発明のインク組成物は、以上に説明した
成分を必須成分として含有し、これらの配合割合につい
ては蛍光染料が0.001〜10重量%、好ましくは
0.005〜2重量%、水溶性樹脂が1〜45重量%、
好ましくは3〜30重量%、シリカ微粒子又はアルミナ
微粒子が2〜45重量%、好ましくは3〜35重量%、
溶媒が50重量%以上であることが適当である。本発明
のインク組成物は、更に必要に応じて硝酸リチウム、亜
硝酸リチウム、亜硫酸アンモニウム、蟻酸アンモニウ
ム、酢酸アンモニウム、ハロゲン化リチウム、チオシア
ン酸ソーダ等の電導度調整剤、各種界面活性剤、防腐剤
等の添加剤を0.1〜5重量%の量で含有することがで
きる。
【0015】本発明のインク組成物は、インクジェット
プリンターによる印刷に適応した特性を有している必要
がある。従ってインク組成物は、粘度が約1〜10mP
a・sec(20℃)、比抵抗が約50〜3000Ω・
cm、比重が約0.8〜1.2、表面張力が約20〜6
0ダイン/cmの範囲であることが望ましい。
【0016】本発明のインク組成物は、全成分を一度に
混合攪拌するか、又は蛍光染料とシリカ微粒子又はアル
ミナ微粒子と溶媒の一部とを予め混合攪拌し、前記微粒
子に蛍光染料を吸着させ、これらと残部成分を混合攪拌
し、次いで使用するインクジェットプリンターのノズル
径の約1/10以下のポアーサイズを有するフィルター
で濾過、精製することにより調製できる。本発明のイン
ク組成物を使用してジェット印刷することのできるイン
クジェットプリンターとしては、従来から公知の各種プ
リンターを使用することができ、具体的には荷電制御方
式、インクオンディマンド方式、サーマルヘッドにより
インクを吐出させる方式等が代表的なものとして挙げら
れる。
【0017】
【実施例】以下に本発明を実施例及び比較例により詳細
に説明する。なお実施例及び比較例における「部」及び
「%」は重量基準で示す。 実施例1〜5及び比較例1〜4 表1に示した配合割合(単位:部)で蛍光染料、水溶性
樹脂、シリカ微粒子、アルミナ微粒子及び溶媒を均一に
混合した後、ポアーサイズ5.0μmのメンブランフィ
ルターで濾過、精製し、各実施例及び比較例に対応する
インク組成物を調製した。
【0018】各インク組成物をインクジェットプリンタ
ーで、無印刷のハガキ及びその表面を墨で塗りつぶした
ハガキにドット印刷し、その印字を蛍光分光光度計を用
いて蛍光発光強度を測定した。その結果を表1の下段に
示す。なお、実施例1、2及び比較例1においては、7
95nmの励起光を照射した時の蛍光発光強度を、比較
例1の無印刷ハガキにおける蛍光発光強度を100とし
た場合の相対値として示した。また実施例3及び比較例
2においては、825nmの励起光を照射した時の蛍光
発光強度を、比較例2の無印刷ハガキにおける蛍光発光
強度を100とした場合の相対値として示した。また実
施例4及び比較例3においては、655nmの励起光を
照射した時の蛍光発光強度を、比較例3の無印刷ハガキ
における蛍光発光強度を100とした場合の相対値とし
て示した。また実施例5及び比較例4においては、36
5nmの励起光を照射した時の蛍光発光強度を、比較例
4の無印刷ハガキにおける蛍光発光強度を100とした
場合の相対値として示した。またドット印刷を30分間
連続的に実施した後、ノズルを洗浄することなく放置
し、2日間後にノズル先端に水を1分間噴射し、洗浄し
た後、ドット印刷を再開し、インク組成物の吐出状態を
観察した。その結果を表1の下段に示す。
【0019】
【表1】
【0020】表1に示したデータから明らかなように、
本発明のインク組成物である実施例1〜5においては蛍
光発光強度が高く、また墨塗りハガキと無印刷ハガキに
対する蛍光発光強度比も10%以上であり、かつ印刷中
断後のインク組成物の吐出状態は良好であった。一方シ
リカ微粒子やアルミナ微粒子を含有しない比較例2及び
4においては蛍光発光強度が低かった。また水溶性樹脂
を含有しない比較例1及び3においてはノズル先端にシ
リカ微粒子やアルミナ微粒子が固着し、印刷中断後のイ
ンク組成物の吐出状態は不安定であった。
【0021】
【発明の効果】本発明のジェット印刷用水性インク組成
物は、シリカ微粒子やアルミナ微粒子を含有しているた
め、吸液状の被印刷体に印刷しても、被印刷体表面の蛍
光染料濃度が高くなり、蛍光発光強度の高い像を形成す
ることができ、またバインダーとして水溶性樹脂を使用
しているため、シリカ微粒子やアルミナ微粒子が原因で
生じる可能性のあるノズル詰りを防止できる特徴を有し
ている。
【手続補正書】
【提出日】平成7年9月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】
【表1】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蛍光染料を含み、かつ水溶性樹脂をバイン
    ダーとするジェット印刷用水性インク組成物において、
    シリカ微粒子又はアルミナ微粒子を含有することを特徴
    とするジェット印刷用水性インク組成物。
  2. 【請求項2】水溶性樹脂1〜45重量%、シリカ微粒子
    又はアルミナ微粒子2〜45重量%、蛍光染料0.00
    1〜10重量%及び溶媒50重量%以上を含有すること
    を特徴とするジェット印刷用水性インク組成物。
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