JPH0976325A - 熱可塑性樹脂発泡体の製造方法およびその装置 - Google Patents

熱可塑性樹脂発泡体の製造方法およびその装置

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JPH0976325A
JPH0976325A JP7266462A JP26646295A JPH0976325A JP H0976325 A JPH0976325 A JP H0976325A JP 7266462 A JP7266462 A JP 7266462A JP 26646295 A JP26646295 A JP 26646295A JP H0976325 A JPH0976325 A JP H0976325A
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JP
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section
thermoplastic resin
barrel
passage
foaming
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JP7266462A
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Akihiro Miyata
田 明 宏 宮
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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    • B29C48/50Details of extruders
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 混合時に発泡させることなく発泡材料を均一
に混合し、安定した発泡状態の均一な熱可塑性樹脂発泡
体を得る。 【構成】 発泡剤を含む熱可塑性樹脂を溶融状態で押出
し発泡せしめて得られる熱可塑性樹脂発泡体の製造方法
において、材料供給部1のスクリュー11先端に回転軸
に対して直角に回転羽根23と固体羽根24を間隙を形
成させるように交互に設けて、その回転羽根と固定羽根
の回転軸に対して直角な山と谷が交互に放射状に形成さ
れた混練部2を付設して、その混合機内での樹脂通路7
の出口側の断面積が入口側の断面積以下であり、その間
隙に発泡剤を含む熱可塑性樹脂を通過させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発泡剤を含む熱可塑性
樹脂を溶融状態で押出し発泡せしめて得られる熱可塑性
樹脂発泡体の製造方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の熱可塑性樹脂発泡体の製造方法で
は、押出機を用いる押出法が広く採用されている。上記
方法では、押出機内で加熱溶融された熱可塑性樹脂に発
泡剤が圧入され、樹脂と発泡剤との混合が行われ、発泡
に適した温度で口金から押出され発泡せしめて熱可塑性
樹脂発泡体が製造される。上述の方法において、均一な
発泡を得るために、樹脂と発泡剤とが均一に混合され
て、一様な温度で口金から押出されるようにしていた。
合成樹脂やコロイド状のエマルジョンの混合、分散を連
続的に行うための混合装置として、押出混合装置が知ら
れている(特公昭55−41139号公報)。
【0003】上記装置ではバレル内で回転してその軸方
向に材料を移送するように外周部にスクリューを形成し
た回転軸に回転円板を同軸に固着し、上記円板の少なく
とも片方の面には山と谷を交互に放射状に形成し、該面
に対向させて同軸に固定円板をバレルに固着し、かつ、
上記回転軸との間に間隙ができるように配設させるとと
もに、上記固定円板の面にも山と谷とを交互に放射状に
形成させ、上記固定円板と回転円板との間を通って送り
込まれる材料は、両円板の谷相互間の境界線部によって
外周方向に、または中心方向に、押出されるように構成
されている。また、上記押出混合装置は、液状ゴム、固
形ゴム、ポリマーとその添加剤との混合、着色剤の分散
などに利用できるとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の装置では、相溶性が悪い2種類以上の熱可塑性樹脂
を混合する場合や熱可塑性樹脂に対して混合されにくい
発泡剤を混合する場合に板状の熱可塑性樹脂発泡体など
断面積が大きい均一な発泡体を得ることが困難であり、
製造方法としての改良が望まれていた。しかも、混練部
内で発泡体材料の通路が中心から外周方向に向けて拡大
されていて、上記材料が充填されていない空隙が発生す
る場合、混練部内で発泡してしまい安定した発泡状態で
均一な熱可塑性樹脂発泡体の製造が困難であった。
【0005】本発明は、上述した従来技術の問題点を解
決するためになされたものであり、発泡剤を含む熱可塑
性樹脂からなる発泡体材料を溶融状態で押出し、発泡を
抑制した混合物となし、発泡に適した温度調節をなして
口金から押出して発泡成形させる熱可塑性樹脂発泡体の
製造方法およびその装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明方法は、熱可塑性樹脂および発泡剤を材料
供給部に供給して加熱により溶融状態の発泡体材料とし
て混練部に押出し、上記材料を混練部内にて通路断面積
が出口側が入口側よりも大きくなく形成した通路を移動
して圧縮力およびせん断力を与えながら発泡を抑制し、
混合して混合物となし、上記混合物を押出し冷却部に供
給し、発泡に適した温度まで冷却して口金から押出し成
型部内にて発泡させて発泡体に成形することを特徴とす
る。
【0007】本発明にて使用される熱可塑性樹脂として
は、特に限定されず、代表例としては、ポリスチレン,
スチレン−アクリロニトリル共重合体,スチレン−アク
リルニトリル−ブタジエン共重合体,スチレン−無水マ
レイン酸重合体,ポリエチレン,ポリプロピレン,エチ
レン−プロピレン共重合体,エチレン−酢酸ビニル共重
合体,ポリ塩化ビニル,ポリメチルメタアクリレート,
ポリアミド,ポリカーボネートなどが挙げられる。上記
樹脂は、単独にて使用してもよく、もしくは2種以上を
混合して使用してもよい。
【0008】本発明にて使用される発泡剤としては、特
に限定されず、揮発性発泡剤または、分解型発泡剤が使
用される。揮発性発泡剤の代表例としては、プロパン,
ブタン,イソブタン,ペンタン,イソペンタン,ネオペ
ンタン等の脂肪族炭化水素,シクロヘキサン等の脂環式
炭化水素,メチルクロライド,メチレンクロライド,エ
チルクロライド,ジクロロフルオロメタン,ジクロロテ
トラフルオロエタン,1−クロロ−1,1−ジフルオロ
エタン,1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロ
エタン,1,1,1,2−テトラフルオロエタン,1,
1−ジフルオロエタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素
などが挙げられる。分解型発泡剤の代表例としては、ア
ゾジカルボン酸アミド,p−p′オキシビス(ベンゼン
スルホニルヒドラジド)などが挙げられる。また本発明
では、発泡体が製造される際に一般的に混入される添加
物が使用される。これらの添加物としては、タルク等の
気泡調整剤、難燃剤、着色剤等が挙げられる。
【0009】本発明装置は、スクリュー軸を材料供給部
バレル内に収容するとともに、入口側に熱可塑性樹脂
を、中間部に発泡剤を供給する供給口をそれぞれ設けた
材料供給部と、材料供給部の出口端に連結し、回転軸に
回転羽根を付設して混合バレル内に収容するとともに、
上記回転羽根に対向させて固定羽根を混合バレルに取り
付け、上記回転羽根と固定羽根の間に通路を形成した混
練部と、上記通路の出口端に連絡管を介して連設し、冷
却スクリュー軸を押出し冷却部バレル内に収容するとと
もに、上記押出し冷却部バレルの出口側には発泡体を発
泡成形させる成型部に接続される口金を有する押出し冷
却部とを備え、上記通路は出口側が入口側よりも大きく
ない通路断面積を有するようにしたことを特徴とする。
【0010】相対向する回転羽根と固定羽根の少なくと
も一方の対向面には山部と谷部とが交互に放射状に形成
され、前記谷部の深さが羽根の内周部より外周部が浅く
なっているようにしてもよい。
【0011】混練部の回転羽根および固定羽根に冷却手
段を、混練部のバレルの外周に加熱手段をそれぞれ備え
てもよい。押出し冷却部の内部に冷却手段を、押出し冷
却部の外周に加熱手段をそれぞれ備えてもよい。
【0012】
【作用】このようにすれば、発泡剤を含む熱可塑性樹脂
は溶融状態にて押出され、混練部内にては混合され、加
圧されて発泡を抑制しながら均一に混練され、さらに、
それぞれの工程において適温に温度調節がされて、口金
からの押出しにより発泡成形を成型部内にて確実に行わ
せて、安定した発泡状態のもとで均一な性状をもつ熱可
塑性樹脂発泡体を高精度にて得ることができる。
【0013】相対向する羽根の対向面に山部と谷部を放
射状に形成し、谷部の深さを羽根の内周部より外周部が
浅くなるようにすれば、羽根の内周部から外周部へ向け
ての通路部分でもその断面積を出口側が入口側よりも大
きくなくすることが容易にでき、しかも、混練作用も強
化する。
【0014】混練部の羽根に冷却手段を、混練部のバレ
ルの外周に加熱手段を備えれば、冷却手段と加熱手段と
を制御することにより、混練による過度の温度上昇を抑
え、かつ、外気に近いバレル側の過度の温度低下を妨げ
て、混合中の材料の温度を適温に保持する。
【0015】押出し冷却部の内部、すなわち、スクリュ
ー軸やバレルに冷却手段を、押出し冷却部の外周に加熱
手段を備えれば、この冷却手段と加熱手段を制御するこ
とにより、口金から押し出される材料の温度を、混練部
から出る材料の温度より下げて、発砲に適した温度に保
持する。
【0016】
【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面を参
照して詳細に説明する。まず、本発明の熱可塑性樹脂発
泡体の製造装置の一実施例を説明する。この装置は、図
1に示すように、主要部は、材料供給部1と、混練部2
と、連絡管3と、押出し冷却部4と、口金5とにより構
成されている。
【0017】材料供給部1は材料供給部バレル12内に
水平スクリュー軸11が回転可能に収容され、材料供給
部バレル12の入口端には熱可塑性樹脂を材料供給部1
内に供給するための供給口13、上記材料供給部バレル
12の中間部には発泡剤を機内に供給するための供給口
14が、夫々設けられている。材料供給部バレル12の
外周には上記熱可塑性樹脂及び発泡体を加熱するための
加熱手段61、例えば電熱器などが図示しない温度制御
器を有して付設されている。
【0018】材料供給部1の水平スクリュー軸11が駆
動されると供給口13,14からは熱可塑性樹脂及び発
泡剤が夫々供給されてスクリューピッチに従い、材料供
給部バレル12内を押出され移動して徐々に加圧され、
この過程において、加熱手段61による受熱により温度
調節された溶融状態の発泡体材料として混練部2に押出
される。
【0019】混練部2は混練部バレル22内に水平回転
軸21が回転可能に収容され、回転軸21は上記スクリ
ュー軸11の延長部として、相互一体に形成されてい
る。混練部バレル22の入口端は、上記材料供給部バレ
ル12の出口端と密着して連設されており、混練部バレ
ル22の外周には、上記材料供給部バレル12と同様に
加熱手段62が付設されていて、混練部バレル22を所
定温度に保持している。
【0020】回転軸21上には、間隔をもって一組の回
転羽根23,23を付設し、上記間隔には回転羽根23
に対向させて固定羽根24を同軸に配して、この固定羽
根24は混練部バレル22の内面に取り付ける。上記発
泡体材料はスクリューピッチに従い、混練部バレル12
内に押出され移動するが、混練部バレル22内において
は、回転軸21と直交して形成された回転羽根23,2
3と固定羽根24とのそれぞれの側面、回転羽根23外
周とバレル22内周、回転軸21外周と固定羽根24内
周、回転軸21外周とバレル22の小径部内周の各間隙
を通路7として、回転軸21の材料供給部1側を通路の
入口側に、連絡管3を通路の出口側としている。
【0021】図2は、混練部2の回転羽根23の一例を
示したもので、図2(a)は平面図、図2(b)は図2
(a)の縦断面図である。回転羽根23は円板状をな
し、回転軸21に嵌入されるボス部23aの外周には谷
部26が形成され、谷部26の両側面には山部25が放
射状に付設されて谷部26と山部25とが交互に形成さ
れるとともに、谷部26の深さは回転軸21側は外周側
よりも深くして勾配を有して断面X状に一体に形成され
ている。さらに、山部25の頂面には軸線に対して傾斜
したら線状のフライト27が形成されている。
【0022】81は冷媒ジャケット(冷却手段)を示
し、その端部は回転軸21に接続され、回転軸21内に
設けた図示省略の冷媒通路に接続されて、冷媒の貫流に
より混合操作における発熱を除熱して過度の昇温を防
ぎ、発砲体材料の混合物を所定の温度に保持するもので
ある。図3は、混練部2の固定羽根24の一例を示した
もので、図3(a)は平面図、図3(b)は図3(a)
の縦断面図である。
【0023】固定羽根24は円板状をなし内周面24a
は回転軸21直径よりも大きな内径を有し、外周面24
bは混練部バレル22の内面に取り付けられる。固定羽
根24の両側面には放射状の境界線24cをもって夫々
扇状をなす山部28と谷部29とを交互に配設させてお
り、上記谷部29の深さは回転軸21側は外周側よりも
深くして勾配を有して形成されている。82は冷媒ジャ
ケット(冷却手段)を示し、その端部は混練部バレル2
2内に設けた図示省略の冷媒通路に接続されている。そ
の作用については冷媒ジャケット81と同一であるので
重複して説明することを省略する。
【0024】上記の回転羽根23の山部25と固定羽根
24の山部28とは以下のような相互関係になってい
る。回転軸21側からバレル22側に向かって材料が流
れる通路7aでは、回転羽根23の山部25と谷部26
との境界線は、固定羽根24の山部28と谷部29との
境界線よりも、回転軸21に近づく程回転方向に対して
位相が進んでおり、一方、バレル22側から回転軸21
側に向かって流れる通路7bでは、通路7aと逆の位相
になっている。
【0025】混練部2内の通路7は、材料供給部1側の
入口から連結管3側出口まで、以下のように構成されて
いる。材料供給部1側の入口ではスクリュー軸21と混
練部バレル22の小径部との間を発泡体材料は、材料供
給部1からの押し出し力と回転軸21のスクリューの作
用とにより、出口側へ押されて移動する。次の回転羽根
23と混練部バレル22内側との半径方向の通路(図1
の左側の7a)では、回転羽根23の遠心力と山部2
5、谷部26とによって外側へ送る力が加えられ、回転
羽根23の外周と混練部バレル22の内周間では、フラ
イト27によって図1の右方へ送る力が加えられる。
【0026】回転羽根23と固定羽根24との間(図1
の固定羽根24の左側)の通路7bでは、回転羽根23
の山部、谷部と固定羽根24の山部、谷部の位相に差を
付けた形状により、後に説明する強い混練作用ととも
に、外側から内側へ送る力が加えられる。固定羽根24
と回転軸21との間では、スクリュー21aによって、
図1の右方へ送る力が加えられる。
【0027】以下、同様にして出口側へ送られるが、こ
の間、通路の断面積は出口側へ向かって拡がることがな
く、また、発泡体材料を押し進める力は、入力側が出口
側よりも強目になっていて、通路7の途中で材料に対す
る圧縮力が弱まって発泡するのを抑えている。上述した
実施例においては、1組の回転羽根23,23および1
枚の固定羽根24とを組合わせて段を形成する構成とし
たが、必要に応じて1枚の回転羽根23及び1枚の固定
羽根24とを組合わせて段を形成させることも可能であ
るし、3枚以上の回転羽根の間にそれぞれ固定羽根を対
向させてもよい。
【0028】図4は、回転羽根と固定羽根との通路にお
ける混合物の混合状態の説明図である。図4(a)は回
転羽根と固定羽根との相対位置が状態aに位置する場
合、図4(b)は回転羽根と固定羽根との相対位置が状
態bまで変化して位置する場合を夫々、示したものであ
る。
【0029】図4(a),4(b)において、回転羽根
23と固定羽根24との間の通路7a(または7b)に
は上記発泡体材料が充填状態とされて回転羽根23の矢
印の向きの回転に伴って移動される。この際、回転羽根
23が状態aから状態bまで移動する場合、夫々の山部
25,27の側面間の距離Lは距離L′まで縮小される
こととなって、発泡体材料には圧縮力とせん断力とが同
時に加わり、均一混合が促進される。
【0030】谷部26,28の深さは、羽根23,24
の内周部より外周部が浅く形成してあり、回転軸21側
からバレル22側へ向かう通路7aにおいて、すなわ
ち、径の拡がる方向に材料が拡がって流れる場合にも、
その出口側が入口側よりも大きくならないようになって
いる。図1において、混練部2の出口端は連絡管3を介
して押出し冷却部4に連設され、上記連絡管3の外周に
は、加熱手段63が付設されて連絡管3を所定温度に保
持している。
【0031】混練部2からの発泡を抑制されて均一混合
された混合物は連絡管3内を充填状態にて移動して押出
し冷却部4に至る。押出し冷却部4は押出し冷却部バレ
ル42内に水平スクリュー軸41が転自在に収容され、
水平スクリュー軸41の中空部は、冷媒通路43として
形成されており、また、押出し冷却部バレル42の内周
面近傍に冷媒ジャケット44が形成されている。
【0032】押出し冷却部4の水平スクリュー軸41の
駆動に伴い、上記混合物はスクリューピッチに従い加圧
状態を保持して押出し冷却部バレル42内を押出され移
動し、この過程において、冷媒通路43,44の冷却手
段により発泡に適した所定温度まで冷却されて、押出し
冷却部4の出口端に設けた口金5より金型の成型部9内
に押出されるとともに成型部9に沿って発泡して成形さ
れ熱可塑性樹脂発泡体が得られる。
【0033】上述の実施例において、山部と谷部は、必
ずしも回転羽根と固定羽根との相方に備えなくても、例
えば、図1の左側の回転羽根23の左端面とバレル22
の内壁右端面(山部、谷部なし)とのように、一方のみ
に山部と谷部とを備えてもよい。
【0034】本発明装置は、上述の実施例の他、材料供
給部のスクリュー軸と混練部の回転軸とを別体にして、
それぞれを各別に回転駆動して、発泡体材料に適した条
件で混合するようにしてもよい。また、混練部の回転軸
のスクリュー、回転羽根のフライト、あるいは、回転羽
根と固定羽根の山部谷部の位相ずれ形状をなくして、混
練部内の通路自体の材料送り力を弱めて、材料供給部の
押し出し力で通路内の発泡材料を送るようにすることも
できる。
【0035】次に本発明の熱可塑性樹脂発泡体の製造方
法の一実施例を説明する。ポリスチレン樹脂100重量
部に対して、気泡調整剤としてタルク0.3重量部を混
合して原料を材料供給部1の供給口13に供給し、樹脂
温度を70〜250℃で調整し、供給口14から発泡剤
として、1,1,1,2−テトロフルオロエタン(HF
C134a)10重量部を圧入して溶融状態となった混
合物を混練部2において均一混合した後、押出し冷却部
4において冷却し、矩形口金の温度を120℃に調整し
て金型の成型部に沿って発泡させ成形し、嵩密度35k
g/m3 の安定した発泡状態の均一な板状の可塑性樹脂
発泡体を得ることができた。
【0036】なお、比較例として上述の一実施例の製造
装置において、上記混練部の混合物の通路断面積が出口
側が入口側よりも大きく通路をもった混練部を使用して
実験例と同様の製造を行った結果、押出されて発泡成形
された熱可塑性樹脂発泡体は表面が粗くて不均一な発泡
であり発泡状態も不安定であった。
【0037】
【発明の効果】このように、本願発明によれば、材料供
給部から溶融状態となった発泡体材料を押し出して混練
部で、通路を拡げないようにして発泡を抑制しながら混
合し、この混練部で混合物とした発泡体材料を押出し冷
却部に送って適温に冷却した後、発泡成形させ、安定し
た発泡状態の均一な熱可塑性樹脂発泡体を得ることがで
きる。
【0038】羽根の山部と谷部とで混練部内の通路上に
来る発泡体材料に圧縮力、せん断力を加えて効果的に混
合し、しかも、この谷部の深さを羽根の内周部より外周
部が浅くしてあるから、材料の全通路を通して通路が拡
がっていくことがなく、発泡を抑制できる。
【0039】混練部の内部にある羽根に冷却手段を、外
周に加熱手段を設けたから、混練中の過度の発熱を吸収
し、かつ、外部への伝熱による温度低下を防いで、発泡
を抑えながらの混練に適した温度を維持できて、一層よ
く混練でき、発泡の均一化に大きく寄与する。押出し冷
却部の内部に冷却手段を備えるとともに、外周に加熱手
段を設けたから、混合物を発泡に適した温度に下げて、
その温度に維持でき、良好な発泡を促す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す熱可塑性樹脂発泡体の
製造装置の構成図である。
【図2】同回転羽根の詳細図である。
【図3】同固定羽根の詳細図である。
【図4】同回転羽根と固定羽根との通路における混合物
の混合状態の説明図である。
【符号の説明】
1 材料供給部 2 混練部 3 連絡管 4 押出し冷却部 5 口金 7 通路 11 スクリュー軸 12 材料供給部バレル 13,14 供給口 21 回転軸 23 回転羽根 24 固定羽根 25 山部 26 谷部 28 山部 29 谷部 43 冷媒通路(冷却手段) 44 冷媒ジャケット(冷却手段) 62 加熱手段 64 加熱手段 81 冷媒ジャケット(冷却手段) 82 冷媒ジャケット(冷却手段)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂および発泡剤を材料供給部
    に供給して加熱により溶融状態の発泡体材料として混練
    部に押出し、上記材料を混練部内にて通路断面積が出口
    側が入口側よりも大きくなくした通路を移動して圧縮力
    およびせん断力を与えながら発泡を抑制し、混合して混
    合物となし、上記混合物を押出し冷却部に供給し、発泡
    に適した温度まで冷却して口金から押出し、成型部にて
    発泡させて発泡体に成形することを特徴とする熱可塑性
    樹脂発泡体の製造方法。
  2. 【請求項2】 スクリュー軸を材料供給部バレル内に収
    容するとともに、入口側に熱可塑性樹脂を、中間部に発
    泡剤を供給する供給口をそれぞれ設けた材料供給部と、
    材料供給部の出口端に連結し、回転軸に回転羽根を付設
    して混合バレル内に収容するとともに、上記回転羽根に
    対向させて固定羽根を混合バレルに取り付け、上記回転
    羽根と固定羽根の間に通路を形成した混練部と、上記通
    路の出口端に連絡管を介して連設し、冷却スクリュー軸
    を押出し冷却部バレル内に収容するとともに、上記押出
    し冷却部バレルの出口側に発泡体を発泡成形させる成型
    部に接続される口金を有する押出し冷却部とを備え、上
    記通路は出口側が入口側よりも大きくない通路断面積を
    有するようにしたことを特徴とする熱可塑性樹脂発泡体
    の製造装置。
  3. 【請求項3】 相対向する回転羽根と固定羽根の少なく
    とも一方の対向面には山部と谷部とが交互に放射状に形
    成され、前記谷部の深さが羽根の内周部より外周部が浅
    くなっている請求項2記載の熱可塑性樹脂発泡体の製造
    装置。
  4. 【請求項4】 混練部の回転羽根および固定羽根に冷却
    手段が、混練部のバレルの外周に加熱手段がそれぞれ備
    えられた請求項2または3記載の熱可塑性樹脂発泡体の
    製造装置。
  5. 【請求項5】 押出し冷却部の内部に冷却手段が、押出
    し冷却部の外周に加熱手段がそれぞれ備えられた請求項
    2,3または4記載の熱可塑性樹脂発泡体の製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011500378A (ja) * 2007-10-22 2011-01-06 コペリオン ゲーエムベーハー ポリマー顆粒の製造方法および装置

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