JPH0975720A - 窒素選択性ゼオライト性吸着剤及びそれを使用した窒素吸着プロセス - Google Patents

窒素選択性ゼオライト性吸着剤及びそれを使用した窒素吸着プロセス

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JPH0975720A
JPH0975720A JP7235492A JP23549295A JPH0975720A JP H0975720 A JPH0975720 A JP H0975720A JP 7235492 A JP7235492 A JP 7235492A JP 23549295 A JP23549295 A JP 23549295A JP H0975720 A JPH0975720 A JP H0975720A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、酸素と窒素の混合物のPSAプロ
セスに使用する窒素の選択吸着性の優れたゼオライト性
吸着剤並びにこの吸着剤を使用した循環性吸着プロセス
を提供することを目的とする。 【解決手段】 SiO2/Al23のモル比が2.0〜2.4のフ
レームワークを有し、60〜89当量%のCa++陽イオン
と、10〜40当量%のNa+陽イオンと、0〜10%のK+
イオンを含み、Ca++,Na+及びK+の総陽イオン当量が
少なくとも90%であるゼオライトXよりなる循環性圧力
スイング吸着プロセスに使用する酸素と窒素混合物から
窒素を選択的に吸着するゼオライト性吸着剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術】本発明は空気等から窒素を分離す
るプロセスに使用する、窒素を選択的に吸着するゼオラ
イト性吸着剤並びにこの吸着剤を使用した窒素分離の循
環性プロセスに関する。
【0002】
【従来の技術】空気を構成しているの2つの主要成分で
ある窒素と酸素の分離は、毎年、数千億立方フィートも
作り出している重要な工業的プロジェクトである。例え
ば、製鉄業界における酸素のように、窒素と酸素のいず
れかの成分が大量に必要な場合には、その分離に低温シ
ステムを使用するための多額のコストが支払われてい
る。そのうちの1つの成分の必要量が少なくする場合
は、酸素と窒素は圧力スイング吸着(PSA)プロセス
により作り出すこともできる。このPSAプロセスにお
いては、圧搾空気を原料成分の1つに対して優先的な吸
着性を有する吸着剤の固定床を通して供給させる。そし
て、吸着されない又は吸着度が低い成分の濃度が増大し
た流出生成物ストリームを得る。このPSAプロセスは
低温プロセスに比べると、その装置が比較的簡単であ
り、維持管理も比較的容易であるが、製品回収率が低
く、またエネルギー消費量が高い等の理由によりこの解
決が課題となっている。
【0003】窒素、特に空気からの窒素を選択的に吸着
する結晶性ゼオライト性分子ふるいは、この分野では知
られている。例えば、米国特許第3140931号には、4.6オ
ングストロームのタイプのゼオライトの使用が提案され
ている。米国特許第3140932号には、ストロンチウム、
バリウム或いはニッケルの少なくとも1つの陽イオンと
して含んでなるゼオライトXの使用が提案されている。
米国特許第3140933号には、ゼオライトXを含むゼオラ
イトの種々のアルカリ金属陽イオンの利点について検討
されている。米国特許第4557736号には、ゼオライトX
の2価イオン交換体が空気からの窒素の吸着に好ましい
吸着剤として教示されている。米国特許第4481018号に
は、フレームワークとフォージャサイトの多価陽イオン
形態のイオン加水分解を実質的にない活性化条件が開示
されている。これらの組成物は、特にMg2+,Ca2+,S
r2+及び/又はBa2+陽イオン形態の場合に、空気からの
窒素の分離に優れた吸着剤とされている。ガス・クロマ
トグラフィーによる研究から得られたN2及びO2の選択
性を示す値からは、上記米国特許第4481018号ではCa2+
交換の程度が高ければ高い程、空気からの窒素の分離の
ためのフォージャサイト吸着剤の選択性及び容量が大き
くなることを教示している。この特許で開示されたカル
シウムの最低含量は50%であり、好ましい吸着剤は80%
当量以上のカルシウム陽イオンを含んでいる。以上のよ
うに従来の技術においていは、カルシウム、ストロンチ
ウム、リチウム陽イオンは窒素分離のために用いるゼオ
ライト吸着剤の望ましい成分であると見られているが、
ナトリウム等の他の陽イオンは望ましいものとは見られ
ていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、酸素と窒素
の混合物、特に空気を用いたPSAプロセスにおいて使
用する窒素の選択的吸着力の優れた新規組成のゼオライ
ト性吸着剤を提供し、この吸着剤を使用して工業的に優
れた循環性窒素吸着プロセスを提供することを目的とす
るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するために、鋭意研究の結果、ゼオライトXのSi/A
l2のモル比が特に2.0〜2.4で、60〜89好適には60〜80当
量%のCa++陽イオン、10〜40当量%のNa+陽イオン及
び0〜10当量%のK+陽イオンで、Ca++,Na+及びK+
の総陽イオン当量が少なくとも90%である荷電均衡陽イ
オンを含んでいるゼオライトXが、50〜20℃の温度、5
〜506.5kPa(0.05〜5.0気圧)の圧力スイング吸着プロ
セスにおける空気の分離において、カルシウムの交換量
がこのカルシウムより低いかまたは高い交換量で交換さ
れたゼオライトXより、驚くべきことに遥かに効果があ
ることを見出した。そして、更に上記ゼオライトXを吸
着剤として含んだ吸着床を設け、−20℃〜50℃の温度
で、床内の圧力が13.8〜506.8kPa(2〜73.5psia)に上
昇させ、窒素が該ゼオライト吸着剤に選択的に吸着され
るまで、窒素と酸素の混合物を該吸着床に送り込み、吸
着されなかった酸素を吸着圧力で吸着床から排出し、そ
して吸着された窒素を脱着させ、床から脱着された窒素
を排出させるため、床圧力を101.4〜0.7kPa(14.7〜0.1
psia)の最終脱着圧力に低下させる工程で、窒素と酸素
の混合物から窒素を分離する循環プロセスを行ったて極
めて工業的に優れた窒素分離法を達成することが出来
た。
【0006】本発明は、SiO2/Al23のモル比が2.0
〜2.4のフレームワークを有し、そして60〜89当量%の
Ca++陽イオンと、10〜40当量%のNa+陽イオンと、0
〜10%のK+陽イオンを含み、Ca++,Na+及びK+の総
陽イオン当量が少なくとも90%であるゼオライトX又は
SiO2/Al23のモル比が2.0〜2.35、のフレームワー
クと、65〜80当量%のCa++陽イオンと、20〜35当量%
のNa+陽イオンでありK+を実質的に含まないゼオライ
トXで構成されることを特徴とする循環性圧力スイング
吸着プロセスに使用する酸素と窒素の混合物から窒素を
選択的に吸着するゼトライト性吸着剤、及び(a)Si
2/Al23のモル比が2.0〜2.4の骨格を有し、そして6
0〜89当量%のCa++陽イオンと、10〜40当量%のNa+
イオンと、0〜10%のK+陽イオンを含み、Ca++,Na+
及びK+の総陽イオン当量が少なくとも90%であるゼオ
ライトXで構成されるゼオライト性吸着剤を吸着床に設
ける工程、(b)床内圧力が13.8〜506.8kPa(2〜73.5
psia)まで上昇させ、窒素が該吸着剤に選択的に吸着さ
れるまで−20℃〜50℃の温度で窒素と酸素の混合物を吸
着剤床内に送り込む工程、(c)実質的に吸着圧力で上
記吸着床から吸着されなかった酸素を生成物として排出
する工程、(d)吸着された窒素を脱着させ、床圧力を
101.4〜0.7kPa(14.7〜0.1psia)の最終脱着圧力に低下
させて床から窒素を排出する工程、よりなることを特徴
とする酸素と窒素の混合物から窒素を選択的に吸着する
循環性プロセスである。
【0007】
【発明の実施の形態】窒素が0.31A3の四重極モーメン
ト(quadrupole moment)を持っており、0.10A3程度の
四重極モーメントしかない酸素よりゼオライト性陽イオ
ンとより強く反応することは知られている。窒素は熱力
学的原理から、窒素と酸素の混合物からゼオライトに選
択的に吸着される。窒素吸着に関するこの選択性は、固
定床圧力スイング吸着−脱着サイクルを用いた多数の空
気分離プロセスの基礎となっている。これらゼオライト
性陽イオンの性質は窒素吸着の選択性及び吸着容量にか
かわる最も重要な要素である。また、ゼオライト性陽イ
オンとしてリチウム及びカルシウムは窒素に対し特に強
い親和性を示すことは知られている。
【0008】ゼオライトXのカルシウム交換体は、カル
シウム含有量を増大させた場合の効果が米国特許第4481
018号に報告されている。この特許では、カルシウム陽
イオン含有量が80当量%程度を越えると、より良い選択
性及び吸着容量を示すとされている。窒素吸着効率の改
良は用いられたゼオライトXのカルシウム及び他の多価
金属陽イオンが圧倒的に脱水/脱水酸基状態にあること
に理由があるとされている。これらの教示により、特定
の金属陽イオン形態のゼオライトが窒素に関して優れた
吸着性を示す場合、その特定の金属陽イオンの含有量が
高ければ高い程、空気分離の性能が優れたものとなるこ
とは、当業者の一般的な理解である。ところがカルシウ
ム交換形態のゼオライトXの場合、一定の温度及び圧力
条件下での空気の分離におけるピーク性能が、カルシウ
ム含有量が最大の時には得られず、カルシウム交換の程
度が60〜89当量%、特に、65〜80当量%の場合に得られ
ることが分かったことは予想外のことである。更に驚く
べきことは、カルシウム交換レベルを低下させることに
よってもたらされる効果はXゼオライトのSiO2/Al2
3比が2.0〜2.4の時であることが分かったことであ
る。以上のことにより、従来の理論は、他の要素に正当
な考慮が払われずに、カルシウム陽イオンの電荷密度に
余りにも重点が置かれ過ぎたように考える。少なくと
も、CaNaXで表されるカルシウム交換形態のゼオライ
トXに関しては、窒素選択性及び容量は陽イオンを有す
る組成物とゼオライトの構造及び吸着剤並びに窒素含有
ガスが接触される場合の温度と圧力条件の複雑な関数で
ある。従って、従来文献に報告されているCaNaX組成
物の窒素選択性は、吸着剤上での窒素圧力を非常に低く
してクロマトグラフィー技術で測定されることが多い。
CaNaXの窒素選択性は圧力の影響を受けやすいので、
報告されている選択性を示す高い値は圧力が高い場合に
は適用できない。本発明は少なくとも部分的には、カル
シウム交換レベルに応じて、CaNaXの窒素選択性が圧
力の増大に伴って大幅に低下する場合があるという知見
に基づいている。更に、実際の、工業的な規模の空気分
離プロセスの分離工程において用いられる圧力はクロマ
トグラフィー技術による測定の場合の窒素圧力より相当
高くなっている。従って、クロマトグラフィー法により
測定される選択性は工業的な圧力スイング吸着プロセス
においける吸着工程とは殆ど関連性がない。PSA空気
分離プロセスにおいては、吸着は必要なプロセス中の工
程である。効率的な吸着剤は、その吸着剤を真空ポンプ
や酸素生成物の使用を最低にして再生するようにするた
めに、脱着間隔を最短にし、その間の窒素負荷を最も少
なくしなけれならない。いいかえると、PSA空気分離
プロセスにおいて効率的な脱着工程を実現するために
は、吸着剤が脱着、或いは排出圧力下で低い窒素親和性
を持つことが必要である。クロマトグラフィー測定によ
る窒素圧力は十分にPSA空気分離プロセスにおける脱
着圧力の範囲内にあるので、クロマトグラフィーで観察
される高い窒素選択性は、そうした吸着性がPSAプロ
セスでは低い脱着性を有することを示唆している。
【0009】理想的には、PSA空気分離を行うため
に、吸着剤は低い圧力では低い窒素親和性を、そして高
い圧力では高い窒素親和性を示す必要である。理論的に
は、そのような窒素吸着剤を得ることは実験でも確かめ
られているように不可能である。そこで、次善のものと
しては、窒素選択性が吸着圧力を増大した場合に急激に
低下しないような吸着剤である。本発明において、Ca
NaX吸着剤の場合、窒素圧力の増大に伴う窒素親和性
の低下は、かなりカルシウムイオン交換のレベルに依存
している。90当量%又はそれ以上のような高カルシウム
Xは窒素親和性は急激に低下する。Ca++レベルが60〜8
9%のCaNaXの場合、非常に低い圧力での窒素に対す
る親和性は非常に高くなく、圧力が増大した場合にはそ
の親和性は低下しない。その結果、中程度のカルシウム
交換CaNaXの操作的窒素選択性はカルシウム交換のレ
ベルが高いCaXより高くなる場合がある。更に重要な
ことは、脱着圧力で、窒素はイオン交換レベルが中程度
CaNaXからは容易に脱着され、その吸着剤の再生がか
なり容易になることである。その結果、本発明で用いら
れる特定のCaNaX組成物の全体的な性能は、イオン交
換のレベルがより高いCaXの性能より一層高いものと
なる。PSA空気分離吸着剤としての物質の評価は以下
の3基準を考慮に入れる必要がある。 1.脱着圧力で窒素負荷量である残留窒素負荷量、優れ
たPSA空気吸着剤は残留窒素負荷量が低い。 2.吸着圧力での負荷量と脱着温度での負荷量との差で
ある窒素デルタ負荷量、優れたPSA空気分離吸着剤の
場合は窒素デルタ負荷量は高い。 3.窒素デルタ負荷量を酸素デルタ負荷量で割った値と
定義される操作的選択性。優れた空気吸着剤の場合は窒
素に対する操作選択性が高い。
【0010】このプロセスが実行される温度は、空気分
離における吸着剤の性能において重要な要素である。工
業的なPSA空気分離容器は普通非常に大きく、プロセ
ス循環時間は大量な吸着剤を加熱したり、冷却したりす
るに必要な時間と比べて短い。従って、プロセス循環は
断熱的或いは近断熱的条件で実行される、そしてCaNa
Xゼオライトへの窒素の吸着熱は注目される。吸着によ
って解放される熱は、原料及び生成ガスによって前方に
送られ、蓄積されて熱フロントを形成する。この熱フロ
ントの一部は生成ガスとともに塔からでいく場合もあ
る。フロントの残りの部分は、循環プロセスの脱着段階
中に押し戻される。脱着中、運動エネルギーは吸着剤か
ら窒素を解放するために消費される。従って、窒素と吸
着剤の温度が低下する。脱着熱は床内にコールドフロン
トを作り出し、その一部は排気ガスとともに床から出て
いく。コールドフロントの残りの部分は次の吸着工程中
に原料ガスによって塔を通じて押し戻される。多くの吸
着−脱着循環後、安定した状態が作り出される。定常状
態で、床の一部は周辺部より温度が相当に低くなってい
る。従って、その吸着性能が温度の変化によって著しく
損なわれない吸着剤を使用することが必要である。本発
明は部分的には、高度のカルシウム交換が行われた形態
のゼオライトXの吸着性能が温度の低下によって著しく
損なわれるのに、イオン交換が中程度のCaNaXではそ
のような低下が観察されないという知見に基づいてい
る。吸着温度の中程度の低下でも、残留窒素負荷量を大
幅に増大させ、カルシウム交換のレベルが高いXゼオラ
イトの窒素操作選択性の低下をもたらす。本発明は、ま
た断熱脱着がイオン交換レベルの高いCaXではCaNa
Xよりも大きな温度低下を引き起こす。
【0011】PSA空気分離プロセスにおいては、吸着
剤の生産性は窒素デルタ負荷と窒素操作選択性によって
だけでなく、循環時間の長さによって判定される。吸着
剤が短時間で機能を果たすことができればできる程、生
産性は向上する。循環時間は、吸着剤がどの程度の早さ
で再生し、次の吸着工程に使用できるかによって決めら
れる。窒素は交換レベルの高いCaXからよりも中程度
の交換レベルのCaNaXからの方が更に速く脱着するこ
とが判った。要するに、PSA空気分離条件を考慮に入
れて、カルシウム交換レベルが中程度のCaNaXの方が
交換レベルの高いCaXより優れた吸着剤であることが
判った。表1〜5と図1〜15のグラフに、本発明の特徴
と具体例を示す。このデータを得るために、以下の吸着
剤組成物、その製造方法、試験手段が用いられた。
【0012】出発ゼオライトX組成物の製造 フレームワークSi/Al2のモル比がそれぞれ、2.0,2.3
及び2.5のゼオライトXのサンプルを製造した。Si/Al
2モル比が2.0のサンプルはNa+−K+陽イオン混合形
態、例えば、NaKX2.0で、英国特許第1580928号に開
示されている技術に従って、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、ケイ酸ナトリウム、水酸化アルミニウム及び
水を試薬として用い、70℃の温度で、水熱反応によって
合成された。最初に結晶化した時に、NaKX2.0は25当
量%程度のK+陽イオンを含んでおリ、残りはNa+陽イ
オンであった。NaCl溶液を用いた完全なイオン交換に
よって、K+陽イオンをほぼ全部除去しNa+陽イオンと
交換した。試験の手段の一部は、純粋な、即ち非結合の
ゼオライトサンプルを用いて行われ、他の試験は結合し
た塊状物を用いた。後者の場合の結合材料はMinugelと
いう商標名でFloridin社から得られるアタプルガイト・
タイプ粘土である。ビーズ及び押出し加工されたペレッ
ト状のこの塊状物は当該分野において知られている方法
で製造した。
【0013】部分的にカルシウム交換された吸着剤を製
造するために、バッチ交換技術を用いた。粉体又は塊状
物のゼオライトを撹拌しながら80〜95℃の塩化カルシウ
ム溶液に浸積した。この操作は、基本的に1〜2時間続
けられた。カルシウム交換レベルは用いられるゼオライ
ト及び塩化カルシウムの量によって、制御された。カル
シウム交換レベルが高いゼオライトX分体を製造するた
めには、塩化カルシウムを大量に使用した反復バッチ交
換技術を用いた。交換レベルが高い塊状物を製造するに
は、カラム交換法を用いた。ゼオライト塊状物を加熱し
たカラムに入れ、予備的に加熱された塩化カルシウム溶
液をカラム内を通過させて、交換されたナトリウム及び
カリウムを交換、フラッシュした。この交換手段の詳細
は、以下の実施例により示す。
【0014】
【実施例1】この実施例では、Si/Al2フレームワーク
比が2.0のCaNaX組成物の製造及び吸着剤特性につい
て述べる。これらの組成物はCaNaX2.0と称される。
CaNaX2.0のサンプルは8×12ビーズ状のNaX2.0粘
土と結合した塊状物をバッチ・イオン交換することによ
って製造し、一般的に、出発材料NaX2.0ビーズ(乾燥
重量)50グラムを、Ca(OH)2を用いてpHを9.0に調整
した0.15〜1モルのCaCl2水溶液1〜2リットルに添
加した。各例で、CaCl2溶液の正確な量と濃度は、達
成されるべきCa++イオン交換の目標程度に照らして選
択された。必要な場合、望ましい程度のイオン交換が行
われた生成物を得るために、複数回のイオン交換手段が
実施された。各バッチ交換で、ゼオライトを含有したビ
ーズをCaCl2溶液内で攪拌し、溶液を常温から90℃ま
で上昇させ、その後、1時間攪拌を続けた。イオン交換
されたビーズはバックナーじょうごでろ過して回収し、
Ca(OH)2を加えてpHを9.0に調整した熱水50mlで水洗
した。その後、ビーズを90℃、pHをCa(OH)2で9.0に
調整した水1リットルの水中で30分攪拌し、ろ過で回収
して、空気中で乾燥した。全部で、以下に1a〜1gと
して示す7通りのサンプルを製造し、これらの生成物の
製造、及び化学組成の具体的データを以下の表1及び表
2にそれぞれ示す。これらの塊状ビーズのすべては、12
重量%の粘土結合剤を含んでいた。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
【実施例2】Si/Al2モル比が2.3のカルシウム交換さ
れたNaXの6通りの粉体サンプル、及び2通りのビー
ズサンプルを、基本的には実施例1で述べた一般的手段
に従って製造した。手段における大きな違いはイオン交
換された媒体の温度で、これは実施例1では90℃であっ
たのに対して95℃に設定された。以下に2a〜2hの番
号を付して示すこれらイオン交換された生成物のイオン
交換手段及び化学組成を表1及び表2に示す。
【0018】
【実施例3】Si/Al2モル比が2.5の、合成されたまま
のナトリウム・ゼオライトXを用いて、粘土で結合させ
た8×12ビーズをCa++イオンでイオン交換した。以下
に3a〜3dの番号を付して示す4つのサンプルを製造
した。サンプル3a及び3bは、実施例1及び2のバッ
チ法を用いてイオン交換し、サンプル3c及び3dは、
CaCl2水溶液をゼオライト含有ビーズを含んだ加熱さ
れたカラムを通過させるカラム法を用いてイオン交換し
た。イオン交換された生成物のイオン交換手順及び化学
組成を表1及び2にそれぞれ示す。
【0019】
【実施例4】活性化された1a〜1gのサンプル及び実
施例1のNaX2.0出発材料の窒素及び酸素等温線はサル
トリアス・バランスを用いて、40℃、20℃、0℃及び−
20℃で決定した。サンプルをオイル拡散ポンプ及び液体
窒素トラップを備えたシステム内でガラス管内で、10時
間かけて常温から510℃までに加熱し、最終温度を6時
間維持することにより活性化させた。この活性化手段の
最終段階で、1.33×10~6kPa(1×10~5Torr)の圧力が
達成された。窒素及び酸素の等温線の測定では、各テス
ト・サンプルの温度はサンプル室を必要に応じて恒温
槽、あるいは管炉に配置することによって制御された。
0〜506.7kPa(0〜73.5psia)の範囲で、13のデータ・
ポイントを設定した。正確に10.7〜101.4kPa(1.55及
び14.7psia)での窒素負荷量は補間法(intrapolatio
n)を用いて判定した。これら2つの値の差が窒素デル
タ負荷量である。25.5kPa(3.7psia)での酸素負荷量も
同様に補間法で判定した。25.5kPa(3.7psia)から0kP
a(0psia)窒素デルタ負荷量の範囲での酸素デルタ負
荷量から得られた窒素デルタ負荷量は、いわゆる操作選
択性を示す。残留負荷量、デルタ負荷量、及び操作選択
性を示す値を以下の表3に示すと共に、図1,2及び3
に示す。
【0020】
【表3】
【0021】
【実施例5】実施例4に示した手段に従って、実施例2
のそれぞれ2a〜2hまでの番号が付されているNaX
2.3及びCaNaX2.3サンプルの窒素の残留負荷量、窒素
デルタ負荷量、及び窒素操作選択性を判定した。その結
果を表4に示した。これらのサンプルのすべては結合さ
れておらず、つまり、粘土及びゼオライト粉粒を含んで
いなかった。図4,5及び6はカルシウム交換レベル及
び吸着温度に相関する残留負荷量及び操作選択性を示し
ている。
【0022】
【表4】
【0023】
【実施例6】実施例4に示されている手段に従って、N
aX2.5及びCaNaX2.5サンプル3a,3b及び3cの
窒素残留負荷量、窒素デルタ負荷量及び窒素操作選択性
の判定を行った。結果を表5に示す。図7,8及び9は
カルシウム交換レベル及び吸着温度に相関する残留負荷
量及び操作選択性を示している。
【0024】
【表5】
【0025】
【実施例7】PSA循環において吸着剤に必要な脱着時
間について評価するため、サルトリアス・バランスを用
いて、窒素の脱着速度を測定した。活性化した吸着剤を
先ず101.3kPa(1気圧)の圧力下で窒素と接触させた。
吸着均衡に到達した後、真空ポンプでガスを急速に排気
した。圧力が1.4kPa(0.2psia)に低下した段階でポン
プ・ダウン・ステップを打ち切った。この圧力に到達す
る前に10秒程度かかった。次に、吸着剤を均衡状態に到
達させて、吸着剤の重量ロスを継続的に観察した。サル
トリアス・バランスでの最終圧力は吸着剤の吸着容量に
相関する。いろいろなシリカ対アルミナ比及び異なった
カルシウム交換レベルを有するCaNaXの場合、最終的
な圧力は1.72〜2.62kPa(0.25〜0.38psia)の範囲であ
る。窒素は大きな脱着熱を持っているので、断熱状態の
下で急速に脱着を行わせると、吸着剤の温度が急激に低
下する。サルトリアス・バランス内での真空脱着は断熱
脱着と非常によく類似している。しかしながら、サリト
リアス・バランス内でサンプル温度を直接測定すること
は非常に困難であり、従って、脱着後の温度を、残留負
荷量をそれぞれ20℃、0℃、そして−20℃の窒素等温度
線との比較によって推定した。
【0026】(a)実施例1のサンプル1gの窒素脱着
曲線カルシウム交換レベルの高い(97%)、そしてSi/
Al2モル比が2.0のゼオライトXのサンプル1gの窒素
脱着曲線を図1に示す。データを得るために、真空活性
化したサンプルを先ず112.4kPa(16.3psia)の圧力の下
で窒素を用いてサルトリアス・バランス内に均衡状態に
させた。このバランスを1.38kPa(0.2psia)の圧力まで
急速に減圧して、サンプルが均衡状態に達するように
し、その後、圧力が2.62kPa(0.38psia)まで上昇し
た。図10にはまた、10.3〜2.62kPa(1.5〜0.38psia)か
らの外挿によって、20℃、0℃、及び−20℃の温度下、
2.62kPa(0.38psia)の圧力での均衡窒素負荷量は示さ
れている。これらのデータから、サルトリアス・バラン
ス内で脱着させると、ゼオライト・サンプルが0℃程度
まで冷却される。 (b)上の(a)と基本的に同様の手段を用いて、75当
量%のカルシウム陽イオンを含んでいる実施例1のサン
プル1dの窒素脱着曲線を求めた。これらのデータを図
11に示す。バランス内での最終窒素圧力は1.72kPa(0.2
5psia)で、残留負荷量は0.09mmol/gm程度であった。こ
れも図11の示されている(10.3kPa(1.5psia)からの外
挿による)1.72kPa(0.25psia)の圧力の下での、それ
ぞれ20℃、0℃、そして−20℃の温度下での予想均衡窒
素負荷量から、このサンプルは脱着中に10℃程度の温度
まで冷却される。 (c)上記(a)と同じ手段を用いて、97当量%のカル
シウム陽イオンを含んだ実施例2のサンプル2hの窒素
脱着曲線を求めた。これらのデータを図12の示す。バラ
ンス内での最終的な窒素圧力は2.55kPa(0.37psia)
で、残留負荷量は0.38mmol/gm程度であった。これも図1
2に示されている2.55kPa(0.37psia)の圧力、及びそれ
ぞれ20℃、0℃、そして−20℃の温度下での均衡窒素負
荷量を10.34〜2.55kPa(1.5psia〜0.37psia)の範囲か
らの外挿で求めた。このサンプルは、脱着中に3℃程度
の温度まで冷却される。 (d)上記(a)と同様の手段を用いて、77当量%のカ
ルシウム陽イオンを含んだ実施例2のサンプル2gの窒
素脱着曲線を求めた。これらのデータを図13に示す。バ
ランス内での最終窒素手段は1.93kPa(0.28psia)で、
残留負荷量は0.07mmol/gmであった。10.34〜1.93kPa
(1.5psia〜0.28psia)の範囲からの外挿によって求め
た、1.93kPa(0.28psia)の圧力と、それぞれ20℃、0
℃、そして−20℃の温度下での予想均衡窒素負荷量を図
13に示す。これらのデータから、このサンプルは脱着中
に5℃程度の温度まで冷却される。 (e)上記(a)と同じ手段を用いて、(98当量%カル
シウム陽イオンを含む)実施例3のサンプル3dの窒素
脱着曲線を求めた。これらのデータを図14に示す。バラ
ンス内での最終窒素圧力は、2.62kPa(0.38psia)で、
残留負荷量は0.18mmol/gm程度であった。10.34〜2.62kP
a(1.5〜0.38psia)の範囲からの外挿によって求めた2.
41kPa(0.35psia)の圧力、及びぞれぞれ22℃、30℃、
そして−20℃での予想均衡窒素負荷量を図14に示す。こ
のサンプルは脱着中に−13℃程度まで冷却される。 (f)上記(a)と同じ手段を用いて、77当量%カルシ
ウム陽イオンを含んだ実施例3のサンプル3bの窒素脱
着曲線を求めた。これらのデータを図15に示す。バンラ
ンス内での最終窒素圧力は56.88kPa(8.25psia)であ
り、残留負荷量は0.06mmol/gm程度であった。これも図1
5に示されているように、2.41kPa(0.35psia)の圧力と
それぞれ22℃及び0℃の温度下での予想均衡窒素負荷量
から、このサンプルは脱着中、3℃程度の温度まで低下
した。予想均衡負荷量は10.34〜1.72kPa(1.5psia〜0.2
5psia)の範囲からの外挿によって求めた。空気分離に
対する吸着剤の有効性は、窒素デルタ負荷量、窒素操作
選択性、及び脱着温度での残留窒素負荷量の3つのパラ
メータによって測定される。これらのパラメータを考慮
に入れて、以下の特殊な観察データも含めて、明細書の
表及び図面に示されているデータは本発明の優越性を明
瞭に示している。
【0027】粘土結合X2.0の脱着データを表3に示
す。図1に窒素残留負荷量とカルシウム・イオン交換の
レベルとの関連を示す。これらのデータから、ゼオライ
ト吸着剤のカルシウム陽イオン・レベルが増大すると、
窒素の脱着が急激に困難になり、したがって、残留負荷
量が増大することが明確に示されている。カルシウム・
レベルが90%以上になると、残留窒素負荷量が非常に高
くなり、生成物の汚染が深刻な問題となる。残留窒素レ
ベルは温度に対しても敏感に反応する。90%カルシウム
・レベルと0℃の操作温度との組み合わせは、残留窒素
を受け入れがたい程高いレベルにする。PSAプロセス
では冷却が常に起きるので、これらのデータは、90%以
上のカルシウム交換が複数の方法でX2.0の効率を損な
う場合があることを示している。図2はカルシウム・レ
ベル及び脱着温度の関数としての、CaNaX2.0の、10
1.3〜10.69kPa(14.7及び1.55psia)の圧力範囲の窒素
のデルタ負荷量を示している。最初、カルシウム含有量
が増大すると、窒素のデルタ負荷量も増大する。デルタ
負荷量は最大値域(broad maximum)に到達すると、次
は低下し始める。これらのデータは、カルシウム交換レ
ベルが90%以上、あるいは60%以下が望ましいことを示
している。図3は、カルシウム交換及び温度の関数とし
てのX2.0の操作選択性を示している。これは、温度が
陽イオンの影響をどのように圧倒するかを明瞭に示して
いる例である。40℃で、窒素操作選択性はカルシウムの
含有量の増大と共に増大する。それはCa++交換レベル
が85%程度の時にピークに達し、以後、低下し始める。
20℃で、ピーク操作選択性はカルシウム含有量が60〜80
%程度の領域でもたらされる。温度が0℃以下の場合、
NaX2.0はCaNaX2.0より高い操作選択性を示す。−2
0℃では、CaNaX2.0の窒素選択性はNaX2.0よりかな
り低い。X2.3サンプルの吸着データを表4に示す。図
4,5及び6は、それぞれ、カルシウム交換レベル及び
吸着温度の関数としてのX2.3のデルタ負荷量及び操作
選択性データを示している。これらのサンプルは粘土を
含んでいないので、その負荷量は対応する結合サンプル
より高くなっている。X2.3サンプルの結果はX2.0の結
果とほぼ同様である。その陽イオンの90%以上がCa++
形態であるX2.3と、0℃のプロセス温度を用いるのは
明らかに望ましくない。そして、かなり大幅な温度の振
幅を伴った十分なプロセス循環を実現するためには、カ
ルシウム・レベルが少なくとも60%、そして90%未満の
CaNaX2.3を用いるのが望ましい。通常、CaNaX2.3
の操作選択性はCaNaX2.0吸着剤よりも低い。結合X
2.5の吸着データを表5に示す。これらのデータは、図
7,8及び9にそれぞれ示されているカルシウム交換レ
ベルとの関連で示されている残留負荷量、デルタ負荷
量、そして操作選択性と共に、PSA吸着剤の性能が単
一の構造的パラメータによってだけで決められるもので
はないことを明瞭に示している。シリカ:アルミナ比
は、通常、カルシウム・レベルと同様の重要な意味を有
している。カルシウム・レベルが増大すると、X2.5の
窒素デルタ負荷量は増大し、窒素操作選択性は減少す
る。これは、X2.0及びX2.3の場合に観察されるのと基
本的に同じであるが、細かな点では重要な違いがある。
60〜90%の範囲でのCaNaX2.5の窒素デルタ負荷量
は、対応するX2.3及びX2.0よりずっと低い。本発明の
実施においてCaNaX2.5が用いられないのは、基本的
にはこうした理由からである。
【0028】図1のデータはゼオライト中のカルシウム
含有量が増大すると、10.7kPa(2.55psia)の残留負荷
量あるいは窒素負荷量が急速に増大することを示してい
る。増大の速度は吸着温度と逆比例している。0℃で、
カルシウム交換レベルが97%のX2.0の残留負荷量は0.7
9mmol/gmで、この値はそのデルタ負荷量(0.74mmol/g
m)よりずっと高い。従って、0℃でCaX2.0吸着剤を
用いて純粋な酸素をつくりだすことは一層困難であろ
う。20℃で、その残留窒素負荷量は0.39mmol/gmで、こ
の値は高いが、この吸着剤は適切なプロセス・サイクル
と用いれば十分に機能する。一方、カルシウム・レベル
が76当量%の場合,窒素残留負荷量は0℃で0.46mmol/g
mで、この値は20℃でのCaXの値とほぼ同様である。20
℃でのCaNaX2.0の残留負荷量は0.25mmol/gmである。
CaNaX2.0(76%)は0℃でも機能することができる
ので、ずっと望ましい。図2で、0℃での窒素デルタ負
荷量はカルシウム含有量が75%の場合に最大になってい
る。20℃及び40℃では、カルシウム含有量が90%程度の
場合にピークに達する。窒素デルタ負荷量に基づいて、
75%交換されたCaNaX2.0は、97%交換されたCaX2.
0より明らかに優れた利点を持っていると言える。図3
では、20℃及び0℃で、カルシウム交換レベルが76%の
CaNaX2.0が97%交換されたCaNaX2.0より高い操作
選択性を示している。これらのデータから、CaNaX2.
0を用いると、CaX2.0を用いた場合より、プロセス条
件の設定がずっと自由になる。図10及び図11の脱着曲線
を参照すると、脱着時間が1分経過すると、サンプル1
g[CaX2.0(97%Ca)]の残留負荷がサンプル1d
[CaNaX2.0(75%Ca)]の6倍になっていることが
分かる。これらのデータは高度に交換されたゼオライト
が、交換レベルの低い組成物と比較して、再生のために
より長い時間を必要としていることがわかる。これらの
データが示唆しているもうひとつの重要な点は、脱着
後、高度に交換された材料は交換レベルの低いゼオライ
トと比較して、温度が一層低くなっている場合があるこ
とである。吸着温度の低下は、それらが低温では非常に
効率が低いので、Ca++交換レベルが非常に高いゼオラ
イトの場合に経験したのと同様の問題を引き起こす。C
aX2.3(97%Ca)の窒素脱着曲線と2.55kPa(0.37psi
a)での予想均衡吸着容量を図12に示す。CaNaX2.3
(77%Ca)の脱着曲線と1.72kPa(0.25psia)での予想
均衡吸着容量とを図13に示す。CaX2.3の残留負荷量は
0.17mmol/gm程度であり、その脱着後の予想温度は3℃
程度である。CaNaX2.3の残留負荷量は0.05mmol/gm程
度であり、脱着後の予想温度は9℃程度である。この場
合も、77%交換X2.3の方が97%交換されたものより効
率がより高い吸着剤である。CaX2.5(97%Ca)の窒
素脱着曲線と262kPa(38psia)での予想均衡吸着容量を
図13に示す。CaNaX2.5(77%Ca)の脱着曲線と、1.
72kPa(0.25psia)でのその予想吸着容量を図14に示
す。CaX2.5の残留負荷量は0.17mmol/gm程度であり、
その脱着後の温度は−13℃程度と予想される。CaNaX
2.3の均衡負荷量は0.07mmol/gm程度であり、その脱着後
の温度は−3℃程度と予想される。CaNaX2.5が−3
℃の場合とほぼ同等の残留負荷量を示すのは驚くべきこ
とである。しかしながら、これはCaNaX2.5がCaNa
X2.0及びCaNaX2.3と比較してPSA吸着剤としては
より劣っているという事実と一貫している。
【0029】
【発明の効果】本発明のゼオライト性吸着剤はPSA空
気分離プロセスにおいて、極めて優れた窒素選択吸着性
を有する吸着剤である。これをPSA空気分離プロセス
の吸着剤として用いた場合極めて効率のよい窒素、酸素
分離を行うことができる工業的に極めて有用な発明であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】40℃、20℃、及び0℃でのカルシウム交換レベ
ルにそれぞれ相関する10.7kPa(1.55psia)への脱着後
のCaNaX2.0(例えば、シリカ/アルミナ比が2:1
でCa2+及びNa1+陽イオンを含むXゼオライト)の窒素
残留負荷を示したものである。
【図2】40℃、20℃、そして0℃でのカルシウム交換レ
ベルにそれぞれ相関する14.7〜1.55psiaの範囲でのCa
NaX2.0の窒素デルタ負荷を示したものである。
【図3】40℃、20℃及び0℃でのカルシウム交換レベル
にそれぞれ相関するCaNaX2.0の窒素操作選択性を示
したものである。
【図4】40℃、20℃及び0℃でのカルシウム交換レベル
にそれぞれ相関するCaNaX2.3の窒素残留負荷、デル
タ負荷、及び操作選択性を示したものである。
【図5】40℃、20℃及び0℃でのカルシウム交換レベル
にそれぞれ相関するCaNaX2.3の窒素残留負荷、デル
タ負荷、及び操作選択性を示したものである。
【図6】40℃、20℃及び0℃でのカルシウム交換レベル
にそれぞれ相関するCaNaX2.3の窒素残留負荷、デル
タ負荷、及び操作選択性を示したものである。
【図7】40℃、20℃、及び0℃でのカルシウム交換レベ
ルにそれぞれ相関するCaNaX2.5の窒素残留負荷、デ
ルタ負荷、及び操作選択性を示したものである。
【図8】40℃、20℃、及び0℃でのカルシウム交換レベ
ルにそれぞれ相関するCaNaX2.5の窒素残留負荷、デ
ルタ負荷、及び操作選択性を示したものである。
【図9】40℃、20℃、及び0℃でのカルシウム交換レベ
ルにそれぞれ相関するCaNaX2.5の窒素残留負荷、デ
ルタ負荷、及び操作選択性を示したものである。
【図10】22℃でのCaX2.0(97%Ca)の脱着速度を
示したものである。
【図11】22℃でのCaNaX2.0(75%Ca)の脱着速度
を示したものである。
【図12】22℃でのCaX2.3(97%Ca)の脱着速度を
示したものである。
【図13】22℃でのCaNaX2.3(77%Ca)の脱着速度
を示したものである。
【図14】22℃でのCaX2.5(97%Ca)の脱着速度を
示したものである。
【図15】22℃でのCaNaX2.5(77%Ca)の脱着速度
を示したものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SiO2/Al23のモル比が2.0〜2.4のフ
    レームワークを有し、そして60〜89当量%のCa++陽イ
    オンと、10〜40当量%のNa+陽イオンと、0〜10%のK
    +陽イオンを含み、Ca++,Na+及びK+の総陽イオン当
    量が少なくとも90%であるゼオライトXで構成されるこ
    とを特徴とする循環性圧力スイング吸着プロセスに使用
    する酸素と窒素の混合物から窒素を選択的に吸着するゼ
    オライト性吸着剤。
  2. 【請求項2】 SiO2/Al23のモル比が2.0〜2.35、
    陽イオン成分が65〜80%のカルシウム及び20〜35%のナ
    トリウム陽イオンであり、カリウム陽イオンを実質的に
    含まないことを特徴とする請求項1記載のゼオライト性
    吸着剤。
  3. 【請求項3】 (a)SiO2/Al23のモル比が2.0〜
    2.4のフレームワークを有し、そして60〜89当量%のCa
    ++陽イオンと、10〜40当量%のNa+陽イオンと、0〜10
    %のK+陽イオンを含み、Ca++,Na+及びK+の総陽イ
    オン当量が少なくとも90%であるゼオライトX又はSi
    2/Al23のモル比が2.0〜2.35、のフレームワーク
    と、65〜80当量%のCa++陽イオンと、20〜35当量%の
    Na+陽イオンでありK+を実質的に含まないゼオライト
    Xで構成されるゼオライト性吸着剤を吸着床に設ける工
    程、(b)床内圧力が13.8〜506.8kPa(2〜73.5psia)
    まで上昇させ、窒素が該吸着剤に選択的に吸着されるま
    で−20℃〜50℃の温度で窒素と酸素の混合物を吸着剤床
    内に送り込む工程、(c)実質的に吸着圧力で上記吸着
    床から吸着されなかった酸素を生成物として排出する工
    程、(d)吸着された窒素を脱着させ、床圧力を101.4
    〜0.7kPa(14.7〜0.1psia)の最終圧力に低下させて床
    から窒素を排出する工程、よりなることを特徴とする酸
    素と窒素の混合物から窒素を選択的に吸着する循環性プ
    ロセス。
  4. 【請求項4】 酸素と窒素の混合物が空気であることを
    特徴とする請求項3記載の循環性プロセス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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