JPH0972787A - 光の偏光状態および光伝送媒質の偏光特性の評価方法およびその装置 - Google Patents

光の偏光状態および光伝送媒質の偏光特性の評価方法およびその装置

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JPH0972787A
JPH0972787A JP35048695A JP35048695A JPH0972787A JP H0972787 A JPH0972787 A JP H0972787A JP 35048695 A JP35048695 A JP 35048695A JP 35048695 A JP35048695 A JP 35048695A JP H0972787 A JPH0972787 A JP H0972787A
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polarization
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jones
light
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JP35048695A
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Osamu Aso
修 麻生
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Furukawa Electric Co Ltd
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Furukawa Electric Co Ltd
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01MTESTING STATIC OR DYNAMIC BALANCE OF MACHINES OR STRUCTURES; TESTING OF STRUCTURES OR APPARATUS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G01M11/00Testing of optical apparatus; Testing structures by optical methods not otherwise provided for
    • G01M11/30Testing of optical devices, constituted by fibre optics or optical waveguides
    • G01M11/33Testing of optical devices, constituted by fibre optics or optical waveguides with a light emitter being disposed at one fibre or waveguide end-face, and a light receiver at the other end-face
    • G01M11/336Testing of optical devices, constituted by fibre optics or optical waveguides with a light emitter being disposed at one fibre or waveguide end-face, and a light receiver at the other end-face by measuring polarization mode dispersion [PMD]

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光伝送媒質1の偏光状態と偏光特性を、スト
ークスベクトルを成分とするジョーンズベクトルとジョ
ーンズ行列によって評価する。 【解決手段】 入射側装置2から光伝送媒質1に3種類
の偏光状態の光を入れ、出射側の分岐光Iと方位0°,
90°,45°の検光子を通る分岐光Q,U,Vは光強度検
出部9o ,9a〜9cによりストークスベクトルとして
検出する。ストークスベクトルは第1の規格化部20でS
1 =Q/I,S2 =U/I,S3 =V/Iの如く規格化
し、さらに第2の規格化部21でSi/√(S1 2+S2 2
3 2)⇒siの如く単位長さに再規格化する。偏光状態
評価部15は、再規格化ストークスベクトルを成分とする
ジョーンズベクトルを実測し、光伝送媒質1の偏光状態
を評価する。偏光特性評価部は、再規格化ストークスベ
クトルを成分としたジョーンズ行列を実測し、光伝送媒
質1の偏光特性を評価する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光の偏光状態を利用
する工業分野において、一般に光の偏光状態および光伝
送媒質の偏光依存特性を測定する方法およびその装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】光伝送媒質の偏光状態や偏光特性(偏光
依存特性)を解析する代表的な手段として、ストークス
ベクトルを基礎とした解析法(以後ミューラーの解析法
と称す(文献〔18〕)とジョーンズベクトルを基礎とし
た解析法(以後ジョーンズの解析法と称す(文献〔1
8〕)が知られている。なお、本件明細書で引用する文
献の一覧は表1〜表3に示す。これらの表中、〔1〕〜
〔15〕は論文であり、〔16〕〜〔22〕は図書を示す。ま
た、ジョーンズ解析法とミューラーの解析法の比較結果
は表4に示す。
【0003】
【表1】
【0004】
【表2】
【0005】
【表3】
【0006】
【表4】
【0007】ジョーンズの解析法は完全偏光しか取り扱
えないという難点にもかかわらず、一度目的とする光伝
送媒質のジョーンズ行列の知識を得た場合に、ミューラ
ーの解析法と比べて取り扱いが非常に簡便である。この
ことは、ミューラーの解析法では、規格化されたストー
クスベクトルを考える場合、3行3列の実成分を有する
ミューラー行列を扱わなければならないが、ジョーンズ
の解析法ではミューラー行列に対応する物理量として2
行2列で記述できるジョーンズ行列を扱えばよいことに
ある。
【0008】実際に、ミューラー行列とジョーンズ行列
は3次元ユークリッド空間内の回転を表す異なった表現
である。このことは1972年に竹中により明らかにされ
(文献〔1〕)、上記2つの行列の集合は各々群を成す
ことが知られている。これらの群は数学的にO(3),
SU(2)と表され、3次元回転群、および2次元特殊
ユニタリー群と呼ばれる(文献〔19〕)。この対応を考
えるとき、ジョーンズベクトルとストークスベクトルは
スピノールとベクトルの間の変換で互いに結びつき、こ
の変換は同型複像である。
【0009】このような背景の中で、これまでの偏光解
析ではポアンカレ球(文献〔16〕)による直感的な偏光
状態の表現、およびストークスベクトルの各成分が光強
度の次元を有し、かつ測定による決定が可能であるとい
う事実から、媒質の偏光特性の実験結果を解析する場合
に主としてミューラーの解析法が用いられてきた(文献
〔2〕)。
【0010】ところが、文献〔16〕に示されているよう
に、上記2つの解析法は互いに長所と短所を持ち合わせ
ている。このため、光伝送媒質の偏光特性の解析を行う
ために、解析の目的によってはジョーンズの解析方法を
用いた方が便利な場合も多く考えられる。光伝送媒質の
ジョーンズ行列を測定する際に、これまで用いられてい
る方法は1947年にR.C.Jones が提案したものであ
り、この測定方法について以下に説明を行う。(文献
〔3〕,〔4〕)。光伝送媒質のジョーンズ行列Uを
(数17)のようにおく。
【0011】
【数17】
【0012】このとき、これらのパラメータの間には以
下の関係が成り立つ。
【0013】η4 =β・・・・・(1.1)
【0014】η2 =βk2 ・・・・・(1.2)
【0015】η3 =βk4 ・・・・・(1.3)
【0016】η=βk1 4 ・・・・・(1.4)
【0017】したがって、実験により上式右辺の4つの
パラメータを実測できれば、求める光伝送媒質のジョー
ンズ行列が決定する。Jones はこの問題に対して、
【0018】
【数18】
【0019】なる3種類の偏光状態を媒質に入射し、そ
の応答を
【0020】
【数19】
【0021】とおくと以下の関係式が成立するとした。
【0022】k1 =h1 /h2 ・・・・・(2.1)
【0023】k2 =ν1 /ν2 ・・・・・(2.2)
【0024】k3 =q1 /q2 ・・・・・(2.3)
【0025】 k4 =(k3 −k2 )/(k1 −k3 )・・・・・(2.4)
【0026】この式では右辺は電界の比である。したが
って、関係式(1.1)から(1.4)を用い、適当な
βの値を決定することにより、求める光伝送媒質のジョ
ーンズ行列が決定できる。以上が1947年にR.C.Jone
s により提案され、現在まで用いられているジョーンズ
行列の測定法である。
【0027】光産業の分野において、光伝送媒質のジョ
ーンズ行列を正確に決定することは非常に重要であり、
特に光通信の分野では、最近発達した光増幅器を用いた
長距離大容量通信において重要なパラメータの1つとし
て知られる、シングルモード光ファイバの偏波モード分
散の測定を行うのにもジョーンズ行列の測定を基礎とし
ている(文献〔4〕,〔6〕)。任意の光伝送媒質にお
けるジョーンズ行列を考える際には、以下のような特徴
がある。
【0028】(1)偏光依存損失が無視できる場合、ジ
ョーンズ行列は以下の形式に書くことが可能である(文
献〔6〕)。
【0029】T=exp (ρ)U・・・・・(3)
【0030】ここでρは媒質全体において、偏光に依存
しない損失を表し、Uは2行2列の単膜ユニタリー行列
(文献〔20〕)であり、一般に(数20)のように書ける
(文献〔21〕)。式中の、*印は複素共役を示す。
【0031】
【数20】
【0032】(2)複屈折が時間・空間的に一様である
場合には、適当なユニタリー変換を行うことにより行列
を対角行列と回転を表す行列の和に分解できる。これら
は各々直線性複屈折(linear birefringence )および円
複屈折(circular birefringence)と呼ばれ、この2つ
の和は楕円性複屈折(elliptical birefringence)と呼
ばれる。
【0033】(3)偏光依存損失がある場合には、ジョ
ーンズ行列を式(3)のように表したときのUの行列式
は1より小さい。
【0034】(4)ジョーンズ行列は、媒質が完全偏光
を有する場合に正確な記述になっている。(文献〔1
6〕)。
【0035】以上の性質より、媒質を通過した光がほぼ
完全偏光と見做せるほど偏光度が十分であり、媒質の偏
光依存損失が殆ど無視できる場合、ジョーンズ行列をユ
ニタリー行列の形式で表すことは媒質の偏光特性の解析
上非常に便利である。実際にPoole とWagnerは、ジョー
ンズ行列がユニタリー性を有していることを基礎にして
主偏光状態と呼ばれる、光伝送媒質に偏光モード結合が
ある際の偏波モード分散を考察する場合に非常に有用な
概念を導いて議論を展開している(文献〔6〕)。ま
た、麻生らは偏光モード結合がある際の偏波モード分散
を波長掃引法で評価する場合の理論式を提案しており、
この理論式は2本の偏波保持光ファイバを角度をずらし
て接続した場合に、実際値で得られる結果をよく説明し
ている(文献〔7〕,〔8〕)。これらの実験と理論の
整合性は、全てジョーンズ行列のユニタリー性に起因し
た結果である。
【0036】
【発明が解決しようとする課題】既出の通り、ジョーン
ズベクトルは電場の次元を有するために直接的な測定は
不可能である。ジョーンズベクトルと直接測定可能なス
トークスベクトルとの関係は知られており、ストークス
ベクトルをジョーンズベクトルの成分で表現することは
知られている。基本的にジョーンズベクトルは完全偏光
を記述する方法であるため、偏光度が100 %の場合に成
り立つ概念である。すなわち、光の偏光状態をストーク
スベクトル
【0037】
【数21】
【0038】で表し、規格化されたストークスベクトル
【0039】
【数22】
【0040】により定義する。規格化ストークスベクト
ルは、光の測定結果(光強度の測定結果)から演算処理
を行うことにより決定できる物理量である。これらの成
分の間に
【0041】S1 2+S2 2+S3 3=1・・・・・(4)
【0042】なる関係式が成り立つ場合、すなわち、光
が完全偏光している場合に限り、ジョーンズベクトルと
規格化されたストークスベクトルの間に1対1の関係が
成り立つ。この関係に関して、規格化されたストークス
ベクトルをジョーンズベクトル
【0043】
【数23】
【0044】の成分で表現すると、以下のようになるこ
とが知られている。
【0045】
【数24】
【0046】この表現は幾何学的な解釈でパウリ行列
(文献〔20〕)
【0047】
【数25】
【0048】を用いて
【0049】
【数26】
【0050】と表されることが知られている(文献
〔9〕)。(数26)における関係は上記の関係式の(数
24)と等価である。このようにして規格化ストークスベ
クトルをジョーンズベクトルの成分で表すことは可能で
ある。この(数26)式中のξの左肩の+印はエルミート
共役を示す。
【0051】既出のようにJones 自らが提案したジョー
ンズ行列の測定法では、実質的に行列の要素を個々に求
める。このため、必ずしも測定により得られたジョーン
ズ行列がユニタリー行列の形式をしているとは限らな
い。この理由は以下の3点にまとめられる。(a)個々
の行列要素を求める際の測定誤差が少しでもあればジョ
ーンズ行列のユニタリー性が保たれなくなる。(b)媒
質の偏光依存損失が完全に0でない場合には、ジョーン
ズ行列がユニタリー行列の形式にならない。(c)媒質
を通過した光の偏光度が100 %でない場合には、ジョー
ンズベクトルが理論と整合性がとれた表現にならない。
【0052】これらの理由のために測定で評価されたジ
ョーンズ行列はユニタリー形式にならず、得られた行列
から光伝送媒質の有する複屈折に関する情報を読み取る
ことが困難になっている。
【0053】既出の通り、偏波モード分散はPoole and
Wagnerによりジョーンズ行列の理論を元に、主偏光状態
の考え方から議論された。この考え方に基づいてHeffne
r は偏波モード分散の測定装置の開発を行った。Heffne
r による報告では、既出のR.C.Jones の原論文に従
った方法(文献〔3〕,〔4〕)で行列の決定を行って
いるため、測定された光伝送媒質の偏波依存損失が少し
でもあれば、ジョーンズ行列を(数20)に示すようなユ
ニタリー行列の形になるように測定できない。このた
め、Poole とWagnerが文献〔6〕で提出した、偏波モー
ド分散を評価するために必要な固有値方程式そのものの
評価は妥当ではなく、これに対応する別の方程式を解く
ことにより、偏波モード分散を評価している。さらに文
献〔4〕において、Heffner はこの別の方程式を効率良
く解くために指数関数近似(the exponential approxim
ation )と呼ばれる、Poole とWagnerの理論とは関係の
ない近似を用いている。
【0054】これらの理由から、Heffner が示した偏波
モード分散の測定法は、Poole andWagnerによる主偏光
状態の理論を完全に満たした測定法であるか否かの議論
を残すことになる。このような事情から、Aso らは80km
の分散シフト光ファイバを用いて、指数関数近似が成立
する範囲と一次微小量近似が成立する範囲を調べた。こ
の結果、長尺の単一モード光ファイバにおいては、2つ
の近似がほぼ一致していることを確認した(文献〔1
0〕,〔11〕)。しかし、このことが一般の伝送媒質に
対して成り立つという保証はない。以上に示した理由か
ら、ジョーンズ行列をユニタリー形式になるように評価
することが、光伝送媒質の偏光特性を理解する上で重要
である。
【0055】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
り、その目的は、光の偏光状態を記述するジョーンズベ
クトルと、光の偏光特性を記述するジョーンズ行列を、
光強度の次元を有して実測可能なストークスベクトルを
用いてどのように表現できるかを明確化し、さらに、ス
トークスベクトルの測定誤差等により、完全偏光の状態
にならなかったり、偏波依存損失がある場合において
も、偏光度がほぼ完全偏光に近い状態にあり、かつ、偏
波依存損失があってもそれが無視できるレベルの場合に
は、完全偏光の状態と等価に扱うことができるようにジ
ョーンズベクトルを規格化あるいは再規格化されたスト
ークスベクトルの関数として表現し、かつ、ジョーンズ
行列を規格化あるいは再規格化されたストークスベクト
ルを成分としたユニタリー形式で評価することが可能な
光の偏光状態および光伝送媒質の偏光特性の評価方法お
よびその装置を提供することにある。
【0056】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、次のような手段を講じている。すなわち、
第1の発明は光の偏光状態の評価方法に関し、ジョーン
ズによる計算法によって光の偏光状態を与える二次元複
素ベクトルからなる(数27)で示されるジョーンズベク
トルΨ
【0057】
【数27】
【0058】を大きさが1となるように(数28)のよう
に規格化し、
【0059】
【数28】
【0060】同様に、ミューラーによる計算法によって
光の偏光状態を与える4次元実ベクトルからなる(数2
9)で示されるストークスベクトル
【0061】
【数29】
【0062】を大きさが1となるようにS1 =Q/I,
2 =U/I,S3 =V/Iのように規格化し、この規
格化したストークスベクトル間に、光の偏光度が100 %
である場合に成り立つS1 2+S2 2+S3 2=1の条件と、
この条件のもとに成立する S1 =|ξ1 2 −|ξ2 22 =2Re [ξ1 ξ2 ](Re は実数部を示す) S3 =2Im [ξ1 ξ2 ](Im は虚数部を示す) の関係式とを用いてジョーンズベクトルを規格化ストー
クスベクトルを成分として(数30),(数31)の如く表
し(γは任意位相因子)、
【0063】
【数30】
【0064】
【数31】
【0065】次の(数32)に示す極限操作が成り立つこ
とを利用し、
【0066】
【数32】
【0067】この極限操作を前提とすることにより、ジ
ョーンズベクトルによる偏光状態の表示を(数33)に示
す如く、
【0068】
【数33】
【0069】実測可能な規格化ストークスベクトルで表
現し、測定とその規格化により求められる規格化ストー
クスベクトルを用いて光の偏光状態を(数33)のジョー
ンズベクトルにより評価する構成をもって課題を解決す
る手段としている。
【0070】第2の発明は同じく光の偏光状態の評価方
法に関し、前記第1の発明における規格化ストークスベ
クトルS1 ,S2 ,S3 を(数34)によってs1
2 ,s 3 の如く再規格化し、
【0071】
【数34】
【0072】規格化ストークスベクトルの代わりに再規
格化ストークスベクトルを用いて(数33)のジョーンズ
ベクトルを評価することを課題解決の手段としている。
【0073】第3の発明は光伝送媒質の偏光特性の評価
方法に関し、光伝送媒質に3種類の異なった、偏光状態
が既知の入射光を入れ、各々の入射光に対応する出射偏
光状態を規格化ストークスベクトルとして測定および評
価し、光伝送媒質の出射端の偏光状態を請求項1による
ジョーンズベクトルで評価し、入射光の偏光状態を記述
する既知のジョーンズベクトルと前記出射光の測定から
評価されたジョーンズベクトルとの関係から光伝送媒質
の偏光特性を示すジョーンズ行列を前記規格化ストーク
スベクトルを成分としたユニタリー形式で求め、このユ
ニタリー形式のジョーンズ行列によって光伝送媒質の偏
光特性を評価する構成をもって課題を解決する手段とし
ている。
【0074】第4の発明は、同じく光伝送媒質の偏光特
性の評価方法に関し、前記第3の発明の規格化ストーク
スベクトルを請求項2に記載した(数8)によって再規
格化し、規格化ストークスベクトルの代わりに再規格化
ストークスベクトルを用いて表現したユニタリー形式の
ジョーンズ行列によって光伝送媒質の偏光特性を評価す
る構成を課題解決の手段としている。
【0075】第5の発明は、同じく光伝送媒質の偏光特
性の評価方法に関し、前記第3又は第4の発明における
光伝送媒質の偏光特性の評価は、別途行う偏光依存損失
の測定により、偏光依存損失が0又は十分小さいことを
確認して行う構成を課題解決の手段としている。
【0076】第6の発明は、光の偏光状態の評価装置に
関し、ジョーンズによる計算法によって光の偏光状態を
与える二次元複素ベクトルからなる(数35)で示される
ジョーンズベクトルΨ
【0077】
【数35】
【0078】を大きさが1となるように(数36)のよう
に規格化するジョーンズベクトル規格化部と、
【0079】
【数36】
【0080】同様に、ミューラーによる計算法によって
光の偏光状態を与える4次元実ベクトルからなる(数3
7)で示されるストークスベクトル
【0081】
【数37】
【0082】を大きさが1となるようにS1 =Q/I,
2 =U/I,S3 =V/Iのように規格化するストー
クスベクトル規格化部と、この規格化したストークスベ
クトル間に、光の偏光度が100 %である場合に成り立つ
1 2+S2 2+S3 2=1の条件と、この条件のもとに成立
する S1 =|ξ1 2 −|ξ2 22 =2Re [ξ1 ξ2 ](Re は実数部を示す) S3 =2Im [ξ1 ξ2 ](Im は虚数部を示す) の関係式とを用いてジョーンズベクトルを規格化ストー
クスベクトルを成分として(数38,数39)の如く表し
(γは任意位相因子)、
【0083】
【数38】
【0084】
【数39】
【0085】次の(数40)に示す極限操作が成り立つこ
とを利用し、
【0086】
【数40】
【0087】この極限操作を前提とすることにより、ジ
ョーンズベクトルによる偏光状態の表示を(数41)に示
す如く、
【0088】
【数41】
【0089】実測可能な規格化ストークスベクトルで表
現し、測定とその規格化により求められる規格化ストー
クスベクトルを用いて光の偏光状態を(数41)のジョー
ンズベクトルにより評価する偏光状態評価部とを有する
構成をもって課題を解決する手段としている。
【0090】第7発明は、同じく光の偏光状態の評価装
置に関し、前記第6発明における規格化ストークスベク
トルS1 ,S2 ,S3 を(数42)によって再規格化する
【0091】
【数42】
【0092】ストークスベクトル再規格化部が設けら
れ、偏光状態評価部は規格化ストークスベクトルの代わ
りに再規格化ストークスベクトルを用いて(数41)のジ
ョーンズベクトルを評価する構成をもって課題解決の手
段としている。
【0093】第8の発明は、光伝送媒質の偏光特性の評
価装置に関し、光伝送媒質に少くとも3種類の異なった
偏光状態の入射光の入射が可能な光入射手段と、光伝送
媒質を通過する各々の偏光状態の出射光をストークスベ
クトルとして測定する出射光測定手段と、測定されたス
トークスベクトルを規格化するストークスベクトル規格
部と、光伝送媒質の偏光特性を示すジョーンズ行列を前
記規格化ストークスベクトルを成分としてユニタリー形
式で求め、このユニタリー形式のジョーンズ行列によっ
て光伝送媒質の偏光特性を評価する偏光特性評価部とを
有する構成をもって課題を解決する手段としている。
【0094】第9の発明は、同じく光伝送媒質の偏光特
性の評価装置に関し、前記第8の発明における規格化ス
トークスベクトルを請求項2に記載した(数8)によっ
て再規格化するストークスベクトル再規格化部が設けら
れ、偏光特性評価部は規格化ストークスベクトルの代わ
りに再規格化ストークスベクトルを用いて評価されたユ
ニタリー形式のジョーンズ行列によって光伝送媒質の偏
光特性を評価する構成をもって課題を解決する手段とし
ている。
【0095】前述のように、規格化ストークスベクトル
をジョーンズベクトルの成分を用いて表すと、(数24)
の式として与えられる。しかし、ジョーンズベクトルを
規格化ストークスベクトルを成分としてどのように記述
できるかに関しては従来から明らかではなく、本発明者
は、これを明らかにすべく、(数24)の式から、ジョー
ンズベクトルξ1 ,ξ2 を解き、次の(数43),(数4
4)の2種類の解を得た。
【0096】
【数43】
【0097】
【数44】
【0098】この(数43)と(数44)の2式は共に満た
すべき条件を満たしており、ジョーンズベクトルを規格
化ストークスベクトルを用いて実測評価する場合に、ど
ちらの数式が採用可能かを決定することが必要となる。
【0099】ここで、規格化ストークスベクトルの表す
表現と(数43),(数44)の表す表現を元に、電場の振
幅と位相差から定義されるジョーンズベクトル(文献
〔16〕)とを比較すると表5のようになる。
【0100】
【表5】
【0101】この表により、正確にジョーンズベクトル
を表現しているのは、(数44)の方だということが分か
る。ところで、S1 =−1において(数44)の分母は発
散してしまうが、光の偏光度が100 %であるS1 2+S2 2
+S3 2=1の条件からS1 =−1ということはS2 =S
3 =0ということを示す。つまり、(S1 ,S2
3 )→(−1,0,0)という極限で(数40)の式が
成り立つため、(S1 ,S2 ,S3 )=(−1,0,
0)の場合に上記(数40)で置き換えることを前提とす
れば、実測可能な規格化ストークスベクトルを成分とす
るジョーンズベクトルの表現は(数44)で与えられるこ
とになる。このことを利用すれば、ジョーンズベクトル
は規格化ストークスベクトルの実測値から適当な演算処
理によって評価できる。このようにして、測定可能な物
理量による具体的なジョーンズベクトルの表現に書き下
せることが明らかになった。
【0102】上記の方法は陰に関係式(4)が成り立つ
ことを仮定している。このため(数44)による表現は、
光が完全偏光でない場合には適用できない。そこで、ジ
ョーンズベクトルの実測評価に際しては、予め光の偏光
度を測定し、偏光度は100 %以下であっても十分偏光し
た光だと見做せることを確認する。このことが確認でき
れば、(数42)に示すように規格化ストークスベクトル
を再規格化した「再規格化ストークスベクトル」を用い
る。このとき、再規格化ストークスベクトルの各成分s
1 2 ,s3 の間には必ずs1 2+s2 2+s3 2=1なる関
係を満足するため、規格化ストークスベクトルの代わり
に再規格化ストークスベクトルを用いてジョーンズベク
トルを(数44)の形式で評価することにより、測定可能
な物理量によるジョーンズベクトルの最適な表現を得る
ことができる。本発明では、このようにして完全偏光で
なくとも十分偏光度が大きな場合について、規格化スト
ークスベクトルを再規格化することにより、ジョーンズ
ベクトルの測定値による表現が可能であることを明らか
にし、その具体的な手法を示した。
【0103】ジョーンズ行列は、目的とする光伝送媒質
の偏光依存損失が0である場合において、(数20)で示
したユニタリー形式で記述できる。しかし、偏光依存損
失が0でなくとも十分小さく無視できる場合には、行列
をユニタリー形式で表現した方が解析上便利なことが多
い。具体的には、既出のように偏波モード分散の測定を
行う際にHeffner が行ったような、理論と無関係な近似
を導入する必要がなくなる。以下に具体的なユニタリー
形式化の手順を示す。具体的には、別途行った偏光依存
損失の測定により、偏光依存損失が0又は十分小さいと
見做せる光伝送媒質に対して、A,B,Cの3種類の入
射偏光状態をジョーンズベクトルの表現により(数45)
で表し、
【0104】
【数45】
【0105】伝送媒質の偏光特性を記述するジョーンズ
行列(文献〔I〕)をユニタリー行列の(数20)の形式
で規定する。また、上記伝送媒質を通過後に測定された
光のストークスベクトルを規格化(又は再規格化)した
量で(数46)で表すと、
【0106】
【数46】
【0107】前出のジョーンズベクトルのストークスベ
クトルによる表現を用いるとにより、入射光A,Bとそ
れらの応答に対応する規格化(又は再規格化)されたス
トークスベクトルの成分の量の間にはγA ,γB を任意
位相因子として以下の4つの関係式が成り立つ。
【0108】 [(1+s1 A )/√{2(1+s1 A )}]exp (iγA )=u1 ξ1 A + u2 ξ2 A ・・・・・(5.1)
【0109】 [(1+s1 B )/√{2(1+s1 B )}]exp (iγB )=u1 ξ1 B + u2 ξ2 B ・・・・・(5.2)
【0110】 [(s2 A +is3 A )/√{2(1+s1 A )}]exp (iγA )=u1 * ξ2 A −u2 * ξ1 A ・・・・・(5.3)
【0111】 [(s2 B +is3 B )/√{2(1+s1 A )}]exp (iγB )=u1 * ξ2 B −u2 * ξ1 B ・・・・・(5.4)
【0112】これらの式で入射偏光状態を記述するジョ
ーンズベクトルξi (i=1,2)は事前に決定するこ
とが可能であり、規格化(又は再規格化)されたストー
クスベクトルsは光強度の測定により得ることができる
ため、これらは既知の物理量として取り扱う。上記の方
程式系は実部と虚部を考えると8つの方程式であり、求
める変数の数の行列要素u1 ,u2 の実部と虚部、およ
びγA ,γB で合計6つであることを考えると6つの変
数の全てが決まりそうであるが、これらの式には
【0113】 |u1 2 +|u2 2 =1・・・・・(6)
【0114】 |ξ1 A 2 +|ξ2 A 2 =1・・・・・(7)
【0115】 |ξ1 B 2 +|ξ2 B 2 =1・・・・・(8)
【0116】という3つの束縛条件があるために、方程
式の自由度は8−3=5である。したがって、変数が1
つ決定できない。このために、
【0117】γ≡γA +γB ・・・・・(9)
【0118】で定義する変数を用いてγB を書き換える
ことにより、他の変数を全てγA の関数として表し、求
めるべきジョーンズ行列を(数47)のように求めること
が可能である。
【0119】
【数47】
【0120】この行列はユニタリー行列である。残った
変数γA を求めるために、この行列で表される式に入射
光Cを通過させることを考える。このとき、(数48)の
関係が成り立つため、
【0121】
【数48】
【0122】この関係からγC とγA を求めることによ
り、ジョーンズ行列の全ての成分を決定できる。このよ
うにして決定したジョーンズ行列はユニタリー行列であ
る。
【0123】予め伝送媒質の偏光依存損失を測定し、媒
質の偏光依存損失が十分小さいことを確認した後、波長
幅の狭い光源から出射される光を伝送媒質入射し、伝送
媒質によりデポラライズされないことを確認する。これ
らの条件を確認した上で、上記のような手順に従い伝送
媒質のジョーンズ行列をユニタリー行列の形で求めるこ
とが可能である。
【0124】
【実施形態例】以下、本発明の実施形態例を図面に基づ
いて説明する。図1には光伝送媒質1の偏光状態や偏光
特性の評価を行う装置の一実施形態例の要部構成が示さ
れている。この実施形態例の評価装置は、光入射手段と
しての入射側装置2と、出射側装置3とを有しており、
入射側装置2は光源4と、偏光子および位相子を組み合
わせてなる位相補償器5を有して構成されており、光源
4はDFBレーザ等、発信光の波長幅が狭く、かつ、時
間的に安定して発信できるものを用いている。位相補償
器5は光源4から出力された入射光の入射偏光状態を制
御するもので、少くとも3種類の異なる偏光状態を作製
制御する機能を有しており、この位相補償器5で制御さ
れた偏光状態の光が光伝送媒質1の入射端に入射される
のである。
【0125】出射側装置3は測定器本体6内に設けられ
る出射光測定手段11と、ストークスベクトル規格化部12
と、偏光特性評価部13と、ジョーンズベクトル規格化部
14と、偏光状態評価部15とを有して構成されている。
【0126】出射光測定手段11は、検光子7a〜7c
と、方位0°の4分の1波長板8と、光強度検出部
o ,9a 〜9c と、光電変換器10o ,10a 〜10c とを
有して構成されている。被測定対象の光伝送媒質1を通
った光は、出射端で、4方向I,Q,U,Vに分岐され
る。検光子7aは測定器の座標系に対して水平方向を向
いた方位0°の検光子で、分岐光Qを水平方向に検光
し、x偏波を作り出す。検光子7bは測定器の座標系に
対して垂直方向を向いた方位90°の検光子であり、分岐
光Uを垂直方向に検光し、y偏波を作り出す。検光子7
cは測定器の座標系に対して45度の方向を向いた方位45
°の検光子であり、分岐光Vを45度の方向に検光する。
4分の1波長板8は測定器の座標系に対してし主軸が水
平方向を向いた4分の1波長板であり、検光子7cで検
光された分岐光Vをこの4分の1波長板8を通して後段
へ出力する。
【0127】光強度検出器9o は、分岐光Iの光強度を
ストークスベクトルIとして検出する。同様に、光強度
検出器9a は検光子7aを通過して入射する分岐光Qの
光強度をストークスベクトルベクトルQとして検出す
る。同様に、検光子9b は分岐光Uの光強度をストーク
スベクトルUとして検出する。同じく光強度検出器9c
は検光子7c、4分の1波長板8を介して入射してくる
分岐光Vの光強度をストークスベクトルVとして検出す
る。そして、これら、光強度検出器9o ,9a 〜9c
検出された各分岐光の光強度(ストークスベクトル)
は、対応する光電変換器10o ,10a 〜10c によって光強
度の信号から電気信号に変換されてストークスベクトル
規格化部12に供給される。
【0128】ストークスベクトル規格化部12は、第1の
規格化部20と第2の規格化部21とを備えており、第1の
規格化部20は、ストークスベクトルQ,U,Vを、スト
ークスベクトルIを基準として、次の(10)式の演算に
よって規格化する。
【0129】 S1 =Q/I,S2 =U/I,S3 =V/I・・・・・(10)
【0130】第2の規格化部21は、前記(10)式によっ
て規格化されたストークスベクトルS1 ,S2 ,S
3 を、次の(11)式によって単位長さに再規格化する。
【0131】 Si/{√(S1 2 +S2 2 +S3 2 )}=s1 ・・・・・(11)
【0132】ただし、i=1,2,3
【0133】ジョーンズベクトル規格化部14はジョーン
ズによる計算法によって光の偏光状態を与える二次元複
素ベクトルからなる(数35)で示されるジョーンズベク
トルΨを大きさが1となるように(数36)のように規格
化する。
【0134】偏光状態評価部15は、ミューラーによる計
算法によって光の偏光状態を与える4次元実ベクトルか
らなる(数37)で示されるストークスベクトルを大きさ
が1となるようにS1 =Q/I,S2 =U/I,S3
V/Iの如くストークスベクトル規格化部12で規格化さ
れた値と、前記ジョーンズベクトル規格化部14によって
規格化されたジョーンズベクトルとを用い、さらに、
【0135】S1 =|ξ1 2 −|ξ2 2
【0136】 S2 =2Re [ξ1 ξ2 ](Re は実数部を示す)
【0137】 S3 =2Im [ξ1 ξ2 ](Im は虚数部を示す)
【0138】の関係式を用い、ジョーンズベクトルを規
格化ストークスベクトルを成分として(数38)の如く解
く。そして、(数39),(数40)に示す極限操作が成り
立つことを利用し、被測定対象の偏光状態を(数41)の
表現を用いて評価する。
【0139】偏光特性評価部13は、再規格化されたスト
ークスベクトルs1 ,s2 ,s3 を用いて、光伝送媒質
1の偏光特性を記述するジョーンズ行列を算出する。こ
のジョーンズ行列の算出の手法は、記述したように3種
類の入射偏光状態の光A,B,Cをジョーンズベクトル
の表現により、前記(数45)の如く表し、(数20)のよ
うなユニタリー形式で光伝送媒質1のジョーンズ行列を
記述し、前記単位長さに再規格化されたストークスベク
トルを用いて、ジョーンズ行列の全ての成分を決定した
(数47)のように、光伝送媒質1の偏光状態を記述する
ジョーンズ行列をユニタリー形式で評価する。
【0140】本実施形態例の装置は上記のように構成さ
れており、次に、この装置を用いた光伝送媒質1の偏光
状態や偏光特性の評価例を以下に示す。
【0141】本実施形態例においては、2種類の偏波保
持光伝送媒質(文献〔14〕,〔15〕,〔22〕)を例にと
り、適当な入射偏光状態を有する光を透過させた場合の
出力の偏光状態や偏光特性の検出(評価)を、具体的な
数値例計算を挙げることで考察する。具体的には、得ら
れる出射偏光状態をミューラーの理論に基づいて計算す
る。その後、この結果を(数44)で変換した場合に、対
応する偏光状態を記述するジョーンズベクトルになって
いるか否かを評価する。ただし、簡単のために媒質を通
過後の光は完全偏光していると見做し、媒質の偏光依存
損失は0とする。媒質を通過後の光が非偏光成分をわず
かに含む、もしくは媒質の偏光依存損失が0ではないが
十分無視しうる程度に小さい場合には、規格化ストーク
スベクトルの再規格化の手順を行うことで同じ手順に帰
着する。
【0142】直線性複屈折(linear birefringence)媒
質は、方位に平行あるいは直交する直線偏光を保持する
性質を有する。よく知られている例として、方位0°の
4分の1波長板(文献〔16〕)は(数49)のミューラー
行列で記述される。
【0143】
【数49】
【0144】この媒質に45°の方位を有する直線偏光を
入射させることを考える。4分の1波長板は、45°の方
位で入射してきた直線偏光を円偏光として出射する性質
がある。実際、出力の偏光状態は規格化ストークスベク
トルの形で(数50)のように表せる。
【0145】
【数50】
【0146】出力の結果は円偏光であり、このことは上
記事実と一致する。この結果を(数44)で変換すると、
対応する出力のジョーンズベクトルは(数51)となる。
【0147】
【数51】
【0148】これは正に円偏光を表す表示である。
【0149】円複屈折(circular birefringence)は円
偏光を保持する性質を有する。ミューラー行列による表
現では(数52)となる。
【0150】
【数52】
【0151】角度θでパラメータ付けされる行列は、偏
光状態の方位をθだけ回転させる性質を持つ。(数52)
で表した行列はθ=45°の場合である。実際、方位0の
直線偏光を入射した場合、出力は
【0152】
【数53】
【0153】となり、45°の方位の直線偏光である。こ
の結果を(数44)を用いてジョーンズベクトルの表現に
直すと、
【0154】
【数54】
【0155】となり、45°の方位の直線偏光である。
【0156】特別な2例のみではあるが、以上の結果か
ら(数44)を用いることで偏光状態を記述するジョーン
ズベクトルを規格化(又は再規格化)されたストークス
ベクトルの成分で記述する試み(評価)の正当性が示さ
れている。
【0157】次に、光伝送媒質の偏光状態や偏光特性を
一般論を用いて評価する具体的な計算手順について述べ
る。ここでは検出された光は完全偏光しているとして、
規格化ストークスベクトルのみで議論を行う。既述した
ように入射偏光状態は、方位0°,90°,45°の3種類
とする。これらの偏光状態は、ジョーンズベクトルの表
現により(数18)となる。各々の入射光に対して、被測
定光伝送媒質の出射端における測定から得られる規格化
ストークスベクトルを(数46)のようにおく。(数44)
の式を用いると、(数18)で示した各々の入射偏光を光
伝送媒質1に入れた場合に、出力の偏光状態は以下のよ
うに与えられる。
【0158】(A)方位0°直線偏波
【0159】
【数55】
【0160】(B)方位90°直線偏波
【0161】
【数56】
【0162】(C)方位45°直線偏波
【0163】
【数57】
【0164】以下、このことを元にしてジョーンズ行列
の各成分を決定する。(数55),(数56)から以下の方
程式系を得る。
【0165】 [(1+S1 A )/√{2(1+S1 A )}]exp (iγA )=u1 ・・・・ ・(12)
【0166】 [(1+S1 B )/√{2(1+S1 B )}]exp (iγB )=u2 ・・・・ ・(13)
【0167】 [(S2 A +iS3 A )/√{2(1+S1 A )}]exp (iγA )=−u2 * ・・・・・(14)
【0168】 [(S2 B +iS3 B )/√{2(1+S1 B )}]exp (iγB )=u1 * ・・・・・(15)
【0169】式(12)および(13)より、
【0170】 |u1 |=√{(1+S1 A )/2},|u2 |=√{(1+S1 B )/2} ・・・・・(16)
【0171】という関係式を得ることができ、これらを
式(14),(15)に代入することにより
【0172】 u1 * /|u1 |=exp (−iγA )=[(S2 B +iS3 B )/√{(1+ S1 A )(1+S1 B )}]exp (iγB )・・・・・(17)
【0173】および
【0174】 u2 * /|u2 |=exp (−iγB )=−[(S2 A +iS3 A )/√{(1 +S1 A )(1+S1 B )}]exp (iγA )・・・・・(18)
【0175】という関係式を各々得ることになる。そこ
で、式(17),(18)の相加平均をとると、
【0176】 exp [−i(γA +γB )]=(1/2)[(S2 B +iS3 B )/√{(1 +S1 A )(1+S1 B )}−(S2 A +iS3 A )/√{(1+S1 A )(1 +S1 B )}]・・・・・(19)
【0177】となる。実際の評価では、右辺は測定値の
みから決定されるために誤差を含み、大きさが1になる
とは限らないため以下のように規格化された値を採用
し、任意位相因子γの値を求める。
【0178】 exp (iγ)≡exp [−i(γA +γB )]=[{(S2 B −S2 A )+i( S3 B −S3 A )}/√{(S2 B −S2 A 2 +(S3 B −S3 A 2 }]・ ・・・・(20)
【0179】ここで定義された量を用いることにより、
ジョーンズ行列は以下の(数58)のようにγA の関数と
して表すことができる。
【0180】
【数58】
【0181】ところで、この行列の行列式は
【0182】 det U=1+(1/2)(S1 A +S1 B )・・・・・(21)
【0183】であるため理論的には1になるが、実験誤
差(ストークスベクトルの測定誤差)を考えればこの値
で行列を規格化した(数59)を用いる方が適当である。
【0184】
【数59】
【0185】これにより、ジョーンズ行列をγA の関数
としてユニタリー形式に書けることが示せた。この伝送
媒質に入射偏光状態ξC の光Cを入射すると、(数60)
なる関係式を得る。
【0186】
【数60】
【0187】したがって、
【0188】 x=exp (iγA ),y=exp (iγC )・・・・・(22)
【0189】とおいて以下の方程式を解きxを求めるこ
とにより、光伝送媒質1の偏光特性を示すジョーンズ行
列の全ての成分が求まる。
【0190】 {√(1+S1 C )}y={1/√(2+S1 A +S1 B )}[{√(1+S 1 A )}x+{√(1+S1 B )}{exp (−iγ)}/x]・・・・・(23)
【0191】 {(S2 C +iS3 C )/√(1+S1 C )}y={1/√(2+S1 A +S 1 B )}[{√(1+S1 A )}/x−{√(1+S1 B )}exp (iγ)x] ・・・・・(24)
【0192】ただし、実験誤差(ストークスベクトルの
測定誤差)のためにx,yの値の大きさが1にならない
ことがある。このため方程式(23),(24)で得られる
解を規格化して
【0193】 exp (iγA )=x/|x|・・・・・(25)
【0194】とした値を(数59)に代入する方が適切で
ある。入射偏光状態として、ここで用いた以外の3種類
の異なる偏光状態を用いた場合にも、同様の議論を経て
光伝送媒質の偏光特性をジョーンズ行列により評価する
ことが可能である。この偏光特性の評価に際しては、予
め光伝送媒質の偏波依存損失と光を透過した後の偏光度
を測定することにより、偏波依存損失が十分小さく、か
つ偏光度が十分大きい場合に限って、以上の測定を行う
ことでジョーンズ行列をユニタリー行列の形式で実測評
価できることとなる。
【0195】次に、主軸間の角度不整合を有する2本の
偏波保持光ファイバを接続した系の偏光特性を実際に測
定によって評価する一例を具体的な数値例を挙げながら
説明する。2本の偏波保持ファイバ仕様は、各々波長15
50nmにおけるビート長がLB=0.03mで等しく、ファイ
バ長はL1 =1.708 m,L2 =1.138 mとする。これら
2本のファイバは、各々コアの両側に付けられた応力付
与母材による複屈折により偏波保持ファイバの役割を果
たす、PANDAファイバと呼ばれる偏波保持光ファイ
バとする。偏波保持ファイバ接続時の角度不整合はθ=
30deg.とする。事前に行った測定により、この系の偏光
依存損失は0.003dB であり、十分無視できる値であると
評価されたと考える。この系における理論的なジョーン
ズ行列は以下のように与えられる(ω0 は入射光の角周
波数である)。
【0196】
【数61】
【0197】この行列を測定することを考える。入射偏
光を(数18)のように指定すれば、出力の偏光状態とし
て得られるべき規格化されたストークスパラメータは、
上記の例では具体的に(数62)なる理論値が計算され
る。
【0198】
【数62】 実際の測定においてストークスパラメータを求める場
合、得られた結果は誤差を含む。相対誤差10%以内で、
以下の(数63)のような規格化されたストークスベクト
ルが実測により得られたとして、このデータからのジョ
ーンズ行列の評価を考える。
【0199】
【数63】
【0200】偏光度DOPを計算すると、
【0201】 DOP=√(S1 2 +S2 2 +S3 2 )・・・・・(26)
【0202】で与えられ、これらのデータから計算され
る偏光度は、各々DOPA =95.5%,DOPB =91.6
%, DOPC =92.8%である。この程度の偏光度であれ
ば十分偏光していると見做し再規格化を行う。すなわ
ち、規格化ストークスベクトルSを再規格化したストー
クスベクトルsは以下のように表される。
【0203】S/DOP=s・・・・・(27)
【0204】具体的な再規格化ストークスベクトルの計
算結果は以下の(数64)に示す通りである。
【0205】
【数64】
【0206】このように再規格化した測定値を用い、式
(17),(18)の相加平均をとることにより、式(20)
から任意位相因子γが
【0207】 exp (iγ)=−0.1455+0.9894i・・・・・(28)
【0208】と計算できる。これを用いると(数58)の
行列は以下の(数65)のように書ける。
【0209】
【数65】
【0210】また、γA を求めるための方程式(25)は
【0211】 0.7550y=−0.7089{(0.0544+0.3702i)/x+1.3602x}・・・・・(29 )
【0212】 −(0.4636+1.0994i)y=0.7089{1.3602/x+(0.0544−0.3702i)x} ・・・・・(30)
【0213】となる。この方程式を解くことにより、
【0214】x=0.5845+0.8283i・・・・・(31)
【0215】 y=−(0.4372+0.9014i)・・・・・(32)
【0216】なる解を得る。実験誤差のため、xの大き
さは
【0217】|x|=1.0138・・・・・(33)
【0218】であり、1よりも大きいため、ジョーンズ
行列の大きさを1にするために規格化を行い
【0219】 exp (iγA )=x/|x|=±(0.5765+0.8171i)・・・・・(34)
【0220】を得る。負号をとれば(数66)を得る。
【0221】
【数66】
【0222】この結果は、(数61)で与えられる理論値
と比較して相対誤差5%以内で一致している。また、式
(34)において正号を採用したとしても、位相差がπ異
なる(符号が異なる)だけであり、同じ偏光特性を示す
という意味では、ジョーンズ行列の表現として(数66)
と等価な結果を与える。
【0223】次に主軸間の角度不整合を有する前記2本
の偏波保持光ファイバを接続した系について、波長1550
nmにおける偏波モード分散を評価する例を示す。Poole
とWagnerによる主偏光状態の理論から、光伝送媒質のジ
ョーンズ行列が(数20) のようにユニタリー形式で与え
られる場合、この光伝送媒質の偏波モード分散Δτは以
下のように求められる(文献〔6〕)。
【0224】 Δτ=(1/π)(|du1 /df|2 +|du2 /df|2 1/2 ・・・・ ・(35)
【0225】ここでfは光の周波数である。Poole とWa
gnerによるこの理論は、ジョーンズ行列がユニタリー形
式で書けることを前提として成立する。この場合、前述
のジョーンズ行列の測定法を用いれば、Heffner の提案
する指数関数近似を用いる必要なく、偏波モード分散の
値を評価できる。このことを、主軸間の角度不整合を有
する2本の偏波保持光ファイバを接続した系の場合につ
いて考案する。この場合には、2本のパンダファイバに
おける偏波モード分散を各々Δτ1 ,Δτ2 とし、角度
不整合をθとした場合、全系の偏波モード分散は
【0226】 Δτ=√{(Δτ1 +Δτ2 2 cos2θ+( Δτ1 −Δτ2 2 sin2θ}・・ ・・・(36)
【0227】で表される(文献〔7〕)。したがって、
角度不整合θ=30°であり、前述したパラメータを有す
る2本のパンダファイバの場合には、式(36)から求め
られる偏波モード分散の理論値は
【0228】Δτ=4.359 ps ・・・・・(37)
【0229】と計算される。
【0230】
【実施例】以下、具体的な数値例を用いて測定誤差が相
対誤差として10%である場合の偏波モード分散の計算例
をシミュレーションする。式(35)にはジョーンズ行列
の周波数微分の項が入っており、この項を差分近似で評
価するために、波長λ0 =1550nm,λ1 =1550.2nmの2
つの周波数でジョーンズ行列を評価するとして考案を行
う。この場合の周波数差Δfは、Δf=2.497 ×10-10
Hzである。(数18)に対応する3種類の入射偏光状態を
入れた場合に得られる出力のストークスベクトルは、再
規格化した表現でλ0 =1550nmの場合には(数67)によ
り与えられ、
【0231】
【数67】
【0232】また、λ1 =1550.2nmの場合には(数68)
により与えられる。
【0233】
【数68】
【0234】実際の測定において、相対誤差10%の範囲
内で各々以下の(数69),(数70)のような測定結果を
再規格化した表現で得たとする。
【0235】
【数69】
【0236】
【数70】
【0237】このとき、既述したジョーンズ行列を求め
る手順を踏むことにより得られるジョーンズ行列は各々
次の(数71),(数72)のように計算される。
【0238】
【数71】
【0239】
【数72】
【0240】これにより以下の量が評価される。
【0241】 du1 /df={u1 (λ0 )−u1 (λ1 )}/Δf=(11.630−6.754 i )×10-12 ・・・・・(38)
【0242】 du2 /df={u2 (λ0 )−u2 (λ1 )}/Δf=−(4.662 +3.877 i)×10-12 ・・・・・(39)
【0243】この近似式と式(35)を用いることによ
り、
【0244】Δτ=4.696 ps・・・・・(40)
【0245】という値を得る。式(37)による理論値と
比較すると、この値は相対誤差10%以内の精度で一致し
ている。
【0246】なお、本発明は上記実施形態例や実施例に
限定されることはなく、様々な他の実施の形態を採り得
る。例えば、上記実施形態例では、光ファイバ等の光伝
送媒質1の偏光状態を評価するジョーンズベクトルと、
同じく光ファイバ等の光伝送媒質1の偏光特性を評価す
るジョーンズ行列の評価を例にして説明したが、本発明
は、光通信等を行う光伝送媒質以外の様々な光の偏光を
利用する工業分野における光の偏光状態や偏光特性の評
価方法およびその装置として適用できるものである。
【0247】
【発明の効果】本発明は、光の偏光状態を評価するジョ
ーンズベクトルを、光強度として実測可能な規格化ある
いは再規格化されたストークスベクトルを成分としてど
のように表されるかを明確にし、かつ、光の偏光特性を
評価するジョーンズ行列を同様に実測可能な規格化ある
いは再規格化されたストークスベクトルを用いてユニタ
リー形式でどのように表されるかを明確化したので、従
来では困難であった光の偏光状態や偏光特性の評価を、
ストークスベクトルの実測に基づいて正確に行うことが
可能となった。
【0248】また、ジョーンズベクトルとジョーンズ行
列の成分である規格化ストークスベクトルを単位長さに
再規格化して用いることにより、ストークスベクトルの
測定による誤差等が生じて完全偏光状態から外れたり、
偏波依存損失が生じたとしても、例えば、偏光度が90%
以上という如く完全偏光に近い状態にあり、偏波依存損
失も無視できる程度に小さい場合には、完全偏光の状態
と等価に取り扱うことによって、偏光状態や偏光特性を
評価できるという画期的な効果を奏するとが可能となっ
た。
【0249】さらに、本発明は、光通信等を行う光伝送
媒質の偏光状態や偏光特性を評価する以外に、光の偏光
状態や偏光特性を評価する様々な光の工業分野に適用で
きることとなり、その利用価値は頗る大となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光の偏光状態と偏光特性を評価する一実施形態
例の装置の要部構成図である。
【符号の説明】
1 光伝送媒質 2 入射側装置 9o ,9a〜9c 光強度検出部 11 出射光測定手段 12 ストークスベクトル規格化部 13 偏光特性評価部 14 ジョーンズベクトル規格化部 15 偏光状態評価部 20 第1の規格化部 21 第2の規格化部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジョーンズによる計算法によって光の偏
    光状態を与える二次元複素ベクトルからなる(数1)で
    示されるジョーンズベクトルΨ 【数1】 を大きさが1となるように(数2)のように規格化し、 【数2】 同様に、ミューラーによる計算法によって光の偏光状態
    を与える4次元実ベクトルからなる(数3)で示される
    ストークスベクトル 【数3】 を大きさが1となるようにS1 =Q/I,S2 =U/
    I,S3 =V/Iのように規格化し、この規格化したス
    トークスベクトル間に、光の偏光度が100 %である場合
    に成り立つS1 2+S2 2+S3 2=1の条件と、この条件の
    もとに成立する S1 =|ξ1 2 −|ξ2 22 =2Re [ξ1 ξ2 ](Re は実数部を示す) S3 =2Im [ξ1 ξ2 ](Im は虚数部を示す) の関係式とを用いてジョーンズベクトルを規格化ストー
    クスベクトルを成分として(数4),(数5)の如く表
    し(γは任意位相因子)、 【数4】 【数5】 次の(数6)に示す極限操作が成り立つことを利用し、 【数6】 この極限操作を前提とすることにより、ジョーンズベク
    トルによる偏光状態の表示を(数7)に示す如く、 【数7】 実測可能な規格化ストークスベクトルで表現し、測定と
    その規格化により求められる規格化ストークスベクトル
    を用いて光の偏光状態を(数7)のジョーンズベクトル
    により評価することを特徴とする光の偏光状態の評価方
    法。
  2. 【請求項2】 規格化ストークスベクトルS1 ,S2
    3 を(数8)によってs1 ,s2 ,s3 の如く再規格
    化し、 【数8】 規格化ストークスベクトルの代わりに再規格化ストーク
    スベクトルを用いて(数7)のジョーンズベクトルを評
    価することを特徴とする請求項1記載の光の偏光状態の
    評価方法。
  3. 【請求項3】 光伝送媒質に3種類の異なった、偏光状
    態が既知の入射光を入れ、各々の入射光に対応する出射
    偏光状態を規格化ストークスベクトルとして測定および
    評価し、光伝送媒質の出射端の偏光状態を請求項1によ
    るジョーンズベクトルで評価し、入射光の偏光状態を記
    述する既知のジョーンズベクトルと前記出射光の測定か
    ら評価されたジョーンズベクトルとの関係から光伝送媒
    質の偏光特性を示すジョーンズ行列を前記規格化ストー
    クスベクトルを成分としたユニタリー形式で求め、この
    ユニタリー形式のジョーンズ行列によって光伝送媒質の
    偏光特性を評価することを特徴とする光伝送媒質の偏光
    特性の評価方法。
  4. 【請求項4】 規格化ストークスベクトルを請求項2に
    記載した(数8)によって再規格化し、規格化ストーク
    スベクトルの代わりに再規格化ストークスベクトルを用
    いて表現したユニタリー形式のジョーンズ行列によって
    光伝送媒質の偏光特性を評価することを特徴とする請求
    項3記載の光伝送媒質の偏光特性の評価方法。
  5. 【請求項5】 光伝送媒質の偏光特性の評価は、別途行
    う偏光依存損失の測定により、偏光依存損失が0又は十
    分小さいことを確認して行うことを特徴とする請求項3
    又は請求項4記載の光伝送媒質の偏光特性の評価方法。
  6. 【請求項6】 ジョーンズによる計算法によって光の偏
    光状態を与える二次元複素ベクトルからなる(数9)で
    示されるジョーンズベクトルΨ 【数9】 を大きさが1となるように(数10)のように規格化する
    ジョーンズベクトル規格の部と、 【数10】 同様に、ミューラーによる計算法によって光の偏光状態
    を与える4次元実ベクトルからなる(数11)で示される
    ストークスベクトル 【数11】 を大きさが1となるようにS1 =Q/I,S2 =U/
    I,S3 =V/Iのように規格化するストークスベクト
    ル規格化部と、この規格化したストークスベクトル間
    に、光の偏光度が100 %である場合に成り立つS1 2+S
    2 2+S3 2=1の条件と、この条件のもとに成立する S1 =|ξ1 2 −|ξ2 22 =2Re [ξ1 ξ2 ](Re は実数部を示す) S3 =2Im [ξ1 ξ2 ](Im は虚数部を示す) の関係式とを用いてジョーンズベクトルを規格化ストー
    クスベクトルを成分として(数12)の如く表し(γは任
    意位相因子)、 【数12】 次の(数13),(数14)に示す極限操作が成り立つこと
    を利用し、 【数13】 【数14】 この極限操作を前提とすることにより、ジョーンズベク
    トルによる偏光状態の表示を(数15)に示す如く、 【数15】 実測可能な規格化ストークスベクトルで表現し、測定と
    その規格化により求められる規格化ストークスベクトル
    を用いて光の偏光状態を(数15)のジョーンズベクトル
    により評価する偏光状態評価部とを有する光の偏光状態
    の評価装置。
  7. 【請求項7】 規格化ストークスベクトルS1 ,S2
    3 を(数16)によって再規格化する 【数16】 ストークスベクトル再規格化部が設けられ、偏光状態評
    価部は規格化ストークスベクトルの代わりに再規格化ス
    トークスベクトルを用いて(数15)のジョーンズベクト
    ルを評価する構成とした請求項6記載の光の偏光状態の
    評価装置。
  8. 【請求項8】 光伝送媒質に少くとも3種類の異なった
    偏光状態の入射光の入射が可能な光入射手段と、光伝送
    媒質を通過する各々の偏光状態の出射光をストークスベ
    クトルとして測定する出射光測定手段と、測定されたス
    トークスベクトルを規格化するストークスベクトル規格
    部と、光伝送媒質の偏光特性を示すジョーンズ行列を前
    記規格化ストークスベクトルを成分としてユニタリー形
    式で求め、このユニタリー形式のジョーンズ行列によっ
    て光伝送媒質の偏光特性を評価する偏光特性評価部とを
    有する光伝送媒質の偏光特性の評価装置。
  9. 【請求項9】 規格化ストークスベクトルを請求項2に
    記載した(数8)によって再規格化するストークスベク
    トル再規格化部が設けられ、偏光特性評価部は規格化ス
    トークスベクトルの代わりに再規格化ストークスベクト
    ルを用いて評価されたユニタリー形式のジョーンズ行列
    によって光伝送媒質の偏光特性を評価する構成とした請
    求項8記載の光伝送媒質の偏光特性の評価装置。
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