JPH0972759A - 半導体レーザ光源および光学式エンコーダ - Google Patents

半導体レーザ光源および光学式エンコーダ

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JPH0972759A
JPH0972759A JP22817595A JP22817595A JPH0972759A JP H0972759 A JPH0972759 A JP H0972759A JP 22817595 A JP22817595 A JP 22817595A JP 22817595 A JP22817595 A JP 22817595A JP H0972759 A JPH0972759 A JP H0972759A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】小さいスポットを形成できる、射出光の広がり
が小さい半導体レーザ光源を用いた高分解能の光学式エ
ンコーダを提供する。 【解決手段】面発光レーザ1の表面には、マイクロレン
ズ4がモノリシックに形成されている。マイクロレンズ
4の焦点距離fは、f=ma2 /2λ(ここに、aは光
射出窓の幅、λはレーザ光の波長)としたとき、m<2
となるように設定されている。スケール2は、透光部と
遮光部が一定のピッチで周期的に並んでおり、面発光レ
ーザ1に対して移動可能に設けられている。スケール2
を基準にして、面発光レーザ1の反対側には、スケール
2を透過した光を受ける受光素子3が配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体レーザ光源
および光学式エンコーダに関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、射出光の広がりが少ない垂
直共振器型面発光レーザ(面発光レーザ、面発光半導体
レーザとも記す)を用いたエンコーダを特願平6−04
3656号において提案している。その構成を図12
(A)に示す。面発光レーザ1から射出されたレーザビ
ームは、これに対して相対移動するスケール2に照射さ
れる。面発光レーザ1は、その射出光の広がりが少ない
ので、スケール2にはサイズの小さいスポットが形成さ
れる。スケール2からの透過光または反射光は光検出器
(受光素子)3または3′に入射し、その強度が検出さ
れる。
【0003】スケール面上に形成されるスポットの径が
スケールのピッチに比べて非常に小さい場合には、スケ
ールの変位xに対して、図12(B)に示されるよう
に、矩形波形状の受光素子出力信号が得られる。また、
スケール面上に形成されるスポットの径がスケールのピ
ッチの1/2程度の場合には、スケールの変位xに対し
て、図12(C)に示されるように、三角波形状あるい
は正弦波形状の受光素子出力信号が得られる。これは、
面発光レーザはレーザ光の放射角が非常に小さいため、
例えば図13に示される従来の光学式エンコーダ(日経
メカニカル、1988.7.25 p.54)のよう
に、レンズ13および固定スリット22を使用しなくて
も、レーザ光の照射領域が小さく限定されるからであ
る。
【0004】このように、本出願人が提案した前述の発
明は、細くて鋭いビームを射出する面発光レーザを利用
することにより、レンズや固定スリットを必要としない
簡単な構成の高分解能なエンコーダを提供するものであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図12に示し
たエンコーダでは、スケール面上に形成されるスポット
の径がスケールのピッチより大きいと、スケールの変位
に対して受光素子出力信号の強弱差が極端に小さくなり
変位検出が困難となるため、スケール面上に形成される
スポットの径を可能な限り小さくする必要がある。ま
た、面発光レーザの細くて鋭いビームをそのまま利用し
ているので、スケール面上に形成されるスポットの径を
面発光レーザの射出窓径より小さくすることはできな
い。また、面発光レーザの射出窓径をあまり小さくする
と、射出窓における回折のために、逆にレーザビームの
広がり角は大きくなってしまう。さらに、スケール面上
に小さいスポットを形成するためには、スケールと光源
を近接させる必要があるが、この場合、エンコーダ組み
込み機器の可動部と固定部が近接することになるため、
組み込み機器の設計や製作が困難になるばかりでなく、
距離の変動による信号変化が起こり易く、エンコーダの
出力信号が安定しないという問題点がある。
【0006】本発明は、小さいスポットを形成すること
のできる半導体レーザ光源を提供することを目的とす
る。また、本発明は、このような半導体レーザ光源を用
いた高分解能の光学式エンコーダを提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による半導体レー
ザ光源は、面発光半導体レーザの光射出面にレンズがモ
ノリシックに形成され、面発光半導体レーザ光源の光射
出窓の幅をa、レーザ光の波長をλ、レンズの焦点距離
をf、レンズの屈折率をn、レンズ周辺の雰囲気(例え
ば空気)の屈折率をn′とし、f=ma2 /2λとおい
たときに、n′λ/(n−n′)a≦m<2であること
を特徴とする。
【0008】本発明による光学式エンコーダは、光の反
射率または透過率が周期的に変化する周期構造を備え
た、移動可能に設けられたスケールと、スケールの周期
構造に光を照射する請求項1に記載の半導体レーザ光源
と、スケールからの光を受光する受光素子とを有し、ス
ケールと光源の間の相対的な移動による受光素子の出力
信号の変化に基づき、その移動量を検出することを特徴
とする。
【0009】また、本発明による別の光学式エンコーダ
は、面発光半導体レーザと、これを封止する匡体と、匡
体表面に設けられた第一の集光手段と、面発光半導体レ
ーザと第一の集光手段の間に設けられた第二の集光手段
と、第一の集光手段によって集光される位置に移動可能
に配置されたスケールとを有し、第一の集光手段は、第
二の集光手段によって一旦集光された後の拡散する光の
径が、第二の集光手段の径よりも大きくなる位置に配置
されていることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、いくつかの実施の形態につ
いて説明するが、その前に、すべての実施の形態に共通
する発明の原理について述べる。図1は、光源に用いら
れる面発光レーザの構造を示している。図1に示される
ように、面発光レーザは、活性層(発光層)101を挟
んで両端に多層薄膜ミラー102が形成され、これを上
部電極103と下部電極104が挟みこむ構成となって
いる。両電極間に電圧を印加すると活性層101に電流
が注入され、活性層101が発光する。活性層101と
ミラー102により膜厚方向に共振器が形成されている
ため、この方向に発振が起こり、上部電極103を部分
的に除去して形成された開口から光が、膜平面に対して
垂直な方向に射出される。活性層の材料としては例えば
GaAs、多層ミラーの材料としてはp型またはn型の
GaAs/AlGaAs積層膜などがあげられる。
【0011】この構造のレーザの利点として、上部電極
103のパターンニングにより開口(光の射出窓)の形
状を自由に設計できる点があげられる。裏面側射出光を
使用する場合は、下部電極104に開口を形成する。開
口から放射される光は、開口で回折されるために、広が
ったものとなる。そのビーム広がりは、開口の形状と大
きさによって決まるので、開口の設計により、ビーム広
がりを比較的小さく抑えることができる。
【0012】次に、開口の大きさによる放射光のビーム
広がりについて、以下に説明する。面発光レーザからの
射出光については、図2に示されるように、射出窓形状
に相当する開口105に、平行な平面波を入射させた場
合にほぼ近似できる。開口105を通過した後のビーム
の広がりは、開口105の大きさaおよび観測面106
と開口105の間の距離rが波長に対して五倍以下程度
の場合を除けば、フレネル・キルヒホッフ(Fresnel-Ki
rchhoff )の回折積分によって計算することができる。
即ち、x軸に沿った一次元分布のみを考慮して、開口関
数をu0 (x0)、観測面上での回折光をu(x)とす
ると、次式で表される。
【0013】
【数1】
【0014】また、特殊な場合として、開口と観測点の
距離がある程度以上離れている場合にはフレネル(Fres
nel )回折、非常に遠い場合にはフラウンホーファー
(Fraunhofer)回折と呼ばれ、それぞれ式(2)、式
(3)で表される。
【0015】
【数2】
【0016】
【数3】 以上をまとめると、面発光レーザの射出光の回折パター
ンは、式(1)により計算され、観測面と光源の距離に
よっては式(2)、さらに特殊な場合には式(3)を用
いて近似的に計算することができる。
【0017】さらに、平面波が開口を通過した後に凸レ
ンズで集光する場合について以下に説明する。凸レンズ
に平面波が入射すると、レンズからの射出光は、レンズ
の焦点位置に集光する球面波となる。これは、レンズに
位相変換作用があり、光軸から離れた光ほど位相が進め
られるというように説明され、この作用は次式で表され
る。
【0018】
【数4】 fに比べてx0 が小さいとすると、上式は次のように表
せる。
【0019】
【数5】 式(5)をフレネル(Fresnel )回折の式(2)に代入
してレンズの焦点面での回折光を計算すると、次式とな
り、フラウンホーファー(Fraunhofer)回折の式(3)
のrにfを代入した式と同じになる。
【0020】
【数6】
【0021】以上をもとにして、面発光レーザの射出光
と、これをレンズによって集光する場合の回折パターン
について計算する。まず、レンズを使用して集光する場
合は、焦点位置では常にフラウンホーファー(Fraunhof
er)回折の式(6)で表される。一方、レンズを使用し
ない場合は、レンズと観測面の距離によって、フラウン
ホーファー(Fraunhofer)回折またはフレネル(Fresne
l )回折となり、観測面が射出面の近傍の場合には、以
上のどちらでもない回折パターン(射出面に非常に近い
場合以外はフレネル・キルヒホッフ(Fresnel-Kirchhof
f )の回折積分で計算可能)となる。従って、レンズを
使用する場合に、レンズの焦点がフラウンホーファー
(Fraunhofer)領域になるように設計されていると、両
者ともフラウンホーファー(Fraunhofer)回折の式で計
算可能である。従って、この領域では、レンズを使用し
てもしなくても、同様の回折パターンが得られ、レンズ
を使用する効果はない。一方、レンズの焦点がフレネル
(Fresnel )領域あるいはさらに開口に近い場合には、
レンズで集光する場合としない場合とで違う回折パター
ンが得られ、レンズを使用する効果を得ることが可能で
ある。フレネル(Fresnel )領域とフラウンホーファー
(Fraunhofer)領域の区別については、例えば、鶴田匡
夫著「応用光学」(培風館)によると、
【0022】
【数7】 と定義したときに、m<1がフレネル(Fresnel )領
域、m>1がフラウンホーファー(Fraunhofer)領域で
あると記されている。実際に、mの値によるフレネル
(Fresnel )回折とフラウンホーファー(Fraunhofer)
回折を数値計算で求め、比較した結果を図3に示す。こ
の図では、フレネル(Fresnel )回折で計算されたパタ
ーンがレンズを使用しない場合に相当し、フラウンホー
ファー(Fraunhofer)回折で計算されたパターンがレン
ズを使用した場合に相当する。この結果より、m=2で
ほぼ両者は等しいと言え、m=1では差は見られると考
えられる。従って、レンズで集光する場合、m<2を満
たすように設計すれば、レンズを使用しない場合に比較
してスポットを小さくする効果を得ることが可能であ
る。
【0023】レンズを使用して集光する場合に、スポッ
トを小さくするためには、NA(開口数)の大きいレン
ズを使用する必要がある。即ち、今まで述べた理論と同
様に、x軸に沿った方向のスポット幅d0 は次式で表さ
れる。
【0024】
【数8】 また、レンズの焦点距離をf、レンズの径をaとする
と、NAは近似的に次式で表される。
【0025】
【数9】 従って、スポットを小さくするためには、大口径で、短
焦点のレンズを使用すればよいことになる。面発光レー
ザの光をレンズで集光する場合には、レンズの実質的な
口径は面発光レーザの射出窓の径となるので、射出窓径
も大きくすることが望ましい。但し、実際にはNAを無
限に大きくできる訳ではなく、プロセスあるいはデバイ
ス構成上の制限が加わることになるが、これについては
後述する。
【0026】次に、これまでに述べた特性を持つ光源
と、透過率(あるいは反射率)が高い部分と低い部分を
交互に持つスケールを組み合わせてエンコーダを構成す
る場合に、最適なスケールピッチの設計方法について説
明する。
【0027】これまでに述べたような光源を用いたエン
コーダの構成を図4に示す。図4に示されるように、面
発光レーザ1から射出されるビームを、その表面にモノ
リシックに形成されたマイクロレンズ4を通してスケー
ル2に照射し、その透過光を受光素子3で受ける構成を
考える。簡単のため、ここではx方向のみの一次元のみ
を取り扱う。また、スケール2は、射出ビームに対して
垂直に配置されているものとする。スケール2は、ここ
では高光反射率の部分と低反射率の部分が交互に一定間
隔で配置された部材とする。このような部材は、例えば
ガラス基板にAlなどの高反射率の薄膜を蒸着し、これ
をリソグラフィー技術を用いてパターンニングすること
で容易に実現できる。
【0028】面発光レーザと集光レンズを組み合わせて
スポットを作成する場合、前述したように、焦点面での
回折光は式(6)で計算される。これは、フラウンホー
ファー(Fraunhofer)回折の式(3)と同じであり、回
折パターンは開口関数をフーリエ(Fourier )変換すれ
ば求められる。例えば、一次元の分布を考えると、開口
幅aの光源から距離f(レンズの焦点距離に等しい)の
点における光強度分布|A|2 は次式で表される。
【0029】
【数10】 ここで、光軸から強度が最初に0となる点までの距離r
0 は次式で表される。
【0030】
【数11】 前述のスポット幅d0 は、r0 の二倍となるので、スポ
ット幅は次式で表される。
【0031】
【数12】 この式(12)は、式(9)を式(8)に代入したもの
と一致している。この結果より、先に述べたように小さ
いスポットを得るためには、開口幅aを大きくし、レン
ズの焦点距離fを小さくする必要がある。ここで、面発
光レーザを光源とする場合、開口形状、寸法は任意にパ
ターンニングすることができるが、開口が大きすぎる場
合は、横モードの制御が困難となり、また閾値電流が大
きくなるといった問題があるため、寸法には制限があ
り、60μm程度がプロセス上の限界と考えられる。ま
た、レンズの焦点距離を小さくする場合には、曲率半径
の小さいレンズを作成する必要があるが、レンズは面発
光レーザの開口全体をカバーする必要があるので、平凸
レンズを使用する場合には、曲率半径の最小値は、レー
ザ開口幅の半分と言うことになる。レンズの焦点距離を
f、レンズの屈折率をn、レンズ周囲の雰囲気(例えば
空気)の屈折率をn′、レンズの曲率半径をrとする
と、薄レンズの公式は次式となる。
【0032】
【数13】 従って、r=a/2の場合に、前述のmを計算すると、
次式となる。
【0033】
【数14】 これが最小値となり、このときfも最小となる。以上
は、理論的な最小値であるが、実際にはfが小さすぎる
場合には、例えばエンコーダに応用する場合には、光源
とスケールが非常に接近することになり、機構的に実現
が困難であったり、実現できても非常に高価なものとな
る等の問題がある。従って、実際にはNAの値には上限
があり、装置の仕様やプロセス条件等によって、レンズ
の最適設計値が変わることになる。
【0034】この光ビームがリニアスケールに当った場
合、例えば透過光の光量は、リニアスケールの透過率分
布とスポット強度分布の積をx軸上で積分すれば得られ
る。但し、光検出器(受光素子)は透過光量の全てを受
光できるほど十分大きいとし、スケールでの回折等は考
えないものとする。図4において、リニアスケールの透
光部の透過率を1、遮光部の透過率を0として、このス
ケールが矢印の方向に移動した場合に、光検出器で得ら
れる信号光量を求めたものを図5に示す。これはスケー
ルピッチp=r0 、2r0 、3r0 、4r0 について計
算した結果であるが、ピッチに対応した周期的な信号が
得られ、この信号周期をカウントすればスケールの移動
量が計測できる。ピッチが細かくなるにつれて分解能は
向上するが、信号振幅は小さくなるので、これを考慮し
てピッチを決定する必要がある。
【0035】図5より、p=r0 の場合は、ほとんどエ
ンコーダとしての信号は得られず、スポット径に対して
スケールピッチが小さすぎることがわかる。p=2r
0 、3r0 の付近では、振幅もかなりあり、正弦波に近
い形状の信号が得られている。また、p=4r0 の場合
は、信号が正弦波的な形から矩形波的な形に変わってお
り、スポット径に対してスケールピッチが大きすぎるこ
とがわかる。以上より、スケールピッチが、次式の範囲
にあるとき、正弦波形が得られる。
【0036】
【数15】 また、スケールピッチが、次式の場合では、信号は徐々
に矩形波に近い形状となっていくことがわかる。
【0037】
【数16】 なお、技術的にはpには上限はなく、(16)式を満足
する限り擬似矩形波形状の信号が得られるが、本発明は
高分解能化を目的とした光学式エンコーダに適用される
ので、実際にはpの上限は1mm程度であると考えられ
る。このような形で信号が計算できれば、このうち実用
上問題のない信号が得られ、かつスケールピッチが極力
小さくなるように設計すればよいことになる。
【0038】ところで、エンコーダの高分解能化のため
には、スケールピッチを小さくする他に、得られた信号
を電気的に分割することによって、スケールピッチで決
定される分解能よりも小さい分解能を得ることが可能で
ある。従って、最終的に分解能を最小にするためには、
電気的な分割も含めて考慮する必要がある。ここでは、
エンコーダ信号の最大値をEmax 、最小値をEmin とし
たときに、可能な分割数は正規化振幅An に比例するも
のと仮定した。なお、正規化振幅An は次式で表され
る。
【0039】
【数17】 また、横軸にスケールピッチp、縦軸に正規化振幅An
をとって作成したグラフを図6に示す。図6より、スケ
ールピッチが小さくなると、それにつれて振幅が小さく
なり、逆にピッチが大きくなると、振幅はあるところで
飽和することがわかる。高分解能化を図るためには、p
を小さく、An を大きくすればよいので、An /pの値
が最大となる点で、最小分解能を得られると考えられ
る。ところで、An /pは、図6の曲線上の点から原点
まで引いた直線の傾きに相当するので、これが最大にな
るとき、すなわち、原点から図6の曲線に引いた接線の
接点が最小分解能を与える点であることになる。グラフ
より、おおよそp=2r0 の付近がスケールの最適設計
値であることがわかる。
【0040】以下、具体的な実施の形態について説明す
る。 <第一の実施の形態>本発明の第一の実施の形態の光学
式エンコーダの構成を図4に示す。まず、光源について
説明する。光源としては、面発光レーザ1の表面に、モ
ノリシックに形成したマイクロレンズ4を配置したもの
を使用している。面発光レーザ1は、図1に示したもの
で、これについては既に詳しく説明した。マイクロレン
ズ4は、例えば、次のようにして作製される。図7
(A)に示されるように、フォトレジスト等の樹脂を円
形にパターンニングした後、樹脂のフロー温度以上(例
えば150℃)の温度環境において熱フローさせる。す
ると、表面張力によって、図7(B)に示されるような
平凸レンズの形状が得られる。この平凸形状をそのまま
マイクロレンズとして用いることもできるが、別の方法
として、樹脂による平凸形状をマスクとして使用し、そ
の下層にある膜にドライエッチング等の手法で形状を転
写し、これをマイクロレンズとしてもよい。さらに、マ
イクロレンズの作製方法としては、他の方法も提案され
ているが、これらは、面発光レーザ1の作製プロセスを
妨げるものでなければ、本発明に適用可能である。
【0041】レンズの設計の際には、前述のレンズ設計
の指針の基に行う必要がある。すなわち、式(7)で定
義されるmの値が、m<2となるように、aに対してf
を設計する必要がある。
【0042】この実施形態では、面発光レーザの射出面
に、平凸形状のマイクロレンズをモノリシックに形成し
てあり、射出光を集光するために適切に設計されている
ため、マイクロレンズの焦点面付近でスポット径を小さ
くすることが可能である。また、レンズをモノリシック
に形成することによって、余分な組立や調整を伴わずに
機能を加えることができる。
【0043】次に、以上に述べた光源を使用した光学式
エンコーダの構成について説明する。この実施形態は、
透過式の光学式エンコーダで、射出ビームをスケール2
に照射し、その透過光を受光素子3で受ける構成となっ
ている。図4の構成では、スケール2の面が光ビームに
対して垂直となっているが、一般に垂直である必要はな
く、図8や図9に示される構成であってもよい。スケー
ル2の面上でスケール2のピッチ方向をP、スケール2
の面上で、ピッチ方向Pと垂直な方向をQ、レーザ光の
射出方向に垂直な平面と方向Pのなす角をθとし、この
平面と方向Qのなす角をψとしたときに、図8はθ≠
0、ψ=0の場合を示し、図9はθ=0、ψ≠0の場合
を示している。図8の場合には、スケール2でのスポッ
ト幅のP方向成分はd0 /cosθで表され、図9の場
合はψの値によらずd0 で表される。
【0044】このような構成の光学式エンコーダにおい
て、高分解能化を図るためには、スポット形状が与えら
れた際に、スケールピッチを最適に決定する必要があ
る。これに関しても、既に述べたように、最適な条件が
計算で求められ、θ、ψの影響も考慮すると、次式を満
足するように設計すれば、それが最適なスケールピッチ
であると言える。
【0045】
【数18】 また、r0 /cosθ<p≦3r0 /cosθのときに
は、ほぼ正弦波状のエンコーダ信号が得られ、p≧3r
0 /cosθのときには、矩形波に近いエンコーダ信号
が得られる。なお、技術的にはpには上限はないが、前
述したように、本発明は高分解能化を目的とした光学式
エンコーダに適用されるので、実際にはpの上限は1m
m程度であると考えられる。
【0046】この実施形態には次のような利点がある。
面発光半導体レーザの表面に上述した仕様のマイクロレ
ンズをモノリシックに形成することにより、ビームの広
がりが小さく、従って小さいスポットを形成できる半導
体レーザ光源が得られる。また、これを光源に用いてエ
ンコーダを構成することにより、レンズを使用しない場
合に比べて、スケール上でのビーム径が小さく、従って
高分解能の光学式エンコーダが得られる。勿論、面発光
レーザを使用していることによる利点、すなわち、構成
が簡素なため小型化が容易に行なえるとともに組み立て
も簡単に行なえ、さらに製造コストも低く済むといった
利点を兼ね備えている点も見逃せない。
【0047】この実施形態は、本発明を透過型のエンコ
ーダに適用した例であるが、本発明は反射型のエンコー
ダに対して適用してもよく、この場合にも同様の利点が
得られる。
【0048】<第二の実施の形態>本発明の第二の実施
の形態の光学式エンコーダの構成を図10に示す。本実
施形態は前述の実施形態に類似しているが、次に述べる
点で両者は異なっている。第一の実施の形態では面発光
レーザの表面側(図1の上部電極側)にレンズをモノリ
シックに形成したが、第二の実施の形態では面発光レー
ザの裏面側(図1の下部電極側)にレンズをモノリシッ
クに形成している。
【0049】この構成によれば、裏面側の多層薄膜ミラ
ー最下部から基板の裏面までは、ある程度(例えば80
μm程度)の距離があるため、レンズに入射する時点に
おいて、回折により光がある程度広がった状態になって
いる。このため、第一の実施の形態に比べて、NAの大
きいレンズを作製することができ、この場合、スポット
径は第一の実施の形態よりも小さくなる。また、第一の
実施の形態と同じNAのレンズを使用する場合には、光
は第一の実施の形態よりも光源から離れた点に集光す
る。
【0050】この実施の形態によれば、第一の実施の形
態よりも大きいNAのレンズが使用でき、従ってスポッ
ト径を更に小さくすることができ、これにより更に高分
解能の光学式エンコーダを得ることができる。あるい
は、第一の実施の形態と同じNAのレンズを使用するこ
とによって、第一の実施の形態よりも光源とスケールの
間隔を大きくすることができ、これにより機構設計や製
作を容易に行なえるようにすることもできる。
【0051】この実施形態は、本発明を透過型のエンコ
ーダに適用した例であるが、本発明は反射型のエンコー
ダに対して適用してもよく、この場合にも同様の利点が
得られる。また、第一の実施の形態において説明したよ
うに、スケールがビームに対して垂直でない場合につい
ても、第一の実施の形態の場合と同じ考えが成り立つ。
【0052】<第三の実施の形態>本発明の第三の実施
の形態の光学式エンコーダの構成を図11に示す。面発
光レーザを例えば光学素子実装用のステム5に実装し、
キャップ6にレンズ7を一体化する。さらに、面発光レ
ーザ1表面にモノリシックにマイクロレンズ4を形成す
る。
【0053】面発光レーザ1からの射出光は、マイクロ
レンズ4で一旦集光された後に再度広がり、キャップ6
の表面のレンズ7に入射する。この時点で光はマイクロ
レンズ4の径よりも広がっており、レンズ7のNAを大
きくすることができ、スポット径を小さくすることが可
能である。あるいは、第一の実施の形態と同じNAのレ
ンズを使用する場合には、光源とスケールの間隔を大き
くすることが可能となる。
【0054】また、この実施形態で使用されるマイクロ
レンズ4は、第一の実施の形態や第二の実施の形態に記
載されているものと同様であるが、集光した後の広がり
角を大きくすることが目的であるため、そのNAは大き
いことが望ましい。従って、基本的なレンズの製造方法
は、第一の実施の形態に記載したものと同様であるが、
製造上の条件等は異なったものとなる。マイクロレンズ
4を適切に設計することにより、一旦集光した後の広が
り角を大きくすることができ、これによりレーザ1の表
面とキャップ6の表面のレンズ7との間隔を小さくする
ことができ、全体を小型化することが可能である。
【0055】この実施形態では、面発光半導体レーザの
表面側射出光を利用しているが、裏面側射出光を利用す
る構成も可能である。以上のように、この実施形態にお
いては、一旦広がった光を集光するために、NAの大き
いレンズを使用することができる。従って、スポット径
を小さくすることが可能である。あるいは、第一の実施
の形態と同じNAのレンズを使用する場合には、光源と
スケールの間隔を大きくすることが可能となり、機構設
計や製作が容易になる。また、ステムのキャップにレン
ズを一体化しているので、レンズの組立や調整に起因す
る余分な工程を最小限にすることが可能である。さら
に、面発光半導体レーザ表面にモノリシック成形したマ
イクロレンズを使用することによって、小型化が容易で
ある。
【0056】この実施形態は、本発明を透過型のエンコ
ーダに適用した例であるが、本発明は反射型のエンコー
ダに対して適用してもよく、この場合にも同様の利点が
得られる。また、第一の実施の形態において説明したよ
うに、スケールがビームに対して垂直でない場合につい
ても、第一の実施の形態の場合と同じ考えが成り立つ。
【0057】本発明は、上述の実施の形態に何等限定さ
れるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で行な
われる実施形態は、すべて本発明に含まれる。なお、本
明細書は以下の各項に記した発明を含んでいる。
【0058】1.(構成)面発光半導体レーザの光射出
面に、レンズをモノリシックに形成した半導体レーザ光
源において、面発光半導体レーザ光源の光射出窓の幅を
a、レーザ光の波長をλ、レンズの焦点距離をf、レン
ズの屈折率をn、レンズ周辺の雰囲気(例えば空気)の
屈折率をn′とし、 f=ma2 /2λ とおいたときに、 n′λ/(n−n′)a≦m<2 であることを特徴とする半導体レーザ光源。
【0059】(作用・効果)面発光レーザからの射出ビ
ームは非常にビーム放射角が小さいので、ほぼ平行ビー
ムでかつほぼ平面波とみなすことができるが、そのまま
使用した場合には、観測面でのスポット径を面発光レー
ザの射出窓径よりも小さくすることはできない。一方、
面発光レーザの射出面にレンズをモノリシックに形成す
ることによって、レンズの焦点位置付近の観測面でのス
ポット径を面発光レーザの射出窓径より小さくすること
が可能である。しかしながら、一般に面発光レーザの射
出窓径は小さく、数μm〜数十μmのオーダーであるの
で、かなり短焦点のレンズを使用しないとレンズのNA
(開口数)を大きくすることが出来ず、レンズによる集
光が比較的難しくなる。場合によっては、レンズを使用
してもしなくてもほぼ同じ結果となってしまう。射出窓
径を大きくすると、集光は容易になるが、面発光レーザ
の閾値電流が上がる、横モードの制御が困難になる等の
問題があり、現実には上限がある。また、レンズ焦点距
離を短くするとNAが大きくなるが、これにも限界があ
り、面発光レーザの開口幅がレンズの曲率半径の二倍に
なるときが、最小と考えられる。さらに、アプリケーシ
ョンによっては、焦点位置を射出面の近傍には設け難い
場合もある。これらを考慮し、上記の条件のレンズを使
用すれば、現実的な射出窓径の範囲で確実にレンズの効
果を発揮して、レンズを使用しない場合に比べて小さい
スポットを作ることが可能になる。また、集光手段を面
発光レーザ表面にモノリシックに形成しているので、組
立や調整等が不要で、しかも超小型であり、従来の面発
光レーザと同様に使用することが可能である。
【0060】2.(構成)第1項に記載の半導体レーザ
光源において、面発光半導体レーザの基板側射出面にレ
ンズをモノリシックに形成したことを特徴とする半導体
レーザ光源。
【0061】(作用・効果)本構成では、第1項で述べ
た作用、効果がそのまま当てはまるが、さらに面発光レ
ーザの基板側射出面にレンズを形成していることによ
り、次のような効果がある。すなわち、面発光レーザの
基板側射出面は、多層ミラーの終端から基板の厚さ分離
れているために、この間に射出光はある程度広がって、
射出面に設けたレンズに入射することになる。従って、
従来はレンズに入射する光線束径が大きいほど集光時の
スポットが小さくなるが、面発光レーザの特性上射出窓
径には上限があったのに対し、本構成では従来よりもレ
ンズ入射角の光線束径を大きくすることが可能であり、
集光時のスポットを小さくすることが可能である。
【0062】3.(構成)第1項または第2項に記載さ
れた半導体レーザ光源において、光射出窓の径または幅
dが、射出光の波長をλとしたとき、 λ≦d≦60(μm) であることを特徴とする半導体レーザ光源。
【0063】(作用・効果)本構成では、第1項または
第2項で述べた作用・効果がそのまま当てはまるが、こ
れらに加えて、本構成で述べたような面発光レーザを使
用することにより、閾値電流、横モード制御性等の点
で、特性の良い光源を得ることが可能である。
【0064】4.(構成)第1項ないし第3項に記載さ
れた半導体レーザ光源と、前記光源に対して相対的に移
動し、光の反射率または透過率が周期的に変化するよう
に形成されたスケールを、その一部を前記光源からの光
が照射するように配置し、前記スケールからの反射光、
透過光または回折光を受光するための受光素子を有し、
前記スケールと前記光源の相対的な移動に伴う前記受光
素子における検出信号の変化を利用して、移動量を検出
することを特徴とする光学式エンコーダ。
【0065】(作用・効果)レンズをモノリシックに形
成した半導体レーザ光源を使用することによって、スケ
ール上に径の小さいスポットを形成し、スケールからの
透過光、反射光または回折光を検出することによって、
スケールの移動量を測定する。この際に、面発光レーザ
をそのまま使用する場合に比べて、スケール上でのスポ
ット径を小さくすることができるため、これに対応して
ピッチの小さいスケールを使用しても強弱差が大きいエ
ンコーダ信号を得ることができ、高分解能のエンコーダ
を得ることが可能である。
【0066】5.(構成)第4項に記載の光学式エンコ
ーダにおいて、スケールピッチをp、スケール面上でス
ケールのピッチ方向をベクトルP(以下、ベクトルPを
単にPと表記する)、前記スケール面上で、ピッチ方向
Pと垂直なピッチ方向をQ(以下、ベクトルQを単にQ
と表記する)、レーザ光射出方向に垂直な平面と前記方
向P、Qのなす角をそれぞれθ、ψとしたときに、 fλ/acosθ<p≦3fλ/acosθ (但し、−π/2<θ<π/2、−π/2<ψ<π/
2) であることを特徴とする光学式エンコーダ。
【0067】(作用・効果)第4項と同様に、高分解能
のエンコーダが実現できる。ここで、スケール面上での
スポット形状が与えられたときに、これに対するスケー
ルピッチの設計によって、エンコーダ信号の形状や、信
号の分割を含めた最終的な分解能が決定されるが、本構
成に示した条件では、得られるエンコーダ信号がほぼ正
弦波に近い形状になる。従って、信号を電気的に分割し
て、高分解能のエンコーダを実現することが可能にな
る。
【0068】6.(構成)第4項に記載の光学式エンコ
ーダにおいて、スケールピッチをp、スケール面上でス
ケールのピッチ方向をベクトルP(以下、ベクトルPを
単にPと表記する)、前記スケール面上で、ピッチ方向
Pと垂直なピッチ方向をQ(以下、ベルトルQを単にQ
と表記する)、レーザ光射出方向に垂直な平面と前記方
向P、Qのなす角をそれぞれθ、ψとしたときに、 3fλ/acosθ<p≦1(mm) (但し、−π/2<θ<π/2、−π/2<ψ<π/
2) であることを特徴とする光学式エンコーダ。
【0069】(作用・効果)第4項と同様に、高分解能
のエンコーダが実現できる。ここで、スケール面上での
スポット形状が与えられたときに、これに対するスケー
ルピッチの設計によって、エンコーダ信号の形状や、信
号の分割を含めた最終的な分解能が決定される。本構成
に示した条件では、得られるエンコーダ信号がほぼ矩形
波に近い形状になる。従って、特に二値化回路等が不要
で、ノイズ等にも強いという効果がある。また、本構成
では、技術的にはpの上限はなく、疑似矩形波形状の信
号が得られるが、実際には、本発明は高分解能化を目的
とした光学式エンコーダへの応用を想定しているので、
pは1mm程度以下に限定できる。
【0070】7.(構成)第5項に記載の光学式エンコ
ーダにおいて、スケールピッチをp、スケール面上でス
ケールのピッチ方向をベクトルP(以下、ベクトルPを
単にPと表記する)、前記スケール面上で、ピッチ方向
Pと垂直なピッチ方向をQ(以下、ベクトルQを単にQ
と表記する)、レーザ光射出方向に垂直な平面と前記方
向P、Qのなす角をそれぞれθ、ψとしたときに、 p=2fλ/acosθ (但し、−π/2<θ<π/2、−π/2<ψ<π/
2) であることを特徴とする光学式エンコーダ。
【0071】(作用・効果)第4項と同様に、高分解能
のエンコーダが実現できる。ここで、スケール面上での
スポット形状が与えられたときに、これに対するスケー
ルピッチの設計によって、エンコーダ信号の形状や、信
号の分割を含めた最終的な分解能が決定される。本構成
では、得られるエンコーダ信号がほぼ正弦波に近い形状
になり、かつ本構成で定義された仕様のスケールを用い
ることによって、信号の電気的分割を含めて最小の分解
能を有するエンコーダを得ることが可能である。
【0072】8.(構成)面発光半導体レーザを匡体内
に封止し、前記匡体表面に第一の集光手段を設け、面発
光半導体レーザと、前記第一の集光手段との間に第二の
集光手段を設け、前記第二の集光手段によって集光され
た光が再び拡散し、光線束径が前記第二の集光手段の径
よりも大きくなる位置に前記第一の集光手段を配置し、
前記第一の集光手段によって集光される位置にスケール
を配置することを特徴とする光学式エンコーダ。
【0073】(作用・効果)面発光レーザの射出光を第
二の集光手段によって一旦集光し、さらに後方で拡散し
た地点に第一の集光手段を配置してこれによりスケール
表面に集光して照射し、スケールからの透過光、反射光
または回折光を検出することによって、スケールの移動
量を測定する。この場合、匡体から射出する際の光線束
径が大きくなり、集光時のスポット径を小さくして分解
能を向上させること、あるいは光源から遠距離の面に集
光してスケールの配置を容易にすることが可能である。
また、匡体表面に集光手段を設けることにより、余分な
組立や調整の工程を最小限に押さえることが可能であ
る。さらに、第二の集光手段によって一旦集光した光を
拡散させていることより、射出窓の回折のみによる場合
に比べて広がり角を大きくすることが可能であり、第一
の集光手段と第二の集光手段の間隔を小さくすることに
より、小型のエンコーダを構成することが可能である。
【0074】9.(構成)第8項に記載の光学式エンコ
ーダにおいて、面発光半導体レーザ光源の表面に第二の
集光手段をモノリシックに形成することを特徴とする光
学式エンコーダ。
【0075】(作用・効果)レーザ光を第二の集光手段
によって一旦集光し、さらに後方で拡散した地点に第一
の集光手段を配置してこれによりスケール表面に集光し
て照射し、スケールからの透過光、反射光または回折光
を検出することによって、スケールの移動量を測定す
る。この場合、第8項と同様に、匡体から射出する際の
光線束径が大きくなり、集光時のスポット径を小さくし
て分解能を向上させること、あるいは光源から遠距離の
面に集光してスケールの配置を容易にすることが可能で
ある。また、匡体表面に集光手段を設けることにより、
余分な組立や調整の工程を最小限に押さえることが可能
である。第二の集光手段によって一旦集光した光を拡散
させていることより、射出窓の回折のみによる場合に比
べて広がり角を大きくすることが可能であり、第一の集
光手段と第二の集光手段の間隔を小さくすることによ
り、小型のエンコーダを構成することが可能である。さ
らに、第二の集光手段をモノリシックに形成することに
より、組立や調整の工程を省くことが可能である。
【0076】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
従来の面発光レーザよりもビームの広がりが少なく、従
ってサイズの小さいスポットを形成できる光源が得られ
る。さらに、この光源を使用することにより、従来より
も小型で低コストで高分解能の光学式エンコーダが得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】面発光レーザの構造を示す斜視断面図である。
【図2】開口を通過した平面波が回折により広がる様子
を示す図である。
【図3】フレネル(Fresnel )回折とフラウンホーファ
ー(Fraunhofer)回折を数値計算で求めた結果を示すグ
ラフである。
【図4】第一の実施の形態による光学式エンコーダの構
成を示す図である。
【図5】図4において、スケールが矢印の方向に移動し
た場合に光検出器で得られる信号を示すグラフである。
【図6】横軸にスケールピッチp、縦軸に正規化振幅A
n をとって作成したグラフである。
【図7】図4に示したマイクロレンズの作製方法を説明
するための図である。
【図8】スケールがスケールピッチ方向に傾いている光
学式エンコーダの構成を示す図である。
【図9】スケールがスケールピッチ方向に直交する方向
に傾いている光学式エンコーダの構成を示す図である。
【図10】第二の実施の形態による光学式エンコーダの
構成を示す図である。
【図11】第三の実施の形態による光学式エンコーダの
構成を示す図である。
【図12】特願平6−043656号に開示されている
面発光レーザを用いたエンコーダを説明するための図で
ある。
【図13】通常の光源を用いたエンコーダの構成を示す
図である。
【符号の説明】
1…面発光レーザ、2…スケール、3…受光素子、4…
マイクロレンズ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】面発光半導体レーザの光射出面に、レンズ
    をモノリシックに形成した半導体レーザ光源において、 面発光半導体レーザ光源の光射出窓の幅をa、レーザ光
    の波長をλ、レンズの焦点距離をf、レンズの屈折率を
    n、レンズ周辺の雰囲気(例えば空気)の屈折率をn′
    とし、 f=ma2 /2λ とおいたときに、 n′λ/(n−n′)a≦m<2 であることを特徴とする半導体レーザ光源。
  2. 【請求項2】光の反射率または透過率が周期的に変化す
    る周期構造を備えた、移動可能に設けられたスケール
    と、 スケールの周期構造に光を照射する請求項1に記載の半
    導体レーザ光源と、 スケールからの光を受光する受光素子とを有し、スケー
    ルと光源の間の相対的な移動による受光素子の出力信号
    の変化に基づき、その移動量を検出することを特徴とす
    る光学式エンコーダ。
  3. 【請求項3】面発光半導体レーザと、 これを封止する匡体と、 匡体表面に設けられた第一の集光手段と、 面発光半導体レーザと第一の集光手段の間に設けられた
    第二の集光手段と、 第一の集光手段によって集光される位置に移動可能に配
    置された光学的な周期構造を備えたスケールと、 スケールからの光を受ける受光素子とを有し、 第一の集光手段は、第二の集光手段によって一旦集光さ
    れた後の拡散する光の径が、第二の集光手段の径よりも
    大きくなる位置に配置されていることを特徴とする光学
    式エンコーダ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2009099950A (ja) * 2007-09-28 2009-05-07 Kyocera Corp 受発光一体型素子アレイおよびそれを用いたセンサ装置

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US7294863B2 (en) 2000-10-20 2007-11-13 Samsung Electronics Co., Ltd. Micro-lens built-in vertical cavity surface emitting laser
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