JP3568287B2 - 光学式エンコーダ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学式エンコーダに関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、射出光の広がりが少ない垂直共振器型面発光レーザ(面発光レーザ、面発光半導体レーザとも記す)を用いたエンコーダを特願平6−043656号において提案している。その構成を図12(A)に示す。面発光レーザ1から射出されたレーザビームは、これに対して相対移動するスケール2に照射される。面発光レーザ1は、その射出光の広がりが少ないので、スケール2にはサイズの小さいスポットが形成される。スケール2からの透過光または反射光は光検出器(受光素子)3または3′に入射し、その強度が検出される。
【0003】
スケール面上に形成されるスポットの径がスケールのピッチに比べて非常に小さい場合には、スケールの変位xに対して、図12(B)に示されるように、矩形波形状の受光素子出力信号が得られる。また、スケール面上に形成されるスポットの径がスケールのピッチの1/2程度の場合には、スケールの変位xに対して、図12(C)に示されるように、三角波形状あるいは正弦波形状の受光素子出力信号が得られる。これは、面発光レーザはレーザ光の放射角が非常に小さいため、例えば図13に示される従来の光学式エンコーダ(日経メカニカル、1988.7.25 p.54)のように、レンズ13および固定スリット22を使用しなくても、レーザ光の照射領域が小さく限定されるからである。
【0004】
このように、本出願人が提案した前述の発明は、細くて鋭いビームを射出する面発光レーザを利用することにより、レンズや固定スリットを必要としない簡単な構成の高分解能なエンコーダを提供するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図12に示したエンコーダでは、スケール面上に形成されるスポットの径がスケールのピッチより大きいと、スケールの変位に対して受光素子出力信号の強弱差が極端に小さくなり変位検出が困難となるため、スケール面上に形成されるスポットの径を可能な限り小さくする必要がある。また、面発光レーザの細くて鋭いビームをそのまま利用しているので、スケール面上に形成されるスポットの径を面発光レーザの射出窓径より小さくすることはできない。また、面発光レーザの射出窓径をあまり小さくすると、射出窓における回折のために、逆にレーザビームの広がり角は大きくなってしまう。さらに、スケール面上に小さいスポットを形成するためには、スケールと光源を近接させる必要があるが、この場合、エンコーダ組み込み機器の可動部と固定部が近接することになるため、組み込み機器の設計や製作が困難になるばかりでなく、距離の変動による信号変化が起こり易く、エンコーダの出力信号が安定しないという問題点がある。
【0006】
本発明は、スケール上でのビーム径が小さく高分解能の光学式エンコーダを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による半導体レーザ光源は、面発光半導体レーザの光射出面にレンズがモノリシックに形成され、面発光半導体レーザ光源の光射出窓の幅をa、レーザ光の波長をλ、レンズの焦点距離をf、レンズの屈折率をn、レンズ周辺の雰囲気(例えば空気)の屈折率をn′とし、f=ma2 /2λとおいたときに、n′λ/(n−n′)a≦m<2であることを特徴とする。
【0008】
本発明による光学式エンコーダは、光の反射率または透過率が周期的に変化する周期構造を備えた、移動可能に設けられたスケールと、スケールの周期構造に光を照射する半導体レーザ光源と、前記スケールから光を受光する受光素子とを有し、前記スケールと光源の間の相対的な移動による受光素子の出力信号の変化に基づき、その移動量を検出することを特徴とする光学式エンコーダにおいて、前記半導体レーザ光源は、面発光半導体レーザの光射出面に、レンズをモノリシックに形成した半導体レーザ光源であって、面発光半導体レーザ光源の光射出窓の幅をa、レーザ光の波長をλ、レンズの焦点距離をf、レンズの屈折率をn、レンズ周辺の雰囲気(例えば空気)の屈折率をn′とし、f=ma2/2λとおいたときに、n′λ/((n−n′)a)≦m<2の関係を満たし、前記スケールは、前記光源から前記レンズを経て前記スケールに至るレーザ光のビーム径が、前記スケール上で最小となる位置に配置されることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、いくつかの実施の形態について説明するが、その前に、すべての実施の形態に共通する発明の原理について述べる。
図1は、光源に用いられる面発光レーザの構造を示している。図1に示されるように、面発光レーザは、活性層(発光層)101を挟んで両端に多層薄膜ミラー102が形成され、これを上部電極103と下部電極104が挟みこむ構成となっている。両電極間に電圧を印加すると活性層101に電流が注入され、活性層101が発光する。活性層101とミラー102により膜厚方向に共振器が形成されているため、この方向に発振が起こり、上部電極103を部分的に除去して形成された開口から光が、膜平面に対して垂直な方向に射出される。活性層の材料としては例えばGaAs、多層ミラーの材料としてはp型またはn型のGaAs/AlGaAs積層膜などがあげられる。
【0011】
この構造のレーザの利点として、上部電極103のパターンニングにより開口(光の射出窓)の形状を自由に設計できる点があげられる。裏面側射出光を使用する場合は、下部電極104に開口を形成する。開口から放射される光は、開口で回折されるために、広がったものとなる。そのビーム広がりは、開口の形状と大きさによって決まるので、開口の設計により、ビーム広がりを比較的小さく抑えることができる。
【0012】
次に、開口の大きさによる放射光のビーム広がりについて、以下に説明する。面発光レーザからの射出光については、図2に示されるように、射出窓形状に相当する開口105に、平行な平面波を入射させた場合にほぼ近似できる。開口105を通過した後のビームの広がりは、開口105の大きさaおよび観測面106と開口105の間の距離rが波長に対して五倍以下程度の場合を除けば、フレネル・キルヒホッフ(Fresnel−Kirchhoff )の回折積分によって計算することができる。即ち、x軸に沿った一次元分布のみを考慮して、開口関数をu0 (x0 )、観測面上での回折光をu(x)とすると、次式で表される。
【0013】
【数1】
【0014】
また、特殊な場合として、開口と観測点の距離がある程度以上離れている場合にはフレネル(Fresnel )回折、非常に遠い場合にはフラウンホーファー(Fraunhofer)回折と呼ばれ、それぞれ式(2)、式(3)で表される。
【0015】
【数2】
【0016】
【数3】
以上をまとめると、面発光レーザの射出光の回折パターンは、式(1)により計算され、観測面と光源の距離によっては式(2)、さらに特殊な場合には式(3)を用いて近似的に計算することができる。
【0017】
さらに、平面波が開口を通過した後に凸レンズで集光する場合について以下に説明する。凸レンズに平面波が入射すると、レンズからの射出光は、レンズの焦点位置に集光する球面波となる。これは、レンズに位相変換作用があり、光軸から離れた光ほど位相が進められるというように説明され、この作用は次式で表される。
【0018】
【数4】
fに比べてx0 が小さいとすると、上式は次のように表せる。
【0019】
【数5】
式(5)をフレネル(Fresnel )回折の式(2)に代入してレンズの焦点面での回折光を計算すると、次式となり、フラウンホーファー(Fraunhofer)回折の式(3)のrにfを代入した式と同じになる。
【0020】
【数6】
【0021】
以上をもとにして、面発光レーザの射出光と、これをレンズによって集光する場合の回折パターンについて計算する。まず、レンズを使用して集光する場合は、焦点位置では常にフラウンホーファー(Fraunhofer)回折の式(6)で表される。一方、レンズを使用しない場合は、レンズと観測面の距離によって、フラウンホーファー(Fraunhofer)回折またはフレネル(Fresnel )回折となり、観測面が射出面の近傍の場合には、以上のどちらでもない回折パターン(射出面に非常に近い場合以外はフレネル・キルヒホッフ(Fresnel−Kirchhoff )の回折積分で計算可能)となる。従って、レンズを使用する場合に、レンズの焦点がフラウンホーファー(Fraunhofer)領域になるように設計されていると、両者ともフラウンホーファー(Fraunhofer)回折の式で計算可能である。従って、この領域では、レンズを使用してもしなくても、同様の回折パターンが得られ、レンズを使用する効果はない。一方、レンズの焦点がフレネル(Fresnel )領域あるいはさらに開口に近い場合には、レンズで集光する場合としない場合とで違う回折パターンが得られ、レンズを使用する効果を得ることが可能である。
フレネル(Fresnel )領域とフラウンホーファー(Fraunhofer)領域の区別については、例えば、鶴田匡夫著「応用光学」(培風館)によると、
【0022】
【数7】
と定義したときに、m<1がフレネル(Fresnel )領域、m>1がフラウンホーファー(Fraunhofer)領域であると記されている。実際に、mの値によるフレネル(Fresnel )回折とフラウンホーファー(Fraunhofer)回折を数値計算で求め、比較した結果を図3に示す。この図では、フレネル(Fresnel )回折で計算されたパターンがレンズを使用しない場合に相当し、フラウンホーファー(Fraunhofer)回折で計算されたパターンがレンズを使用した場合に相当する。この結果より、m=2でほぼ両者は等しいと言え、m=1では差は見られると考えられる。従って、レンズで集光する場合、m<2を満たすように設計すれば、レンズを使用しない場合に比較してスポットを小さくする効果を得ることが可能である。
【0023】
レンズを使用して集光する場合に、スポットを小さくするためには、NA(開口数)の大きいレンズを使用する必要がある。即ち、今まで述べた理論と同様に、x軸に沿った方向のスポット幅d0 は次式で表される。
【0024】
【数8】
また、レンズの焦点距離をf、レンズの径をaとすると、NAは近似的に次式で表される。
【0025】
【数9】
従って、スポットを小さくするためには、大口径で、短焦点のレンズを使用すればよいことになる。面発光レーザの光をレンズで集光する場合には、レンズの実質的な口径は面発光レーザの射出窓の径となるので、射出窓径も大きくすることが望ましい。但し、実際にはNAを無限に大きくできる訳ではなく、プロセスあるいはデバイス構成上の制限が加わることになるが、これについては後述する。
【0026】
次に、これまでに述べた特性を持つ光源と、透過率(あるいは反射率)が高い部分と低い部分を交互に持つスケールを組み合わせてエンコーダを構成する場合に、最適なスケールピッチの設計方法について説明する。
【0027】
これまでに述べたような光源を用いたエンコーダの構成を図4に示す。図4に示されるように、面発光レーザ1から射出されるビームを、その表面にモノリシックに形成されたマイクロレンズ4を通してスケール2に照射し、その透過光を受光素子3で受ける構成を考える。簡単のため、ここではx方向のみの一次元のみを取り扱う。また、スケール2は、射出ビームに対して垂直に配置されているものとする。スケール2は、ここでは高光反射率の部分と低反射率の部分が交互に一定間隔で配置された部材とする。このような部材は、例えばガラス基板にAlなどの高反射率の薄膜を蒸着し、これをリソグラフィー技術を用いてパターンニングすることで容易に実現できる。
【0028】
面発光レーザと集光レンズを組み合わせてスポットを作成する場合、前述したように、焦点面での回折光は式(6)で計算される。これは、フラウンホーファー(Fraunhofer)回折の式(3)と同じであり、回折パターンは開口関数をフーリエ(Fourier )変換すれば求められる。例えば、一次元の分布を考えると、開口幅aの光源から距離f(レンズの焦点距離に等しい)の点における光強度分布|A|2 は次式で表される。
【0029】
【数10】
ここで、光軸から強度が最初に0となる点までの距離r0 は次式で表される。
【0030】
【数11】
前述のスポット幅d0 は、r0 の二倍となるので、スポット幅は次式で表される。
【0031】
【数12】
この式(12)は、式(9)を式(8)に代入したものと一致している。この結果より、先に述べたように小さいスポットを得るためには、開口幅aを大きくし、レンズの焦点距離fを小さくする必要がある。ここで、面発光レーザを光源とする場合、開口形状、寸法は任意にパターンニングすることができるが、開口が大きすぎる場合は、横モードの制御が困難となり、また閾値電流が大きくなるといった問題があるため、寸法には制限があり、60μm程度がプロセス上の限界と考えられる。また、レンズの焦点距離を小さくする場合には、曲率半径の小さいレンズを作成する必要があるが、レンズは面発光レーザの開口全体をカバーする必要があるので、平凸レンズを使用する場合には、曲率半径の最小値は、レーザ開口幅の半分と言うことになる。レンズの焦点距離をf、レンズの屈折率をn、レンズ周囲の雰囲気(例えば空気)の屈折率をn′、レンズの曲率半径をrとすると、薄レンズの公式は次式となる。
【0032】
【数13】
従って、r=a/2の場合に、前述のmを計算すると、次式となる。
【0033】
【数14】
これが最小値となり、このときfも最小となる。以上は、理論的な最小値であるが、実際にはfが小さすぎる場合には、例えばエンコーダに応用する場合には、光源とスケールが非常に接近することになり、機構的に実現が困難であったり、実現できても非常に高価なものとなる等の問題がある。従って、実際にはNAの値には上限があり、装置の仕様やプロセス条件等によって、レンズの最適設計値が変わることになる。
【0034】
この光ビームがリニアスケールに当った場合、例えば透過光の光量は、リニアスケールの透過率分布とスポット強度分布の積をx軸上で積分すれば得られる。但し、光検出器(受光素子)は透過光量の全てを受光できるほど十分大きいとし、スケールでの回折等は考えないものとする。図4において、リニアスケールの透光部の透過率を1、遮光部の透過率を0として、このスケールが矢印の方向に移動した場合に、光検出器で得られる信号光量を求めたものを図5に示す。これはスケールピッチp=r0 、2r0 、3r0 、4r0 について計算した結果であるが、ピッチに対応した周期的な信号が得られ、この信号周期をカウントすればスケールの移動量が計測できる。ピッチが細かくなるにつれて分解能は向上するが、信号振幅は小さくなるので、これを考慮してピッチを決定する必要がある。
【0035】
図5より、p=r0 の場合は、ほとんどエンコーダとしての信号は得られず、スポット径に対してスケールピッチが小さすぎることがわかる。p=2r0 、3r0 の付近では、振幅もかなりあり、正弦波に近い形状の信号が得られている。また、p=4r0 の場合は、信号が正弦波的な形から矩形波的な形に変わっており、スポット径に対してスケールピッチが大きすぎることがわかる。以上より、スケールピッチが、次式の範囲にあるとき、正弦波形が得られる。
【0036】
【数15】
また、スケールピッチが、次式の場合では、信号は徐々に矩形波に近い形状となっていくことがわかる。
【0037】
【数16】
なお、技術的にはpには上限はなく、(16)式を満足する限り擬似矩形波形状の信号が得られるが、本発明は高分解能化を目的とした光学式エンコーダに適用されるので、実際にはpの上限は1mm程度であると考えられる。このような形で信号が計算できれば、このうち実用上問題のない信号が得られ、かつスケールピッチが極力小さくなるように設計すればよいことになる。
【0038】
ところで、エンコーダの高分解能化のためには、スケールピッチを小さくする他に、得られた信号を電気的に分割することによって、スケールピッチで決定される分解能よりも小さい分解能を得ることが可能である。従って、最終的に分解能を最小にするためには、電気的な分割も含めて考慮する必要がある。ここでは、エンコーダ信号の最大値をEmax 、最小値をEmin としたときに、可能な分割数は正規化振幅An に比例するものと仮定した。なお、正規化振幅An は次式で表される。
【0039】
【数17】
また、横軸にスケールピッチp、縦軸に正規化振幅An をとって作成したグラフを図6に示す。図6より、スケールピッチが小さくなると、それにつれて振幅が小さくなり、逆にピッチが大きくなると、振幅はあるところで飽和することがわかる。高分解能化を図るためには、pを小さく、An を大きくすればよいので、An /pの値が最大となる点で、最小分解能を得られると考えられる。ところで、An /pは、図6の曲線上の点から原点まで引いた直線の傾きに相当するので、これが最大になるとき、すなわち、原点から図6の曲線に引いた接線の接点が最小分解能を与える点であることになる。グラフより、おおよそp=2r0 の付近がスケールの最適設計値であることがわかる。
【0040】
以下、具体的な実施の形態について説明する。
<第一の実施の形態>
本発明の第一の実施の形態の光学式エンコーダの構成を図4に示す。まず、光源について説明する。光源としては、面発光レーザ1の表面に、モノリシックに形成したマイクロレンズ4を配置したものを使用している。面発光レーザ1は、図1に示したもので、これについては既に詳しく説明した。マイクロレンズ4は、例えば、次のようにして作製される。図7(A)に示されるように、フォトレジスト等の樹脂を円形にパターンニングした後、樹脂のフロー温度以上(例えば150℃)の温度環境において熱フローさせる。すると、表面張力によって、図7(B)に示されるような平凸レンズの形状が得られる。この平凸形状をそのままマイクロレンズとして用いることもできるが、別の方法として、樹脂による平凸形状をマスクとして使用し、その下層にある膜にドライエッチング等の手法で形状を転写し、これをマイクロレンズとしてもよい。さらに、マイクロレンズの作製方法としては、他の方法も提案されているが、これらは、面発光レーザ1の作製プロセスを妨げるものでなければ、本発明に適用可能である。
【0041】
レンズの設計の際には、前述のレンズ設計の指針の基に行う必要がある。すなわち、式(7)で定義されるmの値が、m<2となるように、aに対してfを設計する必要がある。
【0042】
この実施形態では、面発光レーザの射出面に、平凸形状のマイクロレンズをモノリシックに形成してあり、射出光を集光するために適切に設計されているため、マイクロレンズの焦点面付近でスポット径を小さくすることが可能である。また、レンズをモノリシックに形成することによって、余分な組立や調整を伴わずに機能を加えることができる。
【0043】
次に、以上に述べた光源を使用した光学式エンコーダの構成について説明する。この実施形態は、透過式の光学式エンコーダで、射出ビームをスケール2に照射し、その透過光を受光素子3で受ける構成となっている。図4の構成では、スケール2の面が光ビームに対して垂直となっているが、一般に垂直である必要はなく、図8や図9に示される構成であってもよい。スケール2の面上でスケール2のピッチ方向をP、スケール2の面上で、ピッチ方向Pと垂直な方向をQ、レーザ光の射出方向に垂直な平面と方向Pのなす角をθとし、この平面と方向Qのなす角をψとしたときに、図8はθ≠0、ψ=0の場合を示し、図9はθ=0、ψ≠0の場合を示している。図8の場合には、スケール2でのスポット幅のP方向成分はd0 /cosθで表され、図9の場合はψの値によらずd0 で表される。
【0044】
このような構成の光学式エンコーダにおいて、高分解能化を図るためには、スポット形状が与えられた際に、スケールピッチを最適に決定する必要がある。これに関しても、既に述べたように、最適な条件が計算で求められ、θ、ψの影響も考慮すると、次式を満足するように設計すれば、それが最適なスケールピッチであると言える。
【0045】
【数18】
また、r0 /cosθ<p≦3r0 /cosθのときには、ほぼ正弦波状のエンコーダ信号が得られ、p≧3r0 /cosθのときには、矩形波に近いエンコーダ信号が得られる。なお、技術的にはpには上限はないが、前述したように、本発明は高分解能化を目的とした光学式エンコーダに適用されるので、実際にはpの上限は1mm程度であると考えられる。
【0046】
この実施形態には次のような利点がある。
面発光半導体レーザの表面に上述した仕様のマイクロレンズをモノリシックに形成することにより、ビームの広がりが小さく、従って小さいスポットを形成できる半導体レーザ光源が得られる。また、これを光源に用いてエンコーダを構成することにより、レンズを使用しない場合に比べて、スケール上でのビーム径が小さく、従って高分解能の光学式エンコーダが得られる。勿論、面発光レーザを使用していることによる利点、すなわち、構成が簡素なため小型化が容易に行なえるとともに組み立ても簡単に行なえ、さらに製造コストも低く済むといった利点を兼ね備えている点も見逃せない。
【0047】
この実施形態は、本発明を透過型のエンコーダに適用した例であるが、本発明は反射型のエンコーダに対して適用してもよく、この場合にも同様の利点が得られる。
【0048】
<第二の実施の形態>
本発明の第二の実施の形態の光学式エンコーダの構成を図10に示す。本実施形態は前述の実施形態に類似しているが、次に述べる点で両者は異なっている。第一の実施の形態では面発光レーザの表面側(図1の上部電極側)にレンズをモノリシックに形成したが、第二の実施の形態では面発光レーザの裏面側(図1の下部電極側)にレンズをモノリシックに形成している。
【0049】
この構成によれば、裏面側の多層薄膜ミラー最下部から基板の裏面までは、ある程度(例えば80μm程度)の距離があるため、レンズに入射する時点において、回折により光がある程度広がった状態になっている。このため、第一の実施の形態に比べて、NAの大きいレンズを作製することができ、この場合、スポット径は第一の実施の形態よりも小さくなる。また、第一の実施の形態と同じNAのレンズを使用する場合には、光は第一の実施の形態よりも光源から離れた点に集光する。
【0050】
この実施の形態によれば、第一の実施の形態よりも大きいNAのレンズが使用でき、従ってスポット径を更に小さくすることができ、これにより更に高分解能の光学式エンコーダを得ることができる。あるいは、第一の実施の形態と同じNAのレンズを使用することによって、第一の実施の形態よりも光源とスケールの間隔を大きくすることができ、これにより機構設計や製作を容易に行なえるようにすることもできる。
【0051】
この実施形態は、本発明を透過型のエンコーダに適用した例であるが、本発明は反射型のエンコーダに対して適用してもよく、この場合にも同様の利点が得られる。また、第一の実施の形態において説明したように、スケールがビームに対して垂直でない場合についても、第一の実施の形態の場合と同じ考えが成り立つ。
【0052】
<第三の実施の形態>
本発明の第三の実施の形態の光学式エンコーダの構成を図11に示す。
面発光レーザを例えば光学素子実装用のステム5に実装し、キャップ6にレンズ7を一体化する。さらに、面発光レーザ1表面にモノリシックにマイクロレンズ4を形成する。
【0053】
面発光レーザ1からの射出光は、マイクロレンズ4で一旦集光された後に再度広がり、キャップ6の表面のレンズ7に入射する。この時点で光はマイクロレンズ4の径よりも広がっており、レンズ7のNAを大きくすることができ、スポット径を小さくすることが可能である。あるいは、第一の実施の形態と同じNAのレンズを使用する場合には、光源とスケールの間隔を大きくすることが可能となる。
【0054】
また、この実施形態で使用されるマイクロレンズ4は、第一の実施の形態や第二の実施の形態に記載されているものと同様であるが、集光した後の広がり角を大きくすることが目的であるため、そのNAは大きいことが望ましい。従って、基本的なレンズの製造方法は、第一の実施の形態に記載したものと同様であるが、製造上の条件等は異なったものとなる。マイクロレンズ4を適切に設計することにより、一旦集光した後の広がり角を大きくすることができ、これによりレーザ1の表面とキャップ6の表面のレンズ7との間隔を小さくすることができ、全体を小型化することが可能である。
【0055】
この実施形態では、面発光半導体レーザの表面側射出光を利用しているが、裏面側射出光を利用する構成も可能である。
以上のように、この実施形態においては、一旦広がった光を集光するために、NAの大きいレンズを使用することができる。従って、スポット径を小さくすることが可能である。あるいは、第一の実施の形態と同じNAのレンズを使用する場合には、光源とスケールの間隔を大きくすることが可能となり、機構設計や製作が容易になる。また、ステムのキャップにレンズを一体化しているので、レンズの組立や調整に起因する余分な工程を最小限にすることが可能である。さらに、面発光半導体レーザ表面にモノリシック成形したマイクロレンズを使用することによって、小型化が容易である。
【0056】
この実施形態は、本発明を透過型のエンコーダに適用した例であるが、本発明は反射型のエンコーダに対して適用してもよく、この場合にも同様の利点が得られる。また、第一の実施の形態において説明したように、スケールがビームに対して垂直でない場合についても、第一の実施の形態の場合と同じ考えが成り立つ。
【0057】
本発明は、上述の実施の形態に何等限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で行なわれる実施形態は、すべて本発明に含まれる。
なお、本明細書は以下の各項に記した発明を含んでいる。
【0058】
1.
(構成)面発光半導体レーザの光射出面に、レンズをモノリシックに形成した半導体レーザ光源において、面発光半導体レーザ光源の光射出窓の幅をa、レーザ光の波長をλ、レンズの焦点距離をf、レンズの屈折率をn、レンズ周辺の雰囲気(例えば空気)の屈折率をn′とし、
f=ma2 /2λ
とおいたときに、
n′λ/(n−n′)a≦m<2
であることを特徴とする半導体レーザ光源。
【0059】
(作用・効果)面発光レーザからの射出ビームは非常にビーム放射角が小さいので、ほぼ平行ビームでかつほぼ平面波とみなすことができるが、そのまま使用した場合には、観測面でのスポット径を面発光レーザの射出窓径よりも小さくすることはできない。一方、面発光レーザの射出面にレンズをモノリシックに形成することによって、レンズの焦点位置付近の観測面でのスポット径を面発光レーザの射出窓径より小さくすることが可能である。しかしながら、一般に面発光レーザの射出窓径は小さく、数μm〜数十μmのオーダーであるので、かなり短焦点のレンズを使用しないとレンズのNA(開口数)を大きくすることが出来ず、レンズによる集光が比較的難しくなる。場合によっては、レンズを使用してもしなくてもほぼ同じ結果となってしまう。射出窓径を大きくすると、集光は容易になるが、面発光レーザの閾値電流が上がる、横モードの制御が困難になる等の問題があり、現実には上限がある。また、レンズ焦点距離を短くするとNAが大きくなるが、これにも限界があり、面発光レーザの開口幅がレンズの曲率半径の二倍になるときが、最小と考えられる。さらに、アプリケーションによっては、焦点位置を射出面の近傍には設け難い場合もある。これらを考慮し、上記の条件のレンズを使用すれば、現実的な射出窓径の範囲で確実にレンズの効果を発揮して、レンズを使用しない場合に比べて小さいスポットを作ることが可能になる。また、集光手段を面発光レーザ表面にモノリシックに形成しているので、組立や調整等が不要で、しかも超小型であり、従来の面発光レーザと同様に使用することが可能である。
【0060】
2.
(構成)第1項に記載の半導体レーザ光源において、面発光半導体レーザの基板側射出面にレンズをモノリシックに形成したことを特徴とする半導体レーザ光源。
【0061】
(作用・効果)本構成では、第1項で述べた作用、効果がそのまま当てはまるが、さらに面発光レーザの基板側射出面にレンズを形成していることにより、次のような効果がある。すなわち、面発光レーザの基板側射出面は、多層ミラーの終端から基板の厚さ分離れているために、この間に射出光はある程度広がって、射出面に設けたレンズに入射することになる。従って、従来はレンズに入射する光線束径が大きいほど集光時のスポットが小さくなるが、面発光レーザの特性上射出窓径には上限があったのに対し、本構成では従来よりもレンズ入射角の光線束径を大きくすることが可能であり、集光時のスポットを小さくすることが可能である。
【0062】
3.
(構成)第1項または第2項に記載された半導体レーザ光源において、光射出窓の径または幅dが、射出光の波長をλとしたとき、
λ≦d≦60(μm)
であることを特徴とする半導体レーザ光源。
【0063】
(作用・効果)本構成では、第1項または第2項で述べた作用・効果がそのまま当てはまるが、これらに加えて、本構成で述べたような面発光レーザを使用することにより、閾値電流、横モード制御性等の点で、特性の良い光源を得ることが可能である。
【0064】
4.
(構成)第1項ないし第3項に記載された半導体レーザ光源と、前記光源に対して相対的に移動し、光の反射率または透過率が周期的に変化するように形成されたスケールを、その一部を前記光源からの光が照射するように配置し、前記スケールからの反射光、透過光または回折光を受光するための受光素子を有し、前記スケールと前記光源の相対的な移動に伴う前記受光素子における検出信号の変化を利用して、移動量を検出することを特徴とする光学式エンコーダ。
【0065】
(作用・効果)レンズをモノリシックに形成した半導体レーザ光源を使用することによって、スケール上に径の小さいスポットを形成し、スケールからの透過光、反射光または回折光を検出することによって、スケールの移動量を測定する。この際に、面発光レーザをそのまま使用する場合に比べて、スケール上でのスポット径を小さくすることができるため、これに対応してピッチの小さいスケールを使用しても強弱差が大きいエンコーダ信号を得ることができ、高分解能のエンコーダを得ることが可能である。
【0066】
5.
(構成)第4項に記載の光学式エンコーダにおいて、スケールピッチをp、スケール面上でスケールのピッチ方向をベクトルP(以下、ベクトルPを単にPと表記する)、前記スケール面上で、ピッチ方向Pと垂直なピッチ方向をQ(以下、ベクトルQを単にQと表記する)、レーザ光射出方向に垂直な平面と前記方向P、Qのなす角をそれぞれθ、ψとしたときに、
fλ/acosθ<p≦3fλ/acosθ
(但し、−π/2<θ<π/2、−π/2<ψ<π/2)
であることを特徴とする光学式エンコーダ。
【0067】
(作用・効果)第4項と同様に、高分解能のエンコーダが実現できる。ここで、スケール面上でのスポット形状が与えられたときに、これに対するスケールピッチの設計によって、エンコーダ信号の形状や、信号の分割を含めた最終的な分解能が決定されるが、本構成に示した条件では、得られるエンコーダ信号がほぼ正弦波に近い形状になる。従って、信号を電気的に分割して、高分解能のエンコーダを実現することが可能になる。
【0068】
6.
(構成)第4項に記載の光学式エンコーダにおいて、スケールピッチをp、スケール面上でスケールのピッチ方向をベクトルP(以下、ベクトルPを単にPと表記する)、前記スケール面上で、ピッチ方向Pと垂直なピッチ方向をQ(以下、ベルトルQを単にQと表記する)、レーザ光射出方向に垂直な平面と前記方向P、Qのなす角をそれぞれθ、ψとしたときに、
3fλ/acosθ<p≦1(mm)
(但し、−π/2<θ<π/2、−π/2<ψ<π/2)
であることを特徴とする光学式エンコーダ。
【0069】
(作用・効果)第4項と同様に、高分解能のエンコーダが実現できる。ここで、スケール面上でのスポット形状が与えられたときに、これに対するスケールピッチの設計によって、エンコーダ信号の形状や、信号の分割を含めた最終的な分解能が決定される。本構成に示した条件では、得られるエンコーダ信号がほぼ矩形波に近い形状になる。従って、特に二値化回路等が不要で、ノイズ等にも強いという効果がある。また、本構成では、技術的にはpの上限はなく、疑似矩形波形状の信号が得られるが、実際には、本発明は高分解能化を目的とした光学式エンコーダへの応用を想定しているので、pは1mm程度以下に限定できる。
【0070】
7.
(構成)第5項に記載の光学式エンコーダにおいて、スケールピッチをp、スケール面上でスケールのピッチ方向をベクトルP(以下、ベクトルPを単にPと表記する)、前記スケール面上で、ピッチ方向Pと垂直なピッチ方向をQ(以下、ベクトルQを単にQと表記する)、レーザ光射出方向に垂直な平面と前記方向P、Qのなす角をそれぞれθ、ψとしたときに、
p=2fλ/acosθ
(但し、−π/2<θ<π/2、−π/2<ψ<π/2)
であることを特徴とする光学式エンコーダ。
【0071】
(作用・効果)第4項と同様に、高分解能のエンコーダが実現できる。ここで、スケール面上でのスポット形状が与えられたときに、これに対するスケールピッチの設計によって、エンコーダ信号の形状や、信号の分割を含めた最終的な分解能が決定される。本構成では、得られるエンコーダ信号がほぼ正弦波に近い形状になり、かつ本構成で定義された仕様のスケールを用いることによって、信号の電気的分割を含めて最小の分解能を有するエンコーダを得ることが可能である。
【0072】
8.
(構成)面発光半導体レーザを匡体内に封止し、前記匡体表面に第一の集光手段を設け、面発光半導体レーザと、前記第一の集光手段との間に第二の集光手段を設け、前記第二の集光手段によって集光された光が再び拡散し、光線束径が前記第二の集光手段の径よりも大きくなる位置に前記第一の集光手段を配置し、前記第一の集光手段によって集光される位置にスケールを配置することを特徴とする光学式エンコーダ。
【0073】
(作用・効果)面発光レーザの射出光を第二の集光手段によって一旦集光し、さらに後方で拡散した地点に第一の集光手段を配置してこれによりスケール表面に集光して照射し、スケールからの透過光、反射光または回折光を検出することによって、スケールの移動量を測定する。この場合、匡体から射出する際の光線束径が大きくなり、集光時のスポット径を小さくして分解能を向上させること、あるいは光源から遠距離の面に集光してスケールの配置を容易にすることが可能である。また、匡体表面に集光手段を設けることにより、余分な組立や調整の工程を最小限に押さえることが可能である。さらに、第二の集光手段によって一旦集光した光を拡散させていることより、射出窓の回折のみによる場合に比べて広がり角を大きくすることが可能であり、第一の集光手段と第二の集光手段の間隔を小さくすることにより、小型のエンコーダを構成することが可能である。
【0074】
9.
(構成)第8項に記載の光学式エンコーダにおいて、面発光半導体レーザ光源の表面に第二の集光手段をモノリシックに形成することを特徴とする光学式エンコーダ。
【0075】
(作用・効果)レーザ光を第二の集光手段によって一旦集光し、さらに後方で拡散した地点に第一の集光手段を配置してこれによりスケール表面に集光して照射し、スケールからの透過光、反射光または回折光を検出することによって、スケールの移動量を測定する。この場合、第8項と同様に、匡体から射出する際の光線束径が大きくなり、集光時のスポット径を小さくして分解能を向上させること、あるいは光源から遠距離の面に集光してスケールの配置を容易にすることが可能である。また、匡体表面に集光手段を設けることにより、余分な組立や調整の工程を最小限に押さえることが可能である。第二の集光手段によって一旦集光した光を拡散させていることより、射出窓の回折のみによる場合に比べて広がり角を大きくすることが可能であり、第一の集光手段と第二の集光手段の間隔を小さくすることにより、小型のエンコーダを構成することが可能である。さらに、第二の集光手段をモノリシックに形成することにより、組立や調整の工程を省くことが可能である。
【0076】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明によれば、従来の面発光レーザよりもビームの広がりが少なく、従ってサイズの小さいスポットを形成できる光源が得られる。さらに、この光源を使用することにより、従来よりも小型で低コストで高分解能の光学式エンコーダが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】面発光レーザの構造を示す斜視断面図である。
【図2】開口を通過した平面波が回折により広がる様子を示す図である。
【図3】フレネル(Fresnel )回折とフラウンホーファー(Fraunhofer)回折を数値計算で求めた結果を示すグラフである。
【図4】第一の実施の形態による光学式エンコーダの構成を示す図である。
【図5】図4において、スケールが矢印の方向に移動した場合に光検出器で得られる信号を示すグラフである。
【図6】横軸にスケールピッチp、縦軸に正規化振幅An をとって作成したグラフである。
【図7】図4に示したマイクロレンズの作製方法を説明するための図である。
【図8】スケールがスケールピッチ方向に傾いている光学式エンコーダの構成を示す図である。
【図9】スケールがスケールピッチ方向に直交する方向に傾いている光学式エンコーダの構成を示す図である。
【図10】第二の実施の形態による光学式エンコーダの構成を示す図である。
【図11】第三の実施の形態による光学式エンコーダの構成を示す図である。
【図12】特願平6−043656号に開示されている面発光レーザを用いたエンコーダを説明するための図である。
【図13】通常の光源を用いたエンコーダの構成を示す図である。
【符号の説明】
1…面発光レーザ、2…スケール、3…受光素子、4…マイクロレンズ。
Claims (6)
- 光の反射率または透過率が周期的に変化する周期構造を備えた、移動可能に設けられたスケールと、
スケールの周期構造に光を照射する半導体レーザ光源と、
前記スケールから光を受光する受光素子とを有し、
前記スケールと光源の間の相対的な移動による受光素子の出力信号の変化に基づき、その移動量を検出することを特徴とする光学式エンコーダにおいて、
前記半導体レーザ光源は、面発光半導体レーザの光射出面に、レンズをモノリシックに形成した半導体レーザ光源であって、
面発光半導体レーザ光源の光射出窓の幅をa、レーザ光の波長をλ、レンズの焦点距離をf、レンズの屈折率をn、レンズ周辺の雰囲気の屈折率をn′とし、
f=ma2 /2λ
とおいたときに、
n′λ/((n−n′)a)≦m<2
の関係を満たし、
前記スケールは、前記光源から前記レンズを経て前記スケールに至るレーザ光のビーム径が、前記スケール上で最小となる位置に配置されることを特徴とする光学式エンコーダ。 - 前記半導体レーザ光源は、面発光半導体レーザの基板側射出面にレンズをモノリシックに形成したことを特徴とする請求項1に記載の光学式エンコーダ。
- 前記半導体レーザ光源は、光射出窓の径または幅dが、射出光の波長をλとしたとき、
λ≦d≦60(μm)
であることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の光学式エンコーダ。 - スケールピッチをp、スケール面上でスケールのピッチ方向をベクトルP(以下、ベクトルPを単にPと表記する)、レーザ光射出方向に垂直な平面と前記方向Pのなす角をθとしたときに、
fλ/(acosθ)<p≦3fλ/(acosθ)
(但し、−π/2<θ<π/2)
であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかひとつに記載の光学式エンコーダ。 - スケールピッチをp、スケール面上でスケールのピッチ方向をベクトルP(以下、ベクトルPを単にPと表記する)、レーザ光射出方向に垂直な平面と前記方向Pのなす角をθとしたときに、
3fλ/(acosθ)<p≦1(mm)
(但し、−π/2<θ<π/2)
であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかひとつに記載の光学式エンコーダ。 - スケールピッチをp、スケール面上でスケールのピッチ方向をベクトルP(以下、ベクトルPを単にPと表記する)、レーザ光射出方向に垂直な平面と前記方向Pのなす角をθとしたときに、
p=2fλ/(acosθ)
(但し、−π/2<θ<π/2)
であることを特徴とする請求項4に記載の光学式エンコーダ。
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