JPH0755423A - 光学式変位センサ - Google Patents

光学式変位センサ

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JPH0755423A
JPH0755423A JP19831893A JP19831893A JPH0755423A JP H0755423 A JPH0755423 A JP H0755423A JP 19831893 A JP19831893 A JP 19831893A JP 19831893 A JP19831893 A JP 19831893A JP H0755423 A JPH0755423 A JP H0755423A
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英二 山本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】極めて簡単な構成で高精度な変位測定が可能な
コンパクトな光学式変位センサを提供する。 【構成】垂直共振器型面発光レーザ19と外部ミラー2
1とが組み合わされた合共振器を備えており、レーザー
光の強度変化又はミラー損失の変化は、検出手段23で
検出される。検出手段は、レーザー光の強度変化を直接
検出する受光素子25、あるいは、外部ミラーと垂直共
振器型面発光レーザとの相対的変位により生じるミラー
損失の変化を複合共振器内部のキャリア密度の変化に基
づいて検出するPN接合電位差検出手段27を備える。
外部ミラーから帰還するレーザー光の位相は、外部ミラ
ーと垂直共振器型面発光レーザとの相対的な変位により
決定され、レーザー光の波長の1/2に相当する変位量
の周期でレーザー光出力が変動する。かかる変位量は、
計数装置29及び演算装置31を介して算出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、対象物の変位量を光学
的に測定する光学式変位センサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体レーザを用いて対象物の変
位量を測定する光学系として、図20に示すようなマイ
ケルソン干渉計(例えば、山口一郎 他編の「半導体レ
ーザと光計測」参照)が知られている。
【0003】即ち、半導体レーザ1から出射されたレー
ザービームは、第1のコリメートレンズ3によって平行
光束に規制された後、光アイソレータ5を介してビーム
スプリッタ7に照射され、2方向に振り分けられる。
【0004】その一方のレーザービームは、ビームスプ
リッタ7から反射して固定ミラー9に照射された後、こ
の固定ミラー9によって再びビームスプリッタ7方向に
反射される。他方のレーザービームは、ビームスプリッ
タ7を透過し、対象物(図示しない)に取り付けられた
ミラー11に照射された後、このミラー11によって再
びビームスプリッタ7方向に反射される。
【0005】両ミラー9,11から反射された夫々のレ
ーザービームは、ビームスプリッタ7によって再び合波
された後、集光レンズ13を介して受光素子15上に集
光される。
【0006】受光素子15では、これら2つのレーザー
ビームの光路差に対応した光強度の変化状態(例えば、
干渉縞の明暗の変化状態)が検出される。この受光素子
15によって検出された検出データに基づいて、対象物
に取り付けられたミラー11の変位量(S)が測定され
ることになる。
【0007】なお、光アイソレータ5は、半導体レーザ
1の発振モード変化(モードホッピング)、あるいは、
発振波長の跳びやレーザー出力の変動等の弊害を防止す
るために、半導体レーザ1への戻り光を遮断する。
【0008】一方、半導体レーザ1からのレーザービー
ムを被測定体に照射して、その被測定体からの反射光を
半導体レーザ1に帰還させる構成により、複合共振器を
形成して、被測定体の変位を測定する方法(特開昭60
−256079号公報参照)が提案されており、図21
に、その構成を示す。
【0009】図21に示すように、半導体レーザ1から
出射されたレーザービームは、コリメートレンズ3によ
り平行光となり、更に、ビームスプリッタ7により直交
する2方向に分離される。一方のレーザービームは、被
測定体に取り付けた外部ミラー11に垂直に照射され、
その反射光は、出射光と対の経路を通って半導体レーザ
1に帰還する。他方のレーザービームは、光検出器5に
より、その光出力を測定するために利用される。
【0010】外部ミラー11がX又は−X方向に変位す
ると、半導体レーザ1の出射光と反射光の位相関係によ
り、その変位が発振波長λ0 の半分(λ0 /2)だけ変
化する毎に光出力の強度が変化することを利用して、外
部ミラー11の変位を測定することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図20
に示されたような干渉計は、レンズ3,13、光アイソ
レータ5、ビームスプリッタ7及びミラー9,11等を
組み合わせてレーザービームを分岐あるいは合波させる
ように構成されている。このため、光学系全体を組み上
げるのに大きな容積を必要とし、非常に小さなマイクロ
センサとして集積化させることは困難である。
【0012】また、図21に示した構成でも、レーザー
ビームをコリメートするためのコリメートレンズ3やビ
ームスプリッタ7を必要とするため、センサの小型化に
は制限を受ける。
【0013】更に、図21に示す構成において、例え
ば、ストライプ構造を有する通常の半導体レーザを使用
した場合、半導体レーザに帰還する光の量や位相が変化
すると、半導体レーザ内の発振モードが変化(モードホ
ッピング)するため、光出力の変動が生じ易くなる。従
って、変位Xに対してλ0 /2毎の規則的な光出力の変
化と、不規則なモードホッピングによる光出力の変化と
が重なって測定されることになり、正確な変位量の測定
が難かしい。そこで、本発明は、極めて簡単な構成で高
精度な変位測定が可能なコンパクトな光学式変位センサ
を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の光学式変位センサは、垂直共振器型
面発光レーザと、この垂直共振器型面発光レーザと組み
合わされて複合共振器を構成する外部反射手段と、前記
垂直共振器型面発光レーザと前記外部反射手段との間の
相対的な位置変化に起因して生じるレーザ出力の周期的
変化又は前記複合共振器のミラー損失の周期的変化を計
測することによって、前記垂直共振器型面発光レーザと
前記外部反射手段との間の相対的な位置変化を検出可能
に構成された検出手段とを備える。
【0015】
【作用】垂直共振器型面発光レーザと外部反射手段との
間の相対的な位置変化は、検出手段によって、垂直共振
器型面発光レーザと外部反射手段との間の相対的な位置
変化に起因して生じるレーザ出力の周期的変化又は複合
共振器のミラー損失の周期的変化を計測することによっ
て検出される。
【0016】
【実施例】以下、本発明の基本原理について説明し、次
に、この原理を適用した各実施例について順次説明す
る。図1には、垂直共振器型面発光レーザ19と外部ミ
ラー21とを組み合わせて構成した複合共振器を備えた
本発明の基本原理となる光学系の基本構成が示されてい
る。この複合共振器におけるレーザー光の強度変化又は
ミラー損失の変化は、検出手段23によって検出され
る。
【0017】この検出手段23による検出方法として
は、受光素子25によってレーザー光の強度変化を直接
検出する方法、あるいは、PN接合電位差検出手段27
によって外部ミラー21と垂直共振器型面発光レーザ1
9との相対的変位により引き起こされるミラー損失の変
化を複合共振器内部のキャリア密度の変化に基づいて検
出する方法が知られている。
【0018】また、外部ミラー21から帰還するレーザ
ー光の位相は、外部ミラー21と垂直共振器型面発光レ
ーザ19との相対的な変位(S)により決定され、レー
ザー光の波長(λ0 )の1/2に相当する変位量の周期
でレーザー光出力が変動する。
【0019】このときの変位量(ΔL)は、計数装置2
9及び演算装置31を介して算出される。具体的には、
計数装置29を介してカウントされたレーザー光出力の
変動回数Nc を演算装置31に入力する。演算装置31
は、入力されたデータ(Nc)に対して以下の計算式に
基づいた演算処理を施す。 ΔL=Nc ・λ0 /2/n …(1) n;外部ミラー21と垂直共振器型面発光レーザ19と
の間の媒質の屈折率この演算の結果得られた値が、変位
量(ΔL)となる。なお、屈折率(n)は、以下の説明
では大気中で動作させる場合を前提として、n=1.0
とする。
【0020】また、レーザー光強度の変化又は複合共振
器のミラー損失の変化を検出する検出手段として、以
下、受光素子25を利用した場合について説明するが、
特に断らない限り、これを共振器のミラー損失の変化を
検出する検出手段27に置き換えることも可能である。
【0021】次に、更に詳しい動作原理を説明するため
に、図2に示すように、単一モードを出力する半導体レ
ーザとして、分布反射型(DBR型)ミラー(図示しな
い)を有する垂直共振器型面発光レーザ19が適用され
た複合共振器について説明する。
【0022】なお、以下の説明では、レーザの発振モー
ドは、共振器方向に対応した縦モードに関してのみ考慮
し、これと垂直方向の横モードは、単一モードに制御さ
れているものとする。ここで、横モードを単一モードに
制御するためには、面発光レーザ内部の導波路の断面寸
法のうち、共振器と垂直な断面寸法を一定値以下(10
μm程度)にすればよい。ここで、垂直共振器型面発光
レーザ19の実効的な共振器長をleff 、レーザーの出
射面と外部ミラー21との間の距離をLとした場合、
【0023】
【数1】
【0024】となるように構成することによって、図3
(a)〜(c)に示すような特性を得ることができる。
図3(a)に示すように、複合共振器全体の反射率R
tot は、外部ミラー21(図2参照)からの反射光と垂
直共振器型面発光レーザ19内部で共振している光との
干渉によって、DBR型ミラーの反射率RDBR が周期Δ
λFPで変調されたものとなる。ここで、ΔλFPは、λ0
を発振波長とすると、数1式の条件の下では、
【0025】
【数2】 として与えられる。
【0026】一方、図3(b)に示すように、垂直共振
器型面発光レーザ19単体で共振器の位相条件を満たす
波長間隔Δλfpは、neff をレーザー導波路(図示しな
い)の波長分散を考慮した有効屈折率とすると、
【0027】
【数3】 として与えられる。
【0028】通常、垂直共振器型面発光レーザ19の半
導体多層ミラー(図示しない)によって形成されたDB
Rの反射率が、そのピークの1/2となる帯域幅Δλ
DBR (同図(a)参照)は、約20nm程度であるか
ら、(2)式の条件を考慮すると
【0029】
【数4】 となることが分かる。
【0030】典型的な値として、λ0 =0.97μm、L=
100μm、leff = 3.5μm、neff =4.3 とすると、
Δλfp=31nm、ΔλFP= 4.7nmとなる。ストライプ
構造を有する通常の半導体レーザでは、Δλfpは、1n
m程度であるが、垂直共振器型面発光レーザでは、上述
のように、Δλfpが数十nmとなり、ΔλDBR と同程度
の大きさであることにより、図3(a),(b)に示す
ように、DBRミラーが高反射率を示す波長領域では、
同図(b)の位相条件を満足するモードが高々1〜2モ
ードしかない。
【0031】このため、垂直共振器型面発光レーザは、
モードが非常に安定でモードホッピングすることは殆ど
ない特長を有している。なお、DBRミラーを持たない
垂直共振器型面発光レーザにおいても、Δλfpが数十n
mであり、また、活性層の光利得の波長依存性のため、
Δλfpだけ波長の異なるモードでは、モードの利得差が
大きく、レーザ発振モードのモードホッピングが生じに
くいことが知られている。
【0032】外部ミラー21と垂直共振器型面発光レー
ザ19(図2参照)との間の距離Lが、ΔLだけ変化し
たとすると、複合共振器としての反射率Rtot の波長特
性は、図3(a)に示すように、δλFPだけシフトし、
R´tot で示される波長特性となる。
【0033】このシフト量“δλFP”は、 δλFP=λ0 ・ΔL/L…(6) として表すことができる。
【0034】垂直共振器型面発光レーザ19を発振させ
るためには、半導体レーザーを構成する活性層が形成す
る光利得gth(cm-1)を共振器のロスと吊り合わせる
必要がある。
【0035】いま、垂直共振器型面発光レーザ19の導
波路の内部損失をαi (cm-1)、共振器全体のミラー
損失をαm,tot (cm-1)、垂直共振器型面発光レーザ
19単体の前後のミラーの反射率をR1 ,R2 とする
と、
【0036】
【数5】
【0037】
【数6】 と表すことができる。
【0038】なお、βは、外部ミラー21が垂直共振器
型面発光レーザ19の前面のDBRの反射率を変調させ
るファクタである。このβは、外部ミラー21の反射率
EX、及び、外部ミラー21と垂直共振器型面発光レー
ザ19との間の距離Lに対応した外部ミラー21からの
光位相及び戻り光量で決定される値であって、距離Lに
対して緩やかに減少する包絡線に沿って光波長の半分
(λ0 /2)の周期で強く変調される。
【0039】なお、垂直共振器型面発光レーザ19から
出射されるレーザー光は、通常半導体レーザに比べて、
そのビーム広がり角は小さく半値全幅(FWHM)で5
deg程度である。しかしながら、完全な平行光ではない
ため、距離Lが数十cm程度に大きくなるとβが非常に
小さくなり、レーザー発振に対する外部ミラー21から
の寄与は殆ど表れなくなる。
【0040】垂直共振器型面発光レーザ19では、通常
の半導体レーザと比較して、(8)式のleff が小さい
のでβの僅かな変化によって、αm,tot が大きく変動す
る。このため、レーザー発振がON/OFFしたり、又
は、極端なレーザー光出力の変動が生じる。
【0041】従って、図3(c)に示すように、外部ミ
ラー21の距離Lが変化することによって、λ0 /2の
周期で光出力が変調されることから、この光出力の変化
回数を計数装置29(図1参照)でカウントし、上記
(1)式を適用することによって、外部ミラー21の変
位量(S;図1参照)を測定することができる。
【0042】以下、このような原理を適用した本発明の
第1の実施例に係る光学式変位センサについて、図4を
参照して説明する。図4(a)には、上記原理が適用さ
れた小型変位センサの構成が概略的に示されている。
【0043】図4(a)に示すように、本実施例の小型
変位センサは、ヒートシンク33を介して匡体35内に
固定された垂直共振器型面発光レーザ37と、匡体35
内に形成されたガイド穴39を介して挿通された支持棒
41の下端部に垂直共振器型面発光レーザ37に対面し
て取り付けられた外部ミラー43と、匡体35外部に突
出した側の支持棒41の上端部に測定対象物(図示しな
い)を取付可能に構成された取付部45と、外部ミラー
43の主面側に取り付けられた受光素子47とを備えて
いる。
【0044】外部ミラー43は、その主面がレーザー光
49の光軸に対して直交するように、支持棒41の下端
部に取り付けられており、取付部45を介して支持棒4
1を図中矢印S方向に移動させることによって、光軸方
向に移動可能に構成されている。
【0045】垂直共振器型面発光レーザ37は、匡体3
5に形成された第1の通し穴51を介して挿通されたレ
ーザー駆動用電気配線53の基端部が接続されており、
この電気配線53の先端部は、レーザー駆動用電極端子
55を介して半導体レーザー(LD)駆動電源57に電
気的に接続されている。
【0046】このため、LD駆動電源57から出力され
た駆動電流は、レーザー駆動用電極端子55及びレーザ
ー駆動用電気配線53を介して垂直共振器型面発光レー
ザ37に供給されることになる。
【0047】また、受光素子47は、匡体35に形成さ
れた第2の通し穴59を介して挿通された光強度検出用
電気配線61の基端部が接続されており、この電気配線
61の先端部は、光強度検出用電流端子63を介して電
流検出手段65に電気的に接続されている。なお、この
電流検出手段65には、受光素子電源67が接続されて
いると共に、この電流検出手段65から出力された検出
データは、計数装置69を介して演算装置71に出力可
能に構成されている。
【0048】また、受光素子47は、この受光素子47
からの反射光の影響を抑えるために、外部ミラー43の
主面のうちレーザー光49の照射領域の周辺部に接着さ
れることが好ましい。
【0049】図4(b)には、垂直共振器型面発光レー
ザ37の構成が拡大して示されている。同図(b)に示
すように、N型半導体基板73上には、N型半導体バッ
ファ層75、半導体多層膜から成る下部分布ブラッグ反
射器77、N型半導体クラッド層79、活性層81、P
型半導体クラッド層83、P型半導体多層膜から成る上
部分布ブラッグ反射器85が積層されている。そして、
共振器部を残してN型半導体クラッド層79の深さまで
エッチングを施し、その表面に被覆された二酸化シリコ
ン膜87の電極コンタクト部分を窓開けし、上部分布ブ
ラッグ反射器85及びN型半導体クラッド層79に夫々
P型及びN型電極89,91が形成されている。
【0050】なお、レーザー光49の基板裏面からの反
射を抑制するために、N型半導体基板73及びN型半導
体バッファ層75は、レーザー光を吸収可能な材料を選
択することが望ましい。
【0051】レーザー光49は、受光素子47によって
電気信号に変換され、電流検出手段65を介して計数装
置69に入力され、光強度の変動回数がカウントされ
る。カウントされたデータは、演算装置71に入力さ
れ、上述した(1)式に基づいた演算が施される。
【0052】この結果、垂直共振器型面発光レーザ37
と外部ミラー43との相対的な変位量(ΔL)が算出さ
れる。このように、本実施例に適用された面発光レーザ
は、ビームの放射角が小さいので、面発光レーザと外部
ミラーとの間に他の光学系(例えば、レンズ)を配置さ
せる必要がない。更に、面発光レーザは、戻り光に対す
る影響を受けず常時単一の発振モードを維持できるた
め、光アイソレータ等の遮光光学系を配置しなくても、
一般的な半導体レーザで問題となる戻り光によるモード
ホッピングに起因した光出力や発振波長の変動を抑える
ことができる。
【0053】このため、外部ミラーと面発光レーザの相
対的な変位に基づく、レーザー発振光の出力変化を広い
変位範囲をカバーして高精度に測定することが可能とな
る。この結果、極めて簡単な構成で高精度な変位測定が
可能なコンパクトな光学式変位センサを提供することが
できる。
【0054】次に、本発明の第2の実施例に係る光学式
変位センサについて、図5及び図6を参照して説明す
る。なお、本実施例の説明に際し、第1の実施例と同一
の構成には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0055】図5(a)に示すように、本実施例に適用
された外部ミラー93は、半透過型ミラーであり、受光
素子47は、外部ミラー93の裏面側(主面とは反対
側)に取り付けられている。
【0056】本実施例の場合、受光素子47からの反射
光がレーザー光強度に及ぼす影響を考慮する必要がない
ため、受光素子47の設置位置を任意に設定することが
可能となる。
【0057】なお、外部ミラー93の形状は、その上部
表面(主面とは反対側の面)からの反射光による影響を
防止するため、例えば、上部表面を斜めに切除して構成
されている。
【0058】図5(b)に示すように、本実施例では、
外部ミラーの代わりに半導体基板で形成された受光素子
95が設けられている。この受光素子95の構成は、同
図(c)に示すように、N型電極91が形成されたN型
半導体基板73上に、N型半導体バッファ層75、低濃
度の光吸収層97、P型コンタクト層99を積層して成
り、このP型コンタクト層99上に形成された二酸化シ
リコン層87の電極コンタクト部分を窓開けし、P型コ
ンタクト層99にP型電極89が接続されている。
【0059】二酸化シリコン層87は、P型電極89以
外の部分の保護膜であるが、反射率の調整手段としての
機能も合せ持つ。例えば、二酸化シリコン層87の厚み
が、光波長の1/2に相当する場合、反射ミラー全体と
して半導体基板と同程度の反射率となり、あるいは、光
波長の1/4に相当する場合、最小の反射率となる。
【0060】また、受光素子95の裏面(即ち、垂直共
振器型面発光レーザ37に対面しない側の面)からの反
射を抑制するために、N型半導体基板73やN型半導体
バッファ層75は、レーザー光を吸収するように、バン
ドの禁制帯幅が光エネルギより小さくなるように構成す
ることが好ましい。
【0061】図6(a),(b)に示すように、本実施
例には、受光素子が集積された垂直共振器型面発光レー
ザ101が適用されている。垂直共振器型面発光レーザ
101には、その中央部に面発光レーザー領域Tが形成
され、その両側に外部ミラー43からの光を受光するた
めの受光領域Eが形成されている。
【0062】このように構成すると、外部ミラー43に
設けられた受光素子47から延びる電気配線61(図4
及び図5参照)のたわみが変形することがなくなり、外
部ミラー43の設計の自由度が向上し、コンパクト化も
容易となる。
【0063】なお、同図(b)に示すように、垂直共振
器型面発光レーザ101は、積層されたうち、特に、N
型電極91のコンタクト部分は、表面からN型半導体ク
ラッド層79までエッチングされ、受光領域Eは、表面
からP型半導体クラッド層83までエッチングされて構
成されている。
【0064】次に、本発明の第3の実施例に係る光学式
変位センサについて、図7を参照して説明する。なお、
本実施例の説明に際し、上述した実施例と同一の構成に
は同一符号を付して、その説明を省略する。
【0065】本実施例には、外部ミラー43と垂直共振
器型面発光レーザ101との間の距離が大きい場合の構
成が示されている。図7(a)では、外部ミラー43を
凹面形状として、レーザー光49に集束性をもたせて確
実に出射端面上にレーザー光をフィードバックするよう
に構成されている。
【0066】同図(b)では、外部ミラー43と垂直共
振器型面発光レーザ101との間にレンズ取り付け部1
03を介してコリメートレンズ105を配置して構成さ
れている。
【0067】なお、本実施例では、受光素子を集積した
垂直共振器型面発光レーザ101が適用されているが、
図4及び図5に示されたような受光素子を適用すること
も可能である。
【0068】次に、本発明の第4の実施例に係る光学式
変位センサについて、図8を参照して説明する。なお、
本実施例の説明に際し、上述した実施例と同一の構成に
は同一符号を付して、その説明を省略する。
【0069】本実施例の光学式変位センサは、単一モー
ドファイバ107を介して光学的に接続された第1及び
第2の匡体35a,35bとを備えている。具体的に
は、第1及び第2の匡体35a,35b内には、夫々、
単一モードファイバ107の端部に対面した位置に、第
1及び第2のコリメートレンズ105a,105bが配
置されており、垂直共振器型面発光レーザ101と外部
ミラー43との間において、レーザー光は、第1及び第
2のコリメートレンズ105a,105b及び単一モー
ドファイバ107を介して共振されることになる。
【0070】この場合、変位量の検出部即ち第2の匡体
35bを更に小型化させることが可能となる。なお、本
実施例では、受光素子を集積した垂直共振器型面発光レ
ーザ101が適用されているが、図4及び図5に示され
たような受光素子を適用することも可能である。
【0071】次に、本発明の第5の実施例に係る光学式
変位センサについて、図9を参照して説明する。なお、
本実施例の説明に際し、上述した実施例と同一の構成に
は同一符号を付して、その説明を省略する。
【0072】光学式変位センサを組み立てる工程におい
て、半透過型の外部ミラー93の傾斜が大きくなり、レ
ーザー光の有効出射面上に多数の干渉縞が形成される場
合には、受光素子47の出力が位相に対して平均化さ
れ、変位量の検出が困難となる。垂直共振器型面発光レ
ーザ(図示しない)の出射端面の有効径をWSEL とする
と、外部ミラー93がθだけ傾斜したときに出射面上で
干渉縞が一つ生じる条件は、
SEL ・tan θ=λ0 /4と表すことができる。
【0073】例えば、WSEL =5μm、λ0 =0.97μm
とすると、θ=2.7deg となるので、外部ミラー93
の傾斜は、この数分の1になるように保持する必要があ
る。図9(a),(b)は、外部ミラー47の組立精度
がこの基準に達しない場合の対策として、ミラーの向き
を微調整する方法を示したものである。
【0074】本実施例に適用された外部ミラー93は、
その4隅部に配置された圧電素子109を介して受光素
子47に接着されている。これら圧電素子109は、そ
の両側に電極111が形成されており、これら電極11
1に圧電素子制御端子113を介して所定量の電圧を印
加することよって、その厚みを伸縮制御可能に構成され
ている。
【0075】この結果、外部ミラー93の傾斜を調製す
ることができる。実際の調製方法は、1つの圧電素子1
09に印加する電圧を可変して光出力が最大となるよう
にした後、順次、他の圧電素子109も同様に調整する
ことを繰り返す。全ての圧電素子109を均一に伸縮さ
せることによって、λ0 /2毎に光の極大値が得られる
ようになれば調整が完了したことになる。
【0076】次に、本発明の第6の実施例に係る光学式
変位センサについて、図10を参照して説明する。な
お、本実施例の説明に際し、上述した実施例と同一の構
成には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0077】本実施例には、外部ミラー93の移動方向
が変化した場合でも、以下に示す変位量を計測するため
の手段を適用することができる。外部ミラー93の移動
の向きを判定する第1の方法は、レーザ出力のピーク値
の大小により判定することである。即ち、図3(c)に
示すように、外部ミラー93が、面発光レーザから遠ざ
かるときは、レーザ出力のピーク値が減少し、逆に近づ
くときは、ピーク値が増大することにより判定すること
ができる。
【0078】外部ミラー93の移動の向きを判定する第
2の方法として、ミラーからの反射光に位相シフトを導
入した場合の構成を図10に示す。図10(a)には、
外部ミラー93の主面(即ち、垂直共振器型面発光レー
ザ37に対面する側の面)に、位相2φに相当する量だ
け反射光の位相をシフトさせるように、誘電体膜115
が形成されている。
【0079】なお、誘電体の屈折率をnとすれば、位相
φに相当する膜厚は、 φ・λ/(2π・n) となる。
【0080】同図(b)には、位相2φに相当する量だ
け反射光の位相をシフトさせるように、外部ミラー93
の主面にエッチングが施されている。この結果、受光素
子47では、同図(c)に示すように、垂直共振器型面
発光レーザ37と外部ミラー93との間の距離Lの変化
に対応して、λ0 /2の周期で位相2φだけずれた2組
の光強度ピークが観測される。
【0081】このように、位相シフトを設けた領域の位
置や面積を適宜設定することによって、位相シフトを設
けた部分とそれ以外の部分とに対応したレーザー光強度
の相対的な大きさを変化させることが可能となる。
【0082】一定方向に外部ミラー93が移動する場合
には、受光素子47が検出する光強度信号のピーク値
は、大小が交互に現れるが、外部ミラー93の移動方向
が反転すると大又は小のピーク値が連続して現れる。
【0083】従って、外部ミラー93の移動方向が逆転
したときは、計数装置69(図4参照)において、カウ
ンタ数値の正負を逆転させることによって、外部ミラー
93の向きを含めた変位量を計測することが可能とな
る。
【0084】次に、本発明の第7の実施例に係る光学式
変位センサについて、図11を参照して説明する。な
お、本実施例の説明に際し、上述した実施例と同一の構
成には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0085】本実施例は、第6の実施例の応用例であっ
て、外部ミラーとして半導体基板で形成された受光素子
95が適用されており、この受光素子95と垂直共振器
型面発光レーザ37とを夫々2組用意して、その一方の
組に位相シフトを導入することによって、変位の向きが
判断可能に構成されている。
【0086】受光素子95が一定方向に移動する場合に
は、これら受光素子95の受光領域Eで検出される光強
度のピーク値は、交互に検出されるが、移動方向が逆転
した場合には、計数装置69(図4参照)において、カ
ウンタ数値の正負を逆転させることによって、受光素子
95の向きを含めた変位量の計測することが可能とな
る。
【0087】次に、本発明の第8の実施例に係る光学式
変位センサについて、図12ないし図16を参照して説
明する。なお、本実施例の説明に際し、上述した実施例
と同一の構成には同一符号を付して、その説明を省略す
る。
【0088】本実施例には、受光素子が集積された垂直
共振器型面発光レーザ101が適用されており、この面
発光レーザ101と外部ミラー43との間に一対の弾性
体117を介在させることによって、全体として圧力セ
ンサが構成されている。
【0089】具体的には、垂直共振器型面発光レーザ1
01は、N型半導体基板73上に、半導体多層膜から成
る下部分布ブラッグ反射器77、N型半導体クラッド層
79、活性層81、P型半導体クラッド層83、P型半
導体多層膜から成る上部分布ブラッグ反射器85を積層
させた状態で、これら層をP型電極89及びN型電極9
1で挟んだサンドイッチ構造を成している。
【0090】なお、一対の弾性体117は、P型電極8
9上に設けられており、外部ミラー43を垂直共振器型
面発光レーザ101上に支持している。外部ミラー43
の変位量と圧力との関係は、線形な弾性領域では比例関
係にあるため、外部ミラー43の変位量を測定すること
によって圧力を算出することができる。
【0091】ここで、外部ミラー43と垂直共振器型面
発光レーザ101との間に加えられた外力をF(N)、
弾性体117の垂直共振器型面発光レーザ101に対す
る接触幅をWG (m)、接触長さをLG 、厚さをt0
すると、一対の弾性体117の厚さがΔtだけ変化した
場合には、 F/2WGG =EΔt/t0 なる関係を有する。なお、弾性体117のヤング率は、
E(N/m2 )とする。
【0092】このような関係によれば、例えば、WG
100μm、LG =200μm t0 =100μmとし、弾性体117としてゴム(E〜
3×106 N/m2 )を適用すると、変位の最小分解能
は、λ0 /2〜0.49μmだから、外力Fの分解能Δ
Fmin は、ΔFmin =5.9×10-4(N)=0.06
0gfと見積もることができる。
【0093】弾性体117に適用する材料を適宜選択し
て、所望の弾性定数に規定することによって、外力の分
解能を広範に設定することができる。次に、上述した圧
力センサ(図12参照)の作製方法について、図13な
いし図16を参照して説明する。
【0094】まず、図13に示すように、N型半導体基
板73上に、半導体多層膜から成る下部分布ブラッグ反
射器77、N型半導体クラッド層79、活性層81、P
型半導体クラッド層83、P型半導体多層膜から成る上
部分布ブラッグ反射器85を有機金属気相エピタキシャ
ル成長法(MOVPE法)等によって積層する。
【0095】次に、面発光レーザ領域Tとこの両側に設
けられる受光領域Eとを電気的に分離するために、図示
するように、活性層81とN型半導体クラッド層79の
境界に達する溝をフォトエッチングによって形成する。
【0096】この後、受光領域Eの上部に残留した上部
分布ブラッグ反射器85をエッチング除去する。図14
に示すように、表面保護のための二酸化シリコン膜87
をスパッタ法等によって堆積した後、フォトエッチング
によって面発光レーザ領域Tの上部端面と受光領域Eの
コンタクト領域の窓開けを行う。
【0097】次に、面発光レーザ領域T及び受光領域E
の上部電極としてP型電極89をリフトオフ法等によっ
てパターニングした後、N型半導体基板73の裏面を研
磨して、N型電極91を蒸着した後、熱処理を施す。
【0098】図15に示すように、次に、一対の弾性体
117を形成することになるが、例えば、ポリイミド等
の材料を適用する場合には、スピンコーティングとフォ
トエッチング法によって、レーザー光の共振領域Tや受
光領域E上に空洞部119が形成されるように一対の弾
性体117のパターンを形成する。
【0099】図16に示すように、このように形成され
た一対の弾性体117の上部に、例えば、金を蒸着した
シリコン基板等を外部ミラー43として接着する。この
接着には、紫外線硬化樹脂等を適用することも可能であ
る。更に、チップの劈開とダイボンディング、ワイヤー
ボンディング等を施すことによって、図12に示された
ような圧力センサが完成する。
【0100】次に、本発明の第9の実施例に係る光学式
変位センサについて、図17を参照して説明する。な
お、本実施例の説明に際し、上述した実施例と同一の構
成には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0101】図17(a)に示すように、本実施例に
は、受光素子が集積された垂直共振器型面発光レーザ1
01が適用されており、この面発光レーザ101は、そ
の周囲に配置された例えば丹型又は正方型匡体35によ
って区画されたヒートシンク33上に固定されている。
【0102】また、匡体35によって区画されたヒート
シンク33上には、面発光レーザ101を囲むように弾
性体117が配置されており、この弾性体117上に外
部ミラー43が載置されている。
【0103】更に、この外部ミラー43上には、匡体3
5を介して挿入されたピストン121が当接されてお
り、外部ミラー43は、弾性体117とピストン121
との間に挟持されている。
【0104】なお、弾性体117の内部を例えばN2
He 等の不活性ガスで満たすことも好ましい。また、ピ
ストン121は、匡体35に対して一定方向に摺動可能
となるように、極めて高精度に加工されている。
【0105】このように構成することによって、ピスト
ン121が外力を受けた場合でも、外部ミラー43の傾
きは、ピストン121及び匡体35の加工精度及びピス
トン121の幅(厚み)等で規定され、常時、面発光レ
ーザ101に対して外部ミラー43の平行度を保つこと
ができる。
【0106】なお、同図(b)は、匡体35が底部を有
し、この匡体35内に上述した構成を有する圧力センサ
が配置された変形例を示す。次に、本発明の第10の実
施例に係る光学式変位センサについて、図18を参照し
て説明する。
【0107】なお、本実施例の説明に際し、上述した実
施例と同一の構成には同一符号を付して、その説明を省
略する。図18(a)に示すように、本実施例には、受
光素子が集積された垂直共振器型面発光レーザ101が
適用されており、この面発光レーザ101は、ヒートシ
ンク33上に固定されている。
【0108】また、外部ミラー43と面発光レーザ10
1との間には強誘電体123が介在されており、面発光
レーザ101から発光されたレーザー光は、強誘電体1
23を介して外部ミラー43との間で共振されることに
なる。
【0109】強誘電体123は、外力の大きさによっ
て、その屈折率を変化させることができ、例えば、液
晶、強誘電体液晶、強誘電体物質等が適用可能である。
このような構成によれば、例えば、弾性体117やピス
トン121(図17参照)等を用いることなく、コンパ
クトな圧力センサを構成することができる。
【0110】なお、特に、PLZTは、可視光領域で透
明であり、且つ、安定性に優れているため、信頼性を有
するセンサを構成することが可能となる。同図(b)に
は、外部ミラー43と強誘電体123との間に透明導電
膜125を介在させて、この透明導電膜125及び強誘
電体123から引出電極127を付加させた変形例に係
る圧力センサの構成が示されている。
【0111】このような構成によれば、引出電極127
を介して強誘電体123に所定の電圧を印加することに
よって、強誘電体123の屈折率の変化率、即ち圧力に
対する感度を可変することができる。
【0112】即ち、引出電極127を介してオフセット
制御や、初期状態に復帰させるリセット制御あるいは感
度の制御を行うことが可能となる。なお、外部ミラー4
3と透明導電膜125との順番を逆転させたり、外部ミ
ラー43と透明導電膜125とを同一材料で形成するこ
とも可能である。
【0113】次に、本発明の第11の実施例に係る光学
式変位センサについて、図19を参照して説明する。な
お、本実施例の説明に際し、上述した実施例と同一の構
成には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0114】図19に示すように、本実施例には、受光
素子が集積された垂直共振器型面発光レーザ101が適
用されており、この面発光レーザ101は、ヒートシン
ク33上に固定されている。
【0115】このヒートシンク33上には、面発光レー
ザ101を囲むように弾性可変物質127が形成されて
おり、この弾性可変物質127上には、透明導電膜12
5を介して外部ミラー43が設けられている。
【0116】弾性可変物質127は、引出電極127を
介して印加された電圧によって、所望の値に弾性率を変
化可能に構成されており、例えば、液晶、強誘電体液
晶、強誘電体物質等が適用可能に構成されている。
【0117】
【発明の効果】本発明に適用された垂直共振器型面発光
レーザは、ビームの放射角が小さいので、面発光レーザ
と外部ミラーとの間に他の光学系(例えば、レンズ)を
配置させる必要がない。更に、垂直共振器型面発光レー
ザは、戻り光に対する影響を受けず常時単一の発振モー
ドを維持できるため、光アイソレータ等の遮光光学系を
配置しなくても、一般的な半導体レーザで問題となる戻
り光によるモードホッピングに起因した光出力や発振波
長の変動を抑えることができる。
【0118】このため、外部反射手段と垂直共振器型面
発光レーザの相対的な変位に基づく、レーザー発振光の
出力変化を高精度に測定することが可能となる。この結
果、極めて簡単な構成で高精度な変位測定が可能なコン
パクトな光学式変位センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に適用された原理の構成を示す図。
【図2】図1に示す原理の動作を説明するための複合共
振器の構成を示す図。
【図3】図2に示す複合共振器における反射率、位相条
件、レーザ出力との関係を示す図。
【図4】(a)は、本発明の第1の実施例に係る光学式
変位センサの全体の構成を示す図、(b)は、垂直共振
器型面発光レーザの構成を示す図。
【図5】本発明の第2の実施例に係る光学式変位センサ
の構成を示す図であって、(a)は、外部ミラーとして
半透過型ミラーが適用された場合を示す図、(b)は、
外部ミラーの代わりに半導体基板で形成された受光素子
が適用された場合を示す図、(c)は、(b)に示す受
光素子の構成を示す図。
【図6】(a)は、本発明の第2の実施例に係る光学式
変位センサの構成を示す図、(b)は、垂直共振器型面
発光レーザの構成を示す図。
【図7】本発明の第3の実施例に係る光学式変位センサ
の構成を示す図であって、(a)は、凹面形状の外部ミ
ラーが適用された場合を示す図、(b)は、外部ミラー
と垂直共振器型面発光レーザとの間の光路上にコリメー
トレンズが配置された場合を示す図。
【図8】本発明の第4の実施例に係る光学式変位センサ
の構成を示す図。
【図9】本発明の第5の実施例に係る光学式変位センサ
の構成を示す図であって、(a)は、外部ミラーの部分
の断面図、(b)は、その平面図。
【図10】本発明の第6の実施例に係る光学式変位セン
サの構成を示す図であって、(a)は、反射光の位相を
シフトさせる誘電体膜が形成された場合を示す図、
(b)は、反射光の位相をシフトさせるように、外部ミ
ラーの主面にエッチングが施された場合を示す図、
(c)は、外部ミラーの変位と受光強度との関係を示す
図。
【図11】(a)は、本発明の第7の実施例に係る光学
式変位センサの構成を示す図、(b)は、外部ミラーと
しての受光素子の変位と受光強度との関係を示す図。
【図12】(a)は、本発明の第8の実施例に係る光学
式変位センサの構成を示す断面斜視図、(b)は、外部
からの圧力と受光強度との関係を示す図。
【図13】図12に示すセンサの制作工程を示す図。
【図14】図12に示すセンサの制作工程を示す図。
【図15】図12に示すセンサの制作工程を示す図。
【図16】図12に示すセンサの制作工程を示す図。
【図17】(a)は、本発明の第9の実施例に係る光学
式変位センサの構成を示す図、(b)は、その変形例を
示す図。
【図18】(a)は、本発明の第10の実施例に係る光
学式変位センサの構成を示す図、(b)は、その変形例
を示す図。
【図19】本発明の第11の実施例に係る光学式変位セ
ンサの構成を示す図。
【図20】マイケルソン干渉計の基本構成を示す図。
【図21】複合共振器構造を用いた従来の光学式変位セ
ンサの構成を示す図。
【符号の説明】
19…垂直共振器型面発光レーザ、21…外部ミラー、
23…検出手段、25…受光素子、27…PN接合電位
差検出手段、29…計数装置、31…演算装置。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年11月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】即ち、半導体レーザ1から出射されたレー
ザービームは、第1のコリメートレンズ3によって平行
光束に整形された後、光アイソレータ5を介してビーム
スプリッタ7に照射され、2方向に振り分けられる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】この検出手段23による検出方法として
は、受光素子25によってレーザー光の強度変化を直接
検出する方法、あるいは、PN接合電位差検出手段27
によって外部ミラー21と垂直共振器型面発光レーザ1
9との相対的変位により引き起こされる外部ミラーを含
むレーザのミラー損失の変化を複合共振器内部のキャリ
ア密度の変化に基づいて検出する方法が知られている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】いま、垂直共振器型面発光レーザ19の
性層の厚さをd、導波路の内部損失をαi (cm-1)、
eff で規格化した共振器全体のミラー損失をαm,tot
(cm-1)、垂直共振器型面発光レーザ19単体の前後
のミラーの反射率をR1 ,R2 とすると、
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】
【数5】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正内容】
【0061】図6(a),(b)に示すように、本実施
例には、受光素子が集積された垂直共振器型面発光レー
ザ101が適用されている。垂直共振器型面発光レーザ
101には、その中央部に面発光レーザー領域Tが形成
され、その両側に外部ミラー43からの光を受光するた
めの受光領域Eが形成されている。面発光レーザから外
部ミラーに向かう光の放射角は小さいものの、半値全角
で5deg程度の拡がりをもつので、受光領域Eによっ
て、外部ミラーにより反射した光の一部を測定すること
ができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正内容】
【0063】なお、同図(b)に示すように、垂直共振
器型面発光レーザ101は、図4(b)と同様に半導体
多層膜が積層されたのち、特に、N型電極91のコンタ
クト部分は、表面からN型半導体クラッド層79までエ
ッチングされ、受光領域Eは、表面からP型半導体クラ
ッド層83までエッチングされて構成されている。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】変更
【補正内容】
【0066】同図(b)では、外部ミラー43と垂直共
振器型面発光レーザ101との間にレンズ取り付け部1
03を介してコリメートレンズ105を配置して構成さ
れている。いずれの場合も、固定した参照ミラーや外部
ミラーからの反射光によるモードホップを防ぐための光
アイソレータ等を必要としない点が従来の方式と異な
る。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正内容】
【0072】光学式変位センサを組み立てる工程におい
て、半透過型の外部ミラー93の傾斜が大きくなり、レ
ーザー光の有効出射面上に多数の干渉縞が形成される場
合には、受光素子47の出力が位相に対して平均化さ
れ、変位量の検出が困難となる。垂直共振器型面発光レ
ーザ(図示しない)の出射端面の有効径をWSEL とする
と、外部ミラー93がθだけ傾斜したときに、外部ミラ
ーで1回反射された光が面発光レーザ内の共振している
光と干渉する場合、レーザー出射面上で干渉縞が一つ生
じる条件は、 WSEL ・tan θ=λ0 /4と表
すことができる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正内容】
【0073】例えば、WSEL =5μm、λ0 =0.97μm
とすると、θ=2.7deg となるので、レーザー出射面
と外部ミラーの間の多重反射を考慮すれば、外部ミラー
93の傾斜は、この数分の1以下になるように保持する
必要がある。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正内容】
【0075】この結果、外部ミラー93の傾斜を調整
ることができる。実際の調製方法は、1つの圧電素子1
09に印加する電圧を可変して光出力が最大となるよう
にした後、順次、他の圧電素子109も同様に調整する
ことを繰り返す。全ての圧電素子109を均一に伸縮さ
せることによって、λ0 /2毎に光の極大値が得られる
ようになれば調整が完了したことになる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】(a)は、本発明の第2の実施例に係る光学式
変位センサの構成を示す図、(b)は、受光素子を集積
した垂直共振器型面発光レーザの構成を示す図。
【手続補正12】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正13】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】変更
【補正内容】
【図12】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 垂直共振器型面発光レーザと、 この垂直共振器型面発光レーザと組み合わされて複合共
    振器を構成する外部反射手段と、 前記垂直共振器型面発光レーザと前記外部反射手段との
    間の相対的な位置変化に起因して生じるレーザ出力の周
    期的変化又は前記複合共振器のミラー損失の周期的変化
    を計測することによって、前記垂直共振器型面発光レー
    ザと前記外部反射手段との間の相対的な位置変化を検出
    可能に構成された検出手段とを備えていることを特徴と
    する光学式変位センサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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