JPH0971672A - ポリパラキシリレン薄膜の改質方法 - Google Patents

ポリパラキシリレン薄膜の改質方法

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JPH0971672A
JPH0971672A JP23058595A JP23058595A JPH0971672A JP H0971672 A JPH0971672 A JP H0971672A JP 23058595 A JP23058595 A JP 23058595A JP 23058595 A JP23058595 A JP 23058595A JP H0971672 A JPH0971672 A JP H0971672A
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JP
Japan
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thin film
polyparaxylylene
gas
plasma
chamber
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JP23058595A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Kato
勉 加藤
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ポリパラキシリレン薄膜を高い収率でフッ素化
する。 【解決手段】CF4 を主成分とするガスをプラズマ化し
てポリパラキシリレン薄膜と反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はICチップやセンサの
基板等の被覆に使用されるポリパラキシリレン薄膜の改
質方法に係り、特に耐熱性を高めるポリパラキシリレン
薄膜の改質方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリパラキシリレン誘導体薄膜はガスバ
リア性や電気絶縁性に優れているためにICチップやセ
ンサの基板に施されて防湿皮膜あるいは電気絶縁皮膜と
して利用される。特に塩素原子を導入した誘導体はガス
バリア性が良好で防湿性が高い。また置換基を有しない
ポリパラキシリレン膜は電気絶縁性と耐熱性に優れる。
【0003】塩素で置換したポリパラキシリレン膜はそ
の高いガスバリア性と良好な成膜性のために最も多く利
用されている。ポリパラキシリレン薄膜は通常以下の蒸
着重合により成膜される。
【0004】
【化2】
【0005】反応式(2)中のXは水素原子,ハロゲン
原子,炭化水素基,炭化フッ素基である。反応はジパ
ラキシリレン系ダイマを150℃で昇華させて気体にす
る工程。 数10mmHgの減圧下に気体を650ないし700
℃に加熱し、モノマラジカルを作る工程。
【0006】モノマラジカルを常温下で基板に付着さ
せてポリパラキシリレンの高分子の膜を得る工程。の三
つからなる。 図3は従来のポリパラキシリレン薄膜の製造装置を示す
断面図である。昇華室31と熱分解室32と蒸着室33
とから構成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記した
ポリパラキシリレン薄膜は耐熱性が低く、酸素雰囲気の
もとで200℃以上の高温で使用されると分子構造の一
部が酸化して脆くなる。そのためにポリパラキシリレン
薄膜がシリコン等の熱膨張率の小さい素子に適用されて
いる場合には亀裂が入りポリパラキシリレン薄膜の特長
である防湿性や絶縁性が失われるという問題があった。
【0008】ポリパラキシリレンの酸化が以下に示され
る。
【0009】
【化3】
【0010】高温におけるポリパラキシリレン薄膜の酸
化の問題を防止するためにポリパラキシリレン分子主鎖
のCH2 を予めフッ素化することが試みられた。しかし
ながらフッ素化のためにはSF4 ガスという毒性の強い
ガスを使用する必要があり、またフッ素化したジパラキ
シリレンはフッ素化されていないジパラキシリレンのコ
ストの約10倍であり、一般の電子素子には適用するこ
とが困難であった。さらにフッ素化したポリパラキシリ
レンの薄膜は−45℃以下に冷却しないと収率を80%
以上にすることが困難であった。
【0011】この発明は上述の点に鑑みてなされその目
的は、ポリパラキシリレン薄膜のフッ素化のための新規
な改質方法を見いだして、低コスト,高収率のポリパラ
キシリレン薄膜の改質方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述の目的はこの発明に
よればCF4 を主成分とするガスをプラズマ化し、一般
式(1)に示されるポリパラキシリレンの薄膜と反応さ
せるとすることにより達成される。
【0013】
【化4】
【0014】(一般式(1)において、Xは水素原子,
ハロゲン原子,炭化水素基,炭化フッ素基である。) 上述の発明においてCF4 を主成分とするガスはCF4
が100%から酸素含有率50%の範囲にあること、ま
たはポリパラキシリレン薄膜は加熱下に反応させるとす
ることが有効である。
【0015】得られたフッ素化ポリパラキシリレンが以
下に示される。
【0016】
【化5】
【0017】CF4 を主成分とするガスはプラズマ化す
るとフッ素ラジカル(F・)を生成しメチレン基CH2
の水素原子を置換する。酸素ガスを共存させるとフッ素
ラジカル(F・)の生成効率が向上する。ポリパラキシ
リレン薄膜を加熱するとフッ素ラジカル(F・)の置換
反応が促進される。
【0018】
【発明の実施の形態】ポリパラキシリレン薄膜を従来の
蒸着重合の方法で成膜したのちにCF4 を主成分とする
ガスをプラズマ化して発生したフッ素ラジカル(F・)
を反応させる。プラズマガスとしてはCF4 100%の
ガスまたはCF4 と酸素ガスO2 の混合ガスが用いられ
る。混合ガスの場合には酸素の含有率は最大50%であ
る。
【0019】ポリパラキシリレン薄膜は150ないし1
80℃の温度に加熱してフッ素化反応を行うのがよい。
【0020】
【実施例】
実施例1 図1はこの発明の実施例に係る改質装置を示す配置図で
ある。反応室37の内部に陽極34と陽極35が配置さ
れポリパラキシリレン36が陰極35の上に載置され
る。反応室37は真空排気されCF4 を主成分とするガ
スが導入される。
【0021】シリコンウエファを蒸着室33に装着し、
昇華室31にはビス(1‐クロロ‐パラキシリレン)ダ
イマを12g投入し蒸着室33を15mmHgに減圧し
てから昇華室の温度を170℃まで上昇させた。熱分解
は690℃で行った。約1時間で蒸着が終了し、昇華室
からポリパラキシリレン薄膜で被覆されたシリコンウエ
ファを取り出した。
【0022】得られたシリコンウエファをプラズマエッ
チャの反応室37に載置し、減圧にしながらCF4 ガス
を導入しガス圧を0.8mmHgにした。シリコンウエ
ファを150℃に加熱しプラズマ出力550Wで3分間
処理した。得られた薄膜をX線光電子分光装置により元
素の結合エネルギ分析を行った。図2はこの発明の実施
例に係るフッ素化されたポリパラキシリレン薄膜のフッ
素結合エネルギを示す線図である。688eV付近にフ
ッ素によるピークを観察することができる。
【0023】フッ素化されたポリパラキシリレン誘導体
薄膜を200℃の空気中で2時間処理したが薄膜中への
酸素の侵入は防止された。 実施例2 シリコンウエファを蒸着室33に装着し、昇華室31に
はビスパラキシリレン)ダイマを12g投入し蒸着室3
3を15mmHgに減圧してから昇華室の温度を170
℃まで上昇させた。熱分解は690℃で行った。約1時
間で蒸着が終了し、昇華室からポリパラキシリレン薄膜
で被覆されたシリコンウエファを取り出した。
【0024】得られたシリコンウエファをプラズマエッ
チャの反応室37に載置し、減圧にしながらCF4 ガス
と酸素ガスが4対1の混合ガスを導入し、ガス圧を0.
8mmHgにした。シリコンウエファを180℃に加熱
しプラズマ出力550Wで3分間処理した。得られた薄
膜をX線光電子分光装置により元素の結合エネルギ分析
を行った。688eV付近にフッ素によるピークを観察
することができた。
【0025】フッ素化されたポリパラキシリレン誘導体
薄膜を200℃の空気中で2時間処理したが薄膜中への
酸素の侵入は防止された。 実施例3 シリコンウエファを蒸着室33に装着し、昇華室31に
はビス(1‐クロロ‐パラキシリレン)ダイマを12g
投入し蒸着室33を15mmHgに減圧してから昇華室
の温度を170℃まで上昇させた。熱分解は690℃で
行った。約1時間で蒸着が終了し、昇華室からポリパラ
キシリレン薄膜で被覆されたシリコンウエファを取り出
した。
【0026】得られたシリコンウエファをプラズマエッ
チャの反応室37に載置し、減圧にしながらCF4 ガス
と酸素ガスが1対1の混合ガスを導入し、ガス圧を0.
8mmHgにした。シリコンウエファを180℃に加熱
しプラズマ出力550Wで3分間処理した。得られた薄
膜をX線光電子分光装置により元素の結合エネルギ分析
を行った。688eV付近にフッ素によるピークを観察
することができた。
【0027】フッ素化されたポリパラキシリレン薄膜を
200℃の空気中で2時間処理したが薄膜中への酸素の
侵入は防止された。 比較例1 シリコンウエファを蒸着室33に装着し、昇華室31に
はビス(1‐クロロ‐パラキシリレン)ダイマを12g
投入し蒸着室33を15mmHgに減圧してから昇華室
の温度を170℃まで上昇させた。熱分解は690℃で
行った。約1時間で蒸着が終了し、昇華室からポリパラ
キシリレン薄膜で被覆されたシリコンウエファを取り出
した。
【0028】得られたシリコンウエファをプラズマエッ
チャの反応室37に載置し、減圧にしながらCF4 ガス
と酸素ガスが5対6の混合ガスを導入し、ガス圧を0.
8mmHgにした。シリコンウエファを180℃に加熱
しプラズマ出力550Wで3分間処理した。得られた薄
膜をX線光電子分光装置により元素の結合エネルギ分析
を行った。688eV付近にフッ素によるピークを観察
することができた。
【0029】しかし得られた薄膜はプラズマガスによる
エッチングがあり膜厚の減少が認められた。従って酸素
ガスの濃度は50%以下であることが必要である。
【0030】
【発明の効果】この発明によればCF4 を主成分とする
ガスをプラズマ化し、ポリパラキシリレンの薄膜と反応
させるので、プラズマ中に発生したフッ素ラジカルがメ
チレン基の水素と置換しフッ素化ポリパラキシリレンが
高収率で得られる。またこの改質方法はレジストパター
ニング用のプラズマエッチング装置を流用するので製造
コストが安価になる。さらにこの方法はドライプロセス
であり不純物の混入を防止でき、フッ素化の反応を制御
し易いという長所がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例に係る改質装置を示す配置図
【図2】この発明の実施例に係るフッ素化されたポリパ
ラキシリレン薄膜のフッ素結合エネルギを示す線図
【図3】従来のポリパラキシリレン薄膜の製造装置を示
す断面図
【符号の説明】
31 昇華室 32 熱分解室 33 蒸着室 34 陽極 35 陰極 36 ポリパラキシリレン 37 反応室

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】CF4 を主成分とするガスをプラズマ化
    し、一般式(1)に示されるポリパラキシリレンの薄膜
    と反応させることを特徴とするポリパラキシリレン薄膜
    の改質方法。 【化1】 (一般式(1)において、Xは水素原子,ハロゲン原
    子,炭化水素基,炭化フッ素基である。)
  2. 【請求項2】請求項1に記載の改質方法において、CF
    4 を主成分とするガスはCF4 が100%から酸素含有
    率50%の範囲にあることを特徴とするポリパラキシリ
    レン薄膜の改質方法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の改質方法において、ポリ
    パラキシリレン薄膜は加熱下に反応させることを特徴と
    するポリパラキシリレン薄膜の改質方法。
JP23058595A 1995-09-08 1995-09-08 ポリパラキシリレン薄膜の改質方法 Pending JPH0971672A (ja)

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