JPH0970873A - ポリエチレンフィルムの製造方法およびそのフィルムを用いた多層フィルムの製造方法 - Google Patents

ポリエチレンフィルムの製造方法およびそのフィルムを用いた多層フィルムの製造方法

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JPH0970873A
JPH0970873A JP7226836A JP22683695A JPH0970873A JP H0970873 A JPH0970873 A JP H0970873A JP 7226836 A JP7226836 A JP 7226836A JP 22683695 A JP22683695 A JP 22683695A JP H0970873 A JPH0970873 A JP H0970873A
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film
polyethylene
random copolymer
producing
ethylene
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JP7226836A
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Michio Chokai
海 道 生 鳥
Masaaki Takasu
栖 正 明 高
Takayuki Sakai
井 孝 之 酒
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TOUSERO KK
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
TOUSERO KK
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】本発明のホ゜リエチレンフィルム の製造方法は、特定
の密度、MFR およびMw/Mn を有するエチレン・α-オレフィンランタ゛ム
共重合体(A) と、(A) よりも結晶化速度が速いホ゜リエチレン
(B)または溶融張力が大きいホ゜リエチレン(C)とを含む樹脂組
成物を押出機に供給し、フ゛レーカーフ゜レート の手前で特定の樹
脂温度とし、その後 フ゛レーカーフ゜レートを通過した溶融組成物
をタ゛イリッフ゜ から押出し、押出されたフィルムを、表面温度40
〜80℃のマット 状表面を有するチルロール に当接させて高速で
引き取ることを特徴としている。また、本発明の多層フィ
ルムの製造方法は、このホ゜リエチレンフィルム と、ホ゜リアミト゛フィルム、ホ
゜リエステルフィルムまたはアルミニウム箔とを接着剤を介して接合する
ことを特徴としている。 【効果】本発明によれば、透明性と機械強度特性に優
れ、かつ、光沢度の高いホ゜リエチレンフィルム を高速で製造する
ことができ、また、カ゛スハ゛リヤー性を要求される肉類、菓子
類、スーフ゜、マヨネース゛等の包装に利用できる多層フィルム が得
られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、透明性に優れ、かつ光沢
度の高いポリエチレンフィルムの製造方法およびそのフ
ィルムを用いた多層フィルムの製造方法に関し、特に食
品等の内容物をきれいに見せる包装材料に適したポリエ
チレンフィルムの製造方法およびそのフィルムを用いた
多層フィルムの製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来より包装用のフィルムとし
て、多種類のフィルムが製造され、その素材も多様であ
る。特に最近は、メタロセン触媒を用いて製造されたポ
リエチレンが注目を浴びている。その理由は、このポリ
エチレンが狭い分子量分布および組成分布を有している
ことから、高強度で、かつ、ブロッキングし難いフィル
ムを提供することができるという利点にある。
【0003】しかしながら、メタロセン触媒を用いて製
造されたポリエチレンから通常のTダイキャストフィル
ム成形法により成形されたポリエチレンフィルムは、そ
の外観が白っぽく見えることから、食品包装材料として
用いた場合、内容物が見にくくなる。
【0004】したがって、内容物をもっと鮮明に見せた
いという要望が非常に多く、このような要望に応えるた
めに、フィルムの透明性の改良が試みられているが、そ
の改良処方として、これまでのフィルムでは、メタロセ
ン触媒を用いて製造されたポリエチレンにソルビトール
系の核剤を0.2%程度添加することが知られている。
【0005】しかしながら、このような処方で調製され
たポリエチレンは、フィルム成形時に発煙を生じたり、
ロールを汚したり、さらには製品に臭気が残るという問
題が指摘されている。
【0006】また、Tダイ成形法で、チルロールの表面
温度を20〜30℃程度の温度に下げてポリエチレンフ
ィルムを製造する方法があるが、この方法では、フィル
ムの光学特性は向上するものの、同時にヤング率が低下
するという問題がある。
【0007】したがって、メタロセン触媒を用いて製造
したポリエチレンを用い、フィルム成形時に生じがちな
発煙およびロール汚れを防止するとともに、臭気がな
く、透明性に優れ、かつ光沢度の高いポリエチレンフィ
ルムの製造方法、さらにはそのフィルムを用いた多層フ
ィルムの開発が望まれている。
【0008】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題を解決しようとするものであって、メタロセン触媒
を用いて製造したポリエチレンを用い、フィルム成形時
に生じがちな発煙およびロール汚れを防止するととも
に、臭気がなく、透明性に優れ、かつ光沢度の高いポリ
エチレンフィルムの製造方法、およびそのフィルムを用
いた多層フィルムの製造方法を提供することを目的とし
ている。
【0009】
【発明の概要】本発明に係るポリエチレンフィルムの製
造方法は、ダイリップが装着されたブレーカープレート
を備えたTダイ付き押出機を用いてポリエチレンフィル
ムを製造する方法であって、[I]密度が0.910〜
0.950g/cm3 であり、溶融指数(MFR)が
0.1〜10g/10分であり、平均分子量分布(Mw
/Mn)が2〜3である、エチレンと炭素原子数4〜1
0のα- オレフィンとのランダム共重合体(A) 70
〜99.99重量%と、[II]ランダム共重合体(A)
よりも結晶化速度が速いポリエチレン(B)、および/
またはランダム共重合体(A)よりも溶融張力が大きい
ポリエチレン(C)0.01〜30重量%とからなる樹
脂組成物を押出機に供給し、ブレーカープレートの手前
で樹脂温度を180〜250℃とし、その後ブレーカー
プレートを通過した溶融樹脂組成物をTダイのダイリッ
プからフィルム状に押し出し、押し出されたフィルム
を、表面温度40〜80℃のマット状表面を有するチル
ロールに当接させて20m/分以上の速度で引き取るこ
とを特徴としている。
【0010】特に、上記ランダム共重合体(A)よりも
結晶化度が速いポリエチレン(B)として、チーグラー
触媒を用いて調製された直鎖状低密度ポリエチレン、ま
たはランダム共重合体(A)よりも溶融張力の大きいポ
リエチレン(C)として、高圧法で調製したポリエチレ
ンを混合使用すると、透明性および機械強度特性に優れ
たポリエチレンフィルムを提供することができ、成形性
に優れたポリエチレン樹脂組成物が得られる。
【0011】本発明に係る多層フィルムの製造方法は、
上記の本発明に係るポリエチレンフィルムの製造方法で
ポリエチレンフィルムを製造した後、このポリエチレン
フィルムと、ポリアミドフィルム、ポリエステルフィル
ムおよびアルミニウム箔から選ばれたフィルム状物とを
接着剤を介して接合することを特徴としている。
【0012】なお、本明細書において、「フィルム」な
る語は、フィルムおよびシートの意味で用いる。
【0013】
【発明の具体的な説明】以下、本発明に係るポリエチレ
ンフィルムの製造方法およびそのフィルムを用いた多層
フィルムの製造方法について具体的に説明する。
【0014】まず、本発明で用いられる樹脂組成物につ
いて説明する。本発明で用いられる樹脂組成物は、
[I]エチレンと炭素原子数4〜10のα- オレフィン
とからなる特定のランダム共重合体(A)と、[II]ラ
ンダム共重合体(A)よりも結晶化度が速いポリエチレ
ン(B)および/またはランダム共重合体(A)よりも
溶融張力が大きいポリエチレン(C)とを特定の割合で
含有している。
【0015】ランダム共重合体(A) 本発明で用いられるランダム共重合体(A)は、エチレ
ンと少量のα- オレフィンとをランダム共重合して得ら
れるポリエチレンである。
【0016】エチレンとランダム共重合されるα- オレ
フィンは、炭素原子数4〜10、好ましくは4〜8のα
- オレフィンであり、具体的には、1-ブテン、1-ペンテ
ン、4-メチル-1- ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプタン、
1-オクテン、1-ノネン、1-デセンなどが挙げられる。こ
れらのα- オレフィンは、単独で、または組合わせて用
いることができる。
【0017】ランダム共重合体(A)中のα- オレフィ
ン含量は、通常0.5〜15モル%、好ましくは1.0
〜10モル%、さらに好ましくは2.0〜8.0モル%
である。
【0018】本発明で用いられるランダム共重合体
(A)は、溶融指数(MFR)が、0.1〜10g/1
0分、好ましくは0.5〜7g/10分、さらに好まし
くは0.5〜3g/10分である。
【0019】また、本発明で用いられるランダム共重合
体(A)は、密度が、0.910〜0.945g/cm
3 、好ましくは0.915〜0.935g/cm3 であ
る。さらに、本発明で用いられるランダム共重合体
(A)は、平均分子量分布(Mw/Mn)が、2〜3、
好ましくは2〜2.8である。
【0020】溶融指数、密度および平均分子量(Mw/
Mn)が上記範囲内にあるランダム共重合体(A)を用
いると、透明性および機械強度特性に優れたポリエチレ
ンフィルムを提供することができ、成形性に優れた樹脂
組成物が得られる。
【0021】上記溶融指数(MFR)は、ASTM D-
1238に準拠して、測定温度190℃、荷重2160
gの条件下で測定された値であり、密度は、ASTM
D-1505に準拠して測定された値であり、平均分子
量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィーによってo- ジクロロベンゼン溶媒を用
い、135℃で測定された重量平均分子量(Mw)と数
平均分子量(Mn)との比で表わされる値である。
【0022】上記のようなランダム共重合体(A)は、
遷移金属のメタロセン化合物と有機アルミニウムオキシ
化合物、必要に応じて有機アルミニウム化合物、有機ホ
ウ素化合物を組み合わせた、いわゆるメタロセン触媒の
存在下に、エチレンと炭素原子数4〜10のα- オレフ
ィンとをランダム共重合させることにより得ることがで
きる。
【0023】たとえば、ビス(n-プロピルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジクロリドとアルミノオキサン
とからなるメタロセン触媒の存在下に、エチレンと炭素
原子数4〜10のα- オレフィンとを気相またはスラリ
ー状態で、ランダム共重合させることによって得ること
ができる。
【0024】上記のような方法で調製されたランダム共
重合体は、直鎖状の分子構造を有し、後述するチーグラ
ー触媒を用いて調製されたポリエチレン(B)よりも比
較的に狭い分子量分布と狭い組成分布を示す。
【0025】ポリエチレン(B) 本発明で用いられるポリエチレン(B)は、ランダム共
重合体(A)よりも結晶化速度が速い。
【0026】本発明で用いられるランダム共重合体
(A)の結晶化速度は、115℃でおおよそ500秒で
あるから、ポリエチレン(B)としては、この値よりも
小さい、すなわち結晶化速度が速いポリエチレンが選ば
れる。
【0027】このようなポリエチレン(B)としては、
上記と同様の試験方法で測定された溶融指数(MF
R)、密度、および平均分子量分布(Mw/Mn)が次
の範囲内にあるポリエチレンが好ましい。
【0028】すなわち、溶融指数(MFR)が0.1〜
10g/10分、好ましくは0.5〜6g/10分、さ
らに好ましくは1.0〜3.0g/10分であり、密度
が0.920〜0.970g/cm3 、好ましくは0.
935〜0.970g/cm 3 であり、平均分子量分布
(Mw/Mn)が3〜5、好ましくは3〜4である。
【0029】上記のような特性を有するポリエチレン
(B)としては、エチレン単独重合体、またはエチレン
と炭素原子数3〜10、好ましくは3〜6のα- オレフ
ィンとのランダム共重合体が用いられる。このようなラ
ンダム共重合体としては、たとえば、エチレンと、プロ
ピレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1- ペンテ
ン、1-ヘキセン、1-ヘプタン、1-オクテン、1-ノネン、
1-デセン等、またはこれらの2種以上のα- オレフィン
とのランダム共重合体が挙げられる。上記のような特性
を有するエチレン・α- オレフィン共重合体は、共重合
体中のα- オレフィン含量が5モル%以下、好ましくは
3モル%以下である。
【0030】上記のようなポリエチレン(B)は、通常
のチーグラー触媒を用いて調製することができ、特にマ
グネシウム化合物に担持されたチタン系の固体触媒と有
機アルミニウム化合物との組み合わせからなる高活性触
媒によって得ることができる。
【0031】このような触媒を用いて調製されたポリエ
チレン(B)は、直鎖状の分子構造を有しており、上述
したランダム共重合体(A)よりも比較的に広い分子量
分布と広い組成分布とを有している。
【0032】ポリエチレン(C) 本発明で用いられるポリエチレン(C)は、ランダム共
重合体(A)よりも溶融張力が大きい。
【0033】本発明で用いられるランダム共重合体
(A)の溶融張力は、190℃でおおよし1.3gであ
ることから、ポリエチレン(C)としては、この値より
も大きい、すなわち溶融張力の大きいポリエチレンが選
ばれる。
【0034】このようなポリエチレン(C)としては、
上記と同様の試験方法で測定された溶融指数(MFR)
および密度が次の範囲内にあるポリエチレンが好まし
い。すなわち、溶融指数(MFR)が0.1〜10g/
10分、好ましくは0.5〜6g/10分、さらに好ま
しくは1.0〜3.0g/10分であり、密度が0.9
15〜0.930g/cm3 、好ましくは0.920〜
0.925g/cm 3 である。
【0035】上記のような特性を有するポリエチレン
(C)としては、具体的には、エチレン単独重合体、エ
チレンとアクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニール等の
ビニールモノマーとの共重合体などが用いられる。
【0036】上記のようなポリエチレン(C)、たとえ
ばエチレン単独重合体は、エチレンを高圧下におき、ラ
ジカル触媒の存在下で重合して得られる。この際、コモ
ノマーとしてアクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニール
等のビニールモノマーを少量共存させれば、エチレンと
これらのビニールモノマーとの共重合体が得られる。
【0037】樹脂組成物 本発明で用いられる樹脂組成物においては、ランダム共
重合体(A)とポリエチレン(B)および/またはポリ
エチレン(C)との合計量100重量%に対して、ラン
ダム共重合体(A)は70〜99.99重量%、好まし
くは80〜98重量%の割合で用いられ、ポリエチレン
(B)および/またはポリエチレン(C)は、0.01
〜30重量%、好ましくは2〜20重量%の割合で用い
られる。
【0038】上記のような組成を有する樹脂組成物を用
いると、高い機械強度と優れた透明性を有するポリエチ
レンフィルムを提供することができる。また、ポリエチ
レン(B)またはポリエチレン(C)をランダム共重合
体(A)に配合することによって、溶融指数(MFR)
の大きなランダム共重合体(A)を使用することができ
るようになり、フィルム成形時の樹脂圧力を上げること
なく早いスピードでフィルムを製造することができる。
【0039】なお、この樹脂組成物には、用途に応じ
て、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の各種の安定剤、充填
剤、塩酸吸収剤、帯電防止剤、滑剤、防曇剤などの添加
剤が、本発明の目的を損なわない範囲で配合することが
できる。
【0040】本発明で用いられる樹脂組成物は、上記各
成分を従来公知の方法、たとえばヘンシェルミキサー、
V- ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレン
ダー等で混合する方法、あるいはこのような方法で混合
して得られた混合物を、さらに一軸押出機、二軸押出
機、ニーダー、バンバリーミキサー等で溶融混練した
後、造粒あるいは得られた樹脂塊を粉砕することによっ
て得ることができる。
【0041】フィルム製造方法 上記の樹脂組成物からフィルムを成形する場合、まず、
ダイリップが装着されたブレーカープレートを備えたT
ダイ付き押出機に樹脂組成物を供給し、ブレーカープレ
ートの手前で樹脂温度を180〜250℃にコントロー
ルする。
【0042】この樹脂温度が250℃より高くなると、
得られるフィルムにフィッシュアイが発生し易いため好
ましくない。一方、樹脂温度が180℃より低くなる
と、樹脂圧力が上がり、フィルムの成形スピードが低下
するため好ましくない。
【0043】なお、上記ブレーカープレートは、多孔板
であり、押出機を通る樹脂組成物の流れを安定化させる
などの役目をする。その後、ブレーカープレートを通過
した溶融樹脂組成物をTダイのダイリップからフィルム
状に押し出し、押し出されたフィルムを、表面温度40
〜80℃のマット状(艶消し状)の表面を有するチルロ
ールに当接させて20m/分以上の速度で引き取る。
【0044】チルロールの表面温度が40℃よりも低い
と、冷却むらが発生し易いため好ましくない。一方、チ
ルロールの表面温度が80℃よりも高いと、冷却が遅く
なり、フィルムの成形スピードを下げねばならなくなる
ため好ましくない。
【0045】上記のような条件を採用することによっ
て、チルロールに当接されたフィルムは、十分な溶融張
力が与えられることになり、得られるフィルムの表面平
滑性が増し、透明性が向上するとともに、高いヤング率
を示す。
【0046】上記のようにして引き取られたポリエチレ
ンフィルムは、通常、一対の引き取りロールを経由し
て、厚さ20〜150μmの製品として巻取りロールに
巻き取られる。
【0047】本発明によれば、ポリエチレンフィルムを
高速で連続成形することができる。多層フィルムの製造方法 本発明に係る樹脂組成物を用いて、ポリアミドフィル
ム、ポリエステルフィルムおよびアルミニウム箔から選
ばれたフィルム状物との多層フィルムを製造することが
できる。この際、前記フィルム状物上に本発明に係る樹
脂組成物からなるフィルム状物を押し出し、接合し、同
様の条件で冷却引取ることで多層フィルムを製造するこ
とができる。また、次の方法で多層フィルムを製造する
こともできる。
【0048】本発明に係る多層フィルムの製造方法で
は、まず、上述した本発明に係るポリエチレンフィルム
の製造方法によりポリエチレンフィルムを製造する。次
いで、このポリエチレンフィルムを、ポリアミドフィル
ム、ポリエステルフィルムおよびアルミニウム箔から選
ばれた一種のフィルム状物と接着剤を介して接合し、多
層フィルムを製造する方法である。
【0049】上記ポリアミドフィルムとしては、特に制
限はないが、具体的には、ナイロン−6、ナイロン−1
1、ナイロン−66、ナイロン−610などのフィルム
が挙げられる。
【0050】上記ポリエステルフィルムとしては、特に
制限はないが、具体的には、テレフタール酸とエチレン
グリコールとの縮合ポリエステルであるポリエチレンテ
レフタレート、テレフタル酸- イソフタル酸- エチレン
グリコールの共重合ポリエステル、テレフタル酸とシク
ロヘキサン-1,4- ジメタノールとからなるポリエステル
などのフィルムが挙げられる。
【0051】上記のポリアミドフィルムおよびポリエス
テルフィルムは、2軸延伸されたフィルムであることが
好ましい。上記接着剤は、ウレタン系等の接着剤が好ま
しい。
【0052】本発明に係る多層フィルムの製造方法によ
り製造される多層フィルムは、ポリエチレンフィルムと
ポリアミドフィルム、ポリエステルフィルムまたは金属
箔とからなる2層構造の多層フィルムであり、さらに
は、この2層構造を含む3層以上の層構造を有する多層
フィルムであってもよい。
【0053】上記のようにして得られた多層フィルム
は、たとえば多層フィルムの全厚が60〜100μmで
あった場合、ポリエチレンフィルム層の厚みがこの全厚
の40〜70%である場合に、強度的にもガスバリアー
性の点でも望ましい物性が発揮される。
【0054】
【発明の効果】本発明に係るポリエチレンフィルムの製
造方法によれば、樹脂組成およびフィルム成形条件の両
面から改良を施していることから、透明性および機械強
度特性に優れるとともに光沢度の高いポリエチレンフィ
ルムを高速度で製造することができる。
【0055】上記ポリエチレンフィルムは、それ単独で
使用することができるし、また、ポリアミドフィルム、
ポリエステルフィルムあるいはアルミニウム箔等の金属
箔と接合して多層フィルムとして使用することができ
る。
【0056】本発明に係るポリエチレンフィルムの製造
方法により製造された単層のポリエチレンフィルムは、
それ自身各種の包装フィルムとして利用される。特に水
産物、農産物等の重量のある水物包装に適する。
【0057】また、本発明に係る多層フィルムの製造方
法により製造された多層フィルムは、ガスバリヤー性を
要求される肉類、菓子類等の食品包装に利用することが
でき、また、ハム、ソーセージ等の肉類やスープ、マヨ
ネーズ等の液体包装にも利用することができる。
【0058】以下、本発明を実施例により説明するが、
本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0059】
【実施例1〜5】まず、次の8種類の樹脂を用意した。
なお、後述する比較例2で用いた樹脂(b)について
も、ここで説明する。 (1)樹脂(a) メタロセン触媒を用いて製造した、エチレンと1-ヘキセ
ンとからなるランダム共重合体(1-ヘキセン含量:2.
8モル%)。 (2)樹脂(b) メタロセン触媒を用いて製造した、エチレンと1-ヘキセ
ンとからなるランダム共重合体(1-ヘキセン含量:2.
7モル%)。 (3)樹脂(c) チーグラー触媒を用いて製造した、エチレンと4-メチル
-1- ペンテンと1-ヘキセンとからなる直鎖状ポリエチレ
ン(4-メチル-1- ペンテンと1-ヘキセンの合計含量:
3.2モル%)。 (4)樹脂(d) チーグラー触媒を用いて製造した、エチレンと4-メチル
-1- ペンテンとからなる直鎖状ポリエチレン(4-メチル
-1- ペンテン含量:1.4モル%)。 (5)樹脂(e) チーグラー触媒を用いて製造した、高密度ポリエチレン
(エチレン単独重合体)。 (6)樹脂(f) 高圧法で製造した、低密度ポリエチレン(エチレン単独
重合体)。 (7)樹脂(g) 高圧法で製造した、低密度ポリエチレン(エチレン単独
重合体)。
【0060】これらの樹脂(a)〜(g)のMFR、密
度、Mw/Mn、115℃における結晶化速度および溶
融張力のデータを第1表に示す。なお、上記MFR、密
度、Mw/Mnについては、上述した方法で求めた。
【0061】また、結晶化速度の測定は、以下のように
して行なった。すなわち、5×5mmで厚さ0.5mm
のシートを、190℃で溶融させた後、これを115℃
のオイルバスに入れ、脱偏光法により光の透過が安定す
るまでの時間を測定し、その1/2を結晶化速度とし
た。
【0062】また、上記溶融張力(MT(g))の測定
は、以下のようにして行なった。すわち、キャピログラ
フにて、190℃の温度条件下で規定速度(200mm
/分)で直径2mm、長さ8mmのノズルより樹脂を押
し出し、この溶融ストランドを15m/分で長さ方向に
引っ張ったときの張力(荷重(g))を測定し、その張
力を溶融張力とした。
【0063】
【表1】
【0064】次に、下記の第2表に示す樹脂組成に従っ
て、上記樹脂を組み合わせて樹脂組成物を調製した後、
その樹脂組成物を、ダイリップが装着されたブレーカー
プレートを備えたTダイ付き押出機に供給し、ブレーカ
ープレート手前で樹脂温度を200℃とし、その後、ブ
レーカープレートを通過した溶融樹脂組成物をTダイの
ダイリップからフィルム状に押し出し、押し出されたフ
ィルムを、マット状の表面を有する表面温度が60℃の
チルロールに当接させて、30m/分の速度で引き取
り、厚さ50μmのフィルムを得た。
【0065】実施例1〜5で用いた各樹脂組成物の結晶
化速度および溶融張力を第2表に示す。
【0066】
【表2】
【0067】また、実施例1〜5における成形加工性お
よびフィルムの物性等を第3表に示す。なお、成形加工
性およびフィルムの物性等は、次の方法で測定ないしは
判定した。 [1]成形加工性 1)臭気 [評価表示] ○ ・・・・・ 臭気発生せず × ・・・・・ 臭気が発生した 2)ロールの汚れ ロールの汚れは、肉眼による観察で判断した。[評価表
示] ○ ・・・・・ 汚れなし × ・・・・・ 汚れあり 3)樹脂圧力 樹脂圧力が適正であるかどうかは、樹脂圧力が機械容量
の80%以内であるかどうかで判断した。 [評価表示] 適正 ・・・・・樹脂圧力が機械容量の80%以内 高い ・・・・・樹脂圧力が機械容量の81%〜90% 過大 ・・・・・樹脂圧力が機械容量の91%〜100%
【0068】[2]フィルム物性等 1)外観 外観は、肉眼による観察で評価した。 [評価表示] ○ ・・・・・表面の状態が平滑 △ ・・・・・表面の平滑性が悪い × ・・・・・表面の平滑性がかなり悪い 2)透明性 透明性の評価は、ASTM D−1003−57Tに準
拠して測定したヘイズの値で行なうこととした。 3)光沢度(グロス) 光沢度(グロス)は、ASTM D−523に準拠して
測定した。 4)ヤング率 ヤング率は、JIS K−1702に準拠して測定し
た。
【0069】
【比較例1】実施例1において、樹脂(c)を用いず
に、樹脂(a)を単独で用いた以外は、実施例1と同様
にして、ポリエチレンフィルムを成形した。成形加工性
および得られたフィルムの物性等を第3表に示す。
【0070】
【比較例2】実施例1において、樹脂(a)および樹脂
(c)の代わりに樹脂(b)を単独で用いた以外は、実
施例1と同様にして、ポリエチレンフィルムを成形し
た。成形加工性および得られたフィルムの物性等を第3
表に示す。
【0071】
【比較例3】実施例1において、樹脂(a)を用いず
に、樹脂(c)を単独で用いた以外は、実施例1と同様
にして、ポリエチレンフィルムを成形した。成形加工性
および得られたフィルムの物性等を第3表に示す。
【0072】
【比較例4】比較例1において、チルロールの表面温度
を30℃に変更した以外は、比較例1と同様にして、ポ
リエチレンフィルムを成形した。成形加工性および得ら
れたフィルムの物性等を第3表に示す。
【0073】
【比較例5】比較例1において、樹脂(a)の配合量を
99.8重量%とし、ソルビトール系の核剤[ジベンジ
リデン ソルビトール]を0.2重量%用いた以外は、
比較例1と同様にして、ポリエチレンフィルムを成形し
た。成形加工性および得られたフィルムの物性等を第3
表に示す。
【0074】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/34 B32B 27/34 27/36 27/36 B65D 65/02 B65D 65/02 E C08L 23/08 LCD C08L 23/08 LCD // B32B 27/00 B32B 27/00 H B29K 23:00 67:00 77:00 B29L 7:00 9:00 (72)発明者 酒 井 孝 之 静岡県浜北市尾野2253番地3 東セロ株式 会社浜北工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ダイリップが装着されたブレーカープレー
    トを備えたTダイ付き押出機を用いてポリエチレンフィ
    ルムを製造する方法であって、[I]密度が0.910
    〜0.950g/cm3 であり、 溶融指数(MFR)が0.1〜10g/10分であり、 平均分子量分布(Mw/Mn)が2〜3である、 エチレンと炭素原子数4〜10のα- オレフィンとのラ
    ンダム共重合体(A) 70〜99.99重量%と、
    [II]ランダム共重合体(A)よりも結晶化速度が速い
    ポリエチレン(B)、 および/またはランダム共重合体(A)よりも溶融張力
    が大きいポリエチレン(C)0.01〜30重量%とか
    らなる樹脂組成物を押出機に供給し、ブレーカープレー
    トの手前で樹脂温度を180〜250℃とし、その後ブ
    レーカープレートを通過した溶融樹脂組成物をTダイの
    ダイリップからフィルム状に押し出し、押し出されたフ
    ィルムを、表面温度40〜80℃のマット状表面を有す
    るチルロールに当接させて20m/分以上の速度で引き
    取ることを特徴とするポリエチレンフィルムの製造方
    法。
  2. 【請求項2】前記ポリエチレン(B)がチーグラー触媒
    を用いて調製された直鎖状低密度ポリエチレンであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のポリエチレンフィルム
    の製造方法。
  3. 【請求項3】前記ポリエチレン(C)が高圧法で調製さ
    れたポリエチレンであることを特徴とする請求項1に記
    載のポリエチレンフィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の方法でポリエチレンフィ
    ルムを製造した後、このポリエチレンフィルムと、ポリ
    アミドフィルム、ポリエステルフィルムおよびアルミニ
    ウム箔から選ばれたフィルム状物とを接着剤を介して接
    合することを特徴とする多層フィルムの製造方法。
JP7226836A 1995-09-04 1995-09-04 ポリエチレンフィルムの製造方法およびそのフィルムを用いた多層フィルムの製造方法 Pending JPH0970873A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004533375A (ja) * 2001-07-04 2004-11-04 アトフイナ・リサーチ・ソシエテ・アノニム 光沢性のチューブおよびパイプ.
JP2011173352A (ja) * 2010-02-25 2011-09-08 Tosoh Corp 積層体

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004533375A (ja) * 2001-07-04 2004-11-04 アトフイナ・リサーチ・ソシエテ・アノニム 光沢性のチューブおよびパイプ.
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