JPH0968553A

JPH0968553A - 電界センサ

Info

Publication number: JPH0968553A
Application number: JP24868795A
Authority: JP
Inventors: Yoshikazu Toba; 良和鳥羽
Original assignee: Tokin Corp
Current assignee: Tokin Corp
Priority date: 1995-08-31
Filing date: 1995-08-31
Publication date: 1997-03-11

Abstract

(57)【要約】【課題】高感度で広帯域のテレビ電波受信等に用いる
ことのできる電界センサの提供。【解決手段】電気光学効果を有するニオブ酸リチウム
単結晶基板９上の入射光導波路３より分岐した二つの位
相シフト光導波路４が合流する出射光導波路６を２組形
成し、各々の位相シフト光導波路４上に形成した一対の
変調電極５に共振回路、電界受信用アンテナを接続した
電界センサ。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ＥＭＣ分野で電波
や電極ノイズの特性測定に用いる計測器、あるいは、放
送電波等、特定の周波数の信号電波を検出するアンテナ
として利用され、空間を伝搬する電磁波の電界強度を測
定するための電界センサに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】コンピュータ等の情報機器や通信機器、
ロボット等のＦＡ機器、自動車、鉄道等の制御機器等、
多くの電気機器は、互いに外部からの電磁ノイズによっ
て、誤動作等の影響を受ける危険を常に持っており、Ｅ
ＭＣ分野においては、外部の電磁環境や影響を及ぼすよ
うなノイズの大きさ、又、自らが発生するノイズ等を正
確に測定することが重要となっている。

【０００３】従来、上述のような電磁ノイズの測定に
は、（ａ）通常のアンテナを用いて受信し、同軸ケーブ
ルで測定器まで導く方法、（ｂ）アンテナを用いて受信
した信号を検波して光信号に変換し、光ファイバで測定
器まで導く方法、（ｃ）印加される電界強度に応じて透
過光の強度が変化するように構成された光学素子を用い
て電界強度変化を光強度変化に変換し、光学素子と光
源、及び測定器に接続された光検出器間を光ファイバで
接続する方法、がある。

【０００４】この中で、（ａ）のアンテナを用いる方法
が、最も一般的であるが、同軸ケーブル等の電気ケーブ
ルの存在により、電界分布が乱れてしまったり、ケーブ
ル途中からのノイズ混入の恐れがある等の問題があった
ため、光ファイバを用いた前記（ｂ），（ｃ）の方法が
開発されている。

【０００５】（ｂ）の方法は、ダイオードで検波した信
号を増幅して発光ダイオードに加えて光信号に変換し
て、光ファイバで光検出器に導くものであるが、センサ
ヘッド部に電気回路やバッテリを必要とするため、ある
大きさの金属部分が存在し、形状も大きくなってしま
う。又、電界の検出感度が低く、応答速度が遅いという
欠点がある。

【０００６】（ｃ）の方法では、電界強度を透過光の強
度変化に変換する光学素子として、電気光学効果を有す
る結晶を用いている。その素子構造としては、光ファイ
バの出射光をレンズで平行光として小型アンテナを取り
付けた結晶中を通過させて、結晶中の電界により偏光状
態を変化させ、検光子で強度変化に変換した後、再び光
ファイバに結合するバルク型素子と、結晶上に設けた光
導波路により、上記光学素子を構成する導波路型素子が
あり、通常、導波路型の方がバルク型よりも１０倍以
上、検出感度が高い。

【０００７】図３は、従来の導波路型素子による電界セ
ンサヘッドの構成例を示す。ｃ軸に垂直に切り出したニ
オブ酸リチウム（ＬｉＮｂＯ₃）単結晶基板９上に、チ
タンを拡散して、入射光導波路３、そこから分岐して結
合した位相シフト光導波路４、及び２本の位相シフト光
導波路４が合流して結合した出射光導波路６が形成され
ている。入射光導波路３の入射端には、入力光ファイバ
２が結合され、出射光導波路６の出射端には、出力光フ
ァイバ７が接続されている。又、位相シフト光導波路４
上には、一対の変調電極５が設置され、リード線１０に
よりロッドアンテナ（電界受信用アンテナ）１１に接続
されている。

【０００８】図３において、入力光ファイバ２から入力
光１は入射光導波路３に入射した後、位相シフト光導波
路４にエネルギーが分割される。ここで、電界が印加さ
れた場合、ロッドアンテナ１１により、変調電極５に電
圧が誘起されて、位相シフト光導波路４中には、深さ方
向に互いに反対向きの電界成分が生じる。

【０００９】この結果、電気光学効果により、屈折率変
化が生じて、位相シフト光導波路４を伝搬する光波間に
は、印加電界の大きさに応じた位相差が生じ、それらが
合流して出射光導波路６に結合する場合に、干渉により
光強度が変化する。即ち、印加電界強度に応じて、出力
光ファイバ７に出射する出力光８の強度は変化すること
になり、その光強度変化を光検出器で測定することによ
り、印加電界の強度を測定できる。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
導波路型電界センサの場合、電気ケーブルの存在による
電界分布の乱れやノイズ混入はないものの、最小検出可
能電界強度は、（ａ）のアンテナを用いて同軸ケーブル
で測定器まで導く方法に比べると、一桁程度劣ってい
る。又、導波路型電界センサの感度を上げるには、入射
光出力を増大する方法、電界センサヘッド自体の感度を
向上させる方法があるが、前者の場合、入射光出力に限
界があり、感度向上には不十分である。

【００１１】そこで、今日では、共振により特定周波数
の感度を向上させている。しかしながら、ＣＡＴＶ用ア
ンテナとしては、受信周波数帯域５０ＭＨｚ程度が要求
されているが、共振を用いた場合、受信周波数帯域は、
２５ＭＨｚ程度となってしまう。

【００１２】従って、本発明の目的は、上記問題点を解
消し、高感度広帯域のテレビ電波受信等の電界センサを
提供することにある。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明は、印加される電
界強度に応じて、透過する光の強度が変化するように構
成された電界センサヘッドと、電界センサヘッドに接続
された光ファイバ、及び該光ファイバの一端に接続され
た光源、透過光を検出するための光検出器から構成さ
れ、前記電界センサヘッドが、電気光学効果を有する結
晶基板上に形成された入射光導波路より分岐した二つの
位相シフト光導波路、その二つの位相シフト光導波路が
合流する出射光導波路と、前記分岐された二つの位相シ
フト光導波路のうち、少なくとも一方の位相シフト光導
波路の近傍に形成した変調電極からなる電界センサであ
って、前記結晶基板上に前記光導波路を複数個配置し、
各々の変調電極に共振回路、電界受信用アンテナを接続
することを特徴とする電界センサである。

【００１４】又、本発明は、複数個の前記光導波路の入
射光導波路に光分岐器を接続することを特徴とする電界
センサである。

【００１５】（作用）本発明による電界センサは、電界
強度に依存して透過光強度が変化する性質を利用するこ
とを、その動作の基本原理とする。ところで、従来の導
波路型電界センサの構成において、電界強度信号は、ア
ンテナを通じ電極に導かれ、二つの位相シフト光導波路
に電界を発生する。その結果、二つの位相シフト光導波
路の屈折率の変化の差が、二つの光波の間の位相差によ
る光の干渉を生じ、透過光の強度変化として、電界強度
が測定される。

【００１６】電界受信用アンテナで受信した信号は、共
振によって特性周波数の電圧が増幅され、変調電極にか
かる。電界センサヘッドの感度は、位相シフト光導波路
の近傍に形成した変調電極にかかる電圧によって決ま
る。一般に、共振回路のＱ値は、周波数をｆ、容量成分
をＣ、抵抗成分をＲとすれば、（１）式で表される。

【００１７】Ｑ＝１／２πｆＣＲ・・・・・・・・・・（１）

【００１８】Ｑ値を高めるために、電界センサヘッドの
変調電極を光進行方向に分割して、容量低減し、更に、
変調電極にＡｕの厚膜を用いる技術を、本発明は、その
基板技術としている。

【００１９】しかしながら、共振を用いて特定周波数の
感度を向上させる方法では、良好な映像Ｓ／Ｎのとれる
周波数帯域は、〜２５ＭＨｚであり、ＶＨＦ帯高域のす
べてのチャンネル（ハイチャンネル）をカバーすること
は、不可能である。

【００２０】そこで、本発明によれば、電気光学効果を
有する結晶基板上に複数個のマッハツェンダ干渉型光導
波路を配置し、各々の変調電極に共振回路、電界受信ア
ンテナを接続することにより、複数の共振点をもたせ、
広帯域電界センサを構成することができる。

【００２１】

【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図を用いて詳
細に説明する。

【００２２】図１において、ニオブ酸リチウム単結晶基
板９（Ｚ板）上に、入射光導波路３、その光導波路３よ
り分岐した二つの位相シフト光導波路４、その二つの位
相シフト光導波路が合流する出射光導波路６を２組形成
した。光の吸収を防ぐためのバッファ層として、二酸化
珪素（ＳｉＯ₂）膜で全面をコートした上で、各々の位
相シフト光導波路４上に一対の変調電極５を形成し、両
端の光導波路に光ファイバを接続した。この時、電極材
には、Ａｕを用い、電界センサヘッド抵抗〜５Ωを目標
とし、膜厚を１μｍとした。又、容量を現状の１／４の
１.５ｐＦにするため、変調電極を光進行方向に対して
４分割させた。

【００２３】上記作製した電界センサヘッドの抵抗、及
び容量を、ネットワークアナライザにより測定したとこ
ろ、抵抗５Ω（ａｔ１５０〜２２０ＭＨｚ）、容量１.
５ｐＦであった。

【００２４】図２に、本実施例により作製したテレビ電
波受信用電界センサの概略図を示す。図２において、上
記電界センサヘッドの各々の変調電極に、共振回路１
５、及び同軸ケーブル１４を介した電界受信用半波長ダ
イポールアンテナ１３（放射抵抗７５Ω）を接続し、共
振周波数を各々１８２，２０６ＭＨｚに調整し、電界検
出感度を調べた。

【００２５】その結果、回路のＱ値に見合った感度の向
上がみられ、３ｄＢ周波数帯域幅は、５３ＭＨｚであっ
た。又、周波数１７０〜２２０ＭＨｚにおいて、８０ｄ
ＢμＶの時の光検出器の検出信号出力は、７５〜７２ｄ
ＢμＶであった。

【００２６】本発明の効果を確認するために、マッハツ
ェンダ干渉型光導波路を一つにした以外は、すべて同様
な構造とした従来構成の電界センサを作製し、共振周波
数を１９５ＭＨｚに調整し、電界検出感度を測定した。
その結果、３ｄＢ周波数帯域幅は、２８ＭＨｚであっ
た。又、周波数１７０〜２２０ＭＨｚにおいて、８０ｄ
ＢμＶの時の光検出器の検出信号出力は、７３〜５５ｄ
ＢμＶであった。即ち、本発明の構成は、従来技術によ
るそれよりも、２倍程度の広帯域化が図れる。

【００２７】本実施例においては、２組のマッハツェン
ダ干渉型光導波路を用いたものについて示したが、更
に、複数のマッハツェンダ干渉型光導波路を用いること
により、更なる広帯域化が図れる。

【００２８】

【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、電気光学効果を有する結晶基板上に複数個のマッハ
ツェンダ干渉型光導波路を配置し、各々の変調電極に共
振回路、電界受信用アンテナを接続することにより、複
数の共振点をもたせ、広帯域電界センサを構成すること
により、同軸ケーブルで測定器まで導く方法と同程度の
感度を実現した。本発明をテレビ共聴受信所のアンテナ
として利用すれば、雷害防止等に大きな効果を持つ。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明により作製した電界センサヘッド（光導
波路及び電極部）の概略図。

【図２】本発明により作製したテレビ電波受信用電界セ
ンサの概略図。

【図３】従来の導波路型素子による電界センサヘッドの
概略図。

【符号の説明】

１入力光２入力光ファイバ３入射光導波路４位相シフト光導波路５変調電極６出射光導波路７出力光ファイバ８出力光９ニオブ酸リチウム単結晶基板１０リード線１１ロッドアンテナ１２分岐光導波路１３電界受信用半波長ダイポールアンテナ１４同軸ケーブル１５共振回路１６Ｏ／Ｅ変換器１７ミキサ１８ＲＦ出力１９光源

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】印加される電界強度に応じて、透過する
光の強度が変化するように構成された電界センサヘッド
と、電界センサヘッドに接続された電界受信用アンテ
ナ、光ファイバ、及び該光ファイバの一端に接続された
光源、透過光を検出するための光検出器から構成され、
前記電界センサヘッドが、電気光学効果を有する結晶基
板上に形成された入射光導波路より分岐した二つの位相
シフト光導波路、その二つの位相シフト光導波路が合流
する出射光導波路と、前記分岐された二つの位相シフト
光導波路のうち、少なくとも一方の位相シフト光導波路
の近傍に形成した変調電極からなる電界センサであっ
て、前記結晶基板上に前記光導波路を複数個配置し、各
々の変調電極に共振回路、電界受信用アンテナを接続す
ることを特徴とする電界センサ。
【請求項２】複数個の前記光導波路の入射光導波路に
光分岐器を接続することを特徴とする請求項１記載の電
界センサ。