JPH0968512A - ガスセンサ - Google Patents

ガスセンサ

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JPH0968512A
JPH0968512A JP3261596A JP3261596A JPH0968512A JP H0968512 A JPH0968512 A JP H0968512A JP 3261596 A JP3261596 A JP 3261596A JP 3261596 A JP3261596 A JP 3261596A JP H0968512 A JPH0968512 A JP H0968512A
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毅 中原
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智弘 井上
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 耐熱絶縁基板4の一方の主面にヒータ膜8と
厚膜の電極パッド6を設け、裏面の金属酸化物半導体膜
にスルーホール16で接続する。パッド6はAu−Pt
等の金合金とし、Pt−W等のリード20に接続する。 【効果】 金合金パッドは基板との付着力が増し、ガス
センサの温度を周期的に変化させてもパッドの剥離が生
じない。またパッドとリードとの接続強度が高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の利用分野】この発明は金属酸化物半導体ガスセ
ンサの改良に関し、特にセンサ本体の外部端子への接続
に関する。
【0002】
【従来技術】金属酸化物半導体ガスセンサに対する主な
要求は消費電力を減少させ、ガスセンサの駆動に必要な
電源回路のコストを減少させることである。このために
は、印刷技術や薄膜技術を用いてガスセンサを小型化
し、かつガスセンサに用いるリードの熱伝導を減少させ
ることが必要である。即ちリードはガスセンサからの放
熱の主要部分を占め、消費電力を減少させるためにはリ
ードに熱伝導率の低い素材を用い、またリードの線径を
小さくする必要がある。
【0003】金属酸化物半導体ガスセンサに関して注目
されている用途は、COの検出である。この場合、ガス
センサの温度を周期的に変化させ、高温への加熱でガス
センサの金属酸化物半導体をヒートクリーニングし、か
つ低温側で金属酸化物半導体膜の出力にCOへの選択性
が生じることを利用して、COを検出する。このことは
ガスセンサに絶えず熱衝撃が加わることを意味する。
【0004】発明者は、消費電力が小さく、かつCOの
検出に適したガスセンサの開発の過程で、以下の問題に
直面した。 1) リードを接続するための厚膜電極パッドに単味の金
を用いると、温度変化の繰り返しによりパッドが基板か
ら剥離する。 2) これを避けるために、厚膜電極パッドに白金を用い
ると、リードの接続が困難になる。 3) 消費電力の小さなリードに適したPt−W線(Pt
−W合金線)やAPM線(Au−Pd−Mo合金線)
は、パッドへの接続が難しく、白金パッドでは充分な接
続強度が得られない。そこで消費電力が小さく、温度変
化に対する耐久性の高いガスセンサを得るには、基板と
の付着力が高く、かつリードとの接続性能に優れた厚膜
電極パッドが必要になる。
【0005】ここで関連する先行技術を示すと、特開平
3−130654号公報は以下のガスセンサを開示して
いる。即ち、ほぼ正方形の基板の一方の主面に金属酸化
物半導体膜を配置し、反対側の主面にヒータ膜を配置す
る。金属酸化物半導体膜に接続した電極をスルーホール
を介してヒータ膜側に導き、ヒータ膜と金属酸化物半導
体膜に白金からなる厚膜の電極パッドを接続する。そし
てこれらの電極パッドにリードを熱圧着で接続する。こ
れらの結果、電極パッドはヒータ膜側に揃えられ、基板
の両主面はスルーホールで接続される。しかしながら電
極パッドは白金で、Pt−WやAPM線等の高抵抗で熱
伝導率が低いリードの接続は困難となり、消費電力の減
少に限界がある。
【0006】これ以外の先行技術として、特開昭60−
209161号公報は、ZrO2酸素センサへのリード
接続に、厚膜の白金電極パッドを用い、Ptリードを熱
圧着やスポット溶接で接続し、溶接部を白金ペーストで
被覆することを開示している。このようにすれば、白金
パッドと白金リードとの接続強度の不足を、白金ペース
トによる被覆で改善できる。しかしながらこの公報は、
基板との付着力と、リードとの接続性能の双方に優れた
パッド材料を提供していない。また白金ペーストによる
被覆は、金属酸化物半導体ガスセンサの場合には問題が
ある。即ち白金ペーストの焼成には900℃程度の温度
が必要で、これはガス検出用の金属酸化物半導体の最高
焼成温度(通常600〜700℃程度)よりも高く、金
属酸化物半導体を劣化させる。さらにいずれの先行技術
も、ガスセンサに繰り返し温度変化を与える際に、パッ
ドと基板との付着力が問題になることを示唆していな
い。
【0007】
【発明の課題】この発明の課題は、ガスセンサの落下や
振動等に対する耐久性と、温度変化の繰り返しに対する
耐久性の双方を改善することにある(請求項1〜7)。
この発明の副次的課題は、ガスセンサの消費電力を軽減
することある(請求項3)。この発明の他の課題は、ガ
スセンサへのリードの取付を容易にすることにある(請
求項6)。
【0008】
【発明の構成】この発明は、耐熱絶縁基板に、ガスによ
り抵抗値が変化する金属酸化物半導体膜とヒータ膜と複
数の厚膜電極パッドとを設けて、該複数の厚膜電極パッ
ドに前記金属酸化物半導体膜と前記ヒータ膜,及びリー
ドを接続したガスセンサにおいて、前記複数の厚膜電極
パッドが金を含有する合金からなるなることを特徴とす
る。
【0009】ここに基板はアルミナやシリカ,ZrO2
等の耐熱絶縁基板を用い、例えば正方形や長方形状と
し、金属酸化物半導体膜とヒータ膜と厚膜の電極パッド
とを配置する。金属酸化物半導体膜やヒータ膜は薄膜で
も厚膜でも良いが、電極パッドは厚膜とする。これは薄
膜パッドでは基板とパッドとの付着力が不十分で、リー
ドの熱圧着や溶接時にパッドが容易に剥離するからであ
る。電極パッドの膜厚は例えば2〜50μm,好ましく
は5〜20μmとする。電極パッドの材料は金を含有す
る合金とし、例えばAu−Pt,Au−Rh,Au−P
d等を用いる。電極パッドはこれらの合金を材料として
1層で構成しても良いが、例えば下地を白金,上地を金
とした2層で成膜しても良い。このような2層のパッド
は上層の成分と下層の成分が混合して合金化する。電極
パッドとして特に好ましいのはAu−Pt合金で、最初
から合金として電極パッドを成膜しても、あるいは下層
を白金,上層を金として成膜し、上層と下層の合金化に
よりAu−Pt合金パッドとしても良い。
【0010】好ましくは基板の表裏両主面を用いて、そ
の一方の主面にSnO2膜やZnO膜,In2O3等の金
属酸化物半導体膜を配置し、他方の主面にRuO2やP
t等のヒータ膜を配置する。そして主面の一方に厚膜電
極パッドを配置し、反対側の主面とはスルーホール等で
接続する。反対側の主面との接続には、スルーホールの
他に、例えば基板の端部や側面に設けた導電膜等を用い
ても良い。このようにすれば基板面積を減少させて消費
電力を削減し、リードの取付面を1面に揃えて取付を容
易にすることができる。
【0011】ガスセンサの消費電力を減少させるために
は、リードを高抵抗の線材で構成することが好ましく、
高抵抗線は一般に熱伝導率が小さい。好ましい線材の種
類は、例えばPt−W線(W含有量2〜12重量%程
度)、APM線(Pd含有量10〜60重量%程度,M
o含有量1〜10重量%程度,残りは金),Pt−ZG
S線(Ptの結晶粒界にZrO2を析出させたPt−Z
rO2合金,ZrO2含有量は1〜0.01重量%程
度),Pt−Pd線(Pd含有量5〜60重量%程度)
である。これらは貴金属合金線で、特に好ましいのはP
t−W線とAPM線である。
【0012】ガスセンサの使用方法は任意であるが、ガ
スセンサの温度を周期的に変化させる場合に、この発明
は特に適している。ガスセンサの温度を周期的に変化さ
せると、電極パッドと基板との界面に繰り返し熱衝撃が
加わり、パッドが剥離する。この問題に対してこの発明
では、金合金の厚膜電極パッドを用いることにより、基
板とパッドの付着力を改善し、パッドの剥離を防止す
る。そして金合金パッドはリードとの接続が容易で、接
続の難しい高抵抗貴金属合金線を用いても、充分な接続
強度が得られる。そして貴金属合金線を用いることがで
きるので、リードからの熱損失を抑制し、ガスセンサの
消費電力を小さくできる。
【0013】次にリードと厚膜電極パッドの接続部を厚
膜で被覆すると、被覆した厚膜によりリードをパッドに
固定できる。この結果、リードとパッドとの接続強度を
改善できる。厚膜材料には、例えばAuやAu−Pt,
Au−Rh等を用いる。厚膜材料は例えばペーストとし
て接続部に塗布し、焼成して固化させる。ここで焼成温
度を低くし、金属酸化物半導体の変質を防止するため、
低温焼成が容易な金が厚膜被覆材料に好ましい。また金
はパッドやリードと容易に結合する材料で、リードの接
続強度を増すためにも、金が好ましい。
【0014】リードと厚膜電極パッドとの接続には、パ
ラレルギャップ溶接等の溶接や、金ペースト等の厚膜に
よる固定、あるいは超音波熱圧着等を用いる。ここでパ
ラレルギャップ溶接と超音波熱圧着とを比較すると、溶
接の方が作業性に優れている。しかし溶接では、溶接自
体によりパッド上でリードを切断できず、別の工程でリ
ードを切断する必要がある。この工程には好ましくは溶
断を用いる。即ち1本のリードを基板の2つのパッドに
溶接すると、パッド間にリードが残る。次にこれらの2
つのパッド間のリードに大電流の溶断電流を流すと、リ
ードは発熱で溶断される。ここで例えば電極パッドが4
個ある場合、これらは4角形の頂点に配置されることに
なる。そして当初2本のリードを十字状に配置し、各リ
ードを4角形の対角2頂点にある2つのパッドを結ぶよ
うに接続する。この後2本のリードを溶断すると、基板
からはリードが十字状に外に伸びることになる。この場
合、各リードは前記4角形の対角線に実質的に平行にな
る。そしてリードが基板から十字状に伸びるので、様々
な向きの振動や外力に対して、ガスセンサの耐久性が増
す。
【0015】
【発明の作用と効果】この発明では、ガスセンサの厚膜
電極パッドに金合金を用いる。この結果、パッドと基板
との付着力が高く、ガスセンサに温度変化を繰り返し加
えても、パッドが基板から剥離しない。そして金合金パ
ッドはリードとの接続強度が高く、熱伝導率の小さな貴
金属合金線等をリードに用いても、リードの接続強度を
高く保つことができる。そしてこのことは、ガスセンサ
の消費電力を小さくできることを意味する。
【0016】リードとパッドとの接続は、パラレルギャ
ップ溶接等の溶接,超音波熱圧着等の熱圧着,あるいは
金等の厚膜からなる保護膜での固定のいずれを用いても
良いが、好ましくは溶接や熱圧着でリードを接続詞、接
続部を厚膜の保護膜で覆う。このようにすれば、リード
とパッドとの接続強度が増す。保護膜に好ましいのは、
低温焼成が容易でリードとの付着力にも優れた金であ
る。
【0017】次にリードを溶接や保護膜でパッドに接続
する場合、溶断を用いれば簡単にリードをパッド上で切
断できる。ここで例えば電極パッドが4個の場合、リー
ドを4個のパッドを結ぶ4角形の対角線に実質的に平行
に配置すると、リードの向きが様々なので、基板は4本
のリードで平面的に支えられ、様々な方向からの振動や
外力に対して、基板を保持できる。そしてこのために
は、リードを4角形の対角線に沿って配置して接続した
後に溶断すれば良い。
【0018】
【実施例】図1〜図13に、実施例とその変形とを示
す。なお各変形例において、特に指摘した点以外は、実
施例と同様に実施する。図1に実施例のガスセンサの要
部を示し、2はセンサ本体で、4はアルミナ,シリカ,
ZrO2等の耐熱絶縁基板で、6a〜6dは4個の厚膜
電極パッドで、基板4の1つの主面5上に集約する。各
電極パッド6は金合金からなり、例えばAu−Pt,A
u−Rh,Au−Pd等を用い、実施例ではAu−Pt
合金を用いる。電極パッドの6の厚さは例えば2〜50
μm、好ましくは基板4との付着力を高め、かつ1〜2
回の印刷で形成できる厚さである5〜20μmとする。
さらにパッド6でのAu含有量は、パッド6の深さ方向
で組成が変わる場合があることを考慮し、パッド6での
平均で、5〜95重量%、好ましくは20〜80重量%
とする。8はRuO2膜(膜厚約10μm)や薄膜のP
t等からなるヒータ膜で、RuO2膜の場合、例えば表
面にオーバーコートガラスからなる絶縁膜を設ける。ま
たヒータ膜8にはヒータ電極10a,10bを接続す
る。そしてヒータ電極10a,10bを前記の電極パッ
ド6a,6bに接続する。
【0019】基板4の反対側の主面7には、SnO2膜
等の金属酸化物半導体膜12を例えば膜厚10μmに設
け、一対の電極14a,14bを接続し、内壁に導電膜
を設けたスルーホール16を介して、電極パッド6c,
6dに接続する。なお第3図に示すように、基板4の頂
点端部等に導電膜を設けて、スルーホール16に変えて
も良い。このような例を図3に示し、3は新たなセンサ
本体を、17あ,17bは新たな電極を示す。また電極
10,14はパッド6と同じ材質でも異なる材質でもよ
く、また膜厚はパッド6と同じでも異なっても良い。
【0020】図1,図2に戻り、20は貴金属合金線か
らなるリードで、22はリード20を溶接した外部端子
としてのピンである。リード20にはPt−WやAu−
Pd−Mo等の高抵抗で熱伝導率が小さな合金線を用
い、特に好ましいものは熱伝導が小さくかつパッド6へ
の接続が容易なPt−W線である。またリード20の線
径は例えば20〜60μm,より好ましくは30〜50
μmとする。さらに24は金ペーストを焼成した厚膜の
保護膜で、パッド6とリード20の接続部を覆い、リー
ド20とパッド6との接続強度が充分高い場合、設けな
くても良い。
【0021】図4に、パッド6へのリード20の接続部
を示す。パッド6は基板4との付着力を増すため金合金
とし、図4では、単味の白金からなる下層24上に単味
の金から上層26を積層した例を示す。しかしながら図
5に示すように、下層24と上層26は、上層26の焼
成過程等で合金化し、実際に得られるのは金と白金の合
金パッドである。例えば発明者は、Pt下層24を7μ
m厚に印刷して850℃で焼成した後、金上層26を7
μm厚に印刷し、850℃で焼成した。得られた合金パ
ッドの表面は金色を呈さず、銀白色の金−Pt合金の色
を呈した。このように金と白金は容易に合金化するの
で、実際に得られのは2層を別の組成で印刷した場合で
も、金−白金合金である。また合金化はAu−Ptに限
らず、Au−Rh,Au−Pd等の他の材料でも生じ
た。
【0022】28,28はパラレルギャップ溶接による
溶接部で、リード20とパッド6との接続にはこれ以外
に超音波熱圧着を用いることもでき、あるいは溶接や熱
圧着を行わず、単に保護膜27でリード20をパッド6
に固定するだけでも良い。30はリード20の溶断部で
ある。図1の実施例の場合、2本のリードを用意し、一
方をパッド6a,6cを結ぶように配置して、パラレル
ギャップ溶接する。同様に他方のリードをパッド6b,
6dを結ぶように配置して、パラレルギャップ溶接す
る。次に溶断部30の付近でリードに一対の溶接電極を
接触させ、パッド6a,6c間やパッド6b,6d間に
大電流を流す。リードはパッド間では、基板4から浮い
ており熱の逃げ場が無いので、切断される。この時リー
ド20の端部に生じるのが溶断部30である。
【0023】得られたガスセンサの特性を示す。なお基
板4は厚さが0.5mmの長方形で、図1の横方向の長
さが1mm,図1での縦方向の長さが0.9mmであ
る。また金属酸化物半導体膜12はSnO2(膜厚約1
0μm)からなり、SnO2の印刷後の焼成温度は70
0℃である。またパッド6が1層で最初から合金化した
パッドを用いる場合は、厚さ7μmとした。2層で下層
を白金,上層を金として合金化させる場合には、白金層
7μm,金層7μmの合計14μm厚のパッドとした。
次にリード20には、白金線(線径40μm,線径は直
径を示す),Pt−ZGS線(線径50μm,Ptの結
晶粒界にZrO2を析出させた線で、ZrO2含有量は約
0.06wt%),APM線(線径40μm,Au55
重量%,Pd40重量%,Mo5重量%),Pt−W線
(線径40μm,Pt92重量%,W8重量%)を用
い、これらの線材は田中貴金属工業製である。パッド6
への溶接条件(パラレルギャップ溶接)は、溶接電圧が
5Vで溶接電流を加えた時間が11m秒である。さらに
保護膜27の材料には金ペーストを用い、塗布後に70
0℃で焼成した。
【0024】センサの使用条件は、温度変化が1周期3
0秒で内、高温域が10秒,低温域が20秒で、高温域
での最高温度は約400℃,低温域での最終温度はほぼ
室温である。またセンサの出力は、例えば低温域の終了
直前にサンプリングし、このヒートサイクルを1年間繰
り返して加えた。リード20の接続強度は、図6のよう
にセンサ本体2をピン22に接続した後、センサ本体2
を治具で上向きに引っ張り、リード20が外れる際の強
度で表現する。リード20が外れる位置は、大部分パッ
ド6とリード20との接続部である。なお図6におい
て、32はベースである。
【0025】図7に、リード20の種類による消費電力
(1周期での平均消費電力)の変化を示す。Pt線から
Pt−W線へと消費電力は減少し、Pt−W線やAPM
線,特にPt−W線が好ましい。
【0026】図8に、温度サイクルに対するパッド6の
耐久性と、リード20の接続強度を示す。パッド6の耐
久性は、前記の30秒周期で400℃付近と室温付近と
の間の熱サイクルへの耐久性を回数で示す。この値はセ
ンサ5個の平均で、単味のAuパッドでは平均値が66
20回でパッド6が基板4から剥離した。これはセンサ
の使用時間としては55時間に過ぎない。一方、Ptパ
ッドやAu−Pt合金パッド(最初からAu−Ptの合
金として膜厚7μmに成膜したものと、白金7μm厚上
に金7μm厚を積層し、合金化させたものの2種類)
は、いずれも1年間の耐久テストに耐え、パッド剥離は
1つも生じなかった。1年間の耐久テストは、温度変化
のサイクル数として105万回である。
【0027】パッド6の種類を変えて、Pt−W線やA
PM線の接続強度(4本のリードの合計強度)を求める
と、Ptパッドでは保護膜27無しで約10g,保護膜
27を設けた場合でも約40gであった。これに対して
金パッドや金−白金の合金パッドでは、保護膜無しで2
0g程度,保護膜付きで80g程度の接続強度が得られ
た。このことは白金パッドはリードとの接続強度が不足
し、金−白金の合金パッド6を用いることにより、基板
4との付着力が優れ、かつリード20との接続強度が増
すことを示している。また図8から明らかなように、P
t−W線はAPM線よりも、パッド6への接続強度が高
い。発明者は、白金−金以外に、Rh−金,Pd−金等
の2層のパッドを成膜した。いずれも金が上層で、Rh
やPdが下層で、膜厚は上層,下層とも7μmである。
そしてこれらの場合のいずれでも、金とRhやPdとの
合金化が生じ、Pt−W線に対して20g程度(保護膜
27無し)の接続強度が得られた。
【0028】これらのことから明らかなように、 1) Pt−W,APM等の貴金属合金線を用いてガスセ
ンサの消費電力を減少させ, 2) 金合金のパッドを用いることにより、温度変化に対
するガスセンサの耐久性を向上させ、しかもパッドへの
リードの接続強度を高く保つことができる。 3) またリードの接続強度をさらに高めるには、パラレ
ルギャップ溶接や超音波熱圧着等でリード20をパッド
6に接続した後、保護膜27で被覆することが好まし
い。そして保護膜27に好ましい材質は、低温焼成が可
能で、金属酸化物半導体膜12へのダメージがなく、パ
ッド6やリード20と容易に結合できる、金である。
【0029】
【溶断】図9〜図12に溶断工程の詳細を示す。図9,
図10に、リード20の溶断部30を示す。図10に示
すように、溶断部30ははリード20を他の方法で切断
したものとは形状が異なり、溶断部30は丸みを帯びる
のが特徴である。例えば図10の36は刃物でリード2
0の先端をカットした際の形状を示し、38はリード2
0の先端を引っ張り引きちぎった際の形状を示す。
【0030】図11に溶断工程を示すと、例えばパラレ
ルギャップ溶接でリード20をパッド6に溶接した後
に、一対の電極40,40を配置し溶断電流iを加え
る。パッド6a,6c等の間では、リード20は基板4
から浮き、仮にヒータ膜8に接触しても、ヒータ膜8の
表面はオーバーコートガラスで絶縁されているため、溶
断電流はリード20内を流れ、この発熱でリード20が
溶断する。
【0031】図12に実施例での、リード20の接続方
法を示す。図12の1)は金属の枠体50にリード20を
溶接等で取り付けた状態を示し、次いで適当な治具を用
いて枠体50に対し、センサ本体2を位置決めする。こ
の状態を図12の2)に示す。次いで、例えばパラレルギ
ャップ溶接により、リード20をパッド6a〜6dに溶
接する。この後リード20を溶断する(図12の3))。
この後、金ペーストを塗布して枠体50毎加熱し、保護
膜27を形成する。次いでガスセンサのベース32を位
置決めし、ピン22にリード20を溶接する。電極パッ
ド6への溶接と同時にリード20を切断することは一般
に困難であるが、ピン22への溶接と同時にリード20
を切断することは可能で、好ましくはピン22への溶接
と同時にリード20をカットする(図12の4))。この
ようにすればベース32は枠体50から独立し、ピン2
2へのセンサ本体2の取付が完成する。図12の4)か
ら明らかなように、4本のリード線はほぼ90度ずつ向
きが変化し、4つのパッド6からなる4角形の対角線に
実質的に平行(対角線からの角のずれは±15度以下)
である。この結果、センサ本体2は図12でのX方向,
Y方向のいずれの向きの力にも耐え、センサ本体2の取
付強度が増す。
【0032】図13に第2の変形例のガスセンサを示
す。図において70は新たなセンサ本体、72はリード
フレームで、74はそのリードである。リードフレーム
72には例えばSUS316や鉄−クロム−アルミニウ
ム等の卑金属合金を用い、例えばリード74は断面が2
0〜50μm角程度とする。センサ本体70では基板4
の裏面に一対の金属酸化物半導体膜76,78を配置
し、例えばヒータ膜8に近い金属酸化物半導体膜76を
メタン検出用の金属酸化物半導体膜とし、ヒータ膜8か
ら遠い金属酸化物半導体膜78を一酸化炭素検出用の金
属酸化物半導体膜とする。またパッド6bはスルーホー
ル16を介して基板4の表裏に接続し、金属酸化物半導
体膜76,78に対する共通パッドとして用いる。
【0033】図13の変形例は、リードとして卑金属の
角状リード74を用い、センサ本体70に一対の金属酸
化物半導体膜76,78を設けた他は、図1のガスセン
サと類似である。例えばパッド6はいずれも金合金パッ
ドで、基板4との付着力が高く、かつリード74との接
続強度も高い。そしてこの変形例でも、リードフレーム
72に対してセンサ本体70を位置決めし、4箇所でリ
ード74を電極パッド6a〜6dに溶接し、不要部を溶
断して除去する。この後リード74をピン22に溶接
し、同時にリード74を切断する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例のガスセンサの要部平面図
【図2】 実施例ガスセンサの要部底面図
【図3】 スルーホールの部分を変形したガスセン
サの要部底面図
【図4】 実施例のガスセンサでのパッドとリード
との接続部を示す要部断面図
【図5】 実施例のガスセンサでの、パッドの合金
化を示す特性図
【図6】 実施例のガスセンサの要部側面図
【図7】 実施例のガスセンサでの、リードの種類
と消費電力との関係を示す特性図
【図8】 実施例のガスセンサでの、厚膜電極パッ
ドの種類と、パッドの耐久性及びリードの接続強度との
関係を示す特性図
【図9】 実施例のガスセンサでの溶断部を示す要
部断面図
【図10】 実施例のガスセンサでのリードの溶断部
の平面図
【図11】 実施例でのリードの溶断工程を示す図
【図12】 実施例でのガスセンサへのリードの接続
工程を示す図
【図13】 変形例でのガスセンサの製造工程を示す
【符号の説明】
2,3 センサ本体 40
溶接電極 4 耐熱絶縁基板 50 枠
体 6 電極パッド 60 ベ
ース 5,7 主面 70
センサ本体 8 ヒータ膜 72 リ
ードフレーム 10 ヒータ電極 74
リード 12 金属酸化物半導体膜 76,78
金属酸化物半導体膜 14 電極 16 スルーホール 20 リード 22 ピン 24 下層 26 上層 27 保護膜 28 溶接部 30 溶断部 32 ベース

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱絶縁基板に、ガスにより抵抗値が変
    化する金属酸化物半導体膜とヒータ膜と複数の厚膜電極
    パッドとを設けて、該複数の厚膜電極パッドに前記金属
    酸化物半導体膜と前記ヒータ膜,及びリードを接続した
    ガスセンサにおいて、 前記複数の厚膜電極パッドが金を含有する合金からなる
    なることを特徴とするガスセンサ。
  2. 【請求項2】 前記複数の厚膜電極パッドが金と白金と
    の合金からなることを特徴とする、請求項1のガスセン
    サ。
  3. 【請求項3】 前記リードが貴金属合金線からなること
    を特徴とする、請求項1または2のガスセンサ。
  4. 【請求項4】 前記ガスセンサが、前記ヒータ膜の消費
    電力を周期的に変化させて、前記金属酸化物半導体膜の
    温度を周期的に変化させるようにした、一酸化炭素検出
    用のガスセンサであることを特徴とする、請求項1〜3
    のいずれかに記載のガスセンサ。
  5. 【請求項5】 前記リードと前記厚膜電極パッドとの接
    続部を厚膜で被覆したことを特徴とする、請求項1〜4
    のいずれかに記載のガスセンサ。
  6. 【請求項6】 前記リードの前記厚膜電極パッド上での
    端部が溶断されていることを特徴とする、請求項1〜5
    のいずれかに記載のガスセンサ。
  7. 【請求項7】 前記厚膜電極パッドを4個設けて4角形
    の4頂点上に配置し、かつ各厚膜電極パッド毎に前記リ
    ードを各1本接続し、さらに各リードが、そのリードを
    接続した厚膜電極パッドを通る前記4角形の対角線に実
    質的に平行であることを特徴とする、請求項6のガスセ
    ンサ。
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