JPH0968069A - エンジンの蒸発燃料パージ制御装置 - Google Patents

エンジンの蒸発燃料パージ制御装置

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Publication number
JPH0968069A
JPH0968069A JP22425395A JP22425395A JPH0968069A JP H0968069 A JPH0968069 A JP H0968069A JP 22425395 A JP22425395 A JP 22425395A JP 22425395 A JP22425395 A JP 22425395A JP H0968069 A JPH0968069 A JP H0968069A
Authority
JP
Japan
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value
air
duty value
engine
fuel ratio
Prior art date
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Application number
JP22425395A
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English (en)
Inventor
Tsuneo Sekiguchi
恒夫 関口
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Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Heavy Industries Ltd filed Critical Fuji Heavy Industries Ltd
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Publication of JPH0968069A publication Critical patent/JPH0968069A/ja
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  • Supplying Secondary Fuel Or The Like To Fuel, Air Or Fuel-Air Mixtures (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料タンクにて発生するエバポを可能な限り
多くエンジンの吸気系にパージし、かつこのエバポパー
ジを制御する開閉バルブの耐久性の向上をも達成するエ
ンジンの蒸発燃料パージ制御装置を得ること。 【解決手段】 開閉バルブの開閉制御のためのデューテ
ィー値を設定する制御部に目標デューティー値設定手段
と実デューティー値設定手段とを設けている。目標デュ
ーティー値は、エンジンのスロットル開度及びエアコン
のON−OFF作動状態の各々に基づいて算出される個
別目標デューティー値の和として算出し、一方、実際に
開閉バルブの開閉に用いられる実デューティー値は、目
標デューティー値を上限値とし、エアコンがOFF状態
でかつアイドリング状態という条件の時にそのデューテ
ィー値が0値に設定し、その後はその目標デューティー
値に追従するよう所定の差分補正値等で補正して設定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエンジンの蒸発燃料
パージ制御装置、特にエンジンの燃料タンクで発生した
蒸発燃料(エバポレーション)(以下、単に「エバポ」
と言う)をキャニスタに蓄え、この蓄えられたエバポを
エンジンの吸気系にパージする蒸発燃料のパージ制御装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的なエバポパージ制御装置で
は、燃料タンクにて発生するエバポを内部に吸着剤の装
填されたキャニスタに蓄え、このキャニスタ内のエバポ
をエンジンの吸気系の吸入負圧で吸引させ通常の燃料と
共に燃焼させている。このようなエバポパージ制御装置
は、一般にキャニスタとエンジンの吸気系とをつなぐパ
ージラインを有し、このパージラインにはスロットルバ
ルブが開くと負圧状態が発生するパージポート、更に所
定の負圧以上の状態で開弁するチェックバルブなどが設
けられている。そして、空燃比制御へのエバポによる影
響が大きい低負荷領域(小スロットル開度領域)ではパ
ージ量を少なくし、逆にエバポによる影響が減少する負
荷の増加時(吸入空気量の増加時)にはパージ量を増や
すことでエンジン空燃比制御への影響を抑えつつパージ
量の確保が行われている。
【0003】先行技術としては、例えば特開平4−72
453号公報があり、この技術では、常時負圧の発生す
る吸気管にパージポートを設け、このポートとキャニス
タとを開閉時間がデューティー比により制御されリニヤ
な流量変化を行うデューティーソレノイドバルブを介し
て接続し、このソレノイドバルブを電子制御ユニット
(以下「ECU」と言う)により制御してパージ量を調
整している。
【0004】また、エンジンの運転状態に応じて定めら
れた最大パージ率となるようにソレノイドバルブのデュ
ーティー比を変化させ、エバポのパージ量を確保する段
階で、吸入空気量の増大変化に対して、その吸入空気量
と最大パージ率及び現在のソレノイドバルブのデューテ
ィー比を考慮して、パージ率の増加が一定に行われるよ
うに作用するパージ率設定手段が設けられている。
【0005】また、特開昭61−129454号公報に
開示された技術は、エバポのパージ流量を制御する条件
の1つとしてエンジンの排気系に取り付けた広域空燃比
センサのデータを使用している。すなわち、理論空燃比
に対してリッチ状態にあるか又はリーン状態にあるかの
みを検出するセンサではなく、空燃比に対してリニヤな
出力特性を有する広域空燃比センサが用いられ、この広
域空燃比センサのデータに基づいてパージソレノイドバ
ルブの開閉デューティー比及び燃料噴射時間を連動演算
して制御している。
【0006】次に、特開昭57−129247号公報に
開示された技術では、パージソレノイドバルブのデュー
ティー比をエンジンの排気系に設けたO2 センサのリッ
チまたはリーン信号に連動して制御している。すなわ
ち、リッチ判定時にはデューティー比を小さくし、リー
ン判定時にはデューティー比を大きくするように制御す
るものである。
【0007】更に、実開昭63−158573号公報に
開示された技術は、スロットルバルブの部分に設けたパ
ージポートによりそのスロットルバルブの開閉に応じた
エバポのパージを行うと共に、吸気管に接続した第2の
パージポートを設け、これにソレノイドバルブ及びバイ
パスバルブを接続し、エアコンがオン状態でかつエンジ
ンがアイドリング運転状態という条件の時にソレノイド
バルブをONしてエバポパージ量を確保しようとするも
のである。
【0008】このように、燃料タンクで発生するエバポ
が外部に流出して大気汚染の原因となるような事態を防
止すべく、エバポパージを行う技術が種々提案されてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の一般的なエバポ
パージ制御装置では、エンジンがアイドリング運転状態
にある時や低負荷運転状態にある時にはエバポパージ量
は十分に確保されていない。特に、このような状態でエ
アコンが作動された場合、燃料温度は上昇し易く、従っ
て燃料タンクではエバポ発生量が増大する。そして、キ
ャニスタ内で吸着しきれなくなったエバポがキャニスタ
ドレインから大気中に排出されガソリン臭が発生し、更
に排出される未燃炭化水素を増加させてしまうという事
情があった。すなわち、空燃比制御への影響を考慮した
パージ量の制御調整だけでは、発生したエバポを確実に
パージするというパージ量確保の面で不十分となり上記
のような不都合が生じるものである。
【0010】これに対応する手段として上記従来例とし
て掲げた実開昭63−158573号公報の技術では、
アイドリング運転状態でかつエアコンのON状態の時の
みしかパージ量が確保できず、例えば渋滞時のノロノロ
走行においてエアコンがON−OFFを繰り返す場合な
どには十分なパージ量が確保されていない。すなわち、
エンジンの運転状態の諸条件に応じて常に良好なパージ
量を確保するという配慮はなされていない。
【0011】上記特開平4−72453号公報の技術で
は、吸入空気量のみに基づいてパージ率設定手段が設定
したデューティー比によりソレノイドバルブを開閉制御
するが、これでは排気系に設けられたO2 センサの出力
データに基づくフィードバック制御補正値の連続性が保
てず、結果として排ガス性能を悪化させることが考えら
れる。
【0012】更に、常時変化する吸入空気量に常に追従
してデューティー値を演算しなければならないので、こ
れに要する演算量が増加し、機関全体の制御性の悪化を
伴う。そして、これに基づいて駆動されるソレノイバル
ブの作動周期も早くしなければならず(例えば、50H
z程度)、作動音の増大やバルブの耐久性劣化という事
情も生じる。
【0013】特開昭61−129454号公報の技術で
は、発生するエバポに対するパージ量を十分に確保する
という配慮がないことに加え、広帯域の空燃比センサを
設置する必要があるので、制御装置全体が高価なものと
なるという問題がある。また、一般的なO2 センサを設
置した制御装置のフィードバック制御にはそのまま適用
することができないという課題も残っている。
【0014】次に、特開昭57−129247号公報の
技術では、通常のO2 センサからのデータによるリッチ
又はリーンを示す信号のみでデューティー値を増減する
が、これでは、収束すべきデューティー値が定まらず、
的確なパージ量の確保は困難である。また、この技術に
おいても上記特開昭61−129454号公報の技術と
同じく発生したエバポに対する十分なパージ量の確保と
いう点の配慮はなされていない。
【0015】本発明は、上記種々の課題を解決するため
のなされたものであり、その目的は、燃料タンクにて発
生するエバポを可能な限り多くエンジンの吸気系にパー
ジし、かつこのエバポパージを制御する開閉バルブの耐
久性の向上をも達成するエンジンの蒸発燃料パージ制御
装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係るエンジンの蒸発燃料パージ制御装置
は、開閉バルブの開閉制御のためのデューティー値を設
定する制御部に目標デューティー値設定手段と実デュー
ティー値設定手段とを設けている。そして、目標デュー
ティー値は、エンジンの始動後、所定の条件、例えば、
請求項3で示したようにエンジンの水温が所定の温度に
達し、その温度状態が所定時間継続した時に算出が開始
され、その後その条件が継続する間は継続的に算出され
ている。この算出は、エンジンのスロットル開度及びエ
ンジンにて駆動されるエアコンのON−OFF作動状態
の各々に基づいて算出される各々の個別目標デューティ
ー値を用いて行われる。
【0017】ここで、エンジンのスロットル開度を基準
とするのは、このスロットル開度に応じて吸入管内負圧
が変化するので、これに対し適切なパージ量を確保する
ためには開閉バルブのデューティー比を調整する必要が
あることによる。また、エアコンについては、その作動
はエンジンの駆動力を用いて行われるので、これにより
燃料温度も上昇し、エバポが発生し易くなることを考慮
したものである。すなわち、エアコンのON状態ではエ
バポパージ量を増加させる必要がある。
【0018】一方、実際に開閉バルブの開閉に用いられ
る実デューティー値は、この目標デューティー値を上限
値として設定され、エアコンがOFF状態でかつアイド
リング状態という条件の時にそのデューティー値が0値
に設定される。これは、そのような条件を満たす運転状
況ではエバポのパージが特に必要でないという前提で開
閉バルブを完全に閉じた状態としておくものである。そ
して、このような条件を充足しなくなった時には0値と
なっている実デューティー値を目標デューティー値に戻
すため、所定の差分補正値でその実デューティー値を連
続的に増加補正する。そして、実デューティー値が目標
デューティー値に達した後はその目標デューティー値に
追従するように実デューティー値が設定される。制御部
はこの実デューティー値に基づいて開閉バルブの開閉制
御を行う。
【0019】従って、アイドリング状態の時にエアコン
がONされると上記条件を満たさないので、開閉バルブ
は目標デューティー値に追従した実デューティー値で開
閉制御され、適切なパージ量が確保される。
【0020】また、デューティー値制御される開閉バル
ブは、完全に開放された状態あるいは完全に閉じられた
状態に保たれる方が、所定のデューティー値で開閉動作
が行われている場合に比べ、負担が少なくその機構の長
寿命化が図られる。この点本発明では、上記のようにエ
アコンOFF状態でかつアイドリング状態の時には実デ
ューティー値が0値とされ(完全閉状態)、また通常時
には2つの個別目標デューティー値の「和」である目標
デューティー値に追従されるので、100%(完全開状
態)となる場合が増加する。従って、開閉バルブ機構の
長寿命化にも貢献している。
【0021】請求項2に係るエンジンの蒸発燃料パージ
制御装置では、目標デューティー値を設定するための基
準のうちスロットル開度をエンジンの吸気系における吸
入空気量に代えている。これは、吸入空気量の増減に対
応して適切なパージ量も変動することから、目標デュー
ティー値の設定にその吸入空気量を用いたものであり、
発明の作用としては上記請求項1の場合と同様である。
【0022】請求項3に係るエンジンの蒸発燃料パージ
制御装置では、上述のように目標デューティー値の設定
動作を開始する条件としてエンジンの水温を用いたもの
である。すなわち、エンジンの水温が所定温度に達しそ
の状態が所定時間継続した場合、エバポのパージが必要
であると考えられることに基づいている。
【0023】請求項4に係るエンジンの蒸発燃料パージ
制御装置では、エンジンの運転状態に応じて得られる各
種データとしてエンジンの排気系に設けられた空燃比セ
ンサからのデータを含んでいる。そして、実デューティ
ー値設定手段はその空燃比センサからのデータに基づい
て空燃比が過剰にリッチ化した場合、例えば空燃比セン
サのデータに基づくフィードバック制御により的確に空
燃比補正ができない程リッチ化した状態(過剰リッチ状
態)か否かを判断し、この過剰リッチ状態では目標デュ
ーティー値を所定の割合で連続的に減少させる空燃比基
準減少補正を行う。この補正は過剰リッチ状態が所定の
値に緩和されるまで行われる。
【0024】これは、上述の各発明における目標デュー
ティー値に追従させた実デューティー値及びエアコンO
FF状態及びアイドリング状態の所定条件におけるデュ
ーティー値の0設定に加え、空燃比センサからのデータ
を実デューティー値の決定に反映させパージ量の確保を
空燃比制御に悪影響を与えずに行うようにしたものであ
る。
【0025】請求項5に係るエンジンの蒸発燃料パージ
制御装置では、実デューティー値の設定において、上記
空燃比センサのデータに基づく空燃比制御補正の値に応
じて設定した大中小3種類の設定値を用いるようにして
いる。すなわち、空燃比センサからのデータに基づくフ
ィードバック制御のための空燃比制御補正値が小設定値
(過剰リッチ状態の設定値)を超えて下降した時、すな
わち、空燃比が過剰にリッチ化した時に前記空燃比基準
減少補正を開始する。そして、その補正により上記空燃
比制御補正値が小設定値以上の値に戻るまでその減少補
正が継続され、小設定値以上に戻って中設定値(過剰リ
ッチ状態緩和設定値)に達するまでは所定の割合で実デ
ューティー値を増加する空燃比基準増加補正を行う。こ
の所定の割合としては、前記差分補正値(請求項1)よ
りも小さい値が好適である。この中設定値に達し、更に
大設定値(非過剰リッチ状態)を超えた時に上記空燃比
基準減少補正及び増加補正を終了するようにしている。
すなわち、大設定値を空燃比を基準とした補正の解除判
定値として用いている。
【0026】このように空燃比センサからのデータを考
慮して3種類の判定用の設定値を用いてデューティー値
の調整制御を行うことにより、より的確な実デューティ
ー値の設定が可能となり、エンジンの空燃比制御への悪
影響を極力避けつつ、エバポパージ量の確保が達成され
る。
【0027】なお、上記請求項4及び5に係るエンジン
の蒸発燃料パージ制御装置の場合において、実デューテ
ィー値設定手段が空燃比センサからのデータに基づき空
燃比が過剰リッチ状態ではないと判断したときには、請
求項1に記載のように通常の実デューティー値設定動作
が行われる。すなわち、エアコンOFF状態及びアイド
リング状態の条件の0値設定並びに目標デューティー値
の追従を行うものである。
【0028】請求項6に係るエンジンの蒸発燃料パージ
制御装置では、上記空燃比基準減少補正及び増加補正を
行って設定された実デューティー値を学習値として記憶
する記憶手段が設けられており、記憶された学習値は、
これに対応する条件時において実デューティー値の決定
における上限値として用いられる。これにより過剰リッ
チ状態における実デューティー値の決定動作の信頼性が
向上し、かつ空燃比制御の精度の向上とパージ量の確保
の両立性が高められる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて発明の実施
の形態について詳細に説明する。
【0030】図1は、本発明に係るエンジンの蒸発燃料
パージ制御装置が用いられるエンジンの概略構成が示さ
れている。
【0031】図示のように、エンジンには内部にガソリ
ンを貯留した燃料タンク18が設置されており、この燃
料タンク18にはその内部で発生したエバポを蓄えるキ
ャニスタ19が設けられており、両者はツーウェイバル
ブ22を介して連通管21によって接続されている。キ
ャニスタ19内には吸着剤19aが充填されており、キ
ャニスタ19の底部側には大気導入パイプ20が設けら
れキャニスタ19内を大気圧に保持している。
【0032】そして、キャニスタ19はパージライン2
3によりエンジン1の吸気系に連通接続されている。本
実施例では、吸入ダクト7のスロットルバルブ7aの部
分及び吸入管3側の吸入チャンバ6の部分の2箇所に連
結されている。スロットルバルブ7aの部分への連結で
あるパージポート24は吸気系側の負圧に応じてエバポ
を流出させるワンウェイバルブ24aが設けられ、吸入
チャンバ6側のパージポート25にはデューティーソレ
ノイドバルブ25aが接続されている。このデューティ
ーソレノイドバルブ25aの開閉制御は、開閉時間のデ
ューティー値によって行われ、ECU27によって制御
信号が送られる。
【0033】このECU27には、各種運転状態に応じ
たデータを検出するための各種検出器が接続されてい
る。例えば、吸入空気量を検出するためのエアフローセ
ンサ9、スロットルバルブ7aの開度を検出するための
スロットル開度センサ10、エンジン水温を検出するた
めの水温センサ12、エンジン回転数を検出するためク
ランク角ロータ13に設けられたクランク角センサ1
4、空燃比を検出するため排気系に設けられたO2 セン
サ16、エアコン26の作動状態を検知するための電磁
クラッチ26a、車速を検出するための車速センサ28
及びアイドル回転数制御やエアコン作動時の空気量補正
を行うISC(アイドル スピード コントロール)バ
ルブ29が接続されている。
【0034】図2は、このECU27に関連する概略回
路構成が示されており、図示のようにECU27は、主
演算部としてのCPU27a、制御プログラムや予め設
定された固定データが記憶されているROM27b、各
センサ類からの信号を処理した後のデータやCPU27
aで演算処理したデータが格納されるRAM27c及び
バックアップRAM27dが設けられている。これら各
素子への電力供給のため、電源回路27eがイグニッシ
ョンスイッチ100を介してバッテリ102に接続され
ている。
【0035】運転状態を検出するための上述の各センサ
はA/D変換器27fを介して入出力インターフェース
27gに接続され、入出力インターフェース27gはバ
ス27hを介してCPU27aに接続されている。ま
た、駆動回路27iはCPU27aからの制御信号をイ
ンジェクタ11などの各部材に供給すべく接続されてい
る。
【0036】図3は、上記エンジンにおいて本発明の実
施例に係るエンジンの蒸発燃料パージ制御装置を適用し
た場合の基本的動作の流れを示している。
【0037】図示のように、まずステップ(以下、単に
「S」と言う)301においてエンジン始動後における
本実施例制御装置の動作開始条件の成立性を判断する。
本実施例では、水温TWが所定の判定水温KTWCAN
に達したか否かが判断され、かつ達した後所定の判定時
間TTWCANが経過したか否かが判断される。例え
ば、KTWCANは70℃、TTWCANは1秒であ
る。ここで、この条件を満たさない場合(NOの場合)
リターンされる。そして、条件を満たす場合(YESの
場合)、各種センサからの運転状態の読込みが行われ
(S302)、S303において目標デューティー値C
PCDTYBの演算が開始される。この目標デューティ
ー値CPCDTYBの演算の詳細については後述する。
【0038】次に、S304においてエアコンの動作状
態がOFFでありかつ運転状態がアイドリング状態であ
るか否かが判断される。ここで、この条件を満たす場合
(YESの場合)、実デューティー値CPCDTYを0
値に設定する。そしてリターンされる。すなわち、エア
コンがOFFでかつアイドリング状態の場合、開閉バル
ブを閉状態としてエバポパージを停止する。
【0039】一方、S304において条件を満たさない
と判断された場合(NOの場合)、すなわちエアコンが
ONされているかあるいは運転状態がアイドリング状態
以外の状態の場合、S306において、O2 センサ16
からのデータに基づき、空燃比が所定の過剰リッチ状態
にあるか否かが判断され過剰リッチ状態にない場合(N
Oの場合)、S307以下の通常の実デューティー比設
定動作が行われる。
【0040】すなわち、S307において、O2 センサ
16からのデータに基づく実デューティー値の補正値で
ある空燃比基準補正値CPHOSO2 は、0値に設定さ
れる。すなわち、空燃比制御状態を考慮した補正を行う
必要がないと判断されたことを意味する。そして、上記
目標デューティー値CPCDTYBと実デューティー値
CPCDTYとの比較が行われ、CPCDTYB>CP
CDTYの場合、その差分に応じた差分増加補正値CP
CADDの算出が行われる。すなわち、前回のフローに
おけるS304の判断でエアコンOFFでかつアイドリ
ング状態の条件を満たしていた場合に実デューティー値
CPCDTYが0値に設定されているので、この場合に
はここで目標デューティー値CPCDTYBまで実デュ
ーティー値CPCDTYを増加させるための差分増加補
正値CPCADDが算出される。尚、実デューティー値
CPCDTYの上限値は、目標デューティー値CPCD
TYBでリミットされている。
【0041】そして、S308において実デューティー
値CPCDTYが設定され(詳細は後述する)、S30
9において上記設定された実デューティー値CPCDT
Yに基づくデューティーソレノイドバルブ25aの開閉
制御が行われる。
【0042】次に、上記S306において空燃比が過剰
リッチ状態にあると判断された場合(YESの場合)、
S310において差分増加補正値CPCADDを0値に
設定し、O2 センサ16からのデータに基づいて、例え
ばリッチ状態の度合いに対応したパージ量の調整をする
ための空燃比基準補正値CPHOSO2 の演算を行う
(詳細は後述する)。
【0043】そして、S311において上記空燃比基準
補正値CPHOSO2 に基づいて実デューティー値CP
CDTYの設定が行われ、S312でこの実デューティ
ー値CPCDTYに基づくデューティーソレノイドバル
ブ25aの開閉制御が行われる。
【0044】次に、図4のフローチャートに基づいて目
標デューティー値CPCDTYBの演算動作を図5〜図
9に示したグラフを参照しつつ説明する。
【0045】尚、図5はスロットル開度の変化、図6は
エアコンのON−OFF動作変化、図7はスロットル開
度に基づく個別目標デューティー値の変化、図8はエア
コン作動状態に基づく個別目標デューティー値の変化、
図9は、最終的な目標デューティー値及びこれに基づく
実デューティー値の変化をそれぞれ示しており、全て同
一の時系列で示されている。
【0046】図示のように、S401においてエンジン
水温TWの読込みが行われる。そして、S402におい
てエンジン水温TWが所定の判定値KTWCANを超え
たか否かが判断され、超えない場合(NOの場合)リタ
ーンされる。そして、超えた場合(YESの場合)、S
403においてその超えている時間TM1が所定の設定
時間TTWCAN以上となったか否かが判断され、NO
の場合にはリターンされ、YESの場合には目標デュー
ティー値CPCDTYBの演算動作であるS404以下
の動作に進む。すなわち、エアコンのON−OFF状態
及びスロットル開度に基づいてそれぞれ算出される個別
目標デューティー値の和を目標デューティー値として算
出する(CPCDTYB=DTYBAC+DTYBT
H)。
【0047】まず、S404においてエアコンのON−
OFF状態が判断される。ここでOFFの場合(NOの
場合)、S405においてエアコンのON−OFF状態
に基づく補正値であるエアコン作動状態補正値DHOS
ACは、エアコン減少補正値KDYACDECに設定さ
れる。すなわち、エバポパージ量の減量方向の補正がな
される。
【0048】一方、S404においてエアコンONと判
断された場合(YESの場合)、S406においてその
ON状態の経過時間TM2が所定の遅延時間TDLAC
ADDを超えたか否かが判断される。超えない場合(N
Oの場合)、S407においてエアコン作動状態補正値
DHOSACは0値に設定される。一方、遅延時間TD
LACADDを越えたと判断された場合(YESの場
合)、S408においてエアコン作動状態補正値DHO
SACは増量のためのエアコン増加補正値KDYACA
DDに設定される。
【0049】このエアコン作動状態に基づく個別目標デ
ューティー値DTYBAC[%]の設定については、図
8に示されている。すなわちエアコンの作動状態を示す
図6に対応してエアコンによる個別目標デューティー値
DTYBACの変化が示されている。図示のように、エ
アコンがONされた時、所定の遅延時間TDLACAD
Dをおいて(S406)、エアコン増加のための補正値
KDYACADDにより連続的に補正される(図8
(イ))。そして、エアコンがOFFされた時にはエア
コン減少補正値KDYACDECに基づいて連続的に減
少補正されている(図8(ロ))。尚、個別目標デュー
ティー値DTYBACは、0%から100%で間で変化
する。
【0050】そして、S409においてエアコン作動状
態に応じた現在の個別目標デューティー値DTYBAC
n[%]の設定が行われる。すなわち、DTYBACn
-1+DHOSAC→DTYBACnで設定される(図8
のライン)。
【0051】次に、スロットル開度に基づく個別目標デ
ューティー値DTYBTHの演算動作に移る。
【0052】ここでは、図5に示したように大きい方の
判定開度KCPTVOH(例えば30°)のと小さい方
の判定開度KCPTVOL(例えば5°)の2種類の基
準開度を判定開度として用いる。
【0053】まず、S410においてスロットル開度T
VOが判定開度KCPTVOHより大きいか否かが判断
され、大きいと判断された場合(YESの場合)、S4
11においてスロットル開度TVOに基づく補正値DH
OSTHはパージ量増加のためのスロットル増加補正値
KDYTHADDに設定される(図7(ハ)の状態)。
【0054】次に、S410においてスロットル開度T
VOが判定開度KCPTVOHより小さいと判断された
場合(NOの場合)、S412において判定開度KCP
TVOLよりもスロットル開度TVOが小さいか否かが
判断される。そして、小さいと判断された場合(YES
の場合)、S413においてスロットル開度TVOに基
づく補正値DHOSTHは減少のためのスロットル減少
補正値KDYTHDECに設定される。また、S412
においてスロットル開度TVOが判定開度KCPTVO
Lより大きいと判断された場合(NOの場合)、S41
4においてスロットル開度に基づく補正値DHOSTH
は0値に設定される。すなわち、補正の行われない状態
となる。なお、S413において減少のための補正値K
DYTHDECに設定された場合、現在のスロットル開
度による個別目標デューティー値DTYBTHが未だ0
値の場合には、0値の状態が保たれる(図7(ヘ))。
【0055】そして、S415においてスロットル開度
に基づく現在の個別目標デューティー値DTYBTHn
[%]が設定される。すなわちDTYBTHn-1+DH
OSTH→DTYBTHnとなる。
【0056】以上のスロットル開度に基づく個別目標デ
ューティー値DTYBTHの設定は、図7に示されてお
り、図5に示されたスロットル開度変化に対し、そのス
ロットル開度TVOが判定開度KCPTVOHを越えた
時、スロットル開度TVOに基づく補正値DHOSTH
は増加補正値KDYTHADDにより連続的に増加され
(図7(ハ))、一方、スロットル開度TVOが判定開
度KCPTVOHより下降しかつ判定開度KCPTVO
Lに達していない間は、補正値DHOSTHは0値に設
定されるので(S414)、スロットル開度TVOによ
る目標デューティー値DTYBTHは変化のない水平状
態が保たれる(図7(ホ))。
【0057】そして、再びスロットル開度TVOが上昇
し判定開度KCPTVOHを超えると図示のように再び
スロットル増加補正値KDYTHADDにより連続的に
100%まで増加される。そして、スロットル開度TV
Oが下降し、判定開度KCPTVOLより下回るまでは
100%が維持され、下回った時に図示のように減少の
ための減少補正値KDYTHDECで判断開度KCPT
VOLを越えるまで連続的に減少されることが理解され
る(図7(ニ))。
【0058】最後に、S416において上記それぞれ演
算されたエアコン作動状態に基づく個別目標デューティ
ー値DTYBACnとスロットル開度に基づく個別目標
デューティー値DTYBTHnの和が目標デューティー
値CPCDTYBnとして算出される。この目標デュー
ティー値CPCDTYBは、図9に示され実デューティ
ー値CPCDTYと異なる値の部分は破線で示されてい
る。図示のように、この目標デューティー値CPCDT
YBは下限値が0%で上限値が100%でリミットされ
た値である。
【0059】次に、図10及び図11に基づいてより詳
細に実デューティー値CPCDTYの設定動作について
説明する。
【0060】まず、図3のS304に相当するS601
においてエアコンがOFFでかつ運転状態がアイドリン
グ状態であるか否かが判断される。ここで、この条件を
満たす場合(YESの場合)、S602において現在の
実デューティー値CPCDTYnは0値に設定される。
この工程は図3のS305に示した通りである。
【0061】一方、S601においてこの条件を満たさ
ない場合(NOの場合)、S603において、図3にお
けるS306の一部の動作に相当する後述のフラグFが
立てられているか否かの判断が行われる。ここで、既に
フラグFが立てられている場合、S607の動作へと進
む。そして、フラグFが立てられていない場合(NOの
場合)、S604においてO2 センサ16のデータに基
づくフィードバック制御補正値とその学習値との和であ
る空燃比制御補正値CPO2SL(このCPO2SL
は、空燃比を制御するための燃料噴射時間の補正値であ
る)が過剰リッチ状態における燃料噴射の減量補正値で
ある小設定値KCO2SLL(本実施例では−15%)
よりも小さい値(過剰リッチ状態にある)であるか否か
が判断される。
【0062】過剰リッチ状態にある場合(YESの場
合)、S605において上述のフラグFが立てられる。
そして、この場合S606において通常の目標デューテ
ィー値と実デューティー値との差分に応じた差分増加補
正値CPCADDは0値に設定される。すなわち、この
ような過剰リッチ状態では、デューティー値を増加させ
パージ量を増やすための補正を行わず、空燃比制御状態
のみを基準とした補正を行うものである。
【0063】S605でフラグが立てられると次の周期
のS603では、そのままS607に移ることとなる。
【0064】次に、S607において、O2 センサ16
のデータに基づく空燃比制御補正値CPO2SLが過剰
リッチ状態が緩和された状態の中設定値KCPO2SL
Hに戻ったか否かが判断される。そして、未だ戻ってお
らず過剰リッチ状態のままと判断された場合(YESの
場合)、S608においては実デューティー値を調整す
るための空燃比基準補正値CPHOSO2 がパージ量を
減らすべく減少補正値KCO2DECに設定される。
【0065】そして、S611に移り現在の実デューテ
ィー値CPCDTYnが算出される。すなわち、1演算
周期前の実デューティー値CPCDTYn-1+空燃比基
準補正値CPHOSO2 で算出される。
【0066】一方、S607においてO2 センサ16の
データに基づく空燃比制御補正値CPO2SLの値が上
記中設定値KCPO2SLH(本実施例では−10%)
を超えたと判断された場合、すなわち、マイナス値が小
さくなり、過剰リッチ状態がある程度緩和されたと判断
された場合(NOの場合)、S609において更に緩和
された大設定値KCOP2CL(本実施例では−8%)
を超えたか否か、すなわちその大設定値KCOP2CL
よりもマイナス値が小さくなったか否かが判断され、こ
の空燃比を基準とした補正の解除判定値となるKCOP
2CLに未だ達していないと判断された場合(YESの
場合)、S610において空燃比基準補正値CPHOS
O2 は実デューティー値CPCDTYを増加させる方向
の増加補正値KCO2ADDに設定される。そして同様
にS611において実デューティー値CPCDTYnの
算出が行われる。
【0067】そして、S612において算出された実デ
ューティー値CPCDTYnが100%以上でなったか
否が判断され、未だ100%以上となっていない場合
(YESの場合)、上記実デューティー値CPCDTY
nの算出ルーチンが継続される。また、100%以上に
なった場合(NOの場合)、S613においてフラグF
がクリアされる。
【0068】なお、このフラグFのクリアは、S609
においてO2 センサ16の空燃比制御補正値CPO2S
Lが空燃比に基づく補正の解除判定値であるKCOP2
CL以下となった場合(NOの場合)にも行われる。
【0069】図12には、上記説明した過剰リッチ状態
と判断された後(S604以降)の空燃比基準のデュー
ティー値の変化が示されている。図示のように、O2 セ
ンサ16のデータに基づく空燃比制御補正値CPO2S
Lの変化を示す曲線(イ)(明瞭化のため細かい変化を
省略した実線で示している)並びに小、中、大3つの判
定値を示すライン(ロ)KCO2SLL、(ハ)KCP
O2SLH及び(ニ)KCOP2CLが示されている。
そして、この判定値に基づいて空燃比基準補正値CPH
OSO2 が算出され、図上(ホ)にて示した空燃比を考
慮したデューティー値が設定される。
【0070】図示のように、空燃比制御補正値CPO2
SLが過剰リッチ状態を判定するための小設定値ライン
(−15%)図上(ロ)を超えた時にデューティー値を
減少させるための減少補正値KCO2DECにて減少さ
れる(図上(a))、そして、緩和された状態の中設定
値ライン(−10%)図上(ハ)に達した時点で増加補
正値KCO2ADDにて増加される(図上(b))。そ
して、解除判定のための大設定値KCOP2CLに達し
た時点で空燃比基準補正値CPHOSO2 は0値に設定
される(図上(c))。
【0071】次に、上記S604におけるO2 センサ1
6に基づく空燃比制御補正値CPO2SLが過剰リッチ
状態となったか否かを示す小設定値KCO2SLLに達
していない場合、すなわち過剰リッチ状態にない場合
(NOの場合)、図12に示した通常の実デューティー
値算出動作が行われる。すなわち、実デューティー値C
PCDTYを目標デューティー値CPCDTYBに追従
させるべく上述の差分補正が行われる。
【0072】まず、S614において空燃比基準補正値
CPHOSO2 が0値に設定される。
【0073】そして、S615において現在の目標デュ
ーティー値CPCDTYBnと1演算周期前の実デュー
ティー値CPCDTYn-1の比較が行われ、実デューテ
ィー値CPCDTYn-1が現在の目標デューティー値C
PCDTYBn以上である場合(YESの場合)、S6
17において実デューティー値CPCDTYnは現在の
目標デューティー値CPCDTYBnに設定される。す
なわち、目標デューティー値CPCDTYBnでリミッ
トされる。
【0074】一方、S615において1演算周期前の実
デューティー値CPCDTYn-1が目標デューティー値
CPCDTYBより小さいと判断された場合(NOの場
合)、S618において差分増加補正値CPCADDを
実デューティー値を増加させるための増加補正値KCP
DYADDに設定する。そして、S619において最終
的な実デューティー値CPCDTYnの算出が行われ
る。すなわち、1演算周期前の実デューティー値CPC
DTYn-1+差分増加補正値CPCADDによって算出
される。
【0075】なお、図9にはこのような通常状態におけ
る実デューティー値CPCDTYの目標デューティー値
CPCDTYBへの追従補正に基づく変化が示されてい
る。図示のように、目標デューティー値CPCDTYB
が破線で示された部分、すなわち実デューティー値CP
CDTYとずれているのは、エアコンがOFF状態でか
つアイドリング状態の時に実デューティー値CPCDT
Yが0値に設定されたことによる(図上(a)。そし
て、エアコンが再度ON状態となった時に上記S618
にて示した増加補正値KCPDYADDで実デューティ
ー値CPCDTYが目標デューティー値CPCDTYB
に達するまで迅速に増加される(図上(b))。本図で
は、100%に達するまで増加されている。
【0076】以上のように、実施例に係るエンジンの蒸
発燃料パージ制御装置によれば、通常状態においてはス
ロットル開度から得られる個別目標デューティー値DT
YBTHとエアコンの動作に基づいて得られる個別目標
デューティー値DTYBACとの「和」で目標デューテ
ィー値CPCDTYBが設定される。従って、常に多く
のパージ量を確保するための目標デューティー値が設定
され、実デューティー値はこれに追従するように100
%を限度として設定される。
【0077】従って、ガソリン臭や排出未燃炭化水素な
どの低減が達成される。また、上記のように2つの個別
目標デューティー値の和により目標デューティー値CP
CDTYBを設定するようにしたので急激なパージ量の
変化を抑えることができ、エンジンの空燃比制御への影
響も小さくなる。また、上記通常状態における実デュー
ティー値CPCDTYは、エアコンがOFF状態でかつ
アイドリング状態のときに0値に設定されるので、全体
としてバルブは全閉状態と全開状態(100%)の占め
る割合が多くなり、バルブ自体の長寿命化にも貢献する
ことができる。また、低周波駆動のデューティー制御で
対応することができるので、演算制御周期も遅くなり演
算ウェイトも低減され制御部への悪影響もない。
【0078】また、上記目標デューティー値CPCDT
YBの算出においては、スロットル開度TVOに代え吸
入空気量Qaに基づいて行うことも可能である。すなわ
ち、吸入空気量Qaに基づいて補正値DHOSQAを設
定し、これに基づいて吸入空気量から得られる個別目標
デューティー値を算出し、最終的にエアコン作動状態に
基づく個別目標デューティー値との和によって目標デュ
ーティー値CPCDTYBを算出するものである。
【0079】図13には、この補正値DHOSQAを設
定するための設定テーブルTDYQAHOSの例が示さ
れている。すなわち、補正値DHOSQAは、0を中心
に低空気量領域では負の値、高空気量領域では正の値が
設定されることとなる。
【0080】この実施例によれば、吸入空気量Qaを考
慮することからエンジンの空燃比制御への影響は更に抑
制され、パージ量の確保性能も向上する。
【0081】更に、上述の過剰リッチ状態におけるO2
センサ16のデータに基づく空燃比基準補正値CPHO
SO2 の算出を行うにあたり、これを学習し記憶する手
段を制御部であるECU27内に設けておくことも可能
である。例えば、各種センサから得られるデータに基づ
く学習マップを構成し、空燃比基準の補正動作によって
得られた実デューティー値CPCDTYをその運転領域
の学習マップに格納しておく。そして、この学習値を実
デューティー値CPCDTYの設定における上限値とし
て用いることによりデューティー比制御に反映させるこ
とができる。このような学習値の記憶は、必ずしもバッ
クアップRAM27dに記憶しておく必要はなく、CP
U27aがリセットされた時にはクリヤされるもので良
い。
【0082】上記学習機能を用いることにより、実デュ
ーティー値CPCDTYは空燃比フィードバック制御に
基づく補正実行時のデューティー値でまずガードされる
ので、空燃比制御への悪影響を防止しつつパージ量を確
保する動作の精度がより向上することとなる。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るエン
ジンの蒸発燃料パージ制御装置によれば、エバポのパー
ジ流量を調整する開閉バルブの動作負担を軽減しつつエ
バポの発生量を考慮し各運転状態に応じてできるだけ多
くのエバポパージ量を確保することが可能である。
【0084】更に、空燃比制御の精度の劣化を防止しつ
つこのパージ量の確保を行うことができエバポパージ制
御装置の信頼性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蒸発燃料パージ制御装置が適用される
エンジンの概略構成図である。
【図2】図1のエンジンにおける制御系の構成を示す概
略ブロック図である。
【図3】実施例に係るエバポパージ制御の基本的動作を
示すフローチャート図である。
【図4】実施例における目標デューティー値の設定動作
を示すフローチャート図である。
【図5】スロットル開度の変化を示す図である。
【図6】図5と共通時系列のエアコンのON−OFF動
作変化を示す図である。
【図7】スロットル開度に対応して設定される個別目標
デューティー値の変化を示す図である。
【図8】エアコンのON−OFF動作に対応する個別目
標デューティー値の変化を示す図である。
【図9】最終目標デューティー値の変化並びに通常状態
における実デューティー値の変化を示す図である。
【図10】実施例における実デューティー値の設定動作
を示すフローチャート図である。
【図11】実施例における実デューティー値の設定動作
を示すフローチャート図である。
【図12】空燃比フィードバック制御の補正値に対応し
た実デューティー値の設定の動作を示す説明図である。
【図13】空気吸入量Qaに基づく目標デューティー値
設定のための補正値の変化を示す説明図である。
【符号の説明】
1 エンジン 18 燃料タンク 19 キャニスタ 21 連通管 23 パージライン 25a デューティーソレノイドバルブ 70 スロットル開度センサ 9 エアーフローセンサ 26a エアコン動作検知用の電磁クラッチ 16 O2 センサ 27 ECU KTWCAN 判定水温 TTWCAN 判定時間 CPCDTYB 目標デューティー値 CPCDTY 実デューティー値 CPHOSO2 空燃比基準補正値 CPCADD 差分増加補正値 DTYBAC エアコンによる個別目標デューティー値 DTYBTH スロットル開度による個別目標デューテ
ィー値 DHOSAC エアコン作動状態補正値 KDYACDEC エアコン減少補正値 TDLACADD 遅延時間 KDYACADD エアコン増加補正値 KCPTVOH 判定開度 KCPTVOL 判定開度 DHOSTH スロットル開度補正値 KDYTHADD スロットル増加補正値 KDYTHDEC スロットル減少補正値 CPO2SL 空燃比制御補正値 KCPO2SLL 空燃比制御補正値に対する小設定値 KCPO2SLH 空燃比制御補正値に対する中設定値 KCOP2CL 空燃比制御補正値に対する大設定値 KCO2DEC 減少補正値 KCO2ADD 増加補正値 KCPDYADD 増加補正値 DHOSQA 吸入空気量に基づく補正値 TDYQAHOS 設定テーブル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02M 25/08 301 F02M 25/08 301U

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料タンクで発生した蒸発燃料を蓄える
    キャニスタと、該キャニスタとエンジンの吸気管との連
    通ラインに設けられその開閉時間がデューティー値で制
    御される開閉バルブと、前記エンジンの運転状態に応じ
    て得られる各種データに基づいて前記デューティー値を
    設定する制御部とを備えるエンジンの蒸発燃料パージ制
    御装置において、 前記制御部は、 前記エンジンの始動後、所定の条件のときに前記エンジ
    ンのスロットル開度及び前記エンジンにて駆動されるエ
    アコンのオンオフ作動状態に応じてそれぞれ算出される
    個別目標デューティー値の和を最終的な目標デューティ
    ー値として継続的に算出設定する目標デューティー値設
    定手段と、 前記設定された目標デューティー値を上限値として設定
    され前記エアコンがオフ状態で且つエンジン運転状態が
    アイドリング状態という条件のときに「0」値とされ、
    前記条件を充足しなくなった後、前記「0」値から前記
    目標デューティー値に達するまで所定の差分補正値で連
    続的に増加補正され、その他の状態では前記目標デュー
    ティー値に追従するように実デューティー値を算出設定
    する実デューティー値設定手段と、を有し、 前記制御部は、前記実デューティー値に基づいて前記開
    閉バルブの開閉制御を行うようにしたことを特徴とする
    エンジンの蒸発燃料パージ制御装置。
  2. 【請求項2】 前記目標デューティー値は、前記エンジ
    ンの吸気系における吸入空気量及び前記エンジンにて駆
    動されるエアコンのオンオフ作動状態に応じてそれぞれ
    算出される個別目標デューティー値の和として算出設定
    されることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの蒸
    発燃料パージ制御装置。
  3. 【請求項3】 前記エンジン始動後の所定の条件は、エ
    ンジンの水温の所定温度への到達及びその状態の所定時
    間の継続としたことを特徴とする請求項1又は2の何れ
    かに記載のエンジンの蒸発燃料パージ制御装置。
  4. 【請求項4】 前記各種データには前記エンジンの排気
    系に設けられた空燃比センサからのデータが含まれ、 前記実デューティー値設定手段は、前記空燃比センサか
    らのデータに基づく空燃比制御補正値により空燃比が所
    定の過剰リッチ状態にあると判断したときには、この過
    剰リッチ状態が所定の値に緩和されるまで所定の割合で
    前記目標デューティー値を連続的に減少させる空燃比基
    準減少補正を行って前記実デューティー値を設定するこ
    とを特徴とする請求項1に記載のエンジンの蒸発燃料パ
    ージ制御装置。
  5. 【請求項5】 前記実デューティー値設定手段による実
    デューティー値の設定は、前記空燃比制御補正値に対し
    て過剰リッチ状態を判断する小設定値と、過剰リッチ緩
    和状態を判断する中設定値と、非過剰リッチ状態を判断
    する大設定値の3種類の判定用設定値を用い、前記空燃
    比制御補正値が小設定値を超えて更に下降したときに前
    記空燃比基準減少補正を開始し前記小設定値以上に戻る
    まで継続され、前記小設定値以上になって中設定値に達
    するまでは所定の割合で実デューティー値を増加する空
    燃比基準増加補正を行い、更に、大設定値を超えて増加
    したときは、前記空燃比基準の減少補正及び増加補正を
    終了することを特徴とする請求項4に記載のエンジンの
    蒸発燃料パージ制御装置。
  6. 【請求項6】 前記制御部には、 前記空燃比基準減少補正を行って設定された実デューテ
    ィー値を学習値として記憶する記憶手段が設けられ、前
    記実デューティー値設定手段は対応する条件時の前記学
    習値を上限値として実デューティー値の設定を行うこと
    を特徴とする請求項4又は5の何れかに記載のエンジン
    の蒸発燃料パージ制御装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013204575A (ja) * 2012-03-29 2013-10-07 Honda Motor Co Ltd キャニスタパージ制御装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013204575A (ja) * 2012-03-29 2013-10-07 Honda Motor Co Ltd キャニスタパージ制御装置

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