JPH0967622A - 冷間圧造性の優れた高強度非調質ボルト用鋼線の製造方法 - Google Patents

冷間圧造性の優れた高強度非調質ボルト用鋼線の製造方法

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JPH0967622A
JPH0967622A JP21916095A JP21916095A JPH0967622A JP H0967622 A JPH0967622 A JP H0967622A JP 21916095 A JP21916095 A JP 21916095A JP 21916095 A JP21916095 A JP 21916095A JP H0967622 A JPH0967622 A JP H0967622A
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steel
wire
bolt
tensile strength
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Hiroshi Idojiri
弘 井戸尻
Yasuyuki Kanesada
靖行 兼貞
Toyofumi Hasegawa
豊文 長谷川
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 球状化焼きなましを省略し、更に最後の焼入
れ・焼戻し処理を省略する非調質鋼であっても、ボルト
成形時の冷間圧造性を十分に低下させることができる様
な新規製造方法を開発する。 【解決手段】 C :0.15〜0.35%、Si:
0.05%以下、Mn:0.70〜1.50%、N:
0.005%以下、Cr:0.20%以下を満足する鋼
材を用い、熱間圧延後の冷却を2℃/秒以上の速度で行
って得られた線材を、20〜35%の減面率で伸線加工
に付すことにより、引張強さ700〜930N/mm2
の鋼線を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、球状化焼きなまし
プロセスを省略してもボルト成形時の変形抵抗が十分に
低い、しかも700〜930N/mm2 という高強度レ
ベルを発揮する非調質ボルト用鋼線の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】引張強度700〜930N/mm2 級ボ
ルトは、中炭素鋼あるいは低合金鋼からなる線材や棒鋼
を用いて製造するが、その際通常のプロセスでは、球状
化焼きなまし処理、冷間伸線加工、冷間ボルト成形、ね
じ転造を経て、最後に焼入れ、焼戻し処理を行って所望
の特性に調整している。
【0003】これに対し近年の傾向として、省エネルギ
ーあるいは生産コストダウンの要求が強まり、球状化焼
きなましや焼入れ・焼戻し処理の省略が企図され、いわ
ゆる非調質ボルトへの指向が強まっている。
【0004】このような非調質ボルトでは、ボルト成形
の前の鋼線の段階で、ボルトとして要求される所定の引
張強度を達成しておくことが必要であるため、従前の調
質ボルト製造プロセスにおける球状化焼きなまし材より
も引張強度において高いものを使用することになり、従
ってボルト成形時の冷間圧造性が悪いという共通の欠点
が指摘されていた。
【0005】そこで例えば特公昭60−406号では、
ボルト成形の前に伸線加工を行うことにより(一種のバ
ウシンガー効果を利用することによって)変形抵抗を低
減させることが提案され、また特公昭54−20931
号では、Cを低下させると共に、Nb,Vなどの析出強
化型元素を添加することによって冷間圧造性を向上させ
ることが提案されている。しかしこれらの方法によって
も、従来の球状化焼きなまし材に比べると冷間圧造性の
改善は不十分で、ボルト成形時の工具寿命が短く、より
一層の改善が望まれている。
【0006】一方特公平5−30884では、上記バウ
シンガー効果を最大限に引出すという観点から、単なる
伸線加工の付加に止まらず、鋼の化学成分調整、組織制
御、圧延後の制御冷却などを総合的に組み合わせて実施
することが提案されている。この方法は相応の効果を発
揮するものであるが、全体的に見て複雑な制御を必要と
するので、必ずしも汎用性に富んでいるとは言い難い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な事
情を考慮してなされたものであって、球状化焼きなまし
を省略し、更に最後の焼入れ・焼戻し処理を省略する非
調質鋼であっても、ボルト成形時の冷間圧造性を十分に
低下させることができる様な新規技術の開発を目標にし
てなされたものである。すなわち本発明の目的は、ボル
ト成形時の変形抵抗が十分に低い非調質ボルト用鋼線の
新規で簡便な製造方法を確立しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成すること
のできた本発明とは、 C :0.15〜0.35% Si:0.05%以下(0%を含む) Mn:0.70〜1.50% N :0.005%以下(0%を含む) Cr:0.20%以下(0%を含む) を満足する鋼材を用い、熱間圧延後の冷却を2℃/秒以
上の速度で行って得られた線材を、20〜35%の減面
率で伸線加工に付すことにより、引張強度700〜93
0N/mm2 の鋼線を得ることを要旨とするものであ
る。
【0009】なお本発明によって製造される高強度非調
質ボルト用鋼線は、その引張強度レベルによって、次の
2グループに区分することができる。 (A)引張強度700〜820N/mm2 の鋼線 (B)引張強度800〜930N/mm2 の鋼線
【0010】一般に引張強度が高まるにつれて冷間圧造
性は低下する。従って本発明においては、引張強度を広
く700〜930N/mm2 と企図した場合には、引張
強度が比較的低い領域(A)及び比較的高い領域(B)
の両方を満足する様に前記の様な広範な規定で表した
が、(A),(B)に区分して夫々狭い特定数値範囲の
引張強度を企図する場合には、化学成分を次の様に制御
することが好ましい。
【0011】(A)グループの鋼線を企図する場合 C :0.15〜0.25%(注:Cをやや少なめとす
る) Si:0.05%以下(0%を含む) Mn:0.70〜1.50% N :0.005%以下(0%を含む) を満足する他、必要により、 Cr:0.01〜0.20% を含有させた鋼材を用いる。
【0012】(B)グループの鋼線を企図する場合 C :0.25〜0.35%(注:Cをやや多めとす
る) Si:0.05%以下(0%を含む) Mn:0.70〜1.50% N :0.005%以下(0%を含む) Cr:0.03〜0.20% を満足する鋼材を用いる。
【0013】本発明によって製造される高強度非調質ボ
ルト用鋼線は、当然にそのまま冷間でボルト成形に付す
ことができるものであるが、希望する場合には、伸線加
工に先立って550〜650℃で焼きなましを施すこと
を排除するものではない。
【0014】
【発明の実施の形態】上記構成からなる本発明は、鋼の
化学成分、熱間加工後の冷却速度、伸線加工における減
面率、という三つの要素から規定したものであり、これ
ら各要素の適切な組合わせによって本発明が種々の形態
で実施される。従って以下これらの要素に関して夫々説
明する。
【0015】鋼の化学成分 従来知られている非調質ボルト用鋼線材には、C,M
n,Siなどの固溶強化型元素の作用を主体的に期待す
るものや、それらにV,Nb,Tiなどの析出強化型元
素を添加して一層の高強度化を図ったものが知られてい
る。これらの内、後者の様な析出強化型元素を添加した
ものは、固溶強化型元素のみのものに比べて高強度が達
成される反面、同一強度で比較した場合は変形抵抗が大
きくなるという傾向があった。これは析出した炭窒化物
が冷間圧造性を阻害し、その阻害の程度が固溶強化型元
素のそれより大きい為と考えられる。
【0016】また同じく固溶強化型元素同士であって
も、SiはC,Mnに比べて、同一強度の上昇効果に対
し約1.5倍の変形抵抗の上昇をもたらすことが、本発
明者等の研究によって明らかにされた(図1参照)。図
1は、C,Si,Mnの含有量を変化させて得られた各
鋼材について、引張強度と変形抵抗の各上昇量をプロッ
トしたものであるが、同図から明らかである様に、各元
素の添加によって引張強度を同一量上昇させた(横軸)
時の変形抵抗の上昇(縦軸)に対する影響を見ると、S
iはC,Mn比べて変形抵抗増加量が約1.5倍高い値
を示している。
【0017】そこでこれらを総合的に考察した結果、同
一強度における変形抵抗を可及的に小さくできる成分系
は、できる限り固溶強化型元素のみとしたものが好まし
く、しかも固溶強化型元素の中でもSiはできる限り少
なくし、Siを少なくしたことによる強度不足をCかM
nによって、あるいは析出強化型元素の添加によって補
う程度とすることが有用であるとの結論に到達した。こ
うして定められた本発明化学成分の規定範囲及びその設
定理由を述べると下記の通りである。 C:0.15〜0.35% 但し(A)グループの鋼線(引張強度700〜820N
/mm2 の鋼線)を企図する場合:0.15〜0.25
% (B)グループの鋼線(引張強度800〜930N/m
2 の鋼線)を企図する場合:0.25〜0.35%
【0018】Cは本発明鋼における強化元素の主体とな
るものであるが、熱間圧延後の伸線における減面率を本
発明の規定範囲(20〜35%)にするという前提の下
で、目標引張強度に対応して夫々前記の様に定めた。C
量が少な過ぎると必要な強度が得られず、多過ぎると変
形抵抗の増大を招きやすい。なお(B)グループに所属
するより高強度鋼線を得たい場合においては、必然的に
変形抵抗の増大を避けることが非常に困難になってくる
ので、上限値を0.30%程度に抑えることがより好ま
しい。しかし本発明の変形態様として、伸線加工前に5
50〜650℃での低温焼きなましを実施する場合に
は、該焼きなましによる強度低下が懸念されるので、上
記した上限値0.35%まで許容することを本発明範囲
と定めたのである。
【0019】Si:0.05%以下(0%を含む) Siは前述の如く変形抵抗を増大し易い元素であるか
ら、できる限り少なくすることが望まれる。しかし工業
的生産の実態を考慮すれば、0.05%程度を上限と考
えるのが経済面から妥当である。
【0020】Mn:0.70〜1.50% Mnは固溶強化元素であり、本発明では、Cによる固溶
強化作用を補充する。本発明では、Cの過剰添加による
変形抵抗の増大を避けることとしているので、Cを少な
めの範囲に設定しており、これを補足するという主旨か
ら、少なくとも0.70%の添加を必須とするが、Mn
においても過剰添加は変形抵抗の増大を招くので、1.
50%を超えて添加させてはならない。
【0021】N:0.005%以下(0%を含む) Nが存在する場合は、後述のV,Nb,Tiと結合して
析出強化作用を発揮するが、ここではボルト圧造時の温
度上昇に伴うひずみ時効を抑制するという観点から上記
上限値を定めた。
【0022】Cr:0.20%以下(0%を含む) 但し(A)グループの鋼線(引張強度700〜820N
/mm2 の鋼線)を企図する場合:Crは必要に応じて
添加しても良い元素と位置付け、添加する場合の添加量
を0.01〜0.20%とする。 (B)グループの鋼線(引張強度800〜930N/m
2 の鋼線)を企図する場合:Crは必須的に0.03
〜0.20%添加する。 Crは強度向上に寄与する元素であるが、目標とする引
張強度に応じてその添加思想が上述の如く変化すること
に注意を要する。いずれにしても0.20%を超えて添
加するとボルト圧造時の変形抵抗が増大するので、0.
20%を上限と定めた。特に(B)グループの鋼線を企
図する場合において0.20%を超えて添加すると、引
張強度が高いため靭性低下を生じ易くなるので上限値は
より重要な意味を有する。
【0023】本発明の対象鋼は、上記化学成分を満足す
るものである限り、他の元素については格別の制限を設
けないが、必要により下記の如き元素が添加される場合
がある。そして最も一般的には、上記化学成分の他は、
実質的にFe及び不可避的不純物で構成される。
【0024】V :0.3%以下(0%を含まない) Nb:0.1%以下(0%を含まない) Ti:0.06%以下(0%を含まない) これらは鋼中に存在する炭素や窒素と結合するもので、
析出強化型元素として共通の作用を発揮する。これらの
内いずれか1種以上が存在すれば上記作用効果が得られ
るので、これらは所望的且つ選択的添加元素として位置
付けられる。またこれらの作用は、極微量の存在でも発
揮されるので、下限値を設定する必要がない。他方上限
値については、それらの添加による作用効果が飽和に達
する値という観点から、V:0.3%以下、Nb:0.
1%以下、Ti:0.06%以下と定めた。
【0025】熱間圧延後の冷却速度:非調質ボルトの一
般的製造プロセスにおいては、強度のバラツキを解消す
る為の熱処理工程が組み込まれることはその為熱間圧延
段階で生じた強度のバラツキがそのまま製品のバラツキ
として現れてくる。そこで本発明においては、線材段階
(ボルト加工の前段階)で通常の許容レベルまで強度の
バラツキを抑えることが必要であるとの観点から検討を
行った。その結果、図2に示す様に、熱間圧延後の冷却
速度が速くなると強度のバラツキが一気に低下する様で
あり、特に2℃/秒より速く冷却させた時は強度のバラ
ツキが安定して少なくなることが分かった。なお強度の
バラツキには、種々の因子が複合的・相乗的に影響する
ことを考慮し、また通常許容されているバラツキの範囲
は最終製品段階で15kgf/mm2 以下であることを
含めて考えれば、本発明においては、熱間圧延後の冷却
速度(コイルの全点における冷却速度)を2℃/秒以
上、好ましくは3℃/秒以上と設定するのが良いとの結
論に至った。
【0026】伸線加工時の減面率 伸線加工による加工硬化はボルト圧造時の変形抵抗を増
大させる。一般に伸線加工を行えば、ボルト圧造時の変
形抵抗が低減することは知られている。しかし変形抵抗
を最小にできる様な伸線加工率についてはこれまで明ら
かにされていない。本発明者等はこの観点から検討した
結果、図3に示す様に、減面率が20〜35%の間にあ
る時は変形抵抗が最も低く、減面率が20%より少ない
領域、及び35%より多い領域では、いずれも変形抵抗
の増大を招来していることが分かった。このようなとこ
ろから、本発明においては、減面率を20〜35%の間
と定めたのである。
【0027】伸線加工前の低温焼きなまし 本発明の製造プロセスは本質的に上記の如く構成される
が、より高い加工率の下でボルト成形を行う場合であっ
ても、加工割れを防止したい時には、絞り値等の延性を
改善するという主旨から、伸線加工に先立って550〜
650℃レベルの低温焼きなましを施すことが有効であ
る。550℃以上と定めたのは靭性確保の観点に基づ
き、650℃以下と定めたのは引張強度の維持という観
点に基づく。
【0028】
【実施例】供試材の化学成分 表1に(A)グループの鋼線(引張強度700〜820
N/mm2 の鋼線)を企図する場合の供試材化学成分を
示し、表2に(B)グループの鋼線(引張強度800〜
930N/mm2 の鋼線)を企図する場合の供試材化学
成分を示した。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】鋼線製造及びボルト成形 表1,2の化学成分からなる鋼を溶製した後、10mm
φの鋼棒を熱間圧延によって製造し、その後希望サイズ
及び強度を得る為に伸線加工を施し、ボルト成形を行っ
た。表1の供試鋼については表3の条件で伸線加工及び
ボルト成形を行い、表2の供試鋼については表4の条件
で伸線加工及びボルト成形を行った。
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】表1の供試鋼No.6,7,8,18、及
び表2の供試鋼No.25,26,27,38について
は、前者については表3に、また後者については表4に
夫々記載した様な条件で、伸線加工前に低温焼きなまし
を施した。また表1の供試鋼No.19、及び表2の供
試鋼No.39については、従来プロセスに従って、前
者については表3に、また後者については表4に夫々記
載した様な条件で、伸線加工前に球状化焼鈍を施した。
【0035】こうして得られた伸線加工材を用い、冷間
据え込み加工用の試験片(高さ/直径比=1.5)を作
製し、同心円状溝付きダイスを取りつけた拘束圧盤を用
いて圧縮加工時の変形抵抗を測定した。この時の平均ひ
ずみ速度は2S-1である。なお変形抵抗は、実際のボル
ト加工時の圧造工具寿命と相関のあることが知られてい
る。また変形抵抗の計算は、平均ひずみが1.69(圧
下率75%)の場合の荷重を拘束係数と変形前の初期断
面積で除すことにより求めた。
【0036】試験結果の考察 まず(A)グループの鋼線(引張強度700〜820N
/mm2 の鋼線)を企図する表1,3について考察す
る。本発明の条件を満足する実施例No.1〜8は伸線
材の引張強度が目標範囲内に入っている。一方比較例の
うち、No.9〜13,16,17は伸線材の引張強度
が目標値より小さかったり(ボルト強度が不足)、大き
過ぎたり(変形抵抗が過大)して目標範囲から外れてい
る。一方実施例No.1〜8は、比較例No.9,1
1,12,14(これらはC,Si,Mn,Nのいずれ
かが本発明規定範囲より多い)及び比較例No.19
(熱間圧延後、球状化焼鈍を行っている)に比べて変形
抵抗が低く、ボルト成形時の工具寿命が良好である。比
較例No.15は熱間圧延後の冷却速度が遅い為、伸線
材の引張強度がコイル内において大きいバラツキを示す
と共に、ボルト成形時の工具寿命が若干悪い。更に伸線
加工時の減面率の影響について考察すると、比較例N
o.16は減面率が小さい為、比較例No.17は減面
率が大きい為、いずれも変形抵抗が大きく、ボルト成形
時の工具寿命が悪い。
【0037】なお実施例No.6〜8と比較例No.1
8は、伸線加工前に焼きなまし処理を行った場合におけ
る該焼きなまし温度の影響を比較したものであるが、後
者は前者に比べて伸線材の絞り値が若干低くなっている
他は、変形抵抗、その他の評価項目において良好な結果
を与えている。
【0038】次に(B)グループの鋼線(引張強度80
0〜930N/mm2 の鋼線)を企図する表2,4につ
いて考察する。本発明の条件を満足する実施例No.2
0〜27は伸線材の引張強度が目標範囲内に入っている
が、比較例の内、No.29,32,36,38は伸線
材の引張強度が目標値より小さく、ボルト強度が不足す
る。一方実施例No.20〜27は、比較例No.2
8,30,31,33,34(これらはC,Si,M
n,N,Crのいずれかが本発明規定範囲より多い)及
び比較例No.39(熱間圧延後、球状化焼鈍を行って
いる)に比べて変形抵抗が低く、ボルト成形時の工具寿
命が良好である。比較例No.35は、熱間圧延後の冷
却速度が遅い為、伸線材の引張強度がコイル内において
大きいバラツキを示すと共に、ボルト成形時の工具寿命
が若干悪い。更に伸線加工時の減面率の影響についてみ
ると、比較例No.36は減面率が小さい為、比較例N
o.37は減面率が大きい為、いずれも変形抵抗が大き
く、ボルト成形時の工具寿命が悪い。
【0039】なお実施例No.25〜27と比較例N
o.38は、伸線加工前に焼きなまし処理を行った場合
における該焼きなまし温度の影響を比較したものである
が、後者は前者に比べて伸線材の絞り値が若干低くなっ
ている他は、変形抵抗、その他の評価項目において良好
な結果を与えている。
【0040】
【発明の効果】本発明は上記の様に構成されているの
で、非調質ボルトとしての必要強度を満足しつつ、ボル
ト成形時の変形抵抗が低く、従ってボルト成形の為の工
具寿命を良好に維持することができ、ボルト加工時にお
ける生産コストの低減を図ることができる。また圧延材
の引張強度のバラツキを低減することができたので、ボ
ルトの強度自体も安定して所定の値を示す様になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】引張強度と変形抵抗の関係を化学成分毎に示す
グラフ。
【図2】線材引張強度のコイル内バラツキに与える冷却
速度の影響を示すグラフ。
【図3】変形抵抗に及ぼす伸線加工減面率の影響を示す
グラフ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C :0.15〜0.35質量%(質量%
    は以下単に%と略記する) Si:0.05%以下(0%を含む) Mn:0.70〜1.50% N :0.005%以下(0%を含む) Cr:0.20%以下(0%を含む) を満足する鋼材を用い、熱間圧延後の冷却を2℃/秒以
    上の速度で行って得られた線材を、20〜35%の減面
    率で伸線加工に付すことにより、引張強度700〜93
    0N/mm2 の鋼線を得ることを特徴とする圧造性に優
    れた非調質ボルト用鋼線の製造方法。
  2. 【請求項2】C含有量を0.15〜0.25%とし、 必要によりCrを0.01〜0.20%含有させること
    とした請求項1に記載の鋼材を用い、引張強度700〜
    820N/mm2 の鋼線を得る請求項1に記載された非
    調質ボルト用鋼線の製造方法。
  3. 【請求項3】C含有量を0.25〜0.35%、 Cr含有量を0.03〜0.20% とした請求項1に記載の鋼材を用い、引張強度800〜
    930N/mm2 の鋼線を得る請求項1に記載された非
    調質ボルト用鋼線の製造方法。
  4. 【請求項4】 伸線加工に先立って、550〜650℃
    で焼きなましを施す請求項1〜3のいずれかに記載され
    た非調質ボルト用鋼線の製造方法。
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