JP5288364B2 - 非調質小ねじの製造方法 - Google Patents

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Description

本願発明は、熱間圧延鋼線材をスタート材として、高強度且つ高絞り特性を備えた低炭素鋼線を調製し、この鋼線に冷間圧造又は冷間圧造及びその他の冷間加工を施すことにより小ねじに成形加工し、この成形体には浸炭(若しくは浸炭窒化)焼入・焼戻し又は焼入・焼戻しといった高強度化のための熱処理を施さずに非調質のままで、従来の強度水準と同等以上の高強度を備えた小ねじを、安価に製造する技術に関するものである。
従来、冷間圧造が施されるボルト、ナット、リベット、小ねじ及びタッピンねじ等のねじ類やその他の各種部品を製造するために用いられる鋼線の製造においては、良好な冷間圧造性が要求され、しかも所要線径まで減径された鋼線を調製する必要がある。従来、このような鋼線を製造するためには、先ず、熱間圧延により適切な線径の熱間圧延鋼線材を製造し、次に、熱間圧延鋼線材を冷間伸線後、球状化焼なまし乃至軟質化焼なましを施し、次いで冷間伸線によって所要の線径に仕上げるか、又は熱間圧延鋼線材に球状化焼なまし乃至軟質化焼なましを施した後、冷間伸線により所要の線径に仕上げるかして、JISその他で求められる引張強さ及び絞り等の機械的性質及び寸法精度を付与した鋼線にしている。
ここで、鋼線の材質特性としては、先ず第1に、良好な冷間圧造性が具備されていることが重要である。そのために、例えばJIS G3507−2:2005「冷間圧造用炭素鋼−第2部:線」には、ねじ類及び各種部品を、冷間圧造を含む成形加工によって製造する場合に使用する冷間圧造用炭素鋼線について、機械的性質その他の特性が規定されている。ここに規定されている材質特性の内、絞りRAは冷間圧造性を確保するために高い値が規定されている。しかしそのために引張強さTSは低くならざるを得ない。
ねじ類やその他の部品は、上記のように熱間圧延鋼線材に対する冷間伸線、軟化焼なまし及び仕上げ伸線等の工程を経て製造された前軟化処理鋼線に、冷間圧造等によりねじやボルト等に成形加工され、更に、高強度化のために浸炭(若しくは浸炭窒化)焼入・焼戻し又は焼入・焼戻しといった調質処理が施され、更にめっき等の表面処理やベーキング等の適宜の処理が施されて製造されるのが一般的である。
一方、このような従来の一般的な製造工程における前軟化処理鋼線を用いて冷間成形加工した後の成形体に対する浸炭(若しくは浸炭窒化)焼入・焼戻し又は焼入・焼戻しの熱処理を不要とする、非調質高強度成形品の製造技術の開発が検討されてきている。これらは、省エネルギー、省工程及びコストダウンを目的とするものであり、既に提案されている。例えば、鋼線に対する冷間成形加工性を向上させるための球状化焼なましの熱処理を施さず、熱間圧延のままの鋼線材を冷間伸線で減径・仕上げ加工し、これを冷間圧造によりボルトに成形加工した後、焼入・焼戻し処理を行なわずに、900MPa以上の高強度で且つ耐遅れ破壊特性に優れた高強度非調質アプセットボルトを製造する方法が提案されている(特許文献1)。
この技術は、熱間圧延後の鋼線材として、組織がフェライト及びパーライトの2相組織であって、このフェライト分率が30〜70面積%であり、且つフェライト中の炭・窒化物の平均粒径が50nm以下で、粒径が50nm以下の炭・窒化物が50個/μm以上存在する鋼線材を実現するものであり、この技術によりボルトに成形加工した後に焼入・焼戻し処理を必要としない高強度非調質アプセットボルトを製造できるというものである。そのために、この熱間圧延鋼線材に用いられる鋼の化学成分組成は、C:0.15〜0.35質量%の炭素鋼に、特殊合金元素としてCr:0.05〜1.0質量%と、V:0.05〜0.30質量%、Ti:0.07質量%以下及びNb:0.1質量%以下よりなる群から選択される少なくとも1種とを含有するものであって、この鋼を850℃以上で仕上げ圧延した後、800〜500℃の間の平均冷却速度を2〜10℃/秒に制御するという手間のかかる工程を採用することを必要としている。
また、Nb、V、B及びTi等の特殊合金元素を鋼に含有させないことにより鋼の製造コストを低減させ、しかもボルトに成形加工前の鋼線の球状化焼なまし処理、及びボルトに成形後の焼入・焼戻し処理を省略することのできる、700N/mm 以上の引張強さを有する非調質高張力ボルトの製造技術も提案されている(特許文献2)。
この技術は、C含有量が0.05〜0.12質量%の低炭素鋼をAc変態温度以上に高周波誘導加熱により急速加熱し、450〜600℃で恒温変態させ、冷却後、減面率25〜40%で冷間伸線をし、次いでボルト成形するか、又は、この工程に更にAc変態温度以上に急速加熱する前においても減面率25%以上で予め冷間伸線しておく工程を加えるというものである。高周波誘導加熱による急速加熱とそれに続く恒温変態工程によりフェライト+パーライト組織を極めて微細化することができるので、高強度で且つ高靱性が得られ、そして、C含有量を低くすると共に、減面率32%以上での冷間伸線により、冷間圧造工程において十分なバウシンガー効果が得られることからボルト成形は容易に行われるとされている。この技術の場合も、下記の問題がある。
本願発明が目指す、例えば小型電子機器等において使われる小ねじであって、呼び径が2mm以下の小ねじを、省エネルギー、特殊合金元素不要の省資源、省工程により、低コストで焼入・焼戻し処理等を施さない非調質高強度小ねじを製造するとの観点からは、すでに提案されている上記の技術においては以下のような課題があった。
即ち、(1)特許文献1の技術においては依然として特殊合金元素としてCrに加えてV、Ti及びNbの内から少なくとも1種を添加する必要があり、原料資源及びコスト面から改善が望まれる。また特許文献2の技術においては、特殊合金元素添加の問題点は解消されているが、高周波誘導加熱という特殊な加熱工程及び高温変態工程が必要であり、一層の工程省略が望まれる。
(2)更に、いずれの技術特許文献においても、鋼線材から鋼線への冷間伸線による減面率は上限が大きく制限されている。特許文献1の技術では、その減面率は20〜40%の範囲内とされており、その理由として減面率がそれより大きいとボルトへの成形加工時の割れ発生率が急増するとしている(段落番号0049参照)。例えば、その実施例では、11.0mmφの鋼線材に対して34.1%の減面率(表3、表4)で伸線加工を施して8.99mmφの鋼線とし、M8の非調質アプセットボルトに加工している。また、特許文献2の技術における鋼線材から鋼線までの減面率は、例えば、第1回目冷間伸線での25%と第2回目冷間伸線での32%(段落番号0019、0020参照)とを累計しても、減面率は49.0%程度となるに留まり、これ以上の減面率による冷間伸線をした場合に得られる鋼線の冷間圧造性については何らの示唆もない。
一般に、ボルト成形のように、鋼線の所要線径が比較的大きい場合には、鋼線材から鋼線までの減面率が比較的小さい範囲内に制限されていても、実用上問題がない。
ところが、対象製品の呼び径が、例えば2mm以下の小ねじの場合には、鋼線の所要線径はボルト製造時よりも格段の細線径が必要となる。このような細線径とするためには上記特許文献1及び2の技術によっては有効策が見出せない。
上記ボルトの製造技術に対して、呼び径が2mm以下の小ねじの製造技術としては、Ti及びBといった特殊合金元素の添加、鋼線の前軟化処理、及び小ねじに成形後に行なわれる新しい条件下での浸炭窒化処理後の焼入・焼戻し処理を施すことにより、高い表面硬さを有すると共に良好な靱性を有し、引張強さが800〜1200MPaの高強度小ねじを製造する方法が提案されている(特許文献3)。しかしながら、この場合の高強度小ねじの製造においては、依然として鋼線に軟化処理を施した後に小ねじに成形加工し、更に小ねじに成形後に焼入・焼戻し等の強化熱処理が施されている。
特開2003−113444号公報 特開平10−53813号公報 特開2005−139522号公報
本願発明は、以上の通りの背景から、小ねじを製造するに当たり、冷間圧造又は冷間圧造及びその他の冷間加工による成形加工に使用される鋼線であって、特殊合金元素が含有されている必要がなく、高い引張強さを有し、しかも鋼線材の冷間伸線によるか又は冷間伸線とその他の冷間塑性加工との組合せにより所望の線径まで減径された後に、球状化焼なまし等の前軟化熱処理を行なわなくても小ねじの成形加工が可能な優れた冷間圧造性を備えた鋼線を製造し、しかもこの鋼線は高強度を有するので、これを成形して得られる小ねじの成形体には浸炭(若しくは浸炭窒化)焼入・焼戻し又は焼入・焼戻し等の高強度化の熱処理を施さなくても十分に強度が高く、また、そのような熱処理を施さないので靱性及び耐遅れ破壊特性にも優れている、非調質高強度小ねじを製造する技術を開発し、その結果、省資源、省エネルギー及び省工程に寄与し、低コストで製造することのできる新しい技術手段を提供することを課題としている。
なお、本願発明における「小ねじ」とは、呼び径が2.0mmφ以下、望ましくは1.5mmφ以下の小ねじをいう。そして、小ねじが「非調質」であるとは、冷間圧造により、又は冷間圧造及びその他の冷間加工により成形された小ねじの成形体に対して、浸炭(若しくは浸炭窒化)焼入・焼戻し又は焼入・焼戻し等の強化熱処理が施されていない状態をいう。また、上記において小ねじに成形加工するときの方法としての冷間圧造に対する「その他の冷間加工」とは、転造、又は絞り及び転造を意味するが、その他に切削加工を含んでもよい。
また、本願発明において「鋼線材」とは冷間伸線により、又は冷間伸線とその他の冷間塑性加工との組合せにより減径してC方向断面の形状が円形である「鋼線」を調製するための低炭素鋼成分を有する被加工材料をいい、「鋼線」とは上記の「鋼線」をいう。
上記において、鋼線材に対する「その他の冷間塑性加工」とは、冷間圧延及びスエージングの内少なくとも1種をいう。これら2種の加工方法のいずれによっても、冷間伸線に準じた材料の変形及び加工ひずみの導入が行なわれると考えていいからである。
上記課題を解決するために、本願発明者等は鋭意試験研究を重ねた結果、以下の知見を得た。
1.冷間圧造用炭素鋼線材として従来製造されている低炭素鋼の化学成分組成を有するが、特殊合金元素は一切添加されていない化学成分組成を有する鋼線材であって、熱間圧延により製造された鋼線材に対して、球状化焼なましを施すことにより予め「高絞り値」を付与しておく。ここで、上記鋼線材のC含有量は0.15質量%以下の場合であり、「高絞り値」とは約75%以上、望ましくは80%以上を意味する。この鋼線材を被加工材料としてそれ以降、冷間伸線によるか又は冷間伸線とその他の冷間塑性加工との組合せにより減径・細線化することにより、高強度鋼線が得られるばかりでなく、この鋼線には高絞り値が具備されることを見出した。
従来の一般的に高強度化に伴い延性が劣化するとの技術事項における延性とは、通常全伸びを指すが、冷間圧造性を支配する絞りはその低下量が極めて小さく、高水準が維持されることが見出されたのである。すなわち、上記鋼線材の引張強さTSは、上記いずれかの冷間加工による加工ひずみεの増大と共に上昇するが、この引張強さTSの上昇につれて絞りRAは徐々に低下するに留まることがわかった。その結果、こうして得られた細鋼線に対しては、従来行なわれている軟化熱処理を施すことなく、冷間圧造又は冷間圧造及びその他の冷間加工を施すことにより、小ねじに成形することができることが新たにわかり、しかもこの成形体は、上記細鋼線が高強度を有するために浸炭(乃至浸炭窒化)焼入・焼戻し又は焼入・焼戻しを施さなくても所定の強度を有することを見出した。
2.次に、鋼線材としては従来冷間圧造用炭素鋼線材としては一般に製造されていない程度に炭素含有量を低下させた領域であって、しかも特殊合金元素が添加されていない極低炭素鋼の化学成分組成を有する鋼線材について、次の知見が得られた。即ち、上記極低炭素鋼から従来技術による熱間圧延法により鋼線材を製造した。この鋼線材はC含有量が0.003〜0.020質量%の極低炭素鋼であり、80%以上という高絞り値を有することを知見した。この鋼線材に対しては、C含有量が極めて低いので球状化焼なまし等の軟化処理は施す必要はない。この鋼線材をスタート材料としてそれ以降、冷間伸線又は冷間伸線とその他の冷間塑性加工との組合せにより減径・細線化しても、高強度且つ高絞りを有する鋼線を得ることができることを見出した。すなわち、上記第1項の低炭素鋼における場合と同様、上記スタート材(鋼線材)の引張強さTSは、上記いずれかの冷間加工による加工ひずみεの増大と共に上昇するが、この引張強さTSの上昇につれて絞りRAは徐々に低下するに留まることがわかった。
更に、上記において、加工ひずみεと引張強さTSとの間には、加工ひずみεが所要値以上においては、下記(A)式:
TS(MPa)=α・ε+β ・・・・・・・・・(A)
但し、α、βは、定数
の関係が成り立ち、定数αは、鋼線材のC含有量に依存せずほぼ一定値であり、しかも、定数βは、C含有量が高い方が大きいことがわかった。
従って、鋼線材のC含有量が高い場合の方が、同一水準の加工ひずみを与えた場合に得られる鋼線の引張強さTSは高水準となる。
そして、上記(A)式の関係が成り立つための加工ひずみεの所要値は、鋼線材のC含有量に応じて決定される。たとえば、
C含有量が0.020超え〜0.15質量%ときは、少なくとも、
ε≧1.0 ・・・・・・・・・(B)
C含有量が0.003〜0.020質量%ときは、少なくとも、
ε≧2.0 ・・・・・・・・・(C)
であることもわかった。
3.そして、上記の共通点として、鋼線材の冷間伸線加工によるひずみεの増大と共に引張強さTSが上昇し、それに伴い絞りRAが徐々に低下するに留まることがわかった。しかしながら、引張強さTSと絞りRAとのバランスを両者で比較すると、被加工材料が極低炭素鋼線材であるとき(上記第2項)の方が、従来の低炭素鋼線材のとき(上記第1項)よりも格段に優れている、すなわち同一水準の引張強さTSにおける絞りRAの水準が極低炭素鋼の方が優れており、しかもこの傾向は引張強さTSが大きくなるほど格段と顕著になることがわかった。
4.本願発明者等はこれまでの研究により、同一強度水準における鋼線の冷間圧造性は、絞りRAが大きいことが重要な支配要因であることを明らかにしている(たとえば、特開2003−435980号公報)。このことと、上記第3項の知見から、より高強度の小ねじの成形時の冷間圧造性は、C含有量が0.003〜0.020質量%の極低炭素鋼線を使用することにより、一層容易となることもわかった。
本願発明は、以上の通りの知見に基づきなされたものであり、その要旨は次の通りである。


本願第1の発明に係る非調質小ねじの製造方法は、低炭素鋼線に冷間成形加工を施すことにより小ねじに成形し、この成形体に浸炭(若しくは浸炭窒化)焼入・焼戻し又は焼入・焼戻しといった高強度化のための熱処理を施さない非調質小ねじの製造方法であって、C:0.003〜0.020質量%、Si:0.60質量%以下、Mn:0.05〜1.50質量%、P:0.030質量%以下、S:0.025質量%以下、Al:0.030質量%以下を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなる化学成分組成を有する熱間圧延鋼線材を、軟化処理及び温間加工を施すことなく、冷間伸線又は冷間伸線及びその他の冷間塑性加工により減径して鋼線を調製し、当該鋼線を冷間圧造又は冷間圧造及びその他の冷間加工により小ねじに成形加工するものであって、
前記鋼線材を減径して鋼線を調製するときに、当該鋼線材に加える加工ひずみとして、下記(3)式:
ε=ln(d02 /d ) ・・・・・・(3)
但し、
02:鋼線材の線径(mm)
:鋼線の線径(mm)
で表わされる加工ひずみεが、下記(4)式:
ε3.0 ・・・・・・・・(4)
を満たすように、鋼線材の線径d02を決定すると共に、当該減径条件を制御し、
前記小ねじの成形加工に使用される前記鋼線は、その引張強さが800〜1350MPaの範囲内であって、その絞り値が77.9%以上であることを特徴とする非調質小ねじの製造方法である。
但し、この発明は、上記製造工程において得られた小ねじの成形体には、浸炭焼入・焼戻し、浸炭窒化焼入・焼戻し、又は焼入・焼戻しといった強化熱処理を施さない、所謂非調質の高強度小ねじの製造方法である。
本願第の発明に係る非調質小ねじの製造方法は、上記の発明において、前記熱間圧延鋼線材の化学成分組成の内、C含有量が0.003〜0.010質量%であることに特徴を有するものである。

本願第の発明に係る非調質小ねじの製造方法は、上記の発明において、前記鋼線材の絞り値が80%以上であることに特徴を有するものである。

本願第の発明に係る非調質小ねじの製造方法は、上記の発明において、前記減径により調製された鋼線のC方向断面形状が直径1.5mm以下の円形であることに特徴を有するものである。

本願の第1から第の発明によれば、熱間圧延鋼線材としては一般的ではない極低炭素鋼を使用するので、これに対しては球状化焼なまし等の軟化処理を施さずに次工程の冷間伸線等による減径工程への供給材として利用することができる。そして、減径後の鋼線に前軟化処理を施すことなく、冷間圧造又は冷間圧造及びその他の冷間加工により小ねじに成形加工することが可能となる。しかも、こうして得られた小ねじの成形体は、高強度鋼線から成形されたものであるため、これに対して浸炭若しくは浸炭窒化焼入・焼戻し、又は焼入・焼戻し等の強化処理を施さなくても、所望の高強度を備えた小ねじを製造することが可能である。
従って、本願発明によれば、省工程で省エネルギーに資する小ねじの製造技術をも提供することができる。また、本願発明によれば、鋼に焼入れ強化のための特殊合金元素を添加する必要がないので、省資源に対しても効果がある。このようにして、製造コストの一層の低減を図ることができる。更に、焼入・焼戻しが施されていないので、本願発明で得られる小ねじは耐遅れ破壊特性についても有利となる。
以上の通り、本願発明によれば工業上極めて有益な効果がもたらされる。

本願発明は上記の通りの特徴をもつものであり、以下にその実施の形態について説明する。
従来、呼び径の細い小ねじを製造するためには、小ねじに成形加工する鋼線の冷間圧造性を確保するために、鋼線材を冷間伸線等により減径して鋼線を製造するまでの工程の末期近くで軟化処理を施し、その後に小ねじに成形し、上記軟化処理に伴う強度低下を取り戻すために、小ねじに成形した後、浸炭焼入・焼戻し等の強化熱処理が施されている。これに対し、本願発明においては、鋼線材に対して予め軟化処理としての球状化焼なまし処理を施し、その後で鋼線材を冷間伸線等により減径して鋼線を製造するに際し、冷間伸線等による十分な強度向上と小ねじへの成形加工に必要な絞りの確保とのバランスが達成された鋼線を調製することにより、小ねじへの成形加工後においても浸炭焼入・焼戻し等の強化熱処理を不要としている。そのための基本的要件を満足させるに当たり、先ず、鋼線材の化学成分組成を、熱処理強化のための特殊合金元素を一切添加しない低炭素鋼とすると共に、C含有量が極めて低い場合を分離し、これに対しては鋼線材に球状化焼なまし処理を施さないとするものである。
(1)鋼線の冷間圧造性に及ぼす鋼線材のC含有量について
本願発明においては、鋼線材の上記C含有量の境界値を0.020質量%としている。C含有量が変態温度Ae点におけるフェライト中のCの固溶限濃度(CA1)未満の鋼においては、セメンタイトフリーのフェライト組織となり、当該Cの固溶限濃度(CA1)は、たとえば、公知の計算ソフトであるThermo−calcを用いてある程度推定することができる。しかし、セメンタイトがTEM(透過型電子顕微鏡)やSEM(走査型電子顕微鏡)等により容易に認められない程度の量であれば、冷間圧造性の劣化に及ぼすセメンタイトの影響について、小ねじの成形においては、セメンタイトフリーの場合と実用的には同程度であるとみなされる(「実質的セメンタイトフリー」という)。そこでこの実質的セメンタイトフリーの境界C含有量を0.020質量%として、鋼線材をそのC含有量により2つに分けて、非調質小ねじの製造方法を提案する。

C含有量が0.020質量%を超える熱間圧延鋼線材を使用する 場合には、熱間圧延鋼線材を冷間伸線等により減径した鋼線の冷間圧造性を確保することにより、小ねじを成形加工することができるようにするために、熱間圧延鋼線材を冷間伸線等により減径する前に、セメンタイトの球状化焼なまし処理を施しておくことが必要である。この球状化焼なまし処理を施しておくことにより、減径スタート時の絞りを高くしておき、所望の線径まで減径したときに高引張強さTS且つ高絞りRAを確保することができる。このように、C含有量が0.020質量%を超える鋼線材の場合には、減径する前に予め少くとも球状化焼なまし処理を行うことを必須としているが、減径の対象とする熱間圧延鋼線材の線径の実際上の値によっては、必要に応じて球状化焼なまし処理の前に、あるいはその後に、更にその前後に冷間加工を施したものを当初の鋼線材としてもよい。
また、減径工程に入る前の鋼線材の径を比較的小さくしておきたいとき、例えば3mmφ以下にしておきたいときは、上記球状化焼なまし処理の後、更に冷間塑性加工と軟化焼なましを施すことにより、これを鋼線材とすることもできる。
これに対して、C含有量が0.020質量%以下の熱間圧延鋼線材の場合には、上述したように、実質的セメンタイトフリーとなるため、小ねじの成形加工における冷間圧造性を劣化させるメンタイトの影響は、実用上極めて小さく、C含有量が低いほどその影響はなくなる。従って、C含有量が0.020質量%以下の場合には、金相学的にはセメンタイトが僅かに存在する場合でも、熱間圧延鋼線材を冷間伸線等により減径する前に予め球状化焼なましを施しておく必要はない。
(3)熱間圧延鋼線材のC含有量の規定について
(3−1)C含有量:0.020超え〜0.15質量%
この場合においては、熱間圧延で製造された熱間圧延鋼線材のセメンタイトの球状化焼なまし処理とこれに次ぐ冷間伸線又冷間伸線及びその他の冷間塑性加工(以後、冷間伸線等ともいう)による減径により細線化する。

(3−2)C含有量:0.003〜0.020質量%
第1から第の発明においては、熱間圧延で製造された鋼線材に対して、軟化処理は一切施すことなく、鋼線材を冷間伸線又は冷間伸線及びその他の冷間塑性加工により減径して所要線径の細鋼線にする。そこで、当該冷間の減径における加工性を確保すると共に、鋼線を小ねじに成形加工するときにその冷間圧造性を確保するために、C含有量を下げて実質的セメンタイトフリーの状態にしておく必要がある。そのために、C含有量は0.020質量%以下に規定する。一方、C含有量の下限値は、鋼線材製造の上流工程の脱炭精錬工程における鋼の製造コストを抑制すると共に、小ねじの強度設計の上限を併せ考慮して、0.003質量%とする。従って、第1から第の発明においては、鋼線材のC含有量は、0.003質量%以上0.020質量%以下の範囲内に限定すべきである。また、鋼線の引張強さTSと絞りRAとのバランスを良好に確保することにより、同一強度のとき一層良好な冷間圧造性を確保するためには、C含有量の上限値は0.010質量%とすることが望ましい。

(4)鋼線材のSi含有量の規定について
Siはフェライト中に固溶して鋼を強化させる元素である。しかしながら、Si含有量が0.60質量%を超えると、鋼線の冷間圧造性の劣化が無視できなくなる。一方、本願発明においては鋼線材の冷間加工により導入される加工ひずみの増加と共に強度が増加するので、この点からは、原料添加のコスト増大を抑制しつつ、且つ鋼の清浄化のための脱酸を十分に行なうことができれば、できるだけ少ない含有量でよい。このように、溶鋼の精錬と材質特性とを考慮して、本願発明における鋼線材のC含有量の全範囲を通じて、Si含有量は、0.60質量%以下とする。
(5)鋼線材のMn含有量の規定について
Mnは鋼材の焼入れ性を向上させ、靭性を保ちながら強度を上昇させるのに有効な元素であるが、本願発明においては前述の通り、鋼線材の冷間加工により導入される加工ひずみの増加と共に強度が増加するので、原料添加のコスト増大を抑制しつつ、且つ鋼の清浄化のための共同脱酸を十分に行なうことができる範囲での添加が望ましい。鋼の清浄性向上のためにMn含有量を低下させることが望ましいが、0.05質量%未満に低下させるとなると、精錬時間が長くなって経済性を損ねることになる。一方、Mn含有量が過剰になると、冷間圧造時の変形抵抗を増大させるので、1.50質量%以下とする。そこで、本願発明における鋼線材のC含有量の全範囲を通じて、Mn含有量は、0.05質量%以上1.50質量%以下とする。
(6)鋼線材のP含有量の規定について
Pは、含有量が多くなると粒界偏析を起こして遅れ破壊特性を劣化させるので、0.030質量%以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.020質量%以下に抑制するのがよい。
(7)鋼線材のS含有量の規定について
Sは、鋼中でMnS介在物を形成することにより、応力が負荷されたときの応力集中サイトとなるので、冷間圧造性の改善にはSの含有量はできるだけ減少させることが必要である。こうした観点から0.025質量%以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.015質量%以下とするのがよい。
(8)鋼線材のAl含有量の規定について
Alは鋼中のNを捕捉してAlNを形成し、結晶粒を微細化することによって靭性を向上させる効果を発揮する。従って、N含有量によっても影響される。かかる効果を有効に発揮させるためには、0.010質量%以上含有させることが好ましいが、過剰になると窒化物の粗大化によって却って結晶粒の粗大化を招き、靭性に悪影響を及ぼす。また、溶鋼の強力な脱酸剤であるが、過剰に添加されると鋼の清浄性を害することもある。これら両者より、C含有量が0.020超え0.20質量%以下においては、上限値を0.060質量%とし、脱酸不充分を避けるため、0質量%は含まない。一方、C含有量が0.003〜0.020質量%の第1から第の発明においては、脱ガス精錬をする場合も考慮し、上限値を0.030質量%とし、0質量%を含める。

(9)特殊合金元素
本願発明においては、上記化学成分組成を有する鋼線材を使用することにより、その目的を十分に達成することができる。従って、Cr、V、Ti、NbあるいはB等の特殊元素を添加する必要がない。
(10)鋼線材の冷間加工工程について
本願発明においては、C含有量が0.020質量%を超える熱間圧延鋼線材については、少なくとも球状化焼きなまし処理を施した後の鋼線材を、またC含有量が0.020質量%以下の熱間圧延鋼線材については、球状化焼きなまし処理を施さない所要の鋼線材を、それぞれ所望の線径の鋼線まで冷間にて減径する。但し、上記において、少なくとも球状化焼きなまし処理を施した後の鋼線材、及び球状化焼きなまし処理を施さない所要の鋼線材とは、いずれの鋼線材にあっても減径を主目的としないサイジングや表面性状仕上げのための冷間伸線等は含んでもよいことを意味する。
上記において、冷間における減径の方法としては、冷間伸線のみによってもよく、冷間伸線とその他の冷間塑性加工(例えば、冷間圧延、スエージング)との組合せによって行なってもよい。鋼線材から鋼線への減径工程における加工ひずみεの増加に伴う引張強さTSの上昇傾向、及び当該上昇過程における引張強さTSと絞りRAとの相関関係の傾向は、一般的に冷間伸線と冷間圧延又はスエージングとの間には、同じであるからである。
(11)C含有量差による材質特性への影響について
C含有量が0.020超え〜0.15質量%の場合と、C含有量が0.003〜0.020質量%の場合とで、本願発明を比較すると、鋼線材の冷間伸線による加工ひずみεの増大による引張強さTSの上昇量は、C含有量が高い前者の低C鋼(C含有量:0.020超え〜0.15質量%)の場合の方が大きい。ところが、冷間加工後の鋼線において、同一水準の引張強さTSに対する絞りRAの水準を比較すると、後者の極低C鋼(C含有量:0.003〜0.020質量%)の場合の方が、相当に優れている。しかも、鋼線材から鋼線までの加工ひずみε(−)と鋼線の引張強さTS(MPa)との間には、前述した下記(A)式:
TS=α・ε+β ・・・・・・・・・(A)
但し、α、βは、定数
の関係がある。
上記において、鋼線材から鋼線までの加工ひずみε(−)は、下記(D)式:
ε=ln(d /d) ・・・・・・・・・・(D)
但し、d:鋼線材の線径(mm)
d :鋼線の線径(mm)
で表わされ、C含有量が0.020超え〜0.15質量%の場合には、
ε≧1.0 ・・・・・・・・・(B)
において、C含有量が0.003〜0.020質量%の場合には、
ε≧2.0 ・・・・・・・・・(C)
において、前述した(A)式の関係が近似的に成り立つことが、後述する実施例及び比較例における実験結果である図1及び図6よりわかった。即ち、
C含有量が0.020超え〜0.15質量%の場合には、下記(A1)式:
TS=(123〜129)・ε+(422〜562)・・・・・・(A1)
が、そしてC含有量が0.003〜0.020質量%の場合には、下記(A2)式:
TS=128・ε+391 ・・・・・・・・・・・・(A2)
が近似的に成り立つことがわかった。
従って、所望の引張強さ以上を有する鋼線を得ようとするときに必要な加工ひずみεを、鋼線材のC含有量に応じて求めることができる。
上記知見より、C含有量が0.020超え〜0.15質量%である低C鋼線材の場合には、鋼線の必要な線径d(mm)が決定されたならば、(A1)式を用いてε≧1.9を満たすように入手すべき鋼線材の線径d(mm)を決定すれば、引張強さTSが750〜950MPaの鋼線を調製することができる。また、ε≧1.4を満たすように入手すべき鋼線材の線径d(mm)を決定すれば、引張強さTSは700MPaを確保した鋼線となり、強度水準は低下するが、絞りRAが向上するので冷間圧造性は一層向上する(図2及び図7参照)。
一方、C含有量が0.003〜0.020質量%である極低C鋼線材の場合には、鋼線の必要な線径d(mm)が決定されたならば、(A2)式に基づきε≧3.0を満たすように入手すべき鋼線材の線径d(mm)を決定すれば、引張強さTSが800〜1350MPaの鋼線を調製することができる。また、ε≧2.4を満たすように入手すべき鋼線材の線径d(mm)を決定すれば、引張強さTSは約700MPaを確保した鋼線となり、強度水準は低下するが、絞りRAが大きく向上するので冷間圧造性は一層向上する(図2参照)。
このようにして、実生産においては、製造すべき小ねじの寸法・諸元及び特性値水準を決定すれば、準備すべき鋼線材の線径が決定されるので効果的である。
なお、上記において、鋼線材の断面形状が円形でないときは、円形状に換算したときの相当直径を、上記鋼線材の線径d(mm)とする。
(12)鋼線材の初期絞りRA値の確保について
本願発明においては、上記の通り、加工ひずみεの増加に伴い引張強さTSが向上したとき、鋼線材の初期絞りRA値を一定値以上に確保しておくことにより、減径された鋼線の絞りRAを良好な水準を維持することができる。従って、鋼線には小ねじの成形性を確保するための冷間圧造性が確保される。このようにするためには、次のように対処する。その際、鋼線材のC含有量の水準により対策が異なる。
(イ)鋼線材のC含有量が0.020超え0.15質量%である場合においては、冷間伸線等による減径に入る前か、又は当該減径の初期工程において、セメンタイトの球状化焼なまし処理を施しておくことを必須の要件としている。ところが、所望の引張強さTSの鋼線を得るために加工ひずみεがきわめて大きくなり、そのために絞りRA値の低下が大きくなり過ぎることが予想されるときは、減径工程の途中で、軟化焼なまし処理を施さなければならなくなる。これを避けるためには、鋼線材の初期絞りRA値を、75%以上確保しておくことが望ましい。

(ロ)これに対して、鋼線材のC含有量が0.003〜0.020質量%という極低C鋼である第1から第の発明においては、セメンタイトが「実質的セメンタイトフリー」の状態となっているから、鋼線材の軟化処理は一切必要ない。この場合であっても、鋼線材の初期絞りRA値を80%以上に確保しておくのが望ましい。

なお、本願発明においては、鋼線材の加工ひずみεが増大するほど、引張強さTSが上昇し、一方徐々にではあるが絞りRAは低下する。一方、高強度小ねじに対する仕様は、製造しようとする寸法、形状(ねじの呼び及びリセスの形状・寸法等)、並びに機械的性質(リセス強度、ねじり強さ及びねじ部表面硬さ等)において種々異なる。従って、これらの仕様特性に応じ、鋼線材の減径に伴って上昇する鋼線の引張強さTSの上限値を設定しておくことが望ましい。この場合においては950MPaを上限値とし、第1から第の発明においては、1350MPaを上限値としておけば、合理的な生産工程計画上等から一層望ましい。
また、本願発明においては鋼線材から鋼線への減径時の加工ひずみεについて、好ましい上限値について特に規定していない。これは、鋼線の製造工程(減径の工程)の経済性、即ち、設備コスト、生産効率、作業コスト等の観点から、そして実際の減径の工程は、製造コスト上有利な鋼線材の太さと、小ねじの呼び径の選択によって定められるからである。
例えば、実工程で想定される、最も太い鋼線材の径が7mm、小ねじ成形のための減径後の最小の鋼線の径が0.25mmとすると、加工ひずみεは、
ε=In(7/0.25)=6.7
となる。このように大きな加工ひずみεの場合であっても、冷間圧造性を確保するために鋼線の絞りRAを確保することは必須要件である。図1及び図2において外挿予測すると、極低C鋼であればε=6.7であっても引張強さTSが1350MPa程度で絞りRAは70%程度となり、冷間圧造性は確保されると考えられる。このように、本願発明においては、減径時の加工ひずみεの上限値は技術事項であると共に、経済性を考慮した形態として選択されることになる。
以下、本願発明を実施例により更に詳しく説明する。
<実施例1及び2、比較例1>
表1に示す鋼成分No.1、2及び3の各化学成分組成を有する熱間圧延鋼線材を調製した。以後、鋼成分No.1、2及び3の熱間圧延鋼線材のそれぞれを実施例1、実施例2及び比較例1に供した。
先ず、C含有量が0.004質量%である極低炭素鋼の成分を有する鋼成分No.1の熱間圧延鋼線材は、球状化焼きなまし処理を施すことなく減面率数%以下の冷間伸線によるサイジングにより、表2に示す線径(6.2mmφ)に仕上げて、鋼線材No.1とした。一方、鋼成分No.2及び3の低炭素鋼成分を有する熱間圧延鋼線材については、710℃で18時間の加熱を行って、金属組織中のセメンタイトの球状化を行なう、球状化焼なまし処理を施した後、それぞれを減面率数%以下の冷間伸線によるサイジングにより表2に示す各線径に仕上げて、鋼線材No.2及び3とした。但し、上記鋼線材No.1〜3を調製するためのサイジングは全て、その主目的は減径ではなく、断面形状及び表面性状の仕上げ並びに所望の機械的性質の付与にあるので、本願発明における「熱間圧延鋼線材に対する球状化焼なまし処理後に行なう冷間伸線」には該当しないものである。
こうして得られた鋼線材No.1、2及び3の引張強さTS及び絞りRAを、表2に示す。
次いで、上記各鋼線材を多パスの冷間伸線により順次減径し、小ねじに成形加工するための鋼線(線径が1.0mm程度以下の鋼細線も含む。本願発明において同じ)を調製した。
実施例1、2及び比較例1のそれぞれにおける鋼線材から鋼線への減径工程は、初期線径がそれぞれ6.2mmφ、5.8mmφ及び5.4mmφの鋼線材No.1、2及び3の鋼線材を、いずれにあっても11パスの冷間伸線により、最終線径0.65mmφまで減径した。そして、実施例1、2及び比較例1のいずれにおいても、減径途中の線径が1.8mmφ、1.5mmφ、1.3mmφ、0.97mmφ及び最終の0.65mmφの5段階の各鋼線から供試材を採取し、これらを引張試験に供して引張強さTS及び絞りRAを測定した。
また、線径が1.3mmφ、0.97mmφ及び0.65mmφの各鋼線からは、呼び径がそれぞれ1.6mmφ、1.3mmφ及び0.8mmφの小ねじへの成形加工試験をした。得られた小ねじをそれぞれ、M1.6ねじ、M1.3ねじ及びM0.8ねじ(いずれもJIS表記)と呼ぶ(以下、本出願において同じ)。但し、従来技術において行なわれている小ねじの成形加工前の鋼線に対する球状化焼なまし等、一切の軟化処理を施すことなく、冷間圧造及び転造により小ねじ成形をして、その際の冷間圧造成形性を評価した。
更に、こうして得られた小ねじの成形体に対しては、従来技術において行なわれている小ねじ成形体に対して行なわれている浸炭焼入・焼戻し、浸炭窒化焼入・焼戻し、あるいは焼入・焼戻し等、一切の強化処理を施すことなく、即ち、通称非調質の小ねじに調製した。そして、これをJIS B1060に規定されたねじり試験により、小ねじの破壊トルクTFを測定した。
表3に、上記実施例1、2及び比較例1において、各鋼線材から減径工程における主な5段階の線径の鋼線までの、断面減少率R及び加工ひずみεを与えたときの引張強さTS及び絞りRA、並びに小ねじの冷間圧造成形性及び小ねじの破壊トルクTFを示す。同表において、小ねじの冷間圧造成形性の評価で「○」印は、正常に成形されたことを意味し、そして「×」印は、正常に成形されず、不良と判断したことを意味する。
図1には、実施例1、2及び比較例1において、熱間圧延鋼線材を球状化焼なまし処理した後に、冷間伸線による減径により各種水準の加工ひずみが加えられて調製された鋼線の材質特性について、加工ひずみεと鋼線の引張強さTSとの関係をプロットし、そして図2には、実施例1、2及び比較例1の鋼線の引張強さTSと絞りRAとの関係をプロットした。
図1のε−TSの関係図によれば、実施例1及び2並びに比較例1のいずれにおいても、加工ひずみεが約2以上になれば、加工ひずみε(−)の増加に対して引張強さTS(MPa)が直線的に増大しており、両者の間には前記(A)式:TS=α・ε+β(但し、α、βは、定数)が近似的に成り立っており、しかも図1中に記載した通り、直線の勾配は実施例1及び2並びに比較例1に関してほぼ同一である。そして、同一加工ひずみεにおいては、C含有量が低い実施例1(C:0.004質量%)よりもC含有量がより高い実施例2(0.09質量%)へ、更に比較例1(0.17質量%)へとC含有量が増加するにつれて引張強さTSは増大する傾向が認められる。
また、図2のTS−RAの関係図によれば、実施例1、2及び比較例1のいずれにおいても、引張強さTSの増加に対して絞りRAが比較的緩やかにほぼ直線的に低下しており、しかも直線の勾配は、極低C鋼(C:0.004質量%)である実施例1においてはその低下度合いが著しく小さくなっており、TS=1000MPa近辺の高強度水準においても、RA≧80%という高水準の絞りが維持されている。また、同一水準の引張強さTSに対する絞りRAの水準を比較すると、実施例1の極低C鋼(C含有量:0.004質量%)の場合の方が、実施例2の低C鋼(C含有量:0.09質量%)の場合よりも著しく優れている。これは、特に極低C鋼の鋼線の場合には、強度−絞りバランスに優れていることを示すものであり、これに起因して高強度化処理が施されていない非調質鋼線でありながら高強度が具備されており、しかもこの鋼線を用いて冷間圧造等による成形加工をするに当たり、事前に焼きなましによる前軟化処理を施さなくても、良好な成形性を示す、即ち、冷間圧造性に優れているといえる。
一方、鋼線の小ねじへの成形加工における冷間圧造成形性は、表3に示した通り、比較例1の中のM1.6ねじにおいてのみ不良(×)であったが、その他は全て良好であった。比較例1は、低炭素鋼の範疇の成分組成ではあるがC含有量=0.17質量%であり、実施例2(C含有量=0.09質量%)よりも高い。図3、4及び5のそれぞれに、M1.6ねじ、M1.3ねじ及びM0.8ねじの各サイズの小ねじに成形加工した後の外観写真を示す。
また、小ねじのねじり試験による小ねじの破壊トルクTFは、表3に示すように、M1.6ねじのとき1.81〜2.07kgf・cm、M1.3ねじのとき1.28〜1.40であり、小ねじの用途を適切に選定することにより良好に使用することができる。
<実施例3>
実施例3で使用する鋼線材を調製するために、表4に示す鋼成分No.4の化学成分組成を有する低炭素鋼(C:0.14質量%)の熱間圧延鋼線材を調製した。これをJIS3507−2「冷間圧造用炭素鋼−第2部:線」の中のSWCH16Aであって、「DA工程」で規定された鋼線の加工方法に準じて減径し、表5に示すように、線径(鋼線材No.4=3.1mmφ)の冷間圧造用鋼線材を準備した。ここで加工方法の「DA工程」とは、熱間圧延鋼線材を一旦冷間伸線後、球状化焼なまし処理を施して軟化し、更に冷間伸線によってサイジング仕上げした鋼線材を指す。但し、上記球状化焼きなまし処理前後の冷間伸線は、鋼線材から鋼線までの減径を主目的とするものではなく、所望の機械的性質を付与するためあるいはサイジングのために行なうものであるから、本願発明における「熱間圧延鋼線材に対する球状化焼なまし処理後に行なう冷間伸線」には該当しないものである。従って、鋼線材No.4は、本願発明における「熱間圧延鋼線材に少なくとも球状化焼なまし処理を施して調製された鋼線材」に該当する。
こうして準備された鋼線材No.4の鋼線材を、実施例3において、冷間伸線により順次減径し、これを小ねじに成形加工するための鋼線(鋼細線)を調製した。
実施例3における鋼線材から鋼線への減径工程は、初期線径3.1mmφの鋼線材を7パスの冷間伸線により、線径0.65mmφまで減径した。この間、各減径段階における線径が1.8mmφ、1.5mmφ、1.3mmφ、0.97mmφ及び最終の0.65mmφの各鋼線から供試材を採取し、これを引張試験に供して引張強さTS及び絞りRAを測定した。
また、線径が1.3mmφ、0.97mmφ及び0.65mmφの各鋼線からは、呼び径がそれぞれ1.6mmφ、1.3mmφ及び0.8mmφの小ねじを成形した。但し、小ねじ成形に当っては、実施例1、2及び比較例1と同様、鋼線に対しては一切の前軟化処理を施すことなく、冷間圧造及び転造により小ねじ成形をして、その冷間圧造成形性を評価した。
更に、こうして得られた小ねじの成形体に対しては、従来技術において行なわれている当該小ねじ成形体に対して行なわれている浸炭焼入・焼戻し、浸炭窒化焼入・焼戻し、あるいは焼入・焼戻し等、一切の強化処理を施すことなく、即ち、実施例1、2及び比較例1と同様、通称非調質の小ねじに調製した。そして、これをJIS B1060に規定されたねじり試験により、小ねじの破壊トルクTFを測定した。
更に、こうして得られた小ねじの成形体に対しては、実施例1、2及び比較例1と同様、一切の強化処理を施すことなく非調質の小ねじを調製した。そして、これをJIS B1060に規定されたねじり試験により、小ねじの破壊トルクTFを測定した。
表6に、上記実施例3における鋼線材から減径工程における主な5段階の線径の鋼線までの、断面減少率R及び加工ひずみεを与えたときの引張強さTS及び絞りRA、並びに小ねじの冷間圧造成形性及び小ねじの破壊トルクTFを示す。同表において、小ねじの冷間圧造成形性の評価「○」印は、正常に成形されたことを意味する。
図6に、実施例3における前述した「熱間圧延鋼線材に球状化焼なまし処理」を施した段階に該当する鋼線材を、冷間伸線による減径により各種水準の加工ひずみが加えられて調製された鋼線の材質特性について、加工ひずみεと鋼線の引張強さTSとの関係をプロットし、そして図7には、実施例3の鋼線の引張強さTSと絞りRAとの関係をプロットした。
図6のε−TSの関係図によれば、加工ひずみεが約1.0以上において、加工ひずみε(−)の増加に対して引張強さTS(MPa)が直線的に増大しており、しかも鋼線材の初期線径が3.1mmφであって、実施例1及び2並びに比較例1の鋼線材の初期線径6.2mmφの1/2程度と小さくても、実施例1及び2と同様、前記(A)式:TS=α・ε+β (但し、α、βは、定数)が近似的に成り立っており、しかも図6中に記載したように、関係式の直線の勾配も単位加工ひずみ当たりのTSの増加率は123MPaであるから、実施例1及び2並びに比較例1におけるそれらの値である126〜129MPaとほぼ同じである。また、図7のTS−RAの関係図によれば、引張強さTSの増加に対して絞りRAが比較的緩やかにほぼ直線的に低下している。従って、これは、実生産をする場合に、供給される鋼線材の広い線径範囲に対応して所望の線径の鋼線を製造することが可能であることを示唆している。
一方、小ねじの冷間圧造成形性は、M1.6ねじ、M1.3ねじ及びM0.8ねじのいずれにおいても良好であった。図8に、これらの小ねじに成形加工した後の外観写真を示す。
また、小ねじのねじり試験による小ねじの破壊トルクTFは、表6に示すように、M1.6ねじのとき2.03kgf・cm、M1.3のとき1.14kgf・cmであり、小ねじの用途を適切に選定することにより良好に使用することができる。
上記試験結果で得られた前記(A)式:TS=α・ε+β で表わされた加工ひずみε−引張強さTSの関係を示す近似直線や、引張強さTS−絞りRAの関係を示す相関曲線を参照することにより、製造しようとする小ねじの形状・寸法や要求される品質特性に応じて、使用する熱間圧延鋼線材の化学成分組成、並びに熱間圧延鋼線材の線径及び熱間圧延鋼線材を減径した後の鋼線の線径を弾力的に選定することができる。その際、鋼線材に共通の望ましい要件として、冷間伸線又は冷間伸線及びその他の冷間塑性加工により減径して鋼線を調製するためのスタート材としての鋼線材、即ち、熱間圧延鋼線材に実質的に球状化焼きなまし処理が施された状態の鋼線材の絞りRA値が、75%以上であることが重要である。
次に、この出願の発明の範囲外にある比較例2を次の通り試験した。
<比較例2>
比較例2では表7に示す鋼成分No.5の化学成分組成を有する熱間圧延鋼線材を製造し、これらをJIS3507−2「冷間圧造用炭素鋼−第2部:線」の中のSWCH16Aであって、加工方法が「DA工程」で規定された鋼線であって線径を1.3mmφ及び0.96mmφの冷間圧造用鋼線を準備した。ここで、加工方法が上記JISに規定された「DA工程」による鋼線とは、熱間圧延鋼線材を冷間加工後、球状化焼なましを行ない、更に冷間伸線によってサイジング仕上げした鋼線である。この比較例2で使用した鋼線の0.96mmφの引張強さTS及び絞りRAを、表8に示す。
比較例2の鋼線はJISの「DA工程」で加工されているので、最終パス近くで焼なましが施されており、そのため線径が0.96mmφの鋼線の絞りRAは79.3%と良好である。線径1.3mmφ及び0.96mmφのそれぞれの鋼線を、いずれも冷間圧造及び転造により、呼び径が1.6mmφ及び1.3mmφの小ねじに成形した。
その結果、表8に併記するように、小ねじの冷間圧造成形性は、M1.6ねじ及びM1.3ねじ共に良好であった(○印)。図9に、成形後の外観写真を示す。こうして得られた小ねじの成形体に対しては、一切の強化処理を施すことなく非調質の小ねじ(これは、所謂「生ねじ」である)を調製した。そして、これをJIS B1060に規定されたねじり試験により、小ねじの破壊トルクTFを測定した。
その結果、表8に併記するように、M1.3ねじの破壊トルクTFは1.03kgf・cmであり、実施例1〜3におけるM1.3ねじの破壊トルクTF1.14〜1.40kgf・cmと比較して劣っている。但し、従来の小ねじの製造方法では、このような生ねじに、浸炭焼入れ・焼戻し等の強化処理が施されているのでこれよりも高強度化する。
以上、実施例と比較例との試験結果の比較より、本願発明によれば、実用上有効な小ねじが得られることがわかる。
実施例1、2及び比較例1の加工ひずみεと引張強さTSとの関係を例示した図である。 実施例1、2及び比較例1の引張強さTSと絞りRSとの関係を例示した図である。 実施例1、2及び比較例1のM1.6ねじの成形性を示す概観写真例である。 実施例1、2及び比較例1のM1.3ねじの成形性を示す概観写真例である。 実施例1、2及び比較例1のM0.8ねじの成形性を示す概観写真例である。 実施例3の加工ひずみεと引張強さTSとの関係を例示した図である。 実施例3の引張強さTSと絞りRSとの関係を例示した図である。 実施例3のM1.6ねじ、M1.3ねじ及びM0.8ねじの成形性を示す概観写真例である。 比較例2のM1.6及びM1.3ねじの成形性を示す概観写真例である。

Claims (4)

  1. C:0.003〜0.020質量%、Si:0.60質量%以下、Mn:0.05〜1.50質量%、P:0.030質量%以下、S:0.025質量%以下、Al:0.030質量%以下を含有し、残部がFe及び不可避不純物からなる化学成分組成を有する熱間圧延鋼線材を、軟化処理及び温間加工を施すことなく、冷間伸線又は冷間伸線及びその他の冷間塑性加工により減径して鋼線を調製し、当該鋼線を冷間圧造又は冷間圧造及びその他の冷間加工により小ねじに成形加工する非調質小ねじの製造方法であって、
    前記鋼線材を減径して鋼線を調製するときに、当該鋼線材に加える加工ひずみとして、下記(3)式:
    ε=ln(d02 /d ) ・・・・・・(3)
    但し、
    02:鋼線材の線径(mm)
    :鋼線の線径(mm)
    で表わされる加工ひずみεが、下記(4)式:
    ε3.0 ・・・・・・・・(4)
    を満たすように、鋼線材の線径d02を決定すると共に、当該減径条件を制御し、
    前記小ねじの成形加工に使用される前記鋼線は、その引張強さが800〜1350MPaの範囲内であって、その絞り値が77.9%以上であり、
    前記小ねじに浸炭(若しくは浸炭窒化)焼入・焼戻し又は焼入・焼戻しといった高強度化のための熱処理を施さないことを特徴とする非調質小ねじの製造方法。
  2. 前記熱間圧延鋼線材は、その化学成分組成の内、C含有量が0.003〜0.010質量%であることを特徴とする、請求項1に記載の非調質小ねじの製造方法。
  3. 前記鋼線材は、その絞り値が80%以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の非調質小ねじの製造方法。
  4. 前記減径により調製された鋼線は、そのC方向断面形状が直径1.5mm以下の円形であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の非調質小ねじの製造方法。
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