JPH0967363A - ビタミンe誘導体およびそれを用いた活性酸素抑制組成物 - Google Patents

ビタミンe誘導体およびそれを用いた活性酸素抑制組成物

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JPH0967363A
JPH0967363A JP22626395A JP22626395A JPH0967363A JP H0967363 A JPH0967363 A JP H0967363A JP 22626395 A JP22626395 A JP 22626395A JP 22626395 A JP22626395 A JP 22626395A JP H0967363 A JPH0967363 A JP H0967363A
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JP
Japan
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vitamin
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JP22626395A
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English (en)
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Tatsushi Niwa
龍史 丹羽
Toshihiko Osawa
俊彦 大澤
Nozomi Otake
望 大岳
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KANPO IYAKU KENKYU SHINKO ZAID
KANPO IYAKU KENKYU SHINKO ZAIDAN
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KANPO IYAKU KENKYU SHINKO ZAID
KANPO IYAKU KENKYU SHINKO ZAIDAN
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた抗酸化作用を有する新規なビタミンE
誘導体を提供する。 【解決手段】 次の式Iで示されるビタミンE誘導体を
有効成分とする活性酸素抑制組成物である。 【化24】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビタミンE誘導体
およびそれを有効成分とする活性酸素抑制組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】環境中や生体内で生成するフリーラジカ
ル、特に活性酸素は、われわれの身体の生体防御という
面から重要な役割を果たしているが、過剰に生成した場
合は癌や老化をはじめとする成人病や、急性・慢性毒性
の原因ともなりうるものと考えられている。
【0003】活性酸素の攻撃の対象には、酵素やタンパ
ク質、遺伝子などの生体成分があげられるが、まず最初
に攻撃を受けるのは細胞膜であろう。特に、2重結合を
多く持つ多価不飽和脂肪酸は、環境中の酸素の存在によ
り自動酸化と呼ばれるラジカル連鎖反応を受けて多種多
様な過酸化脂質や酸化分解物を生成することが知られて
いる。また、環境中や生体内で過剰に生成するフリーラ
ジカル、特に活性酸素自身も食品の栄養価や嗜好性に直
接影響を与え、急性・慢性毒性の原因ともなりうるもの
と考えられている。
【0004】一方、過酸化脂質はわれわれの体の中でも
生成しうることが知られており、細胞の機能低下や動脈
硬化、肝疾患や網膜症などの病因やプロスタグランジン
生合成や薬物代謝における生理作用などの多くの問題に
関わり、ひいては癌の発生や老化にも関与しているもの
と考えられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上述し
た活性酸素による生体の酸化傷害を抑制するために、活
性酸素を補足・消去する各種抗酸化物質について鋭意研
究を重ね、優れた抗酸化作用を有するビタミンE(α−
トコフェロール)誘導体を合成することにより、本発明
に到達したものである。
【0006】本発明の目的は、優れた抗酸化作用を有す
るビタミンE誘導体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の活性酸素抑制組
成物は、次の式Iで示されるビタミンE誘導体を有効成
分とするものである。
【0008】
【化4】
【0009】本発明の活性酸素抑制組成物は、次の式II
で示されるビタミンE誘導体を有効成分とするものであ
る。
【0010】
【化5】
【0011】本発明の活性酸素抑制組成物は、次の式II
I で示されるビタミンE誘導体を有効成分とするもので
ある。
【0012】
【化6】
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明のビタミンE誘導体
およびその抗酸化作用について詳述する。
【0014】I.ビタミンE誘導体の合成 〈1〉クロマン−アセタール(chroman-acetal)体(3) の
合成 トリメチルヒドロキノン(trimethylhydroquinone)(1)
(3.04g, 0.2mol)のメタノール12ml溶液にN2 流通下で
ギ酸トリメチル(trimethylorthoformate(TMOF))3mlを加
え、3℃冷却下で 0.5ml濃塩酸を加えた。次に、メチル
ビニルケトン(methylvinylketone)(2)(3.4ml, ca.0.04m
ol) を3時間かかって滴下した。混合物を44時間攪拌
した後、エーテルで抽出し、濃縮、蒸留(50℃/0.1mmH
g)して粗固形物3.2gを得た。これをメタノールから再結
晶し、融点125−126℃の無色針状晶(3) を得た
(収量2.51g,収率53%)。
【0015】IR(KBr);3620cm-1, MS;236(M+ ) , 1H-NMR
(CDCl3) δ:1.50(s.3H), 2.10(2s,9H), 3.20(s,3H), 4.
30(s,1H)。
【0016】
【化7】
【0017】〈2〉アセテート(acetate) 体(4) の合成 アセタール体(3)(2.36g. 0.01mol) のピリジン6ml溶液
に無水酢酸9mlを加え、このオレンジ溶液をN2 流通
下、約20℃で18時間攪拌した。これを氷水中(約80
ml)に投入し、懸濁液を約20℃、3時間攪拌した。約
1時間後、結晶が徐々に懸濁してきた。この結晶を濾取
し、水洗後、塩化メチレンに溶かして油状物を抽出し
た。これを濃縮すると赤茶色の油状物(4) が得られ、放
置すると融点72−73℃の結晶(4) が得られた(収量
2.26g,収率81%)。
【0018】IR(KBr);1755cm-1, 1H-NMR(CDCl3) δ:1.5
0(s.3H), 2.00, 2.05 and 2.15(3s,9H), 2.30(s,3H),
3.20(s,3H) 。
【0019】
【化8】
【0020】〈3〉アセトキシ−ヘミアセタール(aceto
xyl hemiacetal) 体(5) の合成 アセテート体(4)(2.0g. 0.0072mol)のアセトン25ml溶液
に水20mlを加え、次に濃塩酸0.2ml を加えた。約90℃
まで加温し、溶媒を留去した。これを50℃に冷却(70
℃でアセトン20mlを加える)すると結晶が懸濁した。4
時間攪拌し、水15mlを加え、氷水中で冷却攪拌し、結
晶を濾取した。この結晶を水洗後、減圧乾燥し、1.85g
の粗生成物(5) を得た。これをアセトン−水で再結晶
し、融点124−126℃の無色プリズム晶(5) を得た
(収量1.3g, 収率68%) 。
【0021】IR(KBr);3600cm-1, 1750cm-1, MS;264
(M+ ), 1H-NMR(CDCl3)δ:1.65(s.3H), 2.00, 2.10 and
2.15(3s,9H), 2.35(s,3H), 2.90(s,1H) 。
【0022】
【化9】
【0023】〈4〉ジエステル(diester) 体(6) および
2-カルボキシル(carboxyl)体(7) の合成 乾燥テトラヒドロフラン(dry tetrahydrofuran(THF))10
mlに56%水素化ナトリウム(sodiumhydride(NaH))(0.4
7g. 0.011ml)を懸濁させ、N2 流通下、トリメチルフォ
スフォノアセテート(trimethyl phosphonoacetate(TMP
A))(2.09g. 0.0115mol)を2.5時間かけて加えた。無色
ペースト状態で15分攪拌後、アセトキシ−ヘミアセタ
ール体(5)(1.0g. 0.0038mol)のTHF10ml溶液を30分
かけて加えた。約20℃で18時間攪拌後、4時間加熱
還流した。溶媒を留去した後、エーテルで抽出し、濃縮
することにより赤茶色の油状物(6) を1.50g 得た。
【0024】IR(KBr);1750cm-1, 1650cm-1
【0025】
【化10】
【0026】次に、ジエステル体(6) をエタノール(20m
l)に溶かし、3N NaOH 溶液(20ml)を加えた。約20℃で
4時間攪拌し、石油エーテルで洗浄した後、氷水(60ml)
で洗浄した。濃塩酸6mlを30分かけて加え、酸性と
し、得られた固体(結晶)を濾取、水洗した後、エタノ
ール−水から結晶化した。これをエタノール−水で再結
晶し、融点172−174℃の無色粉末(7) を得た(収
量0.81g,収率81%) 。
【0027】IR(KBr);3600cm-1, MS;264(M+ ), 1H-NMR
(CD3OD)δ:1.40(s.3H), 2.05, 2.10and 2.12(3s,9H),
2.55(s,2H.-CH2-) 。
【0028】
【化11】
【0029】〈5〉アセテート(acetate) 体(8) の合成 ピリジン2.5ml 、無水酢酸1.5ml 、2-カルボキシル体
(7)(0.625g. 0.0024mol)をN2 流通下、20時間攪拌し
た。これを氷水中に投入し、2時間攪拌後、エーテルで
抽出した。溶媒を留去し、残渣をアセトン−ヘキサンか
ら再結晶して融点125−127℃の無色粉末(8) を得
た(収量0.55g,収率76%) 。
【0030】IR(KBr);1750, 1720cm-1, MS;306(M+ ), 1
H-NMR(CDCl3)δ:1.45(s.3H), 2.00,2.02 and 2.10(3s,
9H), 2.32(s,3H.OCOMe), 2.67(s,2H,-CH2-), 11.0(s,1
H)。
【0031】
【化12】
【0032】〈6〉酸クロライド(acid-chloride) 体
(9) および2-アルデヒド(aldehyde)体(10)の合成 アセテート体(8)(0.27g, 0.88mmol)のベンゼン溶液(5m
l)を50℃で加熱攪拌しながら塩化オキサリル(oxalyl
chloride)0.4mlを30分かけて加えた。15分間加熱
攪拌後、冷却し、溶媒を留去した。残渣を乾燥トルエン
で溶かし、残った塩化オキサリルを減圧で除くと残渣に
粗な生成物(9) が得られた。
【0033】IR(KBr);1740cm-1
【0034】
【化13】
【0035】粗生成物(9) に酢酸ナトリウム0.25g 、P
d−C10% 0.025g、キノリン1滴を乾燥トルエン2.
5mlとともにH2 ガスで22時間接触還元した。触媒を
濾過し、ベンゼンで洗浄後、濾液の溶媒を留去した。残
渣をエーテルで抽出し、濃縮後シリカゲルクロマトグラ
フィー(wako-gel C-200) に付した。ベンゼン−酢酸エ
チル(9:1) で流出し、アセトン−ヘキサンから再結晶し
て融点88−89℃の無色針状晶(10)を得た(収量0.12
g,収率47%) 。
【0036】IR(KBr);1755, 1750cm-1, MS;290(M+ ), 1
H-NMR(CDCl3)δ:1.40(s.3H), 2.00,2.02 and 2.10(3s,9
H), 2.32(s,3H), 8.25(t,J=2.5, 1H, CHO)。
【0037】
【化14】
【0038】〈7〉酸クロライド(acid-chloride) 体
(9')および2-アルデヒド(aldehyde)体(10') の合成 2-カルボキシル体(7)(0.625g, 0.0024mol)のベンゼン溶
液(5ml)を50℃で加熱攪拌しながら塩化オキサリル0.
4ml を30分かけて加えた。15分間加熱攪拌後、冷却
し、溶媒を留去した。残渣を乾燥トルエンで溶かし、残
った塩化オキサリルを減圧で除くと残渣に粗な生成物
(9')が得られた。
【0039】
【化15】
【0040】粗生成物(9')に酢酸ナトリウム0.25g 、P
d−C10% 0.025g、キノリン1滴を乾燥トルエン2.
5mlとともにH2 ガスで22時間接触還元した。触媒を
濾過し、ベンゼンで洗浄後、濾液の溶媒を留去した。残
渣をエーテルで抽出し、濃縮後シリカゲルクロマトグラ
フィー(wako-gel C-200) に付した。ベンゼン−酢酸エ
チル(9:1) で流出し、アセトン−ヘキサンから再結晶し
て融点125−127℃の無色針状晶(10') を得た(収
量0.09g,収率16%) 。
【0041】IR(KBr);1720cm-1, MS;248(M+ ), 1H-NMR
(CDCl3)δ:1.46(s.3H), 2.02,2.06 and 2.15(3s,9H),
8.40(t,J=2.5, 1H, CHO)。
【0042】
【化16】
【0043】〈8〉クルクミン(curcumine) 体(12')(VE
-3) および(13')(VE-2) の合成 2-アルデヒド体(10')(60mg, 0.24mmol) とトリエトキシ
ボラン(triethoxyborane) 94mgを乾燥酢酸エチル5mlに
溶かし、アセチルアセトン16mgと無水ホウ酸7.8mg を加
え、室温で5分間攪拌した。攪拌下にブチルアミンを1
滴ずつ加えた(10 分間隔で4回)。6時間攪拌を続けた
後、一晩放置した。
【0044】翌日、0.4N HCl(50℃)を0.3ml 加え、3
0分攪拌した。酢酸エチル10mlで3回抽出、0.4N HClで
1回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮
し、シリカゲルクロマトグラフィー(wako-gel C-200)に
付した。クロロホルム−酢酸エチル(10:1)で溶出し、得
られた結晶をエーテルから再結晶して融点300℃以上
の無色針状晶(13')(VE-2) を得た(収量18mg, 収率23
%) 。
【0045】IR(KBr);1730, MS;330(M+ ), 1H-NMR(CDCl
3)δ:1.60(s.3H),1.95, 2.00 and 2.10(3s,9H), 2.20
(s,3H), 3.60-3.70(m,2H), 5.45-5.90(m,4H), 7.2-7.3
(m,4H)。
【0046】また、クロロホルム−酢酸エチル溶出部よ
り融点185−187℃の無色針状晶(再結晶、メタノ
ール)(12')(VE-3) を得た(収量26mg, 収率19%) 。
【0047】IR(KBr);1780, 1730cm-1, MS;560(M+ ), 1
H-NMR(CDCl3)δ:1.60(s.6H),1.95,2.00 and 2.10(3s,18
H), 2.4-2.9(m,8H), 4.9-5.1(m,6H), 7.2-7.3(m,4H)。
【0048】この無色針状晶(12') および(13') のクロ
ロホルム溶液を濾紙にスポットし、塩化第二鉄のエタノ
ール溶液(2%)を噴霧すると赤色〜青紫色に変化した。
【0049】
【化17】
【0050】〈9〉クロマン−クルクミン(chroman-cur
cumine) 体(11)の合成 2-アルデヒド体(10)(89mg. 0.31mmol)とトリエトキシホ
ウ酸(triethoxyborane) 94mgを乾燥酢酸エチル5mlに溶
かし、アセチルアセトン16mgと無水ホウ酸7.8mg を加
え、室温で5分間攪拌した。攪拌下にブチルアミンを1
滴ずつ加えた(10分間隔で4回)。5.5時間攪拌を続け
た後、一晩放置した。
【0051】翌日、0.4N HCl(60℃)を0.3ml 加え、3
0分攪拌した。酢酸エチル10mlで3回抽出した後、シリ
カゲルクロマトグラフィー(wako-gel C-200)に付し、ク
ロロホルム−ヘキサン(1:1) で流出し、得られた結晶を
エーテルから再結晶して融点201−205℃の無色針
状晶(11)を得た(収量26mg, 収率13%) 。
【0052】IR(KBr);1780, 1720, 1600cm-1, MS;645(M
+ ), 1H-NMR(CDCl3)δ:1.62(s.6H),1.90, 1.95 and 2.1
0(3s,18H), 2.8-2.8(m,8H), 2.6(s,6H), 4.8-5.2(m,6
H), 7.2-7.4(m,4H) 。
【0053】この無色針状晶(11)のクロロホルム溶液を
濾紙にスポットし、塩化第二鉄のエタノール溶液(2%)
を噴霧すると赤色〜青紫色に変化した。
【0054】
【化18】
【0055】〈10〉酸クロライド(acid-chloride) 体(1
5)および2-アルデヒド(2-aldehyde)体(16)の合成 2-カルボキシル体(14)(0.625g, 0.0025mol) のベンゼン
5ml 溶液を50℃で加熱撹拌した。塩化オキサリル(oxa
lyl chloride)0.4mlを30分かけて加えた。15分加熱
撹拌後、冷却、溶媒を留去した。残査を乾燥トルエンで
溶かし、残った塩化オキサリルを減圧で除いた。残査に
粗な酸クロライド(15)が得られた。この酸クロライド体
(15)に酢酸ナトリウム0.25g 、Pd−C10% 0.025g 、
キノリン一滴を乾燥トルエンと共にH2 ガスで22時間
接触還元した。触媒を濾過、ベンゼン洗浄後、濾液を濃
縮し、シリカゲルクロマトグラフィ(wako-gel C-200)に
付した。ベンゼン−酢酸エチル(1:1) で流出し、アセト
ンから再結晶し、融点131〜135℃の無色棒状結晶
(16)を得た(収量0.06g,収率10%)。
【0056】IR(KBr);1730cm-1, MS;234(M+ ) , 1H-NMR
(CDCl3) δ:1.41(s.3H), 2.10,2.11,and2.17(3s,9H),
8.55(t,J=2.5,1H, CHO)。
【0057】
【化19】
【0058】〈11〉クルクミン(curcumine) 体(17)の合
成 2-アルデヒド体(16)(50mg, 0.21mmol)とトリエトキシホ
ウ酸(triethoxyborane)90mg を乾燥酢酸エチル5ml に溶
かし、アセチルアセトン15mgと無水ホウ酸7.5mg を加
え、室温で5分撹拌した。撹拌下にブチルアミン(butyl
amine)を一滴ずつ加えた(10分間隔で4回)。6時間
撹拌を続けた後、一晩放置した。
【0059】翌日、0.4N HCl(50 ℃)を0.3ml 加
え、40分撹拌した。酢酸エチル10mlで3回抽出、0.4N
HClで1回洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃
縮し、シリカゲルクロマトグラフィ(wako-gel C-200)に
付した。クロロホルム−酢酸エチル(1:1) 溶出部より融
点300℃以上の無色針状晶(再結晶、メタノール)(1
7)を得た(収量15mg, 収率13%)。
【0060】IR(KBr);1780, 1720cm-1, MS;592(M+ ), 1
H-NMR(CDCl3) δ:1.61(s.6H), 1.93, 2.01, and2.11(3
s,18H), 2.5-3.0(m), 5.0-5.2(m) 7.3-7.5(m) 。
【0061】この無色針状晶(17)のクロロホルム溶液を
濾紙にスポットし、塩化第二鉄のエタノール溶液(2%)
を噴霧すると紫色に変化した。
【0062】
【化20】
【0063】〈12〉ラウロイルアセトン(lauroylaceton
e)体(18)の合成 2-トリデカノン(2-tridecanone)(1.98g, 0.01mol) に酢
酸エチル(ethylacetate)(5.29g,0.06mol) を加えて撹
拌、溶解した。小さく切断した金属ナトリウム(0.21g,
0.01mol) を5℃冷却下で加え、一夜撹拌した。その
後、6時間還流し、放冷後、氷水(100ml) に注ぎ、10
分撹拌した。酢酸を滴下して酸性(pH=3〜4)とし、酢酸
エチルで抽出した。酢酸銅(II)飽和水溶液(50ml)を加え
て撹拌した。析出した結晶を濾出し、少量の水、メタノ
ールで洗い、減圧下で乾燥して融点110−113℃の
淡青色粉末を得た。IR(KBr);1630cm-1
【0064】次に、この結晶にエーテル(100ml) を加え
た撹拌懸濁液に希硫酸30mlを加え、1時間撹拌した。結
晶を濾取し、水洗、エーテルに溶解し、水酸化カリウム
水溶液を加え、1時間撹拌した。エーテル層を抽出、無
水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮して無色結晶(18)を
得た(収量0.91g,収率38%)。
【0065】IR(KBr);1720, 1650cm-1
【0066】
【化21】
【0067】〈13〉クルクミン(curcumine) 体(19) の
合成 2-アルデヒド体(10)(60mg, 0.24mmol)とトリエトキシホ
ウ酸94mgを乾燥酢酸エチル5ml に溶かし、ラウロイルア
セトン体(18)(58mg, 0.24mmol)と無水ホウ酸7.8mg を加
え、室温で5分撹拌した。撹拌下でブチルアミン(butyl
amine)を一滴ずつ加えた(10分間隔で4回)。5時間
撹拌を続けた後、一晩放置した。
【0068】翌日、0.4N HCl(50℃)を0.5ml 加
え、30分撹拌した。酢酸エチル10mlで3回抽出、0.4N
HClで1回洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃
縮し、シリカゲルクロマトグラフィ(wako-gel C-200)に
付した。クロロホルム−酢酸エチル(1:1) で溶出し、メ
タノールより再結晶して融点300℃以上の無色針状晶
(19)を得た(収量20mg, 収率18%)。
【0069】IR(KBr);1780, 1720cm-1, MS;470(M+ ), 1
H-NMR(CDCl3) δ:1.62(s,3H), 1.97,2.00,and2.11(3s,
9H), 2.40(s,3H), 3.50-3.70(m), 5.50-5.90(m) 7.2-7.
3(m)。
【0070】このクルクミン体(19)のクロロホルム溶液
を濾紙にスポットし、塩化第二鉄のエタノール溶液(2
%)を噴霧すると紫色に変化した。
【0071】
【化22】
【0072】〈14〉クルクミン(curcumine) 体(20)の合
成 2-アルデヒド体(16)(60mg, 0.26mmol)とトリエトキシホ
ウ酸94mgを乾燥酢酸エチル5ml に溶かし、ラウロイルア
セトン(62mg, 0.26mmol)と無水ホウ酸7.8mg を加え、室
温で5分撹拌した。撹拌下でブチルアミン(butylamine)
を一滴ずつ加えた(10分間隔で4回)。3時間撹拌を
続けた後、一晩放置した。
【0073】翌日、0.4N HCl(50℃)を0.5ml 加
え、30分撹拌した。酢酸エチル10mlで3回抽出、0.4N
HClで1回洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃
縮し、シリカゲルクロマトグラフィ(wako-gel C-200)に
付した。クロロホルム−酢酸エチル(1:1) で溶出し、メ
タノールより再結晶して融点300℃以上の無色針状晶
(20)を得た(収量21mg, 収率18%)。
【0074】IR(KBr);1770, 1730cm-1, MS;456(M+ ), 1
H-NMR(CDCl3) δ:1.61(s,3H), 1.91,2.02,and2.14(3s,
9H), 2.30(s,3H), 3.50-3.70(m), 5.30-5.90(m) 7.1-7.
4(m)。
【0075】このクルクミン体(20)のクロロホルム溶液
を濾紙にスポットし、塩化第二鉄のエタノール溶液(2
%)を噴霧すると紫色に変化した。
【0076】
【化23】
【0077】II. ・OH消去活性 1.原理 過酸化水素と2価鉄との反応、いわゆるフェントン反応
で生じるヒドロキシラジカル(・OH)は、DMPOを
用いて捕捉可能である。反応系に試料とDMPOを加
え、生成するDMPO−OHの信号強度の減少から、消
去活性を評価する方法である。
【0078】 2.試薬 硫酸第一鉄(和光純薬製) FeSO4 ・7H2O=278.02 094-02942 25g DETAPAC(Diethylenetriaminepentaacetic acid(Aldorich) C14H23N3O10=393.35 28556-0 10g 過酸化水素 30g(和光純薬製) H2O2=34.01,d=1.11 085-04056 500ml DMPO(ラボテック製) C5H11NO=113.16,d=1.015 LM-9370 1ml リン酸水素二ナトリウム(無水)(和光純薬製) Na2HPO4=141.96 37243-00 500g リン酸二水素ナトリウム(無水)(和光純薬製) NaH2PO4=119.98 197-09705 500g 3.試薬の調整方法 (1)リン酸緩衝液(PBS),0.1M, pH7.8 リン酸水素二ナトリウム14.196g を900ml の超純水に溶
解し、溶解後全量を超純水にて1000mlとする。同様にリ
ン酸二水素ナトリウム11.998g を900ml の超純水に溶解
し、溶解後全量を超純水にて1000mlとする。この二つの
溶液を混合し、pHを7.4 に調整してリン酸緩衝液(PB)
を作成する。PBSを調整するためには、リン酸緩衝液
に最終濃度が0.015MとなるようにNaClを添加して作
成する。4℃にて保存する。
【0079】(2)硫酸第一鉄0.1mM 、DETAPAC
0.1mM 混合溶液 硫酸第一鉄2.7802mg, DETAPAC 3.9335mgを秤量し、100m
l のPBSに溶解させる。要時調整。
【0080】(3)過酸化水素水(1mM) 原液(9.79M)1mlに超純水8.79mlを添加し、1Mの過酸化水
素水を作成する。本過酸化水素水(1M)を超純水にて1000
倍に希釈し、作成する。4℃にて保存する。
【0081】(4)DMPO(1mM) 原液(8.97M)100μl(or 50 μl)に超純水 797μl(or 399
μl)を添加し、1MのDMPO液を作成する。要時調整で
保存は絶対避ける。
【0082】4.試料の調整方法 試料調整時に他の・OH消去活性物質の混入を防ぐと共
に、・OH消去活性物質にて試料調整を実施しないこ
と。
【0083】 表1.ヒドロキシラジカルの反応に対する代表的な二次反応速度定数 化合物 pH 速度定数(M-1 s-1) 炭酸イオン(CO3 2-) 10.7 2.0 × 108 炭酸水素イオン 6.5 1.0 × 107 Fe3 2.1 2.5 × 1082 2 7 4.5 × 107 アデニン 7.4 3.0 × 109 アデノシン 7.7 2.5 × 109 AMP 5.4 1.8 × 109 アルギニン 7 2.1 × 109 アスコルビン酸 1 7.2 × 109 ベンゼン 7 3.2 × 109 安息香酸 3 4.3 × 109 n-ブタノール 7 2.2 × 109 カタラーゼ - 2.6 × 1011 クエン酸 1 3.0 × 107 システィン 1 7.9 × 109 シスチン 2 3.2 × 109 シチジン 2 2.0 × 109 シトシン 7 2.9 × 109 デオキシグアニル酸 7 4.1 × 109 デオキシリボース - 1.9 × 109 エタノール 7 7.2 × 108 メタノール 7 4.7 × 108 グルコース 7 1.0 × 109 グルタミン酸 2 7.9 × 107 グルタチオン 1 8.8 × 107 グリシルグリシン 2 7.8 × 107 グリシルチロシン 2 5.6 × 109 グアニン - 1.0 × 1010 ヘモグロビン - 3.6 × 1010 ヒスチジン 6-7 3.0 × 109 ヒドロキシプロリン 2 2.1 × 108 乳酸イオン 9 4.8 × 109 レシチン - 5.0 × 108 メチオニン 7 4.7 × 108 ニコチン酸 - 6.3 × 108 フェノール 7 4.2 × 109 フェニルアラニン 6 3.5 × 109 n-プロパノール 7 1.5 × 109 ピリドキサルリン酸 - 1.6 × 109 リボヌクレアーゼ - 1.9 × 1010 リボース 7 1.2 × 109 血清アルブミン - 2.3 × 1010 チオ尿素 7 4.7 × 109 チミン 7 3.1 × 109 トリプトファン 6 8.5 × 109 ウラシル 7 3.1 × 109 尿素 9 <7.0 × 105 (数値は主として Anbar and Neta(1967). Internat.J.Appl.Radiat.Isotop., 1 8. 493-523より引用) 5.測定手順 (1)硫酸第一鉄、DETAPAC混合溶液 75μl (2)試料あるいは試料調整液 50μl (3)DMPO(1M) 20μl (4)過酸化水素水(1mM) 75μl (1)、(2)、(3)、(4)の順に試薬を添加し、
(4)を添加後撹拌ならびに反応時間の計測を開始す
る。反応液を扁平セルに吸引し、ESR装置にセットし
40秒後に掃引を開始する。
【0084】6.測定条件 磁場 3350±50G 磁場変調 100kHz 1G 応答時間 0.1 sec マイクロ波出力 8mM 磁場掃引速度 2 min 7.データの算出方法 4本のfshのうち最も低磁場側の信号強度を・OH量
と見なし、試料末添加時の信号強度を50%抑制する試
料濃度を消去活性量とする。
【0085】結果 図1の(F)は、コントロールのOH- 測定したもので
ある。これは、エチレングリコール(EG)を加えてい
る(このFをサンプルのコントロールにした。サンプル
はすべてエチレングリコールに溶解しているため)。
(G)は化合物(11)をOH- 測定したもの、(H)は化
合物(17)をOH- 測定したもの、(I)は化合物(13)を
OH- 測定したものである(1mg/ml in EG)。
【0086】図2の(J)は、コントロールのOH-
定したものである。これは、ジメチルスルフォキシド
(DMSO)に10%エチレングリコールを加えている
(このJをKのコントロールとした。Kはジメチルスル
フォキシド中、10%エチレングリコール溶液としてい
るため)。(K)はビタミンE(1mg/ml)をOH- 測定し
たもの、最下段の(L)はクルクミン(1mg/ml in EG)
のOH- 測定したものである。これらの図から、化合物
(11)、(17)にOH- 消去活性が認められた。特に、化合
物(17)はビタミンEの約3倍、クルクミンの約1.5倍の
強い消去活性が認められた。
【0087】III. ビタミンE誘導体の抗酸化作用 上記ビタミンE誘導体(化合物(17))の抗酸化作用を評
価するため、ラット肝ミクロソームを用いた酸化系とし
て、Kagan らによるNADPHの還元力を利用したNA
DPH−シトクロムP-450 レゼクターゼ依存の酵素的な
脂質過酸化反応系を用いた。
【0088】ミクロソームをタンパク質量が1.0mg/mlに
なるように100mM リン酸緩衝液(pH7.4) に懸濁させたの
ち、NADPH(1mM) をそれぞれの最終濃度が0.25mg p
rotein/ml, 0.5mMとなるように加え、スクリューキャッ
プ付き試験官中、37℃の恒温槽中で30分間インキュ
ベートしてミクロソームを酸化させた。このとき、上記
ビタミンE誘導体を加え、脂質過酸化反応の程度を調べ
た。また、比較例として既知の抗酸化物質であるビタミ
ンEの抗酸化作用も評価した。結果を図3に示す。な
お、図中の対照(control) は抗酸化物質を加えない場合
である。
【0089】この結果、本発明のビタミンE誘導体(17)
は、既知の抗酸化物質であるビタミンEよりも高い抑制
効果を示した。
【0090】
【発明の効果】本発明のビタミンE誘導体は、優れた抗
酸化作用を有することから、活性酸素に起因する各種疾
病、例えば発癌、白内障、虚血性疾患などの治療薬とし
ての利用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】ビタミンE誘導体のOH- 消去活性を測定した
グラフである。
【図2】ビタミンE誘導体のOH- 消去活性を測定した
グラフである。
【図3】ラット肝ミクロソーム(NADPH)系におけ
るビタミンE誘導体の抗酸化性を示すグラフである。
【手続補正書】
【提出日】平成7年12月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正内容】
【化3】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】
【化7】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】
【化8】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】
【化9】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】
【化10】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】
【化11】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】
【化12】
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】
【化13】
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】
【化14】
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】
【化15】
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】
【化16】
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正内容】
【0049】
【化17】
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正内容】
【0054】
【化18】
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正内容】
【0071】
【化22】
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0076
【補正方法】変更
【補正内容】
【0076】
【化23】
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 15/08 C09K 15/08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の式Iで示されるビタミンE誘導体。 【化1】
  2. 【請求項2】 次の式IIで示されるビタミンE誘導体。 【化2】
  3. 【請求項3】 次の式III で示されるビタミンE誘導
    体。 【化3】
  4. 【請求項4】 請求項1記載の式Iで示されるビタミン
    E誘導体を有効成分とする活性酸素抑制組成物。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の式IIで示されるビタミン
    E誘導体を有効成分とする活性酸素抑制組成物。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の式III で示されるビタミ
    ンE誘導体を有効成分とする活性酸素抑制組成物。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100393908B1 (ko) * 2001-01-18 2003-08-02 김해리 당뇨합병증에 유효한 복분자 추출물

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