JPH0966390A - Al基合金および肉盛り強化用溶加材 - Google Patents

Al基合金および肉盛り強化用溶加材

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JPH0966390A
JPH0966390A JP22365895A JP22365895A JPH0966390A JP H0966390 A JPH0966390 A JP H0966390A JP 22365895 A JP22365895 A JP 22365895A JP 22365895 A JP22365895 A JP 22365895A JP H0966390 A JPH0966390 A JP H0966390A
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alloy
based alloy
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strengthening
filler metal
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JP22365895A
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English (en)
Inventor
Yuichiro Hara
裕一郎 原
Mitsuhiko Itaya
光彦 板屋
Asao Koike
朝夫 小池
Akira Tsujimura
明 辻村
Masato Motoyoshi
正人 元吉
Eiji Shiotani
英爾 塩谷
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Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温耐摩耗性に優れたAl基合金を得る。 【解決手段】 高温強度強化用物質を含有するAl基合
金であって、その組成が、Si:15〜20(wt
%),Cu:20〜30(wt%),Co:9〜14
(wt%),残部がAlおよび不可避不純物からなるも
のである。このAl基合金を得るため、Al母材の表面
に肉盛り溶接を行うべく溶加材3の組成を、Si:30
(wt%),Cu:50(wt%),Co:20(wt
%)とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温耐摩耗性に優
れたAl基合金および肉盛り強化用溶加材に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】Al合金は軽量であるという利点から各
方面の機械摺動部品に適用されており、例えば、自動車
用エンジンのピストンなどに用いられている。しかし、
Al合金で作製された各種の機械摺動部品は、特に耐摩
耗性という点で鋳鉄材(ニレジスト等)に比べて劣って
いるため、摺動部品へ応用するには摺動部を強化して用
いられている。その摺動部強化の方法としては、(1)
合金強化、(2)異種金属接合、(3)FRM化または
MMC化などの方法が知られている。
【0003】特に、(1)の合金強化においては、従来
より耐摩耗性Al合金材の開発・研究が進められてお
り、Al−Ni−Cu系合金(特開平1−113199
号公報)およびAl−Ni−Cu−Si系合金(特開平
2−169182号公報)などが開発されている。
【0004】また、例えばAl合金で作製された自動車
用エンジンのピストンリング溝の耐摩耗性を向上させる
ために、電子ビームやレーザビームなどのエネルギビー
ムによって、ピストンリング溝の表面にNi或いはFe
などの金属を溶かし込んで合金層を形成し、耐摩耗性が
要求されるピストンリング溝の耐摩耗性を向上する肉盛
り溶接合金強化が知られている(特開昭55−2758
7号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
(1)の合金強化では、合金成分の添加量に制約がある
ため高合金化できない。(2)の異種金属接合では、材
料設計の点では自由であるが、一度の処理にかかるコス
トが高い。(3)のFRM化またはMMC化もコストが
高くつくなどといった問題があった。
【0006】特に、前記溶接合金強化を行うには、合金
強化のための溶加材の作製が必須であるが、添加元素に
は固溶限というものがあるため、溶加材が作製できない
ものがあった。すなわち、溶接時の合金成分の希釈を考
慮に入れて溶加材を作製すると、添加元素の含有量が固
溶限を超えてしまうために溶製できなかったり、また
は、各種元素の添加によって溶加材の融点が高くなるた
めに肉盛り溶接時にAl母材が溶融してしまったり、或
いは、各種元素の添加によって溶加材が硬く脆くなるた
めに棒状に成形できないという問題があった。また、A
lは高合金化すると割れが生じてしまうため、異種金属
を肉盛りすることは非常に困難であった。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく本
発明は、高温強度強化用物質を含有するAl基合金であ
って、その組成が、Si:15〜20(wt%),C
u:20〜30(wt%),Co:9〜14(wt
%),残部がAlおよび不可避不純物であるものであ
る。また本発明は、Al母材の表面に肉盛り溶接を行っ
て強化するための溶加材であって、その組成が、Si:
30(wt%),Cu:50(wt%),Co:20
(wt%)であるものである。
【0008】上記Al基合金のSiの組成範囲を15〜
20wt%としたのは、15wt%より少ないとAl基
合金の耐摩耗性の向上に効果がなく、20wt%よりも
多いとAl基合金の加工性を悪化させ、かつ、Al基合
金の強度を低下させるからである。また、Cuの組成範
囲を20〜30wt%としたのは、20wt%より少な
いとAl基合金の耐摩耗性の向上に効果がなく、30w
t%よりも多いと他の添加元素との総和が60wt%を
超えるからである。さらに、Coの組成範囲を9〜14
wt%としたのは、9wt%より少ないとAl基合金の
高温硬度上昇に効果がなく、14wt%よりも多いと逆
に硬くなりすぎるため、Al基合金の加工が困難になる
からである。
【0009】次に、上記肉盛り強化用溶加材の組成範囲
を限定したのは、肉盛り溶接時における溶加材中の添加
元素の希釈率が40〜60%であることから、前記Al
基合金の組成が得られるようにしたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0011】先ず、Al基合金について説明する。
【0012】高温強度を強化する物質の特性として、A
l母材に対するSiの添加量(wt%)と比摩耗量(m
3 /N・m)との関係を図2に示す。また、Al−2
0Si合金に対するCuの添加量(wt%)と比摩耗量
(mm3 /N・m)との関係を図3に示す。図2および
図3はそれぞれのSi,Cuの添加量に対する往復動式
摩耗試験(荷重を20kgf,温度を150℃,潤滑を
CD級,相手材を硬質Crメッキ)の結果を示してい
る。
【0013】Siは、Alとの共晶組成(12.6wt
%)以上で初晶Siを晶出し、Al基合金の耐摩耗性を
向上させることが知られている。図2から明らかなよう
に、Siの添加量の増加と共に比摩耗量は減少してい
る。しかし、過共晶組成のAl基合金は耐摩耗性は優れ
ているものの、Si添加量の増加と共にAl基合金の加
工性は悪化する。また、Si添加量の増加と共にAl基
合金の高温強度も低下する。このため、特に好ましくは
Siの添加量を15〜20wt%とすることがよい。
【0014】Cuは優れた摺動材であり、Alと合金化
することでCuがマトリックス中に固溶する固溶硬化な
らびにG.P.ゾーンおよびθ′相の析出硬化により強
さと硬さが向上することが知られている。図3から明ら
かなように、Cuの添加量の増加と共に比摩耗量は減少
している。図中の破線は、耐摩耗性鋳鉄として知られる
ニレジストの特性値を示したものである。本発明のAl
基合金は、ニレジストに代わるピストン用合金であり、
このニレジストの特性値を目標としたものである。この
ため、十分な耐摩耗性を持たせるためには、20wt%
以上のCuの添加が特に好ましいことが同図から伺え
る。また、Cuの添加量の上限は、他の添加元素(S
i,Co)との総和が60wt%を超えない範囲を考慮
に入れて、30wt%とすることが特に好ましい。
【0015】耐摩耗性を向上させる目的として、材料の
硬度を上昇させる方法がある。これは、特にアブレシブ
摩耗には有効な手段であることが知られている。Al合
金の難点である高温(300℃)強度の向上のために
は、熱的負荷のかかる部材(例えば、ピストンリングの
溝部)の硬度を上昇させることが有効である。
【0016】Al−20Si合金に各種元素を添加した
時における硬度(Hv)と温度(℃)との関係を図4に
示す。図4は、Al−20Si−20Cu合金(図中は
○印で示す),Al−20Si−10Cu−10Co合
金(図中は■で示す),Al−20Si−15Cu−5
Co合金(図中は◇で示す),Al−20Si−10C
u−10Fe合金(図中は▽で示す),Al−20Si
−10Cu−10Ni合金(図中は△で示す)に対する
高温硬度試験の結果を示している。尚、硬度試験はビッ
カース硬度試験機を用いて行った。
【0017】室温においては、Co,Ni,Feを添加
した合金のいずれもが、5〜10wt%の添加量でAl
−20Si−20Cu合金が示す硬度を上回っている。
しかし、温度が300℃において、120Hv以上の硬
度を示しているのは、Al−20Si−10Cu−10
Co合金のみである。Al−20Si−10Cu−10
Fe合金が温度300℃において約80Hvを示してい
るが、室温での硬度が約370Hvを示している。室温
で300Hvを超えると加工性が悪くなると共にFeの
添加によってAlの軽量性という利点を損ねてしまうた
め、Al−20Si−10Cu−10Fe合金は、本発
明のAl基合金としては好ましくない。また、Coを添
加した合金においても、Al−20Si−15Cu−5
Co合金の場合、温度300℃における硬度は約75H
vと低く、高温耐摩耗性において劣っているため、この
合金も本発明のAl基合金としては好ましくない。同図
から、温度が300℃において120Hv以上の硬度を
示し、かつ、室温において300Hv以下の硬度を示す
最適範囲のCoの添加量を9〜14wt%と設定した。
【0018】以上の結果から勘案して、高温度(300
℃)まで優れた高温耐摩耗性を維持できるAl基合金の
組成としては、Si:15〜20(wt%),Cu:2
0〜30(wt%),Co:9〜14(wt%),残部
がAlおよび不可避不純物からなるものとした。このA
l基合金を内燃機関のピストンなどに用いることで、従
来のニレジスト鋳鉄に比べて生産コストを低減すること
ができ、かつ、重量の軽減ができると共に燃費の向上が
達成される。
【0019】次に本発明の他の実施の形態として、上記
のような組成を有するAl基合金を製造するために用い
る溶加材を説明する。
【0020】この溶加材は、例えばAl合金製ピストン
において、高温耐摩耗性が要求されるピストンリング溝
などを部分的に強化するための肉盛り溶接に用いられる
ものであり、肉盛り溶接時における溶加材中の添加元素
の希釈率を40〜60%と考えて、その組成は、Si:
30(wt%),Cu:50(wt%),Co:20
(wt%)からなるものが特に好ましい。
【0021】しかし、30wt%のSiを添加したCu
合金は、硬度が高くなる反面、逆に脆くなるため、一般
の溶加材形状(棒状またはワイヤ状)に成形することは
不可能である。すなわち、上記の組成を有する溶加材
は、溶製によっては得ることができない。このため、上
記組成を有する溶加材は、粉末冶金的手法を用いて作製
される。
【0022】粉末冶金的手法を用いて製造された溶加材
である溶接ワイヤの一例を図1に示す。
【0023】同図に示すように、溶接ワイヤ3は、主に
CoSi2 の合金粉末からなる粉体2をCu外皮材1内
に充填させたワイヤ形状のものである。例えば、溶接ワ
イヤ3の直径を1.7mm、Cu外皮材1の厚さを0.
1mm、Cu外皮材1内における複合粉体の充填率を9
0%とする。この溶接ワイヤ3を用いて、図示しないA
l母材に肉盛り溶接すれば、希釈率40〜60%の範囲
で希釈が起こったとしても、肉盛り溶接部はSi:15
〜20(wt%),Cu:20〜30(wt%),C
o:9〜14(wt%),残部がAlおよび不可避不純
物からなるAl基合金を得ることができる。
【0024】本発明の肉盛り強化用溶加材は、溶製では
得ることができない固溶限を超えた組成を有しているた
め、粉末冶金的手法を用いることによってのみ作製する
ことができる。すなわち、本発明の肉盛り強化用溶加材
を用いることで、高温耐摩耗性に優れたAl基合金を確
実に得ることができる。
【0025】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、Al基合
金における高温耐摩耗性を向上させることができる。ま
た、優れた高温耐摩耗性を有するAl基合金を肉盛り溶
接によって確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の肉盛り強化用溶加材を示す斜視図であ
る。
【図2】Al母材に対するSiの添加量と比摩耗量との
関係を示す図である。
【図3】Al−20Si合金におけるCuの添加量と比
摩耗量との関係を示す図である。
【図4】Al−20Si合金に各種元素を添加した時に
おける硬度と温度との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 Cu外皮材 2 粉体(CoSi2 の合金粉末) 3 溶接ワイヤ(溶加材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻村 明 神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社い すゞ中央研究所内 (72)発明者 元吉 正人 神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社い すゞ中央研究所内 (72)発明者 塩谷 英爾 神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社い すゞ中央研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高温強度強化用物質を含有するAl基合
    金であって、その組成が、Si:15〜20(wt
    %),Cu:20〜30(wt%),Co:9〜14
    (wt%),残部がAlおよび不可避不純物であること
    を特徴とするAl基合金。
  2. 【請求項2】 Al母材の表面に肉盛り溶接を行って強
    化するための溶加材であって、その組成が、Si:30
    (wt%),Cu:50(wt%),Co:20(wt
    %)であることを特徴とするAl母材用肉盛り強化用溶
    加材。
JP22365895A 1995-08-31 1995-08-31 Al基合金および肉盛り強化用溶加材 Pending JPH0966390A (ja)

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