JPH0966051A - X線断層撮影装置 - Google Patents

X線断層撮影装置

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JPH0966051A
JPH0966051A JP8009979A JP997996A JPH0966051A JP H0966051 A JPH0966051 A JP H0966051A JP 8009979 A JP8009979 A JP 8009979A JP 997996 A JP997996 A JP 997996A JP H0966051 A JPH0966051 A JP H0966051A
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ray
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Hiroyuki Kawai
浩之 河合
Kensuke Sekihara
謙介 関原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 投影データ上の視野境界位置を投影毎に検出
でき、被検体の輪郭形状や大きさや撮影時の2次元検出
器の視野の大きさに依存せずに、安定した処理ができる
X線断層撮影装置を提供すること。 【解決手段】 X線源と、X線で撮像する2次元X線撮
像手段と、前記X線源と前記2次元X線撮像手段とを回
転させる回転手段と、撮像データの歪みを補正する歪み
補正手段と、撮像データから画像再構成を行う画像再構
成手段とを具備するX線断層撮影装置であって、前記歪
み補正手段によって補正された撮像データから前記2次
元X線撮像手段の視野の境界に該当する視野境界部を検
出する境界位置検出手段と、前記視野境界部から所定の
幅で撮像データを生成する外挿演算手段とを具備し、歪
み補正後の撮像データに前記外挿手段によってデータが
追加された撮像データから画像再構成を行うことを特徴
とするX線断層撮影装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線断層撮影装置
に関し、特に、コーンビーム状のX線を照射するX線源
と、X線を2次元で検出する2次元検出器とを被検体の
周囲に回転させて、被検体のX線吸収係数の分布を再構
成する、いわゆる、コーンビームX線断層撮影装置に適
用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のコーンビームX線断層撮影装置
は、図9に示すように、計測を行う計測部1と、計測さ
れたデータを処理するデータ処理部2と、画像歪の補正
を行なうためのデータを作成する画像歪み補正テーブル
作成部18とからなる。
【0003】計測部1の走査機構部3上には、X線源
4、および、X線イメージインテンシファイヤ(Ima
geIntensifier、以下、「I.I.」と記
す)等の2次元検出器5が、被検体6を挟んで互いに対
向する位置に配置されている。
【0004】X線源4はコーンビーム状にX線7を放射
し、2次元検出器5は被検体6を透過したX線の強度分
布、いわゆる、X線像を計測する。
【0005】走査機構部3は、回転中心軸8を中心に、
X線源4と2次元検出器5とを被検体6の周りを回転さ
せる。
【0006】このとき、2次元検出器5で被検体6を透
過したX線の強度の計測を全周分行なうことによって、
百から数百組の透過X線像の情報(計測データ、撮像デ
ータ)が収集される。
【0007】なお、本明細書では、後の説明の便宜上、
前のX線の強度の計測から次のX線の強度の計測までの
走査機構部3の回転角を投影角と称することとする。
【0008】この計測データはディジタル化された後、
データ処理部2に送られる。
【0009】データ処理部2では、まず、前処理部9に
おいて、計測データに含まれる暗電流バイアス、感度む
ら等の影響が補正され、次に、対数変換によって投影デ
ータに変換される。
【0010】この対数変換は、従来のファンビームX線
断層撮影において行われている変換と同じであり、コー
ンビームX線断層撮影においても、再構成演算に先立っ
て必要な前処理の一つとなっている。
【0011】次に、画像歪み補正部10は、後述する画
像歪み補正テーブルに基づいて、投影データの画像歪み
を補正する。
【0012】画像歪みは、2次元検出器5の特性による
が、特にI.I.を用いた場合、I.I.の入力面が球
面であることに起因し、投影データが糸巻き状に歪む現
象が顕著に表われることが知られている。
【0013】次に、前述する前処理を行った後の全投影
データから、2次元検出器5の視野領域内で被検体6の
3次元的なX線吸収係数分布が再構成演算部11により
再構成され、3次元再構成データが得られる。
【0014】この3次元再構成データは、画像化手段1
2において、ボリュームレンダリング処理、または、最
大値投影処理等の画像化処理を施され、画像表示手段に
表示される。
【0015】なお、前述する画像歪み補正方法の例とし
ては、文献(1)の「R.Ning,et al. An image intensi
fier-based volume tomographic angiography imaging
system:geometric distortion correction,(SPIE Vol.2
163,Physics of Medical Imaging,pp.199-210,199
4)」、または、実開平5−28316号公報を参照され
たい。
【0016】また、画像歪み補正を上記暗電流バイアス
補正、感度むら補正および対数変換を行う前の計測デー
タに施す場合もある。
【0017】前述する再構成演算の方法としては、文献
(2)の「L.A.Feldkamp et al. Practical cone beam
algorithm,J.Opt.Soc.Am.A,Vol.1,No.6,pp.612-619,198
4」に記載されるフェルドカンプの方法と呼ばれるコー
ンビーム再構成演算法等が知られている。
【0018】図9に示すコーンビームX線断層撮影装置
において、前述した画像の歪み補正処理についてさらに
詳述する。
【0019】2次元検出器5としてI.I.を用いた場
合の典型的な画像歪みである糸巻き状の歪みは、図5に
示すようになる。
【0020】この画像は、図4に示すように、等間隔な
格子点上にピンホールを開けた金属板(ホールチャート
19)を2次元検出器(I.I.)5の前面に固定し、
投影像を撮影して得た画像である(図の黒丸がピンホー
ル像を表す)。
【0021】なお、本明細書では、後の説明の便宜上、
撮影された投影像をホールチャート投影像と称すること
とする。
【0022】この画像歪みは複数の原因が複合して生じ
ることが知られており、主要な原因としては、計測系の
幾何学的な歪み、I.I.からなる2次元検出器5の入
力面形状が非平面であること、I.I.の電子カメラ系
おける地磁気等の外部磁場による電子ビームの偏向等が
あげられる。
【0023】なお、この場合のホールチャート投影像
は、X線源4を任意の個所に固定した状態で得られるも
のであり、このようにして得られた1枚のホールチャー
ト投影像に基づいて画像歪み補正テーブル(歪み補正テ
ーブル)を作成するようになっている。
【0024】すなわち、画像歪み補正テーブル発生手段
(歪み補正テーブル発生手段)21は、このホールチャ
ート投影像に基づいて画像歪み補正テーブル(歪み補正
テーブル)を作成し、この画像歪み補正テーブルは画像
歪み補正テーブル保管手段20に格納(記憶)されるよ
うになっている。
【0025】画像歪みの補正方法としては、2次元検出
器5としてI.I.を用いた周知の実時間DR(Dig
italRadiograph)技術で利用されている
方法を用いる。
【0026】ここで、撮影された投影像(画像歪みを含
む)をPd(U,V)と表し、画像歪みを除去した投影
像をP(u,v)と表した場合、これら両者の間にはP
(u,v)=Pd(U(u,v),V(u,v))とい
う関係が成立する。
【0027】なお、関数U(u,v)、V(u,v)は
画像歪みを表す関数である。
【0028】そして、u,vは離散的な値をとるので、
この関数U、Vを予めテーブル化しておき、これにより
得られた画像歪み補正テーブルの参照によって画像歪み
を補正することができる。
【0029】(u,v)をピクセル座標として、u=
1、2、…、Ni、v=1、2、…、Njとし、u、vを
インデックスとするテーブルU(u,v)、および、V
(u,v)が用意されているので、P(u,v)をたと
えば4点ラグランジェ線形補間を用いた次式(4)によ
って求めることができる。但し、U、VはそれぞれU
(u,v)、V(u,v)を越えない最大の整数であ
る。
【0030】
【数4】
【0031】さらに詳述すれば、撮影されたホールチャ
ート投影像上から、たとえば、周知の画像認識技術を用
いてピンホール位置を抽出する。
【0032】図4に示すようにホールチャート投影像に
おいてu方向にi番目、v方向にj番目にあるピンホー
ルをhijとし、その位置を(uij,vij)と表した場
合、撮影された画像歪みを含む投影像上において、ピン
ホールhijに対応するピンホールはHijであり、位置は
(Uij,Vij)となる。
【0033】ここで前述する関数U(u,v)、V
(u,v)を用いれば、この格子点すなわちピンホール
位置における画像歪み補正テーブルは、Uij=U
(uij,vij)、Vij=V(uij,vij)となる。
【0034】この格子点(ピンホール位置)以外の点に
ついては、次式(5)のように4点ラグランジェ補間を
用いて定め、u=1、2、…、Ni、v=1、2、…、
jとしたときの全ての(u,v)上の画像歪み補正テ
ーブルの値、U(u,v)を決定する。
【0035】また、V(u,v)に関しても同様の計算
を行なう。但し、U、VはそれぞれUij、Vijを越えな
い最大の整数である。
【0036】
【数5】
【0037】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、前記従来
技術を検討した結果、以下の問題点を見いだした。
【0038】従来のコーンビームX線断層撮影装置で
は、2次元検出器5の視野は、被検体6全体を納められ
る程十分に大きくはなく、例えば、2次元検出器5とし
てI.I.を用いた場合、I.I.の入射面直径は十数
インチ(約30cm)程度である。
【0039】このとき、計測部1の幾何的な構成にもよ
るが、全方向の投影の視野に含まれる被検体の領域は、
直径20cm程度の球状の領域でしかない。
【0040】このように、2次元検出器5の視野の大き
さが制限されるために、視野からはみ出した部分が欠落
した投影データしか得られない。
【0041】このような欠落のある投影データから、フ
ェルドカンプの方法によって、コーンビーム再構成演算
を行い、3次元再構成データを再構成すると、フェルド
カンプの方法の計算過程で使用される周知のシェップロ
ーガン関数もしくはそれに類似する補正フィルタによ
り、高周波成分が強調され、視野領域境界付近のX線吸
収係数値が実際の値より高く持ち上がり、視野領域中心
付近で落ち込む現象であるシェーディングアーチファク
トを生じるということが知られている。。
【0042】このように、シェーディングアーチファク
トが生じた再構成データは、被検体6のX線吸収系数分
布を正しく再現していないため、これをもとに正確な診
断はできないという問題があった。
【0043】この問題を回避するための方法として、2
次元検出器5の視野を被検体6全体を覆う大きさにする
ということが考えられているが、被検体6の全体を覆う
大きさの視野を持つ2次元検出器5の実現は困難であ
り、未だ実現されるに至ってはいない。
【0044】さらには、実際の診断において、実質的に
必要となるいわゆる関心領域はそれほど大きくないの
で、大視野の2次元検出器5が実現できたとしても、い
たずらに装置規模、および、計算量を増大させるだけで
あるという指摘もなされている。
【0045】したがって、シェーディングアーチファク
トの発生を回避する方法として、計測系の規模や構成を
変えることなく、欠落のある不完全な投影データから、
関心領域における正しいX線吸収係数分布を再構成する
という方法が考案され、試みられている。
【0046】特に、従来のファンビームX線断層撮影技
術において、様々な研究がなされており、たとえば、文
献(3)の「R.M.Lewitt. Processing of incomplete m
easurement data in computed tomography、Medical Phy
sics,Vol.6、No.5,pp.412-417,1979)」に記載される、L
ewittによる視野はみ出し補正方法がある。
【0047】この方法は、投影データの欠落部分を外挿
(補外)によって求めるというものであり、まず、被検
体の大まかな輪郭に関する情報を楕円等の比較的単純な
形状とみなして用いるか、センサ等を用いて測定し、次
に、この情報に基づいて、欠落部分を外挿演算によって
求める。
【0048】しかしながら、コーンビームX線断層撮影
装置における投影データは、2次元検出器5によって得
られた計測データに対して、画像歪みを補正する処理が
施されているため、投影データと計測データとが1対1
で対応しておらず、この結果、視野境界の位置が投影
(角度)毎に変動しているという問題がある。
【0049】また、撮影すべき関心領域は、頭部、胸
部、腹部、腰部等と様々な部位にわたると共に、被検体
6の個体差もあるので、その輪郭を推定することが困難
であるという問題がある。
【0050】一方、画像歪み補正テーブルの作成におい
ては、ホールチャート投影像を得る際に、装置内の信号
処理系あるいは信号伝送系等において、発生したノイズ
の混入によって、信頼性のある画像歪み補正テーブルが
作成されない場合が往々にして生じる。
【0051】ノイズの混入によって、信頼性のある画像
歪み補正テーブルが作成されない場合、この画像歪み補
正テーブルに基づいて補正がなされた投影データからは
十分な画像の再構成ができないので、正確な診断を行え
ないという問題があった。
【0052】たとえば、ノイズの混入によって、本来ピ
ンホールが存在しない位置にピンホールが誤認識されて
しまうと、それがたとえ1点であっても、そこから作成
される画像歪み補正テーブルは大きく損なわれたものと
なってしまい、この画像歪み補正テーブルによって補正
された投影データからは、正確な画像再構成はできない
からである。
【0053】本発明の目的は、投影データ上の視野境界
位置を投影毎に検出でき、被検体の輪郭形状や大きさや
撮影時の2次元検出器の視野の大きさに依存せずに、安
定した処理ができるX線断層撮影装置を提供することに
ある。
【0054】本発明の他の目的は、ノイズによって影響
されることのない画像歪み補正テーブルを作成でき、こ
れにより信頼性のある画像再構成ができるX線断層撮影
装置を提供することにある。
【0055】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らか
になるであろう。
【0056】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。
【0057】(1)コーンビーム状にX線を照射するX
線源と、該X線源に対向して配置され、被検体をX線で
撮像する2次元X線撮像手段と、前記X線源と前記2次
元X線撮像手段とを被検体の周囲に回転させる回転手段
と、前記2次元X線撮像手段が撮影した撮像データの歪
みを補正する歪み補正手段と、該歪み補正手段によって
補正された撮像データから画像再構成を行う画像再構成
手段とを具備するX線断層撮影装置であって、前記歪み
補正手段によって補正された撮像データから前記2次元
X線撮像手段の視野の境界に該当する視野境界部を検出
する境界位置検出手段と、前記視野境界部から所定の幅
で撮像データを生成する外挿演算手段とを具備し、歪み
補正後の撮像データに前記外挿手段によってデータを追
加された撮像データから画像再構成を行う。
【0058】(2)前述する(1)のX線断層撮影装置
において、前記歪み補正手段は前記2次元X線撮像手段
の視野外の撮像データから得られた補正後の撮像データ
部分には、予め定められた設定値を代入し、補正後の撮
像データとする。
【0059】(3)前述する(2)のX線断層撮影装置
において、前記設定値はゼロ値である。
【0060】(4)前述する(2)もしくは(3)のX
線断層撮影装置において、前記境界位置検出手段は、前
記2次元X線撮像手段の回転方向に平行となる方向に歪
み補正後の前記撮像データを順次走査していき、前記設
定値でない値が表われた点を視野境界部として検出す
る。
【0061】(5)前述する(1)ないし(4)のいづ
れか1項のX線断層撮影装置において、前記外挿演算手
段は、前記視野境界部が検出された前記歪み補正後の撮
像データに対して、前記2次元X線撮像手段の回転方向
と平行となる方向に、前記視野境界部から視野外の領域
に向かって前記所定の幅だけ撮像データを生成する。
【0062】(6)前述する(5)のX線断層撮影装置
において、前記外挿演算手段は、前記視野外の領域に生
成した撮像データが前記視野内の撮像データと連続し、
前記視野境界部から前記視野外に所定の幅だけ離れた点
で、ゼロをとる楕円の弧の一部分となるように撮像デー
タを生成する。
【0063】(7)前述する(6)のX線断層撮影装置
において、前記外挿演算手段は、前記2次元X線撮像手
段の撮像面上において、その回転方向にu軸を、回転中
心軸に平行な方向にv軸をとる時、k番目の撮影の位置
(u,v)における投影値をP(u,v,k)、任意のvに
対して検出された前記視野境界部の位置を(a(v),
v)、および、(b(v),v)(但し、a(v)<b(v))と
し、前記回転中心軸の投影を直線u=c、撮像データを
生成する所定の幅をDとして、前記視野外の領域u<a
(v)、b(v)<uにおいて、次式(1)によって、前記
視野外の前記撮像データを生成する。
【0064】
【数6】
【0065】(8)コーンビーム状にX線を照射するX
線源と、該X線源に対向して配置され、被検体をX線で
撮像する2次元X線撮像手段と、前記X線源と前記2次
元X線撮像手段とを被検体の周囲に回転させる回転手段
と、前記2次元X線撮像手段が撮影した撮像データの画
像歪みを補正するための歪み補正テーブルを作成する歪
み補正テーブル作成手段と、該歪み補正テーブルに基づ
いて前記撮像データの画像歪みを補正する歪み補正手段
と、該歪み補正手段によって補正された撮像データから
画像再構成を行う画像再構成手段とを具備するX線断層
撮影装置であって、前記歪み補正テーブル作成手段は、
前記X線源の1回転における分割された微小角度毎に複
数の歪み補正テーブルを作成する手段と、該手段により
作成された一連の歪み補正テーブルの連続性を評価する
連続性評価手段と、連続性が阻害されている歪み補正テ
ーブルをその両隣の歪み補正テーブルに基づいて作成し
た新たな歪み補正テーブルに置き換える歪み補正テーブ
ル生成置換手段とを具備する。
【0066】(9)前述する(8)のX線断層撮影装置
において、前記連続性評価手段は、前記2次元X線撮像
手段の撮影面上において、その回転方向にu軸を、回転
中心軸に平行な方向にv軸をとり、k番目の前記歪み補
正テーブルをそれぞれU(u,v,k)、および、V
(u,v,k)(但し、k=1、2、…、Nk、u=
1、2、…、Ni、v=1、2、…、Nj)とした場合、
前記k方向に隣接する前記歪み補正テーブル間の相関を
計算し、この計算結果に基づいて、隣接する前記歪み補
正テーブルの連続性を評価する。
【0067】(10)前述する(9)のX線断層撮影装
置において、前記連続性評価手段は、kを任意の自然数
とした次式(2)にしたがい、valU(u,v,
k)、および、valV(u,v,k)を評価関数と
し、しかも、その演算にあたってはK+1がk=1、
2、…、Nkの範囲をはみ出る場合に、1、2、…、Nk
が循環されたものとして適用させる。
【0068】
【数7】
【0069】(11)前述する(9)もしくは(10)
のX線断層撮影装置において、前記連続性評価手段は、
前記評価関数によって計算された値が特定の条件を満た
すか否かを判別する条件判別手段を具備する。
【0070】(12)前述する(11)のX線断層撮影
装置において、前記連続性評価手段は、特定の条件とし
て、前記評価関数によって計算された値が所定の閾値よ
り大きいか否かを条件とする。
【0071】(13)前述する(9)もしくは(10)
のX線断層撮影装置において、前記連続性評価手段は、
前記評価関数により計算された値が、連続したk=
0、k0+1、…、k0+nにおいて特定の閾値より大
きな値である場合、k=k0+1、…、k0+n−1に対
応するに歪み補正テーブルは連続性が阻害されていもの
と判定する。
【0072】(14)前述する(8)ないし(13)の
いずれか1項のX線断層撮影装置において、前記歪み補
正テーブル生成置換手段は、前記連続性評価手段により
連続性が阻害されていものと判定された歪み補正テーブ
ルの直前の歪み補正テーブルU(u,v,k1)、V
(u,v,k1)、および、直後の歪み補正テーブルU
(u,v,k2)、V(u,v,k2)から、新たな歪み
補正テーブルU(u,v,k)、V(u,v,k)(但
し、k=k0+1、…、k0+n−1、k1<k0+1、k
0+n−1<k2)を、次式(3)の演算によって生成す
る。
【0073】
【数8】
【0074】(15)コーンビーム状にX線を照射する
X線源と、該X線源に対向して配置され、被検体をX線
で撮影する2次元X線撮像手段と、前記X線源と前記2
次元X線撮像手段とを被検体の周囲に回転させる回転手
段と、前記2次元X線撮像手段が撮像した撮像データの
画像歪みを補正するための歪み補正テーブルを作成する
歪み補正テーブル作成手段と、該歪み補正テーブルに基
づいて前記撮像データの画像歪みを補正する歪み補正手
段と、該歪み補正手段によって補正された撮像データか
ら画像再構成を行う画像再構成手段とを具備するX線断
層撮影装置であって、前記X線源の1回転における分割
された微小角度毎に複数の歪み補正テーブルを作成する
手段、該手段により作成された一連の歪み補正テーブル
の連続性を評価する連続性評価手段、および、連続性が
阻害されている歪み補正テーブルをその両隣の歪み補正
テーブルに基づいて作成した新たな歪み補正テーブルに
置き換える歪み補正テーブル生成置換手段からなる前記
歪み補正テーブル作成手段と、前記歪み補正手段によっ
て補正された撮像データから前記2次元X線撮像手段の
視野の境界に該当する視野境界部を検出する境界位置検
出手段と、前記視野境界部から所定の幅で撮像データを
生成する外挿演算手段とを具備し、歪み補正後の撮像デ
ータに前記外挿手段によってデータを追加された撮像デ
ータから画像再構成を行う。
【0075】前述した(1)〜(7)の手段によれば、
まず、X線源の回転に伴って被検体の撮像データを得
る。この際に、その撮像データには2次元X線撮像手段
に起因する画像歪みが生じているため、撮影に先立って
作成した画像歪み補正テーブルに基づいて、その画像歪
みを補正する。
【0076】このとき、補正前の撮像データに基づい
て、2次元X線撮像手段の撮影領域外となる補正後の撮
像データ部分にはゼロ値もしくは特定の値を代入するこ
とにより、撮像データ上の視野境界位置を投影毎に容易
に検出できる。
【0077】その値に基づいて、撮影領域外となる補正
後の撮像データ部分に断層画像のデータと連続するデー
タを所定の幅で外挿した後、画像再構成を行うことによ
り、被検体の輪郭形状や大きさや撮影時の2次元検出器
の視野の大きさに依存せずに、安定した画像再構成処理
ができる。
【0078】前述した(8)〜(14)の手段によれ
ば、まず、X線源の回転に伴って複数のたとえばホール
チャート投影像を得る。この際に、その投影像にはX線
断層装置内で発生したノイズが混入する場合があるが、
このままで、それぞれのホールチャート投影像から画像
歪み補正テーブルを作成する。
【0079】そして、このようにして得られた一連の画
像歪み補正テーブルの連続性を評価することによって、
その連続性が阻害されている画像歪み補正テーブルが検
出できる。
【0080】ここで、検出された画像歪み補正テーブル
はノイズが混入されたホールチャート投影像から作成さ
れたものと推定できることになる。
【0081】このため、検出された画像歪み補正テーブ
ルを、その両隣の画像歪み補正テーブルに基づいた内挿
処理によって、新たに作成された画像歪み補正テーブル
に置き換えることによって、ノイズに全く影響されない
画像歪み補正テーブルのみとなる。
【0082】したがって、信頼性のある画像再構成がで
きるようになる。
【0083】前述した(15)の手段によれば、まず、
X線源の回転に伴って複数のたとえばホールチャート投
影像を得る。この際に、その投影像にはX線断層装置内
で発生したノイズが混入する場合があるが、このまま
で、それぞれのホールチャート投影像から画像歪み補正
テーブルを作成する。
【0084】そして、このようにして得られた一連の画
像歪み補正テーブルの連続性を評価することによって、
その連続性が阻害されている画像歪み補正テーブルが検
出できる。
【0085】ここで、検出された画像歪み補正テーブル
はノイズが混入されたホールチャート投影像から作成さ
れたものと推定できることになる。
【0086】このため、検出された画像歪み補正テーブ
ルを、その両隣の画像歪み補正テーブルに基づいた内挿
処理によって、新たに作成された画像歪み補正テーブル
に置き換えることによって、ノイズに全く影響されない
画像歪み補正テーブルを得ることができる。
【0087】この画像歪み補正テーブルに基づいて、被
検体の撮像データの画像歪みを補正する。このとき、補
正前の撮像データに基づいて、2次元X線撮像手段の撮
影領域外となる補正後の撮像データ部分にはゼロ値もし
くは特定の値を代入することにより、撮像データ上の視
野境界位置を投影毎に容易に検出できる。
【0088】その値に基づいて、撮影領域外となる補正
後の撮像データ部分に、その撮像データと連続するデー
タを所定の幅で外挿した後、画像再構成を行うことによ
り、被検体の輪郭形状や大きさや撮影時の2次元検出器
の視野の大きさに依存せずに、安定すると共に、信頼性
のある画像再構成処理ができる。
【0089】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、発明の実
施の形態(実施例)とともに図面を参照して詳細に説明
する。
【0090】なお、発明の実施の形態を説明するための
全図において、同一機能を有するものは同一符号を付
け、その繰り返しの説明は省略する。
【0091】図1は、本発明の一実施の形態に係るコー
ンビームX線断層撮影装置の概略構成を示すブロック図
であり、1は計測部、2はデータ処理部、3は走査機構
部(回転手段)、4はX線源、5は2次元検出器(2次
元X線撮像手段)、6は被検体、7はX線、8は回転中
心軸、9は前処理部、10は画像歪み補正部(歪み補正
手段)、11は再構成演算部(画像再構成手段)、12
は画像化手段、15は視野はみ出し補正部、16は視野
境界検出手段、17は外挿演算手段、18は画像歪み補
正テーブル作成部(歪み補正テーブル作成手段)、20
は画像歪み補正テーブル保管手段、21は画像歪み補正
テーブル発生手段、22は評価関数計算手段(連続性評
価手段)、23は閾値比較手段(条件判別手段)、24
は内装演算手段(歪み補正テーブル生成置換手段)を示
す。
【0092】なお、前記各手段および装置は公知のもの
を用いる。
【0093】図1において、計測部1はX線源4と、こ
のX線源4に対向する2次元検出器5と、X線源4およ
び2次元検出器5を被検体6の周りに回転中心軸8を回
転軸として回転させる走査機構部3とからなる。
【0094】なお、X線源4と2次元検出器5とは、走
査機構部3に固定されている。
【0095】データ処理部2は、前処理手段9、画像歪
み補正部10、再構成演算部11、画像化手段12、視
野境界検出手段16、および、外挿演算手段17からな
り、2次元X線検出器5で撮影した被検体6の体軸方向
と垂直な方向から撮影したX線透視画像から、被検体6
のX線吸収係数の3次元的な分布データを反映する画像
を生成する。
【0096】画像歪み補正テーブル作成部18は、画像
歪み補正テーブル発生手段21、画像歪み補正テーブル
保管手段20、評価関数計算手段22、閾値比較手段2
3、および、内装演算手段24からなり、周知の手順で
撮影したホールチャート投影像を撮影した画像から図示
しない画像歪み補正テーブルを作成する。
【0097】走査機構部3は、X線源4とこのX線源4
に対向する2次元X線検出器5とを回転中心軸8の周り
に、回転させる周知の走査機構である。
【0098】X線源4は、円錐状のX線、いわゆる、コ
ーンビーム状のX線を照射する周知のX線源であり、図
示しないX線焦点をコーンビームの頂点とするX線を発
生して、照射する。
【0099】2次元X線検出器5は、周知の2次元X線
画像検出器であり、たとえば、周知のX線I.I.と周
知のテレビカメラとからなり、被検者6を透過したX線
の強度データを電気信号に変換する。
【0100】被検体6は、図示しない周知の寝台天板に
固定されている。
【0101】前処理部9は、図示しないA/D変換器に
よってデジタル信号に変換された2次元X線検出器5で
撮影したX線画像の暗電流バイアス、感度むら等の補正
を行った後、画像の再構成の前処理である、X線画像を
X線の減衰率の分布に変換するための周知の対数変換を
行うことにより、いわゆる投影データに生成する。
【0102】画像歪み補正部10は、周知の画像歪み補
正部であり、画像歪み補正テーブル保管手段20に格納
されている画像歪み補正テーブルに基づき、投影データ
の画像歪みを補正する。
【0103】再構成演算部11は、周知の再構成演算を
行う手段であり、たとえば、文献(2)の(L.A.Feldka
mp et al. Practical cone beam algorithm, J.Opt.So
c.Am.A,Vol.1,No.6, pp612-619, 1984)に記載されるフ
ェルドカンプの方法により、外挿演算手段17から出力
される投影データの再構成演算を行う。
【0104】画像化手段12は、周知の画像化手段であ
り、再構成演算手段13により得られたX線吸収係数の
分布データに対して、周知のボリュームレンダリング処
理あるいは最大値投影処理等の画像化処理を行うことに
より、X線吸収係数の分布データを人間の目で識別可能
な濃淡レベルの画像に変換し、図示しない表示手段に表
示する。
【0105】はみ出し補正部15は、視野境界検出手段
16と外挿演算手段17とからなる。
【0106】視野境界検出手段16は、画像歪み補正後
の投影データから、2次元検出器の5の撮影領域と撮影
領域外との境界部分である視野境界を検出するための手
段であり、詳細については後述する。
【0107】外挿演算手段17は、視野境界外の部分の
投影データを外挿演算によって生成する手段であり、詳
細については後述する。
【0108】画像歪み補正テーブル保管手段20は、画
像歪み補正テーブル発生手段21で計算したホールチャ
ート歪補正関数(画像歪み補正テーブル値)を、図示し
ない記憶手段(メモリ)に格納すると共に、画像歪み補
正部10が投影データの歪みを補正する場合に、図示し
ない記憶手段から変換関数を読み出す周知の手段であ
る。
【0109】また、画像歪み補正テーブル保管手段20
に格納される画像歪み補正テーブル値は、被検体6に対
するX線断層撮影の前段階において入力されるようにな
っており、本実施の形態では、X線源4を少なくとも1
回転させる間の投影角毎に得られる2次元検出器5から
のデータに基づいた値となる。
【0110】なお、前述する記憶手段は半導体メモリ、
磁気ディスク装置、光磁気ディスク装置、磁気テープ装
置等の書き換え可能な記憶手段であれば良いことはいう
までもない。
【0111】画像歪み補正テーブル発生手段21は、2
次元検出器5の前面にホールチャートを固定して撮影し
たホールチャート投影像を、ピンホールが格子点上に並
ぶように定めた補正後のホールチャート投影像へ変換す
るための画像歪み補正テーブル値を計算する手段であ
る。
【0112】評価関数計算手段22は、入力された一連
の画像歪み補正テーブル値を含む情報から、後述する評
価関数を計算し、この評価関数に相当する情報を閾値比
較手段23に出力する。
【0113】閾値比較手段23は、入力された評価関数
の関数値と特定の閾値とを比較し、関数値が閾値以上の
場合には、画像歪み補正テーブルは正しく作成されてい
ない、すなわち、連続性がないと判定し、その旨の情報
を内挿演算手段24に出力する。
【0114】内挿演算手段24は、入力された情報に基
づいて、正しく作成されていないと判断された画像歪み
補正テーブルの前後に位置する各画像歪み補正テーブル
の情報を、画像歪み補正テーブル保管手段20から読み
出し、これらの情報に基づく内挿演算(補間演算)によ
って、新たな画像歪み補正テーブルを作成する。
【0115】この画像歪み補正テーブルは、正しく作成
されていないと判定された画像歪み補正テーブルと置き
換えられ、画像歪み補正テーブル保管手段20内に格納
される。
【0116】図2は計測部1の幾何学的な関係を示す図
であり、3次元座標(x,y,z)は被検体6に固定さ
れている直交座標系、2次元座標(u,v)は2次元検
出器5に固定されている直交座標系である。
【0117】図2において、3次元座標(x,y,z)
は、z軸が回転中心軸8であり、X線源4および2次元
検出器5の設置された走査機構部3は、z軸を中心に回
転し、その回転角はwである。
【0118】2次元座標(u,v)は、v軸がz軸に平
行な軸、u軸が回転接線方向に平行な軸である。
【0119】次に、図3に画像歪み補正テーブル作成部
18の動作を説明するための図を記し、この図に基づい
て、従来のX線断層撮影装置と構成が異なる画像歪み補
正テーブル作成部18の動作を説明する。
【0120】画像歪み補正テーブル保管手段20に格納
されるデータとしては、図4に示すホールチャート19
を2次元検出器5の前面に固定し、このホールチャート
19の各孔のそれぞれの位置座標を検出できる、いわゆ
る、ホールチャート投影像である。
【0121】したがって、前処理部9を介して画像歪み
補正テーブル発生手段21には、図5に示すように、各
辺の中央部が内側に入り込むような形に歪んだホールチ
ャート投影像が、その投影に対応した投影角と共に順次
入力される。
【0122】このとき、画像歪み補正テーブル発生手段
21では、次に説明する処理がなされる。
【0123】まず、計測によって得られた投影像をPd
(U,V,k)と表すと、kは前述するように、投影の
際のX線源4および2次元検出器5すなわち走査機構部
3の位置(投影角)を表し、それらの各値を1、2、
…、Nkとする(ただし、Nkは全投影数である)。
【0124】U、Vは原画像上の座標であり、それぞれ
走査機構部3の回転方向と回転中心軸方向に平行であ
り、それらの各値は1、2、…、Nm、および、1、
2、…、Nn)である(Nm、Nnは2次元検出器5のマ
トリックス数である)。
【0125】一方、3次元再構成に用いるための画像歪
み補正済みの投影データをP(u,v,k)と表す。
【0126】このとき、u、vは投影データ上の座標で
あり、それぞれ走査機構部3の回転方向と回転中心軸方
向とに平行であり、このときの各値は、それぞれ1、
2、…、Ni、および、1、2、…、Njとする(Ni
jは投影データのマトリックス数であり、一般にNm
i、Nn=Njとして問題ない)。
【0127】このようにした場合、計測によって得られ
た投影像と画像歪み補正後の投影データとには、P
(u,v,k)=Pd(U(u,v,k),V(u,
v,k),k)という関係が成立することになる。
【0128】このとき、関数U(u,v,k)、V
(u,v,k)は画像歪みを表す関数であり、この関数
をu、v、kをインデックスとしてテーブル化してお
き、画像歪み補正に用いる。
【0129】これがコーンビームX線断層撮影装置にお
ける画像歪み補正テーブルとなり、前述する処理を被検
体6の全周分行い、得られた画像歪み補正テーブルを画
像歪み補正テーブル保管手段20に格納する。このとき
現実的に得られるk、u、v、U、Vは整数値である。
【0130】しかしながら、このようにして作成した画
像歪み補正テーブルの内には、前述するように、作成対
象となるホールチャート投影像を撮影する際のノイズの
混入等によって、信頼性のないものが含まれるという問
題がある。
【0131】よって、本実施の形態のX線断層撮影装置
では、特に、信頼性のない画像歪み補正テーブルを検出
し、この画像歪み補正テーブルを全くノイズの影響のな
いものに補正する処理が行われるようになっている。
【0132】図3に示すように、画像歪み補正テーブル
保管手段20に格納されている各投影角毎の画像歪み補
正テーブルから評価関数計算手段22が情報を順次取り
出し、この情報に基づいて、評価関数を計算し、この計
算結果である関数値を閾値比較手段23に入力してい
る。
【0133】閾値比較手段23では、入力された関数値
と予め設定されている特定の閾値とを比較し、関数値が
閾値以上であった場合には、画像歪み補正テーブルが正
しく作成されていない、すなわち、信頼性がないと判定
して、この判定結果を内挿演算手段24に通知する。
【0134】閾値比較手段24による関数値と特定の閾
値との比較においては、画像歪み補正テーブルが正しく
作成されている場合には、画像歪み補正テーブルU
(u,v,k)、V(u,v,k)は、u,v,kに対
して連続的に変化していると仮定できる。
【0135】これは、ある投影において、ノイズ等によ
り画像歪み補正テーブルが正しく作成されなかった場
合、U(u,v,k)、V(u,v,k)は特にk方向
に不連続に変化することになるのは明らかである。
【0136】したがって、画像歪み補正テーブルのk方
向の連続性を検査することで、画像歪み補正テーブルが
正しく作成されているか否かを判別できることになる。
【0137】この判別に際して、投影kに対して画像歪
み補正テーブルの正しさを評価する関数をval(k)
と表し、全投影分のval(k)を計算し、val
(k)が特定の閾値を越えない投影に対する画像歪み補
正テーブルは正しく作成されているとみなす。
【0138】ここで、評価関数val(k)の計算方法
の一例を次式(6)に示す。
【0139】
【数9】
【0140】この式は、注目する投影角kにおける各画
像歪み補正テーブル値について、投影角(k−1)、お
よび、投影角(k+1)との3投影間で分散を求め、こ
れを投影角kの全ピクセルについて合計することを意味
する。
【0141】なお、この評価関数はU方向の画像歪み補
正テーブルとV方向の画像歪み補正テーブルとをそれぞ
れ別々に評価していることから、それぞれvalU
(k)、valV(k)と表している。
【0142】ここで、k=1あるいはk=Nkの場合、
計算においてはそれぞれk=0あるいはk=Nk+1に
相当する投影が必要になるが、これらに相当する投影は
存在しないので、それぞれk=Nkあるいはk=1に相
当する投影に置き換えて計算することになる。投影は1
回転してもとの位置に戻るので、このことは容易に行え
る。
【0143】画像歪み補正テーブルは投影間で連続的に
変化するので、非連続的な変化があるとvalU
(k)、および、valV(k)は大きな値を示すこと
になり、この分散を求める際には、連続する4投影、あ
るいはそれ以上の数の投影から求めても良いことはいう
までもない。
【0144】この場合、大きな値を示すvalU
(k0)(あるいはvalV(k0))は、正しく作成さ
れていない画像歪み補正テーブルに対するものであるの
みでなく、その前後のvalU(k0−1)、valU
(k0+1)(valV(k0−1)、および、valV
(k0+1))も大きな値を示す。
【0145】したがって、連続するk=k0、k0+1、
…、k0+nに対して、valU(k)(valV
(k))が閾値を越えている場合は、その最初のk0
および、k0+nを除いた投影角k=k0+1、…、k0
+n−1における画像歪みテーブルが正しく作成されて
いないと判別され、正確な補正がなされることになる。
【0146】一方、正しく作成されていないと判別され
た投影の数は、全投影数に比べれば十分少ないことが予
想されるので、正しく作成されていないと判別された画
像歪み補正テーブルを個別に操作者が調べ、改めてその
正しさを判断してもよいことはいうまでもない。
【0147】図6は、正しく作成されなかった画像歪み
補正テーブルが含まれているときのvalU(k)をk
に対してプロットした図であり、この図からも明らかな
ように、正しく作成されなかった投影角k0の画像歪み
補正テーブルに対するvalU(k)は、他の正しく作
成された画像歪み補正テーブルのvalU(k)の値と
連続する変化とはならず、他より非常に大きな値とな
る。
【0148】また、特定の閾値(threshold
value)との比較においても、その閾値を越えるこ
とが明らかである。
【0149】前述するようにして、正しくないと判別さ
れた画像歪み補正テーブルは、内挿演算手段24に通知
され、内挿演算手段24が前後の画像歪み補正テーブル
から新たな画像歪み補正テーブルを生成し、正しくない
と判別された画像歪み補正テーブルと置き換える。
【0150】たとえば、投影角k0における画像歪み補
正テーブルが正しくないと判別され、これに対しk方向
の順番で最も近くにある正しい画像歪み補正テーブルが
投影角k1およびk2におけるものだとする(但しk1
0<k2)。
【0151】このとき、投影角k0における画像歪み補
正テーブルU(u,v,k0)、V(u,v,k0)を内
挿方法の一例である次式(7)によって求める。
【0152】
【数10】
【0153】なお、画像補正テーブルの内挿(補間)方
法としては、これ以外のより高次の補間演算を用いても
よいことはいうまでもない。
【0154】この後の手順は、被検体6を図示しない寝
台天板に固定した後、X線源4を回転させ、等分割され
た投影角毎に得られる画像情報を画像歪み補正部10で
補正する。
【0155】すなわち、画像歪み補正部10は画像歪み
補正テーブル保管手段20から対応する投影角の画像歪
み補正テーブルを読み出し、対応するピクセル毎に、た
とえば、4点のラグランジェ線形補間を用いた次式
(8)に従って、全ての(u、v、k)に対する画像歪
みの補正された投影データP(u,v,k)を計算し、
視野境界検出手段16に入力する。
【0156】このとき、画像歪み補正部10は補正前の
投影データが2次元検出器5の視野外となる領域に対す
る画像歪み補正後の投影データP(u,v,k)には、
ゼロを代入し、はみ出し補正部15の視野境界検出手段
16に入力する。
【0157】ただし、U、VはそれぞれU(u,v,
k)、V(u,v,k)を越えない最大の整数とする。
これは画像歪み補正方法を投影角を表すインデックスk
に関して拡張したものである。
【0158】
【数11】
【0159】視野境界検出手段16では、画像歪み補正
によって各投影データ毎に異なる形状に変形された2次
元検出器5の視野境界を検出するために、次に説明する
処理がなされるようになっている。
【0160】本実施の形態では、画像歪み補正部10か
ら入力される画像歪み補正後の投影データ毎に、u軸方
向に走査を行い、投影データがゼロとなる部分とそれ以
外の値となる部分を検出することにより、視野境界を特
定できる。
【0161】ここで、説明の便宜上、任意のj0、k0
対してi=1、2、…、Niとする一組の画像歪み補正
後の投影データP(i,j0,k0)を、スキャンライン
と称することとする。
【0162】ただし、iはu軸方向の点、j0はv軸方
向の任意の点、k0は投影角、Niは投影データのu軸方
向のデータ数であり、画像歪み補正後の投影データP
(u,v,k)と画像歪み補正後の投影データP(i,
j,k)とは同じである。
【0163】この場合の視野境界の検出は、画像歪み補
正済み投影データP(i,j,k)を1スキャンライン
毎にi方向に走査して行う。なお、iが小さい側の視野
境界を左端、大きい側の視野境界を右端と記すことにす
る。
【0164】このとき、まず、視野の左端を特定するた
めに、iを1から順に大きくしていき、ゼロでない値に
ぶつかるまでスキャンライン上を調べていくと、ゼロで
ない値が現われるので、そのスキャンライン上の視野の
左端の位置が特定できる。
【0165】このとき、もし、ゼロでない値にぶつから
ずに、i=Niまで達してしまった場合は、そのスキャ
ンライン全体が視野外にあることを意味する。
【0166】左端が見つかった場合には、次に、そのス
キャンライン上の視野の右端を検出するために、iをN
iから順に小さくしていき、ゼロでない値にぶつかるま
でスキャンライン上を調べていけばよい。
【0167】前述する手順によって、スキャンライン全
体が視野外にあるのでなければ、視野の左端および右
端、すなわち、視野境界が検出できる。
【0168】ただし、本実施の形態に示すように、画像
歪み補正部10において、視野外を示す値としてゼロを
用いると、視野と被検体6の関係によっては、視野内で
も投影データがゼロをとっている場合もあるので、この
ときには、正しい視野境界を検出できないことになる。
【0169】しかしながら、そのような場合において
も、検出された視野境界は被検体の輪郭部であるため、
ここを仮に視野境界位置として、後述するの外挿処理を
行っても実際には問題はない。
【0170】なお、本実施の形態においては、画像歪み
補正時に、視野外の部分にゼロを格納する例を説明した
が、視野内の投影値と区別できるような値、すなわち、
投影データ部には存在しない値であれば、ゼロ以外の値
でもよいことはいうまでもない。
【0171】この場合には、視野境界を検出するための
処理時に、この視野外を示す値でない値にぶつかるまで
スキャンライン上を走査していくことにより、視野境界
を検出できる。
【0172】視野境界検出手段16によって検出された
視野境界と、画像補正後の投影データとは、外挿演算手
段17に入力される。
【0173】このときの1スキャンライン分の投影デー
タの分布を示したのが図7であり、検出された視野境界
としては、左端がa、右端がbとなると共に、区間
[a,b]内が2次元検出器5の視野範囲内であり、画
像歪み補正後の投影データを示す。
【0174】また、図7において、cは回転中心軸(x
=y=0)をuv平面上に投影した直線とスキャンライ
ンとの交点を示している。
【0175】なお、簡単化のために、c=(a+b)/
2として計算した点と同じ点を用いてもよい。
【0176】外挿演算手段17は、視野外の領域で、視
野端a,bにおいて視野内の投影データと連続すると共
に、視野端a,bから所定の幅離れた点でゼロをとるよ
うな連続的な投影データを外挿処理によって生成する。
【0177】なお、前述するのコーンビーム再構成演算
におけるフィルタ処理は、i方向にのみ行われるので、
外挿演算手段17による外挿処理もi方向の連続性だけ
を考慮すればよく、以降、i方向の外挿のみを考えるも
のとする。
【0178】ここで、外挿演算手段17の外挿処理の一
実施例を示す。まず、i<aにある側の外挿データの発
生法を示すと、図8に示すように、外挿によって得られ
る曲線は、(1)直線i=c、および、i軸を軸とする
楕円であり、(2)点(a,P(a,j,k))、及
び、(3)点(a’,0)を通るものとする。
【0179】このとき、a’は外挿幅をDとすると、
a’=a−Dとして決定される。
【0180】前述する条件(1)を満たす楕円は、その
長径および短径をそれぞれA、Bとすると、次式(9)
によって求められる。
【0181】
【数12】
【0182】次に、この楕円が前述する条件(2)、
(3)を満たすためのA、Bは、次式(10)により求
められる。
【0183】
【数13】
【0184】次に、区間[a’,a)の外挿を次式(1
1)によって求める。
【0185】
【数14】
【0186】一方、区間(b,b’]に関しては、前述
する処理において、a、a’を、それぞれb、b’(但
し、b’=b+D)に置きかえることにより求めること
ができる。
【0187】以上に説明したように、外挿演算手段17
では、2次元検出器5の投影面上において、スキャナの
回転方向にu軸を、スキャナの回転中心軸に平行な方向
にv軸をとる時、k番目の投影の位置(u,v)におけ
る投影値をP(u,v,k)、任意のvに対する検出さ
れた視野の境界の位置を(a(v),v)、および、
(b(v),v)(但し、a(v)<b(v))とし
て、回転中心軸8の投影を直線u=c、外挿する一定幅
をDとして、視野外の領域u<a(v),b(v)<u
において、次式(12)によって、視野外の投影データ
を外挿する。
【0188】
【数15】
【0189】なお、前述した前処理、画像歪み補正処
理、外挿処理の各処理は、全投影データを得てから、一
括処理として行ってもよいことはいうまでもない。
【0190】しかしながら、フェルドカンプの方法によ
るコーンビーム再構成演算法によれば、1投影毎に再構
成演算を行うことができるので、撮影と並行して処理が
行えるという点で、1投影毎に前処理、画像歪み補正処
理、外挿処理を行う方式の方が優れていることはいうま
でもない。
【0191】さらには、前処理、画像歪み補正処理、外
挿処理および再構成演算は、1スキャンライン毎に処理
できるので、1スキャンライン毎に前処理−画像歪み補
正処理−外挿処理−再構成演算を行うことにより、外挿
処理済みの投影データを一時的に保管するために必要な
記憶手段の容量を、小規模にできるという効果がある。
【0192】また、1投影毎または1スキャンライン毎
に順番に処理を行うのではなく、各処理手段を多重化し
ておき、数投影分または数スキャンライン分を並行して
処理できることはいうまでもない。
【0193】また、本実施の形態では、a’、b’およ
び外挿後の投影データの幅を撮影に先立って任意に決定
できるので、外挿後の投影データの幅をフィルタ処理時
に都合のよい値、すなわち、フィルタ処理に使用される
高速フーリエ変換に最も適した値に設定することによ
り、高速なフィルタ処理を行うことができる。
【0194】外挿演算に、より高次の関数を用いてもよ
いことはいうまでもない。
【0195】また、コーンビームX線断層撮影撮影装置
によっては、撮影時にいくつかの撮影モードを切替えて
2次元検出器5の視野を変化させることができるように
構成されている場合もあるが、本実施の形態の方法によ
れば、このような撮影条件の変更にかかわらず、全く同
じ処理を行うことができるという効果がある。
【0196】以上説明したように、本実施の形態のX線
断層撮影装置によれば、まず、画像歪み補正テーブルを
作成した後に、評価関数計算手段が計算した画像歪み補
正テーブルの連続性を示す関数値が、所定の値以上であ
るか否から、画像歪み補正テーブルの連続性を判定し、
連続性がないと判定された画像歪み補正テーブルに関し
ては、正常でない画像歪み補正テーブルであるとみな
し、内挿演算手段がその画像歪み補正テーブルの両隣の
正常と判定された画像歪み補正テーブルから新たな画像
歪み補正テーブルを生成した後、この画像歪み補正テー
ブルを正常でない画像歪み補正テーブルと置換し、画像
歪み補正テーブル保管手段20に格納する。
【0197】したがって、ノイズに全く影響されない画
像歪み補正テーブルを作成できる。
【0198】次に、X線源4を被検体6の全周に回転さ
せて得られた投影データに、まず、前処理を行い、次
に、画像歪み補正テーブル保管手段20に格納される画
像歪み補正テーブルに基づき、投影データの画像歪みの
補正を行う。
【0199】この時、2次元検出器5の撮像領域外とな
る部分には、特定の値としてゼロ値を代入しておく。
【0200】次に、視野境界辺出手段16で補正後の投
影データの視野境域を検出し、この結果に基づいて、外
挿演算手段17が投影データと連続すると共に、所定の
幅のデータを外挿演算によって生成し、このデータを撮
像領域の投影データに付加したデータを投影データとし
て、再構成演算を行うことにより、信頼性の高い断層画
像を生成することができる。
【0201】また、投影データ毎に視野境界位置が容易
に特定できると共に、被検体の輪郭形状や大きさ、2次
元検出器5の視野の大きさに依存することなく、安定し
た処理ができる。
【0202】なお、本実施の形態では、コーンビームX
線断層撮影装置について説明したが、必ずしもこの装置
に限定されることはないことはいうまでもない。
【0203】以上、本発明者によってなされた発明を、
前記発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本
発明は、前記発明の実施の形態に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能で
あることは勿論である。
【0204】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記の通りである。
【0205】(1)投影データ上の視野境界位置を投影
毎に検出でき、被検体の輪郭形状や大きさや撮影時の2
次元検出器の視野の大きさに依存せずに、安定した処理
ができる。
【0206】(2)ノイズによって影響されることのな
い画像歪み補正テーブルを作成できるので、信頼性のあ
る画像再構成ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のX線断層撮影装置の概
略構成を示すブロック図である。
【図2】計測部の幾何的な関係を説明するための図であ
る。
【図3】画像歪み補正テーブル作成部の動作を説明する
ための図である。
【図4】ホールチャートのピンホール配置を示す図であ
る。
【図5】画像歪みを持つホールチャート投影像上のピン
ホール像の配置を示す図である。
【図6】評価関数valU(a)の変化を示す図であ
る。
【図7】1スキャンライン分の投影データの分布を示し
た図である。
【図8】外挿された投影データの分布を示す図である。
【図9】従来のX線断層撮影装置の概略構成を示すブロ
ック図である。
【符号の説明】
1…計測部、2…データ処理部、3…走査駆動部、4…
X線源、5…2次元検出器、6…被検体、7…コーンビ
ーム状X線、8…回転中心軸、9…前処理部、10…画
像歪み補正部、11…再構成演算部、12…画像化手
段、15…視野はみ出し補正部、16…視野境界検出手
段、17…外挿演算手段、18…画像歪み補正テーブル
作成部、19…ホールチャート、20…画像歪み補正テ
ーブル保管手段、21…画像歪み補正テーブル発生手
段、22…評価関数計算手段、23…閾値比較手段、2
4…内挿演算手段。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コーンビーム状にX線を照射するX線源
    と、該X線源に対向して配置され、被検体をX線で撮像
    する2次元X線撮像手段と、前記X線源と前記2次元X
    線撮像手段とを被検体の周囲に回転させる回転手段と、
    前記2次元X線撮像手段が撮影した撮像データの歪みを
    補正する歪み補正手段と、該歪み補正手段によって補正
    された撮像データから画像再構成を行う画像再構成手段
    とを具備するX線断層撮影装置であって、 前記歪み補正手段によって補正された撮像データから前
    記2次元X線撮像手段の視野の境界に該当する視野境界
    部を検出する境界位置検出手段と、前記視野境界部から
    所定の幅で撮像データを生成する外挿演算手段とを具備
    し、歪み補正後の撮像データに前記外挿手段によってデ
    ータが追加された撮像データから画像再構成を行うこと
    を特徴とするX線断層撮影装置。
  2. 【請求項2】 前記歪み補正手段は、補正後の撮像デー
    タの前記2次元X線撮像手段の視野外の撮像データから
    得られた部分に、予め定められた設定値を代入し、補正
    後の撮像データとすることを特徴とする請求項1に記載
    のX線断層撮影装置。
  3. 【請求項3】 前記設定値は、ゼロ値であることを特徴
    とする請求項2に記載のX線断層撮影装置。
  4. 【請求項4】 前記境界位置検出手段は、前記2次元X
    線撮像手段の回転方向に平行となる方向に歪み補正後の
    前記撮像データを順次走査していき、前記設定値でない
    値が表われた点を視野境界部として検出することを特徴
    とする請求項2もしくは3に記載のX線断層撮影装置。
  5. 【請求項5】 前記外挿演算手段は、前記視野境界部が
    検出された前記歪み補正後の撮像データに対して、前記
    2次元X線撮像手段の回転方向と平行となる方向に、前
    記視野境界部から視野外の領域に向かって前記所定の幅
    だけ撮像データを生成することを特徴とする請求項1な
    いし4のいずれか1項に記載のX線断層撮影装置。
  6. 【請求項6】 前記外挿演算手段は、前記視野外の領域
    に生成した撮像データが前記視野内の撮像データと連続
    し、前記視野境界部から前記視野外に所定の幅だけ離れ
    た点で、ゼロをとる楕円の弧の一部分となるように撮像
    データを生成することを特徴とする請求項5に記載のX
    線断層撮影装置。
  7. 【請求項7】 前記外挿演算手段は、前記2次元X線撮
    像手段の撮像面上において、その回転方向にu軸を、回
    転中心軸に平行な方向にv軸をとる時、k番目の撮像の
    位置(u,v)における投影値をP(u,v,k)、任意の
    vに対して検出された前記視野境界部の位置を(a
    (v),v)、および、(b(v),v)(但し、a(v)<b
    (v))とし、前記回転中心軸の投影を直線u=c、撮像
    データを生成する所定の幅をDとして、前記視野外の領
    域u<a(v)、b(v)<uにおいて、次式(1)によっ
    て、前記視野外の前記撮像データを生成することを特徴
    とする請求項6に記載のX線断層撮影装置。 【数1】
  8. 【請求項8】 コーンビーム状にX線を照射するX線源
    と、該X線源に対向して配置され、被検体をX線で撮像
    する2次元X線撮像手段と、前記X線源と前記2次元X
    線撮像手段とを被検体の周囲に回転させる回転手段と、
    前記2次元X線撮像手段が撮像した撮像データの画像歪
    みを補正するための歪み補正テーブルを作成する歪み補
    正テーブル作成手段と、該歪み補正テーブルに基づいて
    前記撮像データの画像歪みを補正する歪み補正手段と、
    該歪み補正手段によって補正された撮像データから画像
    再構成を行う画像再構成手段とを具備するX線断層撮影
    装置であって、 前記歪み補正テーブル作成手段は、前記X線源の1回転
    における分割された微小角度毎に複数の歪み補正テーブ
    ルを作成する手段と、該手段により作成された一連の歪
    み補正テーブルの連続性を評価する連続性評価手段と、
    連続性が阻害されている歪み補正テーブルをその両隣の
    歪み補正テーブルに基づいて作成した新たな歪み補正テ
    ーブルに置き換える歪み補正テーブル生成置換手段とを
    具備することを特徴とするX線断層撮影装置。
  9. 【請求項9】 前記連続性評価手段は、前記2次元X線
    撮像手段の撮像面上において、その回転方向にu軸を、
    回転中心軸に平行な方向にv軸をとり、k番目の前記歪
    み補正テーブルをそれぞれU(u,v,k)、および、
    V(u,v,k)(但し、k=1、2、…、Nk、u=
    1、2、…、Ni、v=1、2、…、Nj)とした場合、
    前記k方向に隣接する前記歪み補正テーブル間の相関を
    計算し、この計算結果に基づいて、隣接する前記歪み補
    正テーブルの連続性を評価することを特徴とする請求項
    8に記載のX線断層撮影装置。
  10. 【請求項10】 前記連続性評価手段は、kを任意の自
    然数とした次式(2)にしたがい、valU(u,v,
    k)、および、valV(u,v,k)を評価関数と
    し、しかも、その演算にあたってはK+1がk=1、
    2、…、Nkの範囲をはみ出る場合に、1、2、…、Nk
    が循環されたものとして適用させることを特徴とする請
    求項9に記載のX線断層撮影装置。 【数2】
  11. 【請求項11】 前記連続性評価手段は、前記評価関数
    によって計算された値が特定の条件を満たすか否かを判
    別する条件判別手段を具備することを特徴とする請求項
    9もしくは10に記載のX線断層撮影装置。
  12. 【請求項12】 前記連続性評価手段は、特定の条件と
    して、前記評価関数によって計算された値が所定の閾値
    より大きいか否かを条件とすることを特徴とする請求項
    11に記載のX線断層撮影装置。
  13. 【請求項13】 前記連続性評価手段は、前記評価関数
    により計算された値が、連続したk=k0、k0+1、
    …、k0+nにおいて特定の閾値より大きな値である場
    合、k=k0+1、…、k0+n−1に対応するに歪み補
    正テーブルは連続性が阻害されていものと判定すること
    を特徴とする請求項9もしくは10に記載のX線断層撮
    影装置。
  14. 【請求項14】 前記歪み補正テーブル生成置換手段
    は、前記連続性評価手段により連続性が阻害されていも
    のと判定された歪み補正テーブルの直前の歪み補正テー
    ブルU(u,v,k1)、V(u,v,k1)、および、
    直後の歪み補正テーブルU(u,v,k2)、V(u,
    v,k2)から、新たな歪み補正テーブルU(u,v,
    k)、V(u,v,k)(但し、k=k0+1、…、k0
    +n−1、k1<k0+1、k0+n−1<k2)を、次式
    (3)の演算によって生成することを特徴とする請求項
    8ないし13のいずれか1項に記載のX線断層撮影装
    置。 【数3】
  15. 【請求項15】 コーンビーム状にX線を照射するX線
    源と、該X線源に対向して配置され、被検体をX線で撮
    像する2次元X線撮像手段と、前記X線源と前記2次元
    X線撮像手段とを被検体の周囲に回転させる回転手段
    と、前記2次元X線撮像手段が撮像した撮像データの画
    像歪みを補正するための歪み補正テーブルを作成する歪
    み補正テーブル作成手段と、該歪み補正テーブルに基づ
    いて前記撮像データの画像歪みを補正する歪み補正手段
    と、該歪み補正手段によって補正された撮像データから
    画像再構成を行う画像再構成手段とを具備するX線断層
    撮影装置であって、 前記X線源の1回転における分割された微小角度毎に複
    数の歪み補正テーブルを作成する手段、該手段により作
    成された一連の歪み補正テーブルの連続性を評価する連
    続性評価手段、および、連続性が阻害されている歪み補
    正テーブルをその両隣の歪み補正テーブルに基づいて作
    成した新たな歪み補正テーブルに置き換える歪み補正テ
    ーブル生成置換手段からなる前記歪み補正テーブル作成
    手段と、 前記歪み補正手段によって補正された撮像データから前
    記2次元X線撮像手段の視野の境界に該当する視野境界
    部を検出する境界位置検出手段と、前記視野境界部から
    所定の幅で撮像データを生成する外挿演算手段とを具備
    し、歪み補正後の撮像データに前記外挿手段によってデ
    ータを追加された撮像データから画像再構成を行うこと
    を特徴とするX線断層撮影装置。
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