JPH0962335A - ソフトフローティング機能を用いた位置教示方法 - Google Patents

ソフトフローティング機能を用いた位置教示方法

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JPH0962335A
JPH0962335A JP24389495A JP24389495A JPH0962335A JP H0962335 A JPH0962335 A JP H0962335A JP 24389495 A JP24389495 A JP 24389495A JP 24389495 A JP24389495 A JP 24389495A JP H0962335 A JPH0962335 A JP H0962335A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な操作でロボットに正確に位置を教示す
ること。 【解決手段】 目標とする教示位置Bに対するアプロー
チ点として適当な位置Aへロボットをジョグ移動させて
一旦停止させ、アプローチ点Aを位置教示する。ロボッ
トをアプローチ点Aに停止させた状態で、ソフトフロー
ティング機能を有効化させ、位置ループと速度ループの
ゲインンKp ,Kv を下方調整する。ソフトフローティ
ング機能を有効化したまま、目標教示点Bへ向けて手動
操作でロボットを移動させ、ロボットハンド31に装着
されたエンドエフェクタ32の先端33を目標教示点B
に対応するワークW面に対して押し付ける。押し付け完
了指令を入力すると、設定されたサーボ制御の剛性に対
応した押し付け力とこれに対する反力がバランスした位
置がロボットコントローラに取り込まれ、目標とする教
示点Bの位置教示が完了する。工作機械の把持機構な
ど、外部機器側の引き込み力を利用して、目標教示点B
の位置を獲得することも出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は産業用ロボット(以
下、単に「ロボット」と言う。)の位置教示方法に関
し、更に詳しく言えば、ソフトフローティング機能を用
いることにより、外力を利用して正確に教示位置を定め
ることが出来るようにした位置教示方法に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、ロボットの制御方式は、ロボット
の各軸のモータをサーボ制御系を用いて位置制御する方
式が最も一般的である。また、これらのロボット制御に
おいては、正確な位置決めが要求されるために、通常、
サーボ制御系に高い剛性が与えられている。ロボットを
手動操作して位置教示を行なう場合にも、サーボ制御系
に高い剛性を与えた状態で行なわれることが多い。
【0003】ところが、このような剛性の高いサーボ制
御系によって制御されているロボットの一部やハンド、
あるいはそこに把持されたワーク、工具等が周辺の物体
に遭遇・接触(干渉)した場合、ロボットのツール先端
点は障害物に抗して目標位置に向かって移動を強行しよ
うとすることになる。その結果生じる干渉力は、ロボッ
トの機構部、ハンド、把持ワーク、工具あるいは周辺物
体を破損する原因となる。
【0004】ロボットの剛性を下げた状態でロボットを
動作させる方式もあり、ソフトフローティングと呼ばれ
ている。しかし、従来のソフトフローティングの機能
は、主に再生運転時に利用されるもので、ロボットを手
動操作しながらティーチングプレイバック方式による教
示時にこのソフトフローティング機能を効果的に利用す
る具体的な手法は未提案であった。
【0005】なお、本発明の方法に類似した手法として
リードスルーティーチと呼ばれる教示方法が知られてい
るが、この方法はロボットの手先部(ティーチングハン
ドル)に人為的な力を加え、この外力を打ち消す方向に
ロボットを移動させる制御を行なうものである。即ち、
リードスルーティーチは、「能動的」に外力を打ち消す
方向へロボットを移動させる制御を教示時に適用するも
のである。これに対して、以下に説明するように、本発
明では、「受動的」に外力を打ち消す方向へロボットを
移動させる制御が教示時に適用される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ロボ
ットを手動操作しながら行なうティーチングプレイバッ
ク方式による教示について、干渉力による障害の発生を
避けながらロボットに正確に位置を教示出来るようにし
た、ソフトフローティング機能をすることである。
【0007】また、本発明は、そのことを通して、ロボ
ットの教示作業の負担を軽減し、各種のロボット作業の
精度と安全性を向上させることを企図するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ロボットを目
標とする教示点位置の手前に設定されるアプローチ点で
停止させ、ソフトフローティング有効化時の重力補償に
必要な情報を得た上でソフトフローティング有効化する
ようにし、更に、目標とする教示点の位置を獲得するに
あたっては、押し付けに対する反力または引き込み力を
利用することによって、上記課題を解決した。
【0009】押し付けは、ソフトフローティング機能の
有効状態を維持しながら、目標とする教示点に対応した
外部物体(ワークなど)面へ向けて手動操作によってロ
ボットを押し付けるように行なわれる。そして、押し付
けの完了をロボットコントローラに入力することで、ロ
ボットの収束位置が目標教示点位置としてロボットコン
トローラ内に記憶される。
【0010】また、工作機械の把持機構などの外部機器
による引き込み力が利用出来る場合には、ソフトフロー
ティング機能の有効状態を維持しながら、ロボットを目
標とする教示点に対応した外部機器からの力の作用を利
用して引き込むように移動させる。この引き込みは、ア
プローチ点から開始しても良いが、多少の手動操作によ
る移動後に開始しても良い。
【0011】そして、押し付けの完了をロボットコント
ローラに入力することで、ロボットの収束位置が目標教
示点位置としてロボットコントローラ内に記憶される。
【0012】ソフトフローティング有効化時には、位置
ループのゲインKp と速度ループのゲインKv が下方調
整されるが、その条件は、例えば教示操作盤の付属ディ
スプレイを用いて予め画面入力されるようにすることが
好ましい。
【0013】ソフトフローティング機能の有効期間中の
重力補償は、ロボットの各軸のサーボモータを制御する
サーボ制御系の速度ループの速度指令vc に対して重力
補償項Tg を継続して足し込まむ処理を実行すること実
行される。
【0014】この重力補償項Tg は、ロボットが静止状
態にある時に記憶された速度ループ内の積分項(Kg /
s;但し、Kg は積分器のゲイン、sはラプラス演算
子)に基づいて定められる。
【0015】
【作用】本発明は、手動操作時にソフトフローティング
機能を用いることで、ロボットに押し付けまたは引き込
みの外力を受動的に作用させて教示位置を獲得する点に
基本的な特徴がある。そこで、先ず、ソフトフローティ
ング機能の概略とソフトフローティング機能の有効化時
にトルク不足状態を補償するための処理について説明す
る。
【0016】一般に、ロボットは、位置制御ループ及び
速度制御ループを有するサーボ制御系によって制御され
ている。図1は、その基本形を示したブロック図で、符
号1は位置ループゲインKp の項、符号2は速度ループ
ゲインKv の項をそれぞれ表わしている。また、符号
3,4はモータの伝達関数の項であり、3はトルク定数
Kt、4はイナーシャJの項である。更に、符号5はモ
ータ速度vを積分してモータ位置qを求める伝達関数で
ある。なお、sはラプラス演算子を表わしている。
【0017】ロボットコントローラの内部で作成される
移動指令rとモータ位置qより位置偏差eが算出され、
該位置偏差eに位置ループゲインKpを乗じて速度指令
vcが出力される。更に、速度偏差eが速度指令vc と
モータ速度vより算出され、この速度偏差eに速度ルー
プゲインKvを乗じてトルク指令tc が出力される。そ
して、該トルク指令tc に応じた駆動電流がモータに供
給される。なお、速度ループの制御においては、P制御
に代えてPI制御またはIP制御が適用される場合もあ
る。
【0018】一般に、ソフトフローティング機能は、ロ
ボットコントローラ内でホストCPUが、位置ループの
ゲインKp と位置ループのゲインKv を通常モード時の
値からより低い値に低下させる指令をサーボ制御系へ送
ることで有効化される。これらゲインKp ,ゲインKv
が下方に調整されると、ロボットに外力が作用しても、
速度指令Vc とトルク指令tc の増大が抑制される。
【0019】しかし、図1に示した系をそのまま用いて
ゲインKp ,ゲインKv を大幅に低下させると、当然、
重力作用などのためにトルクが不足状態となることが考
えられる。従って、このようなトルク不足状態を補償す
るための処理が必要となる。
【0020】図2は、図1に示した基本形のブロック図
に、トルク不足状態を補償するための公知の処理を表わ
すブロックを書き加えたブロック図である。同図に示し
たように、速度指令vc に対して、トルク不足分を補償
する積分項6(Kg /s;但し、Kg は積分器のゲイ
ン)を設け、速度指令vc を入力とする速度ループ処理
で計算されるトルクtc に足し込まれる。
【0021】更にこの積分項6(Kg /s)には、重力
分のトルクが溜る性質があり、ソフトフローティング機
能による制御開始時の積分項6(Kg /s)の溜りを、
重力分のトルクTg として、ソフトフローティング機能
による動作中の重力方向の補償のために足し込むことが
行なわれる。
【0022】このようなTg の決め方を採用する場合、
ソフトフローティング機能による制御開始時の積分項6
(Kg /s)の溜りは重力方向(鉛直方向)である必要
がある。そのためには、ソフトフローティング機能有効
化時にロボットが静止していれば良い。
【0023】一方、位置教示作業においては、目標とす
る教示位置の手前側でアプローチ点の教示を行なうこと
が殆どである。そして、このアプローチ点では、当然ロ
ボットが一旦停止される。本発明は、このアプローチ点
における条件(一旦は、静止状態となること)が、上述
した重力分を含むトルク不足補償処理が適正に機能する
条件に合致している点に着目した。
【0024】即ち、本発明では、アプローチ点から目標
とする教示位置へ向かうアプローチ動作の開始時にソフ
トフローティング機能が有効化される。従って、本発明
の方法によれば、上記積分項6(Kg /s)の溜りを重
力方向(鉛直方向)のトルクと極めて良く一致し、フロ
ーティング機構有効化中の重力補償が正確に行なわれる
ことになる。
【0025】その結果、フローティング機構有効化中の
ロボットに押し付けまたは引き込みの外力が働くと、ロ
ボットは円滑に外力を打ち消す方法に受動的に移動す
る。この受動的移動の完了点で教示位置を獲得すれば、
適度の押し付け力または引き込み力が作用した状態で安
定した位置教示が達成される。また、重力落下をおそれ
ること無く、位置ループ、速度ループのゲインKp ,ゲ
インKv を十分低い値に低下させることも出来るので、
壊れ易いハンド、エンドエフェクタ、周辺機器等を使用
するアプリケーションにおいても、干渉力による事故が
発生するおそれが無くなる。
【0026】
【発明の実施の形態】図3は、本発明を実施する際に使
用されるロボットコントローラの概略構成を要部ブロッ
ク図で例示したものである。先ず、ソフトフローティン
グサーボ制御に直接関係のある部分から説明すると、符
号10はシステム全体を制御するホストコンピュータを
表わしている。符号16は、ホストコンピュータ10か
ら出力される移動指令や制御信号をディジタルサーボ回
路17のプロセッサに引渡し、あるいは、逆にディジタ
ルサーボ回路17のプロセッサからの各種信号をホスト
コンピュータ10に引き渡すための共有RAMメモリを
表わしている。
【0027】サーボ制御を実行するディジタルサーボ
(ソフトウェアサーボ)回路17は、プロセッサ、RO
M、RAM等のメモリ等で構成される。符号18は、ロ
ボット30における各軸のサーボモータの位置のフィー
ドバック値、速度のフィードバック値、電流のフィード
バック値等が書き込まれる帰還レジスタを表わしてい
る。
【0028】他の部分について見ると、ホストCPU1
0にはバスライン19を介してROM11、RAM1
2、不揮発性メモリ13、外部装置40とのインターフ
ェイスの役割を果たす入出力装置(I/O)14、教示
操作盤20とのインターフェイス(I/F)15が接続
されている。ROM11には、各種のシステムプログラ
ムが格納される。RAM12は、ホストCPU10によ
るデータの一時記憶に使用されるメモリである。不揮発
性メモリ13には、ロボット30及び外部装置40の動
作内容に関する各種プログラム、関連設定値等が格納さ
れる。
【0029】教示操作盤20は、液晶ディスプレイ(L
CD)及びキーボードKBを備え、プログラム再生運転
指令、ジョグ送り指令、プログラムデータの入力/変
更、関連設定値入力/変更に加え、後述する態様でソフ
トフローティングサーボの柔らかさを設定するための設
定画面の呼出等が可能となっている。
【0030】入出力装置14に接続される外部装置は、
アプリケーションによって異なる。例えば、ワークの把
持を伴う作業であればロボットハンド、バリ取り加工で
あればバリ取りツール(電源等を含む。)が入出力装置
14に接続される。
【0031】本発明の方法は、(1)押し付けによる反
力を利用して教示位置を獲得するケースと、(2)外部
機器の引き込み力を利用して教示位置を獲得するケース
のいずれについても適用が可能である。以下、これらの
ケースについて、必要な準備作業、ロボットの操作手
順、ロボットコントローラRC内で実行される処理の概
要について説明する。
【0032】1.先ず、教示操作盤20のキーボードK
Bを操作して、「サーボ柔らかさ設定画面」をLCD上
に呼出し、ソフトフローティングサーボの柔らかさを各
軸毎に設定する。設定は、図4に例示したように、予め
用意された条件#1,#2・・・の中から選択する形式
で行なわれることが好ましい。各条件について記されて
いる%表示の数値は、通常モードにおける位置ループゲ
イン、速度ループゲインKp ,Kv に対する割合を表わ
している。各数値の大きさは、空間内の各方向(例えば
ベース座標系上のXYZ各軸方向)について必要とされ
る柔らかさを考慮して決定されたものが用意される。図
4に示した例では、条件#3が画面入力で設定される。
【0033】2.教示操作盤20のキーボードKBを操
作して、目標とする教示位置に対するアプローチ点とし
て適当と判断される位置へロボットをジョグ移動させ、
停止(位置決め)させる。更に、教示操作盤20のキー
ボードKBを操作して、この位置をアプローチ点として
位置教示する。なお、アプローチ点が教示済みの場合に
は、アプローチ点までの移動は再生運転で行なっても良
い。
【0034】3.ロボットをアプローチ点に停止(位置
決め)させた状態で、教示操作盤20のキーボードKB
操作してソフトフローティング機能を有効化させる。す
ると、設定条件に従ってディジタルサーボ回路17の位
置ループゲインKp と速度ループゲインKv が下方調整
される。図4に示したように条件#3を設定した場合に
は、ホストCPU10から第1,2,3,4,5,6軸
についてそれぞれ通常モード時の10,20,30,1
0,10,10%のゲインに切り換える指令が出力され
る。
【0035】4.ソフトフローティング機能を有効に維
持したまま、ロボットを目標とする教示点へ向けて手動
操作(ジョグ送り)による移動を開始させる。ここで注
意すべきことは、高い剛性を保ったままの位置教示の場
合と異なり、ロボット目標とする教示点の位置は必ずし
も厳密である必要はないと言うことである。最終的な教
示点位置は外力を利用して定められる。外力の利用の仕
方は二通りあり、一つは押し付け力に対する反力を利用
する方法と、外部機器による引き込み力を利用する方法
である。いずれを利用するかは、アプリケーションによ
る。次の5−1で5−2で、各ケースについて例を参照
して説明する。
【0036】5−1.図5は、前者の押し付け力に対す
る反力を利用して教示位置を獲得する例について説明す
る図である。この方式で目標教示点の位置を獲得する場
合には、ロボットハンド31に装着されたエンドエフェ
クタ32の先端33を目標教示点Bに対応するワークW
面に対して押し付け気味にする。この動作はアプローチ
点Aで有効化されたソフトフローティング機能を引続き
有効に保ったまま、手動操作(ジョグキー操作)によっ
て行なわれる。
【0037】オペレータは、押し付けが十分に行なわれ
たと判断した時点で教示操作盤20を操作し、押し付け
完了指令をホストCPU10に送る。すると、設定され
たサーボ制御の剛性に対応した押し付け力とこれに対す
る反力がバランスした位置がロボットコントローラRC
内に取り込まれ、目標とする教示点Bの位置教示が完了
する。この方式は、外部機器側の引き込み力が存在しな
い一般の場合に適用可能であり、例えばワーク面に対し
て一定の関係(離隔距離、食い込み距離、押し付け力な
ど)で加工工具などのエンドエフェクタを押し付ける型
のアプリケーションに対して有効に用い得る。
【0038】5−2.図6は、外部機器側の引き込み力
が利用出来るケースについて説明する図である。同図に
おいて、符号50は例えば工作機械の把持機構を表わし
ており、この把持機能50にワークW’を把持させる動
作の教示に本発明の方法が適用される。
【0039】把持機構50は、矢印60及び70の方向
に可動なチャック51,52と、ワークW’に対する当
接面53を備えている。この場合、アプローチ点Aは、
図示されているように、把持機構50の有効範囲(ワー
クW’をチャック51,52で取り込める範囲)内に定
まることが望ましい。
【0040】その場合、アプローチ点Aにロボットを移
動させるまでの動作は、チャック51,52を開いた状
態(破線で表示)で行なわれる。アプローチ点Aで、ソ
フトフローティング機能を有効化されたならば、チャッ
ク51,52を閉じ、更に矢印70左方側へ向かってチ
ャック51,52を動かして、ワークW’に引き込み力
を作用させる。なお、チャック51,52の閉塞と引き
込みは、手動操作によりロボットをアプローチ点Aから
ある程度目標教示点Bに接近させてから行なっても良
い。特に、アプローチ点Aと目標教示点Bの間の距離が
大きい場合には、手動操作により目標教示点Bへ接近す
る移動指令を与え、サーボ制御系内で生じる位置偏差の
大きさとこれに応じて発生するトルクを抑制することが
好ましい。
【0041】引き込み過程を通してソフトフローティン
グ機能は有効に保たれていることにより、ワークW’に
作用する引き込み力がロボットに設定された剛性に対し
て不足しない限り、ロボットは図中左方向へ移動する。
この移動は、ワークW’が把持機構50の当接面53に
当接するまで続く。ワークW’の先端点QにTCP(ツ
ール先端点)が設定されている場合には、ワークW’の
当接が完了した時点で先端点Qが目標教示点Bに一致す
ることになる。
【0042】オペレータは、ワークW’の引き込み完了
と判断したならば、教示操作盤20を操作し、引き込み
完了指令をホストCPU10に送る。すると、チャック
51,52の引き込み力、設定されたサーボ制御の剛性
に対応した復元力(アプローチ点A方向へ作用する。)
並びに当接面53からの抗力がバランスした位置がロボ
ットコントローラRC内に取り込まれ、目標とする教示
点Bの位置教示が完了する。
【0043】このように、押し付け力を利用したケース
と引き込み力を利用したケースのいずれにおいても、ロ
ボットの位置を目標とする教示点Bに正確に一致させる
ような手動操作は要求されないので、オペレータの作業
負担は大幅に軽減される。
【0044】図7は、ソフトフローティング機能の有効
化前後から目標教示点Bの位置教示完了までの過程で実
行される処理の概要を記したフローチャートである。
【0045】アプローチ点にロボットを停止させた状態
でソフトフローティング有効化の指令を入力すると(ス
テップS1でイエス→ステップS2でイエス)、先ず、
各軸について、前出の積分器(Kg /s)に溜った重力
分のトルクがソフトフローティング有効化時の重力補償
項Tg として記憶される(ステップS3)。
【0046】次いで、各軸のサーボ制御系(ディジタル
サーボ回路17)で重力補償項TgTg の足し込みを開
始するとともに、位置ループゲインKp と速度ループゲ
インKv を設定条件通りに下方調整する(ステップS
5)。このゲイン調整により、ソフトフローティング機
能が有効化されサーボ制御系の剛性が低下するが、重力
補償項Tg の足し込みが継続されているので、ロボット
の落下は防止される。
【0047】ソフトフローティング機能が有効化後にジ
ョグキーを操作してジョグ移動指令が入力されると(ス
テップS1でイエス→ステップS2でノー→ステップS
6でイエス)、周知の方式でジョグ移動関連処理が実行
される(ステップS7)。これにより、例えば、図5あ
るいは図6のケースにおけるアプローチ点Aから目標教
示位置Bへの接近動作が達成される。但し、設定された
剛性に打ち勝つような外力が作用した場合には、ロボッ
トは移動指令通りの動きは実現されない。
【0048】即ち、図5のケースにおける押し付け、あ
るいは図6のケースにおけるチャック51,52の引き
込み動作が行なわれると、ロボットはバランス位置に収
束しようとする動きをする。十分な押し付け、あるいは
引き込み(ワークW’の当接面53への当接)が行なわ
れたとオペレータが判断した時点で、押付/引き込み完
了指令を入力すると(ステップS1でイエス→ステップ
S2でノー→ステップS6でノー→ステップS8でイエ
ス)、バランス位置への収束を確認した上で(ステップ
S9でイエス)、ロボットの現在位置(収束位置)が目
標教示点Bの位置として記憶される(ステップS1
0)。
【0049】これによって、目標教示点Bの位置教示が
完了する。なお、バランス位置への収束の確認は、例え
ば、各軸の速度が実質0(微小値ε以下)を確認するこ
とで行えるが、適当に設定された時間経過で代用しても
良い。収束が良好であることが判っている場合には、ス
テップS9を省略することも出来る。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、ソフトフローティング
機能によって干渉力による障害の発生を避けながら、ソ
フトフローティング機能有効時に作用する外力を利用し
て、簡単な操作でロボットに正確に位置を教示すること
が出来る。その結果、ロボットの位置教示作業の安全性
と効率が改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】位置制御ループ及び速度制御ループを有するサ
ーボ制御系の基本構成を説明するブロック図である。
【図2】図1に示した基本形のブロック図に、トルク不
足状態を補償するための処理を表わすブロックを書き加
えたブロック図である。
【図3】重力を考慮した場合の本発明のサーボ系の構成
を示したブロック図である。
【図4】本発明を実施する際に使用されるロボットコン
トローラの概略構成を要部ブロック図で例示したもので
ある。
【図5】押し付け力に対する反力を利用して教示位置を
獲得する例について説明する図である。
【図6】外部機器側の引き込み力が利用出来るケースに
ついて、教示位置を獲得する手順を説明する図である。
【図7】実施形態における処理の概要を説明するフロー
チャートである。
【符号の説明】
1 位置ループゲインの項 2 速度ループゲインの項 3,4 モータの伝達関数の項 5 モータ速度からモータ位置を求める伝達関数 6 重力分を補償する積分項 10 ホストCPU 11 ROM 12 RAM 13 不揮発性メモリ 14 入出力装置 15 インターフェイス 16 共有RAM 17 ディジタルサーボ回路 18 帰還レジスタ 19 バスライン 20 教示操作盤 30 ロボット 31 ロボットハンド 40 外部装置 50 把持機構 51,52 チャック 53 当接面 60,70 チャックの運動方向 KB キーボード A アプローチ点 B 目標教示点 W,W’ ワーク

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロボットコントローラによって制御され
    るロボットを目標とする教示位置の手前のアプローチ点
    で停止させる段階と、 前記ロボットを停止させた状態でソフトフローティング
    機能を有効化する段階と、 前記ソフトフローティング機能の有効状態を維持しなが
    ら、前記ロボットを目標とする教示点へ向けて手動操作
    によって移動させる段階と、 前記ソフトフローティング機能の有効状態を維持しなが
    ら、前記ロボットを目標とする教示点に対応した外部物
    体面へ向けて手動操作によって押し付ける段階と、 前記押し付けの完了を前記ロボットコントローラに入力
    する段階と、 前記ロボットの収束位置を目標教示点位置として前記ロ
    ボットコントローラ内に記憶する段階を含み、 前記ソフトフローティング機能の有効期間中には、前記
    ロボットの各軸のサーボモータを制御するサーボ制御系
    の速度ループの速度指令vc に対して重力補償項Tg を
    継続して足し込まむ処理が実行されるとともに、前記各
    軸のサーボモータを制御するサーボ制御系の位置ループ
    のゲインKp と速度ループのゲインKvが予め定められ
    た条件で下方調整されるとともに、 前記重力補償項Tg は、前記ロボットが静止状態にある
    時に記憶された前記速度ループ内に設けられた積分項
    (Kg /s;但し、Kg は積分器のゲイン、sはラプラ
    ス演算子)に基づいて定められる、ソフトフローティン
    グ機能を用いた位置教示方法。
  2. 【請求項2】 前記位置ループのゲインKp と速度ルー
    プのゲインKv の下方調整の条件が、前記ロボットコン
    トローラのマニュアル入力部に付属したディスプレイを
    用いて予め画面入力される、請求項1に記載されたソフ
    トフローティング機能を用いた位置教示方法。
  3. 【請求項3】 ロボットコントローラによって制御され
    るロボットを目標とする教示位置の手前のアプローチ点
    で停止させる段階と、 前記ロボットを停止させた状態でソフトフローティング
    機能を有効化する段階と、 前記ソフトフローティング機能の有効状態を維持しなが
    ら、前記ロボットを目標とする教示点に対応した外部機
    器からの力の作用を利用して引き込むように移動させる
    段階と、 前記引き込みの完了を前記ロボットコントローラに入力
    する段階と、 前記ロボットの収束位置を目標教示点位置として前記ロ
    ボットコントローラ内に記憶する段階を含み、 前記ソフトフローティング機能の有効期間中には、前記
    ロボットの各軸のサーボモータを制御するサーボ制御系
    の速度ループの速度指令vc に対して重力補償項Tg を
    継続して足し込まむ処理が実行されるとともに、前記各
    軸のサーボモータを制御するサーボ制御系の位置ループ
    のゲインKp と速度ループのゲインKvが予め定められ
    た条件で下方調整されるようになっており、 前記重力補償項Tg は、前記ロボットが静止状態にある
    時に記憶された前記速度ループ内に設けられた積分項
    (Kg /s;但し、Kg は積分器のゲイン、sはラプラ
    ス演算子)に基づいて定められる、ソフトフローティン
    グ機能を用いた位置教示方法。
  4. 【請求項4】 ロボットコントローラによって制御され
    るロボットを目標とする教示位置の手前のアプローチ点
    で停止させる段階と、 前記ロボットを停止させた状態でソフトフローティング
    機能を有効化する段階と、 前記ソフトフローティング機能の有効状態を維持しなが
    ら、前記ロボットを目標とする教示点へ向けて手動操作
    によって移動させる段階と、 前記ソフトフローティング機能の有効状態を維持しなが
    ら、前記ロボットを目標とする教示点に対応した外部機
    器からの力の作用を利用して引き込むように移動させる
    段階と、 前記引き込みの完了を前記ロボットコントローラに入力
    する段階と、 前記ロボットの収束位置を目標教示点位置として前記ロ
    ボットコントローラ内に記憶する段階を含み、 前記ソフトフローティング機能の有効期間中には、前記
    ロボットの各軸のサーボモータを制御するサーボ制御系
    の速度ループの速度指令vc に対して重力補償項Tg を
    継続して足し込まむ処理が実行されるとともに、前記各
    軸のサーボモータを制御するサーボ制御系の位置ループ
    のゲインKp と速度ループのゲインKvが予め定められ
    た条件で下方調整されるようになっており、 前記重力補償項Tg は、前記ロボットが静止状態にある
    時に記憶された前記速度ループ内に設けられた積分項
    (Kg /s;但し、Kg は積分器のゲイン、sはラプラ
    ス演算子)に基づいて定められる、ソフトフローティン
    グ機能を用いた位置教示方法。
  5. 【請求項5】 前記位置ループのゲインKp と速度ルー
    プのゲインKv の下方調整の条件が、前記ロボットコン
    トローラのマニュアル入力部に付属したディスプレイを
    用いて予め画面入力される、請求項3または請求項4に
    記載されたソフトフローティング機能を用いた位置教示
    方法。
  6. 【請求項6】 前記外部機器がワークの把持機構であ
    る、請求項3または請求項4に記載されたソフトフロー
    ティング機能を用いた位置教示方法。
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