JPH096227A - 幼児用教材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 幼児の描画活動を促し、描画活動を通して、
表現する意欲を育成し、造形的な想像力等の基礎的な能
力を養う。 【構成】 表面が平滑に形成され描画可能な基材シート
１と、基材シート１の表面に形成され、物体の絵図の少
なくとも一部を削除して空白部３とした一部空白絵図を
表す表示層２とを具備する。幼児は、この一部空白絵図
４をもとに、想像力を働かせ、空白部を補って絵図を完
成させることができるので、表現する意欲を満足させる
と共に、造形的な基礎能力を養うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、幼児用教材に関するも
のであり、特に、見る、感じる、考える、描く等の知的
能力を育てるための教材に適した幼児用教材に関するも
のである。当然、痴呆症の老人等の教材またはテスト用
としても使用できる。

【０００２】

【従来の技術】近年、教育の低年齢化が進み、幼児期か
らの教育が盛んになされている。

【０００３】しかし、幼児期における学習は、大人の社
会において遊びと対比させて言うところの勉強とは異な
り、遊びと切り離すことができないものである。幼児
は、遊ぶことを通して様々な体験を重ねながら心身の調
和のとれた発達の基礎を身につけていく。したがって、
幼児期の教育は、遊びを通した指導によってなされるこ
とが大切である。そのため、従来より、幼児用教材は、
学習材料であると同時に幼児の遊びを誘導する玩具とし
ての要素も備え、遊びを通して、幼児に育つことが期待
される心情、意欲、態度等の育成や、知識の獲得を促す
ものとして開発されてきている。

【０００４】そして、それらのなかには、造形活動とい
う遊びを通して、豊かな感性や表現する意欲の育成、及
び様々な知識の獲得を図ったものも多い。その代表的な
ものとしては、絵のなかに更に目立たないように描き込
まれた他の絵を見つける隠し絵や形探し、ばらばらにな
った断片を嵌め込んで一つの絵にするジグソーパズル
（はめ絵）、絵模様の輪郭だけを描いた紙で、これに着
色して遊ぶ塗り絵、種々の形状の木片を積み上げて色々
の物の形を造って遊ぶ積み木、色紙で鶴や風船などを折
って遊ぶ折り紙等がよく知られている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、幼児の造形
活動の一つに「絵遊び」がある。「絵遊び」としての描
画活動は、いろいろな機会に、いろいろな場所で行われ
ている。道端や砂浜での棒切れでの落書き、コンクリー
トの床や黒板でのチョークでの絵遊び等、至る所で幼児
は絵遊びをしている。描く場所、平面のある場所には、
幼児は何かを描いてみようとする。しかし、従来まで、
このような描こうとする幼児の欲求や活動を助けること
を図った教材は少なかった。

【０００６】そこで、本発明は、このような欲求や活動
を誘導するきっかけと材料を幼児に与えて、自発的な描
画活動を促し、幼児が自ら表現を楽しみ、表現する意欲
を満足させると共に、描画活動を通して、造形的な想像
力、構想力、表現力等の基礎的な能力を養うための幼児
用教材の提供を課題とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１にかかる幼児用
教材は、表面が平滑に形成された描画可能な基材シート
と、基材シートの表面に形成され、有形物を描いた絵図
の少なくとも一部を削除して空白部とした一部空白絵図
を表す表示層とを具備するものである。

【０００８】

【作用】請求項１においては、表面が平滑に形成された
描画可能な基材シートと、基材シートの表面に形成さ
れ、有形物を描いた絵図の少なくとも一部を削除して空
白部とした一部空白絵図を表す表示層とを具備し、幼児
は一部空白絵図をきっかけとして想像力を働かせ、削除
され空白部とされた部分の形象を想像し、それを空白部
に自由に描き込むことができる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説
明する。

【００１０】［第一実施例］図１は本発明の第一実施例
にかかる幼児用教材を示す平面図である。

【００１１】図１において、本実施例の幼児用教材は、
表面が平滑に形成された描画可能な基材シート１と、基
材シート１の表面に形成され、物体の絵図の少なくとも
一部を削除して空白部３とした一部空白絵図４を表す表
示層２とからなっている。

【００１２】具体的には、本実施例では、この基材シー
ト１は、本幼児用教材の基板となる土台を形成するもの
で、シート状に形成された板紙からなる。この基材シー
ト１である板紙は、幼児による取扱いに耐えるように、
ある程度の厚みと、折り曲げ、引裂、破裂等に対するあ
る程度の強度を有する。また、その表面は平滑緻密で、
更に、適度の弾性と表面硬度及び不透明度を備え、その
表面に鮮明に印刷を施すことができるものである。した
がって、その表面に、表示層２を良好に形成することが
できるものである。

【００１３】また、この表示層２は一部空白絵図４を表
す印刷層である。そして、本実施例では、この一部空白
絵図４の描画対象となる物体として、図１のように、幼
児が日常生活の中で関心を向けやすい野菜、航空機、小
動物、自動車の中から幾つか取り上げている。以下、こ
れを順に説明する。

【００１４】まず、図１において、基材シート１の表面
右上に形成されている一部空白絵図４は、キュウリを描
画対象としたもので、実線及び点線で示したキュウリの
絵図から、点線で示す部分を削除し、空白部３としたも
のである。なお、この点線は、実際の幼児用教材には示
されておらず、基材シート１には実線で示すキュウリの
上端部分のみが印刷されている。また、この一部空白絵
図４は、幼児がその表す物体が何であるかを判断しやす
いように、そして、幼児の興味を引きつけやすいよう
に、幼児の好む明るい色調で色鮮やかに仕上げられてい
る。

【００１５】次に、基材シート１の表面右下に形成され
ている一部空白絵図４は、描画対象として飛行機を取り
上げたもので、実線及び点線で示した飛行機の絵図か
ら、点線で示す後方部分を削除し、空白部３としてい
る。なお、この場合も、点線は実際には示されておら
ず、基材シート１には実線で示す飛行機の前方部分のみ
が印刷されている。

【００１６】また、基材シート１の表面中央には、幼児
の好む小動物の一つであるリスを描画対象として取り上
げた一部空白絵図４が形成されている。ここでは、実線
及び点線で示したリスの全体像を表した絵図から、点線
で示した頭部を含む上半分を削除し、空白部３としてい
る。なお、この場合も、点線は実際には示されておら
ず、実線で示す部分のみが印刷されている。

【００１７】そして、基材シート１の表面左上には消防
車の一つである梯子車を描画対象として取り上げた一部
空白絵図４が形成されている。実線及び点線で示した梯
子車の全体像を表した絵図から、点線で示した前方部分
を削除し、空白部３としている。なお、この場合も、点
線は実際には示されておらず、実線で示す後方部分のみ
が印刷されている。

【００１８】更に、基材シート１の表面左下に形成され
ている一部空白絵図４は、トマトを描画対象としたもの
で、実線及び点線で示したトマトの絵図から、点線で示
す下方部分を削除し、空白部３としている。そして、こ
の点線は、実際の幼児用教材には示されておらず、基材
シートには実線で示すトマトの上端部分のみが印刷され
ている。

【００１９】このように、本実施例の幼児用教材は、表
面が平滑に形成され、描画可能な基材シート１と、その
表面に形成され、物体の絵図の一部を削除して空白部３
とした一部空白絵図４を表す表示層２とからなってい
る。そのため、本実施例の幼児用教材においては、幼児
が、一部空白絵図４を見て、蓄積してきたイメージか
ら、一部空白絵図４が表している物体が何であるかを判
断し、削除され空白部とされた部分の形象を想像し、そ
れを自由に描き込んで本来の物体の形象を完成させるこ
とができる。したがって、幼児の表現活動を促し、それ
を通して、見る、感じる、考える、描く等の知的能力の
育成を助けることができる。また、実際に自分の手を使
って描画することから、造形的な想像力、構想力、表現
力等の基礎的な能力を養うことができると共に、物の形
を獲得するためにも有効である。

【００２０】ところで、本実施例の幼児用教材において
は、基材シート１として、ある程度の厚みと強度を有す
る板紙を用いたが、この他にも画用紙、ケント紙、アー
ト紙、ワットマン紙、ラシャ紙等の紙やその他の材料を
用いることもできる。これら紙は、安価で入手し易く、
また、加工や使用後の廃棄処理が容易である等の特徴を
有することから、基材シート１として有効に利用でき
る。そして、これらの紙を基材シート１として用いた場
合、幼児が空白部３に描き込むにあたり、色鉛筆、クレ
ヨン、絵の具、鉛筆、フェルトペン、パス類といった幼
児にとって親しみやすい様々な描画材料を使用すること
ができる。

【００２１】また、本実施例の幼児用教材においては、
一部空白絵図４は、その描画対象となる物体として、幼
児が日常生活の中で関心を向けやすい野菜、航空機、小
動物、自動車の中から幾つかを取り上げるものとした
が、この一部空白絵図４の対象となる事物としては、こ
の他の日常生活用品、楽器、乗物、動植物、建築物等か
ら任意に取り上げることができる。ただし、対象として
は、幼児にとって馴染みがあり、また、形状的にまとま
っているものが好ましい。そして、本実施例の幼児用教
材においては、一部空白絵図４は、物体の絵図の一部を
直線的に切断削除して空白部３としたものであるが、こ
の削除する形状は、各絵図の形状に応じて適宜に変化さ
せることができ、例えば、円形、長方形、三角形等の形
状に削除することもできる。また、その寸法、数、及び
位置も適宜に変化させることができる。ただし、この削
除部分の形状、寸法、数、及び位置は、これによって一
部空白絵図４の表す物体を幼児が特定することが不可能
にならない程度のものとする。

【００２２】［第二実施例］図２は本発明の第二実施例
にかかる幼児用教材を示す平面図である。

【００２３】なお、図２において、図１の第一実施例と
同一または相当する部分には、同一の符号を使用してい
る。

【００２４】図２に示すように、本第二実施例の幼児用
教材は、第一実施例の幼児用教材と同様に、表面が平滑
に形成された描画可能な基材シート１と、基材シート１
の表面に形成され、物体の絵図の少なくとも一部を削除
して空白部３とした一部空白絵図４を表す表示層２とを
備えるものであるが、概略的には、第一実施例の幼児用
教材に物語性を持たせ、それによって、幼児の興味を引
きつけ、また、想像力の広がりを促すことを図ったもの
である。

【００２５】具体的には、本実施例では、基材シート１
の表面に形成された一部空白絵図４の描画対象となる物
体として、図２のように、幼児にとって身近な野菜及び
果物の幾つかを取り上げている。そして、これらの野菜
及び果物を表す各絵図の少なくとも一部分を削除し、削
除部分を空白部３としている。なお、本実施例では、一
部空白絵図４は、各々その端縁から波形に齧り取ったよ
うに削除し空白部３としている。そして、基材シート１
表面の一隅にはネズミの絵図が印刷されており、幼児
に、各野菜及び果物は、このネズミによって齧られて一
部欠損したものと想定させるものである。更に、この一
部空白絵図４は、図１の第一実施例の幼児用教材と同様
に、幼児が一部空白絵図４の表す物体が何であるかを判
断しやすいように、また親しみやすく、興味を引きつけ
やすいように、幼児が好む明るい色調で色鮮やかに仕上
げられている。

【００２６】上記のように構成された幼児用教材におい
ては、これを使用する幼児が、野菜及び果物の一部空白
絵図４は、ネズミによって齧られて一部欠損しているも
のであるという想定の下で想像をめぐらせ、ネズミに齧
り取られる以前の形象を思い浮かべ、これを描き込んで
野菜または果物の絵図を完成させることができる。

【００２７】したがって、第一実施例の幼児用教材と同
様に、幼児の表現活動を促し、それを通して造形的な想
像力、構想力、表現力等の基礎能力を養うことができる
と共に、本実施例の幼児用教材は、一部空白絵図である
野菜及び果物は、ネズミが齧ることにより一部欠損した
ものであると想定させて使用するものであるから、教材
に物語性が加わり、幼児の興味を引きつけやすくなる。
また、物語性が加えられたことによって、幼児は自分の
経験と結び付けたり、想像を巡らせたりする楽しさを味
わうことができる。そして、こうした楽しさを味わうこ
とによって、幼児の想像力を豊かにすることができる。

【００２８】［第三実施例］図３は本発明の第三実施例
にかかる幼児用教材の展開状態をを示す斜視図であり、
図４は本発明の第三実施例にかかる幼児用教材の折り畳
み状態を示す斜視図である。なお、図３及び図４におい
て、図１の第一実施例及び図２の第二実施例と同一また
は相当する部分には、同一の符号を使用している。

【００２９】図３に示すように、本第三実施例の幼児用
教材は、第一実施例及び第二実施例の幼児用教材と同様
に、表面が平滑に形成された描画可能な基材シート１
と、基材シート１の表面に形成された、一部空白絵図４
を形成する表示層２とを備えるものであるが、概略的に
は、第一実施例及び第二実施例の幼児用教材における一
部空白絵図４の空白部３に対応する解答絵図５を備えた
解答シート６を、基材シート１の側方に一体に設けるこ
とにより、一部空白絵図４の空白部３を設ける以前の完
全な形象が確認できるようにすることを図ったものであ
る。

【００３０】具体的には、本実施例では、図３に示すよ
うに、一部空白絵図４の描画対象として、幼児にとって
身近で、馴染みのある乗物を取り上げ、この乗物の絵図
の後方部分を削除して空白部３としている。そして、こ
の空白部３の側方に、基材シート１と一体に解答シート
６が設けられ、基材シート１と解答シート６との境界に
は、折り返し線７が点線で示されている。解答シート６
は、その表面に、空白部３に対応する解答絵図５、ここ
では、削除された乗物の後方部分の絵図を表す表示層が
形成されている。ただし、解答シート６は、この解答絵
図５を備えた面が、基材シート１の一部空白絵図４を備
えた面とは反対側の面になるように設けられているの
で、一部空白絵図４を備える面からは、解答絵図５は見
えない。また、解答絵図５は、解答シート６を折り返し
線７で基材シート１に向けて中表に折り畳むことによ
り、基材シート１表面の一部空白絵図４と連続し、一体
となって乗物の絵図を形成するように備えられている。

【００３１】上記のように構成された幼児用教材は、乗
物の一部空白絵図４を備えた面を表に向けて使用する。
そして、これを使用する幼児は、乗物の一部空白絵図４
から空白部３とされた乗物の後方部分の形象を想像し、
空白部３に描き込んで乗物の絵図を完成させる。更に、
基材シート１と解答シート６との境界に示された折り返
し線７で、解答シート６を基材シート１にむけて中表に
折り畳むことによって、図４に示すように、空白部３に
乗物の後方部分の絵図である解答絵図５が重なり、一部
空白絵図４の空白部３を埋め、描画対象である乗物の一
部削除されて空白部３が設けられる前の完全な形象が形
成される。

【００３２】したがって、第一実施例及び第二実施例の
幼児用教材と同様に、幼児の表現活動を促し、それを通
して造形的な想像力、構想力、表現力等の基礎能力を養
うことができる。更に、本実施例の幼児用教材は、第二
実施例の幼児用教材に解答絵図５を備えたものであるか
ら、一部空白絵図の完全な形象を確認することができ
る。

【００３３】［第四実施例］図５は本発明の第四実施例
にかかる幼児用教材の使用状態を示す斜視図であり、図
６は本発明の第四実施例にかかる幼児用教材の図５とは
別の使用状態を示す斜視図である。なお、図５及び図６
において、図１の第一実施例、図２の第二実施例、図３
及び図４の第三実施例と同一または相当する部分には、
同一の符号を使用している。

【００３４】図５及び図６に示すように、本第四実施例
の幼児用教材は、第一実施例、第二実施例及び第三実施
例と同様に、表面が平滑に形成された描画可能な基材シ
ート１ａ及び基材シート１ｂと、これらの基材シート１
ａ及び基材シート１ｂの表面に形成された一部空白絵図
４ａ及び一部空白絵図４ｂを表す表示層２ａ及び表示層
２ｂとを備え、また、第三実施例の幼児用教材と同様
に、解答シート６を備えるものであるが、概略的には、
一対の基材シートの間に、解答シート６を配し、これを
複数枚の同様のシートまたは任意のシートと共に綴じ合
わせて小冊子状にしたものである。

【００３５】具体的には、本実施例では、一部空白絵図
４ａ及び一部空白絵図４ｂの描画対象として、幼児に馴
染みのある親しみやすい動物を取り上げている。図５及
び図６に示すように、これらの動物の絵図の後方部分を
削除して空白部３ａ及び空白部３ｂとしている。したが
って、一部空白絵図４ａ及び一部空白絵図４ｂは、各動
物の頭部を含む前方部分を表す表示層であり、これが基
材シート１ａ及び基材シート１ｂの表面に形成されてい
る。そして、この一対の基材シートは、その中間に解答
シート６を配して、一側縁で綴じ合わされている。この
解答シート６は、空白部３ａ及び空白部３ｂに対応した
幅を有し、その両面に解答絵図５の表示層を備える。具
体的には、図５のように基材シート１ｂ側に向けて折り
畳むことによって、一部空白絵図４ｂと連続する面に、
空白部４ｂに対応する解答絵図５ｂが、また、図６のよ
うに、もう一方の面、即ち、基材シート１ａ側に向けて
折り畳むことによって一部空白絵図４ａと連続する面に
は、空白部３ａに対応する解答絵図５ａが備えられてい
る。

【００３６】上記のように構成された幼児用教材は、解
答シートを一方の基材シート側に倒した状態で、もう一
方の基材シートの一部空白絵図から、その空白部の形象
を想像し、これを描き込んで動物の全体像を完成させ
る。そして、解答シートを折り返して、描き込んだ空白
部の上に重ねることによって動物の全体像を形成するこ
とができる。

【００３７】したがって、第一実施例乃至第三実施例の
幼児用教材と同様に、幼児の表現活動を促し、それを通
して造形的な想像力、構想力、表現力等の基礎能力を養
うことができる。また、本実施例の幼児用教材は、解答
絵図５を備えたものであるから、一部空白絵図の完全な
形象の一例を確認することができる。

【００３８】ところで、上記実施例では、表面が平滑に
形成された描画可能な基材シートと、前記基材シートの
表面に形成され、有形物を描いた絵図の少なくとも一部
を削除して空白部とした一部空白絵図を表す表示層とを
具備する幼児用教材について説明したきた。しかし、本
発明を実施する場合には、表面が平滑に形成された描画
可能な基材シートは、その基材シートに直接描画不可能
であってもよい。即ち、透明シートに描画できるものを
基材シートに載せた状態で描画可能であればよい。

【００３９】また、上記実施例では、平面的使用につい
て説明したが、本発明を実施する場合には、立体的描画
表現とすることもできる。

【００４０】そして、上記実施例では幼児用を前提とし
て説明したが、本発明を実施する場合には、これに限定
されるものではなく、痴呆症の老人等の教材またはテス
ト用としても使用できる。

【００４１】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１の幼児用
教材は、表面が平滑に形成された描画可能な基材シート
と、基材シートの表面に形成され、物体の絵図の少なく
とも一部を削除して空白部とした一部空白絵図を表す表
示層とを具備する。そのため、幼児は、一部空白絵図か
ら蓄積してきたイメージをもとに、空白部の形象を想像
し、それを空白部に描き込むことによって、完全な形象
を表す絵図を完成させることができる。したがって、本
幼児用教材の使用により、幼児の表現活動を促し、それ
を通して、見る、感じる、考える、描く等の知的能力の
育成を助けることができる。また、実際に自分の手を使
って描画することから、造形的な想像力、構想力、表現
力等の基礎的な能力を養うことができると共に、物の形
の獲得を促すこともできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図１は本発明の第一実施例にかかる幼児用教
材を示す平面図である。

【図２】 図２は本発明の第二実施例にかかる幼児用教
材を示す平面図である。

【図３】 図３は本発明の第三実施例にかかる幼児用教
材の展開状態を示す斜視図である。

【図４】 図４は本発明の第三実施例にかかる幼児用教
材の折り畳み状態を示す斜視図である。

【図５】 図５は本発明の第四実施例にかかる幼児用教
材の使用状態を示す斜視図である。

【図６】 図６は本発明の第四実施例にかかる幼児用教
材の図５とは別の使用状態を示す斜視図である。

【符号の説明】

１，１ａ，１ｂ 基材シート ２，２ａ，２ｂ 表示層 ３，３ａ，３ｂ 空白部 ４，４ａ，４ｂ 一部空白絵図 ５，５ａ，５ｂ 解答絵図 ６ 解答シート ７ 折り返し線

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 表面が平滑に形成された描画可能な基材
   シートと、 前記基材シートの表面に形成され、有形物を描いた絵図
   の少なくとも一部を削除して空白部とした一部空白絵図
   を表す表示層とを具備することを特徴とする幼児用教
   材。