JPH0961078A - 蓄熱ボード - Google Patents

蓄熱ボード

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JPH0961078A
JPH0961078A JP7221543A JP22154395A JPH0961078A JP H0961078 A JPH0961078 A JP H0961078A JP 7221543 A JP7221543 A JP 7221543A JP 22154395 A JP22154395 A JP 22154395A JP H0961078 A JPH0961078 A JP H0961078A
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JP
Japan
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heat storage
storage board
layer
film
glass cloth
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JP7221543A
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English (en)
Inventor
Mitsuhiro Tsuruki
充啓 鶴来
Takashi Kishimoto
隆 岸本
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
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  • Central Heating Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂にハイドロカーボンを担持した蓄熱体2
の全面をラミネートフィルム1で被覆してなる蓄熱ボー
ドであって、ハイドロカーボンの流出を防止し、且つ、
良好な難燃性を有する蓄熱ボードを提供する。 【解決手段】 第1の蓄熱ボードはラミネートフィルム
1が、外層よりガラスクロス層3、アルミ層4、接着層
5の順に層構成されている。第2の蓄熱ボードは、上記
第1の蓄熱ボードにおけるガラスクロス層3が外表面
に、鱗片状の無機微粒子を塗布し、上記ガラスクロス層
3内に一部を含浸した無機微粒子膜を形成している。第
3の蓄熱ボードは、上記第1の蓄熱ボードにおけるガラ
スクロス層3が外表面に、加熱すると不燃性気体を発生
する熱発泡性塗料を塗布し、上記ガラスクロス層3内に
一部を含浸した熱発泡塗膜を形成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は樹脂にハイドロカー
ボンを担持した蓄熱体の全面をラミネートフィルムで被
覆してなる蓄熱ボードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から樹脂にパラフィン等のハイドロ
カーボンを担持した蓄熱体が各種提案されている。この
ようなハイドロカーボンの固相−液相間の相転移に伴う
潜熱を利用した蓄熱体においては、ハイドロカーボンが
液体になった際に樹脂からしみ出すのを防ぐ配慮を行っ
ている。このしみ出しを考慮して、上記蓄熱体の全面を
袋状にしたアルミラミネートフィルムで被覆した蓄熱ボ
ードが知られている。上記アルミラミネートフィルムは
アルミ箔を芯層とし、外層に引っ張り強度の高いポリエ
チレンテレフタレートの樹脂を利用した補強層、内層に
袋加工の際にフィルムどうしを熱融着させるための接着
層の三層構成からなるものが汎用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このアルミラ
ミネートフィルムで被覆した蓄熱ボードは、建築基準法
で定める難燃性のレベルとして、難燃3級の水準が充分
確保できない問題がある。これは難燃性試験であるJI
S−A−1321の表面燃焼試験の際に、被覆したアル
ミラミネートフィルムの温度が燃焼時間の6分の間に8
00℃程度まで上昇するため、アルミ箔が溶融し、穴が
開き、中の蓄熱体に引火し、炎焼してしまうからであ
る。一方、アルミ箔に代わり融点の高い鉄箔を利用した
場合は、袋への加工性が劣る問題がある。
【0004】本発明は上記事実に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、樹脂にハイドロカーボン
を担持した蓄熱体の全面をラミネートフィルムで被覆し
てなる蓄熱ボードであって、ハイドロカーボンの流出を
防止し、且つ、良好な難燃性を有する蓄熱ボードを提供
することにある。
【0005】さらに、最近は上記袋への加工性にあって
も、加工が容易なだけでなく、より素早く加工できるこ
とが求められている。本発明の他の目的とするところ
は、上記目的に加えて、素早く袋加工ができる蓄熱ボー
ドを提供することにある。
【0006】さらに、使用環境も多種多様なところで長
期に渡って使用されることから、長期間の安定性が求め
られている。本発明の他の目的とするところは、上記目
的に加えて、長期に渡り安定した状態で保持できる蓄熱
ボードを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
蓄熱ボードは、樹脂にハイドロカーボンを担持した蓄熱
体2の全面をラミネートフィルム1で被覆してなる蓄熱
ボードであって、上記ラミネートフィルム1が、外層よ
りガラスクロス層3、アルミ層4、接着層5の順に層構
成されていることを特徴とする。
【0008】本発明の請求項2に係る蓄熱ボードは、請
求項1記載の蓄熱ボードにおいて、ガラスクロス層3が
外表面に、鱗片状の無機微粒子を塗布し、上記ガラスク
ロス層3内に一部を含浸した無機微粒子膜6を形成して
いることを特徴とする。
【0009】本発明の請求項3に係る蓄熱ボードは、請
求項2記載の蓄熱ボードにおいて、上記無機微粒子膜6
は3〜50g/m2 の重量範囲で形成されていることを
特徴とする。
【0010】本発明の請求項4に係る蓄熱ボードは、請
求項2又は請求項3記載の蓄熱ボードにおいて、上記無
機微粒子は平均アスペクト比が5〜30000の範囲の
粒子で構成されていることを特徴とする。
【0011】本発明の請求項5に係る蓄熱ボードは、請
求項2乃至請求項4いずれか記載の蓄熱ボードにおい
て、上記無機微粒子がバーミキュライトであることを特
徴とする。
【0012】本発明の請求項6に係る蓄熱ボードは、請
求項2乃至請求項5いずれか記載の蓄熱ボードにおい
て、上記ガラスクロス層3の構成材料であるガラスクロ
スは、重量35〜300g/m2 、ガラスヤーン密度1
2〜55本/25mm、厚さ60〜320μmの範囲で
あることを特徴とする。
【0013】本発明の請求項7に係る蓄熱ボードは、請
求項1記載の蓄熱ボードにおいて、ガラスクロス層3が
外表面に、加熱すると不燃性気体を発生する熱発泡性塗
料を塗布し、上記ガラスクロス層3内に一部を含浸した
熱発泡塗膜7を形成していることを特徴とする。
【0014】本発明の請求項8に係る蓄熱ボードは、請
求項7記載の蓄熱ボードにおいて、上記熱発泡塗膜7
は、マイカを10〜25重量%含有していることを特徴
とする。
【0015】本発明の請求項9に係る蓄熱ボードは、請
求項7又は請求項8記載の蓄熱ボードにおいて、上記熱
発泡塗膜7は70〜150g/m2 の重量範囲で形成さ
れていることを特徴とする。
【0016】本発明の請求項10に係る蓄熱ボードは、
請求項7乃至請求項9いずれか記載の蓄熱ボードにおい
て、ジシアンジアミドと尿素を成分としたアミノ樹脂型
の塗料、尿素とパラフォルムアルデヒドを主成分とした
尿素−パラフォルム型塗料、ポリビニールアルコールラ
テックスとジシアンジアミドを成分とするラテックス型
塗料のうちいずれかであることを特徴とする。
【0017】本発明の請求項11に係る蓄熱ボードは、
請求項7乃至請求項10いずれか記載の蓄熱ボードにお
いて、上記ガラスクロス層3の構成材料であるガラスク
ロスは、重量60〜260g/m2 、ガラスヤーン密度
7〜25本/25mm、厚さ40〜250μmの範囲で
あることを特徴とする。
【0018】本発明の請求項12に係る蓄熱ボードは、
請求項1乃至請求項11いずれか記載の蓄熱ボードにお
いて、上記アルミ層4の厚みが15〜60μmの範囲で
あることを特徴とする。
【0019】本発明の請求項13に係る蓄熱ボードは、
請求項1乃至請求項12いずれか記載の蓄熱ボードにお
いて、上記ラミネートフィルム1の最外層に、アクリル
樹脂、シリコン樹脂、ウレタン樹脂、及び、フッ素樹脂
から選ばれる少なくとも1種の樹脂膜8が形成され、こ
の樹脂膜8の厚みが1〜15μmの範囲であることを特
徴とする。
【0020】本発明の請求項14に係る蓄熱ボードは、
請求項1乃至請求項13いずれか記載の蓄熱ボードにお
いて、上記ラミネートフィルム1のシール部分9が二重
折りであることを特徴とする。
【0021】
【実施の形態】以下、本発明を図面に基づいて詳しく説
明する。図1(a)は本発明の第1の実施の形態に係る
蓄熱ボードの斜視図であり、(b)は本発明の第1の実
施の形態に係る蓄熱ボードのラミネートフィルムの層構
成を模試的に示した断面図である。
【0022】本発明の蓄熱ボードを構成する蓄熱体2
は、樹脂にハイドロカーボンを担持したものであり、ハ
イドロカーボンの相転移に伴う潜熱を利用したものであ
る。上記樹脂としてはポリオレフィンが挙げられ、この
ポリオレフィンとしては、例えば、エチレン−プロピレ
ンエラストマー、高密度ポリエチレン等の単独、及び、
混合物が挙げられる。上記ハイドロカーボンは、パラフ
ィン、パラフィンワックス、イソパラフィン、ポリエチ
レンワックス等が挙げられる。
【0023】本発明の蓄熱ボードは、上記蓄熱体2の全
面をラミネートフィルム1で被覆している。上記ラミネ
ートフィルム1で被覆することにより、蓄熱体2中のハ
イドロカーボンが流出することを防止している。
【0024】本発明においては、上記ラミネートフィル
ム1は、外層よりガラスクロス層3、アルミ層4、接着
層5の順で層構成されている。
【0025】上記アルミ層4はハイドロカーボンの外部
への流出を防止し、袋状への加工性に優れる。なお、ア
ルミ層4の厚さはハイドロカーボンの流出防止の点から
15μm以上が好ましく、また、袋状への加工性の点か
ら60μm以下が作業し易い。
【0026】上記ガラスクロス層3は燃焼の際に炎と熱
からアルミ層4を保護し、且つ、引っ張り、曲げ、及
び、圧縮等の外力に対し、アルミ層4を補強するもので
ある。ガラスクロス層3を構成するガラスクロスは不燃
性で軟化点が約840℃と高いため、700〜800℃
となる燃焼の際に十分な防火性を有し、アルミ層4を保
護する。さらに、引張強度や引張弾性率の高いガラス繊
維の束(ヤーンと称する)を縦横にクロスして織ってあ
るので、全方向の外力に対し、高い強度と優れた柔軟性
を有する。上記ガラスクロスは、平織、綾織、朱子織
等、汎用の織り方のものでよい。上記アルミ層4を保護
する層として、ガラスクロスを用いると、ポリエチレン
テレフタレート等の有機系フィルムを使用した場合に比
較し、同等またはそれ以上の強度と袋状への加工性を有
することができる。特に、ガラスクロスは引っ掻きや突
き刺しに対する耐傷性は有機系フィルムより優れる。
【0027】上記接着層5は熱圧着により、ラミネート
フィルム1と蓄熱体2を密着すると共に、袋加工の際に
ラミネートフィルム1どおしを容易に熱融着させるもの
である。接着層5の材料としては直鎖低密度ポリエチレ
ン(以下LLDPEと記す)が挙げられる。
【0028】本発明の第1の実施の形態は、図1(b)
に示す如く、上記ラミネートフィルム1が、外層よりガ
ラスクロス層3、アルミ層4、接着層5の3層で構成さ
れている。上記ガラスクロス層3、アルミ層4、及び、
接着層5の各層間の接着はウレタン系の接着剤を介して
行えばよい。上記ラミネートフィルム1の層構成によ
り、燃焼の際に、炎と熱をガラスクロス層3で防御し、
アルミ層4の温度上昇を遅くすることができる。その結
果、難燃性試験にあってはアルミ箔が溶融し、ラミネー
トフィルムに穴が開くことがなく、蓄熱ボードは良好な
難燃性を有することができる。
【0029】上記ガラスクロス層3となるガラスクロス
は、上述の如く、アルミ層4の保護、及び、袋状への加
工性の点から適宜選択すればよい。ガラスクロスの重
量、厚さ、ガラスヤーン密度が小さいと防火性が低下
し、大きいと加工性が低下する。上記3層で構成された
ラミネートフィルム1においては、ガラスクロスは、重
量が70〜400g/m2 、ガラスヤーン密度が12〜
75本/25mm、厚さが80〜400μm程度が適す
る。
【0030】本発明の蓄熱ボードを構成するラミネート
フィルム1は、外層よりガラスクロス層3、アルミ層
4、接着層5の順で層構成されている限り、図1(b)
に示した3層の形態に限定されない。図2は本発明の第
2の実施の形態に係る蓄熱ボードのラミネートフィルム
の層構成を模試的に示した断面図である。
【0031】本発明の第2の実施の形態に係る蓄熱ボー
ドのラミネートフィルム1の層構成は、外表面に無機微
粒子膜6を形成したガラスクロス層3、アルミ層4、接
着層5の順に構成されている。以下、上述のラミネート
フィルムと異なっていることについて説明する。
【0032】上記ラミネートフィルム1に特徴的な、ガ
ラスクロス層3に無機微粒子膜6を形成する方法は、鱗
片状の無機微粒子に少量のバインダーを添加し溶媒中で
分散させた無機微粒子含有液を、ガラスクロスの上に塗
布し、乾燥する。上記塗布、及び、乾燥により、ガラス
クロスの織目の間やガラス繊維の間隙に上記無機微粒子
含有液が一部含浸し、膜を形成する。このようにして、
無機微粒子の濃度が徐々に変わる、ガラスクロスと無機
微粒子の複合層が形成される。
【0033】上記無機微粒子は形状が鱗片状であり、無
機微粒子膜6はこの鱗片状の無機微粒子が重なるように
層を形成する。上記無機微粒子膜6は、無機微粒子が多
層に形成される程、この層間の接触熱抵抗が大きくなり
断熱性が良好となり、防火性が高まるが、厚くなり過ぎ
ると柔軟性が低下し、加工性が困難となる。従って、無
機微粒子膜6は薄く且つ多層となる無機微粒子が好まし
い。上記鱗片状の無機微粒子は平均アスペクト比が5〜
30000の範囲の粒子が好ましい。上記アスペクト比
は粒子の長軸方向を長さとし、この粒子の厚みに対する
長さの比率(長さ/厚み)を示すもので、光学顕微鏡や
電子顕微鏡で観察、測定し、求められるものである。上
記無機微粒子の長さは0.1〜200μmの範囲が適し
ている。上記無機微粒子の種類としては、例えば、バー
ミキュライト、タルク、カオリンクレー、ベントナイ
ト、セピオライト、マイカ等の層状化合物、及び、これ
らの粉砕粒子が挙げられる。なかでも、バーミキュライ
トはアスペクト比が20000程度と高く、緻密で強固
な層内構成をした無機微粒子膜6が形成されるため、好
ましい。
【0034】上記無機微粒子膜6は、難燃性、加工性、
経済性等を考慮すると3〜50g/m2 の重量範囲で形
成されることが好ましい。上記無機微粒子膜6を形成し
たガラスクロス層3を備えると、鱗片状の無機微粒子が
重なるように層を形成しているので、無機微粒子膜6の
熱伝導が方向性を有し、蓄熱体1とクロスする方向に熱
伝導が遅くなる。
【0035】上記ガラスクロス層3となるガラスクロス
は、上述の如く、アルミ層4の保護、及び、袋状への加
工性の点から適宜選択すればよい。上記無機微粒子膜6
を形成する場合、ガラスクロスは、重量が35〜300
g/m2 、ガラスヤーン密度が12〜55本/25m
m、厚さが60〜320μm程度が適する。
【0036】上記ラミネートフィルム1の層構成によ
り、燃焼の際に、炎と熱を無機微粒子膜6を形成したガ
ラスクロス層3で防御し、アルミ層4の温度上昇をより
遅くすることができる。その結果、難燃性試験にあって
はアルミ箔が溶融し、ラミネートフィルムに穴が開くこ
とがなく、蓄熱ボードはより優れた難燃性を有すること
ができる。
【0037】次に、本発明の第3の実施の形態に係る蓄
熱ボードのラミネートフィルム1について、上述のラミ
ネートフィルムと異なっていることについて説明する。
図3は本発明の第3の実施の形態に係る蓄熱ボードのラ
ミネートフィルムの層構成を模試的に示した断面図であ
る。本発明の第3の実施の形態に係る蓄熱ボードのラミ
ネートフィルム1の層構成は、外表面に熱発泡塗膜7を
形成したガラスクロス層3、アルミ層4、接着層5の順
に構成されている。
【0038】上記ラミネートフィルム1に特徴的な、ガ
ラスクロス層3に熱発泡塗膜7を形成する方法は、加熱
すると不燃性気体を発生する熱発泡性塗料を塗布し、乾
燥する。上記熱発泡性塗料を塗布し、乾燥すると、ガラ
スクロスの織目の間やガラス繊維の間隙に上記熱発泡性
塗料が一部含浸し、膜を形成する。このようにして、樹
脂の濃度が徐々に変わる、ガラスクロスと熱発泡性塗料
の複合層が形成される。上記熱発泡性塗料としては、例
えば、ジシアンジアミドと尿素等の成分からなるアミノ
樹脂型の塗料、尿素とパラフォルムアルデヒドを主成分
とした尿素−パラフォルム型塗料、ポリビニールアルコ
ール(PVA)ラテックスとジシアンジアミド等の成分
からなるラテックス型塗料が挙げられる。上記熱発泡性
塗料は、120〜600℃で反応し、二酸化炭素(CO
2 )水蒸気等の不燃性気体を発生する。上記気体の発生
によりできた泡の表面が炭化し、発泡した層からなる断
熱層を形成する。この不燃性気体の発生と炭化した断熱
層を形成することにより、防火性が高まる。
【0039】上記熱発泡塗膜7は難燃性、加工性、経済
性等を考慮すると乾燥後の重量範囲で70〜150g/
2 で形成されることが好ましい。なお、上記熱発泡塗
膜7が構成成分として、マイカの微粒子含有している
と、マイカの有する鱗片状構造の重なりにより、上記発
泡した層を形成するまでに、この泡にクラックが入るの
を防ぐため、好ましい。マイカの含有量は、多いと泡の
大きさが小さくなるので、泡のクラック防止とのバラン
スから、乾燥後の重量で10〜25重量%が適してい
る。
【0040】上記ガラスクロス層3のガラスクロスは、
熱発泡性塗料を塗布する際の芯材として機能すると共
に、温度変化に対するラミネートフィルムの寸法収縮等
の変化に伴って熱発泡塗膜7が剥がれることのないよう
に保持する働きをする。さらに、燃焼の際に、ガラスク
ロスは発泡により形成される炭化した断熱層の骨格とな
り、炎と熱からアルミ層4を保護する。上記ガラスクロ
スは、上述の如く、アルミ層4の保護、熱発泡性塗料の
含浸性、及び、袋状への加工性の点から適宜選択すれば
よい。上記熱発泡塗膜7を形成する場合、ガラスクロス
は、重量が60〜260g/m2 、ガラスヤーン密度が
7〜25本/25mm、厚さが40〜250μm程度が
適する。ガラスクロスの重量、厚さ、ガラスヤーン密度
が大きいと加工性の低下と共に、熱発泡性塗料のガラス
クロス内への含浸量が増加し、発泡量が不足し、炭化し
た断熱層の形成が抑えられる恐れがある。
【0041】上記ラミネートフィルム1の層構成によ
り、燃焼の際に、燃焼の熱で反応し、不燃性気体の発生
と炭化した断熱層を形成するので、アルミ層4の温度上
昇を極めて遅くすることができる。さらに、ラミネート
フィルム1に多少の外傷があっても、上記断熱層がこの
傷口を覆うため、難燃性を保持することができる。その
結果、難燃性試験にあってはアルミ箔が溶融し、ラミネ
ートフィルムに穴が開くことがなく、蓄熱ボードはより
優れた難燃性を有することができる。
【0042】次に、本発明の第4、第5、及び、第6の
実施の形態に係る蓄熱ボードのラミネートフィルム1に
ついて、上述のラミネートフィルムと異なって示される
ことについて説明する。図4(a)は本発明の第4の実
施の形態に係るラミネートフィルムの層構成を、(b)
は第5の実施の形態に係るラミネートフィルムの層構成
を、(c)は第6の実施の形態に係るラミネートフィル
ムの層構成を模試的に示した断面図である。
【0043】本発明の第4の実施の形態に係る蓄熱ボー
ドのラミネートフィルム1の層構成は、図4(a)に示
す如く、最外層に厚みが1〜15μmの範囲の樹脂膜
8、ガラスクロス層3、アルミ層4、接着層5の順に構
成されている。上記樹脂膜8を構成する樹脂は耐候性を
有し、燃焼の際に黒く焦げついたりせず、変色の少ない
もので、例えば、アクリル樹脂、シリコン樹脂、ウレタ
ン樹脂、及び、フッ素樹脂の単独または混合樹脂が挙げ
られる。上記樹脂膜8を最外層に備えると、外気の温度
や湿度変化等の使用環境の変化に対し、長期に渡り安定
した状態で保持できる。なお、樹脂膜8が厚いと難燃性
を低下させるので、厚みは1〜15μmの範囲に制限さ
れる。
【0044】上記最外層に厚みが1〜15μmの範囲の
樹脂膜8を備えるラミネートフィルム1は上記に限定さ
れず、図4(b)に示す、最外層に樹脂膜8、表面に無
機微粒子膜6を形成したガラスクロス層3、アルミ層
4、接着層5の順に構成された第5の実施の形態に係る
ラミネートフィルム1でもよく、図4(c)に示す、最
外層に樹脂膜8、表面に熱発泡塗膜7を形成したガラス
クロス層3、アルミ層4、接着層5の順に構成された第
6の実施の形態に係るラミネートフィルム1でもよい。
これらラミネートフィルム1は上述と同様の効果を奏す
る。なお、第6の実施の形態に係るラミネートフィルム
1は、熱発泡塗膜7の上面に樹脂膜8を形成するので、
樹脂膜8で発泡量を減少させることのないよう、樹脂膜
8の厚みはより薄い方が好ましい。
【0045】なお、本発明の蓄熱ボードにあっては、図
5(a)に示す如く、ラミネートフィルム1と蓄熱体2
の間に間隙10を有していても、図5(b)に示す如
く、ラミネートフィルム1と蓄熱体2が密着していも、
いずれでもよいが、ラミネートフィルム1と蓄熱体2が
密着している方が、蓄熱ボードに伝わった熱がラミネー
トフィルム1から蓄熱体2に速く伝わるため、ラミネー
トフィルム1の温度上昇を遅くするので、好ましい。
【0046】次に、ラミネートフィルム1のシール部分
9について説明する。図6、及び、図7(a)、(b)
はラミネートフィルム1のシール部分9を示した説明図
である。上記ラミネートフィルム1a、1bの接着層5
どうしを熱融着したシール部分9は、図6に示す一回折
り曲げた状態でもよいし、図7(a)、(b)に示す二
重折りの状態でもよい。図7(a)、(b)に示す二重
折りの状態は、一回折り曲げた状態に比較し、表面燃焼
の際にシール部分9がはずれにくいので、より難燃性が
向上する点で好ましい。
【0047】上述の如く、本発明の蓄熱ボードにおいて
は、上記構成のラミネートフィルム1を備えるので、燃
焼の際に、炎と熱をガラスクロス層3で防御し、アルミ
層4の温度上昇を遅くすることができる。その結果、難
燃性試験にあってはアルミ箔が溶融し、ラミネートフィ
ルム1に穴が開くことがなく、蓄熱ボードは良好な難燃
性を有することができる。
【0048】
【実施例】以下、本発明の実施例と比較例を挙げる。実
施例及び比較例で用いた蓄熱体2はハイドロカーボンと
してパラフィンワックス、樹脂としてエチレン−プロピ
レンエラストマーと高密度ポリエチレンの混合物を用
い、これら材料を溶融混練した後に冷却成形し、厚み1
5mmの板状に作製したものである。また、蓄熱ボード
はいずれも、蓄熱体2とラミネートフィルム1の間に間
隙3を有していた。
【0049】実施例1 ラミネートフィルム1として、図1(b)に示す、外層
からガラスクロス層3、アルミ層4、接着層5の順に層
構成されているものを用いた。
【0050】蓄熱ボードは次の様に作製した。上記ガラ
スクロス層3のガラスクロスは重量が86g/m2 、ガ
ラスヤーン密度が16本/25mm、厚さが110μm
のものを用いた。上記アルミ層4は厚さ20μmのアル
ミ箔、接着層13はLLDPEのフィルムで構成されて
いた。上記ラミネートフィルム1を袋状に加工し、上記
蓄熱体2を挿入した。ラミネートフィルム1のシール部
分9は一回折り曲げた状態とした。
【0051】実施例2 実施例1のアルミ層4に厚さ100μmのアルミ箔を用
いた以外は実施例1と同様にして蓄熱ボードを作製し
た。
【0052】実施例3 実施例1のガラスクロス層3のガラスクロスに重量が5
00g/m2 、ガラスヤーン密度が50本/25mm、
厚さが20μmのものを用いた以外は実施例1と同様に
して蓄熱ボードを作製した。
【0053】実施例4 ラミネートフィルム1として、図4(a)に示す、外層
から樹脂膜8、ガラスクロス層3、アルミ層4、接着層
5の順に層構成されているものを用いた。
【0054】蓄熱ボードは次の様に作製した。上記ガラ
スクロス層3のガラスクロスは実施例1と同様のものを
用い、上記アルミ層4は厚さ15μmのアルミ箔、接着
層13はLLDPEのフィルムを用い3層のフィルムを
作製した後に、ガラスクロスの外表面に、厚さ4μmと
なるようウレタン樹脂をコーティングした。上記ラミネ
ートフィルム1を袋状に加工し、上記蓄熱体2を挿入し
た。ラミネートフィルム1のシール部分9は一回折り曲
げた状態とした。
【0055】実施例5 実施例1の蓄熱ボードにおいて、ラミネートフィルム1
のシール部分9を図7(b)に示す二回折り曲げた状態
とした以外は実施例1と同様にして蓄熱ボードを作製し
た。
【0056】実施例6 実施例2の蓄熱ボードにおいて、ラミネートフィルム1
のシール部分9を図7(b)に示す二回折り曲げた状態
とした以外は実施例2と同様にして蓄熱ボードを作製し
た。
【0057】実施例7 ラミネートフィルム1として、図2に示す、外層から無
機微粒子膜6を形成したガラスクロス層3、アルミ層
4、接着層5の順に層構成されているものを用いた。
【0058】蓄熱ボードは次のように作製した。上記ガ
ラスクロス層3のガラスクロスは重量が86g/m2
ガラスヤーン密度が16本/25mm、厚さが110μ
mのものを用いた。上記アルミ層4は厚さ20μmのア
ルミ箔、接着層13はLLDPEのフィルムを用いた。
ガラスクロス層3、アルミ層4、接着層5からなる3層
のフィルムを作製した後、ガラスクロスの外表面に、無
機微粒子として、平均アスペクト比が90、長さが40
μmのマイカを溶媒に10重量%のポリビニーリアルコ
ール(PVA)の水溶液で分散した。このマイカ含有液
を塗布し、乾燥することにより、ガラスクロス層3の外
表面に30g/m2 の無機微粒子膜6を形成した。上記
ラミネートフィルム1を袋状に加工し、上記蓄熱体2を
挿入した。ラミネートフィルム1のシール部分9は一回
折り曲げた状態とした。
【0059】実施例8 実施例7のガラスクロス層3のガラスクロスに重量が1
00g/m2 、ガラスヤーン密度が80本/25mm、
厚さが400μmのものを用いた以外は実施例7と同様
にして蓄熱ボードを作製した。
【0060】実施例9 実施例7のアルミ層4に厚さ100μmのアルミ箔を用
いた以外は実施例7と同様にして蓄熱ボードを作製し
た。
【0061】実施例10 実施例7の無機微粒子として、平均アスペクト比が5、
長さが20μmのカオリンクレーを用い、無機微粒子膜
6が10g/m2 になるよう形成した以外は実施例7と
同様にして蓄熱ボードを作製した。
【0062】実施例11 実施例7の無機微粒子として、平均アスペクト比が20
000、長さが20μmのバーミキュライトを用い、無
機微粒子膜6が4.5g/m2 になるよう形成した以外
は実施例7と同様にして蓄熱ボードを作製した。
【0063】実施例12 実施例7の無機微粒子として、平均アスペクト比が20
000、長さが20μmのバーミキュライトを用い、無
機微粒子膜6が80g/m2 になるよう形成した以外は
実施例7と同様にして蓄熱ボードを作製した。
【0064】実施例13 ラミネートフィルム1として、図4(b)に示す、外層
から樹脂膜8、無機微粒子膜6を形成したガラスクロス
層3、アルミ層4、接着層5の順に層構成されているも
のを用いた。
【0065】蓄熱ボードは次のように作製した。上記ガ
ラスクロス層3のガラスクロスは重量が86g/m2
ガラスヤーン密度が16本/25mm、厚さが110μ
mのものを用いた。上記アルミ層4は厚さ20μmのア
ルミ箔、接着層13はLLDPEのフィルムを用いた。
ガラスクロス層3、アルミ層4、接着層5からなる3層
のフィルムを作製した後、ガラスクロスの外表面に、無
機微粒子として、平均アスペクト比が20000、長さ
が20μmのバーミキュライトを用い、ガラスクロス層
3の外表面に4.5g/m2 の無機微粒子膜6を形成し
た。さらに、その上に厚さ8μmとなるようフッ素樹脂
をコーティングした。上記ラミネートフィルム1を袋状
に加工し、上記蓄熱体2を挿入した。ラミネートフィル
ム1のシール部分9は一回折り曲げた状態とした。
【0066】実施例14 実施例7の蓄熱ボードにおいて、ラミネートフィルム1
のシール部分9を図7(b)に示す二回折り曲げた状態
とした以外は実施例7と同様にして蓄熱ボードを作製し
た。
【0067】実施例15 実施例7のアルミ層4に厚さ100μmのアルミ箔を用
い、無機微粒子に平均アスペクト比が20000、長さ
が20μmのバーミキュライトを用い、無機微粒子膜6
が4.5g/m2 になるよう形成した以外は実施例7と
同様にして蓄熱ボードを作製した。
【0068】実施例16 実施例15の蓄熱ボードにおいて、ラミネートフィルム
1のシール部分9を図7(b)に示す二回折り曲げた状
態とした以外は実施例15と同様にして蓄熱ボードを作
製した。
【0069】実施例17 ラミネートフィルム1として、図3に示す、外層から熱
発泡塗膜7を形成したガラスクロス層3、アルミ層4、
接着層5の順に層構成されているものを用いた。
【0070】蓄熱ボードは次のように作製した。熱発泡
性塗料として、尿素30重量%、パラフォルムアルデヒ
ド30重量%、澱粉5重量%、ペンタエリスリトール1
5重量%、メチルセルロース5重量%、水15重量%で
配合した尿素−パラフォルム型塗料を用いた。上記ガラ
スクロス層3のガラスクロスは重量が86g/m2 、ガ
ラスヤーン密度が16本/25mm、厚さが110μm
のものを用いた。上記アルミ層4は厚さ20μmのアル
ミ箔、接着層13はLLDPEのフィルムを用いた。ガ
ラスクロス層3、アルミ層4、接着層5からなる3層の
フィルムを作製した後、ガラスクロスの外表面に、上記
尿素−パラフォルムの混合樹脂を塗布し、乾燥すること
により、ガラスクロス層3の外表面に100g/m2
熱発泡塗膜7を形成した。上記ラミネートフィルム1を
袋状に加工し、上記蓄熱体2を挿入した。ラミネートフ
ィルム1のシール部分9は一回折り曲げた状態とした。
【0071】実施例18 実施例17のガラスクロス層3のガラスクロスに重量が
300g/m2 、ガラスヤーン密度が30本/25m
m、厚さが300μmのものを用いた以外は実施例17
と同様にして蓄熱ボードを作製した。
【0072】実施例19 実施例17の熱発泡性塗料として、上記尿素−パラフォ
ルム型塗料にマイカを20重量%含有した熱発泡性塗料
を塗布し、乾燥することにより、ガラスクロス層3の外
表面に100g/m2 の熱発泡塗膜7を形成した以外は
実施例17と同様にして蓄熱ボードを作製した。
【0073】実施例20 実施例17の熱発泡塗膜7が200g/m2 となるよう
に形成した以外は実施例17と同様にして蓄熱ボードを
作製した。
【0074】実施例21 実施例17の熱発泡性塗料として、ポリビニールアルコ
ール(PVA)ラテックス25重量%、燐酸アンモニウ
ム20重量%、ジシアンジアミド15重量%、ペンタエ
リスリトール12重量%、コーンスターチ2重量%、酸
化チタン3重量%、水23重量%で配合したラテックス
型塗料を用いた。上記ラテックス型塗料を塗布し、乾燥
することにより、ガラスクロス層3の外表面に120g
/m2 の熱発泡塗膜7を形成した以外は実施例17と同
様にして蓄熱ボードを作製した。
【0075】実施例22 実施例17の熱発泡性塗料として、アミノ樹脂型塗料で
ある松下電工化研株式会社製フネンロックV221にマ
イカを添加したものを用いた。上記アミノ樹脂型塗料は
尿素、タルク、マイカを含有した液を20重量%、燐
酸、ジシアンジアミド、ペンタエリスリトールを含有し
た液を80重量%混合して作製した。上記アミノ樹脂型
塗料にさらにマイカを20重量%含有した熱発泡性塗料
を塗布し、乾燥することにより、ガラスクロス層3の外
表面に100g/m2 の熱発泡塗膜7を形成した以外は
実施例17と同様にして蓄熱ボードを作製した。
【0076】実施例23 実施例22のアルミ層4に厚さ100μmのアルミ箔を
用い、熱発泡塗膜7をガラスクロス層3の外表面に12
0g/m2 形成した以外は実施例22と同様にして蓄熱
ボードを作製した。
【0077】実施例24 ラミネートフィルム1として、図4(c)に示す、外層
から樹脂膜8、熱発泡塗膜7を形成したガラスクロス層
3、アルミ層4、接着層5の順に層構成されているもの
を用いた。
【0078】蓄熱ボードは次のように作製した。上記ガ
ラスクロス層3のガラスクロスは重量が60g/m2
ガラスヤーン密度が25本/25mm、厚さが80μm
のものを用いた。上記アルミ層4は厚さ15μmのアル
ミ箔、接着層13はLLDPEのフィルムを用いた。ガ
ラスクロス層3、アルミ層4、接着層5からなる3層の
フィルムを作製した後、ガラスクロスの外表面に、実施
例22と同様のアミノ樹脂型塗料にマイカを20重量%
含有した熱発泡性塗料を塗布し、乾燥することにより、
ガラスクロス層3の外表面に100g/m2 の熱発泡塗
膜7を形成した。さらに、その上に厚さ10μmとなる
ようシリコン樹脂をコーティングした。上記ラミネート
フィルム1を袋状に加工し、上記蓄熱体2を挿入した。
ラミネートフィルム1のシール部分9は一回折り曲げた
状態とした。
【0079】実施例25 実施例19の蓄熱ボードにおいて、ラミネートフィルム
1のシール部分9を図7(b)に示す二回折り曲げた状
態とした以外は実施例19と同様にして蓄熱ボードを作
製した。
【0080】実施例26 実施例23の蓄熱ボードにおいて、ラミネートフィルム
1のシール部分9を図7(b)に示す二回折り曲げた状
態とした以外は実施例23と同様にして蓄熱ボードを作
製した。
【0081】実施例27 実施例22の熱発泡塗膜7をガラスクロス層3の外表面
に120g/m2 形成した以外は実施例22と同様にし
て蓄熱ボードを作製した。
【0082】実施例28 実施例22のガラスクロス層3のガラスクロスに重量が
60g/m2 、ガラスヤーン密度が25本/25mm、
厚さが80μmのものを用い、アルミ層4に厚さ100
μmのアルミ箔を用いた以外は実施例22と同様にして
蓄熱ボードを作製した。
【0083】比較例1 ラミネートフィルムは外層からポリエチレンテレフタレ
ート(PETと記す)の樹脂を利用した補強層、厚さ3
0μmのアルミ箔層、LLDPEのフィルムからなる接
着層の順に層構成されているものを用いた。ラミネート
フィルムを袋状に加工し、上記蓄熱体を挿入した。ラミ
ネートフィルムのシール部分は一回折り曲げた状態とし
た。
【0084】比較例2 比較例1の蓄熱ボードにおいて、ラミネートフィルムの
シール部分を図7(b)に示す二回折り曲げた状態とし
た以外は比較例1と同様にして蓄熱ボードを作製した。
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】
【0087】次に、実施例1〜28、及び、比較例1〜
2で得られた蓄熱ボードの評価を行った。
【0088】ラミネートフィルムの難燃性試験 実施例1〜4、実施例7〜13、実施例17〜24、及
び、比較例1の蓄熱ボードで試験した。シールされてい
ない箇所で難燃性の試料を作製した。難燃性試験はJI
S−A−1321に基づいて6分間の表面燃焼試験を行
い、難燃の水準を難燃2級合格、難燃3級合格、及び、
難燃3級不合格で判定した。
【0089】結果は表3に示す如く、実施例1は難燃3
級合格、実施例2は難燃2級合格、実施例3及び4は難
燃3級合格、実施例7〜12はいずれも難燃2級合格、
実施例13は難燃3級合格、実施例17〜24はいずれ
も難燃2級合格であったのに対し、比較例1は難燃3級
不合格であった。本発明の構成からなる蓄熱ボードはい
ずれも難燃性が良好なことが確認できた。
【0090】ラミネートフィルムの加工性試験 上述の実施例1〜4、実施例7〜13、実施例17〜2
4、及び、比較例1の蓄熱ボードを構成するラミネート
フィルムの加工性を評価した。加工性は折り曲げ性、及
び、ラミネートフィルムどうしを熱融着するのに要した
時間で判定した。ガゼット折りをした際に、山・谷の線
が入り易く、且つ、熱融着時間が2秒以内のものを良好
とし、◎で表示した。ガゼット折りをした際に、山・谷
の線が入りにくく、且つ、熱融着時間が5秒以内のもの
を可とし、○で表示した。結果を表3に示す。
【0091】
【表3】
【0092】ラミネートフィルムのシール部分の難燃
性 実施例1〜2、実施例5〜7、実施例14〜16、実施
例19、実施例23、実施例25〜26、及び、比較例
2の蓄熱ボードで試験した。シールした箇所で難燃性の
試料を作製した。難燃性試験はJIS−A−1321に
基づいて6分間の表面燃焼試験を行い、難燃の水準を難
燃2級合格、難燃3級合格、及び、難燃3級不合格で判
定した。
【0093】結果は表4に示す如く、実施例はいずれも
難燃性が合格であった。特にシール2回折りがより良好
であることが確認できたのに対し、比較例2は2回折り
でも難燃3級不合格であった。
【0094】
【表4】
【0095】外傷入り難燃性試験 実施例1、実施例15、実施例27、及び、比較例1の
蓄熱ボードに外傷を与え、難燃性を評価した。これら蓄
熱ボードのラミネートフィルムにシール部でない箇所に
長さ20mmのカッター傷と4mm十字のドライバー傷
を各1か所づつ、実施例はガラスクロス層、比較例はP
ET層に付け、これを試験片とした。難燃性試験はJI
S−A−1321に基づいて6分間の表面燃焼試験を行
った。結果は表5に示す如く、実施例27は難燃3級合
格となり、ガラスクロス層3に熱発泡塗膜7を形成した
蓄熱ボードは、多少の外傷を有していても難燃性を保持
することが確認できた。
【0096】
【表5】
【0097】ラミネートフィルムの長期保存安定性試
験 実施例24、及び、実施例28の蓄熱ボードを用い、樹
脂膜の有無による長期保存後のラミネートフィルムの外
観観察、及び、難燃性試験を行った。保存は30年に相
当するといわれる次の条件で行った。湿度は90%、温
度は1サイクルが図8に示す0.4時間で30℃から7
0℃に上昇、0.4時間70℃で維持、0.4時間で7
0℃から30℃に下降、0.4時間30℃で維持する温
湿度条件で3000サイクル保存した。保存後、ラミネ
ートフィルムの外観を目視観察し表面に亀裂等の発生が
あるか測定した。また、シートなしの部分でJIS−A
−1321に基づいて6分間の表面燃焼試験を行った。
結果は表6に示す如く、最外層に樹脂膜を有するラミネ
ートフィルムを備える実施例24の蓄熱ボードは、使用
環境の変化に対し、長期に渡り安定した状態で保持でき
ることが確認できた。
【0098】
【表6】
【0099】
【発明の効果】本発明の請求項1に係る蓄熱ボードは、
ハイドロカーボンの流出を防止すると共に、上記ラミネ
ートフィルム1の層構成により、燃焼の際に、炎と熱を
ガラスクロス層3で防御し、アルミ層4の温度上昇を遅
くすることができる。その結果、難燃性試験にあっては
アルミ箔が溶融し、ラミネートフィルムに穴が開くこと
がなく、蓄熱ボードは良好な難燃性を有する。
【0100】本発明の請求項2乃至請求項5いずれかに
係る蓄熱ボードは、さらに、上記ラミネートフィルム1
が層構成に無機微粒子膜6を形成したガラスクロス層3
を備えるので、より優れた難燃性を有する。
【0101】本発明の請求項6に係る蓄熱ボードは、上
記効果に加えて、ラミネートフィルム1の加工性が良好
である。
【0102】本発明の請求項7乃至請求項10いずれか
に係る蓄熱ボードは、さらに、上記ラミネートフィルム
1が層構成に熱発泡塗膜7を形成したガラスクロス層3
を備えるので、より優れた難燃性を有する。特に、多少
の外傷があっても、燃焼の際に断熱層がこの傷口を覆う
ため、難燃性を保持することができる。
【0103】本発明の請求項11に係る蓄熱ボードは、
上記効果に加えて、ラミネートフィルム1の加工性が良
好である。
【0104】本発明の請求項12に係る蓄熱ボードは、
上記効果に加えて、アルミ層4の厚みが15〜60μm
の範囲であるので、ラミネートフィルムの加工性が良好
である。
【0105】本発明の請求項13に係る蓄熱ボードは、
上記効果に加えて、ラミネートフィルム1に厚みが1〜
15μmの樹脂膜8を備えるので、使用環境の変化に対
し、長期に渡り安定した状態で保持できる。
【0106】本発明の請求項14に係る蓄熱ボードは、
上記効果に加えて、表面燃焼の際にシール部分9がはず
れにくいので、難燃性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第1の実施の形態に係る蓄熱
ボードの斜視図であり、(b)は本発明の第1の実施の
形態に係る蓄熱ボードのラミネートフィルムの層構成を
模試的に示した断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る蓄熱ボードの
ラミネートフィルムの層構成を模試的に示した断面図で
ある。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係る蓄熱ボードの
ラミネートフィルムの層構成を模試的に示した断面図で
ある。
【図4】(a)は本発明の第4の実施の形態に係るラミ
ネートフィルムの層構成を、(b)は第5の実施の形態
に係るラミネートフィルムの層構成を、(c)は第6の
実施の形態に係るラミネートフィルムの層構成を模試的
に示した断面図である。
【図5】(a)は本発明の蓄熱ボードの一例を示した断
面図であり、(b)は本発明の蓄熱ボードの他の例を示
した断面図である。
【図6】アルミラミネートフィルムのシール部分を示し
た説明図である。
【図7】(a)、(b)はアルミラミネートフィルムの
シール部分を示した説明図である。
【図8】長期保存安定試験の温度条件の説明図である。
【符号の説明】
1,1a,1b ラミネートフィルム 2 蓄熱体 3 ガラスクロス層 4 アルミ層 5 接着層 6 無機微粒子膜 7 熱発泡塗膜 8 樹脂膜 9 シール部分 10 間隙

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂にハイドロカーボンを担持した蓄熱
    体(2)の全面をラミネートフィルム(1)で被覆して
    なる蓄熱ボードであって、上記ラミネートフィルム
    (1)が、外層よりガラスクロス層(3)、アルミ層
    (4)、接着層(5)の順に層構成されていることを特
    徴とする蓄熱ボード。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のガラスクロス層(3)が
    外表面に、鱗片状の無機微粒子を塗布し、上記ガラスク
    ロス層(3)内に一部を含浸した無機微粒子膜(6)を
    形成していることを特徴とする請求項1記載の蓄熱ボー
    ド。
  3. 【請求項3】 上記無機微粒子膜(6)は3〜50g/
    2 の重量範囲で形成されていることを特徴とする請求
    項2記載の蓄熱ボード。
  4. 【請求項4】 上記無機微粒子は平均アスペクト比が5
    〜30000の範囲の粒子で構成されていることを特徴
    とする請求項2又は請求項3記載の蓄熱ボード。
  5. 【請求項5】 上記無機微粒子がバーミキュライトであ
    ることを特徴とする請求項2乃至請求項4いずれか記載
    の蓄熱ボード。
  6. 【請求項6】 請求項2記載のガラスクロス層(3)の
    構成材料であるガラスクロスは、重量35〜300g/
    2 、ガラスヤーン密度12〜55本/25mm、厚さ
    60〜320μmの範囲であることを特徴とする請求項
    2乃至請求項5いずれか記載の蓄熱ボード。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のガラスクロス層(3)が
    外表面に、加熱すると不燃性気体を発生する熱発泡性塗
    料を塗布し、上記ガラスクロス層(3)内に一部を含浸
    した熱発泡塗膜(7)を形成していることを特徴とする
    請求項1記載の蓄熱ボード。
  8. 【請求項8】 上記熱発泡塗膜(7)は、マイカを10
    〜25重量%含有していることを特徴とする請求項7記
    載の蓄熱ボード。
  9. 【請求項9】 上記熱発泡塗膜(7)は70〜150g
    /m2 の重量範囲で形成されていることを特徴とする請
    求項7又は請求項8記載の蓄熱ボード。
  10. 【請求項10】 上記熱発泡性塗料が、ジシアンジアミ
    ドと尿素を成分としたアミノ樹脂型の塗料、尿素とパラ
    フォルムアルデヒドを主成分とした尿素−パラフォルム
    型塗料、ポリビニールアルコールラテックスとジシアン
    ジアミドを成分とするラテックス型塗料のうちいずれか
    であることを特徴とする請求項7乃至請求項9いずれか
    記載の蓄熱ボード。
  11. 【請求項11】 請求項7記載のガラスクロス層(3)
    の構成材料であるガラスクロスは、重量60〜260g
    /m2 、ガラスヤーン密度7〜25本/25mm、厚さ
    40〜250μmの範囲であることを特徴とする請求項
    7乃至請求項10いずれか記載の蓄熱ボード。
  12. 【請求項12】 上記アルミ層(4)の厚みが15〜6
    0μmの範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求
    項11いずれか記載の蓄熱ボード。
  13. 【請求項13】 上記ラミネートフィルム(1)の最外
    層に、アクリル樹脂、シリコン樹脂、ウレタン樹脂、及
    び、フッ素樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂膜
    (8)が形成され、この樹脂膜(8)の厚みが1〜15
    μmの範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求項
    12いずれか記載の蓄熱ボード。
  14. 【請求項14】 上記ラミネートフィルム(1)のシー
    ル部分(9)が二重折りであることを特徴とする請求項
    1乃至請求項13いずれか記載の蓄熱ボード。
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