JPH0960391A - 家具用蝶番の取付方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 家具の固定板と可動板に対し家具用蝶番を、
簡単に、かつ、確実に仮止め乃至固定することのできる
家具用蝶番の取付方法の提供。 【解決手段】 この家具用蝶番の取付方法は、固定蝶番
片２と可動蝶番片３とが枢軸４で回動自在に連結された
家具用蝶番１を介して家具の固定板６と可動板７を連結
するにあたり、固定蝶番片２と可動蝶番片３に３つの取
付用孔５ａ，５ｂ，５ｃをそれぞれ設け、固定板６と可
動板７に２つの係合穴（図１では図示省略）をそれぞれ
設けるとともに、先端部が径外向きに拡張可能に形成さ
れた筒状のリベット本体８を、家具用蝶番１の取付用孔
５ａ，５ｃに挿通し、更に家具の係合穴に係止させた
後、リベット本体８にリベットピン９を差し込みリベッ
ト本体８の先端部を拡張させて家具用蝶番１を固定板６
と可動板７に固定するようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、家具全般に用いら
れる蝶番の取付方法に係り、例えば扉付きボックス、テ
ーブルワゴン、ライティングデスク等の家具本体を構成
する固定板と、扉やバタフライ板等に代表される可動板
とを回動自在に連結する家具用蝶番の取付方法に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の家具用蝶番としては、例
えば図８に示すように、実公平２−２０３９２号公報に
開示されたものがある。上記開示の家具用蝶番５１は、
家具の固定板に取り付けられる固定蝶番片５２と、可動
板に取り付けられる可動蝶番片５３とが枢軸５４を介し
て回動自在に連結されたものである。固定蝶番片５２と
可動蝶番片５３には、突出ピン７０，７０がスポット溶
接によりそれぞれ固着されており、突出ピン７０，７０
間に木ねじ６２挿通用の取付用孔５５がそれぞれ穿設さ
れている。一方、固定板と可動板には、それぞれの蝶番
取付対応位置に２つの係合穴（図示省略）が設けられて
いる。

【０００３】この家具用蝶番５１を用いて固定板と可動
板を連結する際には、固定板と可動板の係合穴に対し突
出ピン７０，７０を挿入することにより、家具用蝶番５
１が固定板と可動板に位置決めされ仮止めされる。そし
て、取付用孔５５を通された木ねじ６２によって、固定
蝶番片５２が固定板に、可動蝶番片５３は可動板にそれ
ぞれ強固に固定されるようになっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、家具用
蝶番５１では、突出ピン７０がスポット溶接により固着
されるため、製造に手間がかかりコスト高になってい
る。また、製作誤差によって、突出ピン７０が固定蝶番
片５２または可動蝶番片５３に対し直角から傾いて溶接
されることがある。このように突出ピン７０が傾いてい
ると、２つの係合穴と２つの突出ピンの位置が一致しな
かったり、あるいは全く嵌合できないことがある。とり
わけ、通信販売等で購入したノックダウン家具のように
需要者が自分で組み立てるものの場合、苦情や返品をま
ねくことが十分に考えられる。

【０００５】本発明は、上記した従来の問題点に鑑みて
なされたものであって、家具の固定板と可動板に対し家
具用蝶番を、簡単に、かつ、確実に仮止め乃至固定する
ことのできる家具用蝶番の取付方法の提供を目的とする
ものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る家具用蝶番の取付方法は、固定蝶番片
と可動蝶番片とが回動自在に連結された家具用蝶番を介
して家具の固定板と可動板を連結するにあたり、固定蝶
番片と可動蝶番片に複数の取付用孔をそれぞれ設け、固
定板と可動板に少なくとも１つの係合穴をそれぞれ設け
るとともに、先端部が径外向きに拡張可能に形成された
筒状のリベット本体を、家具用蝶番の取付用孔に挿通
し、更に家具の係合穴に係止させた後、リベット本体に
リベットピンを差し込みリベット本体の先端部を拡張さ
せて家具用蝶番を固定板と可動板に固定するようにして
ある。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につき図
面を参照しつつ説明する。図１は本発明に係る家具用蝶
番の取付状態を示す斜視図である。図において、家具用
蝶番１は、家具の固定板６に取り付けられる固定蝶番片
２と、家具の可動板７に取り付けられる可動蝶番片３と
が枢軸４を介して回動自在に連結されてなる汎用のもの
である。固定蝶番片２と可動蝶番片３には、３つの取付
用孔５ａ，５ｂ，５ｃがそれぞれ穿設されている。但
し、取付用孔の穿設数は３つに限るものではない。

【０００８】一方、固定板６と可動板７の蝶番取付対応
位置には、図２に示すように、２つの係合穴１１がそれ
ぞれ設けられている。これらの係合穴１１は両側の取付
用孔５ａ，５ｃ間と同じ間隔で設けられている。係合穴
１１，１１間ピッチ（すなわち、家具用蝶番１の取付用
孔５ａと取付用孔５ｃの間隔）は、例えば３０ｍｍとす
るのが好ましい。これは、３０ｍｍピッチのものが汎用
となっている多軸式キリ装置を用いて簡便に穿設できる
ためである。従って、単軸式キリ装置で係合穴１１をひ
とつずつ穿設したりする必要がなく、係合穴穿設加工の
手間を軽減化でき、係合穴１１，１１間ピッチの加工誤
差の発生を抑制することもできる。

【０００９】また、拡張式リベット１０は、先端部８ｔ
が径外向きに拡張可能に形成された筒状のリベット本体
８と、リベット本体８の末端側から差し込まれて先端部
８ｔを押し拡げるリベットピン９とからなっている。リ
ベット本体８は、側断面略Ｔ字状の筒体であって、先端
部８ｔが十字状のスリットによって４つ割りに形成され
ている。この拡張式リベット１０は、例えばジュラコン
（商標名、ポリアセタール）、ナイロン（慣用名、ポリ
アミド）、ポリプロピレン等の可撓性材料で構成されて
いる。

【００１０】引続き、家具の固定板６および可動板７へ
の家具用蝶番１の取付手順を図１乃至図５に基づいて説
明する。まず、固定蝶番片２における両側の取付用孔５
ａ，５ｃが固定板６の２つの係合穴１１と合う位置に、
家具用蝶番１を配置する（図１）。この状態で、固定蝶
番片２の取付用孔５ａ，５ｃからリベット本体８を挿通
し、更に固定板６の係合穴１１に挿入する（図２）。

【００１１】次に、リベットピン９をリベット本体８内
に差し込む。すると、ピン先端がリベット本体８の先端
部８ｔを内側から径外向きに押し拡げる。これにより、
先端部８ｔが拡張して周囲の板材に食い込み、リベット
本体８が固定板６に係止される（図３）。すなわち、家
具用蝶番１の固定蝶番片２が固定板６に対し、容易に位
置決めされ係止される。このとき、拡張式リベット１０
による係止力は比較的大きいので、手で支えなくても家
具用蝶番１は落下しない。

【００１２】その後、木ねじ１２が中央の取付用孔５ｂ
を通されて固定板６にネジ止めされる。これで、固定蝶
番片２が固定板６に強く固定され（図４）、固定板６へ
の家具用蝶番１の取り付けが完了する。続いて、家具用
蝶番１の可動蝶番片３を可動板７に取り付ける場合も、
固定蝶番片２と同様の手順で固定される。このようにし
て、図５に示した家具用蝶番１の取付構造ができあが
る。

【００１３】他方、上記のように一旦組み立てた取付構
造であっても、木ねじ１２を外した後、リベットピン９
をリベット本体８から引き抜き、更にリベット本体８を
係合穴１１から抜き出すだけで、極めて容易に、しかも
家具を傷めることなく、個々の部品に分解することがで
きる。また、このように分解した部品は、上記と同様に
再び組み立てることも可能である。

【００１４】先述の実施形態では、固定板６と可動板７
に２つの係合穴をそれぞれ穿設した態様について述べた
が、本発明方法は、１つの係合穴を穿設してなる固定板
６または可動板７を連結する実施形態にも適用できる。
例えば、図６に示すように、中央の取付用孔５ｂを係合
穴１１と合わせた位置に家具用蝶番１を配置し、取付用
孔５ｂを通して拡張式リベット１０を係合穴１１に係止
するとともに、両側の取付用孔５ａ，５ｃを通して４本
の木ねじで固定するようにしてもよい。その場合は、係
合穴１１は１つでよいので、キリ穴穿設個数が少なくて
すむ。また、残り２つの取付用孔５ａ，５ｃは木ねじ用
に使用できるので、先述の実施形態よりも固着力が大き
くなり、重量のある可動板７を取り付けるのに好適とな
る。尚、拡張式リベット１０を装着すべき一の取付用孔
は、中央の取付用孔５ｂに限らず、例えば両側の取付用
孔５ａ，５ｃのいずれかであってもよい。

【００１５】また、図７に示すように、拡張式リベット
１０だけで家具用蝶番１を取付・固定するような実施形
態にも適用できる。この場合、固定板６または可動板７
に３つの係合穴（図示省略）を穿設しておき、固定蝶番
片２または可動蝶番片３の取付用孔（図示省略）を通し
て係合穴の全てに拡張式リベット１０をそれぞれ装着す
る。これにより、家具用蝶番１を固定蝶番片２と可動蝶
番片３に係止・固定することができる。この実施形態で
は木ねじを使用していないが、可動板７が軽量であれ
ば、拡張式リベット１０のみで実用上問題なく対応でき
る。

【００１６】尚、この発明方法は、需要者等が自分で組
み立てるノックダウン品の家具のみならず、家具製造業
者が完成品としての家具を組み立てる場合にも適用でき
るのはいうまでもない。

【００１７】

【発明の効果】以上述べたように、本発明に係る家具用
蝶番の取付方法によれば、拡張式リベットのリベット本
体およびリベットピンを用いて家具用蝶番を取り付ける
ようにしたので、家具の固定板と可動板に対し家具用蝶
番を簡単に、かつ、確実に位置決め、仮止め、あるいは
固定することができ、取付作業性が格段に向上する。し
かも、家具用蝶番として複数の取付用孔を有する安価な
汎用品を用いるので、家具用蝶番に要する製造コストの
低減化および交換部品調達の容易化を実現できる。ま
た、家具用蝶番にかかる設計荷重に応じて拡張式リベッ
トの数と木ねじの数を自由に組み合わせることにより、
種々の可動板を固定板に連結できるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態に係る家具用蝶番の取付状
態を示す斜視図である。

【図２】家具用蝶番の取付用孔および家具の係合穴にリ
ベット本体を挿入した状態を示す側断面図である。

【図３】挿入後のリベット本体にリベットピンを差し込
んだ状態を示す側断面図である。

【図４】リベットピン差し込み後に木ねじで家具用蝶番
を固定した状態を示す側断面図である。

【図５】家具の固定板と可動板を家具用蝶番を介して連
結した状態を示す平断面図である。

【図６】本発明の別の実施形態に係る家具用蝶番の取付
状態を示す斜視図である。

【図７】本発明の更に別の実施形態に係る家具用蝶番の
取付状態を示す要部側面図である。

【図８】従来の家具用蝶番の取付状態を示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ 家具用蝶番 ２ 固定蝶番片 ３ 可動蝶番片 ５ 取付用孔 ６ 固定板 ７ 可動板 ８ リベット本体 ８ｔ 先端部 ９ リベットピン １１ 係合穴

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 固定蝶番片と可動蝶番片とが回動自在に
   連結された家具用蝶番を介して家具の固定板と可動板を
   連結するにあたり、固定蝶番片と可動蝶番片に複数の取
   付用孔をそれぞれ設け、固定板と可動板に少なくとも１
   つの係合穴をそれぞれ設けるとともに、先端部が径外向
   きに拡張可能に形成された筒状のリベット本体を、家具
   用蝶番の取付用孔に挿通し、更に家具の係合穴に係止さ
   せた後、リベット本体にリベットピンを差し込みリベッ
   ト本体の先端部を拡張させて家具用蝶番を固定板と可動
   板に固定するようにしたことを特徴とする家具用蝶番の
   取付方法。