JPH096033A - 電子写真有機感光体 - Google Patents

電子写真有機感光体

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JPH096033A
JPH096033A JP15891295A JP15891295A JPH096033A JP H096033 A JPH096033 A JP H096033A JP 15891295 A JP15891295 A JP 15891295A JP 15891295 A JP15891295 A JP 15891295A JP H096033 A JPH096033 A JP H096033A
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JP
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polyaniline
intermediate layer
photoconductor
organic
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JP15891295A
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English (en)
Inventor
Akira Takahashi
章 高橋
Sumitaka Nogami
純孝 野上
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】電気特性、画像品質が優れ、且つ電気特性およ
び画像品質が外部環境の影響を受けにくく、しかも生産
性の良好な感光体を提供する。 【構成】導電性基体1上に中間層2次いで電荷発生層3
および電荷輸送層4を形成してなる電子写真有機感光体
において、前記中間層2は下記一般式(1)で示される
ポリアニリン系化合物を含有する。さらに有機酸または
有機酸塩を添加する。 【化10】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、新規な中間層を備
え、電気特性、画像品質が優れ、且つ安定している電子
写真有機感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】カールソンの発明に始まる電子写真装置
に用いられる電子写真有機感光体(以下、感光体と記
す)は従来、セレン、セレン合金、酸化亜鉛、硫化カド
ミウムなどの無機系の光導電性材料を使用したものが主
流であった。しかしながら、最近では無毒性、成膜性、
軽量性、低価格などの点から、有機系の光導電性材料を
使用した感光体の開発が盛んに進められている。
【0003】中でも、感光層を光を受容して電荷キャリ
アを発生させる電荷発生層と、発生したキャリアを移動
させる電荷移動層とに分けた、いわゆる機能分離積層型
の有機系感光体は、各層をそれぞれの層の機能に最適な
材料で形成して組み合わせることにより、感度を大幅に
向上させることができること、露光光の波長に応じてそ
の分光感度を高めることができることなど利点が多く、
開発の主流となり実用化が進められて、複写機、プリン
タ、ファックスなどの電子写真装置に使用されてきてい
る。
【0004】現在実用化されている機能分離積層型の有
機系感光体の主流は、導電性基体の上に電荷発生層、電
荷移動層をこの順に積層した感光層を備えた構成のもの
である。このような感光体は、導電性基体上に、有機系
の電荷発生剤を昇華または蒸着して、あるいは、有機系
の電荷発生剤をバインダーと共に有機溶媒に分散、溶解
した塗液を塗布、乾燥して電荷発生層を形成し、引続き
その上に、電荷移動剤をバインダーと共に有機溶媒に溶
解した塗液を塗布、乾燥して電荷移動層を形成して作製
される。基本的にはこのような層構成で画像形成のため
の感光体としての基本性能は発揮させることができる。
しかし、実用的には欠陥のない良好な画像を得ることが
重要であり、しかも繰り返し長期間使用された時も良好
な画質が維持されることが要求される。そのためには、
均質で欠陥のない膜質の感光層を形成すること、感光体
の電気特性が優れていることが要求され、また、長期間
使用しても膜厚、電気特性が劣化せず安定していること
が要求される。
【0005】電荷発生層は、光を吸収して荷電キャリア
を発生するが、発生した荷電キャリアは再結合して消滅
したりトラップされたりすることなく、速やかに移動し
て導電性基体や電荷移動層に注入されることが必要であ
る。このために、電荷発生層はできるだけ薄い膜とする
ことが望ましく、現在実用化されている感光体において
は、通常サブミクロンオーダーの膜厚の電荷発生層が形
成されている。電荷発生層がこのような薄膜として形成
されるために、導電性基体表面の汚れ、形状や性状の不
均一性、粗さはそのまま電荷発生層の成膜ムラとなって
現れ、その結果得られる画像に白抜け、黒点、濃度ムラ
などの画像欠陥が発生するという問題が生じる。導電性
基体としては、一般にアルミニウム合金の引抜き円筒、
またはその表面に切削研磨などを施して平滑化した円筒
が用いられるが、導電性基体の表面粗さのばらつき、表
面の汚れ、合金成分として含まれている金属の析出物の
量と大きさのばらつきあるいは表面の酸化の状態のばら
つきなどの表面性状のばらつきにより、その表面に形成
される電荷発生層に成膜ムラが発生し、得られる画像の
品質に大きな影響を及ぼすことになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような成膜ムラの
発生を避けるために、また、別途要求される導電性基体
から正孔の注入による感光体の電荷保持特性の低下を防
ぐブロッキング効果を得るために、導電性基体の表面に
低電気抵抗のN型の樹脂からなる中間層を設けることが
行われてきた。
【0007】このような目的で中間層に使用される樹脂
として、以前から溶剤可溶性ポリアミド、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルブチラール、カゼインなどの樹脂
が知られている。これらの樹脂は、先の目的のうち単に
ブロッキング層としての目的を果たすためには、極めて
薄い膜、例えば0.1μm以下の薄膜でも十分にその機
能を果たすことができる。しかし、他の目的、すなわち
導電性基体の表面形状、表面性状のばらつき及び表面の
汚れを被覆し、電荷発生層用塗液の濡れの不均一性を改
善して成膜ムラをなくすためには0.5μm以上の膜厚
が必要であり、基体の加工条件、表面の汚染の状態にも
よるが、場合によっては1μm以上の膜厚が必要とされ
る。ところが、このような膜厚の樹脂層を上述のポリビ
ニルアルコール、溶剤可溶性ポリアミド、カゼイン等で
形成すると、残留電位の上昇、低温低湿や高温高湿の環
境における感光体の電気特性の変動が生じるという問題
があった。これらは、これらの樹脂が吸水性が大きく、
しかもその電気伝導が大部分吸水した水分が解離した水
素イオン、あるいはハイドロキシイオンによるイオンの
伝導であり、樹脂層の電気抵抗が樹脂層に含まれる水分
により大きく変動するからである。
【0008】このような膜厚の層としても電気抵抗が低
く、周囲の環境の変化に対しても電気抵抗の変化が少な
く、中間層として好適な材料として従来から種々の材料
が提案されている。例えば、溶解可溶性ポリアミド樹脂
については、そのポリアミド樹脂の化学構造を特定する
ものとして、特開平2−193152号公報、特開平3
−288157号公報、特開平4−31870号公報な
どが知られており、またポリアミド樹脂に添加剤を加え
て環境の変化に対する電気抵抗の変化を抑制する効果を
期待するものとして、特公平2−59458号公報、特
開平3−150572号公報、特開平2−53070号
公報などが知られている。またポリアミド樹脂と他の樹
脂とを混合して用いて電気抵抗を調整し、環境の変化に
よる影響を弱める効果を期待するものとして、特開平3
−145652号公報、特開平3−81778号公報、
特開平2−281262号公報などが知られている。し
かし、これらの方法も使用する主材料がポリアミド系樹
脂であり、温湿度の影響をさけることはできない。
【0009】また、ポリミアミド系樹脂以外の材料とし
てセルロース誘導体を用いる例(特開平2−23845
9号公報)、ポリエーテルウレタンを用いる例(特開平
2−115858号公報、特開平2−280170号公
報)、ポリビニルピロリドンを用いる例(特開平2−1
05349号公報)、ポリグリコールエーテルを用いる
例(特開平2−79859号公報)などが知られてお
り、更にまた樹脂層中の水分の量が環境の変化に依存し
ないようにとの考えから架橋性の樹脂を用いることも提
案され、例えば、メラミン樹脂を用いる例(特開平4−
22966号公報、特公平4−31576号公報、特公
平4−31577号公報)、フェノール樹脂を用いる例
(特開平3−48256号公報)また、多量のフィラ
ー、例えばアナターゼ型酸化チタン、を添加する提案
(特開平4−328567号公報)などが知られてい
る。しかし、これらの方法も樹脂層が極薄い場合には有
効であるが、数μmのような比較的厚い膜となると感光
体の抵抗が高くなり、残留電位上昇の原因となる。
【0010】上述のような欠点を除去するための方法の
一つとして、中間層を形成する材料の電気伝導をイオン
伝導でなく電子伝導にすることが考えられる。このよう
な考えに基づく方法として、酸化スズ、酸化インジウム
などの導電性粉末を分散させた樹脂層を設ける方法が提
案されている(特公平1−51185号公報、特公平2
−48175号公報、特公平2−60177号公報、特
公平2−62861号公報)。しかし、このような方法
も導電性粉末を均一に分散した樹脂の塗布液を作製する
には多くの困難があり、また塗布液を導電性粉末が分
離、沈降しないように安定に保存することは難しく、こ
れを塗布して成膜した樹脂層表面にしばしば導電性粉末
の分離、凝集に伴う微小の突起が生じるのを避けられ
ず、これが感光体の画像欠陥の原因となる。 そこで、
上述のような導電性粉末の代わりに有機金属化合物を用
い、有機金属化合物を樹脂と共に有機溶媒に溶解した塗
布液を塗布して中間層を形成する方法も提案されている
(特公平3−4904号公報、特開平2−59767号
公報)。しかし、この方法も塗布液が不安定であり、工
業的な大量生産を行うには多くの解決すべき課題を抱え
ている。特に、最近のように感光体のコストダウンが強
く要望され、比較的加工度の低いアルミニウム素管の採
用が注目される一方、複写機、プリンター、ファックス
の解像度はますます精緻化され、また高耐久性が要求さ
れつつある。このため、塗膜平滑性に優れ、環境の変化
に対して抵抗力の強い中間層が必要とされている。
【0011】この発明は、上記のような導電性基体上に
設ける中間層としての樹脂層に伴う種々の問題に鑑みて
なされたものであって、特性の成分を含んでなる中間層
を設けることにより、電気特性、画像品質が優れ、且つ
電気特性画像品質が外部環境の影響を受けにくく、しか
も生産性の良好な感光体を提供することを目的とするも
のである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、導電性基体上に中間層次いで有機感光層を形成し
てなる電子写真有機感光体において、前記中間層は一般
式(1)で示されるポリアニリン系化合物を含有するも
のとする。前記ポリアニリン系化合物は化学式(2)で
表されるポリアニリンまたは化学式(3)で表されるポ
リオルソアニシジンであると良い。
【0013】前記中間層はポリアニリン系化合物と共に
スルフォン酸、カルボン酸、リン酸等の有機酸または有
機酸塩を含むと良い。
【0014】
【作用】この発明に使用される前記一般式(1) のポリア
ニリン化合物中のポリアニリンについては、Journal of
the chemical society, chemical communication , 17
36ページ(1989) に述べられた方法、すなわちアニリン
と硫酸の水溶液を低温にてペルオキソ2硫酸アンモニウ
ムを酸化剤として酸化重合し、得られたポリアニリンの
粉末をアンモニア水にて中和・脱ドープして得られる溶
剤可溶性ポリアニリンである。前記一般式(1) の重合体
であるポリアニリンは、その構造は既にSynthetic Meta
ls第21巻、21ページ (1988)等の文献により紹介されて
いるが、不溶・不融の物質としてであり、加工性に乏し
く、この物質を含む膜を成膜することは難しく、感光体
の中間層に用いることは考えられていなかった。本発明
者らは、前述の溶剤可溶性のポリアニリンを用いること
を考え検討を進めたところ、このポリアニリンまたはそ
れらの誘導体はバインダー樹脂、例えばポリカーボネー
ト、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン系樹脂、
塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、(メタ)アクリ
ル系樹脂、ポリビニルブチラール(アセタール、ホルマ
ール)などの樹脂と良好な相溶性を示すことを見出し、
この発明をなすに至ったのである。
【0015】溶剤可溶性のポリアニリン化合物の溶液、
または溶剤可溶性のポリアニリン系化合物を上述のバイ
ンダーと混合して調整した塗布液を用いて成膜した中間
層を有する感光体は、中間層の膜厚を10〜20μmと
厚くしても優れた電気特性を有し、繰り返し使用しても
帯電位の低下、残留電位上昇など、電気特性の変動はほ
とんど生じない。また、このような厚膜の中間層を形成
することにより、導電性基体表面のばらつき、形状欠
陥、粗さのばらつき、汚れ等が被覆され、その上に膜欠
陥の少ない均一な感光層を形成することができ、特に感
光層が電荷発生層、電荷移動層の順に積層される機能分
離積層型の感光体の場合でも薄膜の電荷発生層を成膜ム
ラを発生させることなく容易に形成することができる。
その結果、画像欠陥の少ない良質の画像を安定して得ら
れる感光体を得ることができる。
【0016】前記一般式(1) で示されるポリアニリン系
化合物を含む中間層、または前記一般式(1) で示される
ポリアニリン系化合物をプロトン酸にてドーピングされ
た組成物を含む中間層を設けることにより、極めて厚
く、例えば10〜20μmの膜に設けても残留電位が低
く繰り返し使用しても帯電特性の低下、残留電位の上昇
といった不具合が発生せず、電気特性、画像品質の優れ
た有機感光体を得ることができる。
【0017】
【実施例】以下、この発明の実施例について説明する
が、この発明が以下の実施例に限定されないことは言う
までもない。なお、以下の部とあるのは重量部を指す。
まずポリアニリンの合成例について説明する。1000
部の蒸留水に98部の硫酸、93部のアニリンを加え、
水冷して−5℃にまで冷却する。この冷却液に1000
部の蒸留水に196部の硫酸、196部のパーオキソ2
硫酸アンモニウムを加えた溶液を−5℃の冷却水で攪拌
しながら徐々に添加する。添加後、冷却した状態で一昼
夜放置すると、濃青緑色の沈澱が生成する。この沈澱物
を蒸留水で洗浄し、続いてアンモニア水で硫酸根の存在
が認められなくなるまで洗浄する。更に蒸留水で充分洗
浄し乾燥すると濃青色のポリアニリンが得られる。この
ようにして得られたポリアニリンは、溶媒N−メチル−
2−ピロリドン(以下、NMPと記す)中に8重量%ま
で良好に溶解し、青色の溶液が得られ、NMP中にLi
Brを0.01mol/cm3 の濃度で溶解した液を溶解液と
してゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により分子
量を測定したところ、重量平均分子量Mwは15万(ポ
リスチレン換算)であった。
【0018】次にポリオルソアニシジンの合成例につい
て説明する。1000部の蒸溜水に250部のo−アニ
シジン、2056部の36%塩酸水溶液を加え、水冷し
て10℃以下に冷却する。この冷却液に13896部の
33.3%過硫酸アンモニウム水溶液を10℃以下の冷
却下で攪拌しながら徐々に添加する。約2時間反応を続
けた後、反応液を吸引濾過し、濾物を分散する。濾物を
純水で洗浄し、デンカンテーションさせ、一昼夜放置
後、再び濾過を行う。
【0019】濾液のpHが6になるまで水洗を繰り返
し、濾物を30℃で風乾させ、ポリオルソアニシジンを
得た。このようにして得られたポリオルソアニシジン
は、溶媒NMP中に8重量%まで溶解し、茶褐色の溶液
が得られ、NMP中にLiBrを0.01mol/cm3 の濃
度で溶解した液を溶解液としてゲル浸漬クロマトグラフ
ィー(GPC)により分子量を測定したところ、重量平
均分子量は1100であった。
【0020】図1はこの発明の実施例に係る感光体の要
部断面図である。アルミニウムなどの導電性基体1の表
面に本発明の中間層2を形成し、その上に電荷発生層3
および電荷輸送層4を含む有機感光層11を積層してあ
る。この発明に係わるポリアニリン系化合物を含む中間
層2の膜厚は、0.1〜20μmが好ましく、より好適
には0.5〜15である。そして、ポリアニリン系化合
物の含有量は前述のように極微量でも効果はあるが、5
重量%以上が望ましい。中間層に含まれるポリアニリン
系化合物が5〜50重量%の場合、中間層の機能を十分
に発現させるためには、成膜した表面保護層をプロトン
酸の溶液に浸漬するか、またはポリアニリン系化合物に
対し1〜200重量%、好ましくは5〜150重量%の
プロトン酸を塗布液に加え、この塗布液を用いて中間層
を成膜するとよい。この時用いるプロトン酸と感光体の
中間層としての適合性について検討した結果、有機酸ま
たは有機酸塩が好適であることがわかった。
【0021】上述のように、この発明は感光層が電荷発
生層3、電荷輸送層4の順に積層されてなる機能分離積
層型の感光体において特に有効である。このような感光
体においては、電荷発生層3は、フタロシアニン系顔
料、アントアントロン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔
料、アゾ顔料、ジスアゾ顔料などの顔料を適当なバイン
ダー樹脂に溶解した溶液中に分散した塗液を、上述の中
間層2上に塗布し乾燥して、膜厚0.1〜1μmの塗膜
として形成され、その上にエナミン化合物、ヒドラゾン
化合物、スチリル化合物、アミン系化合物をこれらの化
合物と相溶性のあるバインダー樹脂、例えばポリカーボ
ネート、ポリエステル、ポリスチレン、スチレンアクリ
レート等と共に、適当な溶媒に溶解した塗液を塗布し乾
燥して、膜厚5〜40μmの電荷輸送層4が形成され
る。 実施例1 外径30mm、内径28mm、長さ260.5mm、表面粗さ
が最大高さ(Rmax)2.0μmの導電性基体1上、
前記のようにして得られたポリアニリンをNMPに8重
量部の濃度で溶解した塗布液を浸漬塗布して乾燥膜厚1
0μmの中間層2を形成した。この上に電荷発生剤とし
て下記構造式(4−1)で表されるアゾ化合物2.1重
量部、ポリビニルアセタール(積水化学工業 (株) 製、
商品名エスレックKS−1)1.0重量部をメチルエチ
ルケトン20重量部を加えて調合し、塗液を中間層2上
に浸漬塗布し、乾燥厚み0.2μmの電荷発生層3を形
成した。
【0022】
【化4】
【0023】更にこの上に、電荷輸送剤として下記構造
式(5−1)で表されるヒドラゾン化合物10重量部、
ポリカーボネート(三菱ガス化学 (株) 製、商品名ユー
ピロンPCZ−300)10重量部、テトラヒドロフラ
ン80重量部からなる塗液を電荷発生層3上に浸漬塗布
し、乾燥厚み20μmの電荷輸送層4を形成して感光体
を作製した。
【0024】
【化5】
【0025】実施例2 実施例1において、ポリアニリンを含む中間層の塗布液
にポリアニリンに対し2倍量のポリカーボネート樹脂
(三菱ガス化学 (株) 製、商品名ユーピロンPCZ−3
00)を加えて溶解し、それとポリアニリンに対して1
0%量のカンファースルフォン酸を加えた塗布液とす
る。更に電荷発生剤を(4−2)で表されるアゾ化合物
とし、電荷輸送剤を(5−2)で表されるヒドラゾン化
合物に替えたこと以外は実施例1と同様にして感光体を
作製した。
【0026】
【化6】
【0027】
【化7】
【0028】実施例3 実施例1において、ポリアニリンを含む中間層の塗布液
にポリアニリンに対し3倍量のポリカーボネート樹脂
(三菱ガス化学 (株) 製、商品名ユーピロンPCZ−3
00)を加えて溶解し、それとポリアニリンに対して2
0%量のビス(2−エチルヘキシル)ハイドロゲンフォ
スフェイトを加えた塗布液とする。更に電荷発生剤を
(4−3)で表されるジブロモアントアントロン化合物
とし、電荷輸送剤を(5−3)で表されるヒドラゾン化
合物に替えたこと以外は実施例1と同様にして感光体を
作製した。
【0029】
【化8】
【0030】
【化9】
【0031】実施例4 実施例1において、中間層としてポリオルソアニシジン
をNMPに対して8重量%の濃度で溶解した塗布液に替
えたこと以外は実施例1と同様にして感光体を作製し
た。 実施例5 実施例2において、中間層としてポリオルソアニシジン
を用いたこと以外は実施例2と同様にして感光体を作製
した。 実施例6 実施例3において、中間層としてポリオルソアニシジン
を用いたこと以外は実施例2と同様にして感光体を作製
した。 比較例1 実施例1において、中間層用の塗布液を共重合ポリアミ
ド樹脂(東レ (株) 製、商品名アミランCM−800
0)5部とメタノール100重量部からなり、ポリアニ
リンを含まない塗布液に替えたこと以外は実施例1と同
様にして感光体を作製した。 比較例2 実施例1において、中間層を設けなかったこと以外は実
施例1と同様にして感光体を作製した。 比較例3 実施例2において、中間層塗布液にプロトン酸として硫
酸をポリアニリンに対して10%量加えて塗布液に替え
たこと以外は実施例2と同様にして感光体を作製した。
【0032】以上のようにして作製した各感光体につい
て、感光体特性を感光体のプロセス試験機で評価した。
感光体を試験機に取り付け、周速60mm/s で回転させ
ながら、コロトロンで−600Vに帯電し、光の無照射
時の電位をもって暗部電位V 0 とする。その後5秒間暗
所に放置した時の電位を測定し、その間の電位保持率V
k5(%)を求める。続いて感光体における照度が 30
(lx) となる状態でハロゲンランプの光を照射し、0.
2秒後電位をもって明部電位 VL とする。更に1.5
秒照射後の電位をもって残留電位VR とする。前述のよ
うな帯電・露光を1サイクルとするプロセスを1万回繰
り返し、初期(1回目)と1万回繰り返し後の感光体特
性を測定した。その結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】表1に見られるように、ポリアニリンまた
はポリオルトアニシジンからなる中間層を設けた実施例
1または実施例4の感光体とポリアニリンまたはポリオ
ルソアニシジンをスルフォン酸、有機リン酸塩でドーピ
ングされた組成物とバインダーであるポリカーボネート
からなる中間層を設けた実施例2、3、5、6の各感光
体は、共重合ポリアミド樹脂からなりポリアニリンを含
まない中間層を設けた比較例1の感光体、中間層を設け
ていない比較例2の感光体、及び中間層としてポリアニ
リンを含むが無機系の硫酸によりドーピングされた組成
物を含む比較例3の感光体等に比べて、初期、繰り返し
後の帯電低下は少なく、電位保持率は高く、残留電位は
低く良好であることが明らかである。
【0035】次にこれらの感光体について初期と1万枚
画像出しの画質を評価した。その結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】表2に見られるように、実施例1〜6の感
光体はそれぞれ画質が良好で、繰り返し印字を行っても
比較例1〜3の各感光体のような画質の悪化はほとんど
起こらず、安定していた。
【0038】
【発明の効果】この発明によれば、導電性基体上に中間
層を設け、その上に感光層を設けてなる電子写真有機感
光体において、前記中間層中に一般式(1) で示されるポ
リアニリン系化合物を含有させ、また、前記ポリアニリ
ン系化合物と共に有機酸または有機酸塩をドーピングさ
せた組成物を含有させることにより、導電性基体表面の
種々の欠陥が被覆されるような厚膜の中間層を形成する
ことができるので、その上に膜欠陥の少ない均一な感光
層を形成することができ、特に感光層が電荷発生層、電
荷移動層の順に積層される機能分離積層型の感光体の場
合でも、薄膜の電荷発生層を成膜ムラを発生させること
なく容易に形成することができる。また、残留電位が低
く、繰り返し使用しても帯電特性の低下、残留電位の上
昇といった不具合が発生せず、電気特性画像品質の優れ
た感光体を得ることができる。
【0039】その結果、画像欠陥の少ない良質の画像を
安定して得られる感光体を生産性よく作製することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子写真用有機感光体の要部断面
【符号の説明】
1 導電性基体 2 中間層 3 電荷発生層 4 電荷輸送層 11 有機感光層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性基体上に中間層次いで有機感光層を
    形成してなる電子写真有機感光体において、前記中間層
    は下記一般式(1)で示されるポリアニリン系化合物を
    含有することを特徴とする電子写真有機感光体。 【化1】
  2. 【請求項2】請求項1に記載の電子写真有機感光体にお
    いて、前記ポリアニリン系化合物が下記化学式(2)で
    表されるポリアニリンまたは下記化学式(3)で表され
    るポリオルソアニシジンであることを特徴とする請求項
    1記載の電子写真有機感光体。 【化2】 【化3】
  3. 【請求項3】請求項1に記載の電子写真有機感光体にお
    いて、前記中間層はポリアニリン系化合物と共に有機酸
    または有機酸塩を含むことを特徴とする電子写真有機感
    光体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5896238A (en) * 1996-10-31 1999-04-20 Em Kunststofftechnik Gmbh Exterior rearview mirror for motor vehicles

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5896238A (en) * 1996-10-31 1999-04-20 Em Kunststofftechnik Gmbh Exterior rearview mirror for motor vehicles

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