JPH0959651A - 重油基材の製造法 - Google Patents

重油基材の製造法

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JPH0959651A
JPH0959651A JP23319395A JP23319395A JPH0959651A JP H0959651 A JPH0959651 A JP H0959651A JP 23319395 A JP23319395 A JP 23319395A JP 23319395 A JP23319395 A JP 23319395A JP H0959651 A JPH0959651 A JP H0959651A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドライスラッジ含有量が0.05質量%を超
える重油基材を特定された比較的低温の条件で水素化処
理することにより、ドライスラッジ含有量が0.05質
量%以下である重油基材を製造する方法を提供する。 【解決手段】 ドライスラッジ含有量が0.05質量%
を超える重油基材を原料油とし、これを温度200〜4
00℃、水素分圧1.0〜25.0MPa、液空間速度
0.1〜10.0h-1かつ水素/油比50〜1700N
3 /m3 の条件で水素化触媒と接触させ水素化処理を
行うことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドライスラッジ含
有量の低い重油基材の製造法に関し、詳しくはドライス
ラッジ含有量が0.05質量%を超える重油基材を特定
された条件で水素化処理することにより、ドライスラッ
ジ含有量が0.05質量%以下である重油基材を製造す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、我国における重油は、原油を常
圧蒸留装置で処理しナフサ、灯油、軽油といった軽質炭
化水素を除去することにより得られる常圧蒸留残査物
や、この常圧蒸留残査物を更に減圧蒸留装置で処理して
減圧軽油を除去することにより得られる減圧蒸留残査物
など、ドライスラッジ含有量が0.05質量%以下の石
油蒸留残査物、これら石油蒸留残査物を高温高水素分
圧下で水素化触媒と接触させ脱硫、脱窒素、分解反応を
進めることにより得られる、ドライスラッジ含有量が
0.05質量%以下の低硫黄でかつ低粘度の重油基材、
またはこれらの混合物、などを主な基材としてこれら
を適宜混合するか、さらにこれらに必要に応じて粘度等
の調整に灯油、軽油、減圧軽油等を混合することで製造
されてきた。なお、ドライスラッジとは、一般に1.0
μm以上の径を持つアスファルテン分子を主体とした粒
子である。
【0003】しかしながら、原油の種類やその処理方法
によっては、ドライスラッジ含有量が0.05質量%を
超える常圧蒸留残査物や減圧蒸留残査物などが得られる
ことがある。また上記でいう常圧または減圧蒸留残査
物の水素化処理は、硫黄含有量の低い重油基材の増産、
更に粘度調整用の灯油、軽油等の中間留分の増産といっ
た観点から有意義なものであるが、脱硫率や分解率を高
める目的で、反応温度を高くする等の苛酷度の高い運転
条件で石油蒸留残査物を水素化処理すると、生成物中に
ドライスラッジが析出し、その含有量が0.05質量%
を超えてしまうという問題が生じる。
【0004】このようなドライスラッジ含有量が0.0
5質量%を超える基材を重油基材として使用すると、他
の基材と混合時あるいは貯蔵期間中にそれらがさらに巨
大スラッジに成長し、燃料油フィルターや遠心式油清浄
機の閉塞、燃料油加熱器のファウリング、および燃焼機
関の重油噴射ノズルの閉塞等のトラブルが発生する懸念
がある。したがって、ドライスラッジ含有量が0.05
質量%を超える基材は重油基材として不適当であり、こ
れまで重油製造において使用することができなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ドライスラ
ッジ含有量が0.05質量%を超える重油基材を特定さ
れた条件で水素化処理することにより、ドライスラッジ
含有量が0.05質量%以下である重油基材を製造する
方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはドライスラ
ッジ含有量が0.05質量%を超える重油基材を有効利
用すべく研究を重ねた結果、特定された条件でこれら基
材を水素化処理することにより、ドライスラッジ含有量
の低い重油基材が得られることを見い出し、本発明を完
成するに至った。
【0007】本発明は、ドライスラッジ含有量が0.0
5質量%を超える重油基材を原料油とし、これを、温度
200〜400℃、水素分圧1.0〜25.0MPa、
液空間速度0.1〜10.0h-1かつ水素/油比50〜
1700Nm3 /m3 の条件で水素化触媒と接触させ水
素化処理を行うことを特徴とする、ドライスラッジ含有
量が0.05質量%以下の重油基材の製造法を提供する
ものである。以下、本発明の内容について詳細に説明す
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明における原料油は、ドライ
スラッジ含有量が0.05質量%を超える重油基材、好
ましくはドライスラッジ含有量が0.05質量%を超
え、5.0質量%以下、より好ましくはドライスラッジ
含有量が0.05質量%を超え、1.0質量%以下であ
る重油基材である。原料油のドライスラッジ含有量が
5.0質量%を超える場合は、通常、水素化処理工程に
おける原料油供給系統でのストレーナーやバルブの閉
塞、熱交換器や加熱炉のファウリングによる伝熱効率の
低下等の問題を生じる恐れがあるため、あまり好ましく
ない。
【0009】なお本発明におけるドライスラッジ含有量
とは、ASTM D 4870-92に規定する”Standard Test Meth
od for Determination of Total Sediment in Residual
Fuels”に準拠して測定される全沈降物量を意味する。
以降、本発明におけるドライスラッジ含有量とは、すべ
てこの方法により測定される値を意味する。
【0010】原料油としては、ドライスラッジ含有量が
0.05質量%を超える重油基材であれば良く、その他
の性状は特に限定されるものでない。しかしながら、通
常、この原料油の硫黄含有量は、下限値が0.05質量
%、好ましくは0.1質量%であり、一方、その上限値
が10質量%、好ましくは6.0質量%の範囲のものを
用いるのが望ましい。
【0011】硫黄含有量が0.05質量%未満という数
値は重油基材の硫黄含有量としては過剰性能である。し
かもこのような低硫黄含有量の重油基材を得るために
は、前述した常圧蒸留残査物や減圧蒸留残査物を非常に
苛酷な条件で水素化処理する必要があり、エネルギーコ
ストの点で不利である。また硫黄含有量が10質量%を
超える場合は、得られる重油基材の硫黄含有量が高くな
り、ボイラー燃料として用いた場合に燃焼排ガス中の硫
黄酸化物量の増大をもたらしてしまう。また得られる重
油基材の硫黄含有量をより低下させるためには、反応塔
や周辺機器等の建設費が急激に上昇して経済的に実用性
が失われたり、多量のカッター材を必要とするため、そ
れぞれあまり好ましくない。
【0012】なお、本発明における硫黄含有量とは、JI
S K 2541-1992 に規定する「原油及び石油製品−硫黄分
試験方法」の「6.放射線式励起法」に準拠して測定さ
れる硫黄含有量を意味する。以降、本発明における硫黄
含有量とは、すべて上記方法により測定される値を意味
する。
【0013】また、これら原料油としては、通常、その
100℃における動粘度の下限値が5mm2/s、好まし
くは15mm2/sであり、一方、100℃における動粘
度の上限値が50000mm2/s、好ましくは5000
mm2/sであるものを用いるのが望ましい。
【0014】100℃における動粘度が5mm2/s未満
のものを用いた場合は、原料油中のナフサ、灯油および
軽油留分の含有比率が多くなり、水素化処理の不必要な
留分まで水素化処理してしまうため、エネルギーコスト
的に不利である。一方、100℃における動粘度が50
000mm2/sを超えるものを用いた場合は、その粘度
を低下させるために多量のカッター材を必要とするた
め、あまり好ましくない。
【0015】なお、本発明でいう動粘度とは、JIS
K 2283に規定する「原油及び石油製品の動粘度試
験方法並びに石油製品粘度指数算出方法」に準拠して測
定される動粘度を意味する。以降、本発明における動粘
度とは、すべて上記方法により測定される値を意味す
る。
【0016】また、原料油としてはさらに、蒸留温度3
00℃以上の留分を70質量%以上、好ましくは90質
量%以上、更に好ましくは95質量%以上含む蒸留性状
を有するものを用いるのが望ましい。蒸留温度300℃
以上の留分の含有量が70質量%未満のものを用いた場
合は、原料油中のナフサ、灯油および軽油留分の含有比
率が多くなり、水素化処理の不必要な留分まで水素化処
理してしまうため、エネルギーコスト的に不利である。
【0017】なお、本発明でいう蒸留温度とは、JIS
K 2254に規定する「石油製品−蒸留試験方法」
の「6.減圧蒸留試験方法」に準拠して測定される温度
を意味する。以降、本発明における蒸留温度とは、すべ
て上記方法により測定される値を意味する。
【0018】より具体的には、原料油としては例えば、
原油を常圧蒸留装置で処理してナフサ、灯油、軽油など
の軽質炭化水素を除去して得られる常圧蒸留残査物;常
圧蒸留残査物を更に減圧蒸留装置で処理し減圧軽油を除
去して得られる減圧蒸留残査物;常圧蒸留残査物および
/または減圧蒸留残査物を水素化処理して硫黄等を除去
して得られる低硫黄重油基材;石油留分を接触分解する
際に得られる留出油;あるいはこれらの混合物などが好
ましく用いられる。さらに、粘度等を調整するため、そ
れらに軽質石油蒸留物、灯油、軽油あるいは減圧軽油留
分などを適宜混合したものも本発明の原料油として好適
に用いられる。
【0019】本発明においては、これら原料油に対して
水素化処理を実行する。この水素化処理における水素化
処理温度は、下限値が200℃であり、一方、その上限
値が400℃、好ましくは350℃の範囲で行うことが
できる。水素化処理温度が200℃未満の場合は触媒活
性が十分に発揮されずスラッジ分の水素化反応が実用の
領域まで進まず、一方、水素化処理温度が400℃を超
える場合はスラッジ分の水素化が進まずに、逆にスラッ
ジ分が生成してしまうため、それぞれ好ましくない。
【0020】また、水素化処理の入口の水素分圧は、下
限値が1.0MPaであり、一方、上限値が25.0M
Pa、好ましくは19.6MPaの範囲で行うことがで
きる。入口の水素分圧が1.0MPa未満の場合は触媒
活性が十分に発揮されずスラッジ分の水素化反応が実用
の領域まで進まず、一方、水素分圧が25.0MPaを
越えると反応塔や周辺機器等の建設費が急激に上昇する
ため経済的に実用性が失われるため、それぞれ好ましく
ない。
【0021】また水素化処理における原料油の液空間速
度(LHSV)は、下限値が0.1h-1、好ましくは
0.2h-1であり、一方、上限値が10.0h-1、好ま
しくは4.0h-1の範囲で行うことができる。液空間速
度(LHSV)が0.1h-1未満の場合は反応塔の建設
費が莫大になり経済的に実用性が失われ、一方、液空間
速度(LHSV)が10.0h-1を越える場合は触媒活
性が十分に発揮されずスラッジ分の水素化反応が実用の
領域まで進まないため、それぞれ好ましくない。
【0022】また水素化処理における入口の水素/油比
は、下限値が50Nm3 /m3 、好ましくは200Nm
3 /m3 であり、一方、上限値が1700Nm3 /m
3 、好ましくは1500Nm3 /m3 の範囲で行うこと
ができる。水素/油比が50Nm3 /m3 未満の場合は
水素化触媒の活性が十分に発揮されないためスラッジ分
の水素化反応が不十分であり、一方、水素/油比が17
00Nm3 /m3 を超え場合は反応塔や周辺機器等の建
設費が急激に上昇し、また運転コストも増大して経済的
に実用性が失われるため、それぞれ好ましくない。
【0023】また水素化処理の操作は、油とガスを並行
で下降流または上昇流で行うことができ、また、油とガ
スを向流で行うこともできる。また、水素化処理におい
て触媒を充填して使用される反応塔は、単独の反応塔ま
たは連続した複数の反応塔のどちらで構成されていても
よい。更に反応塔内は、単独の触媒床または複数の触媒
床のどちらで構成されていてもよい。
【0024】またさらに、水素化処理における各反応塔
の間や各触媒床の間に、後続の反応塔や触媒床の入口の
反応温度を調節する目的で、気体、液体または液体と気
体の混合物を注入することも可能である。
【0025】ここでいう気体は、通常、水素;例えばメ
タン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン
等の炭素数1〜6のパラフィン系炭化水素およびこれら
の混合物など、注入する温度、圧力で気体として存在で
きる炭化水素;または水素とこれら炭化水素との混合
物;が好ましく用いられるが、例えば硫化水素、アンモ
ニア、窒素など、注入する温度、圧力で気体として存在
できる他の物質を含んでいてもよい。
【0026】また、ここでいう液体は、通常、例えば、
灯油、直留軽油、減圧軽油などの石油蒸留物;石油蒸留
残査物;石油蒸留物や石油蒸留残査物などの水素化処理
油;石油蒸留物や石油蒸留残査物などの熱分解油;石油
蒸留物や石油蒸留残査物などの接触分解油;またはこれ
らの混合物;など、注入する温度、圧力で液体として存
在できる炭化水素が好ましく用いられるが、水素化処理
における出口油の一部をリサイクルして使用するのが更
に好ましい。
【0027】水素化処理において各反応塔の間や各触媒
床の間に気体や液体を注入する場合、それらの注入量は
任意であるが、通常、気体を注入する場合は注入量が気
体/油比で1700Nm3 /m3 以下の範囲で行うこと
ができ、液体を注入する場合は注入量が液体/油比で1
3 /m3 以下の範囲で行うことができる。
【0028】なお、水素化処理において複数の反応塔ま
たは触媒床を使用する場合、本発明における水素化処理
温度は、各反応塔の間や各触媒床の間への気体、液体ま
たは液体と気体の混合物の注入の有無にかかわらず、ま
たさらに反応塔の数に関係なく、水素化処理のすべての
触媒床を対象にして、各触媒床の入口温度と出口温度を
平均した温度に各触媒床の触媒充填重量比率を乗じて加
えた触媒重量平均温度(WABT)で定義される。
【0029】また、水素化処理における水素化処理触媒
としては、従来公知の任意の水素化処理触媒が使用可能
である。具体的には例えば、アルミナ、シリカ、チタニ
ア、ジルコニア、マグネシア、アルミナ−シリカ、アル
ミナ−ボリア、アルミナ−チタニア、アルミナ−ジルコ
ニア、アルミナ−マグネシア、アルミナ−シリカ−ジル
コニア、アルミナ−シリカ−チタニア、各種ゼオライ
ト、セピオライト、モンモリロナイト等の各種粘土鉱物
などの多孔性無機酸化物を担体とし、これに水素化活性
金属を担持した物を好ましく用いることができる。
【0030】該担持金属としては、通常、周期律表第V
IA、VA、VB、およびVIII族の金属から選ばれ
る少なくとも1種の水素化活性金属種が好ましく用いら
れ、特にコバルト、モリブデン、ニッケルをそれぞれ単
独で、または、コバルト、モリブデン、ニッケルを2種
あるいは3種組み合わせて多孔性無機酸化物に担持した
触媒がより好ましく用いられる。なお、本発明の水素化
処理で用いる水素化処理触媒は、通常市販されている水
素化処理触媒でも十分目的が達成可能であり、本発明は
触媒の種類によって何ら制限されるものではない。
【0031】また、本発明の水素化処理においては、通
常、脱硫、脱窒素、または分解などの反応は実質上行わ
れないが、反応条件によってはこれらの各反応が行われ
てもかまわない。本発明においては、以上の水素化処理
により、最終的にドライスラッジ含有量が0.05質量
%以下、好ましくは0.04質量%以下である重油基材
が得られる。
【0032】得られる重油基材の硫黄含有量は任意であ
るが、通常、その下限値は0.05質量%、好ましくは
0.1質量%であり、一方、その上限値は10質量%、
好ましくは6.0質量%であるのが一般的である。また
得られる重油基材の窒素含有量も何ら規定されるもので
はないが、通常、その下限値は0.01質量%、好まし
くは0.05質量%であり、一方、その上限値は1.5
質量%、好ましくは1.0質量%であるのが一般的であ
る。
【0033】さらに、得られる重油基材の動粘度も何ら
規定されるものではないが、通常、100℃におけるそ
の下限値は5mm2/s、好ましくは15mm2/sであ
り、一方、その100℃におけるその上限値は1000
0mm2/s、好ましくは1000mm2/sであるのが一
般的である。
【0034】本発明により得られる重油基材は、単独で
も製品重油として使用可能である。また、具体的には例
えば、原油を常圧蒸留装置で処理しナフサ、灯油、軽油
といった軽質炭化水素を除去することにより得られるド
ライスラッジ含有量が0.05質量%以下の常圧蒸留残
査物;この常圧蒸留残査物を更に減圧蒸留装置で処理し
て減圧軽油を除去することにより得られるドライスラッ
ジ含有量が0.05質量%以下の減圧蒸留残査物;これ
ら常圧蒸留残査物や減圧蒸留残査物の水素化処理により
得られる、硫黄分含有量が原料油より低められ、かつド
ライスラッジ含有量が0.05質量%以下の重油基材;
粘度等の調整用の灯油、軽油、減圧軽油;など、他の任
意の重油基材を適宜配合して、製品重油とすることもで
きる。
【0035】
【実施例】次に実施例および比較例により本発明をさら
に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら
限定されるものではない。 (実施例1)アルミナ担体にNiO 3質量%とMoO
3 11質量%を含有する市販脱硫触媒をステンレス製反
応管に充填後、触媒を予備硫化した。次いで表1の性状
を有する減圧蒸留残査油を原料油とし、この反応塔で表
2に示す反応条件で水素化処理を行った。反応塔出口よ
り得られた水素化処理油の性状も表2に併記した。
【0036】(実施例2)実施例1と同一の原料油およ
び水素化触媒を使用し、空間速度(LHSV)を2.5
-1、水素化処理温度を380℃の条件に変更した以外
は実施例1と同一の反応条件で水素化処理を行い、その
結果も表2に併記した。
【0037】(実施例3)実施例1と同一の原料油およ
び水素化触媒を使用し、反応塔入口の水素分圧を16.
7MPaに変更した以外は実施例1と同様の操作条件で
水素化処理を行い、その結果も表2に併記した。
【0038】(比較例1)反応塔の低温処理効果を明確
化するため、実施例1と同一の原料油および水素化触媒
を使用し、水素化処理温度を430℃に変更した以外は
実施例1と同様の操作条件で水素化処理を行い、その結
果も表2に併記した。
【0039】(比較例2)反応温度を200℃以上にす
る必要性を明確化するため、実施例1と同一の原料油お
よび水素化触媒を使用し、水素化処理温度を反応塔の温
度を190℃に変更した以外は実施例1と同様の操作条
件で水素化処理を行い、その結果も表2に併記した。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】表2の結果から明らかなとおり、本発明の
方法によれば、ドライスラッジ含有量が0. 05質量%
より多い原料油を比較的低温で水素化触媒と接触させる
ことにより、ドライスラッジ含有量が0.05質量%以
下の重油基材を得ることが可能である。それに対して反
応塔温度を430℃に設定した比較例1では、脱硫反
応、脱窒素反応および分解反応が進むものの、ドライス
ラッジ含有量は0.63質量%と原料油より増加してお
り、重油基材として不適当なものである。また反応塔温
度を190℃に設定した比較例2では、ドライスラッジ
含有量のある程度の低下は見られるものの、その含有量
は0.49質量%と実施例と比較して非常に高く、依然
として重油基材としては不適当なものである。
【0043】
【発明の効果】本発明の方法によれば、ドライスラッジ
含有量が0.05質量%より多い原料油を比較的低温で
水素化触媒と接触させることにより、ドライスラッジ含
有量が0.05質量%以下の重油基材を得ることが可能
である。このため、重油基材として不適当であるドライ
スラッジ含有量が0.05質量%を超える重油基材、例
えばドライスラッジ含有量が0.05質量%を超える石
油蒸留残査油などを重油基材として有効に利用できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドライスラッジ含有量が0.05質量%
    を超える重油基材を原料油とし、これを温度200〜4
    00℃、水素分圧1.0〜25.0MPa、液空間速度
    0.1〜10.0h-1かつ水素/油比50〜1700N
    3 /m3 の条件で水素化触媒と接触させ水素化処理を
    行うことを特徴とする、ドライスラッジ含有量が0.0
    5質量%以下の重油基材の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002177796A (ja) * 2000-12-15 2002-06-25 Nippon Mitsubishi Oil Corp 重質油の水素化処理触媒及び重油基材の製造方法
US10144882B2 (en) 2010-10-28 2018-12-04 E I Du Pont De Nemours And Company Hydroprocessing of heavy hydrocarbon feeds in liquid-full reactors

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