JPH0959563A - 水性ベースコート組成物 - Google Patents

水性ベースコート組成物

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JPH0959563A
JPH0959563A JP7217599A JP21759995A JPH0959563A JP H0959563 A JPH0959563 A JP H0959563A JP 7217599 A JP7217599 A JP 7217599A JP 21759995 A JP21759995 A JP 21759995A JP H0959563 A JPH0959563 A JP H0959563A
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coating
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JP7217599A
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Akira Kasari
章 加佐利
Hiroaki Oda
浩明 小田
Junichi Kajima
淳一 梶間
Mikimasa Shimakawa
幹巨 島川
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Kansai Paint Co Ltd
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Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐チッピング性、耐水性等に優れる塗膜を形成
できる新規な水性ベースコート組成物を提供すること。 【解決手段】(A)水酸基及びカルボキシル基含有アク
リル樹脂、(B)メラミン樹脂、(C)1分子中に2個
以上の脂環式エポキシ基を含有する化合物、及び(D)
中和剤を必須成分として含有することを特徴とする水性
ベースコート組成物により、上記課題が解決された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐チッピング性、
耐水性等に優れる塗膜を形成できる新規な水性ベースコ
ート組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車外板部のような被塗物
は、下塗り塗料、中塗り塗料及び上塗り塗料を順次塗装
して仕上げられている。そして、該上塗り塗料について
みると、通常、メタリック塗料又はソリッドカラー塗料
であるベースコート組成物及びクリアーコート組成物の
二種類の塗料を使用し、これらを2コート2ベーク又は
2コート1ベークで塗り重ねて2層塗膜とすることが、
行われている。
【0003】従来、水性ベースコート組成物としては、
水酸基及びカルボキシル基含有アクリル樹脂、メラミン
樹脂、及び中和剤を含有する塗料が使用されている。し
かしながら、該ベースコート組成物は、塗膜強度が十分
でなく、耐チッピング性、耐水性等に劣るという欠点が
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
水性ベースコート組成物の欠点が解消され、耐チッピン
グ性、耐水性等に優れる塗膜を形成できる新規な水性ベ
ースコート組成物を提供することを、主な目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記した欠
点を解決することを目的として鋭意研究を重ねた結果、
水酸基及びカルボキシル基含有アクリル樹脂、メラミン
樹脂及び中和剤を含有する水性塗料に1分子中に2個以
上の脂環式エポキシ基を含有する化合物を配合した塗料
が、水性ベースコート組成物として用いると耐チッピン
グ性、耐水性等に優れる塗膜を提供できるものであるこ
とを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、(A)水酸基及びカルボ
キシル基含有アクリル樹脂、(B)メラミン樹脂、
(C)1分子中に2個以上の脂環式エポキシ基を含有す
る化合物、及び(D)中和剤を必須成分として含有する
ことを特徴とする水性ベースコート組成物に係る。
【0007】上記本発明組成物において、上記アクリル
樹脂は、メラミン樹脂と架橋反応し、しかも水性化のた
めに導入されているカルボキシル基が脂環式エポキシ基
と反応することにより架橋に関与してその殆どが消費さ
れて塗膜強度が向上し、塗膜の耐チッピング性、耐水性
等が改良されたものと考えられる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明水性ベースコート組成物を
構成する各成分について、以下に詳述する。
【0009】(A)成分:水酸基及びカルボキシル基含
有アクリル樹脂 該アクリル樹脂は、アクリル系単量体、水酸基含有単量
体及びカルボキシル基含有単量体を共重合することによ
り、得られる。
【0010】アクリル系単量体としては、例えば、アク
リル酸又はメタクリル酸と炭素数1〜20のモノアルコ
ールとのモノエステル化物を使用できる。水酸基含有単
量体としては、例えば、ヒドロキシエチルアクリレー
ト、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロ
ピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート
等のアクリル酸又はメタクリル酸と炭素数1〜10のグ
リコールとのモノエステル化物を使用できる。カルボキ
シル基含有単量体としては、例えば、アクリル酸、メタ
クリル酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラ
コン酸、イタコン酸、これらの無水物、ハーフエステル
化物等を使用できる。
【0011】更に、スチレン、ビニルトルエン、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メ
タクリルアミド、酢酸ビニル、グリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタクリレート等のその他の重合性単量
体を併用することもできる。該その他の重合性単量体を
併用する場合の使用量は、上記アクリル系単量体に対し
て同量以下とするのが好ましい。
【0012】該アクリル樹脂は、後記(D)成分により
そのカルボキシル基が中和されて、水に溶解又は分散し
た状態で使用される。
【0013】該アクリル樹脂は、数平均分子量約3,0
00〜100,000、好ましくは約5,000〜5
0,000、水酸基価約20〜150mgKOH/g、好まし
くは約30〜100mgKOH/g、及び酸価約5〜100mgK
OH/g、好ましくは約10〜70mgKOH/g、であるのが好
適である。
【0014】(B)成分:メラミン樹脂 これは、(A)成分のアクリル樹脂の架橋剤であって、
具体的には、メラミン樹脂、そのメチロール化物、炭素
数1〜10のモノアルコールでメチロール基の一部又は
全部をエーテル化したアルキルエーテル化物等が包含さ
れる。該メラミン樹脂の数平均分子量は、約400〜
3,000、好ましくは約500〜1,200であるの
が好適である。また、該メラミン樹脂は、疎水性、親水
性のいずれのものも使用できる。
【0015】(C)成分:1分子中に2個以上の脂環式
エポキシ基を含有する化合物 該化合物の脂環式エポキシ基は、脂環式炭化水素骨格の
環を構成する隣接する2個の炭素原子がエポキシ基を構
成する2個の炭素原子と共通する官能基を意味してい
る。該脂環式炭化水素骨格は、4〜10員、好ましくは
5〜6員の飽和炭化水素環、又は該環が2個以上縮合し
てなる縮合炭化水素環であって良く、更にこれらの炭化
水素環がアルキレン基等の橋で結合した有橋炭化水素環
を構成していても良い。
【0016】かかる脂環式エポキシ化合物の具体例とし
ては、次の構造式で示される化合物を挙げることができ
る。
【0017】
【化1】
【0018】
【化2】
【0019】(各式中、nは1〜8の整数を、kは0〜
15の整数を、それぞれ示す。)で表わされる化合物。
【0020】また、下記単位式を有する化合物
【0021】
【化3】
【0022】(式中、Yは脂環式エポキシ残基であり、
Xは
【0023】
【化4】
【0024】であり、R1はC1-18アルキル基又はシク
ロアルキル基を、R2はC1-6アルキレン基を、qは0〜
100の整数を、pは2〜100の整数を、それぞれ示
す。)等。
【0025】上記単位式におけるYは、
【0026】
【化5】
【0027】等の脂環式エポキシ基を有する有機基であ
る。
【0028】上記単位式を有する化合物としては、特願
平1−209667号明細書に記載されたもの、例えば
下記したものが挙げられる。
【0029】即ち、上記単位式を有する化合物として
は、例えば3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアク
リレート、3,4−エポキシシクロヘキシルアクリレー
ト、市販品として「METHB」、「AETHB」(い
ずれもダイセル化学工業社製、商品名)等の重合性エポ
キシモノマーを単独又は他のラジカル重合性モノマーと
ラジカル重合反応させたものが挙げられる。
【0030】また、(C)成分の脂環式エポキシ化合物
として、次の化合物も包含される。即ち、同一分子中に
脂環式エポキシ基と重合性不飽和結合とを有する化合物
を用いて得られる重合体を(C)成分として使用でき
る。
【0031】同一分子中に脂環式エポキシ基と重合性不
飽和結合とを有する化合物としては、例えば、次の一般
式(1)〜(12)で表される重合性エポキシモノマー
が挙げられる。
【0032】
【化6】
【0033】
【化7】
【0034】(各式中、R4は水素原子又はメチル基
を、R5は炭素数1〜6の2価の脂肪族飽和炭化水素基
を、R6は炭素数1〜10の2価の炭化水素基を、それ
ぞれ示す。)。
【0035】上記重合性エポキシモノマーにおいてR5
で示される炭素数1〜6の2価の脂肪族飽和炭化水素基
としては、直鎖状又は分枝鎖状のアルキレン基、例えば
メチレン、エチレン、プロピレン、テトラメチレン、エ
チルエチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン等を挙
げることができる。また、R6で示される炭素数1〜1
0の2価の炭化水素基としては、例えばメチレン、エチ
レン、プロピレン、テトラメチレン、エチルエチレン、
ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ポリメチレン、フェ
ニレン、
【0036】
【化8】
【0037】基等を挙げることができる。
【0038】上記一般式(1)〜(12)で表される重
合性エポキシモノマーの具体例としては、3,4−エポ
キシシクロヘキシルメチルアクリレート、3,4−エポ
キシシクロヘキシルメチルメタクリレート等が挙げられ
る。これらの市販品として、例えば、ダイセル化学工業
社製の「METHB」、「AETHB」(いずれも商品
名)等が挙げられる。更に、4−ビニルシクロヘキセン
オキサイドも重合性エポキシモノマーとして使用でき
る。
【0039】重合性エポキシモノマーから選ばれる1種
又は2種以上のモノマーを重合することによって、
(C)成分としての重合体を製造できるが、その際他の
重合性不飽和モノマーを共重合させることもできる。
【0040】上記他の重合性不飽和モノマーとしては、
得られる重合体に望まれる性能に応じて、広範に選択す
ることができ、その代表例を示せば次の通りである。
【0041】(a)アクリル酸又はメタクリル酸のエス
テル 例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブ
チル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アク
リル酸ラウリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピ
ル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタ
クリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル等のアクリル
酸又はメタクリル酸の炭素数1〜18のアルキルエステ
ル;アクリル酸メトキシブチル、メタクリル酸メトキシ
ブチル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メト
キシエチル、アクリル酸エトキシブチル、メタクリル酸
エトキシブチル等のアクリル酸又はメタクリル酸の炭素
数2〜18のアルコキシアルキルエステル;アリルアク
リレート、アリルメタクリレート等のアクリル酸又はメ
タクリル酸の炭素数2〜8のアルケニルエステル;ヒド
ロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリ
レート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシ
プロピルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル
酸の炭素数2〜8のヒドロキシアルキルエステル。
【0042】(b)ビニル芳香族化合物 例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、p−クロルスチレン。
【0043】(c)ポリオレフィン系化合物 例えば、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン。
【0044】(d)その他 例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メチ
ルイソプロペニルケトン、酢酸ビニル、「ベオバモノマ
ー」(シェル化学社製、商品名)、ビニルプロピオネー
ト、ビニルピバレート、ポリカプロラクトン鎖を持つビ
ニル化合物(例えば、「FM−3Xモノマー」、ダイセ
ル化学工業社製、商品名)。
【0045】重合性エポキシモノマーと他の重合性不飽
和モノマーとの構成比率は、目的に応じて任意に選択す
ることができ、これらの共重合反応によって得られる
(C)成分の1分子当たりの脂環式エポキシ基が少なく
とも2個、好ましくは3個以上、より好ましくは4個以
上含有するような範囲で選択することができるが、十分
な硬化性を付与する官能基として利用するためには、特
に該(C)成分の固形分中重合性エポキシモノマー含有
率が5〜100重量%、好ましくは20〜100重量%
の範囲内となるようにするのが適当である。
【0046】上記(C)成分である重合体は、通常のア
クリル樹脂やビニル樹脂等の重合性不飽和結合に基づく
重合反応と同様の方法、条件を用いて製造することがで
きる。このような重合反応の一例として、各単量体成分
を有機溶剤に溶解又は分散させ、ラジカル重合開始剤の
存在下で60〜180℃程度の温度で撹拌しながら加熱
する方法を示すことができる。反応時間は、通常1〜1
0時間程度とすることができる。また、有機溶剤として
は、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶
媒、炭化水素系溶媒等を使用できる。炭化水素系溶媒を
用いる場合には、溶解性の点から他の溶媒を併用するこ
とが好ましい。更に、ラジカル重合開始剤としては、通
常用いられるものをいずれも使用でき、その具体例とし
て、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシ−2−エ
チルヘキサノエート等の過酸化物;アゾイソブチロニト
リル、アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物
等を挙げることができる。
【0047】上記(C)成分の脂環式エポキシ化合物
は、(A)成分及び(B)成分との相溶性が優れ、水中
において安定であることが好ましく、かかる観点より、
数平均分子量約90〜50,000、好ましくは約20
0〜5,000であることが適当である。また、1分子
中の脂環式エポキシ基の数は、2〜200個のものが好
ましい。数平均分子量が約50,000を越えると水性
ベースコート組成物の貯蔵安定性が低下するおそれがあ
るので好ましくない。また、脂環式エポキシ基が2個よ
り少ないと耐チッピング性の向上が得られない。一方、
該エポキシ基が約200個より多くなると水性ベースコ
ート塗膜の平滑性が低下することがあるので好ましくな
い。
【0048】該脂環式エポキシ化合物に代えて、脂環式
エポキシ基以外のエポキシ基を1分子中に2個以上有す
る化合物を用いると、水性塗料の貯蔵安定性が不十分と
なるので本発明では好ましくない。また、この場合、後
記比較例に示される通り、硬化塗膜の耐チッピング性、
耐水性等の塗膜性能が不十分になるので、好ましくな
い。
【0049】(D)成分:中和剤 これは、上記(A)成分のカルボキシル基を中和して、
(A)成分に水との溶解性又は分散性を付与せしめるも
のであって、具体的には、例えば、アンモニア、トリメ
チルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエタノールア
ミン、トリエタノールアミン、テトラエチルアンモニウ
ムヒドロキシド、ジエチルアミノエタノール等が挙げら
れ、これらの内特にジメチルエタノールアミンが好まし
い。
【0050】本発明水性ベースコート組成物は、(A)
水酸基及びカルボキシル基含有アクリル樹脂、(B)メ
ラミン樹脂、(C)1分子中に2個以上の脂環式エポキ
シ基を含有する化合物、及び(D)中和剤を必須成分と
して含有する水性組成物であり、これら各成分の配合比
率は目的に応じて任意に選択できるが、通常、(A)成
分100重量部当たり、(B)成分が20〜60重量
部、好ましくは25〜50重量部、(C)成分が0.5
〜15重量部、好ましくは3〜10重量部、及び(D)
成分が(A)成分のカルボキシル基に対して0.2〜
1.5当量、好ましくは0.5〜1.2当量、それぞれ
配合されているのが好適である。
【0051】本発明組成物の媒体としては、水又は水と
適宜量の有機溶剤との混合物が使用される。該有機溶剤
としては、特に限定されないが、例えばイソブチルアル
コール、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール、イソ
プロパノール等が好適なものとして挙げられる。また、
組成物中の固形分含有量は、通常10〜50重量%程度
である。
【0052】本発明水性ベースコート組成物には、更に
必要に応じて、従来から公知の塗料用顔料、例えば着色
顔料(例えばチタン白、カーボンブラック、キナクリド
ンレッド、フタロシアニンブルー等)、メタリック顔料
(例えばアルミニウムフレーク、銅フレーク、雲母状酸
化鉄、雲母、金属酸化物で被覆した雲母等の鱗片状粉末
等)、体質顔料(例えば硫酸バリウム、炭酸カルシウム
等)等を使用して、適宜ソリッドカラー塗料又はメタリ
ック塗料とすることができる。
【0053】また、本発明組成物には、上記以外に、ポ
リエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂等の有
機樹脂、沈降防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤等を必要に
応じて配合できる。
【0054】本発明水性ベースコート組成物は、自動車
外板部のような被塗物に、下塗り塗料(通常カチオン電
着塗料)、中塗り塗料(省略可能)及び上塗り塗料(ベ
ースコート組成物及びクリアーコート組成物)を順次塗
装する工程において、該上塗り塗料の、メタリック塗料
又はソリッドカラー塗料であるベースコート組成物とし
て使用することが好ましい。
【0055】例えば、それ自体公知のカチオン電着塗料
及び中塗り塗料を塗装し、加熱硬化してから、該塗面に
本発明ベースコート組成物を塗装する。塗装は、通常静
電塗装が好ましいが、それ以外の塗装方法でも差し支え
ない。塗装膜厚は、通常、硬化塗膜に基づいて、約10
〜50μmであるのが好ましい。該水性ベースコートの
塗面にクリアーコート組成物を塗装するに当たって、該
ベースコート塗膜を予め加熱硬化させ次いでクリアーコ
ートを加熱硬化する2コート2ベーク方式でも良いが、
該ベースコートが未硬化のままでクリアーコート組成物
を塗装し次いで両塗膜を同時に加熱硬化する2コート1
ベーク方式によるのがより好ましい。これらの場合の加
熱条件は、一般に、約100〜160℃で約10〜40
分間程度であるのが適当である。
【0056】上記で水性ベースコートの上に塗装される
クリアーコート組成物としては、水酸基含有アクリル樹
脂及びメラミン樹脂を樹脂成分とする有機溶剤型熱硬化
性塗料であるのが、好ましい。
【0057】
【実施例】次に、製造例、実施例及び比較例を挙げて、
本発明を更に具体的に説明する。
【0058】製造例1 反応容器に、ブチルセロソルブ50重量部を入れ、更に
モノマー成分としてスチレン10重量部、メチルメタク
リレート25重量部、n−ブチルメタクリレート20重
量部、n−ブチルアクリレート25重量部、ヒドロキシ
エチルメタクリレート15重量部及びアクリル酸5重量
部、並びにラジカル重合開始剤としてアゾイソブチロニ
トリル6重量部を入れ、120℃で3時間重合させて、
(A)成分の水酸基及びカルボキシル基含有アクリル樹
脂の固形分65重量%の溶液を得た。この樹脂は、数平
均分子量12,000、水酸基価65mgKOH/g、酸価4
0mgKOH/gであった。
【0059】この樹脂溶液に、水100重量部を入れ、
ジメチルエタノールアミンで当量中和して、(A−1)
とした。 実施例1〜3及び比較例1〜2 (A)成分及び(D)成分としては、製造例1で得た
(A−1)を用いた。(B)成分としては、「サイメル
370」(B−1)(サイテック社製、商品名、メチロ
ール基・メチルエーテル基混合メラミン樹脂、数平均分
子量600)を用いた。(C)成分としては、「セロキ
サイド2021」(C−1)(ダイセル化学工業社製、
商品名、構造
【0060】
【化9】
【0061】)、「ERC−4299」(C−2)(ユ
ニオンカーバイド社製、商品名、構造
【0062】
【化10】
【0063】)、「エポリードGT−300」(C−
3)(ダイセル化学工業社製、商品名、構造
【0064】
【化11】
【0065】)、又は「EHPE3150」(C−4)
(ダイセル化学工業社製、商品名、エポキシ化ポリビニ
ルシクロヘキセンオキシド(エポキシ基の1個の炭素原
子とシクロヘキセン環を構成する炭素原子の1個とが結
合した構造を有する)、数平均分子量約1500、比較
例用)を用いた。また、メタリック顔料としては、「ア
ルミペーストN−519」(東洋アルミニウム工業社
製、商品名、アルミニウムフレーク顔料)を用いた。
【0066】上記各成分を下記表1の配合で、水中に混
合して、実施例及び比較例の水性ベースコート組成物を
調製した。塗料の固形分含量は、22重量%であり、粘
度はフォードカップ#4(20℃)で40秒に調整し
た。
【0067】
【表1】
【0068】上記表1の配合量の数値は、固形分重量部
である。
【0069】上記で得た各組成物について、下記試験方
法により、貯蔵安定性を調べた。
【0070】貯蔵安定性試験 実施例及び比較例で得た各組成物を、40℃で15日間
密閉下に貯蔵を行った後、組成物の状態を観察して、下
記の基準に基づいて評価した。
【0071】○:初期の状態と比較して特に大きな変化
は認められない、 ×:初期の状態と比較して著しい増粘等の変化が認めら
れる。
【0072】次に、上記で得た実施例及び比較例の水性
ベースコート組成物を用いて、2コート1ベークによる
塗装を行って、塗膜性能を調べた。
【0073】即ち、自動車外板用鋼板に、カチオン電着
用エポキシ樹脂系塗料(「エレクロン#9800」、関
西ペイント社製、商品名)及び中塗り用ポリエステル樹
脂・メラミン樹脂系塗料(「ルーガベークAM」、関西
ペイント社製、商品名)を塗装し、加熱硬化させた塗面
に、上記水性ベースコート組成物を硬化塗膜に基づいて
15μmになるように静電塗装し、室温で8分間放置し
てから、未硬化のままで、アクリル樹脂・メラミン樹脂
系のクリアーコート組成物(「マジクロンクリヤー」、
関西ペイント社製、商品名)を硬化塗膜に基づいて35
μmになるように静電塗装し、140℃で30分間加熱
して両塗膜を同時に硬化させた。
【0074】かくして得られた複層塗膜について、下記
試験法により、耐水性及び耐チッピング性の塗膜性能を
調べた。
【0075】耐水性試験 試験板を40℃の温水に15日間浸漬後、ブリスター等
の外観を観察して、下記の基準に基づいて評価した。
【0076】○:特に異常は認められない、 △:わずかにブリスターが認められる、 ×:数、大きさ共に、明らかなブリスターが認められ
る。
【0077】耐チッピング性試験 試験機器として「Q−G−Rグラベロメーター」(Qパ
ネル社製、商品名)を用い、JIS A 5001の7
号砕石約100gを、4kg/cm2のエアー圧、−20℃の
温度条件で、角度45度で試験板に吹付けて塗膜に衝撃
を与えた後、塗面状態を観察し、下記の基準で評価し
た。
【0078】○:上塗り塗膜の一部に衝撃によるキズが
僅かに認められる、 △:上塗り塗膜に衝撃による剥離が少し認められる、 ×:上塗り塗膜に衝撃による剥離が多く認められる。
【0079】実施例及び比較例の組成物の貯蔵安定性試
験結果及びこれを2コート1ベークのベースコートとし
て用いて得た塗膜の性能試験結果を表2に示す。
【0080】
【表2】
【0081】
【発明の効果】
(1)本発明組成物は、(C)成分として用いる1分子
中に2個以上の脂環式エポキシ基を含有する化合物が水
中において安定であるために、貯蔵中に増粘、沈降分離
等を発生することが無く、貯蔵安定性に優れる。対し
て、脂環式エポキシ基以外のエポキシ基を含有する化合
物を用いた場合には、貯蔵安定性が大きく低下してしま
う。
【0082】(2)配合されている(C)成分は、1分
子中に2個以上の脂環式エポキシ基を含有しているの
で、該エポキシ基が(A)成分中の水性化のために導入
されたカルボキシル基と架橋反応して耐チッピング性等
の塗膜強度が向上すると同時に、塗膜中の親水基として
の遊離カルボキシル基が減少するので耐水性、耐薬品性
等の塗膜性能も改良されている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島川 幹巨 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ペイント株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)水酸基及びカルボキシル基含有アク
    リル樹脂、(B)メラミン樹脂、(C)1分子中に2個
    以上の脂環式エポキシ基を含有する化合物、及び(D)
    中和剤を必須成分として含有することを特徴とする水性
    ベースコート組成物。
  2. 【請求項2】(A)成分100重量部当たり、(B)成
    分が20〜60重量部、(C)成分が0.5〜15重量
    部、及び(D)成分が(A)成分のカルボキシル基に対
    して0.2〜1.5当量配合されている請求項1に記載
    の組成物。
JP7217599A 1995-08-25 1995-08-25 水性ベースコート組成物 Pending JPH0959563A (ja)

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US08/689,663 US6177488B1 (en) 1995-08-25 1996-08-13 Aqueous colored base coating composition
DE69616703T DE69616703T2 (de) 1995-08-25 1996-08-21 Wässrige, farbige Grundüberzugszusammensetzung
EP96113406A EP0761787B1 (en) 1995-08-25 1996-08-21 Aqueous colored base coating composition
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