JPH0959472A - メタクリル酸メチル系樹脂組成物 - Google Patents

メタクリル酸メチル系樹脂組成物

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JPH0959472A
JPH0959472A JP21711095A JP21711095A JPH0959472A JP H0959472 A JPH0959472 A JP H0959472A JP 21711095 A JP21711095 A JP 21711095A JP 21711095 A JP21711095 A JP 21711095A JP H0959472 A JPH0959472 A JP H0959472A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐衝撃性を有し、押出し特性や射出成形特性
に影響する高剪断下での溶融流動性が高く、しかも耐溶
剤性および溶融張力も優れた耐衝撃性メタクリル酸メチ
ル系樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 重量平均分子量が8万〜40万で、Z平
均分子量における分岐点間分子量が3万〜50万である
分岐構造を有するメタクリル酸メチル系重合体A30〜
95重量%およびゴム状重合体B5〜70重量%とから
なるメタクリル酸メチル系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、耐衝撃性に優れさ
らに耐溶剤性及び加熱変形時の耐ネッキング性に優れ、
射出成形、押出し板、異形(共)押出し、ブロー成形、
発泡品に適したメタクリル酸メチル系樹脂組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】耐衝撃性に優れたメタクリル酸メチル系
樹脂組成物については、耐衝撃改質剤として各種の弾性
率の低いエラストマー成分をサブミクロンオーダーで樹
脂中に混ぜることによる方法が開示されている。例えば
特公昭55-27576号公報および特開昭49-23292号公報には
エラストマー構造を有する多層構造アクリル系重合体が
提案されている。また特開平5-147514号公報には、エラ
ストマー成分としてメタクリル酸メチル、ブタジエン、
スチレン各単位からなるグラフト共重合体を分散相とし
て含むシロップを重合して得るアクリル樹脂の記載があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】メタクリル酸メチル系
樹脂は一般に、溶融流動性が高いと、溶融延伸するとき
の張力が低くなる。従って溶融流動性と該張力共に高い
ことをが必要なブロー成形や、異形押出し、押出し発泡
には適さず、これらの分野に使用されていないのが現状
である。また、メタクリル酸メチル系樹脂の押出し板を
2次加工である加熱成形した際、引き延ばされる部分の
厚みが薄くなり易い。これらの性質は、上記提案の耐衝
撃アクリル樹脂でも、同様である。さらに射出成形性を
良くするために流動性を向上させると、耐溶剤性が低下
する問題を抱えており、耐衝撃性、流動性、耐溶剤性の
全てが良好な材料を得ることはできていない。そこで本
発明は、耐衝撃性を有し、押出し特性や射出成形特性に
影響する高剪断下での溶融流動性が高く、しかも耐溶剤
性および溶融張力も優れた耐衝撃性メタクリル酸メチル
系樹脂組成物を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、重量平均分子
量が8万〜40万で、Z平均分子量における分岐点間分
子量が3万〜50万である分岐構造を有するメタクリル
酸メチル系重合体A30〜95重量%およびゴム状重合
体B5〜70重量%とからなるメタクリル酸メチル系樹
脂組成物である。
【0005】本発明における分岐構造を有するメタクリ
ル酸メチル系重合体Aのメタクリル酸メチル単位を主成
分とする重合体とは、その構成単位がメタクリル酸メチ
ル単位が50重量%以上好ましくは70重量%以上であ
り、残りは、メタクリル酸メチルと共重合可能な単官能
の不飽和単量体単位からなるものである。メタクリル酸
メチルが50重量%未満では、いわゆるポリメタクリル
酸メチルの特性である透明性、機械的強度が発現しにく
い。
【0006】共重合可能な単官能不飽和単量体として
は、例えば、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピ
ル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ベンジル等のメ
タクリル酸エステル類:アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アク
リル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル類:
アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等
の不飽和カルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸
等の酸無水物:アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アク
リル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸モノグリセ
ロール、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリ
ル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸モノグリセロー
ル等のヒドロキシル基含有のエステル:アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドがあ
る。ニトリル類には、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等の窒素含
有単量体:アリルグリシジルエーテル、アクリル酸グリ
シジル、メタクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有単
量体:スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単
量体:がある。
【0007】本発明の分岐構造を有するメタクリル酸メ
チル系重合体の重量平均分子量(Mw)は8万〜40万
である。 好ましくは、15万〜30万である。Mwが
8万未満だと該重合体の機械的強度や耐溶剤性が充分で
なく、これとゴム状重合体Bとで得られる耐衝撃性メタ
クリル酸メチル系樹脂組成物の強度や耐溶剤性も悪くな
る。また40万を越えて高いと溶融流動性が低くなり過
ぎて得られる樹脂組成物の成形性が低下する。
【0008】本発明の分岐構造を有するメタクリル酸メ
チル系重合体Aは、そのZ平均分子量(Mz)における
分岐点間分子量(Mzb)が3万〜50万のものであ
る。好ましくは5万〜20万のものである。該Mzbが
50万を越えると、得られる分岐構造を有する重合体A
の耐溶剤性が低くなり、これより得られる耐衝撃性メタ
クリル酸メチル系樹脂組成物の耐溶剤性も低くなる。一
方該分岐点間分子量が3万未満の場合は、樹脂組成物の
機械的強度が劣ると共に成形品の外観も劣る。
【0009】ここでMw、Mzとは、ゲル・パーミエー
ション・クロマトグラフィー(GPC)と示差屈折率計
により求められた値である。この求め方は、例えば19
84年度版「高分子特性解析」(共立出版)24頁〜5
5頁に記載されている。
【0010】分岐点間分子量とは、分岐構造を有する重
合体において分岐点から次の分岐点までの分子量の平均
値を意味する。本発明では、この分岐点間分子量をMz
値におけるもので規定した。このZ平均分子量における
分岐点間分子量(Mzb)は、日本ゴム協会誌、第45
巻、第2号、105〜118頁「キャラクタリゼーショ
ン」の記載に基づき下記[数1]、[数2]式より算出
される。
【0011】
【数1】{〔η1 〕/〔η2 〕}10/6={(1+Bz/
6)0.5 +4Bz/3π}-0.5
【0012】
【数2】Mzb=Mz/Bz
【0013】上記[数1]において、〔η1 〕は、測定
対象の重合体の分子サイズ別分子量−極限粘度の関係か
ら、測定対象の重合体のMz値に相当する分子量の極限
粘度である。〔η2 〕は、測定対象の重合体のMz値に
相当する直鎖状メタクリル酸メチル重合体標準試料の極
限粘度である。Bzは、Z平均分子量Mzにおける分岐
点の数である。
【0014】本発明における分岐構造を有するメタクリ
ル酸メチル系重合体Aの分子量分布は、分子量30万以
上の重量比が、その重合体の還元粘度が0.7dl/g以下
の時は14×該還元粘度値−6.8(%)以上、14×
該還元粘度値+11.2(%)以下であり、還元粘度が
0.7dl/g以上の時は40×該還元粘度値−25(%)
以上、40×該還元粘度値−7(%)以下であることが
好ましい。なお、本発明で表す還元粘度とは、その測定
する重合体の溶液濃度が1g/dlでの値である。重合体A
の分子量30万以上の成分の割合が上記の範囲内の方
が、重合体Aの流動性と耐溶剤性及び機械的強度のバラ
ンスに優れ、これを用いて得られる樹脂組成物の流動性
と耐溶剤性及び機械的強度のバランスに優れている。
【0015】一般に、熱可塑性樹脂の溶融延伸する際の
張力は、その指標として、ダイスウェル比で表すことが
できる。該ダイスウェル比は、メルトインデクサを用い
て230℃、3.8kg荷重の条件でオリフィスの長さ
が8.0mmとオリフィスの径が2.09mmのオリフ
ィスを使用してメルトフローレートを測定したときのス
トランド径をオリフィスの径で割った値で表すことがで
きる。本発明の分岐構造を有するメタクリル酸メチル系
重合体Aのダイスウェル比は、1.2〜2.5の値とな
る。なお、分岐構造を有さない通常のメタクリル酸メチ
ル系樹脂のダイスウェル比は、ジャーナルオブアプライ
ドポリマーサイエンス(J.Appl.Polym.Sci)29(1984).3
479-3490頁のFig.9 に記載の通り、約1程度である。つ
まり、分岐構造を有するメタクリル酸メチル系重合体の
ダイスウェル比が大きく、溶融延伸する際の張力が大き
いことが示される。
【0016】本発明の分岐構造を有するメタクリル酸メ
チル系重合体Aは、前述の構成単位の単量体に、所定量
の多官能単量体と連鎖移動剤を加えて重合することによ
って得られる。
【0017】共重合可能な多官能単量体としては、エチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート等のエチレングリコールまた
はそのオリゴマーの両末端水酸基をアクリル酸またはメ
タクリル酸でエステル化したもの;ネオペンチルグリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレ
ート等の2価のアルコールの水酸基をアクリル酸または
メタクリル酸でエステル化したもの;トリメチロールプ
ロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールまた
はこれら多価アルコール誘導体をアクリル酸またはメタ
クリル酸でエステル化したもの;ジビニルベンゼン等が
挙げられる。
【0018】連鎖移動剤としては、メタクリル酸メチル
の重合に用いられる周知のものでよい。この中には、連
鎖移動官能基を1つ有する単官能の連鎖移動剤および連
鎖移動官能基を2つ以上有する多官能連鎖移動剤とがあ
る。単官能連鎖移動剤としては、アルキルメルカプタン
類、チオグリコール酸エステル類等が挙げられ、多官能
連鎖移動剤としては、エチレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリス
リトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリス
リトール、ソルビトール等の多価アルコール水酸基をチ
オグリコール酸または3−メルカプトプロピオン酸でエ
ステル化したものが挙げられる。
【0019】分岐構造を有するメタクリル酸メチル系重
合体Aの製造に用いる連鎖移動剤および多官能単量体の
量は、該単官能単量体1モル当たり、該連鎖移動剤の量
が1×10-5モル〜5×10-3モル、該多官能単量体の
量がその官能基数が1×10 -5〜{該連鎖移動剤(モ
ル)−2.5×10-4}モルとなる範囲である。
【0020】分岐構造を有するメタクリル酸メチル系重
合体Aの重量平均分子量は、一般に主として用いられる
該多官能単量体の濃度、連鎖移動剤の濃度及びラジカル
開始剤の濃度に支配される。重合平均分子量の調整は、
該多官能単量体濃度が高い程重合平均分子量は大きくな
り、逆に連鎖移動剤濃度が高い程小さくなることを考慮
して、該多官能単量体の上記濃度範囲内及び連鎖移動剤
の濃度の範囲内で適宜変更することで行う。分岐点間分
子量は、主として、該多官能単量体濃度によって調整で
きる。該多官能単量体濃度が高い程、分岐点間分子量は
小さくなる。また、連鎖移動剤では、多官能連鎖移動剤
の濃度が高い程分岐点間分子量は小さくなる。分子量3
0万以上の割合は、多官能単量体の濃度が高い程多くな
る。
【0021】重合開始剤の使用量は、重合方法に応じた
周知の適量でよく、単量体または単量体混合物100重
量部に対して0.001〜1重量部程度、好ましくは
0.01〜0.7重量部である。なお、重合開始剤の量
が多い程、重量平均分子量が小さくなるのは、一般的な
メタクリル酸メチル系重合体と同様である。
【0022】本発明の分岐構造を有するメタクリル酸メ
チル系重合体Aを得る重合方法としては、一般のメタク
リル酸メチル系樹脂を製造する周知の重合方法が適用で
きる。 つまり懸濁重合法、塊状重合法、乳化重合法で
ある。 なかでも、懸濁重合が適している。
【0023】本発明の樹脂組成物におけるゴム状重合体
Bは、アクリル系多層構造重合体もしくは5〜80重量
部のゴム状重合体にエチレン性不飽和単量体なかでもア
クリル系不飽和単量体を95〜20重量部をグラフト重
合したグラフト共重合体などがある。アクリル系多層構
造重合体は、ゴム弾性の層またはエラストマーの層を2
0〜60重量部を内在させるものであって、最外には、
硬質層を有するもので、最内層として硬質層をさらに含
む構造のものでも良い。例えば特公昭55-27576号公報ま
たは特開平6-80739号公報や特開昭49-23292号公報に記
載のものが該当する。
【0024】5〜80重量部のゴム状重合体にエチレン
性不飽和単量体を95〜20重量部グラフト重合したグ
ラフト共重合体は、ゴム状重合体として例えばポリブタ
ジエンゴム、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体ゴ
ム、スチレン/ブタジエン共重合体ゴムなどのジエン系
ゴム、ポリブチルアクリレート、ポリプロピルアクリレ
ート、ポリ−2−エチルヘキシルアクリレートなどのア
クリル系ゴム、およびエチレン/プロピレン/非共役ジ
エン系ゴムなどを用いることができる。このゴム状重合
体にグラフト共重合するのに用いられるエチレン性単量
体およびそれらの混合物としてはスチレン、アクリロニ
トリル、アルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられ
る。これらのグラフト共重合体としては特開昭55-14751
4号公報や特公昭47-9740号公報に記載のものを用いるこ
とができる。
【0025】ゴム状重合体Bの量は、5〜70重量%、
好ましくは8〜50重量%である必要がある。5重量%
より少ないと得られる樹脂組成物の耐衝撃性が低くな
り、70重量%を越える場合には成形加工性及び耐熱性
が低下すると共に溶融延伸時の張力が低いものとなる。
【0026】また本発明の樹脂組成物においては、さら
にエチレン性単量体類の重合体を加えても良い。その量
は、樹脂組成物として分岐構造を有するメタクリル酸メ
チル系重合体Aが30重量%以上かつゴム状重合体が5
重量%以上となるものである。この様な重合体として、
アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、
アクリロニトリル系樹脂、ビニリデンフロライド系樹脂
などである。
【0027】本発明の樹脂組成物は、分岐構造を有する
メタクリル酸メチル系重合体Aとゴム状重合体Bとか
ら、本発明の樹脂組成物とするには、一般的な、熱可塑
性樹脂の組成物を作る周知の方法が適用できる。つま
り、これらの重合体を混合した後、単軸あるいは二軸の
押出し機で溶融混練することにより得られる。その際、
上記エチレン性単量体類の重合体や必要に応じて離型
剤、紫外線吸収剤、着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、可
塑剤、充填剤、染料、顔料、光拡散材等のアクリル樹脂
用各種添加剤をその混ぜても良い。
【0028】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、耐衝撃性に優れ
るとともに、耐溶剤性にも優れ、高い溶融張力と優れた
流動性を有し、加熱変形時の耐ネッキング性に優れた成
形品が得られる。この樹脂を射出成形する際、大型成形
品や末端部で肉厚となっている成形品等の成形性が優
れ、また押出し機でシーティングする際のメルトダウン
が軽減され、押出し加工特性が良好となる。さらに、で
きたシート等を加熱成形する場合には偏肉の少ない良好
な製品を得ることができる。また、インジェクションブ
ロー成形やダイレクトブロー成形の成形条件範囲が広く
なり、できた成形品の偏肉が軽減される。さらに従来の
メタクリル樹脂では満足できる発泡体が得られていない
のに対し、発泡成形時のガス抜けが少ない高発泡倍率の
発泡体を得ることができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれによって限定されるものでは
ない。なお、実施例中の評価は次のような方法を用いて
行った。 ・メルトフローインデックス(MFR):JIS K7
210に準拠し、230℃、3.8kg荷重、10分で測
定した(g/10分)。 ・ダイスウェル比:上記MFRを測定した際の重合体の
ストランド径と測定器のオリフィスの径の比で表した。 ・耐溶剤性:射出成形機(名機製作所ムゲート付┻製M
140−SJ)とフィルき平板用金型を用い150x1
50x3mmの平板を成形し、25℃でエタノールに1日
浸漬した後、目視によりクラックの有無を確認した。 ・還元粘度:JIS Z8803に準拠し、還元粘度は
1g/dlの濃度での値であり、クロロホルム溶液、25℃
で測定し求めた(dl/g)。 ・重量平均分子量(Mw)及びZ平均分子量(Mz):
示差屈折率計及び粘度計付きゲルパーミエーションクロ
マトグラフィー(Waters社製GPC150-CV)を用い、標準
メタクリル酸メチル重合体の{分子量−溶出時間}較正
曲線から求めた。 ・Z平均分子量での分岐点間分子量(Mzb):上記較
正曲線および標準メタクリル酸メチル重合体の{極限粘
度−溶出時間}較正曲線とからMz値と同じ分子量値の
標準メタクリル酸メチル重合体の極限粘度[η2 ] を求
め、次に標準メタクリル酸メチル重合体の{絶対分子量
・極限粘度−溶出時間}普遍較正曲線により、Mzに対
応の極限粘度[η1 ] を求め、前述の[数1]、[数
2]より算出した。 ・耐衝撃性;ASTM D−256に準じ、厚み3.2
mmのノッチ付きサンプルでアイゾット衝撃値を測定し
た(kgf・cm/cm2)。
【0030】実施例で用いた各種単量体、連鎖移動剤の
略称は、以下の通り。 ・MMA:メタクリル酸メチル ・MA:アクリル酸メチル ・DDSH:n−ドデシルメルカプタン ・HDA:1、6−ヘキサンジオールジアクリレート
【0031】参考例1 200リットルのSUS製オートクレーブにMMA96
重量部、MA4重量部、HDA0.113重量部、DD
SH0.36重量部、ラウロイルパーオキサイド0.3
重量部、イオン交換水200重量部、ポリメタクリル酸
ナトリウム1重量部を入れて混合し、加熱昇温して、8
0℃で重合を開始し、90分経過後さらに100℃で6
0分重合させた。重合後、洗浄、脱水、乾燥を行い、ビ
ーズ状の分岐構造を有する重合体A1 を得た。重合体A
1 の物性を評価し、結果を[表1]に示した。
【0032】参考例2 参考例1で用いた、MMA、MA、DDSH、HDAの
量を表1に示す通りとした以外は、参考例1と同様に行
い重合体A2 を得た。重合体A2 の物性を評価し、結果
を[表1]に示した。
【0033】実施例1〜4、比較例1〜3 参考例1または2で得た重合体A1 または重合体A2
特開平6-80739号公報実施例3に記載の方法で得たゴム
成分含量36重量%の3層構造重合体とMFR=7の汎
用メタクリル樹脂とを[表2]で示した重量比で混合し
た後、30mmベント付き2軸押出し機を用い、シリンダ
ー温度190〜260℃で溶融混練して樹脂組成物とし
た。この樹脂組成物の物性を評価した。結果を[表2]
に示した。
【0034】実施例5 実施例1のゴム成分含量36重量%の3層構造重合体に
代えて、特開昭55-147514 号公報実施例3の記載に準拠
して作られたブタジエンゴム7重量%含むゴム状重合体
をもちい[表2]で示す通りに各重合体の配合を変更し
た以外は、実施例1と同様に行った。結果を[表2]に
示した。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量平均分子量が8万〜40万で、Z平均
    分子量における分岐点間分子量が3万〜50万である分
    岐構造を有するメタクリル酸メチル系重合体A30〜9
    5重量%およびゴム状重合体B5〜70重量%とからな
    るメタクリル酸メチル系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】分岐構造を有するメタクリル酸メチル系重
    合体Aがさらに、該重合体の分子量30万以上の重量比
    が、その重合体の還元粘度が0.7dl/g以下のものは1
    4×還元粘度値−6.8(%)以上、14×還元粘度値
    +11.2(%)以下であり、還元粘度が0.7以上の
    時は40×還元粘度値−25(%)以上、40×還元粘
    度値−7(%)以下であることを特徴とする[請求項
    1]に記載のメタクリル酸メチル系樹脂組成物。
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