JPH0959383A - 水素含有環状シロキサンの製造方法 - Google Patents

水素含有環状シロキサンの製造方法

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JPH0959383A
JPH0959383A JP23203295A JP23203295A JPH0959383A JP H0959383 A JPH0959383 A JP H0959383A JP 23203295 A JP23203295 A JP 23203295A JP 23203295 A JP23203295 A JP 23203295A JP H0959383 A JPH0959383 A JP H0959383A
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紀夫 篠原
Minoru Igarashi
実 五十嵐
Shinichi Sato
伸一 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 メチルジクロロシランと1,3−ジヒド
ロキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンと
をアミン化合物の存在下に無水状態で反応させた後、M
2PO4(MはNa又はKを示す)で示されるリン酸モ
ノアルカリ金属塩の水溶液を加えて反応混合物からアミ
ン塩酸塩を該水溶液に移行させ、次いで水相を分離した
後、有機相を蒸留することを特徴とする1,1,3,
3,5−ペンタメチルシクロトリシロキサンの製造方
法。 【効果】 本発明の水素含有環状シロキサンの製造方法
によれば、1,1,3,3,5−ペンタメチルシクロト
リシロキサン及び1,1,3,5−テトラメチルシクロ
トリシロキサンを高収率で得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコーン樹脂の
基礎原料として有用な、下記一般式(1)で示される一
分子中に1個又は2個のSi−H結合と、3個の珪素原
子を有する環状シロキサン(ペンタメチルシクロトリシ
ロキサン又はテトラメチルシクロトリシロキサン)の製
造方法に関する。
【0002】
【化1】 (式中、n、mはn+m=3を満たす1又は2の整数を
示す。)
【0003】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一分子
中に3個の珪素原子を有する環状シロキサンは、ジクロ
ロシランと、ジヒドロキシジシロキサンとをアミン等の
脱塩酸剤の存在下で反応させることにより得ることがで
き、例えば、特公昭43−14720号公報には、ジメ
チルジクロロシランと1,3−ジヒドロキシ−1,1,
3,3−テトラメチルジシロキサンとをピリジンの存在
下で反応させ、生成するピリジンの塩酸塩を除去した
後、蒸留を行うことによってへキサメチルシクロトリシ
ロキサンを得る方法が開示されている。
【0004】しかしながら、この方法は塩酸塩除去の瀘
過に多大な労力を要するという問題があった。この場
合、このような瀘過工程の代わりに、水を加え、水洗し
てアミン塩酸塩を水相に移し、これを分離除去すること
ができ、これにより濾過操作の煩雑さを解消することが
できる。
【0005】ところが、同様な方法で、ヘキサメチルシ
クロトリシロキサンのメチル基の1個が水素原子に置き
代わったペンタメチルシクロトリシロキサンをメチルジ
クロロシランと1,3−ジヒドロキシ−1,1,3,3
−テトラメチルジシロキサンとの反応で得ようとする
と、水洗工程でSi−H基が加水分解してしまい、ペン
タメチルシクロトリシロキサンの収率は低くなってしま
う。例えば特公昭60−115592号公報にはメチル
ジクロロシランと1,3−ジヒドロキシ−1,1,3,
3−テトラメチルジシロキサンとの反応が比較例1に記
載されているが、収率は6.7%と低値である。これは
反応中に生成する塩化水素を中和するために使用したア
ミンが水に溶解しアルカリ性となり、このためSi−H
結合が加水分解し、Si−OHとなってしまうためであ
る。
【0006】また、同様に、1,1,3,5−テトラメ
チルシクロトリシロキサンを得る反応として、トリエチ
ルアミン存在下でジヒドロキシジメチルシランと1,3
−ジメチル−1,3−ジクロロジシロキサンを反応させ
た場合も、同様な理由により1,1,3,5−テトラメ
チルシクロトリシロキサンの収率は低値となる。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、一分子中にSi−H結合を1〜2個有するシクロト
リシロキサンを従来の方法に比べ約10倍という高収率
で製造することができる水素含有環状シロキサンの製造
方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行っ
た結果、上記一般式(1)で示される環状シロキサンを
製造する方法において、式中n=1、m=2の時、即ち
ペンタメチルシクロトリシロキサンを製造する場合に
は、メチルジクロロシランと1,3−ジヒドロキシ−
1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンとを、式中
n=2、m=1の時、即ち、1,1,3,5−テトラメ
チルシクロトリシロキサンを製造する場合には、ジヒド
ロキシジメチルシランと1,3−ジメチル−1,3−ジ
クロロジシロキサンとを、それぞれアミン化合物の存在
下に無水状態で反応させた後、構造式MH2PO4(Mは
Na又はKを示す)で示されるリン酸モノアルカリ金属
塩の水溶液を添加することによって、該水溶液が弱酸性
を示すため、生成した環状シロキサンのSi−H結合を
加水分解させることなく安定して保持し得、Si−H結
合の加水分解を抑制してアミン塩酸塩を水相に容易に分
離することができ、Si−H結合を有する上記式(1)
の環状シロキサンを高収率で製造し得ることを知見し、
本発明をなすに至ったものである。
【0009】従って、本発明は、メチルジクロロシラン
と1,3−ジヒドロキシ−1,1,3,3−テトラメチ
ルジシロキサン、又は、ジヒドロキシジメチルシランと
1,3−ジメチル−1,3−ジクロロジシロキサンとを
アミン化合物の存在下に無水状態で反応させた後、MH
2PO4(MはNa又はKを示す)で示されるリン酸モノ
アルカリ金属塩の水溶液を加えて反応混合物からアミン
塩酸塩を該水溶液に移行させ、次いで水相を分離した
後、有機相を蒸留することを特徴とする下記一般式
(1)で示される水素含有環状シロキサン(ペンタメチ
ルシクロトリシロキサン又はテトラメチルシクロトリシ
ロキサン)の製造方法を提供する。
【0010】
【化2】 (式中、n、mはn+m=3を満たす1又は2の整数を
示す。)
【0011】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明の上記式(1)の水素含有環状シロキサンの
製造方法は、式中n=1、m=2の時は、メチルジクロ
ロシランと1,3−ジヒドロキシ−1,1,3,3−テ
トラメチルジシロキサンとを、式中n=2、m=1の時
は、ジヒドロキシジメチルシランと1,3−ジメチル−
1,3−ジクロロジシロキサンとを、それぞれアミン化
合物の存在下の無水状態で反応させるもので下記反応式
A、Bに示すように、Si−OH基とSi−Cl基との
脱塩酸反応である。
【0012】
【化3】
【0013】なお、メチルジクロロシランと1,3−ジ
ヒドロキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサ
ンとのモル比は、好ましくは1対1〜2、より好ましく
は1対1.01〜1.5、ジヒドロキシジメチルシラン
と1,3−ジメチル−1,3−ジクロロジシロキサンと
のモル比は、好ましくは1対1〜2、より好ましくは1
対1.01〜1.5である。
【0014】ここで、反応は無塩酸捕捉剤下でも進行す
るが、反応により生成する塩酸が存在すると、生成した
環状シロキサンの開環反応等の複反応を起すため、この
塩酸を捕捉するため、アミン化合物が添加される。
【0015】このアミン化合物としては、特に、第3級
アミンを好適に使用することができ、具体的には、トリ
エチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、ピコリン
等を挙げることができる。これらアミン化合物は、生成
する塩酸に対して1当量以上を使用することが有効であ
る。アミン化合物の添加量が発生した塩酸に対して1当
量より少ないと、生成した塩酸が系内に残存し、この残
存する塩酸が生成した環状シロキサンを開環させる等の
副反応が生じるおそれがある。なお、アミン化合物が過
剰すぎると、アミン化合物が未反応のまま反応系に残
り、後述する水洗工程で水溶液がアルカリ性となり、生
成した環状シロキサンのSi−H基が加水分解されて収
率が悪くなるおそれがある。このため、アミン化合物の
量は、原料中のSi−Cl基の1.0倍モルを超え、
1.2倍モル以下の範囲が好ましい。
【0016】上述した反応式A、Bで示される反応は、
分子内でのSi−Cl基とSi−OH基との反応が含ま
れるため、メチルジクロロシランと1,3−ジヒドロキ
シ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(A)
あるいはジヒドロキシジメチルシランと1,3−ジメチ
ル−1,3−ジクロロジシロキサン(B)は同時滴下す
ることにより反応が行われる。通常は、塩酸捕捉剤とし
てアミン化合物を溶媒に溶解し、ここにメチルジクロロ
シランと1,3−ジヒドロキシ−1,1,3,3−テト
ラメチルジシロキサンをそれぞれ溶媒に溶解したもの、
又は、ジヒドロキシジメチルシランと1,3−ジメチル
−1,3−ジクロロジシロキサンをそれぞれ溶媒に溶解
したものを同時に滴下することにより反応が行われる。
【0017】ここで、溶媒としては、ジヒドロキシジメ
チルシラン及び1,3−ジヒドロキシ−1,1,3,3
−テトラメチルジシロキサンは一般に非極性溶媒に溶解
しないため、極性溶媒又は極性溶媒と非極性溶媒との混
合溶媒を使用する。また、1,3−ジメチル−1,3−
ジクロロジシロキサン及びメチルジクロロシランの溶媒
は非極性溶媒でも、極性溶媒でもよく、これらの混合溶
媒でもよい。更にアミン化合物の溶媒も非極性、極性溶
媒のいずれもでもよく、アミン化合物の量が多い場合は
無溶媒でもよい。
【0018】このような溶媒としては種々のものを使用
することが可能であるが、活性水素を有するアルコール
類等は、メチルジクロロシラン、1,3−ジメチル−
1,3−ジクロロジシロキサンと反応するため使用でき
ない。溶媒として具体的には、ジエチルエーテル、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、塩化メチ
レン、ジクロロエタン等の塩素化溶媒、アセトン、メチ
ルエチルケトン等のケトン系溶媒、ペンタン、ヘキサン
等の脂肪族炭化水素溶媒、また、ベンゼン、トルエン等
の芳香族溶媒を用いることが可能である。この場合、上
述したように、メチルジクロロシラン、1,3−ジメチ
ル−1,3−ジクロロジシロキサンは上に例示した溶媒
に溶解するが、ジヒドロキシジメチルシラン、1,3−
ジヒドロキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキ
サンはヘキサン、塩化メチレン等の溶媒に殆ど溶解しな
いため、これらを溶解する場合は、ジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン、アセトン等の極性溶媒を使用又は
併用する必要がある。一方、アミン化合物は量を多くす
れば特に溶媒を必要としない。なお、上記シラン、ジシ
ロキサン類を上部の滴下容器より同時滴下する場合に、
予め下部の反応容器内に存在させておくべき溶媒は特に
制限されず、上記した溶媒が例示できる。
【0019】使用する溶媒の量としては、溶媒の量が少
ない場合、反応の進行に伴い生成するアミン塩酸塩はこ
れら使用溶媒に溶解しないので、順次塩が固体として析
出し、そのため撹拌が困難となる。また逆に、溶媒の量
が多すぎた場合、経済的に不利となる。このため、使用
する溶媒の量としてはメチルジクロロシラン、1,3−
ジヒドロキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキ
サンの合計量あるいはジヒドロキシジメチルシラン、
1,3−ジメチル−1,3−ジクロロジシロキサンの合
計量の1.5〜100倍重量、より好ましくは2〜20
倍重量である。
【0020】なお、反応の温度条件としては、−30℃
〜50℃の範囲内で操作を行うことが好ましいが、反応
(A)を常圧で行う場合には、メチルジクロロシランの
沸点である41℃以下、特に−20℃〜40℃で行うこ
とが推奨される。また、反応時間は通常2〜5時間であ
る。
【0021】本発明においては、上記反応後、反応混合
物にMH2PO4(MはNa又はKを示す)で示されるリ
ン酸モノアルカリ金属塩の水溶液を加えて反応混合物か
らアミン塩酸塩を該水溶液に移行させ、次いで水相を分
離した後、有機相を蒸留するものである。
【0022】即ち、反応終了後は多量のアミン塩酸塩が
生成しており、生成物から分離するため、MH2PO4
示されるリン酸モノアルカリ金属塩の水溶液を加える。
アミン塩酸塩はこの水溶液に溶解し、水相と有機相に分
離する。生成物のシロキサンは有機相に溶解し、分液す
ることにより容易に分離することができる。単なる水で
洗浄した場合、アミンにより水溶液がアルカリ性とな
り、Si−H基が加水分解されてしまい、収率が悪化す
るが、MH2PO4水溶液は弱酸性を示し、この条件下で
はSi−H基は比較的安定であり、アルカリ条件下で起
こるSi−H基の加水分解反応を抑えることができる。
【0023】ここで、使用される水の量としては生成す
るアミン塩酸塩が完全に溶解する量が使用されるが、特
に添加する水の量は、脱塩酸剤として使用したアミン類
の5〜100倍重量、より好ましくは10〜20倍重量
が好適である。
【0024】また、MH2PO4で示されるリン酸モノア
ルカリ金属塩は、脱塩酸剤として使用されたアミン類の
0.01〜10倍重量、より好ましくは0.05〜1倍
重量の範囲が好ましい。これより少ない場合は、過剰に
存在するアミンのために、水相がアルカリ性となり、好
ましくないSi−H基の加水分解反応が進行して収率が
悪化するおそれが生じる。
【0025】なお、水洗工程は任意の温度で実施される
が、通常は、0〜50℃の範囲での実施が好ましい。
【0026】また、水洗後は常法により分液し、分液さ
れた有機相に無水硫酸ナトリウム、無水硫酸マグネシウ
ム等の中性の乾燥剤を添加し、有機相に溶解した水を除
去することができる。
【0027】次いで、蒸留を行うが、蒸留は常圧下で
も、減圧下でも行うことができる。蒸留することによ
り、反応中、水洗分液時に使用した溶媒は容易に除去す
ることができ、目的とするSi−H基を有する環状トリ
シロキサンを得ることができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例を示し、本
発明を具体的に説明するが、本発明は、下記実施例に制
限されるものではない。
【0029】[実施例1]1,1,3,3,5−ペンタメチルシクロトリシロキサ
ンの製造 温度計、撹拌子及び1000mlの滴下ロート2個を備
え、窒素置換した5000mlフラスコ中に、ジエチル
エーテル900g、トリエチルアミン199.8g
(1.975mol)を加えて撹拌した。
【0030】1,3−ジヒドロキシ−1,1,3,3−
テトラメチルジシロキサン153.0g(0.920m
ol)にジエチルエーテルを加えて溶解し、全量を60
0mlとした溶液と、メチルジクロロシラン108.9
g(0.947mol)にジエチルエーテルを加えて溶
解し、全量を600mlとした溶液とをそれぞれ別の1
000ml滴下ロートにいれ、同量づつ140分かけ、
液温を0〜10℃に保ちながら上記フラスコ中に滴下
し、滴下終了後、20℃の条件下で30分間撹拌を続け
た。
【0031】反応終了後、KH2PO427.0g(0.
198mol)を水2000mlに溶解した溶液を上記
フラスコ中に加えた。これにより、反応混合物中に析出
したトリエチルアミン塩酸塩が水に溶解し、上層がエー
テル相、下層が水相に分離した。
【0032】エーテル相を分離し、飽和食塩水1000
mlで2回洗浄した後、Na2SO450gを加え、脱水
を行った後、蒸留して1,1,3,3,5−ペンタメチ
ルシクロトリシロキサン131.4g(0.658mo
l)を得た。収率は68.5%であった。
【0033】[実施例2]1,1,3,3,5−ペンタメチルシクロトリシロキサ
ンの製造 温度計、撹拌子及び100mlの滴下ロート2個を備
え、窒素置換した2000mlフラスコ中に、ジクロロ
メタン600g、トリエチルアミン39.2g(0.3
87mol)を加えて撹拌した。
【0034】1,3−ジヒドロキシテトラメチルジシロ
キサン30.0g(0.180mol)にアセトンを加
えて溶解し、全量を80mlとした溶液と、メチルジク
ロロシラン21.4g(0.186mol)にジクロロ
メタンを加えて溶解し、全量を80mlとした溶液をそ
れぞれ別の100ml滴下ロートにいれ、同量づつ14
0分かけ、液温を0〜10℃に保ちながら上記フラスコ
中に滴下し、滴下終了後、20℃の条件下で30分間撹
拌を続けた。
【0035】反応終了後、KH2PO45.3g(0.0
44mol)を水800mlに溶解した溶液を上記フラ
スコ中に加えた。これにより、反応混合物中に析出した
トリエチルアミン塩酸塩が水に溶解し、下層がジクロロ
メタン相、上層が水相に分離した。
【0036】ジクロロメタン相を分離し、飽和食塩水8
00mlで2回洗浄した後、Na2SO410gを加え、
脱水を行った後、蒸留して、1,1,3,3,5−ペン
タメチルシクロトリシロキサン24.1g(0.116
mol)を得た。収率は64.2%であった。
【0037】[実施例3]1,1,3,5−テトラメチルシクロトリシロキサンの
製造 温度計、撹拌子及び1000mlの滴下ロート2個を備
え、窒素置換した5000mlフラスコ中に、ジエチル
エーテル550g、トリエチルアミン121.0g
(1.196mol)を加えて撹拌した。
【0038】ジヒドロキシジメチルシラン51.4g
(0.557mol)にジエチルエーテルを加えて溶解
し、全量を700mlとした溶液と、1,3−ジメチル
−1,3−ジクロロジシロキサン100.0g(0.5
71mol)にジエチルエーテルを加えて溶解し、全量
を700mlとした溶液をそれぞれ別の1000ml滴
下ロートにいれ、同量づつ120分かけ、液温を0〜1
0℃に保ちながら上記フラスコ中に滴下し、滴下終了
後、20℃の条件下で30分間撹拌を続けた。
【0039】反応終了後、KH2PO430.0g(0.
22mol)を水1500mlに溶解した溶液を上記フ
ラスコ中に加えた。これにより、反応混合物中に析出し
たトリエチルアミン塩酸塩が水に溶解し、上層がエーテ
ル相、下層が水相に分離した。
【0040】エーテル相を分離し、飽和食塩水1000
mlで2回洗浄した後、Na2SO430gを加え、脱水
を行った後、蒸留して、1,1,3,5−テトラメチル
シクロトリシロキサン57.5g(0.230mol)
を得た。収率は53.0%であった。
【0041】[実施例4]KH2PO4の代わりに、Na
2PO4を使用した以外は、実施例1と同様に操作を行
い、1,1,3,3,5−ペンタメチルシクロトリシロ
キサンを収率66.2%で得た。
【0042】[比較例1]KH2PO4水溶液の代わり
に、水2000mlを使用した以外は、実施例1と同様
に操作を行い1,1,3,3,5−ペンタメチルシクロ
トリシロキサンを得たが、収率は6.2%と非常に低い
ものであった。
【0043】[比較例2]KH2PO4水溶液の代わり
に、飽和食塩水2000mlを使用した以外は、実施例
1と同様に操作を行い1,1,3,3,5−ペンタメチ
ルシクロトリシロキサンを得たが、収率は6.0%と非
常に低いものであった。
【0044】[比較例3]KH2PO4水溶液の代わり
に、水1500mlを使用した以外は、実施例3と同様
に操作を行い1,1,3,5−テトラメチルシクロトリ
シロキサンを得たが、収率は1.0%と非常に低いもの
であった。
【0045】[比較例4]KH2PO4水溶液の代わり
に、飽和食塩水1500mlを使用した以外は、実施例
3と同様に操作を行い1,1,3,5−テトラメチルシ
クロトリシロキサンを得たが、収率は1.5%と非常に
低いものであった。
【0046】
【発明の効果】本発明の水素含有環状シロキサンの製造
方法によれば、1,1,3,3,5−ペンタメチルシク
ロトリシロキサン及び1,1,3,5−テトラメチルシ
クロトリシロキサンを高収率で得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 伸一 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 (72)発明者 高橋 政晴 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メチルジクロロシランと1,3−ジヒド
    ロキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンと
    をアミン化合物の存在下に無水状態で反応させた後、M
    2PO4(MはNa又はKを示す)で示されるリン酸モ
    ノアルカリ金属塩の水溶液を加えて反応混合物からアミ
    ン塩酸塩を該水溶液に移行させ、次いで水相を分離した
    後、有機相を蒸留することを特徴とする1,1,3,
    3,5−ペンタメチルシクロトリシロキサンの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 ジヒドロキシジメチルシランと1,3−
    ジメチル−1,3−ジクロロジシロキサンとをアミン化
    合物の存在下に無水状態で反応させた後、MH2PO
    4(MはNa又はKを示す)で示されるリン酸モノアル
    カリ金属塩の水溶液を加えて反応混合物からアミン塩酸
    塩を該水溶液に移行させ、次いで水相を分離した後、有
    機相を蒸留することを特徴とする1,1,3,5−テト
    ラメチルシクロトリシロキサンの製造方法。
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US9056878B2 (en) 2006-09-29 2015-06-16 Johnson & Johnson Vision Care, Inc. Hydrolysis-resistant silicone compounds
WO2021166871A1 (ja) 2020-02-21 2021-08-26 信越化学工業株式会社 環状ポリシロキサンの製造方法

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