JPH0959321A - プロピレン系ランダム共重合体及びその製造方法 - Google Patents

プロピレン系ランダム共重合体及びその製造方法

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JPH0959321A
JPH0959321A JP21771295A JP21771295A JPH0959321A JP H0959321 A JPH0959321 A JP H0959321A JP 21771295 A JP21771295 A JP 21771295A JP 21771295 A JP21771295 A JP 21771295A JP H0959321 A JPH0959321 A JP H0959321A
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JP
Japan
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propylene
random copolymer
ethylene
dimethoxysilane
titanium
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JP21771295A
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Manabu Kaminaka
学 紙中
Yoshiyuki Kitajima
佳幸 北島
Junichi Ito
順一 伊藤
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フィルム等の成形した場合の低温ヒートシール
性、耐衝撃性、耐ブロッキング性に優れ、且つ共重合体
に含まれる触媒残査が極めて少ないプロピレン系ランダ
ム共重合体を提供する。 【解決手段】メルトフローレイトが0.1〜30g/1
0分、エチレンに基づく単量体単位が、0.1〜15モ
ル%、プロピレンに基づく単量体単位が85〜99.9
モル%であるプロピレンエチレンランダム共重合体より
なる、13C−NMRで測定される連続した2つの単量体
単位が特定の配列を有し、且つ共重合体中に含有される
チタン原子、塩素原子等の量が低減され、好ましくは低
温トルエン可溶分が少ない、プロピレン系ランダム共重
合体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なプロピレンエチ
レンランダム共重合体に関するものである。詳しくは、
13C−NMRで測定される連続した2つの単量体単位に
おいて特定の配列を有し、且つ含まれる触媒残渣が極め
て少ない特徴を有し、フィルムに成形した際の低温ヒー
トシール性、耐衝撃性および耐ブロッキング性に優れる
プロピレン系ランダム共重合体である。
【0002】
【従来の技術】従来よりプロピレンとエチレンとをラン
ダム共重合することにより得られるプロピレン系ランダ
ム共重合体は、プロピレンの単独重合体に比べ、耐衝撃
性、透明性に優れ、更に、比較的低融点となるためにヒ
ートシール性が優れるなどの特徴を有しており、各種フ
ィルムを使用する包装材料の分野で幅広く利用されてい
る。
【0003】ところが、従来技術によるプロピレン系ラ
ンダム共重合体は、上記用途分野でその品質面で十分満
足すべきものとは言えず、未だ用途によってはその使用
が制限される課題があった。例えば、耐衝撃性、ヒート
シール性をより向上させる手段として、一般に、プロピ
レン系ランダム共重合体中のエチレン含有量を高くする
方法が知られている。しかし、エチレン含有量を高くす
ると、耐衝撃性、ヒートシール性が改良される反面、低
分子量非晶成分の副生量が著しく増加し、フィルムのべ
たつき性が増加し、ブロッキング現象を引き起こすため
商品価値を損ねるという課題があった。
【0004】一方、該プロピレン系ランダム共重合体の
製造においても、プロピレンを媒体としたスラリー重合
により製造する際には、共重合体粒子の互着、重合系の
粘度の増加により生産性が低下するばかりか、生産上の
重大なトラブルとなる課題があった。
【0005】このような課題を解決する手段についても
これまでに種々提案されている。特開昭58−3261
0号公報には、プロピレン系ランダム共重合体のMFI
(メルトフローインデックス)を低くすることにより、
低分子量非晶性成分の副生量を抑え、一方、成形性を付
与するために該高分子量体を有機過酸化物により減成す
る方法が提案されている。
【0006】しかし、この方法で得られた共重合体は、
分子量分布が狭くなり、溶融張力が小さくなることで成
形性が低下するばかりか、フィルムとした場合のヤング
率が低下するという欠点があった。
【0007】また、特開昭59−206424号公報に
は、高活性チタン触媒成分を用い、プロピレンで予備重
合を行った後にプロピレンとエチレンのランダム共重合
を2段階に行い、後段階で行うランダム共重合を前段階
よりも高いエチレン含有量で行う方法が提案されてい
る。
【0008】しかし、この方法では、連続重合プロセス
において重合槽を複数個要し、重合操作が煩雑となるば
かりか、フィルムの耐衝撃性および低温ヒートシール性
とブロッキング性のバランスは未だ満足のいくレベルに
は至っていなかった。
【0009】一方、ポリプロピレン、及び、プロピレン
系共重合体は、一般に、ハロゲン化チタン化合物、有機
アルミニウム化合物よりなる触媒を用いて製造される
が、これら触媒残渣が重合体中に多量に残存した場合に
は、成形品の色調が黄色となる外観不良の問題が生じ、
特に、重合体中に塩素原子が多量に残存している場合に
は、重合体に加工助剤、塩素捕捉剤として一般に用いら
れるステアリン酸カルシウム等の金属石鹸が配合された
際、塩素原子と反応してステアリン酸などの脂肪酸を遊
離し、フィルムに成形する場合のロール汚れや目やに現
象を生じフィルムの外観上の品質を損なうという課題が
あった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、フィル
ム分野における低温ヒートシール性、耐衝撃性を満足し
ながら、耐ブロッキング性、更に成形性、透明性、外観
等の品質バランスを十分に満足するプロピレン系ランダ
ム共重合体が望まれていた。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を行った結果、13C−NMRで測
定される連続した2つの単量体単位が特定の配列を成
し、且つ触媒残渣の少ないプロピレン系ランダム共重合
体を得ることに成功し、かかるプロピレン系ランダム共
重合体により上記の課題を解決できることを見い出し本
発明を完成した。
【0012】即ち、本発明は、メルトフローレイトが
0.1〜30g/10分、エチレンに基づく単量体単位
が0.1〜15モル%、プロピレンに基づく単量体単位
が85〜99.9モル%であるプロピレン系ランダム共
重合体であって、13C−NMRで測定される連続する2
つの単量体単位のモル分率[PP]、[PE]及び[E
E]が下記式、 4×[PP]×[EE]/[PE]2≦1.6 を満足し、且つ含有されるチタン原子が3ppm以下、
塩素原子が30ppm以下であることを特徴とするプロ
ピレンエチレンランダム共重合体(以下、単にランダム
共重合体ともいう)である。
【0013】尚、本願明細書において、「フィルム」と
は厚みに関して厳密な意味を有するものではなく、シー
トをも含めて総称する場合もある。
【0014】本発明のランダム共重合体のメルトフロー
レイトは、0.1〜30g/10分である。0.1g/
10分以下では溶融流動性に劣り、また30g/10分
以上では、溶融張力に劣り、いずれも成形性が低下する
ために好ましくない。特に、成形性を勘案すると、好ま
しい範囲は、0.3〜25g/10分、更に好ましく
は、0.5〜20g/10分である。
【0015】本発明のランダム共重合体は、実質的にプ
ロピレンとエチレンに基づく単量体単位から構成される
ランダム共重合体であり、ランダム共重合体中に含有さ
れるエチレンに基づく単量体単位(以下、エチレン単位
ともいう)は、0.1〜15モル%である。エチレン単
位が0.1モル%未満では、ヒートシール性、透明性に
劣り、15モル%を越える場合には、該ランダム共重合
体を使用して得られるフィルムの耐ブロッキング性、ヤ
ング率が低下するために好ましくない。
【0016】上記フィルムの特性を勘案すると、好まし
いエチレン単位の範囲は、0.5〜13モル%、更に好
ましくは、1.0〜12モル%の範囲である。
【0017】また、本発明のランダム共重合体は、後述
する予備重合工程においてプロピレンまたは、他のαー
オレフィンの単独重合体成分を微量含むことができる。
この場合の重合体成分の含有量は、予備重合倍率により
異なるが、通常は、0.5重量%以下である。プロピレ
ン以外のαーオレフィンとしては、エチレン、ブテン−
1、ヘキセン−1等の直鎖状αーオレフィン、3−メチ
ルブテン−1、4−メチルペンテン−1、ビニルシクロ
アルカン等の分岐状αーオレフィンを挙げることができ
る。
【0018】本発明のランダム共重合体は、13C−NM
Rで測定される連続する2つの単量体単位のモル分率
[PP]、[PE]及び[EE]が下記式、 4×[PP]×[EE]/[PE]2≦1.6 を満足する点に最大の特徴を有する。
【0019】即ち、上記関係式の範囲外では、これを成
形して得られる成形体、特にフィルムの低温ヒートシー
ル性が低下するために好ましくない。より好ましい範囲
は、 4×[PP]×[EE]/[PE]2≦1.5 であり、更に好ましくは、 4×[PP]×[EE]/[PE]2≦1.4 である。
【0020】即ち、本発明のランダム共重合体では、上
記のプロピレン(P)−プロピレン(P)、プロピレン
(P)−エチレン(E)及びエチレン(E)−エチレン
(E)よりなる連続する2つの単量体単位が特定の配列
割合を有することで、得られるフィルムの耐ブロッキン
グ性を満足させながらより低温でのヒートシール性を達
成させることができるのである。
【0021】本発明において、連続する2つの単量体の
モル分率は、13C−NMRで測定される連続する2つの
単量体単位にに帰属されるスペクトルの強度比より算出
される値である。
【0022】本発明のランダム共重合体は、重合体中に
残存する触媒残渣が少なく、塩素捕捉剤として金属石鹸
を用いた場合の脂肪酸の遊離によるロール汚れがなく、
且つ色調、外観にも優れることも特徴である。
【0023】即ち、本発明のランダム共重合体では、残
存するチタン原子が3ppm以下、好ましくは、2pp
m以下である。一方、塩素原子の濃度は30ppm以下
であり、好ましくは、20ppm以下である。 上記チ
タン原子の濃度が3ppmを越える場合には、得られる
成形体の色調が黄色なり好ましくない。また、塩素原子
の濃度が、30ppmを越えると、添加した金属石鹸か
ら脂肪酸が遊離し、フィルムへの成型時、装置のロール
汚れを生じてフィルムの外観不良の原因となる。
【0024】尚、これらの原子の濃度は、蛍光X線法に
よって測定した値である。本発明のランダム共重合体に
ついてこれらの値は、重合により得られたランダム共重
合体そのものについての値である。
【0025】本発明のランダム共重合体は、低温トルエ
ン可溶分量で示される低分子量非晶成分の量が少ないこ
とが好ましい。本発明のランダム共重合体の低温トルエ
ン可溶分量S(wt%)の値は、エチレンに基づく単量
体単位E(モル%)との関係において、下記式、 S≦0.37×E+1.5 を満足することが好ましい。低温トルエン可溶分量が上
記の関係式の範囲外では成形体のべたつき性、特にフィ
ルムにおける耐ブロッキング性が低下するため好ましく
ない。より好ましい範囲は、 S≦0.37×E+1.0 であり、更に好ましくは、 S≦0.35×E+1.0 である。
【0026】尚、本発明において、ランダム共重合体の
低温トルエン可溶分量S(重量%)の値は、該プロピレ
ン系ランダム共重合体をトルエンに100℃で完全に溶
かした後、−18℃に冷却後、静置して析出した成分は
濾別し、トルエン溶液よりトルエンを完全に蒸発するこ
とによりトルエン可溶分量を得、これより下記式 S=(可溶分の量(g)/使用したランダム共重合体の
量(g))×100 により求めた値である。
【0027】更に、本発明のランダム共重合体は、ゲル
パーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定
される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)
の比(Mw/Mn)で表される分子量分布が4.0以上
であることが好ましい。Mw/Mnが4.0未満では、
溶融張力が低下し、加工性が低下するばかりか、フィル
ムに成形した場合のヤング率が低下するため好ましくな
い。
【0028】本発明のランダム共重合体の製造方法は、
特に限定されるものではないが、例えば、以下の方法で
製造することができる。
【0029】即ち、下記成分 〔A〕マグネシウム、チタン、及びハロゲンを必須成分
として含有する固体チタン化合物 〔B〕有機アルミニウム化合物 及び 〔C〕t−ブチル(エチル)ジメトキシシラン よりなる触媒の存在下にプロピレンとエチレンをランダ
ム共重合を行う方法である。
【0030】本発明で用いられるチタン化合物〔A〕
は、オレフィンの重合に使用されることが公知の化合物
が何ら制限なく採用される。特に、チタン、マグネシウ
ム及びハロゲンを成分とする触媒活性の高いチタン化合
物が好適である。このような触媒活性の高いチタン化合
物は、ハロゲン化チタン、特に四塩化チタンを種々のマ
グネシウム化合物に担持させたものとなっている。この
触媒の製法は公知の方法が何ら制限なく採用される。例
えば、四塩化チタンを塩化マグネシウムなどのマグネシ
ウム化合物と共粉砕する方法、アルコール、エーテル、
エステル、ケトン又はアルデヒド等の電子供与体の存在
下にハロゲン化チタンとマグネシウム化合物とを共粉砕
する方法、または、溶媒中でハロゲン化チタン、マグネ
シウム化合物及び電子供与体を接触させる方法等が挙げ
られる。そのようなチタン化合物の製法は、例えば、特
開昭56−155206号公報、同56−13680
6、同57−34103、同58−8706、同58−
83006、同58−138708、同58−1837
09、同59−206408、同59−219311、
同60−81208、同60−81209、同60−1
86508、同60−192708、同61−2113
09、同61−271304、同62−15209、同
62−11706、同62−72702、同62−10
4810等に示されている方法が採用される。
【0031】次に有機アルミニウム化合物〔B〕も、オ
レフィンの重合に用いられることが公知の化合物を何等
制限なく使用できる。例えば、トリメチルアルミニウ
ム、トリエチルアルミニウム、トリ−nプロピルアルミ
ニウム、トリ−nブチルアルミニウム、トリ−iブチル
アルミニウム、トリ−nヘキシルアルミニウム、トリ−
nオクチルアルミニウム、トリ−nデシルアルミニウム
等のトリアルキルアルミニウム類、エチルアルミニウム
ジクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、
ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウ
ムブロマイド、ジエチルアルミニウムアイオダイド、ジ
イソブチルアルミニウムクロライド、ジn−プロピルア
ルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジブロマイ
ド、エチルアルミニウムジアイオダイド、イソブチルア
ルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジブ
ロマイド、イソブチルアルミニムジアイオダイド等のハ
ロゲン原子含有のアルキルアルミニウム類を用いること
が出来る。また、モノエトキシジエチルアルミニウム、
ジエトキシモノエチルアルミニウム等のアルコキシアル
ミニウム類を用いることもできる。
【0032】本発明の成分〔C〕としては、t−ブチル
(エチル)ジメトキシシランが用いられる。t−ブチル
(エチル)ジメトキシシラン以外の化合物では、得られ
るランダム共重合体の13C−NMRで測定される連続す
る2つの単量体単位のモル分率[PP]、[PE]及び
[EE]が前記式を満足しなくなるため、本発明のラン
ダム共重合体を得ることができず、好ましくない。
【0033】本発明のランダム共重合体は、上記の触媒
成分の存在下にプロピレンとエチレンのランダム共重合
を施すことにより得られるが、ランダム共重合体の低温
トルエン可溶分をより低減させ、且つ重合により得られ
る重合体粒子の粒子性状を向上させるためにはランダム
共重合を施すに先立ってチタン化合物〔A〕をプロピレ
ンまたは他のα−オレフィンにより予備重合を施すこと
が有効である。該予備重合の条件は特に限定されるもの
ではないが、下記の条件で行われることがより好まし
い。即ち、 〔A〕チタン化合物 〔B〕有機アルミニウム化合物 〔D〕一般式〔I〕 R1 nSi(OR24-n 〔I〕 (ここで、R1およびR2は、同一または異なる炭素数1
〜20の炭化水素基、nは、0≦n<4である。)で示
される有機ケイ素化合物および、必要に応じ、 〔E〕一般式〔II〕 R3I 〔II〕 (ここで、R3は、ヨウ素原子であるかあるいは炭素数
1〜20の炭化水素基である。)で示されるヨウ素化合
物の存在下にプロピレンまたは他のα−オレフィンを
〔A〕チタン化合物の1g当たり0.1〜50gを予備
重合せしめる方法が好適である。
【0034】予備重合で用いられる〔B〕有機アルミニ
ウム化合物は、上記に示した化合物をそのまま採用する
ことができる。
【0035】予備重合で使用する有機アルミニウム化合
物〔B〕の使用量は特に制限されるものではないが、一
般にチタン化合物中のTi原子に対しAl/Ti(モル
比)で1〜100であることが好ましく、さらに3〜1
0であることが好ましい。
【0036】さらに、有機ケイ素化合物〔D〕は、前記
一般式〔I〕で示される化合物を何ら制限なく採用され
るが、ランダム共重合に用いられるt−ブチル(エチ
ル)ジメトキシシラン以外の化合物を用いることが得ら
れるランダム共重合体粒子の互着を防止でき、粒子性状
をより向上させることができるためにより好ましい態様
となる。
【0037】前記一般式中、R1およびR2で示される炭
素数1〜20の炭化水素基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチ
ル基、sec−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル
基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチ
ル基、ノニル基、デシル基、および後述するようなシク
ロペンチル基、アルキル基置換シクロペンチル基、シク
ロヘキシル基、アルキル基置換シクロヘキシル基、t−
ブチル基、t−アミル基、フェニル基、アルキル置換フ
ェニル基等が挙げられる。
【0038】本発明において好適に用いられる有機ケイ
素化合物を例示すると次の通りである。例えば、トリメ
チルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジt
−ブチルジメトキシシラン、ジt−アミルジメトキシシ
ラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、ジ(2−メ
チルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ジ(3−メチ
ルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ジ(2−エチル
シクロペンチル)ジメトキシシラン、ジ(2,3−ジメ
チルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ジ(2,4−
ジメチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ジ(2,
5−ジメチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ジ
(2,3−ジエチルシクロペンチル)ジメトキシシラ
ン、ジ(2,3,4−トリメチルシクロペンチル)ジメ
トキシシラン、ジ(2,3,5−トリメチルシクロペン
チル)ジメトキシシラン、ジ(2,3,4−トリエチル
シクロペンチル)ジメトキシシラン、ジ(テトラメチル
シクロペンチル)ジメトキシシラン、ジ(テトラエチル
シクロペンチル)ジメトキシシラン、ジ(2−メチルシ
クロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ(3−メチルシク
ロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ(4−メチルシクロ
ヘキシル)ジメトキシシラン、ジ(2−エチルシクロヘ
キシル)ジメトキシシラン、ジ(2,3−ジメチルシク
ロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ(2,4−ジメチル
シクロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ(2,5−ジメ
チルシクロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ(2,6−
ジメチルシクロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ(2,
3−ジエチルシクロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ
(2,3,4−トリメチルシクロヘキシル)ジメトキシ
シラン、ジ(2,3,5−トリメチルシクロヘキシル)
ジメトキシシラン、ジ(2,3,6−トリメチルシクロ
ヘキシル)ジメトキシシラン、ジ(2,4,5−トリメ
チルシクロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ(2,4,
6−トリメチルシクロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ
(2,3,4−トリエチルシクロヘキシル)ジメトキシ
シラン、ジ(2,3,4,5−テトラメチルシクロヘキ
シル)ジメトキシシラン、ジ(2,3,4,6−テトラ
メチルシクロヘキシル)ジメトキシシラン、ジ(2,
3,5,6−テトラメチルシクロヘキシル)ジメトキシ
シラン、ジ(2,3,4,5−テトラエチルシクロヘキ
シル)ジメトキシシラン、ジ(ペンタメチルシクロヘキ
シル)ジメトキシシラン、ジ(ペンタエチルシクロヘキ
シル)ジメトキシシラン、t−アミルメチルジメトキシ
シラン、シクロペンチルメチルジメトキシシラン、シク
ロペンチルエチルジメトキシシラン、シクロペンチルイ
ソブチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキ
シシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シ
クロヘキシルエチルジメトキシシラン、シクロヘキシル
イソブチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシ
ラン、フェニルメチルジメトキシシラン、エチルトリメ
トキシシラン、エチルトリエトキシシラン、メチルトリ
メトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、デ
シルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシ
ラン、t−ブチルトリエトキシシラン、n−ブチルトリ
エトキシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、
シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロペンチルト
リエトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラ
ン、フェニルトリエトキシシラン、ケイ酸エチル、ケイ
酸ブチルなどを挙げることができる。
【0039】上記予備重合で用いる有機ケイ素化合物の
使用量は特に制限されるものではないが、一般にはチタ
ン化合物中のTi原子に対しSi/Ti(モル比)で
0.1〜100であることが好ましく、0.5〜10で
あることが好ましい。
【0040】更に、予備重合において、得られるランダ
ム共重合体の低温トルエン可溶分量をより低下させるた
めにヨウ素化合物〔E〕を用いることが好ましい。
【0041】ヨウ素化合物〔E〕は、前記一般式〔II〕
で示される化合物が何等制限なく採用される。前記一般
式〔II〕中のR3は、ヨウ素原子であるかあるいは炭素
数1〜20の炭化水素基であり、炭化水素基の場合はア
ルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはアリール
基等の炭化水素基である。本発明において好適に使用で
きるヨウ素化合物を具体的に例示すれば、例えば、ヨウ
素、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル、ヨ
ウ化ブチル、ヨウ化ベンゼン、p−ヨウ化トルエン等で
ある。中でもヨウ素、ヨウ化メチル、ヨウ化エチルなど
が好ましい。
【0042】予備重合で用いるヨウ素化合物の使用量は
特に制限されないが、一般にはチタン化合物中のTi原
子に対し、I/Ti(モル比)で0.1〜100である
ことが好ましく、さらに0.5〜50であることが好ま
しい。
【0043】予備重合で用いる上記の各成分は逐次添加
されてもよく、一括混合されたものを用いても良い。逐
次添加の場合の添加順序は特に限定されない。
【0044】予備重合でのプロピレンまたはα−オレフ
ィンの重合量は、チタン化合物1g当り0.1〜50
g、好ましくは1〜20gの範囲であり、工業的には1
〜10gの範囲が好適である。予備重合で用いられるプ
ロピレン以外のα−オレフィンとしては、エチレン、ブ
テン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1等の直鎖状α−
オレフィンの他に3−メチルブテン−1、4−メチルペ
ンテン−1、ビニルシクロアルカン等の分岐αーオレフ
ィンが挙げられる。また、上記のプロピレンまたはα−
オレフィンを2種類以上同時に使用することも可能であ
る。また、予備重合で水素を共存させることも可能であ
る。
【0045】予備重合は通常スラリー重合を適用させる
のが好ましく、溶媒として、ヘキサン、ヘプタン、シク
ロヘキサン、ベンゼン、トルエンなどの飽和脂肪族炭化
水素もしくは芳香族炭化水素を単独で、又はこれらの混
合溶媒を用いることができる。予備重合温度は、一般に
−20〜100℃、特に0〜60℃の温度が好ましく、
予備重合を多段階に行う場合には各段で異なる温度の条
件下で行ってもよい。予備重合時間は、予備重合温度及
び予備重合での重合量に応じ適宜決定すればよく、予備
重合における圧力は限定されるものではないが、スラリ
ー重合の場合は、一般に大気圧〜5kg/cm2程度で
ある。予備重合は、回分、半回分、連続のいずれの方法
で行ってもよい。予備重合終了時には、ヘキサン、ヘプ
タン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の飽和脂
肪族炭化水素もしくは芳香族炭化水素を単独で、又は混
合溶媒で洗浄することが好ましく、洗浄回数は通常の場
合5〜6回が好ましい。
【0046】本発明において、プロピレンとエチレンと
の共重合は上記予備重合を行った場合、得られる予備重
合触媒が使用され、該予備重合触媒と〔B〕有機アルミ
ニウム化合物及び〔C〕t−ブチル(エチル)ジメトキ
シシラン
【0047】
【化1】
【0048】の存在下に本重合が行われる。
【0049】上記製造方法において、触媒成分として該
t−ブチル(エチル)ジメトキシシランを使用すること
により、得られるプロピレン系ランダム共重合体は、重
合後、溶剤による抽出、分別、洗浄等の後処理をしない
場合においても、低温可溶分が前記範囲の低い値を示
し、また、チタンおよび塩素原子の濃度についても前記
したように極めて低い値を示す。
【0050】本発明における上記本重合における重合条
件は、本発明の効果が認められる限り特に制限されず、
公知の方法を採用することができるが、一般には次の条
件が好ましい。
【0051】本重合における前記有機アルミニウム化合
物〔B〕の使用量は特に制限されないが、一般には予備
重合で得られたチタン化合物中のTi原子に対しAl/
Ti(モル比)で10〜1000であることが好まし
く、さらには20〜500であることが好適である。
【0052】更に、t−ブチル(エチル)ジメトキシシ
ラン〔C〕の使用量は特に制限されるものではないが、
一般にはチタン化合物のTi原子に対しSi/Ti(モ
ル比)で0.1〜1000であることが好ましく、さら
に1〜100であることが好ましい。これら本重合に用
いられる成分の添加順序はとくに制限されない。有機ア
ルミニウム化合物と有機ケイ素化合物を混合して用いて
も差し支えない。
【0053】重合温度は20〜200℃、好ましくは5
0〜150℃であり、分子量調節剤として水素を共存さ
せることもできる。また、重合は、スラリー重合、無溶
媒重合、及び気相重合にも適用でき、回分式、半回分
式、連続式のいずれの方法でもよく、更に重合を条件の
異なる2段以上に分けて行うこともできる。
【0054】
【効果】本発明のランダム共重合体は、13CーNMRで
測定される2つの連続した単量耐単位が特定の配列割合
を有し、且つ重合体中に残存する触媒残渣が少ないため
に、フィルムに成形された際の低温ヒートシール性、耐
衝撃性、耐ブロッキング性に優れている。
【0055】従って、本発明のランダム共重合体は、各
種延伸フィルム、無延伸フィルム、シート等の材料とし
て好適に用いることができる。
【0056】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例を掲げて説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。以下の実施例において用いた測定方法について
説明する。
【0057】(1)メルトフローレイト(以下、MFR
と略す) ASTM D−790に準拠した。
【0058】(2)エチレン含有量 赤外分光法により測定した。
【0059】(3)[PP]、[EE]、[PE]モル
分率の算出13 C−NMRにより、溶媒としてo−ジクロロベンゼン
/重水素ベンゼン(9/1vol%)を用い、試料濃度
約200mg/1ml、内部標準物質TMS、測定温度
100℃で測定を行い、その結果より、「新版 高分子
分析ハンドブック」(1995年、紀伊国屋書店発行、
615〜617頁)に記載の方法により算出した。
【0060】(4)低温トルエン可溶分量 ポリマー1gをトルエン100ccに加え攪拌しながら
100℃まで昇温した後、更に30分攪拌を続け、ポリ
マーを完全に溶かした後、トルエン溶液を−18℃、2
4時間放置した。析出物は濾別し、トルエン溶液を完全
に留去することで可溶分を得た。
【0061】低温トルエン可溶分量(重量%)=(トル
エン可溶分(g)/ホ゜リマー1g)×100 で表される。
【0062】(5)重合体中の残存チタン濃度、塩素濃
度の測定 ポリマー約10gを230℃でプレス成形を行い、円盤
状のシートを作成した後、理学電機社製全自動蛍光X線
分析装置システム3080を用い測定を行った。
【0063】(6)嵩比重 JIS K6721に準拠した。
【0064】(7)ブロッキング値 2枚のフィルムまたはシート(12×12cm)を重ね
合わせ、10kgの荷重をかけて温度40℃、湿度90
%RHの雰囲気に24時間放置後、4×4cmにサンプ
ルを切り出し、引張り試験機(速度:100mm/分)
で剥離強度を測定した。 (8)ヒートシール温度 2枚のフィルムをヒートシーラーを用いて所定の温度で
1kg/cm2の荷重をかけ2秒間圧着して得た幅15
mmの試料を引張り試験機(速度:100mm/みn)
で剥離強度を測定し剥離抵抗力が300g/15mmの
時の温度をヒートシール温度とした。
【0065】(9)デュポン衝撃強度 デュポン衝撃測定装置を用いて23℃で撃芯半径1/4
インチで行った。 (10)ロールの汚れ 8時間連続製膜後、目視により判定した。
【0066】実施例1 〔チタン化合物の調製〕チタン成分の調製法は、特開昭
58−83006号公報の実施例1の方法に準じて行っ
た。即ち、無水塩化マグネシウム0.95g(10mm
ol)、デカン10ml、及び2−エチルヘキシルアル
コール4.7ml(30mmol)を125℃で2時間
加熱攪拌した。この溶液中に無水フタル酸0.55g
(6.75mmol)を添加し、125℃にて更に1時
間攪拌混合を行い均一溶液とした。室温まで冷却した
後、120℃に保持された四塩化チタン40ml(0.
36mol)中に1時間にわたって全量滴下装入した。
その後、この混合溶液の温度を2時間かけて110℃に
昇温し、110℃に達したところでジイソブチルフタレ
ート0.54mlを添加し、これより2時間110℃に
て攪拌下に保持した。2時間の反応終了後、濾過し固体
部を採取し、この固体部を200mlのTiCl4にて
再懸濁させた後、再び110℃で2時間の加熱反応を行
った。反応終了後、再び熱濾過にて固体部を採取し、デ
カン及びヘキサンにて、洗液中に遊離のチタン化合物が
検出されなくなるまで十分洗浄した。固体Ti触媒の組
成はチタン2.1重量%、塩素57重量%、マグネシウ
ム18.0%、及びジイソブチルフタレート21.9重
量%であった。
【0067】〔予備重合〕N2置換を施した内容積1l
のオートクレーブに精製n−ヘキサン200ml、トリ
エチルアルミニウム50mmol、ジフェニルジメトキ
シシラン10mmol、ヨウ化エチル50mmol、及
び固体Ti触媒成分をTi原子換算で5mmol装入し
た後、プロピレンを固体触媒成分1gに対し3gとなる
ように30分間連続的にオートクレーブに導入した。な
お、この間の温度は15℃に保持した。30分後に反応
を停止し、オートクレーブ内をN2で充分に置換した。
得られたスラリーの固体部分を精製n−ヘキサンで4回
洗浄し、チタン含有ポリプロピレンを得た。分析の結
果、固体Ti触媒成分1gに対し2.1gのプロピレン
が重合されていた。
【0068】〔本重合〕内容積2m3の重合槽にプロピ
レンを600kg装入し、トリエチルアルミニウム61
2mmol、t−ブチル(エチル)ジメトキシシラン3
06mmol、更に水素ガスを導入した後、重合槽の内
温を55℃に昇温した。ついでエチレンを導入し、チタ
ン含有ポリプロピレンをTi原子として1.5mmol
装入した。続いてオートクレーブの内温を65℃まで昇
温しエチレンガス濃度を一定に保つようにエチレンを供
給しながら2時間重合を行った。重合終了後、未反応の
プロピレンをパージし、白色顆粒状の重合体を得た。得
られた重合体は70℃で1時間の乾燥を行った。結果を
表1に示した。
【0069】〔造粒〕得られたプロピレン−エチレンラ
ンダム共重合体100重量部に、酸化防止剤として2,
6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.1重量部、塩
素補足剤としてステアリン酸カルシウム0.05重量
部、ブロッキング防止剤としてサイロイド55、平均粒
径2.73μm)0.15重量部、滑剤としてエルカ酸
アミド0.06重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで
5分間混合した後、スクリュ−径65mmφの押出造粒
機を用いて230℃で押し出し、ペレットを造粒し原料
ペレットを得た。
【0070】〔フィルムの作成〕造粒したプロピレンエ
チレンランダム共重合体ペレットを用いて以下の方法で
無延伸フィルムを作成した。原料ペレットをスクリュー
径40mmφのTダイ製膜機でダイ温度230℃で溶融
押出しを行い、表面温度37℃の冷却ロールで冷却し厚
み30μmの無延伸フィルムを得た。この時の冷却ロー
ルのロール汚れの状態を観察すると同時に、得られたフ
ィルムは成形後、24時間後に物性測定を行った。結果
を表2に示した。
【0071】〔シートの作成〕造粒したプロピレンエチ
レンランダム共重合体ペレットを用いて以下の方法で無
延伸シートを作成した。原料ペレットをスクリュー径4
0mmφのTダイ製膜機でダイ温度230℃で溶融押出
しを行い、表面温度20℃の冷却ロールで冷却し厚み
0.5mmの無延伸シートを得た。この時の冷却ロール
のロール汚れの状態を観察すると同時に、得られたシー
トは成形後、24時間後に物性測定を行った。結果を表
3に示した。
【0072】実施例2 実施例1の予備重合においてヨウ化エチルに変えてヨウ
素を50mmol用いた以外は、実施例1と同様の方法
で行った。
【0073】予備重合時に使用したシラン化合物と本重
合時に使用したシラン化合物を表1に、また、得られた
ランダム共重合体の結果を表2、表3及び表4に示し
た。
【0074】実施例3 実施例1の予備重合において、ヨウ化エチルを用いなか
ったほかは、実施例1と同様の方法で行った。
【0075】予備重合時に使用したシラン化合物と本重
合時に使用したシラン化合物を表1に、また、得られた
ランダム共重合体の結果を表2、表3及び表4に示し
た。
【0076】実施例4〜6 実施例1の本重合においてエチレンガス濃度を変え、ポ
リマー中のエチレン含量が0.5モル%(実施例4)
6.0モル%(実施例5)、11.2モル%(実施例
6)とした以外は、実施例1と同様の方法で重合を行っ
た。
【0077】予備重合時に使用したシラン化合物と本重
合時に使用したシラン化合物を表1に、また、得られた
ランダム共重合体の結果を表2、表3及び表4に示し
た。
【0078】実施例7、8 実施例1の本重合において水素ガス濃度を変え、MFR
が0.5g/分(実施例7)、20g/分(実施例8)
とした以外は実施例1と同様の方法で行った。予備重合
時に使用したシラン化合物と本重合時に使用したシラン
化合物を表1に、また、得られたランダム共重合体の結
果を表2、表3及び表4に示した。
【0079】比較例1 〔予備重合〕N2置換を施した内容積1lのオートクレ
ーブに、精製n−ヘキサン200ml、ジエチルアルミ
ニウムクロライド50mmol、及び丸紅ソルベー社製
三塩化チタンを3.5g挿入した後、プロピレンを固体
触媒成分1gに対し3gとなるように30分間連続的に
オートクレーブに導入した。なお、この間の温度は15
℃に保持した。30分後に反応を停止し、オートクレー
ブ内をN2で充分に置換した。得られたスラリーの固体
部分を精製n−ヘキサンで4回洗浄し、チタン含有ポリ
プロピレンを得た。分析の結果、三塩化チタン触媒成分
1gに対し2.1gのプロピレンが重合されていた。
【0080】〔本重合〕内容積2m3の重合槽にプロピ
レンを600kg装入し、ジエチルアルミニウムクロラ
イド612mmol、更に水素ガスを導入した後、重合
槽の内温を55℃に昇温した。ついでエチレンを導入
し、チタン含有ポリプロピレンを三塩化チタン換算で2
0g装入した。続いてオートクレーブの内温を65℃ま
で昇温しエチレンガス濃度を一定に保つようにエチレン
を供給しながら2時間重合を行った。重合終了後、未反
応のプロピレンをパージし、白色顆粒状の重合体を得
た。得られた重合体は70℃で1時間の乾燥を行った。
【0081】予備重合時に使用したシラン化合物と本重
合時に使用したシラン化合物を表1に、また、得られた
ランダム共重合体の結果を表2、表3及び表4に示し
た。
【0082】実施例9〜16 実施例1の予備重合においてジフェニルジメトキシシラ
ンの代わりにシクロヘキシルメチルジメトキシシラン
(実施例9)、ジシクロヘキシルジメトキシシラン(実
施例10)、フェニルメチルジメトキシシラン(実施例
11)、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン(実施
例12)、トリメチルメトキシシラン(実施例13)、
フェニルトリエトキシシラン(実施例14)、ケイ酸エ
チル(実施例15)、t−ブチル(エチル)ジメトキシ
シラン(実施例16)を用いた他は、実施例1と同様に
行った。
【0083】予備重合時に使用したシラン化合物と本重
合時に使用したシラン化合物を表1に、また、得られた
ランダム共重合体の結果を表2、表3及び表4に示し
た。
【0084】比較例2〜6 実施例1の本重合で用いたt−ブチル(エチル)ジメト
キシシランの代わりに、表2に示したシラン化合物を用
いた以外は実施例1と同様に行った。
【0085】予備重合時に使用したシラン化合物と本重
合時に使用したシラン化合物を表1に、また、得られた
ランダム共重合体の結果を表2、表3及び表4に示し
た。
【0086】比較例7 実施例1の本重合において、エチレンガス濃度を変え、
ポリマー中のエチレン含量を0.05モル%とした以外
は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示す
が、得られたポリマーを実施例1と同様に造粒を行った
後に、フィルムおよびシートの成形を行ったが、耐衝撃
性およびヒートシール性に劣り実用的でなかった。
【0087】比較例8 実施例1の本重合において、エチレンガス濃度を変え、
ポリマー中のエチレン含量を17モル%とした以外は、
実施例1と同様の操作を行った。
【0088】予備重合時に使用したシラン化合物と本重
合時に使用したシラン化合物を表1に、また、得られた
ランダム共重合体の結果を表2、表3及び表4に示し
た。
【0089】比較例9、10 実施例1の本重合において、水素濃度を変え、MFRが
0.05g/分(実施例9)、35g/分(実施例1
0)とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。
【0090】予備重合時に使用したシラン化合物と本重
合時に使用したシラン化合物を表1に、また、得られた
ランダム共重合体の結果を表2に示すが、得られたポリ
マーを実施例1と同様に造粒を行った後に、フィルム、
及びシートの成形を行ったが安定した製膜が困難であっ
た。
【0091】
【表1】
【0092】
【表2】
【0093】
【表3】
【0094】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の代表的な重合手順を示すフロ
ーチャートである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メルトフローレイトが0.1〜30g/1
    0分、エチレンに基づく単量体単位が0.1〜15モル
    %、プロピレンに基づく単量体単位が85〜99.9モ
    ル%であるプロピレン系ランダム共重合体であって、13
    C−NMRで測定される連続する2つの単量体単位のモ
    ル分率[PP]、[PE]及び[EE]が下記式、 4×[PP]×[EE]/[PE]2≦1.6 を満足し、且つ含有されるチタン原子が3ppm以下、
    塩素原子が30ppm以下であることを特徴とするプロ
    ピレン系ランダム共重合体。
  2. 【請求項2】下記成分〔A〕、〔B〕及び〔C〕よりな
    る触媒の存在下に、プロピレンとエチレンとを共重合す
    ることを特徴とする請求項1に記載のプロピレン系ラン
    ダム共重合体の製造方法。 〔A〕マグネシウム、チタン、及びハロゲンを必須成分
    として含有するチタン化合物 〔B〕有機アルミニウム化合物 〔C〕t−ブチル(エチル)ジメトキシシラン
  3. 【請求項3】請求項1に記載のプロピレン系ランダム共
    重合体よりなるフィルム。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7737069B2 (en) 2004-04-23 2010-06-15 Idemitsu Kosan Co., Ltd. Magnesium compound, catalyst for olefin polymerization and method for producing olefin polymer

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