JPH0959283A - ジメチルアルミニウムハイドライドの製造方法 - Google Patents
ジメチルアルミニウムハイドライドの製造方法Info
- Publication number
- JPH0959283A JPH0959283A JP21355195A JP21355195A JPH0959283A JP H0959283 A JPH0959283 A JP H0959283A JP 21355195 A JP21355195 A JP 21355195A JP 21355195 A JP21355195 A JP 21355195A JP H0959283 A JPH0959283 A JP H0959283A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- aluminum powder
- reaction
- trimethylaluminum
- titanium
- hydrogen
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Abstract
(57)【要約】
【課題】トリメチルアルミニウムとアルミニウム粉末と
水素を用いてジメチルアルミニウムハイドライドを合成
する反応において、従来高温、高圧下においても反応速
度が遅く、長時間の反応が必要であった。 【解決手段】トリメチルアルミニウムとチタンを含有す
るアルミニウムの粉末と水素を用いて反応を行なうこと
により、ジメチルアルミニウムハイドライドの合成反応
の速度を早める。 【効果】従来、24時間程度の反応時間が必要であった
が、10時間以下、2時間程度でも高反応収率を得るこ
とができる。
水素を用いてジメチルアルミニウムハイドライドを合成
する反応において、従来高温、高圧下においても反応速
度が遅く、長時間の反応が必要であった。 【解決手段】トリメチルアルミニウムとチタンを含有す
るアルミニウムの粉末と水素を用いて反応を行なうこと
により、ジメチルアルミニウムハイドライドの合成反応
の速度を早める。 【効果】従来、24時間程度の反応時間が必要であった
が、10時間以下、2時間程度でも高反応収率を得るこ
とができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、還元剤として有機
合成に、あるいは触媒としてオレフィン重合に用いられ
るジメチルアルミニウムハイドライドの製造に関するも
のである。
合成に、あるいは触媒としてオレフィン重合に用いられ
るジメチルアルミニウムハイドライドの製造に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】トリメチルアルミニウムとアルミニウム
および水素から、ジメチルアルミニウムハイドライドを
合成する方法は公知である。例えば、有機金属ハンドブ
ック(朝倉書店)165ページには、トリメチルアルミ
ニウムとアルミニウムおよび水素からジメチルアルミニ
ウムハイドライドを合成する方法が記載されており、そ
の反応条件は、温度130〜210℃、最大圧力250
atm、反応時間24時間となっている。
および水素から、ジメチルアルミニウムハイドライドを
合成する方法は公知である。例えば、有機金属ハンドブ
ック(朝倉書店)165ページには、トリメチルアルミ
ニウムとアルミニウムおよび水素からジメチルアルミニ
ウムハイドライドを合成する方法が記載されており、そ
の反応条件は、温度130〜210℃、最大圧力250
atm、反応時間24時間となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法は反
応が進行しにくく、高温、高圧下で長時間の反応が必要
であり、収率も低く工業的にも経済的にも不十分なもの
である。
応が進行しにくく、高温、高圧下で長時間の反応が必要
であり、収率も低く工業的にも経済的にも不十分なもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決するため鋭意研究を行い、本発明を完成するに至
った。即ち、本発明のジメチルアルミニウムハイドライ
ド製造法は、トリメチルアルミニウムとアルミニウム粉
末および水素からジメチルアルミニウムハイドライドを
合成する反応において、チタンを含有したアルミニウム
の粉末を用いることを特徴とするものである。
を解決するため鋭意研究を行い、本発明を完成するに至
った。即ち、本発明のジメチルアルミニウムハイドライ
ド製造法は、トリメチルアルミニウムとアルミニウム粉
末および水素からジメチルアルミニウムハイドライドを
合成する反応において、チタンを含有したアルミニウム
の粉末を用いることを特徴とするものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下本発明について更に詳細に説
明する。本発明の反応は以下の反応式〔1〕(化1)で
表される。
明する。本発明の反応は以下の反応式〔1〕(化1)で
表される。
【0006】
【化1】 2Al (CH3)3 +Al+3/2H2 → 3 (CH3)2 AlH 〔1〕 即ち、トリメチルアルミニウムとアルミニウム粉末およ
び水素とを反応させて、ジメチルアルミニウムハイドラ
イドを製造する反応である。
び水素とを反応させて、ジメチルアルミニウムハイドラ
イドを製造する反応である。
【0007】原料トリメチルアルミニウムはどのような
方法で合成されたものでもかまわないが、たとえば、メ
チルアルミニウムセスキクロライドを金属ナトリウムで
還元して合成したものでもよい。アルミニウム粉末とし
ては、本発明の特徴としてチタンを含有したアルミニウ
ムの粉末を用いる。チタンはアルミニウム中0.01〜
3.0重量%の範囲で存在していればよいが、0.05
〜2.0重量%の範囲が更に好ましい。
方法で合成されたものでもかまわないが、たとえば、メ
チルアルミニウムセスキクロライドを金属ナトリウムで
還元して合成したものでもよい。アルミニウム粉末とし
ては、本発明の特徴としてチタンを含有したアルミニウ
ムの粉末を用いる。チタンはアルミニウム中0.01〜
3.0重量%の範囲で存在していればよいが、0.05
〜2.0重量%の範囲が更に好ましい。
【0008】トリメチルアルミニウムとアルミニウムの
モル比は、1:1〜1:10の範囲内であれば反応は起
こるが、1:1〜1:4の範囲内にあることが好まし
い。トリメチルアルミニウムとアルミニウムおよび水素
との反応は、100〜210℃の温度で行い、とくに1
10〜160℃が好ましい。また、水素は過剰に用い、
通常50〜200気圧に加圧して、2ないし10時間行
う。
モル比は、1:1〜1:10の範囲内であれば反応は起
こるが、1:1〜1:4の範囲内にあることが好まし
い。トリメチルアルミニウムとアルミニウムおよび水素
との反応は、100〜210℃の温度で行い、とくに1
10〜160℃が好ましい。また、水素は過剰に用い、
通常50〜200気圧に加圧して、2ないし10時間行
う。
【0009】本発明で用いる溶剤としては芳香族炭化水
素たとえばベンゼン、トルエン、キシレン等、または脂
肪族炭化水素たとえばヘキサン、ヘプタン、オクタン、
流動パラフィン等、あるいはブチルエーテル等のエーテ
ル類が挙げられる。攪拌は、耐圧製の攪拌機付きオート
クレーブを用いる。その際に用いる羽根としては一般に
知られているどのような羽根でもよいが、例えばプロペ
ラ、タービン、あるいはマックスブレンド型、フルゾー
ン型等の羽根が挙げられる。
素たとえばベンゼン、トルエン、キシレン等、または脂
肪族炭化水素たとえばヘキサン、ヘプタン、オクタン、
流動パラフィン等、あるいはブチルエーテル等のエーテ
ル類が挙げられる。攪拌は、耐圧製の攪拌機付きオート
クレーブを用いる。その際に用いる羽根としては一般に
知られているどのような羽根でもよいが、例えばプロペ
ラ、タービン、あるいはマックスブレンド型、フルゾー
ン型等の羽根が挙げられる。
【0010】本発明の反応はトリメチルアルミニウムと
アルミニウム粉末および水素とからジメチルアルミニウ
ムハイドライドを得る際に、アルミニウム粉末としてチ
タンを含有したアルミニウムの粉末を用いることが特徴
である。トリメチルアルミニウムとアルミニウム粉末お
よび水素とからジメチルアルミニウムハイドライドを得
る方法は従来知られている。しかし、その方法では反応
が進行し難く、高温、高圧下で長時間の反応が必要であ
るという重大な欠点がある。しかし、アルミニウム粉末
としてチタン含有アルミニウム粉末を用いることによっ
て、反応速度が増大し目的とするジメチルアルミニウム
ハイドライドが短い時間で、かつ好収率で得られること
を本発明者らは発見した。即ち、アルミニウム粉末中に
微量含まれているチタンの触媒的な効果によって反応を
促進させることができた。
アルミニウム粉末および水素とからジメチルアルミニウ
ムハイドライドを得る際に、アルミニウム粉末としてチ
タンを含有したアルミニウムの粉末を用いることが特徴
である。トリメチルアルミニウムとアルミニウム粉末お
よび水素とからジメチルアルミニウムハイドライドを得
る方法は従来知られている。しかし、その方法では反応
が進行し難く、高温、高圧下で長時間の反応が必要であ
るという重大な欠点がある。しかし、アルミニウム粉末
としてチタン含有アルミニウム粉末を用いることによっ
て、反応速度が増大し目的とするジメチルアルミニウム
ハイドライドが短い時間で、かつ好収率で得られること
を本発明者らは発見した。即ち、アルミニウム粉末中に
微量含まれているチタンの触媒的な効果によって反応を
促進させることができた。
【0011】反応終了後、取り出した生成物はセラミッ
クス、金属等のフィルターやセライト等の濾過助剤を用
いて濾過を行い固体残渣を取り除いて、ジメチルアルミ
ニウムハイドライドを得る。もし、反応時に希釈溶剤を
用いた場合、または、より高純度にしたい場合は、蒸留
を行って精製する。
クス、金属等のフィルターやセライト等の濾過助剤を用
いて濾過を行い固体残渣を取り除いて、ジメチルアルミ
ニウムハイドライドを得る。もし、反応時に希釈溶剤を
用いた場合、または、より高純度にしたい場合は、蒸留
を行って精製する。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例により、更に具体的に
説明するが、本発明の範囲はそれによって限定されるも
のではない。
説明するが、本発明の範囲はそれによって限定されるも
のではない。
【0013】実施例1 希薄なトリメチルアルミニウム144g(2.00モ
ル)のキシレン溶液中に0.2重量%のチタンを含有し
たアルミニウムの微粉30g(1.1モル)を懸濁し、
これを1リットル容量の耐圧ボンベ中に装入した。ボン
ベを密閉して攪拌し、125℃に加熱した。次いで水素
を用いて120kg/cm2 まで加圧し、その圧力を一
定に保ちつつ2時間反応を行った。圧力を抜いて冷却
後、生成物を取り出した。未反応アルミニウムの回収は
17g、得られたジメチルアルミニウムハイドライドは
101g(1.44モル) 、アルミニウムの理論的反応
率は48%であった。
ル)のキシレン溶液中に0.2重量%のチタンを含有し
たアルミニウムの微粉30g(1.1モル)を懸濁し、
これを1リットル容量の耐圧ボンベ中に装入した。ボン
ベを密閉して攪拌し、125℃に加熱した。次いで水素
を用いて120kg/cm2 まで加圧し、その圧力を一
定に保ちつつ2時間反応を行った。圧力を抜いて冷却
後、生成物を取り出した。未反応アルミニウムの回収は
17g、得られたジメチルアルミニウムハイドライドは
101g(1.44モル) 、アルミニウムの理論的反応
率は48%であった。
【0014】比較例1 チタン含有アルミニウムのかわりに純アルミニウム30
g(1.1モル)を使用して、実施例1と同様にして反
応を行った。未反応アルミニウムは27g回収され、得
られたジメチルアルミニウムハイドライドは23g
(0.33モル)、アルミニウムの理論反応率は11%
であった。
g(1.1モル)を使用して、実施例1と同様にして反
応を行った。未反応アルミニウムは27g回収され、得
られたジメチルアルミニウムハイドライドは23g
(0.33モル)、アルミニウムの理論反応率は11%
であった。
【0015】実施例2 0.1重量%のチタンを含有したアルミニウム粉末を使
用し、かつ反応圧力を90kg/cm2 に保って、反応
時間を6時間とした以外は実施例1と同様に反応をおこ
なった。未反応アルミニウムは15g回収され、得られ
たジメチルアルミニウムハイドライド117g(1.6
7モル)、アルミニウムの理論反応率は56%であっ
た。
用し、かつ反応圧力を90kg/cm2 に保って、反応
時間を6時間とした以外は実施例1と同様に反応をおこ
なった。未反応アルミニウムは15g回収され、得られ
たジメチルアルミニウムハイドライド117g(1.6
7モル)、アルミニウムの理論反応率は56%であっ
た。
【0016】尚、理論反応率は〔消費アルミニウム粉末
のモル数〕×100/〔初期トリメチルアルミニウムの
モル数×1/2〕により算出した。
のモル数〕×100/〔初期トリメチルアルミニウムの
モル数×1/2〕により算出した。
【0017】
【発明の効果】本発明の方法により、従来24時間程度
の反応時間を要したものを10時間以下、2時間程度で
も高収率でジメチルアルミニウムハイドライドを得るこ
とが出来るようになり、工業的に十分有利に行なうこと
が出来る。
の反応時間を要したものを10時間以下、2時間程度で
も高収率でジメチルアルミニウムハイドライドを得るこ
とが出来るようになり、工業的に十分有利に行なうこと
が出来る。
Claims (2)
- 【請求項1】トリメチルアルミニウムとアルミニウム粉
末と水素を用いて、ジメチルアルミニウムハイドライド
を合成する反応において、チタンを含有したアルミニウ
ムの粉末を用いることを特徴とするジメチルアルミニウ
ムハイドライドの製造方法。 - 【請求項2】アルミニウム粉末のチタンの含有量が0.
01〜3.0重量%である請求項1記載のジメチルアル
ミニウムハイドライドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21355195A JPH0959283A (ja) | 1995-08-22 | 1995-08-22 | ジメチルアルミニウムハイドライドの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21355195A JPH0959283A (ja) | 1995-08-22 | 1995-08-22 | ジメチルアルミニウムハイドライドの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0959283A true JPH0959283A (ja) | 1997-03-04 |
Family
ID=16641083
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21355195A Pending JPH0959283A (ja) | 1995-08-22 | 1995-08-22 | ジメチルアルミニウムハイドライドの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0959283A (ja) |
-
1995
- 1995-08-22 JP JP21355195A patent/JPH0959283A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5831103A (en) | Halogen-magnesium-aluminum hydridohalides, methods for their synthesis and their use as reducing agents | |
US3998941A (en) | Preparation of alkali metal hydrides | |
CA1306597C (en) | Process for preparing halogen magnesium alanate and use thereof | |
JPS6123798B2 (ja) | ||
JPH0959283A (ja) | ジメチルアルミニウムハイドライドの製造方法 | |
JP2863321B2 (ja) | ジアルキル亜鉛の製造方法 | |
JP2002518364A (ja) | 有機チタネートおよびグリニャール試薬を用いてカルボキサミドを対称および非対称二置換する方法 | |
JPH04273884A (ja) | トリメチルアルミニウムの調製 | |
US6444190B2 (en) | Reduction compositions and processes for making the same | |
JP4593622B2 (ja) | トリヒドロカルビルボランの製造方法 | |
EP1490312B1 (en) | Grignard preparation of unsaturated organic compounds | |
JPS632943B2 (ja) | ||
US4313891A (en) | Process for synthesizing mixed alkoxy hydride derivatives of aluminium and alkaline earth metals | |
US4296045A (en) | Process for the preparation of poly-(-N-alkyliminoalanes) | |
JP3580618B2 (ja) | トリアルキルアルミニウムの製造方法 | |
US6734317B2 (en) | Process for the preparation of alkali metal tetraalkylaluminates and use thereof | |
US7175784B2 (en) | Method for the production of alkyl lithium compounds by using reduced pressure | |
CN115043866B (zh) | 一种有机铝氢试剂的合成方法和应用 | |
RU2342392C2 (ru) | Способ получения 6-этил-6-алюминаспиро[3.4]октана | |
US4010187A (en) | Chemical process | |
RU2342393C2 (ru) | СПОСОБ ПОЛУЧЕНИЯ 1-ЭТИЛ-1,2,3,3а,4,5,6,7,8,9-ДЕКАГИДРОЦИКЛОНОНА[b]АЛЮМИНАЦИКЛОПЕНТАНА | |
KR20030062591A (ko) | 디알콕시트리틸할라이드의 새로운 제조방법 | |
RU2152393C1 (ru) | Способ получения 1-этил-2,3-дифенил (алкил) алюмациклопропенов | |
JP2000198754A (ja) | 少なくとも3個の炭素原子を有するアルコ―ルのアルカリ金属アルコラ―トの製造法 | |
US5290532A (en) | Preparation of hydridomagnesium chloride |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040610 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040622 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20041026 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |