JPH0959156A - プランルカストを含有する造粒物、その製造方法およびプランルカストの付着凝集性改善方法 - Google Patents

プランルカストを含有する造粒物、その製造方法およびプランルカストの付着凝集性改善方法

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JPH0959156A
JPH0959156A JP8149017A JP14901796A JPH0959156A JP H0959156 A JPH0959156 A JP H0959156A JP 8149017 A JP8149017 A JP 8149017A JP 14901796 A JP14901796 A JP 14901796A JP H0959156 A JPH0959156 A JP H0959156A
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晴英 笹谷
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聖士 塩田
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A)プランルカストおよび1種またはそれ
以上の(B)糖類を必須成分とし、さらに1種またはそ
れ以上の(C)水溶性高分子および/または1種または
それ以上の(D)界面活性剤を含有することを特徴とす
る噴霧乾燥造粒物、その製造方法およびプランルカスト
の付着凝集性改善方法。 【効果】 プランルカストの非常に強い付着凝集性が改
善され、付着凝集性が殆どなくかつ粒度分布が狭く流動
性が良好なプランルカスト含有造粒物を効率よく製造で
きる。本発明のプランルカスト含有造粒物は、カプセル
充填、打錠等の連続生産に用いても何ら問題はなく、か
つ得られるプランルカスト含有造粒物は、崩壊分散性が
非常に良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プランルカストを
含有する錠剤やカプセル剤等を製造する上で有用なプラ
ンルカストの付着凝集性が改善された噴霧乾燥造粒物、
およびその製造方法、およびプランルカストの付着凝集
性改善方法に関する。
【0002】
【従来技術およびその課題】下記式
【0003】で示される4ーオキソー8ー[(4ーフェ
ニルブトキシ)ベンゾイルアミノ]ー2ー(テトラゾー
ルー5ーイル)ー4Hー1ーベンゾピラン・1/2水和
物(一般名:プランルカスト;以下、特許請求の範囲を
含む本明細書においてプランルカストという。)は、ロ
イコトリエンC4(LTC4)およびロイコトリエンD
4(LTD4)に対する強力な拮抗作用を有する化合物
であり、そのためアレルギー性の気管支または肺疾患、
アレルギー性ショックおよびアレルギー性各種炎症の治
療剤として期待されている。
【0004】しかし、プランルカストは、付着凝集性の
非常に強い微粉末であり、プランルカストに添加剤のみ
を配合した混合物粉末を打錠し、またはカプセル充填す
る際に、杵、臼やターンテーブル等にその粉末が固着し
連続生産に支障をきたす。通常、付着凝集性の強い微粉
末の物性を改善する方法として、撹拌造粒法、押出し造
粒法や流動層造粒法等により、原料粉体の粒度を大きく
する方法がとられているが、付着凝集性の強い微粉末で
あるプランルカストを高濃度に含む粉体の場合には、そ
の粉体物性が主に高濃度のプランルカストにより支配さ
れるため、粒度を大きくしても粉体物性の改善は図れず
打錠およびカプセル充填の連続運転は不可能であった。
また、機械への固着を防止する方法としては、(1)付
着凝集性が殆どない添加剤を多量に加えて造粒する方
法、(2)付着凝集性の強い粉末を乳糖でコーティング
する方法が知られている。
【0005】しかしながら、上記(1)の方法では最終
的に得られるカプセル等の製剤の大型化を招くためプラ
ンルカスト剤の適用を受ける喘息患者等にとって好まし
い方法とは言えない。実際、プランルカストの場合、造
粒物中の薬物含有率を10%程度にまで落とせば、従来
法の造粒物でも連続打錠およびカプセル充填が可能とな
るが、製剤の大型化は避けられない。また、上記(2)
の方法では、通常、流動コーティング法で処理するが、
その際原料粉体が粗大化し、粒度が著しく大きくなるた
め整顆工程が必要となり、この整顆工程で粗大粒子が破
壊されて付着凝集性を示す薬物が表面に露出し、結果と
して造粒物の付着凝集性は改善されない。
【0006】従って、本発明の課題は、付着凝集性の強
いプランルカストの表面を改質し、粒度分布が狭く流動
性が良好なプランルカスト含有造粒物およびその製造方
法を提供することにある。さらに、本発明の他の課題
は、投与後の崩壊分散性が良好なプランルカスト含有造
粒物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明者らは鋭意検討した結果、プランルカストに
特定の成分を比較的少量配合した組成物を噴霧乾燥法に
より造粒することにより、付着凝集性の強いプランルカ
ストの表面が改質され、粒度分布が狭く流動性が非常に
良好で、付着凝集性の殆どないプランルカスト含有率
(濃度)の高い粒子状の造粒物が容易にかつ効率的に得
られること、この造粒物はカプセル充填、打錠の連続生
産において何ら問題はなく、かつ投与後において必要な
崩壊分散性が非常に良好であることを見出し本発明を完
成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は 1) (A)プランルカストおよび1種またはそれ以上
の(B)糖類を必須成分とし、さらに1種またはそれ以
上の(C)水溶性高分子および/または1種またはそれ
以上の(D)界面活性剤を含有することを特徴とする噴
霧乾燥造粒物、 2) 1種またはそれ以上の(B)糖類および1種また
はそれ以上の(C)水溶性高分子化合物を含有する前記
1記載の噴霧乾燥造粒物、 3) 1種またはそれ以上の(B)糖類および1種また
はそれ以上の(D)界面活性剤を含有する前記1記載の
噴霧乾燥造粒物、
【0009】4) 1種またはそれ以上の(B)糖類お
よび1種またはそれ以上の(C)水溶性高分子化合物お
よび1種またはそれ以上の(D)界面活性剤を含有する
前記1記載の噴霧乾燥造粒物、 5) 糖類が乳糖またはマンニトールである前記1ない
し4のいずれかに記載の噴霧乾燥造粒物、 6) (C)水溶性高分子がセルロース類または合成高
分子類である前記1、2、または4に記載の噴霧乾燥造
粒物、
【0010】7) (C)水溶性高分子がヒドロキシプ
ロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレ
ングリコールである前記6記載の噴霧乾燥造粒物、 8) (D)界面活性剤がポリソルベートである前記
1、3、または4に記載の噴霧乾燥造粒物、 9) (A)プランルカストおよび(B1)乳糖および
/またはマンニトールおよび(C1)ヒドロキシプロピ
ルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレング
リコールおよび/またはポリソルベートを含有する前記
1ないし8のいずれかに記載の噴霧乾燥造粒物、 10) (A)プランルカストおよび(B2)乳糖およ
び(C2)ヒドロキシプロピルセルロースを含有する前
記9記載の噴霧乾燥造粒物、
【0011】11) (A)プランルカストおよび(B
2)乳糖および(C3)ポリエチレングリコールを含有
する前記9記載の噴霧乾燥造粒物、
【0012】12) (A)プランルカストおよび1種
またはそれ以上の(B)糖類を必須成分とし、さらに1
種またはそれ以上の(C)水溶性高分子化合物および/
または1種またはそれ以上の(D)界面活性剤を含有す
る懸濁液を噴霧乾燥することを特徴とする噴霧乾燥造粒
物の製造方法、および 13)(A)プランルカストおよび1種またはそれ以上
の(B)糖類を必須の構成成分とし、さらに1種または
それ以上の(C)水溶性高分子化合物および/または1
種またはそれ以上の(D)界面活性剤を含有する懸濁液
を噴霧乾燥して造粒物とすることを特徴とするプランル
カストの付着凝集性改善方法を提供する。
【0013】以下、本発明をさらに詳しく説明する。プ
ランルカストは、上述の通り付着凝集性の非常に強い微
粉末であり、通常の付着凝集性の強い物質の場合のよう
に添加剤を併用して撹拌造粒法、押出し造粒法あるいは
流動層造粒法等によって得られたプランルカストを高濃
度に含む粒子を打錠またはカプセル充填する場合には連
続生産に支障をきたし、また付着凝集性のない添加剤を
多量に使用する方法等では製剤が大型化し好ましくない
等の問題がある。
【0014】そこで、本発明者らは、粒子表面の付着凝
集性の改善されたプランルカストを高濃度に含有する粒
子を製造すべく噴霧乾燥法による方法について検討し、
プランルカスト(A成分)と、噴霧乾燥懸濁液調製時に
プランルカストの濡れおよび分散性を向上させる水溶性
高分子(成分C)または界面活性物質(成分D)と、プ
ランルカスト粒子表面をコーティングできる糖類(成分
B)とを一緒に噴霧乾燥することにより、プランルカス
ト表面の付着凝集性を改質し、粒度分布が狭く流動性が
非常に良好で、高濃度にプランルカストを含有する造粒
物を得ることに成功した。
【0015】付着凝集性の強い薬物(プランルカスト)
を糖類と共に噴霧乾燥することで表面を改質して付着凝
集性を改善する試みを具体的に実現したのは本発明が初
めてのことである。すなわち、噴霧乾燥法による造粒は
よく知られており、例えば「造粒ハンドブック」(日本
粉体工業技術協会編、オーム社より1991年3月10日発
行)249〜282頁や「粒子設計と製剤技術」(粉体
工学会製剤と粒子設計部会編,薬業時報社,1993年10
月30日発行)21〜26頁等に記載されている。噴霧
乾燥法は、a)溶解性改善、b)徐放性製剤化、c)薬
物安定化、d)油性物質の粉末化を目的として行なわれ
る。
【0016】医薬品への適用例としては、 1)ポリビニルピロリドンやポリエチレングリコール等
の水溶性高分子の担体中に薬物を均一に分散させてなる
噴霧乾燥固体分散体、 2)ビタミンEアセテートを界面活性剤でエマルジョン
とし、コロイダルシリカと共に噴霧乾燥してなる微粉末
化させたビタミンEアセテートを含有する噴霧乾燥体、 3)疎水性薬物の表面改質のために界面活性剤と共に噴
霧乾燥を行ない、水に対する濡れを改善すること等が上
記文献に記載されている。
【0017】また、4)糖類自身の微粉末を噴霧乾燥法
により球形化し、造粒物の粒径を大きくして流動性を改
善することが行われている。また、5)特開平7-76516
号明細書には、難溶性薬物(例えば、フェニトイン、ス
ルフィソキサザール、アミノピリン、セコバルビター
ル、プレドニゾロン、ニフェジピン、グリセオフルビ
ン、フェナセチン、フェノバルビタール、トルブタミド
等のアミド化合物)の溶解性を改善する目的で親水性賦
形剤(例えば、デンプン類、セルロース類、無水ケイ
酸)を必須成分として添加し、必要により水溶性の賦形
剤(例えば、乳糖、白糖、マンニット)、結合剤(例え
ば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ゼ
ラチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース、デキストリン)、界面活性剤を添加して噴
霧乾燥することが記載されている。
【0018】本発明と上記1)〜5)の適用例との相違
は以下の通りである。1)の適用例では水溶性高分子の
担体中に薬物が分子分散した状態で存在するが、本発明
では、薬物が固体結晶のまま糖類でコーティングされた
状態で存在する。また、1)の場合は薬物の溶解度の向
上が目的であり、薬物の付着凝集性の軽減を図る本発明
とは目的が異なる。2)の適用例では、薬物はコロイダ
ルシリカ粒子間の隙間または粒子中に閉じ込められた状
態で存在するが、本発明では薬物は糖類でコーティング
された状態で存在する。また、2)の場合は油状物質の
粉末化を目的としているのに対して、本発明は固体粉末
の表面物性の改善を目的としている。
【0019】3)の適用例では、薬物粒子の濡れを改善
し薬物の溶出を促進する目的で界面活性剤を加えている
が、本発明では、噴霧乾燥用の懸濁液調製時に薬物の濡
れおよび分散性を向上させて、乳糖等の糖類による薬物
粒子表面のコーティングを完全に行なうために界面活性
剤を加えている。造粒物で得られる効果は、3)は溶解
促進であるのに対して、本発明は付着凝集性の改善であ
る。4)は、糖類単品を噴霧乾燥することにより、それ
自身の流動性を改善するものである。しかし、プランル
カスト自身の懸濁液を噴霧乾燥しても付着凝集性は全く
改善されないことが判明した。5)で得られる造粒物の
効果は、薬物の溶解度の向上にあるのに対して、本発明
造粒物で得られる効果は付着凝集性の改善である。
【0020】以上の文献からいえることは、噴霧乾燥に
よって、一般に大きな粒子径が得られ、流動性が高まる
ことが知られているが、実際に医薬品に応用した例は、
溶解性の改善、油状物質の粉末化、溶出性向上を目的と
したものであり、付着凝集性の改善を目的として試みら
れた例は全くなかった。従って、本発明の課題解決の具
体的な方法は先行技術には示されておらず、プランルカ
ストをどのような補助剤や添加剤と組み合わせて噴霧乾
燥したときに、付着凝集性の改善という目的が達成され
るのかは従来技術からは予想出来ない状態にあった。本
発明はプランルカストと糖類と水溶性高分子または界面
活性剤を加えた懸濁液を噴霧乾燥することによって初め
てプランルカストの付着凝集性を改善したものである。
【0021】
【発明の構成】本発明は、(A)プランルカストおよび
1種またはそれ以上の(B)糖類を必須成分とし、さら
に1種またはそれ以上の(C)水溶性高分子および/ま
たは1種またはそれ以上の(D)界面活性剤を含有する
ことを特徴とする噴霧乾燥造粒物、その製造方法および
プランルカストの付着凝集性改善方法に関する。本発明
のプランルカスト含有造粒物は、(A)プランルカスト
および1種またはそれ以上の(B)糖類を必須の構成成
分とし、さらに1種またはそれ以上の(C)水溶性高分
子化合物および/または1種またはそれ以上の(D)界
面活性剤を適当な溶媒(水または水とアルコール等の有
機溶媒混合液)に懸濁して、噴霧乾燥することにより得
ることができる。
【0022】噴霧乾燥造粒物(顆粒〜粉末)中のプラン
ルカストの濃度は、用途に応じて選択できるが、通常、
30〜90重量%、好ましくは50〜75重量%であ
る。粒子径は噴霧乾燥条件を変えることにより調整で
き、20〜1000ミクロンのプランルカスト噴霧乾燥造粒
物を得ることができる。また、噴霧乾燥懸濁液の調製の
際には、場合により、pH調節剤、すなわち塩基または
酸を添加して懸濁液のpHを調節することができる。
【0023】
【糖類】(B)成分の糖類としては、例えば、乳糖、マ
ンニトール、白糖、デキストリン、デキストラン、トレ
ハロース、プルランおよびマルトースなどが挙げられ、
好ましくは乳糖およびマンニトールが用いられる。これ
らの糖類は、一種単独で、または二種以上を混合して使
用できる。糖類の使用量は、例えば、プランルカスト1
00重量部に対して10〜100重量部、好ましくは3
0〜60重量部である。
【0024】
【水溶性高分子】(C)成分の水溶性高分子としては、
セルロース類、例えば、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびメチル
セルロースや、合成高分子類、例えばポリエチレングリ
コール、ポリビニルピロリドンおよびポリビニルアルコ
ールや、ゼラチンなどが挙げられ、好ましくはセルロー
ス類および合成高分子類、より好ましくはヒドロキシプ
ロピルセルロース、ポリビニルピロリドンおよびポリエ
チレングリコールが挙げられる。これらの水溶性高分子
は、単独で、または二種以上を混合して使用できる。水
溶性高分子の使用量は、例えば、プランルカスト100
重量部に対して1〜30重量部、好ましくは、5〜20
重量部である。
【0025】
【界面活性剤】(D)成分の界面活性剤としては、例え
ば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノステアリン
酸ソルビタン、ポリソルベートおよびアルキル硫酸エス
テルなどが挙げられ、好ましくはポリソルベートであ
る。界面活性剤は、単独で、または二種以上を混合して
使用できる。界面活性剤の使用量は、例えば、プランル
カスト100重量部に対して0.5 〜2.5 重量部、好まし
くは0.5 〜1重量部である。
【0026】懸濁液調製時に、場合によって添加する塩
基としては、例えば炭酸アンモニウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、リン酸水素ナトリウムバッファー
が挙げられる。好ましいのは炭酸アンモニウムのような
弱塩基である。酸としては、クエン酸、塩酸、酒石酸が
挙げられ、クエン酸が好ましい。
【0027】
【実施例】以下に実施例、比較例および実験例を挙げて
本発明を具体的に示すが、本発明は、これらに限定され
るものではない。
【0028】実施例1 ヒドロキシプロピルセルロース(1kg)を精製水(1
0kg)に溶解し、さらに乳糖(5kg)およびプラン
ルカスト(10kg)を加え懸濁液とする。この懸濁液
をスプレードライヤーで下記の条件にて噴霧乾燥しプラ
ンルカスト噴霧乾燥造粒物(15.2kg)を得た。得られ
たプランルカスト噴霧乾燥造粒物の平均粒子径は、約1
00ミクロンであった。 噴霧乾燥条件:ディスク回転数8000rpm、熱風入口温
度180℃、排風温度100℃、送液速度100g/
分。
【0029】実施例2 ポリソルベート80(10g)を精製水(1.2 kg)に
溶解し、さらにマンニトール(400g)およびプラン
ルカスト(1kg)を加え懸濁液とする。この懸濁液を
スプレードライヤーで下記の条件にて噴霧乾燥しプラン
ルカスト噴霧乾燥造粒物(1.35kg)を得た。得られた
プランルカスト噴霧乾燥造粒物の平均粒子径は、約50
ミクロンであった。 噴霧乾燥条件:ディスク回転数18000 rpm、熱風入口
温度200℃、排風温度100℃、送液速度30g/
分。
【0030】実施例3 ポリビニルピロリドン(10kg)を精製水(180k
g)に溶解し、さらに乳糖(40kg)およびプランル
カスト(100kg)を加え懸濁液とする。この懸濁液
をスプレードライヤーで下記の条件にて噴霧乾燥しプラ
ンルカスト噴霧乾燥造粒物(145kg)を得た。得ら
れたプランルカスト噴霧乾燥造粒物の平均粒子径は、約
120ミクロンであった。 噴霧乾燥条件:ディスク回転数7000rpm、熱風入口温
度180℃、排風温度100℃、送液速度1kg/分。
【0031】実施例4 ポリエチレングリコール(1kg)を精製水(10k
g)に溶解し、さらに乳糖(5kg)およびプランルカ
スト(10kg)を加え懸濁液とする。この懸濁液をス
プレードライヤーで下記の条件にて噴霧乾燥しプランル
カスト噴霧乾燥造粒物(15.2kg)を得た。得られたプ
ランルカスト噴霧乾燥造粒物の平均粒子径は、約100
ミクロンであった。 噴霧乾燥条件:ディスク回転数8000rpm、熱風入口温
度180℃、排風温度100℃、送液速度100g/
分。
【0032】実施例5 ポリエチレングリコール(4kg)および炭酸アンモニ
ウム( 1.9g)を精製水(90kg)に溶解し、さらに
乳糖(18.7kg)およびプランルカスト(40kg)を
加え懸濁液とする。この懸濁液をスプレードライヤーで
下記の条件にて噴霧乾燥しプランルカスト噴霧乾燥造粒
物(59.7kg)を得た。得られたプランルカスト噴霧乾
燥造粒物の平均粒子径は、約10ミクロンであった。 噴霧乾燥条件:ディスク回転数 25000rpm、熱風入口
温度185℃、排風温度95℃。
【0033】比較例1 撹拌造粒機にプランルカスト(10kg)と乳糖(5k
g)を加え、さらに、ポリエチレングリコール(1k
g)および精製水(2kg)からなる溶液を加え練合
し、押出し造粒機にて顆粒とし、流動層乾燥機で乾燥、
整粒し、プランルカスト造粒物を得た。
【0034】比較例2 撹拌造粒機にプランルカスト(10kg)と乳糖(5k
g)を加え、さらに、ポリエチレングリコール(1k
g)および精製水(2kg)からなる溶液を加え練合
し、押出し造粒機にて顆粒とし、流動層乾燥機で乾燥、
整粒し、プランルカスト造粒物を得た。
【0035】比較例3 高速撹拌造粒機にプランルカスト(10kg)と乳糖
(5kg)を加え、さらに、ポリエチレングリコール
(1kg)および精製水(2kg)からなる溶液を加え
造粒し、流動層乾燥機で乾燥、整粒し、プランルカスト
造粒物を得た。
【0036】実験例1 滑沢剤としてのステアリン酸マグネシウムの添加量が多
い程、引っ付きの程度が軽減されることに着目して、ス
テアリン酸マグネシウムの添加量によりカプセル充填性
を評価した。具体的には、実施例4、比較例1および比
較例2で得た造粒物にステアリン酸マグネシウムを添加
(添加量:1、2、4、6重量%)混合し、カプセル充
填機での充填テストを行った。結果を表1に示す。
【0037】
【表1】 添加量 1% 2% 4% 6% 実施例4 ± − 比較例1 ++ + ± −比較例2 ++ ++ + ± ++:引っ付きが著しく発生し、充填自体が困難、 + :引っ付き傾向があり、連続充填は不可能、 ± :僅かな引っ付き傾向があり、連続充填はやや困
難、 − :引っ付きは、全く認められず、連続充填が可能。
【0038】上記表1より、ステアリン酸マグネシウム
の添加量を充填性の指標とした場合、実施例4の噴霧乾
燥造粒物は、比較例1の押出し造粒物および比較例2の
高速撹拌造粒物に比べ、ターンテーブル等への引っ付き
がそれぞれ3倍および3倍以上改善されていることが分
かる。
【0039】実験例2 プランルカスト原末、実施例4および比較例2で得た造
粒物の粉体物性をパウダーベッドテスター(粉粒体層の
力学物性測定機)で評価した。結果を表2に示す。
【0040】
【表2】 試 料 名 せん断付着強度 引張破断強度 単軸圧縮強度 プランルカスト原末 8.78 4.27 34.69 比 較 例 2 1.65 0.74 8.83 実 施 例 4 0.52 0.17 2.96 (単位:いずれもg/cm2
【0041】上記表2の物性データから、プランルカス
トは付着凝集性が非常に強い粉末であることが物性値で
確認された。また、比較例2と実施例4と、同一組成の
プランルカスト造粒物であるにも拘わらず、実施例4
(本発明)の噴霧乾燥造粒品は、比較例2(従来の高速
撹拌造粒法)の造粒品に比べ、その付着凝集性が約1/
3〜1/4減少しており、実験例1のデータが物性値か
ら裏付けられた。
【0042】
【発明の効果】本発明により、付着凝集性が殆どなくか
つ粒度分布が狭く流動性が非常に良好なプランルカスト
含有造粒物を効率よく製造できる。また、本発明のプラ
ンルカスト含有造粒物は、カプセル充填、打錠等の連続
生産に用いても何ら問題はなく、かつ得られるプランル
カスト含有造粒物は、崩壊分散性が非常に良いという利
点がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 47/32 A61K 47/32 Z 47/34 47/34 H 47/38 47/38 Z B01J 2/04 B01J 2/04 C07D 405/04 257 C07D 405/04 257 //(C07D 405/04 257:04 311:22)

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)プランルカストおよび1種またはそ
    れ以上の(B)糖類を必須成分とし、さらに1種または
    それ以上の(C)水溶性高分子および/または1種また
    はそれ以上の(D)界面活性剤を含有することを特徴と
    する噴霧乾燥造粒物。
  2. 【請求項2】 1種またはそれ以上の(B)糖類および
    1種またはそれ以上の(C)水溶性高分子化合物を含有
    する請求項1記載の噴霧乾燥造粒物。
  3. 【請求項3】 1種またはそれ以上の(B)糖類および
    1種またはそれ以上の(D)界面活性剤を含有する請求
    項1記載の噴霧乾燥造粒物。
  4. 【請求項4】 1種またはそれ以上の(B)糖類および
    1種またはそれ以上の(C)水溶性高分子化合物および
    1種またはそれ以上の(D)界面活性剤を含有する請求
    項1記載の噴霧乾燥造粒物。
  5. 【請求項5】 糖類が乳糖またはマンニトールである請
    求項1ないし4のいずれかの項に記載の噴霧乾燥造粒
    物。
  6. 【請求項6】 (C)水溶性高分子がセルロース類また
    は合成高分子類である請求項1、2または4に記載の噴
    霧乾燥造粒物。
  7. 【請求項7】 (C)水溶性高分子がヒドロキシプロピ
    ルセルロース、ポリビニルピロリドンまたはポリエチレ
    ングリコールである請求項6記載の噴霧乾燥造粒物。
  8. 【請求項8】 (D)界面活性剤がポリソルベートであ
    る請求項1、3または4に記載の噴霧乾燥造粒物。
  9. 【請求項9】 (A)プランルカストおよび(B1)乳
    糖および/またはマンニトールおよび(C1)ヒドロキ
    シプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエ
    チレングリコールおよび/またはポリソルベートを含有
    する請求項1ないし8のいずれかの項に記載の噴霧乾燥
    造粒物。
  10. 【請求項10】 (A)プランルカストおよび(B2)
    乳糖および(C2)ヒドロキシプロピルセルロースを含
    有する請求項9記載の噴霧乾燥造粒物。
  11. 【請求項11】 (A)プランルカストおよび(B2)
    乳糖および(C3)ポリエチレングリコールを含有する
    請求項9記載の噴霧乾燥造粒物。
  12. 【請求項12】 (A)プランルカストおよび1種また
    はそれ以上の(B)糖類を必須成分とし、さらに1種ま
    たはそれ以上の(C)水溶性高分子化合物および/また
    は1種またはそれ以上の(D)界面活性剤を含有する懸
    濁液を噴霧乾燥することを特徴とする噴霧乾燥造粒物の
    製造方法。
  13. 【請求項13】 (A)プランルカストおよび1種また
    はそれ以上の(B)糖類を必須の構成成分とし、さらに
    1種またはそれ以上の(C)水溶性高分子化合物および
    /または1種またはそれ以上の(D)界面活性剤を含有
    する懸濁液を噴霧乾燥して造粒物とすることを特徴とす
    るプランルカストの付着凝集性改善方法。
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