JP2007063230A - 難吸収性薬物含有複合粒子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 平均粒子径が0.01〜2.0μmの難吸収性薬物、および水溶性賦形剤を含有する平均粒子径が0.5〜50μmである複合粒子。本発明の複合粒子は、付着凝集性等の問題を有する難吸収性薬物をナノ粒子の状態で投与できるため、難吸収性薬物の吸収改善を図ることが可能である。
【選択図】 なし
Description
薬物の溶解速度は表面積の影響を受ける。難溶性薬物の溶解性を改善する方法としては、機械的力で薬物粒子を粉砕して微細化し、溶解に有効な表面積を増大させる方法が一般的に用いられる。
1. 平均粒子径が0.01〜2.0μmの難吸収性薬物、および水溶性賦形剤を含有する平均粒子径が0.5〜50μmである複合粒子、
2. 難吸収性薬物の平均粒子径が0.05〜1.0μmであり、複合粒子の平均粒子径が1.0〜20μmである前項1記載の複合粒子、
3. 難吸収性薬物と水溶性賦形剤の組成比が、難吸収性薬物1質量部に対して水溶性賦形剤2〜50質量部である前項1記載の複合粒子、
4. 水溶性賦形剤を含有しない対照組成物より少なくとも1.5倍高い吸収改善をもたらす前項1記載の複合粒子、
5. 噴霧乾燥物である前項1記載の複合粒子、
6. 4流体ノズル噴霧乾燥装置で製造される前項5記載の複合粒子、
7. 難吸収性薬物が難微粒子化薬物である前項1記載の複合粒子、
8. 水溶性賦形剤が糖アルコールである前項1記載の複合粒子、
9. 糖アルコールがマンニトール、キシリトール、ソルビトールおよびエリスリトールから選択される一種以上である前項8記載の複合粒子、
10. 難吸収性薬物がフルルビプロフェンであり、水溶性賦形剤がマンニトールである前項1記載の複合粒子、
11. フルルビプロフェンの平均粒子径が0.05〜1.0μmであり、複合粒子の平均粒子径が1.0〜20μmである前項10記載の複合粒子、
12. フルルビプロフェンとマンニトールの組成比が、フルルビプロフェン1質量部に対してマンニトール2〜12質量部である前項10記載の複合粒子、
13. 難吸収性薬物がプランルカスト水和物であり、水溶性賦形剤がマンニトールである前項1記載の複合粒子、
14. プランルカスト水和物の平均粒子径が0.05〜1.0μmであり、複合粒子の平均粒子径が1.0〜20μmである前項13記載の複合粒子、
15. プランルカストとマンニトールの組成比が、プランルカスト1質量部に対してマンニトール2〜12質量部である前項13記載の複合粒子、
16. 難吸収性薬物がリファンピシンであり、水溶性賦形剤がマンニトールである前項1記載の複合粒子、
17. リファンピシンの平均粒子径が0.05〜1.0μmであり、複合粒子の平均粒子径が1.5〜20μmである前項16記載の複合粒子、
18. リファンピシンとマンニトールの組成比が、リファンピシン1質量部に対してマンニトール2〜22質量部である前項16記載の複合粒子、
19. 前項1記載の複合粒子を含有する経口投与用製剤、経鼻投与用製剤、経肺投与用製剤または注射用製剤、
20. 平均粒子径が0.1〜0.8μmのフルルビプロフェン1質量部に対して、マンニトール2〜12質量部を含有することを特徴とする平均粒子径が1.0〜10μmである噴霧乾燥複合粒子、
21. 平均粒子径が0.1〜0.8μmのプランルカスト水和物1質量部に対してマンニトール2〜12質量部を含有することを特徴とする平均粒子径が1.8〜10μmである噴霧乾燥複合粒子、
22. 平均粒子径が0.1〜0.8μmのリファンピシン1質量部に対してマンニトール2〜22質量部を含有することを特徴とする平均粒子径が1.5〜10μmである噴霧乾燥複合粒子に関する。
難溶性薬物や難微粒子化薬物としては、特に限定はされないが、解熱薬、鎮痛薬、抗炎症薬、鎮静薬、抗精神薬、抗うつ薬、抗てんかん薬、偏頭痛治療薬、筋弛緩薬、抗アレルギー薬、強心薬、降圧薬、利尿薬、抗喘息薬、抗消化潰瘍薬、糖尿病治療薬、ホルモン薬、高脂血症・動脈硬化治療薬、抗生物質、抗ウイルス薬、抗腫瘍薬、免疫抑制薬、ざ瘡治療薬などが挙げられる。
難吸収性薬物および水溶性の賦形剤中をそれぞれ溶媒に溶解し、4流体ノズルスプレードライヤーの2つの液体流路から別々に送液して2成分以上の複合粒子を調製する。
難吸収性薬物の吸収性が改善された、難吸収性薬物および水溶性賦形剤を含有してなる複合粒子が得られ、難吸収性薬物および水溶性賦形剤の組成比(質量比)を変えることにより、難吸収性薬物をナノ粒子として分散した水溶性賦形剤(例えば、糖アルコール類)マイクロ粒子を調製することができる。
複合粒子の平均粒子径として好ましくは、0.5〜50μmであり、より好ましくは1.0〜20μmである。
複合粒子における難吸収性薬物と水溶性賦形剤の組成比(質量比)として好ましくは、難吸収性薬物の質量を1とした場合の水溶性賦形剤の質量が2〜50であり、より好ましくは2〜30である。
水溶性賦形剤として好ましくは、糖アルコールであり、より好ましくはマンニトール、キシリトール、ソルビトールまたはエリスリトールであり、さらに好ましくはマンニトールである。
難吸収性薬物がフルルビプロフェンであり、水溶性賦形剤がマンニトールであり、複合粒子に含まれるフルルビプロフェンの平均粒子径が0.05〜1.0μmであり、複合粒子の平均粒子径が1.0〜20μmであり、フルルビプロフェンの質量を1とした場合のマンニトールの質量が2〜20である組み合わせが好ましく、より好ましくは複合粒子に含まれるフルルビプロフェンの平均粒子径が0.1〜0.8μmであり、複合粒子の平均粒子径が1.0〜10μmであり、フルルビプロフェンの質量を1とした場合のマンニトールの質量が2〜12である組み合わせが挙げられる。
難溶性薬物のフルルビプロフェン(以下、FPと略記する。)4.17gあるいは0.84gをアセトン/メタノール(1/1)混液50mLに溶解して、8.34%(w/v)および1.68%(w/v)のスプレー溶液Aとし、水溶性糖アルコールのマンニトール(以下、MANと略記する。)8.4gを蒸留水50mLに溶解して、16.8%(w/v)のスプレー溶液Bとした。これらの溶液AおよびBを4流体ノズルの異なる2つの液路から別々に送液し、入り口温度60℃、出口温度26〜35℃、送液速度5mL/分、スプレー空気流速30L/分、スプレー圧8.0kgf/cm2、乾燥空気流速0.86m3/分で4流体ノズル噴霧乾燥装置(MDL−050、藤崎電気社製)により噴霧乾燥し、FP/MAN組成比(質量比)が1/2、1/10の処方の複合粒子を調製した。収量は約80%であった。FP原末の平均粒子径は1.3μm、FP/MAN組成比が1/2、1/10の処方の複合粒子の平均粒子径はそれぞれ、4.9μm、1.2μmの球形粒子であった。いずれのFP/MAN組成比の場合もFPはほぼ結晶状態で存在していた。
FP相当量で2mg/kgのFP原末、実施例1で製造したFP/MAN組成比が1/2および1/10の複合粒子を9号ゼラチンカプセルにそれぞれ充填し、動物用経口投与器(TORPAC社製ゼラチンカプセル投与器、エルエスジー社製)を用いてSD系雄性ラット(8週齢、250〜300g)に経口投与した。投与後直ちに1mLの水をゾンデを用いて投与した。ラットは実験を行なう1日前から絶食した。頚動脈にカニュレーションし、ヘパリン添加シリンジを用いて経時的に約300〜400μLの血液を採取した。採取した血液を遠心分離し、血漿成分を分取した。この血漿50μLにエタノール200μLを加え、ボルテックスミキサーで撹拌した後、遠心分離し、その上清150μLに400μLのエタノールを加えてボルテックスミキサーで十分に撹拌した後、遠心分離して血漿タンパク質を分離した。上清を分取して、遠心濃縮器で蒸発乾固し、得られた残渣を移動相200μLに溶解してFP濃度をHPLCで測定した。
機器:Hitachi製 L-7100 ポンプ、L-7400 UV検出器、D-7500 インテグレーター、L7300 カラムオーブン、
カラム:Mightysil RP-18 5μm、4.6×150mm、
移動相:アセトニトリル/水/酢酸(9/10/1)、
流速:1.0mL/分、
検出器:分光光度計、
波長:254nm、
カラム温度:40℃、
分析用試料:50μL。
図2はFP原末、およびFP/MAN組成比が1/2および1/10のFP/MAN複合粒子を経口投与した場合の、FPの血漿中濃度曲線である。FP原末と比較してFP/MAN複合粒子を投与した場合の方が、FPの吸収性が顕著に高いことが認められた。また、FP/MANの組成比が1/10の複合粒子が1/2のものに比して吸収性が高いことが認められた。表1に投与後8時間までの血漿中濃度下面積(以下、AUCと略記する。)(時間・μg/mL)を表す。FP/MAN組成比が1/10の複合粒子のAUCはFP原末の約4.6倍の値を示した。
以上のことから、FP/MANマイクロ複合粒子とすることで、FPの経口投与後の消化管吸収性が著しく改善できることが示された。
難溶性薬物のプランルカスト水和物(以下、PLHと略記する。)0.42gを50mM炭酸水素ナトリウム水溶液/エタノール(1/1)混液50mLに溶解して、0.84%(w/v)のスプレー溶液Aとし、MAN1.68gあるいは4.20gをそれぞれ蒸留水50mLに溶解して、3.36%(w/v)および8.4%(w/v)のスプレー溶液Bとした。これらの溶液AおよびBを4流体ノズルの異なる2つの液路から別々に送液し、入り口温度90℃、出口温度40〜45℃、送液速度5mL/分、スプレー空気流速30L/分、スプレー圧8.0kgf/cm2、乾燥空気流速0.86m3/分で4流体噴霧乾燥装置(MDL−050、藤崎電気(株)製)により噴霧乾燥し、PLH/MAN組成比が1/4、1/10の処方の複合粒子を調製した。収量は約80%であった。調製した粒子は球形粒子であった(図3参照)。
PLHの原末の平均粒子径は、1.2μm、PLH/MAN組成比が1/4、1/10の処方の複合粒子の平均粒子径はそれぞれ、2.0μm、2.8μmであった。
超純水でPLHの飽和溶液を調製し、その中へPLH/MAN複合粒子を投入してMANを溶解させ、粒子中に分散するPLH粒子の粒子径を動的光散乱法で測定した結果、PLH/MAN組成比が1/4、1/10の処方の複合粒子中に分散するPLH粒子の平均粒子径はそれぞれ203nm、267nmであった。
0.5w/v%カルボキシメチルセルロース水溶液にPLH原末、実施例2で製造したPLH/MAN組成比が1/4の複合粒子を懸濁させた。この懸濁液(PLH相当量150mg/kg)を、ゾンデを用いてSD系雄性ラット(8週齢、250〜300g)に経口投与した。ラットは実験を行なう1日前から絶食した。頚動脈にカニュレーションし、ヘパリン添加シリンジを用いて経時的に約300〜400μLの血液を採取した。採取した血液を遠心分離し、血漿成分を分取した。この血漿50μLにエタノール200μmLを加え、ボルテックスミキサーで十分に撹拌し、その上清150μLに400μLのエタノールを加えてボルテックスミキサーで十分に撹拌した後、遠心分離して血漿タンパク質を分離した。上清を分取して、遠心濃縮器で蒸発乾固し、得られた残渣を移動相200μLに溶解してPLH濃度をHPLCで測定した。
機器:Hitachi製 L-7100 ポンプ、L-7400 UV検出器、D-7500 インテグレーター、L7300 カラムオーブン、
カラム:Mightysil RP-18 5μm、4.6×150mm、
移動相:アセトニトリル/メタノール/0.02Mリン酸二水素カリウム(5/1/5)、
流速:1.0mL/分、
検出器:分光光度計、
波長:260nm、
カラム温度:25℃、
分析用試料:50μL。
図4はPLH原末、およびPLH/MAN組成比が1/4のPLH/MAN複合粒子を経口投与した場合のPLHの血漿中濃度曲線である。PLH原末と比較してPLH/MANの組成比が1/4の複合粒子を投与した場合の方が、PLHの吸収性が著しく高いことが認められた。PLH/MAN複合粒子では、投与後、2時間後も吸収が持続し、さらに吸収量が増大した。表2は投与後6時間までのAUC(時間・ng/mL)を表す。PLH/MAN複合粒子のAUCはPLH原末の約6倍の値を示した。
以上のことから、PLHナノ粒子が分散したPLH/MAN複合粒子とすることで、PLHの経口投与後の消化管吸収性が改善できることが示された。
SD系雄性ラット(8週齢、250〜300g)に実験例2と同様に頚動脈に採血のためにカニュレーションした。気管にポリエチレンチューブを挿入し、動物用粉末吸入剤投与器(Model DP-4 insufflator、Penn Century社製)を用い、このチューブを介してPLH/MAN組成比が1/4および1/10の複合粒子を肺に投与した(PLH相当量約2.5mg/kg)。経時的に採血し、実験例2と同様の方法でPLHの血漿中濃度を定量した。
図5はPLH/MAN組成比が1/4および1/10のPLH/MAN複合粒子を経肺投与した場合の、PLHの血漿中濃度曲線である。PLH/MAN組成比が1/4および1/10のいずれの複合粒子の場合も速やかな吸収を示し、投与後8時間後も吸収が持続した。
表3に投与後6時間までの経肺投与時のAUC、およびPLH原末を経口投与した場合のPLH単位投与量(PLH1mg/ラット)当りのAUCに対するPLH/MAN組成比が1/4および1/10の複合粒子の経肺投与時のPLH単位投与量当りのAUCの比を示す。
難溶性薬物であり、抗結核薬のリファンピシン(以下RFPと略記する。)0.42gをアセトン/酢酸エチル(1/1)混液50mLに溶解して、0.84%(w/v)のスプレー溶液Aとし、MAN8.4gを蒸留水50mLに溶解して、16.8%(w/v)のスプレー溶液Bとした。これらの溶液AおよびBを4流体ノズルの異なる2つの液路から別々に送液し、入り口温度40℃、出口温度22〜30℃、送液速度5mL/分、スプレー空気流速30L/分、スプレー圧8.0kgf/cm2、乾燥空気流速0.86m3/分で4流体ノズル噴霧乾燥装置(MDL−050、藤崎電気(株)製)により噴霧乾燥し、RFP/MAN組成比が1/5、1/10、1/20の処方の複合粒子を調製した。収量は約80%であった。PLH/MAN組成比が1/5、1/10、1/20の処方の複合粒子の平均粒子径はそれぞれ、3.9μm、2.2μm、1.7μmであった。また、RFP原末の平均粒子径は1.6μmであった。
インビトロにおける吸入特性をカスケードインパクター(Andersen社製、AN−200)によって評価した。吸入デバイスにはJethalerデュアルタイプ((株)日立製作所製)を用いた。カスケードインパクターはスロート(Throat)、プレセパレーター(Pre-separator)、0〜7までの8つのステージ(stage)からなり、各ステージには粒子を捕集する捕集板がある。この2〜7ステージに送達された薬物が人体では肺に送達される。RFP原末、および実施例3で製造したRFP/MAN組成比が1/5、1/10、1/20の処方の複合粒子を試料として用い、試料をヒドロキシプロピルセルロースカプセル(カプセル番号2、シオノギクオリカプス(株)製)に充填し、吸入デバイスに装填した。真空ポンプで空気流量28.3L/分で10秒間吸引し、カスケードインパクター内への吸入実験を行なった。吸入後、装置の各部分に送達された試料を蒸留水で採取し、分光光度計(Hitachi製 U−3210)を用いて波長254および333nmにおける吸光度を測定し、RFPを定量した。その結果を図6に示す。RFP原末は2〜7ステージへの薬物送達率は10%以下であった。RFP/MAN複合粒子はいずれの組成比の場合も著しく高い2〜7ステージへの薬物送達率を示し、RFP/MANの組成比が1/20の複合粒子では43%となった。
SD系雄性ラット(8週齢、250〜300g)に実験例1と同様に頚動脈に採血のためにカニュレーションした。気管にポリエチレンチューブを挿入し、動物用粉末吸入剤投与器(Model DP-4 insufflator、Penn Century社製)を用い、このチューブを介してRFP/MAN組成比が1/20の複合粒子を肺に投与した(RFP相当量約2.5mg/kg)。経時的に採血し、実験例1と同様の方法でRFPの血漿中濃度を定量した。
HPLCの分析条件は以下の通り;
機器:Hitachi製 L-7100 ポンプ、L-7400 UV検出器、D-7500 インテグレーター、L7300 カラムオーブン、
カラム:YMC-Oack C8 A-201 5μm、4.6×100mm、
移動相:キャリア原液/アセトニトリル(58/42)、
キャリア原液:KH2PO4 2.72g、H3PO4 0.125mL、
クエン酸 3.23g、
過塩素酸ナトリウム 1.08g/1000mL水、
流速:1.0mL/分、
検出器:分光光度計、
波長:260nm、
カラム温度:40℃、
分析用試料:50μL。
結果を図7に示す。
図7はRFP/MAN組成比が1/20のRFP/MAN複合粒子を経肺投与した場合の、PLHの血漿中濃度曲線である。
実施例2で調製したPLH/MAN組成比が1/10の複合粒子を静脈内投与し、PLHの吸収挙動について、PLH溶液を静脈内投与した場合と比較検討した。PLH溶液はPLH原末をpH8.0トリス緩衝液(0.1% Tween80水溶液)にPLH1mg/mLの濃度で溶解した。PLH/MAN複合粒子の静脈内投与はPLH/MAN複合粒子を投与直前に超純水にPLH1mg/mLの量でMANを溶解し、浸透圧を調製するためにMANを加えてPLHナノ粒子の懸濁液を調製した。すなわち用時調製型の注射用粒子として用いた。これらをPLH相当量で1mg/kgの溶液あるいは懸濁液をラットの大腿静脈から投与し、実験例1と同様の方法で血漿中PLH量を測定した。
その結果を図8に示す。
図8はPLH溶液投与群とPLH/MAN複合粒子懸濁液投与群を静脈内投与した場合のPLHの血漿中濃度曲線である。
PLH溶液投与群およびPLH/MAN複合粒子懸濁液投与群のいずれの場合も、血漿中からPLHは速やかに消失し、投与後1時間後には認められなかった。PLH溶液投与群より懸濁液投与群の方が明らかに初期の消失が速やかであったため、複合粒子内のPLHが約270nmのナノ粒子ではPLHは肝臓、脾臓など細網内皮系に捕獲されたものと推察された。これは、肝臓や脾臓への粒子ターゲッティングの可能性を示唆するものである。いずれにしろ、PLH/MAN複合粒子は除菌フィルターを用いて滅菌することができ、用時調製型の静脈内注射用粒子としても利用可能であることが示された。
2a,2b 液体流路
3a,3b 気体流路
4 空気
5 スプレー液
6 流体流動面
7 エッジ先端の焦点
8 微小ミスト
Claims (22)
- 平均粒子径が0.01〜2.0μmの難吸収性薬物、および水溶性賦形剤を含有する平均粒子径が0.5〜50μmである複合粒子。
- 難吸収性薬物の平均粒子径が0.05〜1.0μmであり、複合粒子の平均粒子径が1.0〜20μmである請求項1記載の複合粒子。
- 難吸収性薬物と水溶性賦形剤の組成比が、難吸収性薬物1質量部に対して水溶性賦形剤2〜50質量部である請求項1記載の複合粒子。
- 水溶性賦形剤を含有しない対照組成物より少なくとも1.5倍高い吸収改善をもたらす請求項1記載の複合粒子。
- 噴霧乾燥物である請求項1記載の複合粒子。
- 4流体ノズル噴霧乾燥装置で製造される請求項5記載の複合粒子。
- 難吸収性薬物が難微粒子化薬物である請求項1記載の複合粒子。
- 水溶性賦形剤が糖アルコールである請求項1記載の複合粒子。
- 糖アルコールがマンニトール、キシリトール、ソルビトールおよびエリスリトールから選択される一種以上である請求項8記載の複合粒子。
- 難吸収性薬物がフルルビプロフェンであり、水溶性賦形剤がマンニトールである請求項1記載の複合粒子。
- フルルビプロフェンの平均粒子径が0.05〜1.0μmであり、複合粒子の平均粒子径が1.0〜20μmである請求項10記載の複合粒子。
- フルルビプロフェンとマンニトールの組成比が、フルルビプロフェン1質量部に対してマンニトール2〜12質量部である請求項10記載の複合粒子。
- 難吸収性薬物がプランルカスト水和物であり、水溶性賦形剤がマンニトールである請求項1記載の複合粒子。
- プランルカスト水和物の平均粒子径が0.05〜1.0μmであり、複合粒子の平均粒子径が1.0〜20μmである請求項13記載の複合粒子。
- プランルカストとマンニトールの組成比が、プランルカスト1質量部に対してマンニトール2〜12質量部である請求項13記載の複合粒子。
- 難吸収性薬物がリファンピシンであり、水溶性賦形剤がマンニトールである請求項1記載の複合粒子。
- リファンピシンの平均粒子径が0.05〜1.0μmであり、複合粒子の平均粒子径が1.5〜20μmである請求項16記載の複合粒子。
- リファンピシンとマンニトールの組成比が、リファンピシン1質量部に対してマンニトール2〜22質量部である請求項16記載の複合粒子。
- 請求項1記載の複合粒子を含有する経口投与用製剤、経鼻投与用製剤、経肺投与用製剤または注射用製剤。
- 平均粒子径が0.1〜0.8μmのフルルビプロフェン1質量部に対して、マンニトール2〜12質量部を含有することを特徴とする平均粒子径が1.0〜10μmである噴霧乾燥複合粒子。
- 平均粒子径が0.1〜0.8μmのプランルカスト水和物1質量部に対してマンニトール2〜12質量部を含有することを特徴とする平均粒子径が1.8〜10μmである噴霧乾燥複合粒子。
- 平均粒子径が0.1〜0.8μmのリファンピシン1質量部に対してマンニトール2〜22質量部を含有することを特徴とする平均粒子径が1.5〜10μmである噴霧乾燥複合粒子。
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2005
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