JPH0958488A - ラックピニオン式舵取装置 - Google Patents
ラックピニオン式舵取装置Info
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- JPH0958488A JPH0958488A JP24249995A JP24249995A JPH0958488A JP H0958488 A JPH0958488 A JP H0958488A JP 24249995 A JP24249995 A JP 24249995A JP 24249995 A JP24249995 A JP 24249995A JP H0958488 A JPH0958488 A JP H0958488A
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- Japan
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- ball joint
- groove
- rack
- rack shaft
- screw
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Abstract
(57)【要約】
【課題】ラックピニオン式舵取装置の加工コストを低減
する。 【解決手段】中空状のラック軸4の端部にボールジョイ
ント6を介してタイロッド8が連結されている。ボール
ジョイント6は、ボールが嵌合されたソケット部112
の端部にねじ部110が形成され、このねじ部110が
ラック軸4の中空部4a内に螺合されている。ねじ部1
10の外面に複数の螺旋形の溝110aが形成され、さ
らに、ソケット部112のねじ部110側端面112a
に、上記ねじ部110の溝110aに連続する複数の半
径方向溝112bおよびこれら半径方向溝112cを接
続する環状溝112dが形成されている。 【効果】内部を貫通する穴ではなく外面に設けられた溝
なので、ボールジョイント6を冷間鍛造により製造する
際に同時に成形加工できる。
する。 【解決手段】中空状のラック軸4の端部にボールジョイ
ント6を介してタイロッド8が連結されている。ボール
ジョイント6は、ボールが嵌合されたソケット部112
の端部にねじ部110が形成され、このねじ部110が
ラック軸4の中空部4a内に螺合されている。ねじ部1
10の外面に複数の螺旋形の溝110aが形成され、さ
らに、ソケット部112のねじ部110側端面112a
に、上記ねじ部110の溝110aに連続する複数の半
径方向溝112bおよびこれら半径方向溝112cを接
続する環状溝112dが形成されている。 【効果】内部を貫通する穴ではなく外面に設けられた溝
なので、ボールジョイント6を冷間鍛造により製造する
際に同時に成形加工できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はラックピニオン式舵
取装置に係り、特に、ラック軸内の中空部と、このラッ
ク軸の端部に螺合固定したボールジョイントに設けたエ
ア通路を介して、ラック軸とボールジョイントとの連結
部を覆うブーツ内をラック軸の他端側へ連通させたラッ
クピニオン式舵取装置に関するものである。
取装置に係り、特に、ラック軸内の中空部と、このラッ
ク軸の端部に螺合固定したボールジョイントに設けたエ
ア通路を介して、ラック軸とボールジョイントとの連結
部を覆うブーツ内をラック軸の他端側へ連通させたラッ
クピニオン式舵取装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ラックピニオン式舵取装置は、
ハウジング内に摺動自在に支持され、ピニオンに噛合う
ラック歯が形成された中空のラック軸と、このラック軸
の両端部に螺合固定されて、ラック軸とタイロッドとを
連結するボールジョイントと、ラック軸とボールジョイ
ントとの連結部の外側を覆うブーツとを備えており、ラ
ック軸の摺動時に、両側のブーツ内の容積変動に応じ
て、ブーツ内のエアが流通できるように、ボールジョイ
ントに通路を形成し、この通路とラック内の中空部を介
して両側のブーツ内を連通している。
ハウジング内に摺動自在に支持され、ピニオンに噛合う
ラック歯が形成された中空のラック軸と、このラック軸
の両端部に螺合固定されて、ラック軸とタイロッドとを
連結するボールジョイントと、ラック軸とボールジョイ
ントとの連結部の外側を覆うブーツとを備えており、ラ
ック軸の摺動時に、両側のブーツ内の容積変動に応じ
て、ブーツ内のエアが流通できるように、ボールジョイ
ントに通路を形成し、この通路とラック内の中空部を介
して両側のブーツ内を連通している。
【0003】従来のラックピニオン式舵取装置では、両
側のブーツ内を連通するための通路として、上記ボール
ジョイントのねじ部またはソケット部の内部に軸方向お
よび半径方向の貫通孔が形成されている(実公平5−4
6546号公報、実開平6−85174号公報等)。
側のブーツ内を連通するための通路として、上記ボール
ジョイントのねじ部またはソケット部の内部に軸方向お
よび半径方向の貫通孔が形成されている(実公平5−4
6546号公報、実開平6−85174号公報等)。
【0004】上記前者の公報(実公平5−46546
号)には、「ボールジョイント5の螺子部7に、その先
端から軸線方向に延びる第1の連通孔10が設けてあ
る。……第2の連通孔14をボールジョイント5の六角
部9に設けてある。」と記載されており(上記公報第2
頁第3欄第12行ないし第17行)、このラックピニオ
ン式舵取装置は、両側のブーツ内を連通するための通路
として、ボールジョイントの内部に軸方向および半径方
向に貫通する孔を備えている。
号)には、「ボールジョイント5の螺子部7に、その先
端から軸線方向に延びる第1の連通孔10が設けてあ
る。……第2の連通孔14をボールジョイント5の六角
部9に設けてある。」と記載されており(上記公報第2
頁第3欄第12行ないし第17行)、このラックピニオ
ン式舵取装置は、両側のブーツ内を連通するための通路
として、ボールジョイントの内部に軸方向および半径方
向に貫通する孔を備えている。
【0005】また、後者の公報(実開平6−85174
号)には、従来の技術として、「ボールジョイント10
5のネジ軸部111に、その端面からソケット部113
の所定深さまで至る軸方向孔115と、ソケット部11
3の外周面から軸方向孔115に至る半径方向孔117
とを設け」と記載されており(明細書第4頁第14行な
いし第16行)、ボールジョイントのねじ部に軸方向の
貫通穴が、ソケット部に半径方向の貫通穴がそれぞれ形
成された構成が開示されている。さらに、本考案の構成
として、「ボールジョイント5のネジ軸部11に、その
端面からねじ軸の首元に至る軸方向孔15と、ねじ軸の
首元13の外周面から軸方向孔15に至る半径方向孔1
7とを設けると共に、ボールジョイントのソケット部1
9の端面にネジ軸の首元13から放射方向へ形成した4
本の溝21を設けた」と記載されており(明細書第6頁
第18行ないし第22行)、ボールジョイントのねじ部
に軸方向および半径方向の貫通穴が形成され、またソケ
ット部の端面に溝が形成された構成のラックピニオン式
舵取装置が開示されている。
号)には、従来の技術として、「ボールジョイント10
5のネジ軸部111に、その端面からソケット部113
の所定深さまで至る軸方向孔115と、ソケット部11
3の外周面から軸方向孔115に至る半径方向孔117
とを設け」と記載されており(明細書第4頁第14行な
いし第16行)、ボールジョイントのねじ部に軸方向の
貫通穴が、ソケット部に半径方向の貫通穴がそれぞれ形
成された構成が開示されている。さらに、本考案の構成
として、「ボールジョイント5のネジ軸部11に、その
端面からねじ軸の首元に至る軸方向孔15と、ねじ軸の
首元13の外周面から軸方向孔15に至る半径方向孔1
7とを設けると共に、ボールジョイントのソケット部1
9の端面にネジ軸の首元13から放射方向へ形成した4
本の溝21を設けた」と記載されており(明細書第6頁
第18行ないし第22行)、ボールジョイントのねじ部
に軸方向および半径方向の貫通穴が形成され、またソケ
ット部の端面に溝が形成された構成のラックピニオン式
舵取装置が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のラックピニ
オン式舵取装置では、タイロッドをラック軸に連結する
ボールジョイントのねじ部あるいはソケット部等の内部
に、ドリルによって通路孔を形成しているため、加工コ
ストが高いという問題があった。また、舵取装置の機種
によっては、左右のボールジョイントの一方は内部に通
路孔を有し、他方は通路孔がないものを使用している場
合があり、このような場合には、部品の共通化ができな
いという問題があった。さらに、ボールジョイントのソ
ケット部内に半径方向穴を形成している場合には、ボー
ルジョイントのサイズが軸方向に大型化し、レイアウト
上不利になるという問題もあった。
オン式舵取装置では、タイロッドをラック軸に連結する
ボールジョイントのねじ部あるいはソケット部等の内部
に、ドリルによって通路孔を形成しているため、加工コ
ストが高いという問題があった。また、舵取装置の機種
によっては、左右のボールジョイントの一方は内部に通
路孔を有し、他方は通路孔がないものを使用している場
合があり、このような場合には、部品の共通化ができな
いという問題があった。さらに、ボールジョイントのソ
ケット部内に半径方向穴を形成している場合には、ボー
ルジョイントのサイズが軸方向に大型化し、レイアウト
上不利になるという問題もあった。
【0007】本発明は上記欠点を除くためになされたも
ので、大幅なコストダウンを図るとともに、左右のボー
ルジョイントの共通化を図ることにより部品の種類を削
減することができるラックピニオン式舵取装置を提供す
ることを目的とするものである。
ので、大幅なコストダウンを図るとともに、左右のボー
ルジョイントの共通化を図ることにより部品の種類を削
減することができるラックピニオン式舵取装置を提供す
ることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るラックピニ
オン式舵取装置は、ハウジング内に摺動自在に支持さ
れ、その一部に形成されたラック歯がピニオンに噛合っ
て往復動される中空のラック軸と、ソケット部およびこ
のソケット部の端面に一体的に設けられたねじ部を有
し、このねじ部が上記ラック軸の中空部内に螺合固定さ
れて、ラック軸とタイロッドとを連結するボールジョイ
ントと、上記ハウジングとタイロッドに両端部が嵌着さ
れてラック軸とボールジョイントとの連結部を覆うブー
ツとを備えており、上記ボールジョイントに形成した通
路を介して上記ブーツ内の空間とラック軸の他端側とを
連通するようにしたものであって、特に、上記ねじ部の
外面に溝を形成するとともに、ソケット部のねじ部側端
面に上記ねじ部の溝と連続する溝を形成し、上記ブーツ
内とラック軸の中空部内とを連通する通路としたもので
ある。
オン式舵取装置は、ハウジング内に摺動自在に支持さ
れ、その一部に形成されたラック歯がピニオンに噛合っ
て往復動される中空のラック軸と、ソケット部およびこ
のソケット部の端面に一体的に設けられたねじ部を有
し、このねじ部が上記ラック軸の中空部内に螺合固定さ
れて、ラック軸とタイロッドとを連結するボールジョイ
ントと、上記ハウジングとタイロッドに両端部が嵌着さ
れてラック軸とボールジョイントとの連結部を覆うブー
ツとを備えており、上記ボールジョイントに形成した通
路を介して上記ブーツ内の空間とラック軸の他端側とを
連通するようにしたものであって、特に、上記ねじ部の
外面に溝を形成するとともに、ソケット部のねじ部側端
面に上記ねじ部の溝と連続する溝を形成し、上記ブーツ
内とラック軸の中空部内とを連通する通路としたもので
ある。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図示実施例により本発明を
説明する。図2は本発明の一実施例に係るラックピニオ
ン式舵取装置の要部の縦断面図、図1は上記ラックピニ
オン式舵取装置のボールジョイントを示す斜視図であ
る。ラックハウジング2内に摺動自在に支持された中空
のラック軸4が、図示しないピニオンに噛合っており、
舵取ハンドルの操作によるピニオンの回転によってこの
ラック軸4がラックハウジング2内を往復動する。ラッ
ク軸4の両端部には、ボールジョイント6を介してタイ
ロッド8が連結されている(一方だけを図示し他方は省
略する)。このボールジョイント6は、上記ラック軸4
の中空部4a内に螺合固定されるねじ部10が端面に形
成されたソケット部12と、タイロッド8の端部に設け
られて、上記ソケット部12内に回転自在に嵌合された
ボール部(図示せず)とから成っている。なお、ボール
ジョイント6のソケット部12の端面12aとラック軸
4の端面との間にはロックワッシャ14が介装され、こ
れらラック軸4とボールジョイント6とを締結した後の
回り止めを行なっている。
説明する。図2は本発明の一実施例に係るラックピニオ
ン式舵取装置の要部の縦断面図、図1は上記ラックピニ
オン式舵取装置のボールジョイントを示す斜視図であ
る。ラックハウジング2内に摺動自在に支持された中空
のラック軸4が、図示しないピニオンに噛合っており、
舵取ハンドルの操作によるピニオンの回転によってこの
ラック軸4がラックハウジング2内を往復動する。ラッ
ク軸4の両端部には、ボールジョイント6を介してタイ
ロッド8が連結されている(一方だけを図示し他方は省
略する)。このボールジョイント6は、上記ラック軸4
の中空部4a内に螺合固定されるねじ部10が端面に形
成されたソケット部12と、タイロッド8の端部に設け
られて、上記ソケット部12内に回転自在に嵌合された
ボール部(図示せず)とから成っている。なお、ボール
ジョイント6のソケット部12の端面12aとラック軸
4の端面との間にはロックワッシャ14が介装され、こ
れらラック軸4とボールジョイント6とを締結した後の
回り止めを行なっている。
【0010】ラック軸4とタイロッド8との連結部の周
囲は、樹脂等の素材から成るブーツ16によって覆われ
ており、連結部内に泥水や塵埃が侵入しないように保護
されている。このブーツ16は、一方の端部16a(図
2の右方)がラックハウジング2の外周に嵌着され、他
方の端部16bがタイロッド8の外周に嵌着されてお
り、上記ラック軸4の往復動により伸縮する。
囲は、樹脂等の素材から成るブーツ16によって覆われ
ており、連結部内に泥水や塵埃が侵入しないように保護
されている。このブーツ16は、一方の端部16a(図
2の右方)がラックハウジング2の外周に嵌着され、他
方の端部16bがタイロッド8の外周に嵌着されてお
り、上記ラック軸4の往復動により伸縮する。
【0011】上記ボールジョイント6のソケット部12
およびねじ部10は、図1に示す形状をしている。すな
わち、上記ラック軸4の端部内に螺合されているボール
ジョイント6のねじ部10の外面には、その軸線方向に
延びる2本の溝10aが形成されている。さらに、ソケ
ット部12のねじ部10側端面12aには、上記ねじ部
10の軸方向溝10aに連続し、ソケット部12の外周
面まで延びる半径方向の溝12bが形成されている。こ
の形状のボールジョイント6を上記ラック軸4の端部に
螺合固定すると、ラック軸4内の中空部4aが、ボール
ジョイント6のねじ部10に形成されている2本の軸方
向溝10aおよびソケット部12に形成されている2本
の半径方向溝12bを介してボールジョイント6の外
部、すなわち、ブーツ16によって覆われた空間18内
に連通する。従って、図示のブーツ16内の空間18を
ボールジョイント6の溝10a,12bおよびラック軸
4の中空部4aを介して他端側のブーツ(図示せず)内
の空間に連通させることができる。
およびねじ部10は、図1に示す形状をしている。すな
わち、上記ラック軸4の端部内に螺合されているボール
ジョイント6のねじ部10の外面には、その軸線方向に
延びる2本の溝10aが形成されている。さらに、ソケ
ット部12のねじ部10側端面12aには、上記ねじ部
10の軸方向溝10aに連続し、ソケット部12の外周
面まで延びる半径方向の溝12bが形成されている。こ
の形状のボールジョイント6を上記ラック軸4の端部に
螺合固定すると、ラック軸4内の中空部4aが、ボール
ジョイント6のねじ部10に形成されている2本の軸方
向溝10aおよびソケット部12に形成されている2本
の半径方向溝12bを介してボールジョイント6の外
部、すなわち、ブーツ16によって覆われた空間18内
に連通する。従って、図示のブーツ16内の空間18を
ボールジョイント6の溝10a,12bおよびラック軸
4の中空部4aを介して他端側のブーツ(図示せず)内
の空間に連通させることができる。
【0012】このようにボールジョイント6の外面に形
成した軸方向溝10aおよび半径方向溝12bを介し
て、ブーツ16の内部空間18をラック軸4の他端側に
接続するようにしたので、従来のように、機械加工によ
りボールジョイント6の内部に穴開けを行なう必要がな
く大幅なコストダウンを図ることができる。特に、外面
の軸方向溝10aおよび半径方向溝12bは、ボールジ
ョイント6を冷間鍛造等により製造する際に同時に成形
加工することができるので、極めて低コストである。ま
た、左右のタイロッド6のボールジョイント6(他方は
図示を省略)を共通化することができるので、部品点数
を削減することができる。しかも、ソケット部12の内
部に貫通穴を形成する従来の装置のように、ソケット部
12が軸方向に大型化することがないので、車両へラッ
クピニオン式舵取装置を装着する場合にレイアウト上有
利である。
成した軸方向溝10aおよび半径方向溝12bを介し
て、ブーツ16の内部空間18をラック軸4の他端側に
接続するようにしたので、従来のように、機械加工によ
りボールジョイント6の内部に穴開けを行なう必要がな
く大幅なコストダウンを図ることができる。特に、外面
の軸方向溝10aおよび半径方向溝12bは、ボールジ
ョイント6を冷間鍛造等により製造する際に同時に成形
加工することができるので、極めて低コストである。ま
た、左右のタイロッド6のボールジョイント6(他方は
図示を省略)を共通化することができるので、部品点数
を削減することができる。しかも、ソケット部12の内
部に貫通穴を形成する従来の装置のように、ソケット部
12が軸方向に大型化することがないので、車両へラッ
クピニオン式舵取装置を装着する場合にレイアウト上有
利である。
【0013】図3は第2の実施例に係るボールジョイン
ト106のソケット部112およびこのソケット部11
2と一体に設けられたねじ部110を示す斜視図であ
る。この実施例では、ねじ部110の外面に形成された
溝110aが、上記第1実施例のようにタイロッド8の
軸線方向に延びるものではなく螺旋状になっている。ま
た、ソケット部112のねじ部110側端面112aに
形成された溝(ソケット部112の端面に形成された溝
全体を符号112bで示す)は、このねじ部110の2
本の螺旋形の溝110aに直接接続され、ソケット部1
12の外周面まで延びる2本の半径方向の溝112c
と、これら半径方向の溝112cを横断する、上記ねじ
部110の外径と同心の環状溝112dと、上記2本の
半径方向溝112cの中間(すなわち90度ずれた位
置)に形成され、環状溝112dとソケット部112の
外周面とを結ぶ短かい半径方向の溝112eとから構成
されている。
ト106のソケット部112およびこのソケット部11
2と一体に設けられたねじ部110を示す斜視図であ
る。この実施例では、ねじ部110の外面に形成された
溝110aが、上記第1実施例のようにタイロッド8の
軸線方向に延びるものではなく螺旋状になっている。ま
た、ソケット部112のねじ部110側端面112aに
形成された溝(ソケット部112の端面に形成された溝
全体を符号112bで示す)は、このねじ部110の2
本の螺旋形の溝110aに直接接続され、ソケット部1
12の外周面まで延びる2本の半径方向の溝112c
と、これら半径方向の溝112cを横断する、上記ねじ
部110の外径と同心の環状溝112dと、上記2本の
半径方向溝112cの中間(すなわち90度ずれた位
置)に形成され、環状溝112dとソケット部112の
外周面とを結ぶ短かい半径方向の溝112eとから構成
されている。
【0014】上記形状のボールジョイント106をラッ
ク軸4(ボールジョイント106以外の部分には図2の
符号を付して説明する)の端部に螺合固定した場合も、
上記第1実施例の場合と同様に、これらの溝110a,
112bおよびラック軸4の中空部4aを介して、一方
のブーツ16の内部空間18をラック軸4の他端側のブ
ーツ内に連通することができる。このようにボールジョ
イント106のソケット部112およびねじ部110
に、図3に示すような外面に露出した溝110a,11
2b(112c,112d,112e)を形成してラッ
ク軸4内の中空部4aとボールジョイント6の外部側、
すなわちブーツ16内の空間18とを連通するようにし
たので、加工コストを大幅に低減することができるとと
もに、部品の共通化を図ることができる。なお、第2実
施例のねじ部110に形成した螺旋状の溝110a(図
3参照)と、第1実施例の半径方向溝12b(図1参
照)とを組み合わせることも可能である。
ク軸4(ボールジョイント106以外の部分には図2の
符号を付して説明する)の端部に螺合固定した場合も、
上記第1実施例の場合と同様に、これらの溝110a,
112bおよびラック軸4の中空部4aを介して、一方
のブーツ16の内部空間18をラック軸4の他端側のブ
ーツ内に連通することができる。このようにボールジョ
イント106のソケット部112およびねじ部110
に、図3に示すような外面に露出した溝110a,11
2b(112c,112d,112e)を形成してラッ
ク軸4内の中空部4aとボールジョイント6の外部側、
すなわちブーツ16内の空間18とを連通するようにし
たので、加工コストを大幅に低減することができるとと
もに、部品の共通化を図ることができる。なお、第2実
施例のねじ部110に形成した螺旋状の溝110a(図
3参照)と、第1実施例の半径方向溝12b(図1参
照)とを組み合わせることも可能である。
【0015】さらに、ねじ部110の溝110aを螺旋
状にしたことにより、ねじを転造加工する際に、上記実
施例のように軸方向の直線溝10aが形成されている場
合に比べて加工精度を向上させることができる。この加
工上のメリットについて図4ないし図6により説明す
る。例えば、図4に示すように、外面に2本の軸線方向
の溝10Wa,10Waが予め形成されたワーク10W
の両センターを保持し、両側に配置した転造用ローラー
ダイスD1,D2を押付けて回転させることにより、上
記ねじを形成する場合には、ワーク10Wとローラーダ
イスD1,D2との接触線がワーク10Wの軸線と平行
な直線であるため、ローラーダイスD1,D2がワーク
10Wの溝10Wa,10Waの位置にくると一瞬この
溝10Wa,10Waを飛び越えることになり、ワーク
10Wの外周面のねじの加工が断続的な加工になってし
まう。その結果、溝10Wa,10Waの縁部のねじ山
の変形が大きくなり、ねじの精度が低下してしまう。ま
た、溝10Wa,10Wa内へのねじの変形も大きくな
ってしまう。
状にしたことにより、ねじを転造加工する際に、上記実
施例のように軸方向の直線溝10aが形成されている場
合に比べて加工精度を向上させることができる。この加
工上のメリットについて図4ないし図6により説明す
る。例えば、図4に示すように、外面に2本の軸線方向
の溝10Wa,10Waが予め形成されたワーク10W
の両センターを保持し、両側に配置した転造用ローラー
ダイスD1,D2を押付けて回転させることにより、上
記ねじを形成する場合には、ワーク10Wとローラーダ
イスD1,D2との接触線がワーク10Wの軸線と平行
な直線であるため、ローラーダイスD1,D2がワーク
10Wの溝10Wa,10Waの位置にくると一瞬この
溝10Wa,10Waを飛び越えることになり、ワーク
10Wの外周面のねじの加工が断続的な加工になってし
まう。その結果、溝10Wa,10Waの縁部のねじ山
の変形が大きくなり、ねじの精度が低下してしまう。ま
た、溝10Wa,10Wa内へのねじの変形も大きくな
ってしまう。
【0016】これに対し、図6に示すように、溝110
Wa,110Waが螺旋形である場合には、ワーク11
0WとローラーダイスD1,D2との接触線がこの螺旋
形の溝110Wa,110Wa上に達した場合にも、断
続的な加工が行なわれるのは一部分だけであり、その他
の部分は連続的な加工が行なわれる。例えば、ワーク1
10WとローラーダイスD1,D2との接触線が図6の
位置L1にあるときには、A1の部分ではワーク110
WとローラーダイスD1またはD2が互いに接触して連
続加工が行なわれ、B1の部分では両者が非接触で断続
的な加工となる。また、ワーク110Wとローラーダイ
スD1,D2との接触線が図6の位置L2にあるときに
は、A2の部分では両者が接触して連続加工が行なわ
れ、B2の部分では両者が非接触で断続的な加工とな
る。従って、ワーク110Wの外面に形成されている溝
110Wa,110Waの形状が螺旋形の場合には、ね
じ山を形成する際に断続的な加工となるのは、常にねじ
部の長さ全体のうち一部分だけであり、その他の部分は
連続的な加工が行なわれているので、溝110Wa,1
10Waの縁部のねじの変形を最小に留めることができ
る。
Wa,110Waが螺旋形である場合には、ワーク11
0WとローラーダイスD1,D2との接触線がこの螺旋
形の溝110Wa,110Wa上に達した場合にも、断
続的な加工が行なわれるのは一部分だけであり、その他
の部分は連続的な加工が行なわれる。例えば、ワーク1
10WとローラーダイスD1,D2との接触線が図6の
位置L1にあるときには、A1の部分ではワーク110
WとローラーダイスD1またはD2が互いに接触して連
続加工が行なわれ、B1の部分では両者が非接触で断続
的な加工となる。また、ワーク110Wとローラーダイ
スD1,D2との接触線が図6の位置L2にあるときに
は、A2の部分では両者が接触して連続加工が行なわ
れ、B2の部分では両者が非接触で断続的な加工とな
る。従って、ワーク110Wの外面に形成されている溝
110Wa,110Waの形状が螺旋形の場合には、ね
じ山を形成する際に断続的な加工となるのは、常にねじ
部の長さ全体のうち一部分だけであり、その他の部分は
連続的な加工が行なわれているので、溝110Wa,1
10Waの縁部のねじの変形を最小に留めることができ
る。
【0017】さらに、第2実施例では、ねじ部110の
溝110aを複数とし、また、ソケット部112の端面
112aの溝112bを半径方向の複数本の溝112
c,112eと環状の溝112dとから構成したことに
より、充分なエアーの通路面積を確保することができ
る。しかも、溝110a,112bの数を多くすること
により個々の溝の深さを浅くすることができるので、塑
性加工が容易になり、溝の精度を向上させるとともに型
の寿命を伸ばすことができる。また、図2に示すよう
に、ラック軸4の端面とタイロッド8のボールジョイン
ト6の端面(ソケット部12の端面12a)との間にロ
ックワッシャ14を介在させて締結後の回り止めを行な
うようになっているが、ソケット部12,112の端面
12a,112aに形成されている半径方向の溝12
b,112cおよび半径方向の溝112cの間に形成さ
れている短い溝112eを、このロックワッシャ14の
突部14aを挿入する溝として利用することができるの
で、加工工数を削減してコストダウンを図ることができ
る。
溝110aを複数とし、また、ソケット部112の端面
112aの溝112bを半径方向の複数本の溝112
c,112eと環状の溝112dとから構成したことに
より、充分なエアーの通路面積を確保することができ
る。しかも、溝110a,112bの数を多くすること
により個々の溝の深さを浅くすることができるので、塑
性加工が容易になり、溝の精度を向上させるとともに型
の寿命を伸ばすことができる。また、図2に示すよう
に、ラック軸4の端面とタイロッド8のボールジョイン
ト6の端面(ソケット部12の端面12a)との間にロ
ックワッシャ14を介在させて締結後の回り止めを行な
うようになっているが、ソケット部12,112の端面
12a,112aに形成されている半径方向の溝12
b,112cおよび半径方向の溝112cの間に形成さ
れている短い溝112eを、このロックワッシャ14の
突部14aを挿入する溝として利用することができるの
で、加工工数を削減してコストダウンを図ることができ
る。
【0018】なお、上記各実施例では、ねじ部10,1
10に2本の溝10a,110aを形成したが、この溝
の数は2本に限るものではなく、1本あるいは4本等そ
の他の数であっても良い。また、ねじ部10,110の
溝は軸方向に延びる直線の溝10aあるいは螺旋状の溝
110aに限るものではなく、ねじ部10,110の先
端面とソケット部12,112の端面12a,112a
との間を接続するものであれば良い。さらに、ソケット
部12,112のねじ部側端面12a,112aに形成
された溝12b,112bは、上記実施例の形状に限る
ものではなく、半径方向に対して傾斜したもの、螺旋状
のもの、あるいはその他の形状のもの等でも良く、いず
れにしても、上記ねじ部10,110の溝10a,11
0aと連続し、ソケット部12,112の外周面まで連
通するものであれば良いことは勿論である。また、上記
発明が適用されるラックピニオン式舵取装置は、マニュ
アル式舵取装置および動力舵取装置のいずれであっても
良い。
10に2本の溝10a,110aを形成したが、この溝
の数は2本に限るものではなく、1本あるいは4本等そ
の他の数であっても良い。また、ねじ部10,110の
溝は軸方向に延びる直線の溝10aあるいは螺旋状の溝
110aに限るものではなく、ねじ部10,110の先
端面とソケット部12,112の端面12a,112a
との間を接続するものであれば良い。さらに、ソケット
部12,112のねじ部側端面12a,112aに形成
された溝12b,112bは、上記実施例の形状に限る
ものではなく、半径方向に対して傾斜したもの、螺旋状
のもの、あるいはその他の形状のもの等でも良く、いず
れにしても、上記ねじ部10,110の溝10a,11
0aと連続し、ソケット部12,112の外周面まで連
通するものであれば良いことは勿論である。また、上記
発明が適用されるラックピニオン式舵取装置は、マニュ
アル式舵取装置および動力舵取装置のいずれであっても
良い。
【0019】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、ピニ
オンに噛合うラック歯を有する中空のラック軸と、ソケ
ット部およびこのソケット部に一体的に設けられたねじ
部を有し、このねじ部が上記ラック軸の中空部内に螺合
固定されて、ラック軸とタイロッドとを連結するボール
ジョイントと、上記ラック軸とボールジョイントとの連
結部を覆うブーツとを備え、上記ボールジョイントに形
成した通路を介して上記ブーツ内の空間とラック軸の他
端側とを連通するラックピニオン式舵取装置において、
上記ねじ部の外面に溝を形成するとともに、ソケット部
のねじ部側端面に上記ねじ部の溝と連続する溝を形成
し、上記ブーツ内とラック軸の中空部内とを連通する通
路としたことにより、ボールジョイントの内部に機械加
工による穴開けをする必要がなく加工コストを大幅に低
減することができる。また、左右のボールジョイントを
共通化することができるので、部品の種類を削減するこ
とができる。
オンに噛合うラック歯を有する中空のラック軸と、ソケ
ット部およびこのソケット部に一体的に設けられたねじ
部を有し、このねじ部が上記ラック軸の中空部内に螺合
固定されて、ラック軸とタイロッドとを連結するボール
ジョイントと、上記ラック軸とボールジョイントとの連
結部を覆うブーツとを備え、上記ボールジョイントに形
成した通路を介して上記ブーツ内の空間とラック軸の他
端側とを連通するラックピニオン式舵取装置において、
上記ねじ部の外面に溝を形成するとともに、ソケット部
のねじ部側端面に上記ねじ部の溝と連続する溝を形成
し、上記ブーツ内とラック軸の中空部内とを連通する通
路としたことにより、ボールジョイントの内部に機械加
工による穴開けをする必要がなく加工コストを大幅に低
減することができる。また、左右のボールジョイントを
共通化することができるので、部品の種類を削減するこ
とができる。
【図1】本発明の一実施例に係るラックピニオン式舵取
装置に用いられるタイロッドのボールジョイントを示す
斜視図である。
装置に用いられるタイロッドのボールジョイントを示す
斜視図である。
【図2】上記ラックピニオン式舵取装置の要部の縦断面
図である。
図である。
【図3】第2の実施例に係るタイロッドのボールジョイ
ントを示す斜視図である。
ントを示す斜視図である。
【図4】上記ボールジョイントのねじ部を成形する転造
装置を簡略化して示す正面図である。
装置を簡略化して示す正面図である。
【図5】第1実施例のねじ部の加工工程を説明する図で
ある。
ある。
【図6】第2実施例のねじ部の加工工程を説明する図で
ある。
ある。
4 ラック軸 4a ラック軸の中空部 6 ボールジョイント 8 タイロッド 10 ねじ部 12 ソケット部 16 ブーツ 18 ブーツ内の空間
Claims (6)
- 【請求項1】 ピニオンに噛合うラック歯を有する中空
のラック軸と、ソケット部およびこのソケット部に一体
的に設けられたねじ部を有し、このねじ部が上記ラック
軸の中空部内に螺合固定されて、ラック軸とタイロッド
とを連結するボールジョイントと、上記ラック軸とボー
ルジョイントとの連結部を覆うブーツとを備え、上記ボ
ールジョイントに形成した通路を介して上記ブーツ内の
空間とラック軸の他端側とを連通するラックピニオン式
舵取装置において、上記ねじ部の外面に溝を形成すると
ともに、ソケット部のねじ部側端面に上記ねじ部の溝と
連続する溝を形成し、上記ブーツ内の空間とラック軸の
中空部内とを連通する通路としたことを特徴とするラッ
クピニオン式舵取装置。 - 【請求項2】 上記ボールジョイントのねじ部外面に形
成された溝が軸方向に延びる直線の溝であることを特徴
とする請求項1に記載のラックピニオン式舵取装置。 - 【請求項3】 上記ボールジョイントのねじ部外面に形
成された溝が螺旋状であることを特徴とする請求項1に
記載のラックピニオン式舵取装置。 - 【請求項4】 上記ボールジョイントのねじ部外面に形
成された溝が複数であることを特徴とする請求項1ない
し請求項3に記載のラックピニオン式舵取装置。 - 【請求項5】 上記ボールジョイントのソケット部端面
に形成された溝は、ねじ部外面に形成された溝と連続す
る半径方向の溝であることを特徴とする請求項1ないし
請求項4に記載のラックピニオン式舵取装置。 - 【請求項6】 上記ボールジョイントのソケット部端面
に形成された溝は、複数の半径方向の溝と、これらの溝
を接続する環状溝から成ることを特徴とする請求項1な
いし請求項4に記載のラックピニオン式舵取装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24249995A JPH0958488A (ja) | 1995-08-28 | 1995-08-28 | ラックピニオン式舵取装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24249995A JPH0958488A (ja) | 1995-08-28 | 1995-08-28 | ラックピニオン式舵取装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0958488A true JPH0958488A (ja) | 1997-03-04 |
Family
ID=17090008
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24249995A Pending JPH0958488A (ja) | 1995-08-28 | 1995-08-28 | ラックピニオン式舵取装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0958488A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100794966B1 (ko) * | 2006-09-06 | 2008-01-15 | 주식회사 만도 | 동력 보조 조향장치 |
JP2008240120A (ja) * | 2007-03-28 | 2008-10-09 | High Frequency Heattreat Co Ltd | 中空ラックバーの製造方法及び中空ラックバー |
US8499660B2 (en) | 2007-03-20 | 2013-08-06 | Neturen Co., Ltd. | Hollow rack and hollow rack manufacturing method |
-
1995
- 1995-08-28 JP JP24249995A patent/JPH0958488A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100794966B1 (ko) * | 2006-09-06 | 2008-01-15 | 주식회사 만도 | 동력 보조 조향장치 |
US8499660B2 (en) | 2007-03-20 | 2013-08-06 | Neturen Co., Ltd. | Hollow rack and hollow rack manufacturing method |
US8595936B2 (en) | 2007-03-20 | 2013-12-03 | Neturen Co., Ltd. | Hollow rack end diameter reducing method |
JP2008240120A (ja) * | 2007-03-28 | 2008-10-09 | High Frequency Heattreat Co Ltd | 中空ラックバーの製造方法及び中空ラックバー |
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