JPH0957827A - ブロー成形体の製造方法 - Google Patents

ブロー成形体の製造方法

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JPH0957827A
JPH0957827A JP7211715A JP21171595A JPH0957827A JP H0957827 A JPH0957827 A JP H0957827A JP 7211715 A JP7211715 A JP 7211715A JP 21171595 A JP21171595 A JP 21171595A JP H0957827 A JPH0957827 A JP H0957827A
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Taku Emoto
卓 江本
Sumihisa Akaboshi
純久 赤星
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  • Engineering & Computer Science (AREA)
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  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブロー成形用の成形型内に、予備成形体と貫
通孔を設けた樹脂フィルムとを配置してブロー成形する
ことにより、予備成形体と樹脂フィルムとの間の空気の
残留を防止して、樹脂フィルムが表面に密着性良く一体
的に接合されたブロー成形体を製造する方法において、
樹脂フィルムの貫通孔跡の製品表面への残留を防止す
る。 【解決手段】 金型温度を、樹脂フィルムの軟化点温度
(Tm)に対して−20〜+20℃の範囲とするか、或
いは、樹脂フィルムのガラス転移点温度(Tg)に対し
て−30〜+50℃の範囲とする。 【効果】 所定の金型温度とすることにより、ブロー成
形時に、貫通孔を樹脂の溶着によりふさぐ。樹脂フィル
ムの密着性が良く、良好な外観を呈するブロー成形体を
製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はブロー成形体の製造
方法に係り、特に、ブロー成形用の成形型内に、予備成
形体を配置すると共に、予備成形体と成形型との間に空
気抜きのための貫通孔を設けた樹脂フィルムを介在させ
てブロー成形することにより、予備成形体と樹脂フィル
ムとの間の空気の残留を防止して、樹脂フィルムが表面
に密着性良く一体的に接合されたブロー成形体を製造す
る方法において、樹脂フィルムの貫通孔跡の製品表面へ
の残留を防止して、良好な外観を呈するブロー成形体を
製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、机天板、扉、その他、各種中空成
形体の製造方法として、ブロー成形法が採用されるよう
になった。
【0003】ブロー成形法は、成形用金型内に軟化状態
の中空予備成形体を押出して配置した後、型を閉じ、予
備成形体の中空部に空気を供給することにより予備成形
体を型面に押し付けて成形する方法であり、このような
ブロー成形法によれば、軽量で、しかも、中空部による
緩衝機能で耐衝撃性に優れた中空成形体を容易に製造す
ることができる。
【0004】ところで、このブロー成形法では、予備成
形体の押出時の樹脂の流動むらや、型傷等により発生す
る成形筋が、得られるブロー成形体の表面に残留して外
観不良を生じるという問題があった。
【0005】また、ブロー成形用金型には、成形金型と
予備成形体との間に滞留する空気を効率的に抜き出すた
めに、多数の空気抜き孔が設けられているが、ブロー成
形時において、この空気抜き孔内に、予備成形体からの
樹脂が一部流入する。そして、流入した樹脂は、得られ
るブロー成形体の表面に小突起として成形されるため、
成形後はこの小突起を除去するための表面加工が必要と
なるという問題もある。
【0006】このような問題を解決するために、予備成
形体と金型との間に樹脂フィルムを介在させてブロー成
形し、表面に樹脂フィルムが一体的に接合されたブロー
成形体を製造する方法が提案されている(特開平4−2
55321号,同4−148916号,特開昭63−2
5019号)。
【0007】この方法によれば、ブロー成形体表面の成
形筋などが樹脂フィルムによって隠蔽され、また、樹脂
フィルムにより上記空気抜き孔への樹脂の流入が防止さ
れる。
【0008】しかしながら、上記従来の樹脂フィルムを
用いるブロー成形法では、ブロー成形時において、予備
成形体と樹脂フィルムとの間の空気を円滑に抜き出すこ
とが難しく、得られるブロー成形体の樹脂フィルムと成
形体本体との間に空気の残留部(エア溜り)が生じ易
い。そして、このエア溜りにより、樹脂フィルムは密着
不良を引き起こす上に、製品の外観は著しく損なわれ
る。
【0009】この問題を解決するために、特開平4−1
48916号公報には、樹脂フィルムに貫通孔を開け、
空気抜きを行う方法が提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平4−148916号公報記載の方法では、樹脂フィ
ルムの貫通孔が製品表面上に残るという新たな問題があ
り、製品外観の改良には至らない。
【0011】本発明は上記従来の問題点を解決し、ブロ
ー成形用の成形型内に、予備成形体を配置すると共に、
予備成形体と成形型との間に空気抜きのための貫通孔を
設けた樹脂フィルムを介在させてブロー成形することに
より、予備成形体と樹脂フィルムとの間の空気の残留を
防止して、樹脂フィルムが表面に密着性良く一体的に接
合されたブロー成形体を製造する方法において、樹脂フ
ィルムの貫通孔跡の製品表面への残留を防止して、良好
な外観を呈するブロー成形体を製造する方法を提供する
ことを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のブロー成形体の
製造方法は、ブロー成形用の成形型内に、予備成形体を
配置すると共に、該予備成形体と成形型との間に樹脂フ
ィルムを介在させてブロー成形することにより、該樹脂
フィルムが表面に一体的に接合されたブロー成形体を製
造する方法であって、該樹脂フィルムは、複数の貫通孔
が形成されており、この貫通孔により、予備成形体との
当接面に空気抜き孔を形成する方法において、該樹脂フ
ィルムを予備成形体に接合する金型温度を、該樹脂フィ
ルムの軟化点温度(Tm)に対して−20〜+20℃の
範囲とするか、或いは、該樹脂フィルムのガラス転移点
温度(Tg)に対して−30〜+50℃の範囲とするこ
とを特徴とする。
【0013】本発明においては、金型温度を樹脂フィル
ムの軟化点温度(Tm)に対して−20〜+20℃の範
囲とするか、或いは、該樹脂フィルムのガラス転移点温
度(Tg)に対して−30〜+50℃の範囲とすること
により、成形時に、樹脂フィルムに設けられた貫通孔を
樹脂の溶着によりふさぐ。これにより、良好な外観を呈
するとともに、樹脂フィルムの密着性を更に向上させる
ことができる。
【0014】本発明においては、用いる樹脂フィルムの
貫通孔径は0.1〜0.9mmで、貫通孔数は、樹脂フ
ィルム面積1m2 当り、3×104 個以下であることが
好ましく、これにより、空気抜きを有効に行えると共
に、成形時の溶着性が良好となる。
【0015】また、本発明において、用いる樹脂フィル
ムは厚みは0.10〜1.00mmであることが好まし
く、これにより、良好な外観を呈するブロー成形体を得
ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明を詳
細に説明する。
【0017】図1は本発明のブロー成形体の製造方法の
一実施例方法を示す概略的な断面図、図2は本発明で用
いる樹脂フィルムの一実施例を示す斜視図、図3は図2
の−線に沿う断面の拡大図である。
【0018】本発明のブロー成形体の製造方法において
は、ブロー成形体に一体成形する樹脂フィルムとして、
図2に示す如く空気抜きのための貫通孔10Aを設けた
樹脂フィルム10を用い、所定の金型温度で成形を行う
点が従来法と異なり、その成形方法自体は従来法と同様
の方法で行うことができる。
【0019】即ち、まず、図1(a)に示す如く、型開
きした金型1,2間にダイス3より予備成形体4を射出
成形する。なお、金型1,2のうち、金型2側には予め
加飾用の樹脂フィルム10を配設しておく。
【0020】次いで、図1(b)に示す如く、金型1,
2を閉じ、金型1に設けられたガス吹込手段(図示せ
ず)により、予備成形体4内に空気を吹き込み、予備成
形体4を金型1,2に押し付けてブロー成形を行う。こ
のブロー成形時には樹脂フィルム10が予備成形体4に
溶着し、得られるブロー成形体5に密着性良く一体化さ
れる。
【0021】このブロー成形に当り、本発明において
は、空気抜きのための貫通孔10Aを設けた樹脂フィル
ム10を用いるため、予備成形体4と樹脂フィルム10
との間の空気の残留が防止され、良好な製品が得られ
る。
【0022】また、このブロー成形に当り、金型温度を
樹脂フィルムの軟化点温度(Tm)に対して−20〜+
20℃の範囲とするか、或いは、該樹脂フィルムのガラ
ス転移点温度(Tg)に対して−30〜+50℃の範囲
とするため、予備成形体4と樹脂フィルム10との接合
と同時に、樹脂フィルム10を軟化させて貫通孔10A
を封着することができる。即ち、樹脂フィルム10の貫
通孔10Aは、通常、パンチング加工により形成される
ため、この貫通孔10Aの周縁には、図3に示す如く、
パンチング加工時の打ち抜き片10Bが残留している。
この打ち抜き片10Bや貫通孔10A周辺の樹脂が、軟
化することにより、貫通孔10Aがふさがれる。本発明
によれば、このように貫通孔を閉鎖することで、良好な
外観を呈するブロー成形体とすることができる上に、樹
脂フィルム10のブロー成形体5への密着性をより一層
高めることができる。
【0023】なお、金型温度が上記範囲よりも低いと貫
通孔を封着することができず、製品表面に貫通孔跡が残
る。金型温度が上記範囲より高くても生産性に問題が残
り、好ましくない。
【0024】本発明において、樹脂フィルムに設ける貫
通孔は、予備成形体と樹脂フィルムとの間の空気を効率
的に除去すると共に、上記封着を良好に行うために、そ
の孔径を0.1〜0.9mm、特に0.02〜0.05
mmとするのが好ましい。
【0025】また、この貫通孔の数は、成形品の形状に
合わせて適宜設定されるが、上記と同様の理由から、樹
脂フィルムの面積1m2 当り3×104 個以下、特に1
000〜20000個であることが好ましい。
【0026】更に、良好な外観を呈するブロー成形体を
得るために、樹脂フィルムの厚みは0.10〜1.0m
m、特に0.15〜0.50mmとするのが好ましい。
このような厚みの樹脂フィルムであれば、フィルムの延
伸による白化や破れを防止して、良好な外観を呈するブ
ロー成形体を得ることができる。
【0027】なお、本発明において、予備成形体を構成
する樹脂としては、熱可塑性樹脂が好適であり、ポリプ
ロピレン系、ポリエチレン系等のポリオレフィン樹脂、
ABS樹脂、AES樹脂、AAS樹脂等のポリスチレン
系樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹
脂等の各種のものを採用することができる。
【0028】一方、樹脂フィルムとしては、予備成形体
と同等の伸び特性を有し、圧力が加えられてもつぶれ
ず、切れを生じないもの、例えば、ポリ塩化ビニル系、
ポリプロピレン系、ポリエチレン系等のポリオレフィン
樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、AAS樹脂等のポリス
チレン系樹脂等の樹脂フィルムが好ましく、予備成形体
と樹脂フィルムとの溶着性の面からは、予備成形体と樹
脂フィルムとは同一ないし同種の樹脂よりなることが好
ましい。この樹脂フィルムは単層樹脂フィルムに限る必
要はなく、予備成形体と予備成形体に接する樹脂フィル
ム面とが同一ないし同種の樹脂であれば、樹脂組成の異
なる、或いは性質の異なる二層、三層、又は多層樹脂フ
ィルムを使用しても良い。
【0029】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明する。
【0030】実施例1 図1に示す方法に従って、ブロー成形を行った。ただ
し、貫通孔2の貫通孔6は設けずに行った。
【0031】ブロー成形機に株式会社プラコー製「φ7
5mm」を使用し、ブロー用材料として宇部サイコン株
式会社製ABS樹脂商品名「EX22C」を用い、長さ
300mm、幅250mm、厚さ30mmの板状製品
を、金型の片面に樹脂フィルムをセットしブロー成形し
た。
【0032】この樹脂フィルムとしては下記のようなも
のを用いた。
【0033】通常フィルム:表1に示す厚さで貫通孔の
無いABS樹脂フィルム。
【0034】貫通孔フィルム:表1に示す厚さで孔径
0.6mmの貫通孔を1×104 個/m2 の割合で設け
たABS樹脂フィルム。
【0035】得られた樹脂フィルム付ブロー成形体につ
いて、成形性、外観(エア溜りの有無)を観察し、結果
を表1に示した。
【0036】なお、金型温度は、ABS樹脂フィルムの
スチレン−アクリロニトリル成分からなる硬質重合体の
ガラス転移点温度(Tg)108℃に対して、いずれも
23℃低い85℃とした。
【0037】
【表1】
【0038】なお、No.5〜8のブロー成形体におい
て、樹脂フィルムの貫通孔跡の残存は認められなかっ
た。
【0039】表1より、フィルムの厚さは1.00mm
以下であることが好ましいことがわかる。
【0040】実施例2 実施例1において、樹脂フィルムとして、表2に示す孔
径の貫通孔を有する厚さ0.35mmのABS樹脂フィ
ルムを用いたこと以外は同様にしてブロー成形を行い、
得られた樹脂フィルム付ブロー成形体について、成形
性、外観(エア溜りの有無)を観察し、結果を表2に示
した。
【0041】
【表2】
【0042】なお、No.9〜17のブロー成形体にお
いて、樹脂フィルムの貫通孔跡の残存は認められなかっ
た。
【0043】表2より、貫通孔の孔径は0.1〜0.9
mmであることが好ましいことがわかる。
【0044】実施例3 実施例1において、樹脂フィルムとして、孔径0.25
mmの貫通孔が2×102 個/m2 設けられた厚さ0.
35mmのABS樹脂フィルム(ABS樹脂中のスチレ
ン−アクリロニトリル成分からなる硬質重合体のガラス
転移点温度(Tg)=108℃)を用い、金型温度を表
3に示す温度としたこと以外は同様にしてブロー成形を
行い、得られたブロー成形体の成形性、外観(エア溜り
の有無及び貫通孔跡の残存状態)を観察し、結果を表3
に示した。
【0045】
【表3】
【0046】表1〜3より、本発明によれば、予備成形
体と樹脂フィルムとの間の空気の残留を防止して、良好
な外観を有する製品を製造することができることがわか
る。
【0047】特に、表3より、本発明によれば、金型温
度を調整することにより、貫通孔を封着し、貫通孔跡の
残存がない、良好な外観の製品を製造できることがわか
る。
【0048】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明のブロー成形
体の製造方法によれば、ブロー成形用の成形型内に、予
備成形体を配置すると共に、予備成形体と成形型との間
に空気抜きのための貫通孔を設けた樹脂フィルムを介在
させてブロー成形することにより、予備成形体と樹脂フ
ィルムとの間の空気の残留を防止して、樹脂フィルムが
表面に密着性良く一体的に接合されたブロー成形体を製
造する方法において、樹脂フィルムの貫通孔跡の製品表
面への残留を防止して、樹脂フィルムの密着性が良く、
良好な外観を呈するブロー成形体を製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブロー成形体の製造方法の一実施例方
法を示す概略的な断面図である。
【図2】本発明で用いる樹脂フィルムの一実施例を示す
斜視図である。
【図3】図2の−線に沿う断面の拡大図である。
【符号の説明】
1,2 金型 3 ダイス 4 予備成形体 5 ブロー成形体 10 樹脂フィルム 10A 貫通孔

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブロー成形用の成形型内に、予備成形体
    を配置すると共に、該予備成形体と成形型との間に樹脂
    フィルムを介在させてブロー成形することにより、該樹
    脂フィルムが表面に一体的に接合されたブロー成形体を
    製造する方法であって、 該樹脂フィルムは、複数の貫通孔が形成されており、こ
    の貫通孔により、予備成形体との当接面に空気抜き孔を
    形成する方法において、 該樹脂フィルムを予備成形体に接合する金型温度を、該
    樹脂フィルムの軟化点温度(Tm)に対して−20〜+
    20℃の範囲とするか、或いは、該樹脂フィルムのガラ
    ス転移点温度(Tg)に対して−30〜+50℃の範囲
    とすることを特徴とするブロー成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の方法において、該樹脂フィル
    ムの厚みが0.10〜1.00mmであることを特徴と
    するブロー成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の方法において、該貫通
    孔の孔径が0.1〜0.9mmであることを特徴とする
    ブロー成形体の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1の方法において、樹脂フィルム
    の貫通孔はフィルム面積1m2 当り、3×104 個以下
    形成されていることを特徴とするブロー成形体の製造方
    法。
JP7211715A 1995-08-21 1995-08-21 ブロー成形体の製造方法 Pending JPH0957827A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018052093A (ja) * 2016-09-30 2018-04-05 キョーラク株式会社 樹脂成形品の製造方法

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