JPH0957558A - スライド装置 - Google Patents

スライド装置

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Publication number
JPH0957558A
JPH0957558A JP21064795A JP21064795A JPH0957558A JP H0957558 A JPH0957558 A JP H0957558A JP 21064795 A JP21064795 A JP 21064795A JP 21064795 A JP21064795 A JP 21064795A JP H0957558 A JPH0957558 A JP H0957558A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
guide member
guide
groove
movable body
base
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP21064795A
Other languages
English (en)
Inventor
Shoichi Sakai
正一 酒井
Masaaki Imazu
正明 今津
Takeo Hayashi
武男 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nabeya Iron and Tool Works Ltd
Original Assignee
Nabeya Iron and Tool Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nabeya Iron and Tool Works Ltd filed Critical Nabeya Iron and Tool Works Ltd
Priority to JP21064795A priority Critical patent/JPH0957558A/ja
Publication of JPH0957558A publication Critical patent/JPH0957558A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】可動体のベース上における所定の移動位置への
固定とその固定状態の解除とが、それぞれ、一操作で、
迅速且つ簡単に行なわれ得るスライド装置を提供する。 【解決手段】 ベース12と可動体14に対して、そ
れぞれ、所定の方向に摺動可能な状態で、且つ上下方向
に離脱不能に係合せしめられる第一のガイド部材28と
第二のガイド部材30と、該第一のガイド部材28と該
第二のガイド部材30とが互いに接近離隔移動し得るよ
うに、それら2つのガイド部材28,30を連結する連
結部材と、外部からの操作によって、該第一のガイド部
材28と該第二のガイド部材30とを接近離隔移動せし
める操作部材60,62,64と、該操作部材60,6
2,64の操作によって、それら2つのガイド部材2
8,30が互いに接近移動せしめられることにより、前
記ベース12と前記可動体14とを当接固定せしめる一
方、それら2つのガイド部材28,30が離隔移動せし
められることによって、該ベース12と該可動体14の
前記当接固定状態を解除する固定機構52,54,56
とを、含んで構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可動体がベース上
を所定の二方向にスライド移動可能し得るように構成さ
れたスライド装置に係り、特にかかる二方向のスライド
移動が、一操作にて、一挙に阻止され、またそれが解除
され得るようにしたスライド装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、スライド装置の一つとして、
ベースと該ベース上に載置される可動体とを含み、該可
動体が、第一の方向と、該第一の方向の位置する第一の
平面に対して互いに平行な第二の平面に位置する第二の
方向とに、該ベース上をスライド移動し得るように構成
されたものが、知られている。
【0003】そして、そのようなスライド装置は、例え
ば、マシニングセンタ等の工作機械において、機械テー
ブルに取り付けられるベースエレメントに固定されて、
所定のワークを保持する治具の構成部品として用いられ
ており、一般には、図13に示される如き構造を有して
いる。
【0004】すなわち、この図13に示されるスライド
装置86は、長手ブロック形状を呈するベース12と、
略コ字形ブロック状のガイド部材88及び可動体14と
から成っている。そして、このスライド装置86を構成
するベース12において、その幅方向に対向位置する両
側面の上端部には、V字状のガイド溝90,90が、長
さ方向に連続して形成されている。また、ガイド部材8
8と可動体14の長さ方向の両端部には、下方に所定寸
法突出する一対の脚部92,92が、それぞれ一体的に
設けられており、更にその各脚部92の内側面には、凹
状の摺接突起収容溝94が、それらガイド部材88と可
動体14の幅方向に延びるように、それぞれ形成されて
いる。更にまた、かかる可動体14の上面には、クラン
プ等の所定の治具が取り付けられる取付孔96,96が
形成されている一方、ガイド部材88の幅方向に対向位
置する両側面の上端部に、V字状のガイド溝90,90
が、長さ方向に連続して設けられている。そして、その
ような可動体14が、各脚部92の摺接突起収容溝94
をガイド部材88の各ガイド溝90にそれぞれ対向せし
めた状態で、ガイド部材88上に移動可能に配置されて
おり、また、かかるガイド部材88が、各脚部92の摺
接突起収容溝94をベース12の各ガイド溝90にそれ
ぞれ対向せしめた状態で、ベース12上に移動可能に配
置されている。更に、そのような配置状態下において、
可動体14とガイド部材88の各摺接突起収容溝94内
には、ガイド部材88とベース12の各ガイド溝90に
対応して、先端部がV字状の山形形状をもって突出し、
且つその先端部において各ガイド溝90の側壁面に摺接
する摺接突起98,98が、それぞれ収容配置せしめら
れている。
【0005】かくして、かかるスライド装置86にあっ
ては、可動体14が、ガイド部材88のガイド溝90,
90に案内されて、ガイド部材88の長さ方向、換言す
れば、ベース12の幅方向にスライド移動せしめられる
ようになっている一方、ガイド部材88が、ベース12
のガイド溝90,90に案内されて、ベース12の長さ
方向にスライド移動せしめられるようになっているので
あり、そしてそれによって、かかる可動体14が、また
該可動体14の上面の取付孔96,96に取り付けられ
た所定の治具(図示せず)が、ベース12の長さ方向と
幅方向の二方向に対して、該ベース12上をスライド移
動せしめられ得るようになっているのである。
【0006】ところで、そのような構造とされたスライ
ド装置86においては、ガイド部材88とベース12の
各摺接突起収容溝94内に配置せしめられた摺接突起9
8が、外方に向かって突出移動可能に収容されており、
また、可動体14とガイド部材88の各一方側の脚部9
2に対して、2つの止めネジ99,99が、その先端部
を、かかる摺接突起98の背面に当接せしめた状態で、
それぞれ螺入せしめられて、配置されている。これによ
って、かかるスライド装置86にあっては、可動体14
とガイド部材88の各一方側の脚部92に配された各止
めネジ99に対してそれぞれ螺入操作を行なうことによ
り、それらの止めネジ99の先端部に当接せしめられた
摺接突起98,98がガイド部材88とベース12の各
ガイド溝90にそれぞれ当接固定させられて、可動体1
4の、ガイド部材88の長さ方向に対するスライド移動
と、ガイド部材88のベース12の長さ方向に対するス
ライド移動、換言すれば、可動体14のベース12の長
さ方向と幅方向の二方向へのスライド移動が阻止せしめ
られるようになっているのであり、また、それら各止め
ネジ99に対して、その螺入状態を緩める、所謂螺出操
作をそれぞれ行なうことによって、再度、可動体が、前
記二方向に対して、ベース12上をスライド移動し得る
ようになっているのである。
【0007】そのため、従来のスライド装置86にあっ
ては、可動体14を、ベース12上の所定の移動位置に
固定する際に、ベース12上の所定の移動位置におい
て、ガイド部材88に配された止めネジ99を螺入せし
めて、該ガイド部材88の位置決め固定を行ない、次い
で、或いはそれに先立って、該ガイド部材88上の所定
の移動位置において、上記と同様にして、可動体14の
位置決め固定を行なうといった二段階の操作を行わなけ
ればならず、またそのような可動体14の固定状態を解
除して、再度スライド移動可能と為す際にも、ガイド部
材88のベース12に対する固定状態と可動体14のガ
イド部材88に対する固定状態とを、それぞれ別個に解
除せしめる二段階の操作を行なう必要があったのであ
る。
【0008】従って、そのような従来のスライド装置8
6にあっては、可動体14のベース12上における所定
の移動位置への固定時、或いはその固定状態の解除時に
おいて、面倒で、手間のかかる作業が強いられていたの
であり、またそれによって、その使用性が著しく損ねら
れていたのである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ここにおいて、本発明
は、上述の如き事情を背景にして為されたものであっ
て、その解決課題とするところは、可動体のベース上に
おける所定の移動位置への固定とその固定状態の解除と
が、それぞれ、一操作で、迅速且つ簡単に行なわれ得、
以て使用性の向上が効果的に図られ得るようしたスライ
ド装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】そして、本発明にあって
は、上述の如き課題の解決のために、ベースと、該ベー
ス上に載置される可動体とを含み、該可動体が、第一の
方向と、該第一の方向の位置する第一の平面に対して互
いに平行な第二の平面に位置する第二の方向とに、該ベ
ース上をスライド移動し得るように構成したスライド装
置において、(a)前記ベースに対して、前記第一の方
向に摺動可能な状態で、且つ上下方向に離脱不能に係合
せしめられて、前記可動体を該第一の方向に案内する第
一のガイド部材と、(b)前記可動体に対して、前記第
二の方向に摺動可能な状態で、且つ上下方向に離脱不能
に係合せしめられて、該可動体を該第二の方向に案内す
る第二のガイド部材と、(c)該第一のガイド部材と該
第二のガイド部材とが互いに接近離隔移動し得るよう
に、それら第一のガイド部材と第二のガイド部材とを連
結する連結部材と、(d)該第一のガイド部材と該第二
のガイド部材の何れか一方に配設され、外部からの操作
によって、該第一のガイド部材と該第二のガイド部材と
を接近離隔移動せしめる操作部材と、(e)該操作部材
の操作によって、該第一のガイド部材と該第二のガイド
部材とが接近移動せしめられることにより、前記ベース
と前記可動体とを当接固定せしめる一方、該第一のガイ
ド部材と該第二ガイド部材とが離隔移動せしめられるこ
とによって、該ベースと該可動体の前記当接固定状態を
解除する固定機構とを、含むことを、その特徴とするも
のである。
【0011】このような本発明に従うスライド装置にあ
っては、操作部材の外部からの操作によって、第一のガ
イド部材と第二のガイド部材とが接近離隔移動せしめら
れ、そしてその接近移動によって、ベースと可動体とが
当接固定せしめられるようになっている一方、離隔移動
によって、かかるベースと可動体との当接固定状態が解
除されるようになっているところから、それら第一のガ
イド部材と第二のガイド部材とが接近移動せしめられる
ように、操作部材を外部から操作するだけで、可動体の
ベースに対する摺動が効果的に阻止され得、以て第一の
方向と、該第一の方向の位置する第一の平面に対して互
いに平行な第二の平面に位置する第二の方向の両方向へ
の、可動体のベース上におけるスライド移動が、一挙に
阻止され得るのであり、またそのような状態から、第一
のガイド部材と第二のガイド部材とが離隔移動せしめら
れるように、操作部材を外部から操作するだけで、可動
体のベースに対する摺動が許容され得て、前記第一の方
向と第二の方向への、可動体のベース上におけるスライ
ド移動の阻止状態が、一挙に解除され得るのである。
【0012】従って、本発明に従うスライド装置におい
ては、可動体のベース上における所定の移動位置への固
定とその固定状態の解除とが、従来とは異なり、二段階
の操作を行なうことなく、それぞれ、操作部材に対する
一操作にて、迅速且つ簡単に行なわれ得、その結果とし
て、その使用性が効果的に高められ得ることとなるので
ある。
【0013】なお、かかる本発明に従うスライド装置の
好ましい第一の態様によれば、前記第一のガイド部材と
前記連結部材とが、前記第二のガイド部材に対して一体
的に接近離隔移動し得るように連結される一方、前記操
作部材が、外部からの螺入操作によって、前記第二のガ
イド部材に螺入せしめられるネジ機構をもって構成さ
れ、更に、前記連結部材の前記第二のガイド部材との連
結部位に、上部側の側壁面が該連結部材の内部に向かっ
て前記第一のガイド部材に接近する方向に傾斜乃至は湾
曲せしめられた第一の溝部が周設されると共に、前記第
二のガイド部材の、該第一の溝部に対向する部位におい
て、該第一の溝部よりも上方に所定寸法偏心した位置
に、該第一の溝部を取り囲むようにして第二の溝部が形
成され、更にそれら第一及び第二の溝部内に、該第一の
溝部の下部開口縁部と該第二の溝部の上部開口縁部との
間の距離よりも大きな径を有する複数のボール部材が互
いに隣接すると共に、該第二の溝部の底壁面と該第一の
溝部における前記上部側の側壁面とに当接し、且つ全体
の半分を越える部分が該第二の溝部内に入り込んだ状態
で収容配置されて、前記操作部材の、前記第二のガイド
部材への螺入に伴って、該操作部材の先端部において該
複数のボール部材が該第一の溝部における上部側の側壁
面に摺動せしめられつつ、該第一の溝部内に押し込まれ
て、前記連結部材と共に前記第一のガイド部材が前記第
二のガイド部材に接近移動させられる一方、該操作部材
の螺出操作によって、該連結部材と共に該第一のガイド
部材が該第二のガイド部材から離隔移動せしめられるよ
うに、前記固定機構が構成されることとなる。
【0014】すなわち、そのような構成とされた操作部
材と固定機構とを有するスライド装置にあっては、連結
部材及び第二のガイド部材にそれぞれ形成される第一及
び第二の溝部内に収容配置された複数のボール部材と該
第一の溝部における上部側の側壁面とにおいてカム機構
が構成され、操作部材の螺入に伴って、複数のボール部
材が第一の溝部内に押し込まれることにより、連結部材
とそれと一体的に移動可能とされた第一のガイド部材と
に対して、それらを第二のガイド部材に接近移動せしめ
る所定の作用力が及ぼしめられるようになっているので
あり、しかも、それら複数のボール部材が、第一及び第
二の溝部内において、互いに隣接する状態で、第二の溝
部の底壁面と第一の溝部における上部側の側壁面に当接
して配置せしめられていることから、操作部材の螺入に
伴って、1個おき又は複数個おきに、第一の溝部内に押
し込まれて、そのような所定の作用力が発揮せしめられ
るようになっているのである。
【0015】従って、かかるスライド装置にあっては、
連結部材と第一のガイド部材を第二のガイド部材への接
近移動せしめる所定の作用力が、連結部材と第一のガイ
ド部材のそれぞれの周方向に略均等に及ぼしめられ得る
のであり、それによって、それら連結部材と第一のガイ
ド部材とが、第二のガイド部材に対して、ガタツキ等な
く、スムーズに接近移動せしめられ得、その結果とし
て、前記ベースと前記可動体とが、確実に当接固定せし
められ得ることとなるのである。
【0016】また、本発明の望ましい第二の態様によれ
ば、前記操作部材が、前記第二のガイド部材に螺入せし
められるネジ部と、該ネジ部の先端部側に自転可能に配
置せしめられる、球形状を呈する作用部とを含んで構成
され、該ネジ部の該第二のガイド部材への螺入に伴っ
て、該作用部を前記複数のボール部材に当接せしめられ
て、それら複数のボール部材が前記連結部材の前記第一
の溝部内に押し込まれるように構成されることとなる。
【0017】そのような構成とされたスライド装置にあ
っては、第一及び第二の溝部の深さ寸法や複数のボール
部材の径等に寸法誤差が生ぜしめられて、複数のボール
部材が、第一及び第二の溝部内において、前述の如き状
態で配置され得ないようになってしまった場合、例え
ば、第二の溝部の底壁面と第一の溝部における上部側の
側壁面とに当接せしめられているものの、隣り合って配
置されたもの同士が互いに当接せず、所定の間隔をおい
て配置せしめられるような場合でも、操作部材の先端部
側に配置された球状の作用部を、複数のボール部材のう
ち、該操作部に対向する2つのものの間に位置せしめ、
その状態で操作部材を螺入することによって、それら2
つのボール部材の間を押し広げて、その他の複数のボー
ル部材を互いに隣接せしめた状態と為すことが出来るの
である。
【0018】従って、上述の如き構成とされた操作部材
を有するスライド装置においては、第一及び第二の溝部
や複数のボール部材等に寸法誤差が生ぜしめられている
ような場合でも、それらの寸法誤差に基づく不具合が、
何等生ぜしめられることなく、かかる操作部材の操作に
よる第一のガイド部材と第二のガイド部材との接近離隔
移動が、良好且つ確実に行なわれ得るのである。
【0019】さらに、本発明の有利な第三の態様によれ
ば、前記操作部材が、外部からの螺入操作によって、前
記第二のガイド部材に螺入せしめられるネジ機構をもっ
て構成される一方、前記連結部材の前記第二のガイド部
材との連結部位に、上部側の側壁面が該連結部材の内部
に向かって前記第一のガイド部材に接近する方向に傾斜
乃至は湾曲せしめられた第一の溝部が周設されると共
に、前記第二のガイド部材の、該第一の溝部に対向する
部位において、該第一の溝部よりも上方に所定寸法偏心
した位置に、該第一の溝部を取り囲むようにして第二の
溝部乃至は凹所が形成され、更にそれら第一及び第二の
溝部乃至は凹所内に、前記連結部材が遊挿せしめられる
通孔を有し、該通孔の周縁部における前記操作部材側の
部位が該第一の溝部にける前記上部側の側壁面に対応し
た傾斜面乃至は湾曲面をもって該側壁面に当接する傾斜
カム部とされたリング部材が、該第一の溝部と該第二の
溝部乃至は凹所との対向方向に移動可能に収容配置され
て、前記操作部材の、前記第二のガイド部材への螺入に
伴って、該リング部材の傾斜カム部が該第一の溝部にお
ける前記上部側の側壁面に摺動せしめられつつ、該第一
の溝部内に押し込まれて、前記連結部材と共に前記第一
のガイド部材が前記第二のガイド部材に接近移動させら
れる一方、該操作部材の螺出操作によって、該連結部材
と共に該第一のガイド部材が該第二のガイド部材から離
隔移動せしめられるように、前記固定機構が構成され
る。
【0020】そのような構成とされた操作部材と固定機
構とを有して成るスライド装置にあっては、連結部材及
び第二のガイド部材にそれぞれ形成される第一及び第二
の溝部内に、それらの溝部の対向方向に移動可能に収容
配置されたリング部材の傾斜カム部と、該第一の溝部に
おける上部側の側壁面とにおいてカム機構が構成され、
操作部材の螺入操作及びその螺入状態を緩める所謂螺出
操作に伴って、一体的に移動可能とされた連結部材と第
一のガイド部材とが、第二のガイド部材に対して接近離
隔移動せしめられるようになっているところから、その
ようなカム機構、ひいては該カム機構をもって成る固定
機構が、少ない部品点数にて構成され得、それによっ
て、かかる固定機構の配設構造が有利に簡略化され得る
のである。
【0021】更にまた、本発明の好ましい第四の態様に
よれば、前記リング部材に対して、前記操作部材の前記
第二のガイド部材への螺入方向とは反対の方向に付勢力
を及ぼす付勢手段が設けられるのであり、それによっ
て、操作部材に対して螺出操作を行なうと同時に、かか
る付勢手段の付勢力に基づいて、該リング部材が、該操
作部材の螺入方向とは反対の方向に移動せしめられ得
て、連結部材と第一のガイド部材とが、第二のガイド部
材から直ちに離隔移動せしめられ得るのである。
【0022】従って、そのような構成を有するスライド
装置においては、特別な操作を何等行なうことなく、単
に、操作部材の螺出操作を行なうだけで、ベースと可動
体の当接固定状態が、簡単に解除され得て、その使用性
が更に効果的に高められ得るのである。
【0023】また、本発明の望ましい第五の態様によれ
ば、前記第一のガイド部材と前記第二の軸ガイド部材と
が、前記連結部材に対して、その軸心回りに回転可能に
取り付けられて、前記可動体が該第二のガイド部材と共
に該連結部材の軸心回りに回転せしめられ得るように構
成されるのであり、それによって、可動体のより自由な
移動が確保され得ると共に、そのような可動体の回転移
動が、前記操作部材の螺入、螺出操作に伴う第一のガイ
ド部材と第二のガイド部材との接近離隔移動によるベー
スと可動体の当接固定乃至はその解除に応じて、阻止乃
至は許容され得、その結果として、より優れた使用性が
発揮され得ることとなるのである。
【0024】さらに、本発明の有利な第六の態様によれ
ば、前記連結部材と前記第一のガイド部材とに係合せし
められて、該第一のガイド部材における、該連結部材の
軸心回りの回転を阻止せしめる第一の回転阻止手段が、
該連結部材と該第一のガイド部材との間に着脱可能に設
けられる一方、該連結部材と前記第二のガイド部材とに
係合せしめられて、該第二のガイド部材における、該連
結部材の軸心回りの回転を阻止せしめる第二の回転阻止
手段が、該連結部材と該第二のガイド部材との間に着脱
可能に設けられることとなる。
【0025】そのような構成を有するスライド装置にあ
っては、第一及び第二の回転阻止手段の着脱を行なうこ
とにより、可動体の、連結部材の軸心回りの回転移動
が、該可動体の前記第一の方向と第二の方向へのスライ
ド移動とは無関係に阻止乃至は許容され得、それによっ
て、該第一の方向と第二の方向のみの可動体のスライド
移動が要求される場合にあっても、或いはそれらのスラ
イド移動に加えて、連結部材の軸心回りの回転移動が要
求される場合においても、何れの場合でも有利に使用さ
れ得て、その使用適用範囲が効果的に広げられ得るので
ある。
【0026】更にまた、本発明の好ましい第七のの態様
によれば、前記ベースに対して、前記第一の方向に延
び、且つ開口部側が底部側よりも狭幅化された第一の案
内溝が設けられる一方、前記可動体に対して、前記第二
の方向に延び、且つ開口部側が底部側よりも狭幅化され
た第二の案内溝が設けられ、前記第一のガイド部材と前
記第二のガイド部材とが、該第一の案内溝と該第二の案
内溝とに対応した形状とされると共に、それら第一のガ
イド部材と第二のガイド部材とが、該第一の案内溝と該
第二の案内溝内にそれぞれスライド移動可能に収容配置
せしめられることとなる。
【0027】そのような構成を有するスライド装置にお
いては、第一のガイド部材と第二のガイド部材に、特別
な係合部材を何等形成せしめることなく、それらをベー
スと可動体に対して上下方向に離脱不能に係合させるこ
とが出来るのであり、それによって、それら第一及び第
二のガイド部材のベース及び可動体に対する係合構造、
ひいてはスライド装置自体の構造が、有利に簡略化され
得るのである。
【0028】また、本発明の望ましい第八の態様によれ
ば、前記ベースと前記第一のガイド部材の何れか一方に
第一の係合部材が設けられる一方、その何れか他方に第
二の係合部が設けられ、更に前記第一の方向の一方側と
他方側への所定の移動位置において、それら第一の係合
部と第二の係合部とが互いに係合されるように構成され
ると共に、前記可動体と前記第二のガイド部材の何れか
一方に第三の係合部材が設けられる一方、その何れか他
方に第四の係合部が設けられ、更に前記第二の方向の一
方側と他方側への所定の移動位置において、それら第三
の係合部と第四の係合部とが互いに係合されるように構
成されて、可動体の前記第一の方向と第二の方向への移
動が、所定の移動位置においてそれぞれ阻止され得るよ
うに構成されることとなる。
【0029】そのような構成を有するスライド装置にあ
っては、第一のガイド部材が、ベース上において過度に
スライド移動せしめられて、該ベースから離脱したり、
或いは可動体が、第二のガイド部材上において過度にス
ライド移動せしめられて、該第二のガイド部材から離脱
したりすることが有利に防止され得て、その使用性乃至
は操作性の向上が効果的に図られ得るのである。
【0030】
【発明の実施の態様・実施例】以下、本発明を更に具体
的に明らかにするために、本発明の幾つかの実施例につ
いて、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
【0031】先ず、図1乃至図3には、本発明に従う構
造とされた、マシニングセンタ等の工作機械の機械テー
ブルに取り付けられるスライド装置の一例が概略的に示
されている。それらの図からも明らかなように、スライ
ド装置10は、ベース12上に可動体14が載置され
て、構成されている。
【0032】より具体的には、このスライド装置10を
構成するベース12は、平面正方形形状を呈し、全体と
して、所定高さを有するブロック形形状をもって構成さ
れている。そして、その上面の中央部には、第一の案内
溝としてのベース側案内溝16が、上方に向かって開口
し、且つ第一の方向としての該ベース12の一辺方向に
連続して延びるように形成されている。また、このベー
ス側案内溝16は、開口部側が底部側よりも狭幅化さ
れ、両側壁が、底部側より開口部側に向かって、それぞ
れ幅方向内側に傾斜せしめられた、所謂アリ溝形状をも
って成っており、その底部には、下方に向かって開口す
る透孔17が、所定の長さと幅とをもって、該ベース側
案内溝16の長さ方向に沿って形成されている。そし
て、そのようなベース12の上面において、該ベース側
案内溝16を間に挟んで位置し、前記ベース12の一辺
方向に連続して延びる2つの面が、案内面18,18と
されている。
【0033】一方、可動体14は、ベース12よりも一
回り小さな平面正方形形状を呈し、全体として所定高さ
を有するブロック形状をもって成っている。そして、そ
の下面の略中央部には、第二の案内溝としての可動体側
案内溝22が、下方に向かって開口する状態で、形成さ
れている。また、この可動体側案内溝22は、前記ベー
ス側案内溝16と同様なアリ溝形状を呈し、該ベース側
案内溝16が延びる一辺方向の位置するベース12の上
面に対して平行な可動体14の下面に位置し、該一辺方
向とは異なる(ここではそれに直交する)、第二の方向
としての該可動体14の他辺方向に連続して延びるよう
に形成されている。そして、かかる可動体14の下面に
おいて、該可動体側案内溝22を間に挟んで位置し、該
可動体14の他辺方向に連続して延びる2つの面が、摺
動面24,24とされている。
【0034】而して、そのような構造とされた可動体1
4が、可動体側案内溝22をベース側案内溝16に対向
させ、且つ摺接面24,24を前記案内面18,18上
にそれぞれ配置せしめた状態で、ベース12上におい
て、移動可能に載置されているのである。なお、図1
中、20は、所定の六角穴付ボルト等を挿通せしめるた
めに、ベース12の四隅に各々設けられた座グリ付ボル
ト用孔であり、また、26は、可動体14の上面に所定
の治具等を取り付けるための治具取付用孔である。
【0035】ところで、図2及び図3からも明らかなよ
うに、ベース12のベース側案内溝16内には、第一の
ガイド部材としての下部ガイド28が、また可動体14
の可動体側案内溝22内には、第二のガイド部材として
の上部ガイド30が、それぞれ収容配置せしめられてい
る。
【0036】このベース側案内溝16内に収容せしめら
れた下部ガイド28は、該ベース側案内溝16の、開口
部側が底部側より狭幅化されたアリ溝形状に対応し、且
つそれよりも一回り小さな形状と、それよりも所定寸法
短い長さとを有して構成され、該ベース側案内溝16内
において、所定のクリアランスをもって、移動可能に配
置せしめられている。
【0037】一方、可動体側案内溝22内に収容せしめ
られた上部ガイド30は、該可動体側案内溝22のアリ
溝形状に対応し、且つそれよりも一回り小さな形状と、
それよりも長いベース12の長さと略同一の長さとを有
して構成され、該可動体側案内溝22内において、所定
のクリアランスをもって、移動可能に配置せしめられて
いる。
【0038】そして、それら下部ガイド28と上部ガイ
ド30にあっては、それぞれの略中央部に、上下方向に
貫通する下部ガイド側貫通孔32と、それよりも大径の
上部ガイド側貫通孔34とが、各々形成されており、上
述の如き配置状態下において、それら2つの貫通孔3
2,34に、連結部材36が挿通せしめられている。
【0039】また、この連結部材36は、下方に向かう
に従って次第に小径となる略段付円柱形状を呈してお
り、その上部部位が、上部ガイド側貫通孔34の内径よ
りも僅かに小さな径を有する大径部38とされていると
共に、中間部部位が、下部ガイド側貫通孔32の内径よ
りも僅かに小さな径を有する中径部40とされ、更に下
部部位が、外周面に雄ネジが刻設された小径部42とさ
れている。そして、そのような大径部38が、上部ガイ
ド30の上部ガイド側貫通孔34内に、また中径部40
が、下部ガイド28の下部ガイド側貫通孔32内に、更
に小径部42が、ベース12のベース側案内溝16の底
部に設けられた前記透孔17内にそれぞれ挿通せしめら
れていると共に、大径部38と中径部40とを段付けす
る段付面44と、小径部42に螺合されたベアリングナ
ット46の上端面とが、下部ガイド28の下部ガイド側
貫通孔32の上部及び下部の開口周縁部に当接せしめら
れ、以て下部ガイド側貫通孔32内に、連結部材36の
中径部40が、回転可能な状態で、上下方向に離脱不能
に配置され、また上部ガイド側貫通孔34内に、連結部
材36の大径部38が、回転可能な状態で、上下方向に
移動可能に配置されている。
【0040】かくして、下部ガイド28と上部ガイド3
0とが、連結部材36にて、その軸心回りに回転可能な
状態で連結せしめられ、且つ下部ガイド28と連結部材
36とが、上部ガイド30に対して一体的に接近離隔移
動可能とされているのであり、またそのような連結状態
下において、下部ガイド28が、ベース12に対して、
上下方向に離脱不能に係合せしめられた状態で、ベース
側案内溝16が延びる前記ベース12の一辺方向に摺動
可能とされている一方、上部ガイド30が、可動体14
に対して、上下方向に離脱不能に係合せしめられた状態
で、前記可動体側案内溝22が延びる前記可動体14の
他辺方向に摺動可能とされているのである。
【0041】これによって、かかるスライド装置10に
あっては、可動体14が、その摺動面24,24におい
て、ベース12の案内面18、18上を、前記ベース1
2の一辺方向と前記可動体14の他辺方向の二方向に、
スライド移動し得るようになっていると共に、連結部材
36回りに回転可能とされているのである。
【0042】なお、ここでは、上部ガイド30の上面に
おいて、その略中央部に、上方に向かって開口する係合
凹所48が、所定の深さと長さとをもって、該上部ガイ
ド30の長さ方向に沿って、形成せしめられており、ま
た、かかる上部ガイド30上に載置された可動体14の
略中央部には、係合ピン50が、該可動体14の下面か
ら所定寸法突出するようにして、取り付けられ、その先
端部が、上部ガイド30の係合凹所48に突入配置せし
められている。
【0043】これによって、可動体14が、上部ガイド
30に導かれて、前記可動体14の他辺方向にベース1
2上をスライド移動せしめられる際に、かかる係合ピン
50が係合凹所30の外周縁部に係合せしめられて、そ
のスライド移動が、所定の移動位置において規制され得
るようになっている。また、下部ガイド28が、ベース
側案内溝16に案内されて、前記ベース12の一辺方向
にベース12上をスライド移動せしめられる際にも、該
下部ガイド28に連結せしめられた連結部材36の小径
部42に螺合されるベアリングナット46が、該第一の
案内溝16の底部に形成された透孔17の外周縁部に係
合せしめられて、そのスライド移動が、所定の移動位置
において規制され得るようになっている。
【0044】このことから明らかなように、本実施例に
あっては、ベース12に形成された透孔17と、連結部
材36を介して、第一のガイド部材28に設けられたベ
アリングナット46とによって、可動体14の前記第一
の方向たるベース12の一辺方向への移動を所定の移動
位置にて阻止する第一の係合部材と第二の係合部材と
が、それぞれ構成されている一方、可動体14に取り付
けられた係合ピン50と、第二のガイド部材30に形成
された係合凹所48とによって、可動体14の前記第二
の方向たる該可動体14の他辺方向への移動を所定の移
動位置にて阻止する第三の係合部材と第四の係合部材と
が、各々構成されているのである。
【0045】而して、本実施例にあっては、特に連結部
材36において、上部ガイド30の上部ガイド側貫通孔
34内に挿通せしめられた大径部38に、第一の溝部と
してのV溝52が周設されている。また、上部ガイド3
0における上部ガイド側貫通孔34の周壁部において、
該連結部材36のV溝52の形成部位に対向する部位に
は、第二の溝部としての凹溝54が、形成されている。
また、この凹溝54は、該V溝52よりも上方に所定寸
法偏心した位置において、該V溝52を取り囲むように
して設けられている。
【0046】そして、図2乃至図4に示される如く、そ
のような凹溝54内には、ボールベアリング56が、複
数個(ここでは15個)、収容されている。また、この
複数のボールベアリング56は、凹溝54の深さ寸法よ
りも大きく、且つ該凹溝54の下部開口縁部と前記V溝
52の上部開口縁部の距離よりも大きな径を有し、該凹
溝54内において、互いに隣接すると共に、該凹溝54
の底壁部55とV溝52の上部側壁部53に当接し、更
にその一部がV溝52内に入り込んだ状態で、配置せし
められている。
【0047】また、そのような凹溝54が設けられた上
部ガイド30には、該上部ガイド30の長さ方向に延
び、その一方側が外方に開口せしめられている一方、他
方側が凹溝54内に開口する挿通孔58が形成されてい
る。そして、この挿通孔58においては、外方への開口
側が、凹溝54内への開口側に比して大径となる段付形
状を呈しており、その外方への開口側たる大径側に、止
めネジ60が螺入せしめられている一方、凹溝54内へ
の開口側たる小径側に、ノックピン62が、該止めネジ
60に当接せしめられた状態で、該挿通孔58の長さ方
向に移動可能に配置されている。また、かかる挿通孔5
8の小径側において、ノックピン62の先端側には、前
記凹溝54内に収容せしめられた複数のボールベアリン
グ56と略同一の形状を有するノックボール64が、径
方向の一方側において、該ノックピン62に対して、ま
た他方側において、複数のボールベアリング56の1個
又は2個のものに、それぞれ当接せしめられた状態で、
該挿通孔58の長さ方向に移動可能に、且つ自転可能に
収容配置されている。
【0048】それ故、かくの如き構造とされたスライド
装置10にあっては、可動体14を、前記ベース12の
一辺方向と前記可動体14の他辺方向の二方向にスライ
ド移動させ、更に前記連結部材36回りに回転させて、
所定の位置に配置せしめた後、図5乃至図7に示される
如く、上部ガイド30に螺入された止めネジ60を六角
棒スパナ(図示せず)等にて螺入せしめることによっ
て、それに当接するノックピン62と該ノックピン62
の先端側に当接せしめられたノックボール64とが、凹
溝54への開口側に移動せしめられ、また、それに伴っ
て、凹溝54内に収容配置された複数のボールベアリン
グ56において、ノックボール64に当接せしめられた
1個又は2個のものが、凹溝54内からそれに対向する
V溝52内に押し込まれる。更に、その際、それら1個
又は2個のボールベアリング56とV溝52の上部側壁
部53とにてカム機構が構成され、かかる1個又は2個
のボールベアリング56が、V溝52の上部側壁部53
に摺動せしめられて、該V溝52が形成される連結部材
36に対して、それを押し上げるような作用力が及ぼさ
れると共に、隣接する他のボールベアリング56に対し
ても、互いに押し合うような作用力が及ぼされる。そし
て、それによって、他の複数のボールベアリング56
が、図7に示される如く、例えば1個おきにV溝52内
に押し込まれ、また、その結果として、連結部材36に
対して、それを押し上げるような作用力が、その周方向
に略均等に及ぼされる。一方、上部ガイド30は、V溝
54内に押し込まれた幾つかのボールベーリング56に
より、連結部材36に及ぼされる作用力に対する反力が
加えられて、該連結部材36とは逆に押し下げられる方
向に所定の作用力が及ぼされることとなる。
【0049】かくして、連結部材36が、全体的に押し
上げられ、それに伴って、下部ガイド28が、ベース1
2のベース側案内溝16内において引き上げられて、該
下部ガイド28により、ベース12のベース側案内溝1
6の側壁部に対して、それを押し上げるような作用力が
及ぼされる一方、上部ガイド30により、かかる作用力
に抗するように、可動体14の可動体側案内溝22の側
壁部に対して、それを押し下げるような作用力が及ぼさ
れ、以てベース12と可動体14とが、その案内面1
8,18と摺動面24,24とにおいて、当接固定せし
められ、その結果として、可動体14の摺動面24,2
4におけるベース12の案内面18,18上の前記二方
向へのスライド移動と連結部材36回りの回転とが、全
て阻止されるのである。
【0050】そして、そのような可動体14のベース1
2に対する当接固定状態下において、上部ガイド30に
螺入された止めネジ60を螺出せしめることによって、
V溝52内に押し込まれた幾つかのボールベアリング5
6が、該V溝52内から押し出されつつ、連結部材36
が下方に移動せしめられる。それによって、下部ガイド
28が上部ガイド30から離隔移動せしめられると共
に、下部ガイド28を押し上げる作用力や上部ガイド3
0を押し下げる作用力が、それぞれ解消され、以てベー
ス12と可動体14との当接固定状態が解除され、その
結果として、可動体14のベース12上における前記二
方向へのスライド移動と連結部材36回りの回転が、一
挙に可能とされるのである。
【0051】なお、このことから明らかなように、本実
施例にあっては、上部ガイド30に螺入された止めネジ
60とその先端側に配されたノックピン62及びノック
ボール64とにて、上部ガイド30と下部ガイド28と
を接近離隔移動せしめる操作部材が構成されているので
あり、また上部ガイド30と連結部材36の大径部38
にそれぞれ形成された凹溝54とV溝52、更にかかる
凹溝54内に収容配置された複数のボールベアリング5
6とによって、ベース12と可動体14とを当接固定
し、或いはそれを解除する固定機構が構成されているの
である。
【0052】このように、本実施例に係るスライド装置
10にあっては、上部ガイド30に螺入された止めネジ
60に対して、螺入操作を行ない、また螺出操作を施す
ことによって、可動体14のベース12上における前記
二方向へのスライド移動と連結部材36回りの回転と
が、一挙に阻止され得、またその阻止状態が一挙に解除
され得るである。
【0053】従って、かかるスライド装置10において
は、可動体14のベース12上における所定の移動位置
への固定とその固定状態の解除とが、止めネジ60の螺
入乃至は螺出といった、一操作にて、迅速且つ簡単に行
なわれ得るのであり、その結果として、その使用性が、
従来装置に比して、飛躍的に向上され得るのである。
【0054】また、本実施例に係るスライド装置10に
あっては、止めネジ60に対する螺入操作によって、複
数のボールベアリング56の幾つかのものが、連結部材
36の大径部38に形成されたV溝52内に押し込まれ
て、該連結部材36に対して、それを押し上げるような
作用力が、該連結部材36(V溝52)の周方向に略均
等に及ぼされるようになっていることから、かかる連結
部材36が略鉛直に押し上げられて、下部ガイド28
が、殆ど傾くことなく、略水平な状態で上部ガイド30
に対して接近移動せしめられ得、それによって、ベース
側案内溝16の側壁部の前面に対して、それを押し上げ
るような作用力が略均等に加えられ得るのであり、その
結果として、ベース12の案内面18,18と可動体1
4の摺動面24,24との有効当接面積がより大きく確
保され得て、ベース12と可動体14とが、より確実に
当接固定せしめられ得ることとなるのである。
【0055】さらに、かかるスライド装置10において
は、下部ガイド28と上部ガイド30とが、連結部材3
6に対して回転可能に連結せしめられて、可動体14が
該連結部材36回りに回転可能とされていると共に、前
記止めネジ60の螺入乃至は螺出操作によって、かかる
回転が阻止乃至は許容され得るようになっていることか
ら、可動体14のより自由な移動が確保され得て、その
使用性が更に効果的に高められ得るのである。
【0056】更にまた、かかるスライド装置10にあっ
ては、上部ガイド側貫通孔34の周壁部に形成された凹
溝54内に、複数のボールベアリング56が収容せしめ
られ、該複数のボールベアリングを介して、上部ガイド
30が、連結部材36の大径部38に回転可能に連結せ
しめられていることから、それら複数のボールベアリン
グの自転により、上部ガイド30、ひいては可動体14
の連結部材36回りの回転がよりスムーズに行なわれ得
るといった利点もあるのである。
【0057】また、本実施例に係るスライド装置10に
あっては、上部ガイド30に螺入せしめられた止めネジ
60に対して螺入操作を行なうことによって、前記複数
のボールベアリング56の1個又は2個のものが、該止
めネジ60の先端側に配されたノックボール64に押さ
れて、連結部材36のV溝52内に押し込まれるように
なっているところから、それらV溝52と凹溝54の深
さ寸法や複数のボールベアリング56の径等に寸法誤差
が生ぜしめられて、例えば、複数のボールベアリング5
6の間に隙間等が形成されるようなことがあっても、ノ
ックボール64を、複数のボールベアリング56のう
ち、該ノックボール64に当接する2個のものの間に位
置せしめ、その状態で、それら2個のボールベアリング
56,56がノックボール64にて押されるようにすれ
ば、それら2個のボールベアリング56,56の間隔が
押し広げられ、それによって、複数のボールベアリング
56が互いに隣接せしめられ得、以て前記寸法誤差が有
利に吸収され得て、下部ガイド28を上部ガイド30に
接近移動せしめるための操作が、常に安定的に且つ確実
に行なわれ得ることとなるのである。
【0058】さらに、かかるスライド装置10において
は、ベース12に設けられたベース側案内溝16と、可
動体14に形成された可動体側案内溝22とが、それぞ
れアリ溝形状をもって構成されていると共に、互いに接
近移動せしめられることにより、それらベース12と可
動体14とを当接固定せしめる下部ガイド28と上部ガ
イド30とが、ベース側案内溝16と可動体側案内溝2
2に対応した形状とされ、それら2つの案内溝16,2
2内に移動可能に収容配置されていることから、下部ガ
イド28と上部ガイド30に対して、特別な係合部を何
等形成せしめることなく、それら2つのガイド28,3
0をベース12と可動体14に対して離脱不能に係合せ
しめ得るのであり、それによって、下部ガイド28と上
部ガイド30のベース12と可動体14に対する係合構
造、ひいてはスライド装置10自体の構造が、有利に簡
略化され得るのである。
【0059】更にまた、かかるスライド装置10にあっ
ては、可動体14が、前記可動体14の他辺方向にベー
ス12上をスライド移動せしめられる際に、該可動体1
4に設けられた係合ピン50が、上部ガイド30に形成
された係合凹所30の外周縁部に係合せしめられて、そ
のスライド移動が、所定の移動位置において規制され得
るようになっており、また、下部ガイド28が、前記ベ
ース12の一辺方向にベース12上をスライド移動せし
められる際にも、連結部材36の小径部42に螺合され
るベアリングナット46が、該第一の案内溝16の底部
に形成された透孔17の外周縁部に係合せしめられて、
そのスライド移動が、所定の移動位置において規制され
得るようになっているところから、可動体14や下部ガ
イド28が、過度にスライド移動せしめられて、上部ガ
イド30やベース12から離脱するようなことが有利に
防止され得て、その使用性及び操作性が効果的に高めら
れ得るのである。
【0060】ところで、前記第一の実施例に示されたス
ライド装置10にあっては、固定機構が、上部ガイド3
0と連結部材36の大径部38にそれぞれ形成された凹
溝54とV溝52、更にかかる凹溝54内に収容配置さ
れた複数のボールベアリング56とによって構成され、
上部ガイド30に螺入せしめられた、操作部材を構成す
る止めネジ60に対して螺入操作を行なうことによっ
て、それら複数のボールベアリング56の幾つかのもの
が、V溝52の上部側壁部53に摺動せしめられつつ、
該V溝52内に押し込まれ、それによって、上部ガイド
30に対して、下部ガイド28が接近移動せしめられ、
その結果、ベース12と可動体14とが当接固定される
ようになっていたが、そのような固定機構の構造は、何
等これに限定されるものではなく、複数のボールベアリ
ング56に代えて、他の部材を採用して、構成すること
も可能である。
【0061】具体的には、例えば図8乃至図10に示さ
れるスライド装置66にあっては、上部ガイド30にお
ける、連結部材36の大径部38に形成されたV溝52
に対応する部位において、該V溝52より上方に所定寸
法偏心した位置に、該上部ガイド30の長さ方向に延
び、且つその長さ方向の一方側において外方に開口する
凹所68が設けられている。そして、この凹所68内に
は、全体として、略薄肉の平板形状を呈し、その中心部
に設けられた通孔72に対して、連結部材36の大径部
38が挿通せしめられたリング部材70が、該凹所68
内において、その深さ方向に移動可能に収容されてい
る。また、このリング部材70にあっては、通孔72の
周縁部において、凹所68の開口側の一部分が、前記V
溝52の側壁部(内周面)に即して、V字形に突出する
傾斜カム部74とされており、かかる傾斜カム部74
が、該V溝52の上部側壁部53に当接せしめられて、
配置されている。
【0062】また、そのような凹所68が形成された上
部ガイド30において、該凹所68の開口側の側面に
は、所定深さを有する挿通孔58が設けられており、更
に、かかる挿通孔58内には、止めネジ60が螺入せし
められていると共に、その先端側にノックピン62が、
該挿通孔58の深さ方向、即ち凹所54の深さ方向に移
動可能に配置されている。なお、図8乃至図10におい
ては、前記第一の実施例と同様な構造とされた部材及び
部位について、図中、それぞれ、前記第一の実施例と同
一の符号を付しておいた。
【0063】而して、かくの如き構造とされたスライド
装置66にあっては、止めネジ60に対して螺入操作が
行われることによって、ノックピン62が、凹所54の
深さ方向において、その底部側に向かって移動せしめら
れ、またそれに伴って、リング部材70も、それと同一
の方向に移動せしめられる。そして、その際、リング部
材70の傾斜カム部74が、連結部材36のV溝52の
上部側壁部53に摺動せしめられつつ、該V溝52内に
押し込まれ、それらリング部材70の傾斜カム部74と
V溝52の上部側壁部53とにて構成されたカム機構に
よって、該V溝52が形成される連結部材36に対し
て、それを押し上げるような作用力が及ぼされる。一
方、上部ガイド30は、V溝54内に押し込まれたリン
グ部材70より、連結部材36に及ぼされる作用力に対
する反力が加えられて、該連結部材36とは逆に押し下
げられる方向に所定の作用力が及ぼされることとなる。
【0064】かくして、かかるスライド装置66にあっ
ては、前記第一の実施例に係るスライド装置10と同様
に、下部ガイド28が、上部ガイド30に対して接近移
動せしめられ、その結果、可動体14の摺動面24,2
4におけるベース12の案内面18,18上の前記二方
向へのスライド移動と連結部材36回りの回転とが、全
て阻止されるのである。
【0065】また、ここでは、特に、リング部材70に
対して、凹所68の底部側への移動方向とは反対の方向
に付勢力を発揮するコイルバネ76が、該凹所68の底
部に配設されており、それによって、上述の如き可動体
14のベース12に対する当接固定状態下において、上
部ガイド30に螺入された止めネジ60が螺出せしめら
れた際に、リング部材70が、凹所68の開口部側に、
直ちに移動せしめられて、その傾斜カム部74が、前記
V溝52から押し出され、またそれに伴って、連結部材
36が下方に移動せしめられる。そして、それによっ
て、下部スライド28が上部スライド30から離隔移動
せしめられると共に、下部ガイド28を押し上げる作用
力や上部ガイド30を押し下げる作用力が、それぞれ解
消され、以てベース12と可動体14との当接固定状態
が解除され、その結果として、可動体14のベース12
上における前記二方向へのスライド移動と連結部材36
回りの回転が、一挙に可能とされるのである。
【0066】なお、このことから明らかなように、本実
施例にあっては、上部ガイド30に螺入された止めネジ
60とその先端側に配されたノックピン62とにて、操
作部材が構成されているのであり、また上部ガイド30
と連結部材36の大径部38にそれぞれ形成された凹所
68とV溝52、更にかかる凹所68内に収容配置され
たリング部材70とによって、固定機構が構成されてい
るのである。
【0067】このように、本実施例にあっても、止めネ
ジ66を螺入乃至は螺出する一操作にて、可動体14の
ベース12上における所定の移動位置への固定とその固
定状態の解除とが、迅速且つ簡単に行なわれ得るのであ
り、以て前記第一の実施例と同様な効果が有効に享受さ
れ得るのである。
【0068】また、本実施例にあっては、リング部材7
0に対して、凹所68の底部側への移動方向とは反対の
方向に付勢力を発揮するコイルバネ76が配設されてい
ることから、特別な操作を何等行なうことなく、単に、
止めネジ60の螺出操作を行なうだけで、可動体14と
ベース12との固定状態が、極めて簡単に解除され得
て、その使用性が更に効果的に向上され得るのである。
【0069】なお、リング部材70に対して、上述の如
き所定の付勢力を発揮する付勢手段は、そのようなコイ
ルバネ76に限られるものではなく、従来より公知の付
勢手段が、何れも採用され得ることとなる。
【0070】以上、本発明の代表的な二つの実施例につ
いて詳述してきたが、これは文字通りの例示であって、
本発明は、そのような具体例にのみ限定して解釈される
ものではない。
【0071】例えば、前記二つの実施例では、それぞれ
異なる構造を有する固定機構の例が示されていたが、そ
のような固定機構の構造は、何等それら限定されるもの
ではなく、操作部材の操作によって、ベースと可動体と
が当接固定され、或いはその固定状態が解除され得るの
であれば、如何なる構造のものも、採用され得るのであ
る。
【0072】また、そのような固定機構を操作する操作
部材の構造も、前記実施例における如きものに、決して
限定されるものでないことは、勿論である。
【0073】さらに、前記実施例では、ベース12と可
動体14とに、それぞれアリ溝形状を呈するベース側案
内溝16と可動体側案内溝22とが形成されると共に、
第一のガイド部材としての下部ガイド28と第二のガイ
ド部材としての上部ガイド30とが、ベース側案内溝1
6と可動体側案内溝22に各々対応した形状をもって、
それら2つの案内溝16,22内に移動可能に収容配置
されていたが、そのような第一のガイド部材と第二のガ
イド部材は、ベース及び可動体に対して、それぞれ所定
の方向に移動可能な状態で、且つ上下方向に離脱不能に
係合せしめられて、可動体をかかる所定の方向に案内し
得るものであれば、その形状や配置構造は、何等これに
限定されるものではない。
【0074】更にまた、それら第一のガイド部材と第二
のガイド部材の連結部材に対する連結構造も、それらが
互いに接近離隔移動可能とされているものであれば、前
記実施例における如きものに、決して限定されるもので
ないことは、言うまでもないところである。
【0075】また、前記実施例では、第一のガイド部材
としての下部ガイド28と第二のガイド部材としての上
部ガイド30とが、連結部材36に対して、それぞれ回
転可能に取り付けられて、可動体14が該連結部材36
回りに回転可能とされていたが、それら第一及び第二の
ガイド部材を連結部材に対して回転不能に取り付けるよ
うにしても、何等差し支えない。なお、それら下部ガイ
ド28と上部ガイド30とを連結部材36に対して、そ
れぞれ回転可能に取り付けた場合においては、有利に
は、図11及び図12に示される如く、連結部材36の
上面と上部ガイド30の上面に、それらを跨がって連続
する上部ガイド側キー溝78が設けられると共に、該上
部ガイド側キー溝78にキーピン80が着脱可能に収容
配置せしめられ、更に下部ガイド28の下部ガイド側貫
通孔32の周壁部に、下部ガイド側キー溝82が、下部
ガイド28の高さ方向に連続して延びるように設けられ
ると共に、該下部ガイド側貫通孔32に挿通せしめられ
る連結部材36の小径部42の外周面に対して、該下部
ガイド側キー溝82に挿通せしめられるように、キーブ
ロック84が着脱可能に取り付けられる。それによっ
て、それらキーピン80とキーブロック84を必要に応
じて着脱せしめれば、下部ガイド28と上部ガイド30
の連結部材36回りの回転、換言すれば、可動体の連結
部材36回りの回転の阻止乃至はその解除が自由に行な
われ得ることとなるのであり、その結果として、スライ
ド装置10の使用適用範囲が有利に広げられ得ることと
なるのである。
【0076】加えて、前記実施例では、本発明を、工作
機械の機械テーブルに取り付けられるスライド装置に適
用したものの具体例を示したが、本発明が、その他、可
動体が、所定の二方向に、ベース上をスライド移動し得
るように構成された、全てのスライド装置に対しても、
何れも、有利に適用され得るものであるこは、勿論であ
る。
【0077】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれることは、言うま
でもないところである。
【0078】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に従うスライド装置にあっては、可動体のベース上にお
ける所定の移動位置への固定とその固定状態の解除と
が、操作部材に対する一操作にて、迅速且つ簡単に行な
われ得るのであり、それによって、その使用性が効果的
に高められ得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う構造とされたスライド装置の一例
を示す平面説明図である。
【図2】図1おけるA−A断面説明図である。
【図3】図1おけるB−B断面説明図である。
【図4】図3おけるC−C断面説明図である。
【図5】図1に示されたスライド装置の使用状態を示す
図2に対応する図である。
【図6】図1に示されたスライド装置の使用状態を示す
図3に対応する図である。
【図7】図1に示されたスライド装置の使用状態を示す
図4に対応する図である。
【図8】本発明に従う構造とされたスライド装置の別の
例を示す図5に対応する図である。
【図9】図8に示されたスライド装置の図6に対応する
図である。
【図10】図8に示されたスライド装置の図7に対応す
る図である。
【図11】本発明に従う構造とされたスライド装置の更
に別の例を示す図1に対応する図である。
【図12】図11に示されたスライド装置の図5に対応
する図である。
【図13】従来のスライド装置を示す斜視説明図であ
る。
【符号の説明】
10,66 スライド装置 12 ベース 14 可動体 16 ベース側案
内溝 17 透孔 22 可動体側案
内溝 28 下部ガイド 30 上部ガイド 36 連結部材 46 ベアリング
ナット 48 係合凹所 50 係合ピン 52 V溝 53 上部側壁部 54 凹溝 56 ボールベア
リング 58 挿通孔 60 止めネジ 62 ノックピン 64 ノックボー
ル 68 凹所 70 リング部材 72 通孔 74 傾斜カム部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースと、該ベース上に載置される可動
    体とを含み、該可動体が、第一の方向と、該第一の方向
    の位置する第一の平面に対して互いに平行な第二の平面
    に位置する第二の方向とに、該ベース上をスライド移動
    し得るように構成したスライド装置において、 前記ベースに対して、前記第一の方向に摺動可能な状態
    で、且つ上下方向に離脱不能に係合せしめられて、前記
    可動体を該第一の方向に案内する第一のガイド部材と、 前記可動体に対して、前記第二の方向に摺動可能な状態
    で、且つ上下方向に離脱不能に係合せしめられて、該可
    動体を該第二の方向に案内する第二のガイド部材と、 該第一のガイド部材と該第二のガイド部材とが互いに接
    近離隔移動し得るように、それら第一のガイド部材と第
    二のガイド部材とを連結する連結部材と、 該第一のガイド部材と該第二のガイド部材の何れか一方
    に配設され、外部からの操作によって、該第一のガイド
    部材と該第二のガイド部材とを接近離隔移動せしめる操
    作部材と、 該操作部材の操作によって、該第一のガイド部材と該第
    二のガイド部材とが接近移動せしめられることにより、
    前記ベースと前記可動体とを当接固定せしめる一方、該
    第一のガイド部材と該第二ガイド部材とが離隔移動せし
    められることによって、該ベースと該可動体の前記当接
    固定状態を解除する固定機構とを、 含むことを特徴とするスライド装置。
  2. 【請求項2】 前記第一のガイド部材と前記連結部材と
    を、前記第二のガイド部材に対して一体的に接近離隔移
    動し得るように連結する一方、前記操作部材を、外部か
    らの螺入操作によって、前記第二のガイド部材に螺入せ
    しめられるネジ機構をもって構成し、更に、前記連結部
    材の前記第二のガイド部材との連結部位に、上部側の側
    壁面が該連結部材の内部に向かって前記第一のガイド部
    材に接近する方向に傾斜乃至は湾曲せしめられた第一の
    溝部を周設すると共に、前記第二のガイド部材の、該第
    一の溝部に対向する部位において、該第一の溝部よりも
    上方に所定寸法偏心した位置に、該第一の溝部を取り囲
    むようにして第二の溝部を形成し、更にそれら第一及び
    第二の溝部内に、該第一の溝部の下部開口縁部と該第二
    の溝部の上部開口縁部との間の距離よりも大きな径を有
    する複数のボール部材を互いに隣接すると共に、該第二
    の溝部の底壁面と該第一の溝部における前記上部側の側
    壁面とに当接し、且つ全体の半分を越える部分が該第二
    の溝部内に入り込んだ状態で収容配置して、前記操作部
    材の、前記第二のガイド部材への螺入に伴って、該操作
    部材の先端部において該複数のボール部材を該第一の溝
    部における上部側の側壁面に摺動させつつ、該第一の溝
    部内に押し込んで、該連結部材と共に前記第一のガイド
    部材を前記第二のガイド部材に接近移動させる一方、該
    操作部材の螺出操作によって、該連結部材と共に該第一
    のガイド部材を該第二のガイド部材から離隔移動せしめ
    るように、前記固定機構を構成したことを特徴とする請
    求項1に記載のスライド装置。
  3. 【請求項3】 前記操作部材を、前記第二のガイド部材
    に螺入せしめられるネジ部と、該ネジ部の先端部側に自
    転可能に配置せしめられる、球形状を呈する作用部とを
    含んで構成し、該ネジ部の該第二のガイド部材への螺入
    に伴って、該作用部を前記複数のボール部材に当接させ
    て、それら複数のボール部材を前記連結部材の前記第一
    の溝部内に押し込むようにしたことを特徴とする請求項
    2に記載のスライド装置。
  4. 【請求項4】 前記第一のガイド部材と前記連結部材と
    を、前記第二のガイド部材に対して一体的に接近離隔移
    動し得るように連結する一方、前記操作部材を、外部か
    らの螺入操作によって、前記第二のガイド部材に螺入せ
    しめられるネジ機構をもって構成し、更に、前記連結部
    材の前記第二のガイド部材との連結部位に、上部側の側
    壁面が該連結部材の内部に向かって前記第一のガイド部
    材に接近する方向に傾斜乃至は湾曲せしめられた第一の
    溝部を周設すると共に、前記第二のガイド部材の、該第
    一の溝部に対向する部位において、該第一の溝部よりも
    上方に所定寸法偏心した位置に、該第一の溝部を取り囲
    むようにして第二の溝部乃至は凹所を形成し、更にそれ
    ら第一及び第二の溝部乃至は凹所内に、前記連結部材が
    遊挿せしめられる通孔を有し、該通孔の周縁部における
    前記操作部材側の部位が該第一の溝部にける前記上部側
    の側壁面に対応した傾斜面乃至は湾曲面をもって該側壁
    面に当接する傾斜カム部とされたリング部材を、該第一
    の溝部と該第二の溝部乃至は凹所との対向方向に移動可
    能に収容配置して、前記操作部材の、前記第二のガイド
    部材への螺入に伴って、該リング部材の傾斜カム部を該
    第一の溝部における前記上部側の側壁面に摺動させつ
    つ、該第一の溝部内に押し込んで、前記連結部材と共に
    前記第一のガイド部材を前記第二のガイド部材に接近移
    動させる一方、該操作部材の螺出操作によって、該連結
    部材と共に該第一のガイド部材を該第二のガイド部材か
    ら離隔移動せしめるように、前記固定機構を構成したこ
    とを特徴とする請求項1に記載のスライド装置。
  5. 【請求項5】 前記リング部材に対して、前記操作部材
    の前記第二のガイド部材への螺入方向とは反対の方向に
    付勢力を及ぼす付勢手段を設けたことを特徴とする請求
    項4に記載のスライド装置。
  6. 【請求項6】 前記第一のガイド部材と前記第二のガイ
    ド部材とを、前記連結部材に対して、その軸心回りに回
    転可能に取り付けて、前記可動体を該第二のガイド部材
    と共に該連結部材の軸心回りに回転せしめ得るように構
    成したことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか
    に記載のスライド装置。
  7. 【請求項7】 前記連結部材と前記第一のガイド部材と
    に係合せしめられて、該第一のガイド部材における、該
    連結部材の軸心回りの回転を阻止せしめる第一の回転阻
    止手段を、該連結部材と該第一のガイド部材との間に着
    脱可能に設ける一方、該連結部材と前記第二のガイド部
    材とに係合せしめられて、該第二のガイド部材におけ
    る、該連結部材の軸心回りの回転を阻止せしめる第二の
    回転阻止手段を、該連結部材と該第二のガイド部材との
    間に着脱可能に設けたことを特徴とする請求項6に記載
    のスライド装置。
  8. 【請求項8】 前記ベースに対して、前記第一の方向に
    延び、且つ開口部側が底部側よりも狭幅化された第一の
    案内溝を設ける一方、前記可動体に対して、前記第二の
    方向に延び、且つ開口部側が底部側よりも狭幅化された
    第二の案内溝を設け、前記第一のガイド部材と前記第二
    のガイド部材とを、該第一の案内溝と該第二の案内溝と
    に対応した形状と為すと共に、それら第一のガイド部材
    と第二のガイド部材とを、該第一の案内溝と該第二の案
    内溝内にそれぞれスライド移動可能に収容配置せしめた
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに記載
    のスライド装置。
  9. 【請求項9】 前記ベースと前記第一のガイド部材の何
    れか一方に第一の係合部材を設ける一方、その何れか他
    方に第二の係合部を設け、更に前記第一の方向の一方側
    と他方側への所定の移動位置において、それら第一の係
    合部と第二の係合部とが互いに係合されるように構成す
    ると共に、前記可動体と前記第二のガイド部材の何れか
    一方に第三の係合部材を設ける一方、その何れか他方に
    第四の係合部を設け、更に前記第二の方向の一方側と他
    方側への所定の移動位置において、それら第三の係合部
    と第四の係合部とが互いに係合されるように構成して、
    可動体の前記第一の方向と第二の方向への移動が、所定
    の移動位置においてそれぞれ阻止され得るようにしたこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れかに記載の
    スライド装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007024169A (ja) * 2005-07-15 2007-02-01 Nsk Ltd ストッパ装置およびそれを備えたリニアガイド装置
KR100726315B1 (ko) * 1998-02-25 2007-06-11 사보와, 존, 클로드 결정성 유기 화합물의 안정한 일정한 형태의 입자

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KR100726315B1 (ko) * 1998-02-25 2007-06-11 사보와, 존, 클로드 결정성 유기 화합물의 안정한 일정한 형태의 입자
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