JPH0957428A

JPH0957428A - 溶鋼流量制御用スライディングゲートプレート

Info

Publication number: JPH0957428A
Application number: JP21343095A
Authority: JP
Inventors: Teruhisa Kawashima; 輝久川島; Iwao Ota; 巌太田; Masahiko Kijima; 正彦木島; Keizo Hoshi; 圭三星; Nobuhiro Hasebe; 悦弘長谷部; Takashi Miki; 三木　　隆; Hiroshi Hikima; 弘引間; Masahiko Uchida; 政彦内田
Original assignee: Sumitomo Metal Industries Ltd; Toshiba Ceramics Co Ltd
Current assignee: Coorstek KK; Nippon Steel Corp
Priority date: 1995-08-22
Filing date: 1995-08-22
Publication date: 1997-03-04

Abstract

(57)【要約】【目的】この発明は、交換リングをプレート本体に嵌挿
したスライディングゲートプレートにおいて、交換リン
グのずれ及び落下といったトラブルがなく、また交換リ
ングが周方向にも回転ずれを起こさないスライディング
ゲートプレートを得ようとするものである。【構成】プレート本体の一部を穿設して設けた切欠部
に、内側に溶湯流通孔を設けた交換リングを嵌装してモ
ルタルで固着したスライディングゲートプレートにおい
て、交換リングの外周部或いはプレート本体の切欠部内
側のいずれか一方又は双方に凹部を設けてこれらを強固
に固着したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、溶融金属の鋳込みに
用いるスライディングノズル装置に用いるスライディン
グゲートプレートに関する。

【０００２】

【従来の技術】溶融金属の鋳込みに用いられるスライデ
ィングノズル装置のスライディングゲートプレートは溶
鋼流によって激しい損傷を受ける部材である。図２に示
すように、溶鋼容器の下部に取り付けられるスライディ
ングノズル装置１は、中央部に溶鋼流出孔２を穿設した
上部固定盤３及び下部固定盤４の中間に、同様の溶鋼流
出孔２´を穿設したスライディングゲートプレート５が
嵌装されており、スライディングゲートプレート１を上
部固定盤３及び下部固定盤４の中間で摺動することによ
って図示しない溶鋼容器内の溶湯の流出を制御するもの
である。このために、スライディングゲートプレート５
は溶鋼流出孔２´の周囲を主体に激しい損傷を受けて寿
命が短く、現状ではコスト低減のためにそれを補修して
再使用することが広く行われている。なお、図中６はス
ライディングゲートプレートの外周に嵌装された定着リ
ングである。

【０００３】こうした損傷を受けたスライディングゲー
トプレートを再生する一般的な方法は、プレートの溶鋼
流出孔を含む損傷した部分をリング状に取り除き、ここ
に溶鋼流出孔を穿設した新しいプレートの一部、即ち交
換リングを嵌装してこれをモルタルで固着する方法であ
る。ここで嵌め替えを行う交換リングの形状には、円
形、楕円形、正方形、長方形など様々なものがあるが、
熱歪、コスト、作業性などの点から円形のものが広く用
いられている。

【０００４】上記の交換リングをプレート本体に固定す
るには、これまで主に耐火物モルタルが使用されてきた
が、こうした方法で再生されたスライディングゲートプ
レートは、使用中に交換リングが最初の固定位置からず
れたり、ひどい場合はこれが落下するといった事故が発
生していた。また、交換リングが円形の場合は、これが
周方向に回転し、これを強固に固着することがこれまで
要請されてきた。特に、モルタルと交換リングの間で破
断することが多く、この間を強固に固着することが必要
とされていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】この発明は、交換リン
グをプレート本体に嵌挿したスライディングゲートプレ
ートにおいて、交換リングのずれ及び落下といったトラ
ブルがなく、また交換リングが周方向で回転ずれを起こ
さないスライディングゲートプレートを得ようとするも
のである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明は、プレート本
体の一部を穿設して設けた切欠部に、内側に溶鋼流出孔
を設けた交換リングを嵌装してモルタルで固着したスラ
イディングゲートプレートにおいて、交換リングの外周
部或いはプレート本体の切欠部内側のいずれか一方又は
双方に凹部を設けてこれらを強固に固着したことを特徴
とする溶鋼流量制御用スライディングゲートプレート
（請求項１）、交換リングに設けた凹部が、交換リング
の外周部で周方向にリング状に設けたものであることを
特徴とする請求項１記載の溶鋼流量制御用スライディン
グゲートプレート（請求項２）、交換リングの外周部或
いはプレート本体の切欠部内側のいずれか一方又は双方
に設けた凹部が、交換リングの外周部或いはプレート本
体の切欠部内側で厚さ方向に設けたものであることを特
徴とする請求項１記載の溶鋼流量制御用スライディング
ゲートプレート（請求項３）、交換リングの外周部或い
はプレート本体の切欠部内側のいずれか一方又は双方に
設けた凹部が、それぞれ独立した多数の凹部であること
を特徴とする請求項１記載の溶鋼流量制御用スライディ
ングゲートプレート（請求項４）、交換リングの外周部
或いはプレート本体の切欠部内側のいずれか一方又は双
方に設けた凹部が、周方向とこれに直交して形成された
凹部であることを特徴とする請求項１記載の溶鋼流量制
御用スライディングゲートプレート（請求項５）及び切
欠部内側がドリルによる研削面であるプレート本体に、
外周部に凹部が設けられた交換リングをモルタルを介し
て固着したことを特徴とする請求項１記載の溶鋼流量制
御用スライドゲートプレートである。

【０００７】

【作用】本願の発明によれば、交換リングの外周部或い
はプレート本体の切欠部内側のいずれか一方又は双方に
凹部を設けてこれらをモルタルで固着したので、凹部に
挿入されたモルタルがより広い面積で両者を固着すると
ともに、ここで固着したモルタルが係合部を構成し、こ
れによって両者の固着を強固に行うことが出来るような
る。

【０００８】なお、本願発明では、交換リングはプレス
で作成するため、外周面が非常に滑らかであるのに対
し、プレート本体欠損部は、ボーリング機などで加工す
るために、内側面には細かな凹凸が形成される。このた
め両者間をモルタルで目地を埋め固着させ接着強度試験
を行うと、交換リングとモルタル間で相対的に強度が弱
くなり破断することが多い。このため、特に交換リング
外周面に凹部を設けることは固着を強固に行うことに対
して有効かつ簡便な方法となる。

【０００９】

【実施例】図１はこの発明の溶鋼流量制御用スライディ
ングゲートプレートの平面図である。図１において１０
はスライディングゲートプレートである。このスライデ
ィングゲートプレート１０は、プレート本体１１の一部
に穿設して設けた切欠部１２に、交換リング１３を嵌挿
してこれらをモルタルで固着したものである。

【００１０】プレート本体は従来のものがそのまま用い
ることが出来る。即ち、通常、長さはほぼ２００〜７０
０mmの範囲で、幅は１５０〜３００mmの範囲、厚さは２
５〜６０mmである。またプレート本体の材質は通常アル
ミナ質、アルミナーカーボン質、マグネシア質、マグネ
シアースピネル質、ムライト質、アルミナームライト質
又はジルコニア質などである。このプレート本体１１
は、スライディングゲートプレートのノズル孔を含む部
分を円形にくり抜いたものであるが、これは通常、所定
の期間使用されスライディングゲートプレートでノズル
孔の付近が損傷したものが使用されるが、新品のスライ
ディングゲートプレートの溶鋼流出孔を含む部分を円形
にくり抜いたものであってもよい。

【００１１】交換リング１３はその中にノズル孔１４が
形成されており、プレート本体１１の切欠部１２に嵌装
されるもので、これによってスライディングゲートプレ
ートの一部を形成するものである。この交換リング１３
は、図３（Ａ）に拡大して示すように側部の円周方向に
リング状の凹部１５を形成する。ここに形成するリング
状の凹部１５は図示されているように一列に限られるも
のではなく、二列或いはそれ以上であってもよい。ま
た、凹部の深さは交換プレートとプレート本体の目地代
との関係から幅及び深さとも５mm以下とすることが好ま
しい。

【００１２】この交換リング１３はプレート本体１１の
切欠部１２に嵌装して目地モルタルで固着する。この場
合、交換リング１３に形成した凹部１５の形成は接着面
積を増加させるばかりでなく、凹部で固着されたモルタ
ルが係合部材の役目を果たし、これが交換リングの上下
方向のずれや抜けを防ぐ上で大きな効果を果たすものと
考えられる。

【００１３】なお、上記の事例では交換リング１３の側
部の円周方向にリング状の凹部１５を設けたが、交換リ
ングに凹部を設けないで代わりにプレート本体に穿設し
た切欠部１２の内側円周部の該当箇所に、上記と同様の
リング状の凹部を設けてもよい。また、交換リング１３
の外側円周部に凹部１５を設けるとともに、これと対峙
するプレート本体１１の切欠部１２の内側円周部にも凹
部を設けるようにしてもよい。

【００１４】図３（Ｂ）は、交換リングの別の実施例を
示したものである。図３（Ｂ）では図３（Ａ）と同一部
材は同一符号で示した。図３（Ｂ）は、交換リング１３
の凹部１６を厚さ方向に設けたものである。この交換リ
ング１３は、図３（Ａ）に示す交換リングで説明したと
同じ方法で図示しないプレート本体の切欠部に嵌装しモ
ルタルで固着してスライディングゲートプレートとする
が、この交換リングを用いた場合は、スライディングゲ
ートプレートの切欠部の内側で交換リングが周方向にず
れることを回避するのに特に有効である。

【００１５】さらに図３（Ｃ）は、交換リングの他の実
施例を示したものである。この実施例は交換リングの外
周面に独立した多数の凹部１７を多数設けたものであ
る。この図でも図３（Ａ）と同一部材は同一符号で示し
た。図３（Ｃ）に示す交換リング１３を切欠部に嵌装し
てモルタルで固着したものでは、交換リングが周方向と
厚さ方向に配列された多数の凹部１７で固着されるの
で、交換リングは周方向と厚さ方向の双方のずれを同時
に回避するのに有効である。

【００１６】交換リングの材質は、プレート本体の材質
と同様にアルミナ質、アルミナーカーボン質、マグネシ
ア質、マグネシアースピネル質、ムライト質、アルミナ
ームライト質又はジルコニア質などである。交換リング
と本体プレートと同一の材質であっても異質のものでも
よい。

【００１７】図４の（Ａ）、（Ｂ）、（Ｃ）は、交換リ
ングのその他の実施例を示したものであるが、これらの
実施例のものはいずれも交換リングが回転方向および厚
さ方向のずれを同時的に回避するようにしたものであ
る。まず、図４（Ａ）は、図３（Ａ）の凹部１５と図３
（Ｂ）の凹部１６をプラス十字に組合わせた凹部１８を
交換リング１３の外側周囲に形成したも、図４（Ｂ）
は、交換リング１３の外側周囲に上下に波状のリング状
凹部１９を形成したもの、図４（Ｃ）は交換リング１３
の外側周囲に上下方向に傾斜した凹部２０を多数形成し
たものである。図４に示す上記各交換リングのいずれを
用いても、交換リングが回転方向および厚さ方向のずれ
を同時的に回避することが可能である。

【００１８】（実験例）この発明によるスライディング
ゲートプレート１０の本体プレートと交換リングとの接
着力を調べるための実験を行った。ここに用いた交換リ
ング１３は、外径が１３８mmで外周面の中央部に幅３m
m、深さ３mmの凹部を周方向にリング状に１本、厚さ方
向に２本設けた。この交換リングをボーリング加工によ
りプレート本体に設けた切欠部に嵌挿して耐火モルタル
で固着し、１００℃で１２時間乾燥した。その後、プレ
ート本体の摺動面と交換リング表面が同一面となるよ
う、モルタルのはみ出した部分を研磨した。

【００１９】実験は、図５に示すように架台２１に置台
２２を載せ、この上に上記の交換リング１３を嵌装した
スライディングゲートプレート１０を載置した。さらに
交換リング１３の上部に押圧部材２４を載せこれを押圧
して交換リングとプレート本体との接着力を測定した。
接着力は次式で求めた。接着力＝１．５ＷＤ／Ｄ² ×π×ｔ² （kgf ／cm² ）ただし、Ｗ；総荷重（kgf) Ｄ；リング外径(cm) ｔ；リング厚み(cm) 一方、交換リングとして外周面に凹部を形成しないもの
を用いて上記と同様のスライディングゲートプレートを
作成し、これを用いて上記と同じ実験を行ない比較例と
し、両者の交換リングの接着力を測定した。

【００２０】その結果、この発明のスライディングゲー
トプレートは比較例の１．２〜２．０倍の接着力が確認
された。図６は回転応力による交換リングの接着力を調
べる実験を示したものである。なお、ここで用いた交換
リングも上記の実験で用いたものと同じものを用いた。
図６で２５は架台、２６は置台、２７は回転アームであ
る。また２８は回転アーム２７を交換リングに１３に固
定するピンである。

【００２１】実験は架台２５上の置台２６の上にスライ
ディングゲートプレートを図のように横にして立て、交
換リング１３に回転アーム２７をピン２８で固定し、回
転アーム２７を図の矢印の方向に押圧した。比較例とし
て、外周面に凹部を形成しない交換リングを用いて上記
と同様のスライディングゲートプレートを作成し、これ
を用いて上記と同じ実験を行ない比較例とし、両者の交
換リングの接着力を測定した。その結果、この発明のス
ライディングゲートプレートは比較例の１．５〜３．０
倍の接着力が確認された。

【００２２】

【発明の効果】この発明によると交換リングに形成した
凹部に充填された目地部材が係合部材の作用を果たし、
交換リングとプレート本体との接着が確実かつ強固にな
り、スライディングゲートプレートの激しい使用にも拘
らず交換リングのずれ、脱落といったトラブルの発生を
十分に防ぐことが出来るようになった。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明になるスライディングゲートプレート
の平面図。

【図２】この発明になるスライディングゲートプレート
を組込んだスライディングノズル装置の側断面図。

【図３】（Ａ）はこの発明になるスライディングゲート
プレートの切欠部に嵌装される一実施例の交換リングの
斜視図。（Ｂ）はこの発明になるスライディングゲート
プレートの切欠部に嵌装される他の実施例になる交換リ
ングの斜視図。（Ｃ）はこの発明になるスライディング
ゲートプレートの切欠部に嵌装される他の実施例になる
交換リングの斜視図。

【図４】（Ａ）はこの発明になるスライディングゲート
プレートの切欠部に嵌装される他の実施例の交換リング
の斜視図。（Ｂ）はこの発明になるスライディングゲー
トプレートの切欠部に嵌装される他の実施例になる交換
リングの斜視図。（Ｃ）はこの発明になるスライディン
グゲートプレートの切欠部に嵌装される他の実施例にな
る交換リングの斜視図。

【図５】この発明になるスライディングゲートプレート
の切欠部に嵌装される交換リングの接着強度を測定する
ための実験方法を示す説明図。

【図６】この発明になるスライディングゲートプレート
の切欠部に嵌装される交換リングの接着強度を測定する
ための他の実験方法を示す説明図。

【符号の説明】

１０…スライディングゲートプレート、１１…プレート
本体、１２…切欠部、１３…交換リング、１４…ノズル
孔、１５，１６，１７，１８，１９，２０…凹部。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者木島正彦東京都新宿区西新宿１丁目26番２号東芝セラミックス株式会社内 (72)発明者星圭三愛知県刈谷市小垣江町南藤１番地東芝セラミックス株式会社刈谷製造所内 (72)発明者長谷部悦弘愛知県刈谷市小垣江町南藤１番地東芝セラミックス株式会社刈谷製造所内 (72)発明者三木隆茨城県鹿島郡鹿島町大字光３番地住友金属工業株式会社鹿島製鉄所内 (72)発明者引間弘茨城県鹿島郡鹿島町大字光３番地住友金属工業株式会社鹿島製鉄所内 (72)発明者内田政彦茨城県鹿島郡鹿島町大字光３番地住友金属工業株式会社鹿島製鉄所内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】プレート本体の一部を穿設して設けた切
欠部に、内側に溶鋼流出孔を設けた交換リングを嵌装し
てモルタルで固着したスライディングゲートプレートに
おいて、交換リングの外周部或いはプレート本体の切欠
部内側のいずれか一方又は双方に凹部を設けてこれらを
強固に固着したことを特徴とする溶鋼流量制御用スライ
ディングゲートプレート。
【請求項２】交換リングに設けた凹部が、交換リング
の外周部で周方向にリング状に設けたものであることを
特徴とする請求項１記載の溶鋼流量制御用スライディン
グゲートプレート。
【請求項３】交換リングの外周部或いはプレート本体
の切欠部内側のいずれか一方又は双方に設けた凹部が、
交換リングの外周部或いはプレート本体の切欠部内側で
厚さ方向に設けたものであることを特徴とする請求項１
記載の溶鋼流量制御用スライディングゲートプレート。
【請求項４】交換リングの外周部或いはプレート本体
の切欠部内側のいずれか一方又は双方に設けた凹部が、
それぞれ独立した多数の凹部であることを特徴とする請
求項１記載の溶鋼流量制御用スライディングゲートプレ
ート。
【請求項５】交換リングの外周部或いはプレート本体
の切欠部内側のいずれか一方又は双方に設けた凹部が、
周方向とこれに直交して形成された凹部であることを特
徴とする請求項１記載の溶鋼流量制御用スライディング
ゲートプレート。
【請求項６】切欠部内側がドリルによる研削面である
プレート本体に、外周部に凹部が設けられた交換リング
をモルタルを介して固着したことを特徴とする請求項１
記載の溶鋼流量制御用スライドゲートプレート。