JPS6135336Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、スライデイングノズル装置内を通過
する溶鋼の酸化を防ぐスライデイングノズル・プ
レート（以下SNプレートを略す）に関する。

溶鋼を大気による酸化から保護することは鋼製
品の品質向上のために極めて重要なことである。

近時、取鍋・タンデイツシユ等から溶鋼を注入
する方法としてスライデイングノズル装置が多用
されているが、この装置の内部を溶鋼が高速で流
通するため空気をまき込む現象が働き、これに
SNプレートの摺動面の間隙から大気が吸引さ
れ、溶鋼が酸化し鋼製品の品質低下を招くという
欠点があつた。

このため、SNプレートの摺動面に不活性ガス
を導入し、溶鋼が大気に接触するのを防止するこ
とが知られている。

例えば、SN装置全体を外套で覆い、その中に
不活性ガスを通す方法があるが、装置全体が嵩ば
り、しかもSNプレートの取替え・補修・駆動な
どに外套の存在が弊害となつていた。

また、ガス孔をSNプレートの本体部を通し、
その摺動面から不活性ガスを噴出させるようにし
たものでは、SNプレートの材質が耐火物のため
にガス孔を本体内部に形成することは相当困難で
あり、しかも、ガス孔の形成によつてSNプレー
トに構造的強度の低下、熱衝撃による亀裂発生、
摺動面への地金引込みなどの欠陥誘発する。

本考案は、不活性ガスの導入で溶鋼の酸化を防
止する機能を持つSNプレートにおいて、上記従
来の欠点を解消することを目的としたものであ
る。

本考案は、金属製囲帯で側縁を被包したSNプ
レートにおいて、該プレートの側縁に凹溝を周設
するとともに、該凹溝を直交するガス噴出孔を前
記金属製囲帯の内周面に形成させ、かつ、前記凹
溝にガス導入管を連結したことを特徴とするSN
プレートである。

以下、図面に基づいて本考案の実施例を示す。

１はSNプレート、２は溶鋼を流通するノズル
孔、３はSNプレートの側縁を被包した金属製囲
帯である。この金属製囲帯３は、SNプレート１
の割れを防止し、また、万一割れた場合でも分離
しないつうに保持する役割を持つ。

本考案はさらに、SNプレート１の側縁に凹溝
４を周設するとともに、この凹溝に直交するガス
噴出孔５を金属製囲帯３の内周面に形成し、か
つ、凹溝４にガス導入管６を連結する。

凹溝４は、ガス導入管６からの不活性ガスを
SNプレート１側縁の全体に導く、仮に凹溝４を
金属製囲帯３の内部やその内周面に形成したとす
ると、金属製囲帯３の厚みを増さざるを得なくつ
て、その加工やSNプレート１への密着巻付けが
容易でない。

ガス噴出孔５を金属製囲帯３の内周面に形成し
たのは、金属製囲帯３内に設けると、その厚みが
増すとともに、その加工が非常に困難であり、ま
た、SNプレートの外側に形成すると、それが欠
損部となり、亀裂発生の基点となるからである。

以上のように構成したSNプレートをスライデ
イングノズル装置にセツトし、使用に際してガス
導入管６から不活性ガスを送出すると、不活性ガ
スは凹溝４を通つてSNプレート側縁全体に送ら
れた後、ガス噴出孔５から噴出される。そして、
SNプレート摺動面から大気が侵入するのを不活
性ガスによつて遮断し、溶鋼の酸化を防止する。

ノズル孔に溶鋼が流通すると、減圧作用により
不活性ガスがSNプレートの摺動面に吸引される
ので、ガス圧は0.5〜1.0Kg／cm²程度で大気遮断を
十分行なうことができる。

図ではSN下プレートの例を示しているが、SN
上プレートにも適用できることは勿論である。

不活性ガスによる溶鋼の酸化防止の機能を持つ
本考案SNプレートは、以上の構成により、構造
的強度の低下、熱衝撃のよる亀裂発生、地金引込
みなどの欠点もなく、また、SNプレートの割れ
を防止し、万一割れたとしても分離しないように
保持する効果をも有する。しかもガス噴出孔の形
成は、SNプレート側縁と金属製囲帯によつて行
い、SNプレート本体内部には設けないので、そ
の形成加工も極めて容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の平面図、第２図は第１
図Ａ−Ａ線断面拡大図である。 １……SNプレート、２……ノズル孔、３……
金属製囲帯、４……凹溝、５……ガス噴出孔、６
……ガス導入管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 金属製囲帯で側縁を被包したスライデイングノ
   ズル・プレートにおいて、該プレートの側縁に凹
   溝に周設するとともに、該凹溝を直交するガス噴
   出孔を前記金属製囲帯の内周面に形成させ、か
   つ、前記凹溝にガス導入管を連結したことを特徴
   とするスライデイングノズル・プレート。