JPH0955716A - スペクトル拡散無線通信装置 - Google Patents

スペクトル拡散無線通信装置

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JPH0955716A
JPH0955716A JP7206141A JP20614195A JPH0955716A JP H0955716 A JPH0955716 A JP H0955716A JP 7206141 A JP7206141 A JP 7206141A JP 20614195 A JP20614195 A JP 20614195A JP H0955716 A JPH0955716 A JP H0955716A
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JP
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spreading code
spread
synchronization
address
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JP7206141A
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English (en)
Inventor
Masahiko Mimura
雅彦 三村
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回路規模の大形化を生じること無く符号同期
を短時間にかつ正確に捕捉することを可能とする。 【解決手段】 振幅値を異ならせた第1および第2の拡
散符号を位相を1/2周期ずらして合成することにより
作成した多重拡散符号MPSを捕捉用ROM40に予め
記憶しておき、この捕捉用ROM40をアドレス指定す
ることで上記多重拡散符号MPSを読み出して受信信号
RSとの相関値を検出し、この相関値をしきい値比較回
路25で第1および第2のしきい値TH1,TH2と比
較して、その比較結果に基づいて上記多重拡散符号MP
Sの読出位置をシフトすることにより、受信信号RSに
対する上記多重拡散符号MPSの同期点を探索するよう
にしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば自動車・
携帯電話システムやコードレス電話システム、無線LA
Nシステム等の無線通信システムで使用される無線通信
装置に係わり、特にスペクトラム拡散通信方式を使用し
て符号分割多元接続(CDMA:Code Division Multip
le Access )通信を可能としたシステムで使用される装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、移動通信システムに適用する通信
方式の一つとして、単位周波数当たりの電力が小さくて
済み、さらに干渉や妨害に強いスペクトラム拡散通信方
式が注目されている。
【0003】スペクトラム拡散通信方式を使用した無線
通信システムは、例えば送信側の装置において、ディジ
タル化された音声データや画像データに対しPSKまた
はFSK変調方式等のディジタル変調方式により変調を
行なったのち、この変調された送信データを疑似雑音符
号(PNコード;pseudorandom noise code )などの拡
散符号を用いて広帯域のベースバンド信号に変換し、し
かるのち無線周波数の信号に変換して送信する。一方、
受信側の装置においては、受信された無線周波信号に対
し、送信側の装置で使用した拡散符号と同じ符号を用い
て逆拡散を行ない、しかるのちPSKまたはFSK復調
方式などのディジタル復調方式によりディジタル復調を
行なって原データを再生するように構成されている。
【0004】ところで、この種のシステムでは、送信側
の装置と受信側の装置との間で通信を行なう際に、先ず
送信側の拡散符号と受信側の拡散符号との符号同期を確
立する必要がある。同期方式には種々のものが考えられ
ているが、回路構成が比較的簡単になることからスライ
ディング相関方式が注目されている。
【0005】スライディング相関方式は、受信側の装置
において、拡散符号により逆拡散された受信信号を帯域
通過フィルタに通して不要な周波数成分を除去したの
ち、二乗検波器で二乗検波してベースバンド信号に変換
し、このベースバンド受信信号を積分器で一定期間積分
することにより上記受信信号と受信側の拡散符号との相
関値を検出する。そして、この相関値を監視しながら上
記受信側の拡散符号の位相を所定のチップ位相で順次シ
フトし、上記相関値が一定値以上になったときにそのと
きの上記拡散符号の位相において符号同期が確立された
ものと見做して、以後同期追従モードに移行するもので
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来のスライディング相関による同期捕捉方式では、同期
捕捉を開始してから同期点が検出されるまでに、最悪の
場合で拡散符号の1周期に渡ってチップ位相をシフトし
なければならない。ここで、一般に拡散符号には例えば
15のように長周期の符号系列が使用され、また位相シ
フト幅は例えば1/4チップというように1チップに満
たない値に設定される。このため、同期点が検出される
までには長い時間を要することになる。
【0007】一方、位相シフト幅を大きく設定すること
も試みられている。しかしながら、このようにすると拡
散符号位相が同期点に近付く時間は確かに短縮される
が、位相シフト幅が粗いために同期点に最接近したとき
でも相関値がしきい値を超えなかったり、また伝送路上
の雑音や緩衝妨害の影響を受け易くなるため、同期確立
の精度低下を招く。
【0008】また、位相が例えば拡散符号の1/2周期
または1/4周期分異ならせた複数系統の拡散符号をそ
れぞれ生成し、これらの拡散符号を用いて並行して同期
点の検出を行なう、いわゆるパラレルサーチ方式も提唱
されている。この方式でも同期確立時間の短縮が可能で
ある。しかし、上記拡散符号の系統数に相当する数の同
期検出系を設けなければならず、また上記位相の異なる
複数の拡散符号を生成するためには大きな遅延が必要で
あるため、回路規模の大形化を招くという別の問題を生
じる。
【0009】この発明は上記事情に着目してなされたも
ので、その目的とするところは、回路規模の大形化を生
じること無く符号同期を短時間にかつ正確に捕捉するこ
とができるスペクトル拡散無線通信装置を提供すること
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
にこの発明のスペクトル拡散無線通信装置は、異なる振
幅情報を有する同一符号構成の複数の拡散符号を所定の
位相差を有して合成して多重拡散符号を発生するための
多重拡散符号発生手段と、この多重拡散符号発生手段に
より発生された多重拡散符号と受信信号との相関値を検
出するための相関検出手段と、この相関検出手段により
検出された相関値が、上記振幅情報に対応して予め定め
られた所定の振幅条件を満足するか否かを判定するため
の判定手段と、同期捕捉制御手段とを備えている。そし
て、この同期捕捉制御手段により、上記判定手段により
所定の条件を満足していると判定された場合には当該振
幅情報に対応する拡散符号の位相を同期点として認識
し、一方上記所定の条件を満足していないと判定された
場合には上記多重拡散符号のチップ位相を所定量シフト
するように制御したものである。
【0011】このように構成したことにより、多重拡散
符号と受信信号との相関値を基に同期点の検出が行なわ
れるので、同期検出系が1系統で済むことになり、これ
により回路規模の大形化は防止される。
【0012】また多重拡散符号には同一符号構成の複数
の拡散符号が所定の位相差を有して多重されているの
で、相関検出手段からは受信信号と上記各拡散符号との
相関値が上記所定の位相差を有してそれぞれ検出される
ことになる。このため、パラレルサーチ方式を採用した
場合と同様に同期点の検出に要する時間は短縮され、こ
れにより同期捕捉の高速化が可能となる。また、これに
よりチップ位相のシフト幅を粗くする必要がなくなるの
で、同期点付近の相関値を大きなレベルで確実に検出で
き、さらに伝送路上の雑音や緩衝妨害の影響を受け易く
なるため、同期確立の精度を高く保つことが可能とな
る。
【0013】さらに多重拡散符号を構成する複数の拡散
符号は、振幅値または極性等の振幅情報が予め異ならせ
てある。このため、上記振幅情報を基に同期点を表わす
拡散符号の位相を明確に識別して検出することができ
る。
【0014】一方、他の発明のスペクトル拡散無線通信
装置は、複数の同一の拡散符号を所定の位相差を有して
合成した多重拡散符号とこの多重拡散符号を構成する上
記複数の拡散符号のうちの一つとを選択的に発生するた
めの拡散符号発生手段と、一定期間ごとに、上記拡散符
号発生手段により発生された拡散符号と上記受信信号と
の相関値を検出するための相関検出手段と、この相関検
出手段により検出された相関値が予め設定した振幅条件
を満足するか否かを判定するための判定手段と、同期捕
捉制御手段とを備えている。そして、この同期捕捉制御
手段により、上記拡散符号発生手段から発生されている
拡散符号の種類と、上記判定手段による判定結果とに基
づいて、次の一定期間に上記拡散符号発生手段から発生
すべき拡散符号の種類と当該拡散符号を所定のチップ位
相分シフトさせるか否かを判定して上記拡散符号発生手
段に指示するようにしたものである。
【0015】このように構成したことにより、多重拡散
符号を用いた同期検出による同期点候補を検出し、この
同期点候補が真の同期点であるか否かを個別拡散符号を
用いた同期検出により確認することができ、これにより
高速でかつ正確な符号同期を行なうことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)この実施の形態は、振幅値を異な
らせた第1および第2の拡散符号を位相を1/2周期ず
らして合成することにより作成した多重拡散符号を捕捉
用ROMに予め記憶しておき、この捕捉用ROMをアド
レス指定することで上記多重拡散符号を読み出して受信
信号との相関値を検出し、この相関値を第1および第2
のしきい値と比較する。そして、その比較結果に基づい
て上記多重拡散符号の読出位置をシフトすることによ
り、受信信号に対する上記多重拡散符号の同期点を探索
するようにしたものである。
【0017】図1は、この実施の形態に係わるスペクト
ル拡散無線通信装置の受信系の要部構成を示す回路ブロ
ック図である。捕捉用ROM40には、事前に計算され
た多重拡散符号データMPSが1チップずつアドレスに
対応付けて記憶してある。この多重拡散符号データMP
Sは、基準となる拡散符号の振幅値を3倍に増幅した第
1の信号と、基準となる拡散符号と等振幅でかつ上記第
1の信号に対し位相が1/2周期ずれた第2の信号とを
合成し多重化したもので、アドレス発生回路41から出
力された読出アドレスに応じて捕捉用ROM40から読
み出される。
【0018】アドレス発生回路41は、アドレスカウン
タを有し、このアドレスカウンタにより発生された18
ビットからなる基本アドレスに、後述する同期捕捉系の
しきい値比較回路25および同期追尾系の遅延ロックル
ープ(DLL)回路31から供給されたアドレス制御信
号に対応するアドレス値を加減算し、この加減算後のア
ドレス値(18ビット)のうちの上位15ビットを上記
捕捉用ROM40に供給する。
【0019】なお、上記アドレス発生回路41は、クロ
ック発生器42から発生されるサンプルクロックCLK
に同期して動作するもので、このサンプルクロックCL
Kの立上がりでアドレスのカウント動作を行なう。また
捕捉用ROM40は、上記クロック発生器42から出力
されたサンプルクロックCLKを逓倍してチップクロッ
クを生成し、このチップクロックに同期して多重拡散符
号の読み出しを行なう。このとき、上記サンプリングク
ロックCLKとチップクロックとの関係は、サンプリン
グクロック周波数をfs、チップクロック周波数をfc
とすると、 fs=8×fc に設定される。
【0020】基地局から無線伝送路を介して到来した無
線信号波は、図示しないアンテナで受信されたのちアナ
ログ受信機で無線周波数から中間周波数にダウンコンバ
ートされる。そして、この受信中間周波信号RSは3分
岐されてデータ復調系、同期捕捉系および同期追尾系に
それぞれ入力される。
【0021】データ復調系は乗算器11を有しており、
この乗算器11では受信信号RSが上記捕捉用ROM4
0から読み出された多重拡散符号MPSと乗算されてこ
れにより逆拡散される。この逆拡散された受信信号は、
帯域通過フィルタ(BPF)12で不要波成分が除去さ
れたのち同期検波器13で検波される。そして、その検
波信号は積分器14で積分されて復調再生データDTと
なって図示しない復号回路に供給される。
【0022】一方、同期捕捉系は次のように構成され
る。すなわち、受信信号RSはまず乗算器21に入力さ
れ、ここで捕捉用ROM40から読み出された多重拡散
符号MPSと乗算される。そして、この乗算出力は、帯
域通過フィルタ(BPF)22で不要波成分が除去され
たのち二乗検波器23で二乗検波されてベースバンド信
号となり、さらに積分器24で1情報シンボル区間ごと
に積分される。この積分により、上記受信信号RSと多
重拡散符号MPSとの相関値が得られる。この相関値は
しきい値比較回路25に入力される。
【0023】しきい値比較回路25は、上記多重拡散符
号MPSを構成する第1および第2の信号の振幅値に対
応して予め設定された第1および第2のしきい値TH
1,TH2を有しており、上記相関値をこれら第1およ
び第2のしきい値TH1,TH2と比較する。そして、
その比較結果に基づいてアドレス発生回路41に3ビッ
トのアドレス制御信号を供給し、これによりアドレス発
生回路41から発生されるアドレス値を制御して、捕捉
用ROM40から発生される多重拡散符号の位相をシフ
ト制御する。また、それとともにしきい値比較回路25
は、上記比較結果に基づいてモード切替スイッチ26に
対しスイッチ制御信号を供給し、これによりモード切替
スイッチ26の切り替えを制御する。
【0024】モード切替スイッチ26は、同期捕捉モー
ドと同期追尾モードとを切り替えるためのもので、上記
スイッチ制御信号に応じて同期捕捉モードのときには上
記しきい値比較回路25をアドレス発生回路41に接続
し、一方同期追尾モードのときには後述する遅延ロック
ループ(DLL)回路31をアドレス発生回路41に接
続する。
【0025】同期追尾系はDLL回路31を有してい
る。DLL回路31は、捕捉した同期を追従するための
もので、前記同期捕捉系と同様に受信信号RSと同期中
の拡散符号との乗算、二乗検波および積分を行なって相
関値を求め、この相関値を同期追尾用のしきい値と比較
して、その比較結果を基に上記アドレス発生回路41か
ら発生されるアドレス値を制御する。このとき、アドレ
ス値のシフト幅は、上記同期捕捉時よりもきめ細かい位
相シフトを行なうために同期捕捉時よりも小さい値に設
定される。
【0026】次に、以上のように構成された装置の同期
捕捉動作を図2および図3を用いて説明する。同期捕捉
の開始に先立ち、モード切替スイッチ26は同期捕捉モ
ード側に、つまりしきい値比較回路25をアドレス発生
回路41に接続する側に初期設定される。
【0027】この状態で同期捕捉動作が開始されると、
アドレス発生回路41からは0番地から順に読出アドレ
ス(15ビット)が発生され、この読出アドレスに応じ
て捕捉用ROM40から多重拡散符号MPSがチップご
とに順次読み出される。
【0028】そうすると同期捕捉系では、受信信号RS
と上記多重拡散符号MPSとの1シンボル区間ごとの相
関値が検出され、この相関値はしきい値比較回路25で
第1および第2のしきい値TH1,TH2と比較され
る。このときまだ同期が確立されていなければ、上記相
関値は上記各しきい値TH1,TH2以下となる。この
ため、しきい値比較回路25からは図3に示すようにア
ドレス制御信号“010”が出力され、モード切替スイ
ッチ26を介してアドレス発生回路41に供給される。
【0029】アドレス発生回路41は、上記アドレス制
御信号“010”に応じて、アドレスカウンタから発生
される18ビットの基本アドレスに+2 [DEC]を加算す
る。このときアドレスカウンタは、サンプルクロックC
LKに同期してカウント動作を行なっているため、カウ
ント値の「1」は1/8チップに相当する。このため、
上記+2の加算によりアドレス値は拡散符号の+1/4
チップ分に相当する値だけシフトされることになる。し
たがって、捕捉用ROM40から読み出される多重拡散
符号は1/4チップ分シフトされる。
【0030】以後同様に同期捕捉系では、受信信号RS
と多重拡散符号MPSとの相関値が第1のしきい値TH
1または第2のしきい値TH2を超えるまで、多重拡散
符号MPSを1/4チップずつシフトしながら同期点探
索が繰り返し行なわれる。
【0031】さて、以上の捕捉動作中に相関値が TH1>相関値>TH2 になったとする。そうすると、このとき多重拡散符号の
位相と相関値との関係は図4に示すように予め設定され
ているため、しきい値比較回路25では受信信号RSに
対する現時点の多重拡散符号MPSの位相は正規の同期
点から拡散符号の1/2周期だけ離間しているものと判
断され、図4の関係よりアドレス制御信号“100”が
出力される。このアドレス制御信号“100”は現在の
多重拡散符号の位相を拡散符号の1/2周期シフトさせ
ることを指示するものである。このため、アドレス発生
回路41では、上記アドレス制御信号“100”に応じ
て拡散符号の1/2周期に相当する+131072 [DE
C]が基本アドレスに加算される。
【0032】すなわち、アドレス発生回路41では、 なる演算が行なわれることになり、このうちの上位15
ビットである 100 0000 0001 0000 (BIN) がアドレス値ADとして捕捉用ROM40に供給され
る。図2は捕捉用ROM40におけるアドレスの1/2
周期シフトの様子を示すものである。したがって、次の
タイミングにおいて捕捉用ROM40からは1/2周期
分位相がシフトされた多重拡散符号が読み出されること
になる。
【0033】上記1/2周期位相がシフトされた多重拡
散符号が読み出されると、この多重拡散符号の位相は受
信信号RSの位相と同期することになるので、この多重
拡散符号と受信信号RSとの相関値は図4に示すごとく
第1のしきい値TH1を超える。このため、しきい値比
較回路25では同期点が検出されたと判断され、アドレ
ス制御信号として図3に示すようにアドレスのシフトを
行なわせないことを指示する信号“000”が出力され
る。これにより、受信信号に対する多重拡散符号の位相
は固定される。
【0034】また、それとともにしきい値比較回路25
からモード切替スイッチ26へはスイッチ制御信号が出
力される。このため、モード切替スイッチ26はしきい
値比較回路25側からDLL回路31側に切替わる。し
たがって、以後DLL回路31が動作状態となり、これ
により装置は同期追尾モードに移行する。
【0035】以上述べたようにこの実施の形態では、振
幅値を異ならせた第1および第2の拡散符号を位相を1
/2周期ずらして合成することにより作成した多重拡散
符号MPSを捕捉用ROM40に予め記憶しておき、こ
の捕捉用ROM40をアドレス指定することで上記多重
拡散符号MPSを読み出して受信信号RSとの相関値を
検出し、この相関値をしきい値比較回路25で第1およ
び第2のしきい値TH1,TH2と比較して、その比較
結果に基づいて上記多重拡散符号MPSの読出位置をシ
フトすることにより、受信信号RSに対する上記多重拡
散符号MPSの同期点を探索するようにしている。
【0036】したがってこの構成によれば、多重拡散符
号MPSを用いたことにより、従来の1個の拡散符号を
使用した場合に比べて同期点を検出するまでに要する拡
散符号のシフト数を1/2にし、これにより同期捕捉時
間の最長時間を1/2に短縮して同期速度の高速化を図
ることができる。また多重拡散符号MPSを用いたこと
により、同期捕捉系を1系統のみにすることができ、こ
れにより従来のパラレルサーチ方式に比べて回路規模を
1/2に抑えて装置の小形化およびコストダウンを図る
ことができる。
【0037】しかも、多重拡散符号MPSを構成する第
1および第2の拡散符号の振幅値を異ならせているの
で、相関値がしきい値を超えた時点でその時の拡散符号
の位相を即時特定することができ、これにより同期点の
確認工程が不要となってその分同期捕捉時間を短縮する
ことができる。
【0038】さらには多重拡散符号を捕捉用ROM40
に予め記憶しておき、アドレス指定により多重拡散符号
を読み出して受信信号RSとの相関値の検出に供するよ
うにしたので、多重拡散符号の位相シフトを極めて簡単
な制御および回路構成により行なうことが可能となり、
しかもシフト幅を随時任意に設定できるようになって高
精度の同期点探索を行なうことができる。
【0039】(第2の実施の形態)この実施の形態は、
極性を異ならせた第1および第2の拡散符号を位相を1
/2周期ずらして合成することで多重拡散符号を構成
し、この多重拡散符号と受信信号との相関値の判定を、
極性の異なる第3および第4のしきい値により判定によ
り行なうようにしたものである。
【0040】図5は、この実施の形態における多重拡散
符号の位相と相関値との関係、および相関値と各しきい
値との関係を示したものである。なお、この実施の形態
に係わる装置の回路構成は、前記第1の実施の形態の回
路構成(図1)と、捕捉用ROM40に記憶される多重
拡散符号の構成およびしきい値比較回路25の機能を除
いて同一であるので、ここではその説明を省略する。
【0041】すなわち、多重拡散符号は、正の振幅を有
する第1の拡散符号信号に、この第1の拡散符号信号と
は振幅が逆極性(負)でかつ位相が1/2周期ずれた第
2の信号を合成したものである。この多重拡散符号は、
前記第1の実施の形態と同様に捕捉用ROM40に予め
記憶され、アドレス発生回路41からのアドレス指定に
従って読み出される。
【0042】またしきい値比較回路25は、上記多重拡
散符号の第1および第2の拡散符号信号の振幅極性に対
応して予め設定された第3および第4のしきい値TH
3,TH4を有しており、積分器24から出力された相
関値をこれらのしきい値TH3,TH4と比較する。そ
して、所定の振幅値以上の相関値が検出された場合に、
その極性を判定することで、同期点に相当する拡散符号
の位相を認識する。そして、この認識結果に従って、相
関値の極性が正であればそのときの多重拡散符号の位相
を同期展と看做して以後同期追尾モードに移行し、一方
相関値の極性が負であれば多重拡散符号の位相を1/2
周期分シフトさせて同期展に合わせる。
【0043】このような構成であれば、第1の実施の形
態に比べて、無線回線の状態の変動などによる受信信号
の振幅値変動の影響を排除してさらに正確な相関値判定
を行なうことが可能となる。
【0044】なお、上記第1の実施の形態および第2の
実施の形態は次のような各種変形が可能である。すなわ
ち、多重拡散符号を構成する拡散符号の数は2以外に3
以上であってもよく、また多重する各拡散符号の位相は
如何に設定してもよい。拡散符号の多重数を増やせば増
やすほど同期検出に要する最長時間を短くして同期捕捉
速度の高速化を図ることができる。ちなみに、第2の実
施の形態において多重数を3以上にする場合には、同一
極性の複数の拡散符号にの振幅値を異ならせればよい。
【0045】(第3の実施の形態)この実施の形態は、
複数の同一符号構成のシングル拡散符号を位相を一定量
ずつずらして合成した多重拡散符号と、上記シングル拡
散符号の一つとを捕捉用ROMに予め記憶しておき、同
期捕捉モードにおいては先ず上記多重拡散符号を所定の
チップ位相ずつシフトしながら読み出して受信信号との
相関を検出し、この相関値がしきい値を超えるとこの時
の多重拡散符号の位相を同期候補点として認識する。次
に、シングル拡散符号を読み出して受信信号との相関値
を検出し、この相関値がしきい値を超えるとこの時のシ
ングル拡散符号の位相を正規の同期点として認識して、
以後同期追尾モードに移行するようにしたものである。
【0046】図6は、この実施の形態に係わるスペクト
ル拡散無線通信装置の受信系の要部構成を示す回路ブロ
ック図である。なお、同図において前記図1と同一部分
には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0047】この実施の形態の無線通信装置は、同期捕
捉モードにおいて使用する捕捉用ROM51と、同期追
尾モードにおいて使用する追尾用ROM52とが設けら
れている。
【0048】先ず捕捉用ROM51には、基準の位相を
有する拡散符号(シングル拡散符号)と、このシングル
拡散符号およびその位相から1/4周期、2/4周期、
3/4周期それぞれ位相が進んでいる3個のシングル拡
散符号を多重化した信号(多重度4の多重拡散符号)と
が予め記憶してある。
【0049】図10(a),(b)はそれぞれ上記多重
拡散符号およびシングル拡散符号の自己相関関数を示し
たものである。多重拡散符号は、4個の拡散符号が1/
4周期の間隔で多重化されているため、(a)に示すご
とく拡散符号の1周期期間に等間隔で4つの相関ピーク
が現れる。これに対しシングル拡散符号は、(b)に示
すごとく1周期期間に1個の相関ピークが現れる。
【0050】上記多重拡散符号(4ビット)およびシン
グル拡散符号(4ビット)は、アドレス発生回路53か
ら発生される読出アドレス(15ビット)ADに従っ
て、捕捉用ROM51から1チップずつ順次読み出され
る。そして、これらの多重拡散符号およびシングル拡散
符号は、拡散符号切替スイッチ55により択一的に選択
されたのち、同期捕捉系の乗算器21およびデータ復調
系の乗算器11に供給される。
【0051】同期捕捉系では、乗算器21、二乗検波器
23および積分器24により上記上記多重拡散符号また
はシングル拡散符号と受信信号との相関値が検出され、
この相関値はしきい値比較回路27に入力される。
【0052】しきい値比較回路27は、図10に示した
第1のしきい値TH1を有しており、上記相関値を第1
のしきい値TH1と比較してその比較結果に応じて3ビ
ットの捕捉アドレス制御信号を発生し、この捕捉アドレ
ス制御信号をモード切替スイッチ26を介してアドレス
発生回路53に供給する。またしきい値比較回路27
は、上記比較結果に応じてモード切替信号を発生してモ
ード切替スイッチ26の切替制御を行なう機能と、拡散
符号切替信号を発生して上記拡散符号切替スイッチ55
の切替制御を行なう機能とを有している。図8は、上記
しきい値比較回路27における入出力信号の関係とアド
レス発生回路53のアドレス発生動作との関係をそれぞ
れ示したものである。
【0053】一方、追尾用ROM52には、上記シング
ル拡散符号の位相つまり基準位相に対し、位相が1/2
チップ進んでいる進み拡散符号PN(E)と、1/2チ
ップ遅れている遅れ拡散符号PN(L)とが予め記憶し
てある。これらの進み拡散符号PN(E)および遅れ拡
散符号PN(L)は、上記アドレス発生回路53から発
生された)読出アドレスADに従って追尾用ROM52
からそれぞれ読み出され、遅延ロックループ(DLL)
回路31に供給される。
【0054】DLL回路31では、上記進み拡散符号P
N(E)と受信信号との相関値、および上記遅れ拡散符
号PN(L)と受信信号との相関値がそれぞれ検出さ
れ、これらの相関値によりS曲線と呼ばれる制御信号が
作成される。そして、このS曲線が第2のしきい値
(正)TH2および第3のしきい値(負)TH3と比較
され、その比較結果に応じて追尾アドレス制御信号(3
ビット)を発生し、この追尾アドレス制御信号を上記モ
ード切替スイッチ26を介してアドレス発生回路53に
供給する。
【0055】アドレス発生回路53は、アドレスカウン
タを有し、このアドレスカウンタにより発生された18
ビットからなる基本アドレスに、上記しきい値比較回路
27から供給された捕捉アドレス制御信号に対応するア
ドレス値、あるいは上記DLL回路31から供給された
追尾アドレス制御信号に対応するアドレス値を加減算
し、この加減算後のアドレス値(18ビット)のうちの
上位15ビットを上記捕捉用ROM51または追尾用R
OM52に供給する。上記アドレス値の加減算は、次の
タイミングでROM51,52から読み出す拡散符号の
位相をシフトするためであり、その位相シフト量は多重
拡散符号による同期捕捉時には1/4チップに、またシ
ングル拡散符号による同期点捕捉時には拡散符号の1/
4周期にそれぞれ設定され、さらに同期追尾モードの時
には1/8チップとなるように設定される。
【0056】なお、上記アドレス発生回路53は、クロ
ック発生器42から発生されるサンプルクロックCLK
に同期して動作するもので、このサンプルクロックCL
Kの立上がりでアドレスのカウント動作を行なう。また
捕捉用ROM51および追尾用ROM52は、上記クロ
ック発生器42から出力されたサンプルクロックCLK
を逓倍してチップクロックを生成し、このチップクロッ
クに同期して拡散符号の読み出しを行なう。このとき、
上記サンプリングクロックCLKとチップクロックとの
関係は、サンプリングクロック周波数をfs、チップク
ロック周波数をfcとすると、 fs=8×fc に設定される。
【0057】次に、以上のように構成された装置の同期
捕捉動作および同期追尾動作を図7乃至図10を用いて
説明する。同期捕捉動作の開始に先立ち、モード切替ス
イッチ26は同期捕捉モード側に、つまりしきい値比較
回路27をアドレス発生回路53に接続する側に初期設
定され、また拡散符号切替スイッチ55は多重モード側
に、つまり多重拡散符号を選択する側に初期設定され
る。
【0058】この状態で同期捕捉動作が開始されると、
アドレス発生回路53からは0番地から順に読出アドレ
ス(15ビット)が発生され、この読出アドレスに応じ
て捕捉用ROM51からは多重拡散符号およびシングル
拡散符号がチップごとに順次読み出される。そして、こ
のうちの多重拡散符号が拡散符号切替スイッチ55によ
り選択されて同期捕捉系の乗算器21に供給される。
【0059】同期捕捉系では、受信信号RSと上記多重
拡散符号との1シンボル区間ごとの相関値が検出され、
この相関値はしきい値比較回路27で第1のしきい値T
H1と比較される。このときまだ同期が確立されていな
いとすれば、上記相関値は上記第1のしきい値TH1以
下となる。このため、しきい値比較回路27からは、図
8に示すように多重拡散符号の発生位相を1/4チップ
シフトするための捕捉アドレス制御信号“010”が出
力され、この制御信号はモード切替スイッチ26を介し
てアドレス発生回路53に供給される。
【0060】アドレス発生回路53は、上記捕捉アドレ
ス制御信号“010”に応じて、アドレスカウンタから
発生される18ビットの基本アドレスに+2 [DEC]を加
算する。このときアドレスカウンタは、サンプルクロッ
クCLKに同期してカウント動作を行なっているため、
カウント値の「1」は1/8チップに相当する。このた
め、上記+2の加算によりアドレス値は拡散符号の+1
/4チップ分に相当する値だけシフトされることにな
る。したがって、捕捉用ROM51から読み出される多
重拡散符号は1/4チップ分シフトされる。
【0061】以後同様に同期捕捉系では、受信信号RS
と多重拡散符号との相関値が第1のしきい値TH1を超
えるまで、図10の区間Aに示すごとく多重拡散符号を
1/4チップずつシフトしながら同期点探索が繰り返し
行なわれる。
【0062】さて、以上の多重拡散符号による同期点探
索動作中に相関値が TH1<相関値 になったとする。そうするとしきい値比較回路27は、
同期点候補が見付かったと判断してこれを確認するため
にシングルモードに切替える。すなわち、拡散符号切替
スイッチ55へ拡散符号切替信号を出力して当該切替ス
イッチ55を多重拡散符号側からシングル拡散符号側に
切替える。またアドレス発生回路53へは、拡散符号の
位相シフトを行なわせないアドレス制御信号“000”
を出力する。
【0063】シングルモードになると、同期捕捉系では
上記拡散符号切替スイッチ55により選択出力されたシ
ングル拡散符号と受信信号RSとの相関値が検出され、
この相関値がしきい値比較回路27で第1のしきい値T
H1と比較される。そして、いま仮に図10に示すごと
く上記同期点候補が正規の同期点でなかったとすれば、
上記相関値はしきい値TH1以下となる。そうするとし
きい値比較回路27からは、図8に示すごとくシングル
拡散符号を1/4周期分シフトさせるためのアドレス制
御信号“011”が出力される。この制御信号を受け取
るとアドレス発生回路53では、拡散符号の1/4周期
に相当する+65536 [DEC]が基本アドレスに加算さ
れる。
【0064】すなわち、アドレス発生回路53では、 なる演算が行なわれることになり、このうちの上位15
ビットである 010 0000 0001 0000 (BIN) がアドレス値ADとして捕捉用ROM51に供給され
る。図7は捕捉用ROM53におけるアドレスの1/4
周期シフトの様子を示すものである。したがって、次の
読み出しタイミングにおいて捕捉用ROM51からは位
相が1/4周期シフトされたシングル拡散符号が読み出
されることになる。
【0065】そうすると同期捕捉系では、位相が1/4
周期シフトされた上記シングル拡散符号と受信信号RS
との相関値が検出され、第1のしきい値TH1と比較さ
れる。そして、この比較においてもまだ相関値が第1の
しきい値TH1以下であれば、しきい値比較回路27は
再びシングル拡散符号を1/4周期シフトさせるための
アドレス制御信号“011”をアドレス発生回路53に
供給する。このため、アドレス発生回路53から発生さ
れるアドレス値はさらに1/4周期に相当する分だけシ
フトされ、この結果捕捉用ROM51から読み出される
シングル拡散符号の位相は図10に示すごとく1/4周
期分シフトされる。
【0066】一方、以上のような1/4周期ずつの位相
シフトにより、シングル拡散符号と受信信号RSとの相
関値が第1のしきい値TH1を超えたとする。そうする
としきい値比較回路27は、同期点が見付かったと判断
して、図8に示すごとくシングル拡散符号の位相を固定
させるためのアドレス制御信号“000”をアドレス発
生回路53に供給する。このためアドレス発生回路53
は、位相シフトを行なわずにシングル拡散符号の発生を
継続する。
【0067】また、それとともにしきい値比較回路27
は、モード切替スイッチ25に対しモード切替信号を与
え、これによりモード切替スイッチ25をしきい値比較
回路27側からDLL回路31側に切替える。すなわち
同期追尾モードに移行させる。
【0068】同期追尾モードに移行すると、DLL回路
31において、追尾用ROM52から発生された進み拡
散符号PN(E)および遅れ拡散符号PN(L)と受信
信号RSとの相関値がそれぞれ検出され、これらの相関
値によるS曲線(DLL相関値)が第2および第3のし
きい値TH2,TH3と比較される。そして、 DLL相関値<第3のしきい値TH3 であれば、図9に示すごとく追尾アドレス制御信号“0
01”がアドレス発生回路53に供給される。このた
め、アドレス発生回路53では、上記追尾アドレス制御
信号“001”に応じて基本アドレスに+1が加算さ
れ、その加算後のアドレス値が追尾用ROM52に供給
される。このため、追尾用ROM52からは位相が+1
/8チップシフトされた進み拡散符号PN(E)および
遅れ拡散符号PN(L)が発生される。
【0069】一方、上記進み拡散符号PN(E)および
遅れ拡散符号PN(L)と受信信号RSとのDLL相関
値が DLL相関値<第2のしきい値TH2 だった場合には、図9に示すごとく追尾アドレス制御信
号“111”がアドレス発生回路53に供給される。こ
のため、アドレス発生回路53では、上記追尾アドレス
制御信号“111”に応じて基本アドレスに−1が加算
され、その加算後のアドレス値が追尾用ROM52に供
給される。このため、追尾用ROM52からは位相が−
1/8チップシフトされた進み拡散符号PN(E)およ
び遅れ拡散符号PN(L)が発生されることになる。
【0070】また、進み拡散符号PN(E)および遅れ
拡散符号PN(L)と受信信号RSとのDLL相関値が 第3のしきい値TH3≦DLL相関値≦第2のしきい値
TH2 であれば、図9に示すごとく追尾アドレス制御信号“0
00”がアドレス発生回路53に供給される。このた
め、アドレス発生回路53ではアドレスの加減算は行な
われず、したがって追尾用ROM52から読み出される
進み拡散符号PN(E)および遅れ拡散符号PN(L)
のチップ位相は変更されない。
【0071】以後同様に同期追尾モードでは、進み拡散
符号PN(E)および遅れ拡散符号PN(L)と受信信
号RSとのDLL相関値が、 第3のしきい値TH3≦DLL相関値≦第2のしきい値
TH2 の条件を満たすように、進み拡散符号PN(E)および
遅れ拡散符号PN(L)の位相が1/8チップ単位で細
かく可変制御される。
【0072】以上のようにこの実施の形態では、4個の
シングル拡散符号を位相を1/4周期ずつ相互にずらし
て合成した多重拡散符号と、上記4個のシングル拡散符
号のうち基準位相のシングル拡散符号とを捕捉用ROM
51に予め記憶しておく。そして、同期捕捉モードにお
いて、先ず多重モードを設定して、上記多重拡散符号を
1/4チップ位相ずつシフトしながら読み出して受信信
号RSとの相関値を検出し、この相関値が第1のしきい
値TH1を超えるとこの時の多重拡散符号の位相を同期
候補点として認識する。次に、シングルモードに設定し
て、シングル拡散符号を1/4周期ずつシフトしながら
上記捕捉用ROM51から読み出して受信信号RSとの
相関値を検出し、この相関値が第1のしきい値TH1を
超えるとこの時のシングル拡散符号の位相を正規の同期
点として認識し、以後同期追尾モードに移行するように
している。
【0073】したがってこの実施の形態であれば、同期
捕捉開始当初では多重拡散符号を用い、同期点候補が検
出された後にはシングル拡散符号に切替えるようにした
ことにより、シングル拡散符号のみを使用した場合に比
べて同期点を検出するまでに要する拡散符号のシフト数
を大幅に減らし、これにより同期捕捉時間の最長時間を
1/4余りに短縮して同期速度の高速化を図ることがで
きる。また多重度4の多重拡散符号を用いて同期点候補
を検出することにより、同期捕捉系を1系統のみにする
ことができ、これにより従来のパラレルサーチ方式に比
べて回路規模を1/4に抑えて装置の小形化およびコス
トダウンを図ることができる。
【0074】また、多重拡散符号は同期点候補を探索す
るために用い、この同期点候補を基にシングル拡散符号
を用いて正規の同期点を探索するようにしているので、
多重拡散符号のみを使用して正規の同期点を検出する場
合に比べて、受信信号の振幅変動などの影響を軽減して
より正確な同期捕捉を行なうことができる。
【0075】さらに、この実施の形態の同期捕捉方式で
あれば、変調方式としてQPSK方式を採用した場合で
も正確な同期捕捉を行なうことができる。すなわち、同
期捕捉系における二乗検波後の信号はI2 +Q2 の平方
根となるので、振幅の極性を表わす成分が現れない。し
かし、この実施の形態のように同期点候補が検出された
後にシングル拡散符号を用いて正規の同期点を探索する
ようにしているので、振幅極性の有無に関わらず正確な
同期点検出を行なうことができる。ちなみに、前記第2
の実施の形態で述べたように、極性の異なる複数の拡散
符号を合成した多重拡散符号のみを用いて同期点を探索
する方式では、極性による位相判別を行なうことができ
ない。
【0076】また、同期捕捉用の多重拡散符号およびシ
ングル拡散符号を捕捉用ROM51に予め記憶しておく
とともに、同期追尾用の進み拡散符号PN(E)および
遅れ拡散符号PN(L)を追尾用ROM52に予め記憶
しておき、アドレス発生回路53からのアドレス指定に
より上記各拡散符号を読み出して受信信号RSとの相関
値の検出に供するようにしているので、各拡散符号の位
相シフトを極めて簡単な制御および回路構成により行な
うことが可能となり、しかもシフト幅を随時任意に設定
できるようになって高精度の同期点探索を行なうことが
できる。
【0077】なお、この実施の形態は次のような改良が
可能である。すなわち、図6では捕捉用ROM51と追
尾用ROM52とを別々に設けたが、1個のROMに共
通化することも可能である。
【0078】また、追尾モードに移行した後に一定期間
連続してDLL相関値がDLL相関値<TH3となる
か、またはDLL相関値>TH2となった場合には、追
尾モードから同期捕捉モードに戻して同期捕捉をやり直
すようにしてもよい。
【0079】その他、装置の回路構成、同期捕捉の制御
手順および制御内容、同期追尾の制御手順および制御内
容、多重拡散符号の構成をなどについても、本発明の要
旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できることはい
うまでもない。
【0080】
【発明の効果】以上詳述したように本発明のスペクトル
拡散無線通信装置では、異なる振幅情報を有する同一符
号構成の複数の拡散符号を所定の位相差を有して合成し
て多重拡散符号を発生し、この多重拡散符号と受信信号
との相関値を検出を検出してこの相関値が所定の振幅条
件を満足するか否かを判定する。そして、上記相関値が
所定の条件を満足していると判定された場合には、当該
振幅情報に対応する拡散符号の位相を同期点として認識
し、一方上記所定の条件を満足していないと判定された
場合には上記多重拡散符号のチップ位相を所定量シフト
するように制御することにより、同期点探索を行なうよ
うにしている。
【0081】また他の発明では、複数の個別拡散符号を
所定の相互位相差を持たせて合成した多重拡散符号と、
上記複数の個別拡散符号のうちの基準位相を有する個別
拡散符号とをそれぞれ発生する手段を備え、同期捕捉開
始時には上記多重拡散符号を選択してこの多重拡散符号
と受信信号との相関値を検出し、この相関値が予め設定
した振幅条件を満足するか否かを判定して、その判定結
果を基に同期点候補を探索する。そして、この同期点候
補が検出された後には、上記個別拡散符号を選択してこ
の個別拡散符号と受信信号との相関値を検出し、この相
関値が予め設定した振幅条件を満足するか否かを判定し
て、この判定結果を基に正規の同期点の探索を行なうよ
うにしている。
【0082】したがってこれらの発明によれば、回路規
模の大形化を生じること無く符号同期を短時間にかつ正
確に捕捉することができるスペクトル拡散無線通信装置
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態に係わるスペクト
ル拡散無線通信装置の受信系の要部構成を示す回路ブロ
ック図。
【図2】図1に示した装置の捕捉用ROMにおける多重
拡散符号の位相シフト動作を説明するための図。
【図3】図1に示した装置のしきい値比較回路における
同期捕捉制御動作の内容を示す図。
【図4】多重拡散符号の自己相関関数としきい値との関
係を示す図。
【図5】この発明の第2の実施の形態に係わる多重拡散
符号の自己相関関数としきい値との関係を示す図。
【図6】この発明の第3の実施の形態に係わるスペクト
ル拡散無線通信装置の受信系の要部構成を示す回路ブロ
ック図。
【図7】図6に示した装置の捕捉用ROMにおける多重
拡散符号およびシングル拡散符号の位相シフト動作を説
明するための図。
【図8】図6に示した装置のしきい値比較回路における
同期捕捉制御動作の内容を示す図。
【図9】図6に示した装置のDLL回路における同期追
従制御動作の内容を示す図。
【図10】多重拡散符号およびシングル拡散符号の自己
相関関数としきい値との関係および同期点探索動作の一
例を示す図。
【符号の説明】
11…データ復調系の乗算器 12…データ復調系の帯域通過フィルタ(BPF) 13…同期検波器 14…復調データ再生用の積分器 21…同期捕捉系の乗算器 22…同期捕捉系の帯域通過フィルタ(BPF) 23…二乗検波器 24…相関値検出用の積分器 25,27…しきい値比較回路 26…モード切替スイッチ 31…遅延ロックループ(DLL)回路 40,51…捕捉用ROM 41,53…アドレス発生回路 42…クロック発生器 52…追尾用ROM 55…拡散符号切替スイッチ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 拡散符号によりスペクトル拡散された無
    線信号を受信し、この受信信号を前記拡散符号により逆
    拡散してデータを復調するスペクトル拡散無線通信装置
    において、 異なる振幅情報を有する同一符号構成の複数の拡散符号
    を所定の位相差を有して合成して多重拡散符号を発生す
    るための多重拡散符号発生手段と、 この多重拡散符号発生手段により発生された多重拡散符
    号と前記受信信号との相関値を検出するための相関検出
    手段と、 この相関検出手段により検出された相関値が、前記振幅
    情報に対応して予め定められた所定の振幅条件を満足す
    るか否かを判定するための判定手段と、 この判定手段により所定の条件を満足していると判定さ
    れた場合には当該振幅情報に対応する拡散符号の位相を
    同期点として認識し、一方前記所定の条件を満足してい
    ないと判定された場合には前記多重拡散符号のチップ位
    相を所定量シフトする同期捕捉制御手段とを具備したこ
    とを特徴とするスペクトル拡散無線通信装置。
  2. 【請求項2】 多重拡散符号発生手段は、同一極性でか
    つ振幅値の異なる複数の拡散符号を所定の位相差を有し
    て合成して多重拡散符号を発生し、 かつ判定手段は、前記振幅値に対応して予め設定したし
    きい値を基に前記相関値の判定を行なうことを特徴とす
    る請求項1記載のスペクトル拡散無線通信装置。
  3. 【請求項3】 多重拡散符号発生手段は、極性の異なる
    複数の拡散符号を所定の位相差を有して合成して多重拡
    散符号を発生し、 かつ判定手段は、前記極性に応じて予め設定したしきい
    値を基に前記相関値の判定を行なうことを特徴とする請
    求項1記載のスペクトル拡散無線通信装置。
  4. 【請求項4】 多重拡散符号発生手段は、多重拡散符号
    を予め記憶した拡散符号記憶手段と、この拡散符号記憶
    手段に対しアドレスを供給して多重拡散符号を所望のチ
    ップ位相から読み出すアドレス発生手段とを備えること
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のスペク
    トル拡散無線通信装置。
  5. 【請求項5】 拡散符号によりスペクトル拡散された無
    線信号を受信し、この受信信号を前記拡散符号により逆
    拡散してデータを復調するスペクトル拡散無線通信装置
    において、 符号構成が同一の複数の拡散符号を所定の位相差を有し
    て合成した多重拡散符号とこの多重拡散符号を構成する
    前記複数の拡散符号のうちの一つとを選択的に発生する
    ための拡散符号発生手段と、 一定期間ごとに、前記拡散符号発生手段により発生され
    た拡散符号と前記受信信号との相関値を検出するための
    相関検出手段と、 この相関検出手段により検出された相関値が予め設定し
    た振幅条件を満足するか否かを判定するための判定手段
    と、 前記拡散符号発生手段から発生されている拡散符号の種
    類と、前記判定手段による判定結果とに基づいて、次の
    一定期間に前記拡散符号発生手段から発生すべき拡散符
    号の種類と当該拡散符号を所定のチップ位相分シフトさ
    せるか否かを判定して前記拡散符号発生手段に指示する
    ための同期捕捉制御手段とを具備したことを特徴とする
    スペクトル拡散無線通信装置。
  6. 【請求項6】 同期捕捉制御手段は、先ず前記拡散符号
    発生手段から多重拡散符号を発生させて前記判定手段の
    判定結果を基に同期点候補を探索する多重モード制御を
    行ない、この多重モード制御により同期点候補が検出さ
    れると、次に前記拡散符号発生手段から拡散符号を個別
    に発生させて前記判定手段の判定結果を基に前記同期点
    候補が真の同期点であるか否かを判定するシングルモー
    ド制御を行なうことを特徴とする請求項5記載のスペク
    トル拡散無線通信装置。
  7. 【請求項7】 同期捕捉制御手段は、前記シングルモー
    ド制御において同期点候補が真の同期点ではないと判定
    された場合には、前記多重モード制御に戻って同期点候
    補の探索をやり直すことを特徴とする請求項6記載のス
    ペクトル拡散無線通信装置。
  8. 【請求項8】 同期捕捉制御手段は、多重モード制御に
    おける多重拡散符号の位相シフト幅とシングルモード制
    御における個別拡散符号の位相シフト幅とを異ならせる
    ことを特徴とする請求項6記載のスペクトル拡散無線通
    信装置。
  9. 【請求項9】 拡散符号発生手段は、 多重拡散符号および個別拡散符号を予め記憶した拡散符
    号記憶手段と、 同期捕捉制御手段から出力される拡散符号の種類を指定
    する情報およびチップ位相のシフトを指示する情報に従
    い、多重拡散符号用のアドレス情報および個別拡散符号
    用のアドレス情報を選択的に発生して前記拡散符号記憶
    手段に供給し、これにより多重拡散符号および個別拡散
    符号を指定されたチップ位相から選択的に読み出すため
    のアドレス発生手段とを備えることを特徴とする請求項
    5記載のスペクトル拡散無線通信装置。
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