JPH0955364A - 半導体装置における膜平坦化方法 - Google Patents

半導体装置における膜平坦化方法

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JPH0955364A
JPH0955364A JP7229711A JP22971195A JPH0955364A JP H0955364 A JPH0955364 A JP H0955364A JP 7229711 A JP7229711 A JP 7229711A JP 22971195 A JP22971195 A JP 22971195A JP H0955364 A JPH0955364 A JP H0955364A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ウエハ面内における研磨均一性を損なうことな
く、研磨量の制御性に優れ、均一で平坦な膜を形成し得
る、半導体装置における膜平坦化方法を提供する。 【構成】膜平坦化方法は、(イ)基体10に設けられた
段差部14の少なくとも頂部に第1の膜21を形成する
工程と、(ロ)第1の膜21よりも研磨速度が早く、リ
ンを6乃至9重量%含有する第2の膜22で段差部14
を被覆する工程と、(ハ)第2の膜22を研磨し、段差
部14の頂部に形成された第1の膜21を露出させる工
程、から成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置の製造
工程における層間絶縁層の平坦化、トレンチ素子分離領
域の平坦化等に適用し得る、半導体装置における膜平坦
化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置を作製する上で、半導体基板
に例えばLOCOS構造から成る素子分離領域や配線を
形成したり、素子分離領域上に配線を形成したり、半導
体基板上に層間絶縁層を形成してかかる層間絶縁層の上
に配線を形成することが不可欠である。そして、配線等
が形成された半導体基板、配線等が形成された層間絶縁
層、LOCOS構造から成る素子分離領域が形成された
半導体基板、更にはLOCOS構造から成る素子分離領
域の上に形成された配線等を有する半導体基板等(以
下、総称して半導体装置中間物とも呼ぶ)の表面には、
配線や素子分離領域等によって大きな凹凸が形成されて
いる。その結果、半導体装置中間物の表面の高さは局所
的に変化しており、平坦になっていない。
【0003】半導体集積回路の微細化に伴い、フォトリ
ソグラフィー技術において用いられる露光光は短波長化
している。露光焦点深度は露光光の波長の逆数に比例す
る。従って、投影光学系の露光焦点深度が浅くなってい
る。それ故、半導体装置中間物の表面にフォトレジスト
を塗布し、かかるフォトレジストを露光するとき、半導
体装置中間物の表面に大きな凹凸が存在すると、投影光
学系からのフォトレジストの位置が投影光学系の最適露
光焦点深度内に収まらなくなる。その結果、フォトレジ
ストの露光・現像処理を行って得られる半導体装置中間
物上のフォトレジストパターンの線幅が、半導体装置中
間物において局所的に変動するという問題が生じる。あ
るいは又、フォトレジストパターンの形状が所望の形状
から逸脱した状態になるという問題が起きる。
【0004】更には、層間絶縁層の表面に大きな凹凸が
存在する場合、層間絶縁層上に配線層を形成したとき、
配線層の局所的な膜厚変動を招く。このような配線層を
所望の形状にパターニングしたとき、配線層の薄い部分
から形成された配線は、その厚さが薄くなり、かかる配
線の部分の耐圧が低下するという問題もある。
【0005】現在、半導体装置中間物の表面に凹凸を出
来るだけ形成しない技術が、各種検討されている。これ
らの技術として、ホウ素リンシリケートガラス(BPS
G)リフロー法、絶縁膜堆積エッチバック法、SOG
(Spin On Glass)平滑化法、表面凸部を積極的にエッ
チングして平坦化する方法、あるいは研磨平坦化技術を
挙げることができる。
【0006】以下、研磨平坦化技術の概要を図23の工
程図によって説明する。
【0007】図23の(A)に示すように、半導体基板
110の表面には配線114が形成されている。このよ
うな半導体基板110の上に、例えばCVD法にて酸化
シリコンから成る絶縁層121を形成する(図23の
(B)参照)。次いで図23の(C)に示すように、か
かる絶縁層121の上面側を研磨して、その表面を平坦
化する。
【0008】一方、従来から、半導体装置の素子分離領
域形成方法としてLOCOS法が用いられている。この
LOCOS法においては、窒化シリコン膜をマスクとし
て、シリコン半導体基板を選択的に熱酸化することによ
って、酸化膜から成る素子分離領域をシリコン半導体基
板に形成する。しかしながら、熱酸化時に、窒化シリコ
ン膜のエッジ部分からシリコン半導体基板の横方向に酸
化膜が窒化シリコン膜に向かって喰い込む現象、所謂バ
ーズビークが生ずる。そのため、設計時のマスクと実際
の素子分離領域パターンの間に寸法の変換差が発生し、
半導体素子の微細化や大容量化に対応することが困難に
なってきている。
【0009】このような問題に対処するために、半導体
基板に反応性イオンエッチング等によって溝部(トレン
チ)を設け、この溝部内に絶縁膜を充填する、所謂トレ
ンチ素子分離領域形成方法が提案されている。このトレ
ンチ素子分離領域形成方法においては、溝部(トレン
チ)を半導体基板に形成した後、溝部内を含む半導体基
板の表面に絶縁膜を堆積し、反応性イオンエッチングに
よって絶縁膜をエッチバックし、溝部内に絶縁膜を残し
ながら、半導体基板の表面を再度露出させる。かかる露
出した半導体基板の部分に例えば半導体素子を形成す
る。
【0010】この従来のトレンチ素子分離領域形成方法
における最大の問題点は、絶縁膜の平坦化手法にある。
即ち、このようなエッチバックに基づいたトレンチ素子
分離領域形成方法においては、絶縁膜をエッチバックし
たとき、広いフィールド領域を形成するための幅の広い
溝部内に絶縁膜が残らないという問題がある。従って、
このようなエッチバックを用いる方法においては、LO
COS法を併用しなければならない。即ち、幅の狭い溝
部に関してはトレンチ素子分離領域形成方法にて素子分
離領域を形成し、幅の広い溝部に関してはLOCOS法
にて素子分離領域(広いフィールド領域)を形成する。
このような、LOCOS法とトレンチ素子分離領域形成
方法が二重に必要とされる素子分離領域形成方法は、工
程数が多く、作業が複雑なため、半導体装置の量産化に
は不向きである。
【0011】一方、素子分離領域を形成すべき部分の広
さによって絶縁膜の残り量が変化し難く、トレンチ素子
分離領域形成方法のみで全ての素子分離領域を形成し得
る平坦化手法が、例えば化学的機械的研磨法(CMP
法)や機械的研磨法である。CMP法等の研磨法に基づ
くトレンチ素子分離領域形成方法によって、幅10μm
〜1000μmという広い素子分離領域(広いフィール
ド領域)を形成することが可能となり、素子分離領域形
成工程の大幅な削減ができる。従って、CMP法や機械
的研磨法は、最も生産性の高いトレンチ素子分離領域形
成方法として現在注目されている技術である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
BPSGリフロー法、絶縁膜堆積エッチバック法又はS
OG平滑化法は、半導体装置中間物において、局所的に
その表面の凹凸を緩和するだけである。このため、上述
のフォトリソグラフィー技術における問題を根本的に解
決することはできない。また、表面の凸部を積極的にエ
ッチングして半導体装置中間物の表面を平坦化する方法
は、エッチング量の調節や工程数の増加という課題を抱
えている。
【0013】更には、研磨平坦化技術を用いて半導体装
置中間物の表面の凹凸を平坦化する方法では、絶縁層1
21を研磨する際、1枚のウエハの面内(以下、単にウ
エハ面内とも呼ぶ)における絶縁層121の研磨速度や
研磨量が均一にならない。その結果、図23の(C)に
示すように、研磨後の絶縁層121の膜厚はウエハ面
内、更には半導体装置中間物内において不均一となる。
従って、この方法によっても、フォトリソグラフィー技
術における問題点を解決することはできない。更には、
配線114上の絶縁層121にビヤホール等の接続孔を
形成する場合、配線114の上方の絶縁層121に開口
部を形成しなければならない(図23の(D)参照)。
然るに、各配線114の上方の絶縁層121の膜厚にば
らつきがある場合、膜厚が厚い絶縁層121の部分に対
するエッチング量を増加させる必要があり、絶縁層12
1のエッチング条件が複雑になるという問題がある。ま
た、研磨速度が一定でない研磨においては、研磨量が研
磨速度の変動量に依存するので、研磨後の絶縁層121
の膜厚の制御が非常に難しい。
【0014】従来のCMP法や機械的研磨法を用いたト
レンチ素子分離領域形成方法には2つの問題点がある。
即ち、研磨による素子分離領域を含む半導体基板へのダ
メージの発生(図24の(A)の模式図を参照)、及び
ウエハ面内における研磨均一性の問題である。素子分離
領域にダメージが発生すると、素子分離領域の耐圧が低
下する。また、半導体基板にダメージが発生すると、か
かる半導体基板の領域に半導体素子を形成したとき、例
えば半導体素子のリーク電流が増大する。尚、図24に
おいて、参照番号110は半導体基板、参照番号130
は半導体基板に形成された段差部の底部(凹部)、参照
番号141は例えばSiO2から成る絶縁膜、参照番号
131は素子分離領域である。
【0015】半導体基板へのダメージの発生は、絶縁膜
141の研磨レートや平坦性を犠牲にすることによっ
て、ある程度改善することが可能である。即ち、例えば
CMP法にて使用する研磨材粒子の2次粒径を小さく
(10nm程度あるいはそれ以下)抑えたコロイダルシ
リカを用い、しかも、研磨布としてはやや硬度の低い研
磨布(Asker−C硬度で70〜80程度)を使用す
れば、半導体基板に与えるダメージを少なくできる。し
かし、この場合、研磨レートが低く(10nm/分程度
あるいはそれ以下)、研磨量に対する凸部の除去量も小
さい。従って、ウエハ1枚を研磨するのに2時間以上も
要し、極めてスループットが悪くなる。ウエハが大口径
化すると、ウエハ面内における研磨均一性の問題もある
ため、複数枚のウエハを同時処理することが困難にな
る。それ故、このような方法で半導体基板へのダメージ
の発生を解決することは現実的ではない。
【0016】絶縁膜をCMP法にて選択的に除去する場
合、研磨液と絶縁膜との化学的な反応、及び研磨材によ
る絶縁膜の機械的な研磨の双方によって、絶縁膜が除去
される。そこで、半導体基板へのダメージの発生の別の
解決策として、CMP法における化学的研磨性を高める
方法が挙げられる。即ち、不純物を混入した酸化シリコ
ン膜や多結晶シリコン膜、あるいはシリコン窒化膜を絶
縁膜として堆積させ、CMP法にてかかる絶縁膜を平坦
化する方法である。
【0017】例えば、シリコン酸化膜の研磨を行う際、
シリコン酸化膜中に不純物を添加するとシリコン酸化膜
の研磨レートは変化する。一般に、シリコン酸化膜又は
シリコン窒化膜の研磨剤として使用されているヒューム
ドシリカやコロイダルシリカは酸化シリコンの微粒子を
アルカリ溶媒中に溶いたものである。そして、シリコン
酸化膜の研磨は、酸化シリコンから成る砥粒による機械
的な研磨作用と、アルカリ溶液の化学的な反応作用の2
つの作用によって行われる。砥粒の機械的作用は研磨装
置の研磨布から砥粒に与えられる機械的な力によって決
まるため、研磨布に加えられる垂直方向の圧力や研磨布
の回転速度などにより機械的研磨力は決定される。一
方、機械的研磨力を一定としたとき、機械的研磨力によ
る研磨に基づく研磨速度は、研磨対象物の原子又は分子
の結合力に依存する。更には、アルカリ溶液の反応作用
は化学的反応であるため、研磨対象物の化学的組成に大
きく依存する。
【0018】一般に、研磨布に加えられる垂直方向の圧
力や研磨布の回転速度を増加させると、ウエハ内での研
磨速度は不均一になる傾向がある。このため機械的研磨
力を極端に高めることはできない。従って、研磨速度を
更に高めるためには、研磨における化学的な反応作用を
高めることが必要となる。研磨剤のアルカリ濃度を高め
ることにより研磨速度を向上させることができるが、研
磨剤の濃度が高くなると研磨液の安定性が低下するた
め、研磨液の濃度を極端に高<することはできない。
【0019】また、研磨における化学的な反応作用を高
め過ぎると等方的に絶縁膜の研磨が進行するため、段差
部の幅の広い底部(凹部)における膜厚減り(ディッシ
ングとも呼ばれる)が問題となる。このような現象を、
図24の(B)及び(C)に模式的に示す。尚、図24
の(B)においては、研磨されつつある絶縁膜141の
表面の位置を点線で示した。
【0020】従って、機械的研磨条件と研磨剤を最適化
した場合、更に高い研磨速度を得るためには、研磨対象
物となる絶縁膜の機械的及び化学的性質を変えることが
必要となる。絶縁膜の機械的性質を変えて研磨速度を上
げるためには、原子及び分子の結合力を弱めなくてはな
らないが、絶縁膜の機械的性質を変えることは、絶縁膜
の強度が低下したりストレスの変動が大きくなるなど問
題を引き起こすため、実用的でない。
【0021】一方、ウエハ面内における研磨不均一性の
問題には2つの要因がある。1つは絶縁膜の堆積膜厚の
ウエハ面内の分布(ばらつき)であり、他の1つは研磨
レートのウエハ面内の分布(ばらつき)である。8イン
チ径のウエハを処理する現行の絶縁膜堆積装置(例えば
CVD装置)においては、絶縁膜の堆積膜厚のウエハ面
内の分布(ばらつき)は最低でも±3〜5%程度ある。
一方、8インチ径のウエハを処理する現行の化学的機械
的研磨装置においては、ウエハ面内の研磨レートには最
低でも±3〜5%程度のばらつきが存在する。
【0022】従って、これらのばらつきが加算される
と、ウエハ面内における研磨均一性は最低でも±5〜1
0%ばらつくことになる。従来のトレンチ素子分離領域
形成方法においては、絶縁膜は1種類の材料から構成さ
れているので、半導体基板に形成された段差部の広い底
部(凹部)における絶縁膜の削れ量が大きくなる。それ
故、幅の広い底部内の絶縁膜を確実に残し且つかかる絶
縁膜を出来る限り平坦化するためには、堆積すべき絶縁
膜の厚さを、段差部の高さの2倍程度とする必要があ
る。例えば段差部の高さを0.5μmとすれば、堆積す
べき絶縁膜の膜厚は1μm程度となり、ウエハ面内にお
ける研磨均一性は最低でも±50〜100nmばらつく
ことになる。
【0023】特開昭59−136943号公報には、溝
の深さよりも少なくとも厚い絶縁膜を全面に堆積させた
後、かかる絶縁膜をCMP法で除去する素子分離領域の
形成方法が開示されている。しかしながら、この特許公
開公報に開示された技術においては、基本的には絶縁膜
は1種類の材料から構成されており、あるいは又、2層
の絶縁膜から構成されている場合にあっては同程度の研
磨速度を有する材料から各絶縁膜は構成されており、デ
ィッシング現象を解決することは困難である。また、溝
の深さよりも少なくとも厚い絶縁膜を全面に堆積させる
ため、ウエハ面内における研磨均一性が悪くなるという
問題がある。
【0024】従って、本発明の目的は、ウエハ面内にお
ける研磨均一性を損なうことなく、研磨量の制御性に優
れ、均一で平坦な膜を形成し得る、半導体装置における
膜平坦化方法を提供することにある。あるいは又、本発
明の目的は、化学的機械的研磨法や機械的研磨法による
トレンチ素子分離領域形成工程における問題点である、
半導体基板への研磨ダメージの発生防止とウエハ面内に
おける研磨均一性の両面で優れた、半導体装置における
膜平坦化方法を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の第1の態様に係る半導体装置における膜平
坦化方法は、(イ)基体に設けられた段差部の少なくと
も頂部に第1の膜を形成する工程と、(ロ)該第1の膜
よりも研磨速度が早く、リンを6乃至9重量%含有する
第2の膜で段差部を被覆する工程と、(ハ)該第2の膜
を研磨し、段差部の頂部に形成された前記第1の膜を露
出させる工程、から成ることを特徴とする。
【0026】段差部は、例えば配線や素子分離領域から
構成することができる。基体としては、半導体基板、半
導体基板の上方に形成された層間絶縁層を例示すること
ができる。また、研磨速度が早いあるいは遅いとは、同
一の研磨装置及び同一の研磨条件において膜を研磨した
とき、或る膜の研磨レートがPR1となり、他の膜の研磨
レートPR2が、例えばPR1の少なくとも2倍となった場
合、或る膜よりも他の膜の方が研磨速度が早いと規定す
る。また、第1の膜を露出させるとき、第1の膜が研磨
される場合もあるし、研磨されない場合もある。以下に
おいても同様である。
【0027】本発明の第1の態様に係る半導体装置にお
ける膜平坦化方法においては、工程(ロ)に引き続き、
第2の膜を熱処理することなく、工程(ハ)を実行する
ことが、第2の膜の研磨速度を早める上で好ましい。更
には、第1の膜は、酸化シリコン及び窒化シリコンのい
ずれか一方若しくは両方が積層されて成り、第2の膜
は、リンを6乃至9重量%含有する酸化シリコン、より
具体的には、例えばホウ素リンシリケートガラス又はリ
ンシリケートガラスから成ることが望ましい。第1及び
第2の膜をこのような構成にすることで、十分な研磨速
度比が得られる。尚、酸化シリコンにはSiO2のみな
らずSiONも包含される。以下においても同様であ
る。
【0028】この場合、段差部の高さをHとし、段差部
頂部における第1の膜の厚さをT1とし、段差部の底面
からの第2の膜の表面の高さをT2としたとき、T2の値
はH+T1の値より大きいか若しくは略等しいことが好
ましい。ここで略等しいとは、例えば使用する研磨装置
や研磨条件にも依存するが、 |T2−(H+T1)|≦0.1μm を意味する。T2の値が(H+T1)の値より非常に小さ
い場合、上記(ハ)の工程において、段差部底部の上方
の第2の膜が研磨されない虞がある。これでは、膜全体
の平滑性が乏しくなってしまう。
【0029】また、前記(ハ)の工程の後、段差部頂部
の第1の膜を除去する工程を更に含むことができる。こ
れによって、第1の膜が除去された段差部頂部に、例え
ば半導体素子を形成することができ、一方、第2の膜で
埋め込まれた段差部底部は、例えばトレンチ素子分離領
域を構成する。
【0030】上記の目的を達成するための本発明の第2
の態様に係る半導体装置における膜平坦化方法は、
(イ)基体に設けられた高さHの段差部の少なくとも頂
部に、段差部頂部における膜厚がT1の第1の膜を形成
する工程と、(ロ)段差部底面から第2の膜の表面まで
の高さT2が(H+T1)の値より小さいか若しくは略等
しくなるように、第1の膜よりも研磨速度が早く、リン
を6乃至9重量%含有する第2の膜で段差部を被覆する
工程と、(ハ)段差部底面から第3の膜の表面までの高
さがT3となるように、該第2の膜上に、第2の膜より
も研磨速度の遅い第3の膜を形成する工程と、(ニ)第
3の膜及び第2の膜を研磨し、段差部の頂部に形成され
た前記第1の膜を露出させる工程、から成ることを特徴
とする。
【0031】ここで、高さT2が(H+T1)の値と略等
しいとは、例えば使用する研磨装置や研磨条件にも依存
するが、 |T2−(H+T1)|≦0.1μm を意味する。T2の値が(H+T1)の値より非常に大き
い場合、上記(ニ)の工程において、段差部頂部の第1
の膜が研磨ストッパとして機能しなくなるし、段差部の
頂部に形成された第1の膜を露出させることができなく
なる虞があり、膜全体の平滑性が乏しくなる場合があ
る。
【0032】本発明の第2の態様に係る半導体装置にお
ける膜平坦化方法においては、工程(ロ)に引き続き、
第2の膜を熱処理することなく、工程(ハ)を実行する
ことが、第2の膜の研磨速度を早める上で好ましい。更
には、第1の膜は、酸化シリコン及び窒化シリコンのい
ずれか一方若しくは両方が積層されて成り、第2の膜
は、リンを6乃至9重量%含有する酸化シリコン、より
具体的には、例えばホウ素リンシリケートガラス又はリ
ンシリケートガラスから成り、第3の膜は、酸化シリコ
ン及び窒化シリコンのいずれか一方若しくは両方が積層
されて成ることが好ましい。第1、第2及び第3の膜を
このような構成にすることで、十分な研磨速度比が得ら
れる。
【0033】この場合、例えば使用する研磨装置や研磨
条件にも依存するが、 |T3−(H+T1)|≦0.1μm の関係を満足することが、段差部の頂部に形成された第
1の膜を一層確実に露出させ、且つ膜全体を一層均一に
平滑化する上で、好ましい。尚、|(T2+T3)−(H
+T1)|>0.1μmとなる場合、第1、第2及び第
3の膜にて構成される膜表面にはゆるやかな段差が生じ
るが、場合によっては問題ない。尚、例えば使用する研
磨装置や研磨条件にも依存するが、 T2−(H+T1)≦0.1μm の関係を満足することが、段差部の頂部に形成された第
1の膜を確実に露出させ、且つ膜全体を平滑化する上
で、望ましい。
【0034】段差部がトレンチ素子分離領域から構成さ
れる場合には、更に、H≦T2であることが好ましい。
2<H+T1の場合には、H+T1<T3あるいはH<T
3<H+T1であることが好ましい。T3<Hとなる場合
には、例えば段差部のコーナー部に電界が集中する虞が
ある。
【0035】あるいは又、前記(ニ)の工程の後、段差
部頂部の第1の膜を除去する工程を更に含むことができ
る。これによって、第1の膜が除去された段差部頂部
に、例えば半導体素子を形成することができ、一方、第
2の膜及び第3の膜で埋め込まれた段差部底部は、例え
ばトレンチ素子分離領域を構成する。
【0036】本発明の第2の態様に係る半導体装置にお
ける膜平坦化方法の好ましい第1の態様では、前記
(イ)の工程は、基体に凹部から成る段差部を形成した
後、段差部を構成する該凹部の底部を含む基体表面に第
1の膜を形成する工程から構成することができる。ある
いは又、本発明の第2の態様に係る半導体装置における
膜平坦化方法の好ましい第2の態様では、前記(イ)の
工程は、基体に第1の膜を形成した後、基体に凹部から
成る段差部を形成する工程から構成することができる。
【0037】あるいは又、本発明の第2の態様に係る半
導体装置における膜平坦化方法の好ましい第3の態様で
は、前記(イ)の工程は、基体上に酸化膜及び上層膜を
形成した後、基体に凹部から成る段差部を形成し、次い
で、段差部を構成する該凹部の側壁及び底面に酸化膜を
形成する工程から成り、段差部頂部における第1の膜は
酸化膜及び上層膜から成り、段差部底部における第1の
膜は酸化膜から成ることができる。この場合、第1の膜
を構成する上層膜は窒化シリコンから成り、第1の膜を
構成する酸化膜は酸化シリコンから成り、第2の膜は、
リンを6乃至9重量%含有する酸化シリコン、より具体
的には、例えばホウ素リンシリケートガラス又はリンシ
リケートガラスから成り、第3の膜は、酸化シリコン及
び窒化シリコンのいずれか一方若しくは両方が積層され
て成ることが好ましい。
【0038】上記の目的を達成するための本発明の第3
の態様に係る半導体装置における膜平坦化方法は、
(イ)基体に形成されたn重(但し、n≧2)の段差部
を、第1番目の膜で被覆する工程と、(ロ)第(2m−
1)番目の膜(但し、m=1,2,・・・,kであり、
2≦kである)よりも研磨速度が早く、リンを6乃至9
重量%含有する第2m番目の膜を第(2m−1)番目の
膜上に形成し、次いで該第2m番目の膜よりも研磨速度
が遅い第(2m+1)番目の膜を該第2m番目の膜上に
形成する工程を(k−1)回繰り返す工程と、(ハ)第
(2k−1)番目の膜よりも研磨速度が早く、リンを6
乃至9重量%含有する第2k番目の膜を第(2k−1)
番目の膜上に形成する工程と、(ニ)第2k番目の膜か
ら第2番目の膜までを研磨し、n重の段差部の最頂部に
形成された第1番目の膜を露出させる工程、から成るこ
とを特徴とする。
【0039】本発明の第3の態様に係る半導体装置にお
ける膜平坦化方法においては、工程(ロ)において、第
2m番目の膜を形成した後、該第2m番目の膜に対して
熱処理を行うことなく、第(2m+1)番目の膜を形成
し、工程(ハ)に引き続き、第2k番目の膜を熱処理す
ることなく、工程(ニ)を実行することが好ましい。更
には、第2m番目の膜(但し、m=1,2,・・・,k
であり、2≦kである)は、リンを6乃至9重量%含有
する酸化シリコン、より具体的には、例えばホウ素リン
シリケートガラス又はリンシリケートガラスから成り、
第(2m−1)番目の膜は、酸化シリコン及び窒化シリ
コンのいずれか一方若しくは両方が積層されて成ること
が好ましい。各膜をこのような構成にすることで、十分
な研磨速度比が得られる。
【0040】この場合、n重の段差部の最底面から最頂
部までの高さをHとし、該n重の段差部の最頂部におけ
る第1番目の膜の厚さをT1とし、n重の段差部の最底
面から第2k番目の膜(但し、2≦kである)の表面ま
での高さをT2kとしたとき、T2kの値が(H+T1)の
値より大きいか若しくは略等しいことが好ましい。ここ
で略等しいとは、例えば使用する研磨装置や研磨条件に
も依存するが、 |T2k−(H+T1)|≦0.1μm を意味する。T2kの値が(H+T1)の値より非常に小
さい場合、第2k番目の膜を研磨して段差部の頂部に形
成された第1の膜を露出させる工程において、段差部底
部の上方の最上層である第2k番目の膜が研磨されない
虞がある。これでは、膜全体の平滑性が乏しくなってし
まう。更には、k=nとし(即ち、多層化された膜は2
n層の多層膜である)、そして、n重の段差部の最頂部
における第1番目の膜の厚さをT1とし、n重の段差部
の最底部からi番目(但し、i=1,2,・・・,n)
の段差部の高さをHiとしたとき、n重の段差部の最底
面から第(2j+1)番目の膜(但し、j=1,2,・
・・,k−1であり、2≦kである)の表面までの高さ
2j+1は、
【数3】 と略等しいことが好ましい。ここで略等しいとは、例え
ば使用する研磨装置や研磨条件にも依存するが、
【数4】 を満足することを意味する。
【0041】あるいは又、本発明の第3の態様に係る半
導体装置における膜平坦化方法の好ましい態様では、前
記工程(ハ)と(ニ)の間に、第2k番目の膜よりも研
磨速度が遅い第(2k+1)番目の膜を第2k番目の膜
上に形成する工程を含み、前記工程(ニ)において、第
(2k+1)番目の膜から第2番目の膜までを研磨する
ことが好ましい。このように、最上層を研磨速度の遅い
第(2k+1)番目の膜とすることによって、段差部底
部の上方の最上層の第(2k+1)番目の膜が研磨スト
ッパとして働き、膜全体を一層確実に平滑化することが
できる。尚、この場合には、工程(ロ)において、第2
m番目の膜を形成した後、該第2m番目の膜に対して熱
処理を行うことなく、第(2m+1)番目の膜を形成
し、工程(ロ)に引き続き、第2k番目の膜を熱処理す
ることなく、第(2k+1)番目の膜を第2k番目の膜
上に形成することが好ましい。
【0042】この本発明の第3の態様に係る半導体装置
における膜平坦化方法の好ましい態様では、n重の段差
部の最底面から最頂部までの高さをHとし、該n重の段
差部の最頂部における第1番目の膜の厚さをT1とし、
n重の段差部の最底面から第(2k+1)番目の膜の表
面までの高さをT2k+1としたとき、例えば使用する研磨
装置や研磨条件にも依存するが、 |T2k+1−(H+T1)|≦0.1μm の関係を満足することが好ましい。尚、T2k+1の値の範
囲がこの範囲を逸脱した場合、各膜にて構成される膜表
面にはゆるやかな段差が生じるが、場合によっては問題
ない。尚、例えば使用する研磨装置や研磨条件にも依存
するが、 T2k−(H+T1)≦0.1μm の関係を満足することが、段差部の頂部に形成された第
1の膜を確実に露出させ、且つ膜全体を平滑化する上
で、望ましい。
【0043】更には、この好ましい態様においては、k
=nとし(即ち、多層化された膜は(2n+1)層の多
層膜である)、そして、n重の段差部の最頂部における
第1番目の膜の厚さをT1とし、n重の段差部の最底部
からi番目(但し、i=1,2,・・・,n)の段差部
の高さをHiとしたとき、n重の段差部の最底面から第
(2j+1)番目の膜(但し、j=1,2,・・・,k
−1であり、2≦kである)の表面までの高さT
2j+1は、
【数5】 と略等しいことが望ましい。ここで略等しいとは、例え
ば使用する研磨装置や研磨条件にも依存するが、
【数6】 を満足することを意味する。
【0044】尚、本発明の第3の態様に係る半導体装置
における膜平坦化方法における好ましいこれらの態様に
おいては、第(2m’−1)番目の膜(但し、m’=
1,2,・・・,k+1であり、2≦kである)の膜
は、酸化シリコン及び窒化シリコンのいずれか一方若し
くは両方が積層されて成り、第2m番目の膜(但し、m
=1,2,・・・,kであり、2≦kである)は、リン
を6乃至9重量%含有する酸化シリコン、より具体的に
は、ホウ素リンシリケートガラス又はリンシリケートガ
ラスから成ることが望ましい。各膜をこのような構成に
することで、十分な研磨速度比が得られる。
【0045】本明細書において、各膜の膜厚や各膜の表
面の高さ、あるいは段差部の高さは、適切な数の測定点
における算術平均値を意味する。
【0046】膜の研磨は、機械的研磨法、あるいは化学
的機械的研磨法(CMP法)にて行うことができる。
【0047】ホウ素リンシリケートガラス(BPSG)
を用い、BPSG中のリン濃度を変化させ、異なる温度
で熱処理を加えた後に研磨を行ったときの研磨速度を図
1に示す。ここで、BPSGは、従来の成膜方法である
3−TEOS(テトラエトキシシラン)CVD法によ
り420゜Cの成膜温度で堆積させた。研磨条件を次の
とおりとした。また、研磨方法を化学的機械的研磨法と
した。 研磨布:不織布タイプ 研磨剤:ヒュームドシリカ 加圧 :500gf/cm2 回転数:60rpm
【0048】図1に研磨速度の試験結果を示す。尚、図
1中、白四角で表した研磨速度は、BPSG堆積後の熱
処理を行わない場合を表し、黒丸で表した研磨速度は、
BPSG堆積後、490゜C×10分間の熱処理を行っ
た場合を表し、黒丸で表した研磨速度は、BPSG堆積
後、950゜C×10分間の熱処理を行わった場合を表
す。図1から明らかなように、BPSG中のリン濃度が
増加するに従い、研磨速度が増加する。また、BPSG
堆積後の熱処理温度が低いほど、研磨速度の増加が認め
られる。また、熱処理温度が低いほど、リン濃度が6重
量%以上になると、急激に研磨速度は増加し且つ安定す
る。リン濃度を9重量%以上にしても研磨速度の増加は
少ない。研磨速度は、リン濃度が9重量%であり、しか
も、熱処理を行わない場合でほぼ飽和する。尚、BPS
Gからの不純物の拡散を抑制するためには、BPSG中
のリン濃度は出来るだけ低いことが望ましい。従って、
少ないリン濃度で高い研磨速度を得るためには、第2の
膜若しくは第2m番目の膜としてリンを6乃至9重量%
含有する膜を用いる必要がある。更に、第2の膜若しく
は第2m番目の膜に対して熱処理することなく、これら
の膜を研磨することが好ましい。リンを6乃至9重量%
含有する膜としては、具体的には、ホウ素リンシリケー
トガラス(BPSG)又はリンシリケートガラス(PS
G)を挙げることができる。
【0049】本発明の半導体装置における膜平坦化方法
(以下、単に膜平坦化方法ともいう)においては、研磨
速度が遅い第1の膜、第3の膜、第(2m−1)番目の
膜あるいは第(2k+1)番目の膜が形成される。かか
る膜は研磨時の研磨ストッパとして機能する。従って、
段差部の特に幅の広い底部(凹部)における膜厚減り
(ディッシング)発生を回避することができ、第2の膜
や、第2m番目の膜、第2k番目の膜の平滑性が損なわ
れたり、段差部の底部における膜全体の厚さが所望の厚
さ以下となることを効果的に防止することができる。
【0050】本発明の第1の態様に係る膜平坦化方法に
おいては、段差部頂部において、研磨速度の異なる膜を
2層、積層化する。これによって、第2の膜を研磨した
とき、段差部頂部に形成された第1の膜が研磨ストッパ
として機能する。その結果、基体に形成された段差部底
部の上方における第2の膜の膜厚減りを防止することが
でき、ウエハ面内の研磨均一性を向上させることができ
るし、基体へのダメージ発生を効果的に抑制することが
できる。
【0051】本発明の第2の態様に係る膜平坦化方法に
おいては、段差部頂部において、研磨速度の異なる膜を
3層、積層化する。また、基体に形成された段差部底部
においては、研磨速度の異なる膜を少なくとも2層、積
層化する。これによって、第3の膜及び第2の膜を研磨
したとき、段差部頂部に形成された第1の膜及び段差部
底部の上方に形成された第3の膜が、研磨ストッパとし
て機能する。その結果、基体に形成された段差部底部の
上方における第2の膜の膜厚減りを確実に防止すること
ができ、ウエハ面内の研磨均一性を一層向上させること
ができるし、基体へのダメージ発生を一層効果的に抑制
することができる。
【0052】本発明の第3の態様に係る膜平坦化方法に
おいては、段差部最頂部に、研磨速度の異なる膜を2k
層、積層化する。これによって、第2k番目の膜から第
2番目の膜まで研磨したとき、段差部最頂部に形成され
た第1の膜、及び各段差部の上方や段差部底部の上方に
形成された第(2m−1)番目の膜が、研磨ストッパと
して機能する。その結果、基体に形成された段差部底部
の上方における第2m番目の膜や第2k番目の膜の膜厚
減りを防止することができ、ウエハ面内の研磨均一性を
向上させることができるし、基体へのダメージ発生を効
果的に抑制することができる。また、段差部最頂部にお
いて、研磨速度の異なる膜を(2k+1)層、積層化す
れば、第(2k+1)番目の膜から第2番目の膜まで研
磨したとき、段差部最頂部に形成された第1の膜、各段
差部の上方や段差部底部の上方に形成された第(2m−
1)番目の膜、及び段差部底部の上方に形成された第
(2k+1)番目の膜が研磨ストッパとして機能する。
その結果、基体に形成された段差部底部の上方における
第2m番目の膜や第2k番目の膜の膜厚減りを一層効果
的に防止することができ、ウエハ面内の研磨均一性を一
層向上させることができるし、基体へのダメージ発生を
一層効果的に抑制することができる。
【0053】更には、本発明の膜平坦化方法によれば、
基体に形成された段差部底部における膜の膜厚減りを防
止することができそしてウエハ面内の研磨均一性を向上
させることができるので、フォトリソグラフィ技術にお
ける露光焦点深度の問題や、接続孔の形成時の絶縁層の
厚さばらつきによる絶縁層のエッチング問題を回避する
ことができる。
【0054】これに加えて、本発明の第2あるいは第3
の態様に係る膜平坦化方法によれば、研磨前に基体の全
面に堆積させるべき膜全体の厚さを、例えば段差部全体
の高さと略同等かそれ以下にする。それ故、本発明の第
2あるいは第3の態様に係る膜平坦化方法は、特開昭5
9−136943号に開示された技術とは掛け離れた技
術である。しかも、研磨速度の異なる膜を2層以上、積
層化することで、膜の研磨中に、段差部の頂部の上の膜
の膜質(研磨レート)と、段差部底部の上方の膜の一部
分(若しくは全て)の膜質(研磨レート)との間には、
大きな差が存在し得る。これによって、研磨前の膜全体
の厚さを段差部の高さと略同等かそれ以下にすることが
可能になる。
【0055】
【実施例】以下、図面を参照して、実施例に基づき本発
明を説明する。尚、実施例1〜実施例4は、本発明の第
1の態様に係る膜平坦化方法に関する。また、実施例5
〜実施例8は、本発明の第2の態様に係る膜平坦化方法
に関する。更に、実施例9〜実施例11は、本発明の第
3の態様に係る膜平坦化方法に関する。
【0056】(実施例1)実施例1は、本発明の第1の
態様に係る膜平坦化方法に関する。実施例1において
は、配線と配線の間に形成される絶縁膜の平坦化、所謂
層間絶縁層の平坦化を意図している。実施例1において
は、基体は半導体基板から構成されており、段差部は基
体上に形成された配線から構成されている。第1の膜は
酸化シリコン(SiO2)から成り、第2の膜は具体的
にはBPSGから成る。第1の膜は、段差部の頂部だけ
でなく、段差部の側壁及び底面にも形成されている。第
2の膜は機械研磨法によって研磨される。尚、第1の膜
は、研磨ストッパとして機能し研磨の均一性を改善する
だけでなく、例えばBPSGから成る第2の膜からの基
体への不純物の拡散を防止するという実用的な機能をも
有している。
【0057】以下、基体等の模式的な一部断面図である
図2を参照して、実施例1の膜平坦化方法を説明する。
【0058】[工程−100]先ず、シリコン半導体基
板から構成された基体10に配線14を形成しておく
(図2の(A)参照)。即ち、公知の成膜技術によっ
て、基体10上に、例えば、厚さが11nmの酸化シリ
コン膜11、厚さが0.10μmのリン(P)をドープ
した多結晶シリコン層12、厚さが0.10μmのタン
グステンシリサイド(WSi2)層13を成膜する。そ
の後、フォトリソグラフィー技術及びエッチング技術を
用いて、タングステンシリサイド層13、多結晶シリコ
ン層12及び酸化シリコン層11を所望形状にパターニ
ングし、配線14を形成する。実施例1においては、配
線14が段差部に相当する。更に詳しくは、段差部の頂
部は配線14の頂部に相当し、段差部の底部は、配線と
配線の間に露出している基体10に相当し、段差部の底
面は、配線と配線の間に露出している基体10の表面に
相当する。段差部の高さHは0.21μmである。
【0059】[工程−110]このような基体10に設
けられた段差部の少なくとも頂部に第1の膜21を形成
する(図2の(B)参照)。実施例1においては、段差
部である配線14の頂部だけでなく、段差部の底部にも
第1の膜21を形成した。即ち、配線14上を含む基体
10の全面に第1の膜21を形成した。第1の膜はSi
2から成り、例えば、テトラエトキシシラン(TEO
S)を用いたプラズマCVD法によって形成することが
できる。段差部頂部における第1の膜21の厚さT1
0.60μmとした。第1の膜21の成膜条件を以下に
例示する。 使用ガス:O2/H2=6/1.5sccm 成膜温度:850゜C 成膜時間:100分 T1 :0.60μm
【0060】[工程−120]次に、第1の膜21より
も研磨速度が早い第2の膜22で段差部を被覆する(図
2の(C)参照)。第2の膜22は、実施例1において
はBPSGから成り、例えば低圧CVD法によって形成
することができる。このBPSGにおいては、例えば、
ホウ素(B)の重量濃度を4%、リン(P)の重量濃度
を7%とすることができる。段差部の底部における第2
の膜22の厚さを0.40μmとした。即ち、段差部の
底面からの第2の膜22の表面の高さT2は1.0μm
(=0.60μm+0.40μm)である。従って、T
2(=1.0μm)>(H+T1)(0.81μm=0.
21μm+0.60μm)を満足する。第2の膜22の
成膜条件を以下に例示する。尚、BPSGから成る第2
の膜22の成膜後、第2の膜22の熱処理は行わない。 使用ガス:SiH4/PH3/B26 成膜温度:400゜C 反応圧力:常圧
【0061】[工程−130]その後、第2の膜22を
研磨し、段差部である配線14の頂部に形成された第1
の膜21を露出させる(図2の(D)参照)。研磨は機
械的研磨法に基づいている。研磨条件としては、例え
ば、研磨布にはベロアタイプ(Asker−C硬度が例
えば82〜85程度)を用い、研磨液には適切な組成の
ヒュームドシリカと純水とを1:2に混合したものを用
いる。また、研磨液の供給量を30cm3/分、研磨圧
を130g/cm2、定盤速度を38rpmに設定し
て、研磨を行った。
【0062】こうして、段差部である配線14の頂部に
は第1の膜21が残り、段差部の底部である基体10の
上には、第1の膜21及び第2の膜22から成る膜が形
成される。段差部である配線14の頂部における第1の
膜21の表面と、段差部の底部の上方の第2の膜22の
表面とはほぼ同じ水準(高さ)にある。即ち、実施例1
にて形成された配線構造は、基体10の上に形成された
複数の配線14と、これらの配線14の頂部に形成され
た第1の膜21と、配線14の間の基体10上に形成さ
れた第1の膜21及び第2の膜22から成り、第1の膜
21の表面と第2の膜22の表面は略同一平面にある。
【0063】酸化シリコン(SiO2)から成る第1の
膜21の研磨速度は12nm/分であった。一方、BP
SGから成る第2の膜22の研磨速度は100nm/分
であった。従って、第2の膜22の研磨速度は第1の膜
21の研磨速度の8倍程度になるので、研磨速度に十分
な選択比を生じる。即ち、第1の膜21に比較して第2
の膜22の方が研磨され易い。このため、段差部である
配線14上における第2の膜22の研磨が進行して、凸
部である配線14の頂部上の第1の膜21が露出する
と、その露出した部分(第1の膜21)での研磨速度は
遅くなる。このように、研磨面内における研磨速度が不
均一になっても、先に露出した第1の膜21の部分では
研磨速度が抑制される。
【0064】そして、研磨速度の遅い第1の膜21が研
磨ストッパとなり、他の配線14上の第1の膜21が露
出するまで第2の膜22は研磨される。このようにし
て、ウエハに形成された全ての若しくはほぼ全ての配線
14上の第1の膜21が露出したときに研磨を終了す
る。こうして、段差部の底部における第1の膜21と第
2の膜22の膜厚の和は、ウエハ面内で均一化される。
この結果、グローバルな状態でウエハ面内における膜の
平坦化が実現される。尚、図21の(A)に示すよう
に、T2の値がH+T1の値より非常に小さい場合、図2
1の(B)に示すように、[工程−130]において、
段差部底部の上方の第2の膜22が研磨されない虞があ
る。
【0065】(実施例1の変形)実施例1の変形におい
ては、基体10は半導体基板から構成されており、段差
部は、基体上に形成されたLOCOS構造を有する素子
分離領域15の上に形成された配線14から構成されて
いる(図3の(A)参照)。即ち、段差部は二重であ
り、第1番目の段差部はLOCOS構造を有する素子分
離領域15から成り、第2番目の段差部は配線14から
成る。
【0066】実施例1と同様に、第1の膜は酸化シリコ
ン(SiO2)から成り、第2の膜はBPSGから成
る。また、第2の膜は機械研磨法によって研磨される。
実施例1の変形における膜平坦化方法は、段差部の構成
が異なることを除き、実施例1の各工程と同様とするこ
とができるので、詳細な説明は省略する。尚、段差部の
高さHは0.35μmである。即ち、素子分離領域15
から成る第1番目の段差部の高さ(基体10から素子分
離領域15の頂面までの高さ)は0.15μmであり、
配線14から成る第2番目の段差部の高さ(配線14の
厚さ)は0.20μmである。実施例1の変形の[工程
−100A](実施例1の[工程−100]に相当す
る)、[工程−120A](実施例1の[工程−12
0]に相当する)、[工程−130A](実施例1の
[工程−130]に相当する)における基体等の模式的
な一部断面図を図3に示す。
【0067】(実施例2)実施例2も、本発明の第1の
態様に係る膜平坦化方法に関する。実施例2において
は、トレンチ素子分離領域の形成を意図している。実施
例2においては、基体は半導体基板から構成されてお
り、段差部は基体に形成された凹部から構成されてい
る。第1の膜は酸化シリコン(SiO2)から成り、第
2の膜は具体的にはBPSGから成る。第1の膜は、段
差部の頂部(基体の表面)だけでなく、段差部(基体に
形成された凹部)の側壁及び底面にも形成されている。
第2の膜は機械研磨法によって研磨される。尚、第1の
膜は、研磨ストッパとして機能し研磨の均一性を改善す
るだけでなく、例えばBPSGから成る第2の膜からの
基体への不純物の拡散を防止するという実用的な機能を
も有している。
【0068】以下、基体等の模式的な一部断面図である
図4を参照して、実施例2の膜平坦化方法を説明する。
【0069】[工程−200]先ず、シリコン半導体基
板から成る基体10に凹部30を形成する。この凹部3
0は、公知のフォトリソグラフィ技術及びエッチング技
術によって形成することができる。この凹部30が段差
部に相当する。更に詳しくは、段差部の頂部は基体10
の表面に相当し、段差部の底部は凹部30の底部に相当
し、段差部の底面は凹部30の底面に相当する。段差部
の高さHである凹部30の深さを0.30μmとした。
その後、凹部30内を含む基体10全体を酸化処理す
る。これによって、SiO2から成る第1の膜21が形
成される(図4の(A)参照)。段差部頂部における第
1の膜21の厚さT1を20nmとした。例えばドライ
熱酸化法による酸化処理条件を以下に例示する。 酸化雰囲気:乾燥酸素 酸化温度 :1000゜C T1 :20nm
【0070】[工程−210]次に、必要に応じて、凹
部30の底部にイオン注入を施し、凹部30の底部にチ
ャネルストップ領域(図示せず)を形成する。その後、
第1の膜21よりも研磨速度が早い第2の膜22で段差
部を被覆する(図4の(B)参照)。第2の膜22は、
実施例2においてはBPSGから成り、実施例1の[工
程−120]と基本的には同様の条件で成膜することが
できる。尚、段差部(凹部30)の底部における第2の
膜22の厚さを0.60μmとした。即ち、段差部の底
面(凹部30の底面)からの第2の膜22の表面の高さ
2は0.62μm(=0.02μm+0.60μm)
である。従って、T2(=0.62μm)>(H+T1
(0.32μm=0.30μm+0.02μm)を満足
する。
【0071】[工程−220]その後、実施例1の[工
程−130]と同様の方法で第2の膜22を研磨し、段
差部の頂部に相当する基体10上に形成された第1の膜
21を露出させる(図4の(C)参照)。
【0072】[工程−230]次いで、基体10の表面
に残っている第1の膜21を、例えば0.5%希フッ酸
を用いて除去する。こうして、図4の(D)に模式的に
示すように、凹部30にBPSGから成る第2の膜22
が埋め込まれ、表面がほぼ平滑なトレンチ構造を有する
素子分離領域31が形成され、一方、素子分離領域31
の間に例えば半導体素子を形成すべき領域(半導体素子
形成領域)32が形成される。尚、基体10の表面に残
っている第1の膜21を研磨法にて除去してもよい。
【0073】こうして実施例2にて形成されたトレンチ
構造を有する素子分離領域31は、基体10に形成され
た凹部30と、この凹部30の底面及び側壁に形成され
た第1の膜21と、凹部30を埋める第2の膜22から
成る。
【0074】尚、図21の(C)に示すように、T2
値がH+T1の値より非常に小さい場合、図21の
(D)に示すように、[工程−230]において、段差
部底部の上方の第2の膜22が研磨されない虞がある。
【0075】(実施例3)実施例3は実施例2の変形で
あり、段差部(凹部30)の形成及び第1の膜21の形
成が実施例2と相違する。即ち、図5の(A)に模式的
な一部断面図を示すように、基体10の表面にのみ第1
の膜21を形成する。第1の膜21は、例えばCVD法
にて成膜された酸化シリコン(SiO2)や窒化シリコ
ン(Si3 4)とすることができる。次に、フォトリソ
グラフィ技術及びエッチング技術を用いて第1の膜21
及び基体10を選択的にエッチングし、基体10に凹部
30から成る段差部を形成する(図5の(B)参照)。
第1の膜21は基体10の表面にのみ形成されている。
即ち、基体10に設けられた段差部の頂部にのみ第1の
膜21が形成される。
【0076】その後、実施例1の[工程−120]と同
様の方法で第2の膜22を形成し、[工程−130]と
同様の方法で第2の膜を研磨し、段差部の頂部に相当す
る基体10上に形成された第1の膜21を露出させる
(図5の(C)参照)。次いで、実施例2の[工程−2
30]と同様の方法で、基体10の表面に残っている第
1の膜21を除去する。尚、第1の膜21を窒化シリコ
ンから構成した場合には、140゜Cのリン酸を用いて
第1の膜21を除去すればよい。
【0077】(実施例4)実施例4も実施例2の変形で
ある。実施例4は、段差部(凹部30)の形成及び第1
の膜21A,21Bの形成が実施例2と相違する。以
下、基体等の模式的な一部断面図である図6を参照して
実施例4を説明する。
【0078】[工程−400]図6の(A)に模式的な
一部断面図を示すように、基体10の表面に第1の膜の
一部21Aを形成する。即ち、先ず、シリコン半導体基
板から成る基体10上に酸化膜(SiO2)を形成す
る。酸化膜は、例えば以下の条件のパイロジェニック法
にて形成することができる。 酸化雰囲気:O2/H2=4/1 酸化温度 :850゜C
【0079】次に、酸化膜の上にCVD法にて窒化シリ
コン(Si34)から成る上層膜を成膜する。こうし
て、酸化膜(SiO2)と上層膜(Si34)の2層か
ら成る第1の膜の一部21Aが形成される。
【0080】[工程−410]その後、フォトリソグラ
フィ技術及びエッチング技術を用いて第1の膜の一部2
1Aの内の窒化シリコンから成る上層膜を選択的に除去
し、次いで、かかる窒化シリコンから成る上層膜をマス
クとしてエッチング技術を用いて酸化膜及び基体10を
選択的にエッチングする。こうして、基体10に段差部
である凹部30を形成する。次いで、凹部30を例えば
熱酸化法にて酸化し、凹部30の底面及び側壁に酸化膜
(SiO2)21Bを形成する(図6の(B)参照)。
熱酸化法の条件を以下に例示する。 酸化雰囲気:乾燥酸素 酸化温度 :1000゜C
【0081】こうして、第1の膜21A,21Bが形成
される。尚、段差部頂部における第1の膜21Aは酸化
膜及び上層膜から成り、段差部底部における第1の膜2
1Bは酸化膜から成る。尚、第1の膜21Aは、研磨ス
トッパとして機能し研磨の均一性を改善する。また、第
1の膜21Bは、例えばBPSGから成る第2の膜22
からの基体10への不純物の拡散を防止するという機能
を有している。
【0082】[工程−420]その後、実施例1の[工
程−120]と同様の方法で第2の膜22を形成し、
[工程−130]と同様の方法で第2の膜を研磨し、段
差部の頂部に相当する基体10上に形成された第1の膜
21Aを露出させる(図6の(C)参照)。
【0083】[工程−430]次いで、実施例2の[工
程−230]と同様に、基体10の表面に残っている第
1の膜21Aを除去する。尚、第1の膜21Aを構成す
る窒化シリコン(Si34)を140゜Cのリン酸を用
いて除去する。また、第1の膜21Aを構成する酸化シ
リコン(SiO2)を0.5%希フッ酸を用いて除去す
る。
【0084】(実施例5)実施例5は、本発明の第2の
態様に係る膜平坦化方法に関する。実施例5において
は、実施例1と同様に、配線と配線の間に形成される絶
縁膜の平坦化を意図している。実施例5においては、基
体は半導体基板から構成されており、段差部は基体上に
形成された配線から構成されている。第1の膜及び第3
の膜は酸化シリコン(SiO2)から成り、第2の膜は
具体的にはBPSGから成る。第1の膜は、段差部の頂
部だけでなく、段差部の側壁及び底面にも形成されてい
る。第3の膜及び第2の膜は化学的機械研磨法(CMP
法)によって研磨される。尚、第1の膜は、研磨ストッ
パとして機能し研磨の均一性を改善するだけでなく、例
えばBPSGから成る第2の膜からの基体への不純物の
拡散を防止するという実用的な機能をも有している。
【0085】以下、基体等の模式的な一部断面図である
図7を参照して、実施例5の膜平坦化方法を説明する。
【0086】[工程−500]先ず、実施例1の[工程
−100]と同様の方法で、半導体基板から構成された
基体10に配線14を形成しておく(図7の(A)参
照)。尚、この配線14は、例えば、MOS型トランジ
スタのゲート電極、あるいはゲート電極が延在したもの
である。尚、段差部の高さHは0.21μmである。
【0087】[工程−510]このような基体10に設
けられた段差部の少なくとも頂部に第1の膜41を形成
する。実施例5においては、段差部である配線14の頂
部だけでなく、段差部の底部にも第1の膜41を形成し
た。即ち、配線14上を含む基体10の全面に第1の膜
41を形成した。第1の膜は酸化シリコン(SiO2
から成り、例えば、テトラエトキシシラン(TEOS)
を用いたプラズマCVD法によって形成することができ
る。段差部頂部における第1の膜41の厚さT1を0.
20μmとした。第1の膜41の成膜条件は、実施例1
の[工程−110]と基本的には同様とすることができ
る。
【0088】[工程−520]次に、段差部底面(具体
的には基体10の表面)から第2の膜42の表面までの
高さT2が(H+T1)の値より小さいか若しくは略等し
くなるように、第1の膜41よりも研磨速度の早い第2
の膜42で段差部を被覆する(図7の(B)参照)。第
2の膜42は、実施例5においてはBPSGから成り、
実施例1の[工程−120]と同様に、例えば低圧CV
D法によって形成することができる。段差部の底部にお
ける第2の膜42の厚さを0.23μmとした。即ち、
段差部の底面からの第2の膜42の表面の高さT2
0.43μm(=0.20μm+0.23μm)であ
る。従って、T2(=0.43μm)の値は、(H+
1)(0.41μm=0.21μm+0.20μm)
の値と略等しい。更には、T2−(H+T1)≦0.1μ
mの関係を満足している。尚、BPSGから成る第2の
膜42の成膜後、第2の膜42の熱処理は行わない。
【0089】[工程−530]その後、第2の膜42上
に、第2の膜42よりも研磨速度の遅い厚さ50nm第
3の膜43を形成する(図7の(C)参照)。即ち、段
差部底面(基体10の表面)から第3の膜43の表面ま
での高さT3は、0.48μmとなる。第3の膜43は
ノンドープ・シリケートガラス(NSG膜,組成は酸化
シリコン,SiO2)から成り、SiH4ガスを用い、基
体の加熱温度を410゜Cとした低圧CVD法にて成膜
することができる。あるいは又、第3の膜43は、テト
ラエトキシシラン(TEOS)を用いたプラズマCVD
法によって形成された酸化シリコンとすることもでき
る。尚、第3の膜43の膜厚は、|T3−(H+T1)|
≦0.1μmの関係を満足している。尚、第3の膜43
を窒化シリコン(Si34)から構成することもでき
る。
【0090】[工程−540]次に、第3の膜43及び
第2の膜42を研磨し、段差部である配線14の頂部に
形成された第1の膜41を露出させる(図7の(D)参
照)。研磨は化学的機械的研磨法(CMP法)に基づい
ている。研磨条件としては、例えば、研磨布にはSUB
A800(Asker−C硬度が例えば80〜100程
度)を用い、研磨液には適切な組成のヒュームドシリカ
を用いる。また、研磨液の供給量を4cm3/分、研磨
圧を200g/cm2、定盤速度を40rpmに設定し
て、研磨を行った。あるいは又、実施例1の[工程−1
30]にて説明した機械的研磨法にて、第3の膜43及
び第2の膜42を研磨してもよい。
【0091】こうして、段差部である配線14の頂部に
は第1の膜41が残り、段差部の底部である基体10の
上には、第1の膜41、第2の膜42及び第3の膜43
から成る積層化された膜が形成される。段差部である配
線14の頂部における第1の膜41の表面と、段差部の
底部の上方の第2の膜42及び第3の膜43の表面とは
ほぼ同じ水準(高さ)にある。
【0092】即ち、実施例5にて形成された配線構造
は、基体10の上に形成された複数の配線14と、これ
らの配線14の頂部に形成された第1の膜41と、配線
14と配線14の間の基体10上に積層された第2の膜
42及び第3の膜43から成り、第1の膜41の表面、
第2の膜42の表面及び第3の膜43の表面は略同一平
面にあり、第1の膜41と第3の膜43との間に第2の
膜42が露出している。
【0093】酸化シリコン(SiO2)から成る第1の
膜41及び第3の膜43の研磨速度は12nm/分であ
った。一方、BPSGから成る第2の膜42の研磨速度
は100nm/分であった。従って、第2の膜42の研
磨速度は第1の膜41及び第3の膜43の研磨速度の8
倍程度になるので、研磨速度に十分な選択比を生じる。
即ち、第1の膜41及び第3の膜43に比較して第2の
膜42の方が研磨され易い。このため、段差部である配
線14上における第3の膜43、第2の膜42の研磨が
進行して、凸部である配線14の頂部上の第1の膜41
が露出すると(若しくは露出する直前に)、段差部底部
の上方の第3の膜43が研磨され始める。従って、段差
部頂部の第1の膜41及び段差部底部の上方の第3の膜
43が研磨ストッパとして機能する。即ち、段差部頂部
の第1の膜41と段差部底部の上方の第3の膜43とに
よって挟まれた第2の膜42の部分では研磨速度が抑制
される。
【0094】そして、研磨速度の遅い第1の膜41及び
第3の膜43が研磨ストッパとなり、他の配線14上の
第1の膜41が露出するまで第3の膜43、第2の膜4
2は研磨される。このようにして、ウエハに形成された
全ての若しくはほぼ全ての配線14上の第1の膜41が
露出したときに研磨を終了する。あるいは又、基体10
に形成された全ての若しくはほぼ全ての段差部底部の上
方の第3の膜43が最頂部分になったときに研磨を終了
する。こうして、段差部の底部における第1の膜41、
第2の膜42及び第3の膜43の膜厚の和は、ウエハ面
内で均一化される。この結果、グローバルな状態でウエ
ハ面内における膜の平坦化が実現される。尚、図22の
(A)に示すように、T2の値がH+T1の値より非常に
大きい場合、図22の(B)に示すように、[工程−5
40]において、各膜の研磨が不十分になり、平滑性が
不十分になる虞がある。
【0095】尚、実施例5においては、第1の膜41及
び第3の膜43を酸化シリコンから形成し、第2の膜4
2をBPSGから形成したが、第1の膜41及び第3の
膜43は第2の膜42よりも研磨速度が遅い材料で形成
されていればよい。例えば、第1の膜41及び第3の膜
43を窒化シリコンから形成してもよい。あるいは又、
第1の膜や第3の膜43を、酸化シリコンと窒化シリコ
ンの2層膜としてもよい。第2の膜42を、PSG、あ
るいは、BPSGやPSGと多結晶シリコンの2層膜と
してもよい。第1、第2及び第3の膜をこのような材料
から構成することによって、第1の膜41の研磨速度に
対して第2の膜42の研磨速度は十分に早くなり、第2
の膜42の研磨速度に対して第3の膜43の研磨速度は
十分に遅くなる。
【0096】次に、実施例5における研磨機構を、図8
及び図9の研磨工程図、及び図10の表面高さと研磨時
間との関係図に基づき説明する。図10中の各線A,
B,C,Dは図8及び図9中の領域A,B,C,Dで示
された部分における各膜の高さを示す。尚、図10の縦
軸は表面高さを示し、横軸は研磨時間を示す。ここで、
高さは、基体10の表面を基準としている。
【0097】図8の(A)に示すように、基体10には
配線14が形成されている。配線14上を含む基体10
上には、第1の膜41が形成されている。尚、幅の狭い
配線14A(領域Aに相当する)の頂部の第1の膜の部
分を参照番号41Aで示し、幅の広い配線14B(領域
Bに相当する)の頂部の第1の膜の部分を参照番号41
Bで示す。第1の膜41の表面には、当該第1の膜41
よりも研磨速度が早い第2の膜42が形成されている。
この第2の膜42は、T2が(H+T1)の値より小さい
か若しくは略等しくなるように形成されている。尚、幅
の狭い配線14A(領域Aに相当する)の頂部の第2の
膜の部分を参照番号42Aで示し、幅の広い配線14B
(領域Bに相当する)の頂部の第2の膜の部分を参照番
号42Bで示す。更に、第2の膜42の上には、少なく
とも第2の膜42よりも研磨速度が遅い第3の膜43が
形成されている。尚、幅の狭い配線14A(領域Aに相
当する)の上方の第3の膜の部分を参照番号43Aで示
し、幅の広い配線14B(領域Bに相当する)の上方の
第3の膜の部分を参照番号43Bで示し、段差部の広い
底部(領域Cに相当する)の上方の第3の膜を参照番号
43Cで示し、段差部の狭い底部(領域Dに相当する)
の上方の第3の膜を参照番号43Dで示す。
【0098】特にこの第3の膜43Cは、配線14の頂
部に形成された第1の膜41A,41Bの表面とほぼ同
等の高さになるように形成されている。尚、この状態に
おける各膜の表面の高さは、図10に示すように、領域
A,Bではh3(=H+T3)の高さになっており、領域
C,Dではh1(=T3)の高さになっている。尚、h2
はH+T2に等しい。
【0099】このような状態で研磨を開始する。図8の
(B)に示すように、研磨の開始直後の段階では、第3
の膜43A,43Bの稜線部(破線で示す部分)が主に
研磨される。そして、この段階では、領域Cにおける第
3の膜43C及び領域Dにおける第3の膜43Dは殆ど
研磨されない。また、領域Aにおける第3の膜43A
は、領域Bにおける第3の膜43Bと比較して、基体1
0の表面に垂直な方向の研磨圧力成分を強く受ける。こ
のため、領域Aにおける第3の膜43Aの研磨速度は、
領域Bにおける第3の膜43Bの研磨速度と比較して早
い。
【0100】研磨が進行すると、図8の(C)に示すよ
うに、領域Aにおける第3の膜43Aは除去され、その
下方の第2の膜42Aは所謂山型に研磨され始める。一
方、領域Bにおける第3の膜43Bの縁側部分が研磨さ
れ、更には、このように研磨され始めた第3の膜43B
の近傍の第2の膜42Bも斜めに研磨される。この段階
を、図10の時間tAにて示す。
【0101】更に研磨が進行すると、図9の(A)に示
すように、領域Bにおける第3の膜43Bが更に研磨さ
れて無くなる。また、領域Bにおける第2の膜42Bの
相当量も研磨される。一方、配線14Aの頂部に形成さ
れた第1の膜41Aの表面が露出する。このとき、領域
Aにおける第1の膜41Aの表面と、段差部の広い底部
(領域C)の上方の第3の膜43Cの表面及び段差部の
狭い底部(領域D)の上方の第3の膜43Dの表面と
は、ほぼ同一の高さに形成されているので、領域Cにお
ける第3の膜43C、領域Dにおける第3の膜43D及
び領域Aにおける第1の膜41Aは、研磨ストッパにな
る。その結果、研磨は、第1の膜41Aの表面、第3の
膜43Cの表面及び第3の膜43Dの表面の高さのレベ
ルでほぼ止まる。この段階を、図10の時間tBにて示
す。
【0102】しかしながら、この時点においては、幅の
広い配線14B(領域B)の上方の第2の膜42Bの相
当部分は残っている。そこで研磨を更に進めて、図9の
(B)に示すように、残っている第2の膜42B(図9
の(A)参照)を研磨して除去する。このとき、第1の
膜41A、及びその表面とほぼ同一高さに研磨されてい
る第3の膜43C,43Dとが研磨ストッパになるの
で、配線14間に露出している第2の膜42は殆ど研磨
されない。更に、幅の広い配線14B(領域B)の頂部
の第1の膜41Bも研磨ストッパとして作用するので、
第1の膜41,第2の膜42及び第3の膜43は、ほぼ
平坦化される。この段階を、図10の時間tB’にて示
す。
【0103】時間tDまで研磨した場合には、領域Dに
おける第3の膜43Dが研磨されて無くなる。従って、
研磨を制御できる時間的余裕tMは、tB’からtDの間
の時間である。尚、時間tB’は最大配線幅を有する配
線領域によって規定されるが、一般に或る配線幅以上に
なると時間tB’は一定になる。一方、基体10の表面
に垂直の方向の研磨圧力成分によって、領域Dにおける
第3の膜43は配線幅に依存せず、ある所定の時間(t
D)で消失する。更に、時間tCまで研磨を行うと、領域
Cにおける第3の膜43Cが研磨されて消滅し、領域C
における第2の膜42は凹状に研磨される。このため、
平坦度が悪化する。以上に説明したように、研磨時間は
B’〜tDの時間範囲に設定しなければならない。
【0104】尚、実施例5における膜平坦化方法におい
ては、 |T3−(H+T1)|≦0.1μm の関係を満足することが好ましい。このような関係を満
足するならば、十分な研磨余裕が確保される。従って、
基体10の上に形成される第1、第2及び第3の膜4
1,42,43の表面は、ほぼ平坦になる。
【0105】(実施例5の変形)実施例5の変形におい
ては、基体10は半導体基板から構成されており、段差
部は、基体上に形成されたLOCOS構造を有する素子
分離領域15の上に形成された配線14から構成されて
いる(図11の(A)参照)。即ち、段差部は二重であ
り、第1番目の段差部はLOCOS構造を有する素子分
離領域15から成り、第2番目の段差部は配線14から
成る。
【0106】実施例5と同様に、第1の膜41は酸化シ
リコン(SiO2)から成り、第2の膜42はBPSG
から成り、第3の膜43は酸化シリコン(SiO2)か
ら成る。また、第3の膜43及び第2の膜42は化学的
機械研磨法若しくは機械的研磨法にて研磨される。実施
例5の変形における膜平坦化方法は、段差部の構成が異
なることを除き、実施例5の各工程と同様とすることが
できるので、詳細な説明は省略する。実施例5の変形の
[工程−500A](実施例5の[工程−500]に相
当する)、[工程−530A](実施例5の[工程−5
30]に相当する)、[工程−540A](実施例5の
[工程−540]に相当する)における基体等の模式的
な一部断面図を図11に示す。
【0107】(実施例6)実施例6も、本発明の第2の
態様に係る膜平坦化方法に関する。実施例6において
は、実施例4と同様に、配線と配線の間に形成される絶
縁膜の平坦化を意図している。実施例6においては、基
体は半導体基板から構成されており、段差部は基体上に
形成された凹部から構成されている。第1の膜は酸化シ
リコン(SiO2)及び窒化シリコン(Si34)から
成り、第2の膜は具体的にはBPSGから成り、第3の
膜は酸化シリコン(SiO2)から成る。第1の膜は、
段差部の頂部だけでなく、段差部の側壁及び底面にも形
成されている。第3の膜及び第2の膜は化学的機械研磨
法(CMP法)によって研磨される。尚、段差部の頂部
(基体の表面)に形成された第1の膜は、研磨ストッパ
として機能し研磨の均一性を改善する。また、段差部の
底部(凹部の底部)に形成された第1の膜は、例えばB
PSGから成る第2の膜からの基体への不純物の拡散を
防止するという機能を有している。
【0108】更に詳しくは、実施例6は、本発明の第2
の態様に係る膜平坦化方法の好ましい第3の態様に関す
る。即ち、実施例6においては、基体に設けられた高さ
Hの段差部の少なくとも頂部に段差部頂部における膜厚
がT1の第1の膜を形成する工程は、基体上に酸化膜及
び上層膜を形成した後、基体に凹部から成る段差部を形
成し、次いで、段差部を構成する凹部の側壁及び底面に
酸化膜を形成する工程から成る。そして、段差部頂部に
おける第1の膜は酸化膜及び上層膜から成り、段差部底
部における第1の膜は酸化膜から成る。
【0109】以下、基体等の模式的な一部断面図である
図12及び図13を参照して、実施例6の膜平坦化方法
を説明する。
【0110】[工程−600]先ず、実施例4の[工程
−400]と同様の方法で、基体10の表面に第1の膜
の一部41Aを形成する。即ち、先ず、シリコン半導体
基板から成る基体10上に厚さ10nmの酸化膜(Si
2)を形成する。次に、酸化膜の上にCVD法にて窒
化シリコン(Si34)から成る厚さ0.15μmの上
層膜を成膜する。こうして、酸化膜(SiO2)と上層
膜(Si34)の2層から成る第1の膜の一部41Aが
形成される(図12の(A)参照)。
【0111】[工程−610]その後、実施例4の[工
程−410]と同様の方法で、フォトリソグラフィ技術
及びエッチング技術を用いて第1の膜の一部41A及び
基体10を選択的にエッチングし、基体10に段差部で
ある凹部30を形成する。次いで、凹部30を例えば熱
酸化法にて酸化し、凹部30の底面及び側壁に厚さ20
nmの酸化膜(SiO2)41Bを形成する(図12の
(B)参照)。
【0112】こうして、第1の膜41A,41Bが形成
される。尚、段差部頂部における第1の膜41Aは酸化
膜及び上層膜から成り、段差部底部における第1の膜4
1Bは酸化膜から成る。そして、実施例6においては、
基体10に設けられた段差部である凹部30の頂部(基
体10の表面)だけでなく、段差部の底部にも第1の膜
41Bが形成されている。
【0113】基体10に設けられた段差部である凹部3
0の高さ(深さ)Hを0.25μmとした。また、T1
は0.16μmである。従って、(H+T1)の値は
0.41μmである。
【0114】[工程−620]次に、段差部底面(具体
的には凹部30の底面)から第2の膜42の表面までの
高さT2が(H+T1)の値より小さいか若しくは略等し
くなるように、第1の膜41Aよりも研磨速度の早い第
2の膜42で段差部を被覆する(図12の(C)参
照)。第2の膜42は、実施例6においてもBPSGか
ら成り、実施例1の[工程−120]と同様に、例えば
低圧CVD法によって形成することができる。段差部の
底部(具体的には凹部30の底部)における第2の膜4
2の厚さを0.30μmとした。即ち、段差部の底面か
らの第2の膜42の表面の高さT2は0.32μm(=
0.02μm+0.30μm)である。従って、T
2(=0.32μm)の値は、(H+T1)(0.41μ
m=0.25μm+,0.16μm)の値より小さい。
尚、BPSGから成る第2の膜42の成膜後、第2の膜
42の熱処理は行わない。
【0115】[工程−630]その後、第2の膜42上
に、実施例5の[工程−530]と同様の方法で、第2
の膜42よりも研磨速度の遅い厚さ0.10μmの第3
の膜43を形成する(図13の(A)参照)。T3の値
は0.42μmである。第3の膜43の膜厚は、|T3
−(H+T1)|≦0.1μmの関係を満足している。
【0116】[工程−640]次に、実施例5の[工程
−540]と同様の方法で、第3の膜43及び第2の膜
42を研磨し、段差部である凹部30の頂部(基体10
の表面)に形成された第1の膜41Aを露出させる(図
13の(B)参照)。
【0117】[工程−650]次いで、実施例4の[工
程−430]と同様の方法で、基体10の表面に残って
いる第1の膜41Aを除去する(図13の(C)参
照)。即ち、第1の膜41Aを構成する窒化シリコン
(Si34)を140゜Cのリン酸を用いて除去する。
また、第1の膜41Aを構成する酸化シリコン(SiO
2)を0.5%希フッ酸を用いて除去する。こうして、
図13の(C)に模式的に示すように、凹部30にBP
SGから成る第2の膜42が埋め込まれ、表面がほぼ平
滑なトレンチ構造を有する素子分離領域31が形成され
る。一方、素子分離領域31の間に例えば半導体素子を
形成すべき領域(半導体素子形成領域)32が形成され
る。尚、基体10の表面に残っている第1の膜41Aを
研磨法にて除去してもよい。
【0118】こうして実施例6にて形成されたトレンチ
構造を有する素子分離領域31は、基体10に形成され
た凹部30と、この凹部30の底面及び側壁に形成され
た第1の膜41Bと、凹部30を埋める第2の膜42か
ら成る。
【0119】(実施例7)実施例7も実施例6の変形で
ある。実施例7は、本発明の第2の態様に係る膜平坦化
方法の好ましい第1の態様に関する。実施例7が実施例
6と相違する点は、第1の膜41の形成方法にある。即
ち、基体に設けられた高さHの段差部の少なくとも頂部
に段差部頂部における膜厚がT1の第1の膜を形成する
工程は、基体10に凹部30から成る段差部を形成した
後、段差部を構成する凹部30の底部を含む基体10の
表面に第1の膜41を形成する工程から成る。以下、基
体等の模式的な一部断面図である図14及び図15を参
照して、実施例7の膜平坦化方法を説明する。尚、第1
の膜は、研磨ストッパとして機能し研磨の均一性を改善
するだけでなく、例えばBPSGから成る第2の膜から
の基体への不純物の拡散を防止するという実用的な機能
をも有している。
【0120】[工程−700]先ず、実施例2の[工程
−200]と同様の方法で、半導体基板から成る基体1
0に凹部30を形成する。この凹部30は、公知のフォ
トリソグラフィ技術及びエッチング技術によって形成す
ることができる。この凹部30が段差部に相当する。更
に詳しくは、段差部の頂部は基体10の表面に相当し、
段差部の底部は凹部30の底部に相当し、段差部の底面
は凹部30の底面に相当する。段差部の高さHである凹
部30の深さは0.30μmである。その後、凹部30
内を含む基体10全体を酸化処理する。これによって、
SiO2から成る第1の膜41が形成される(図14の
(A)参照)。段差部頂部における第1の膜21の厚さ
1を20nmとした。
【0121】[工程−710]次に、段差部底面(具体
的には凹部30の底面)から第2の膜42の表面までの
高さT2が(H+T1)の値より小さいか若しくは略等し
くなるように、第1の膜41よりも研磨速度の早い第2
の膜42で段差部を被覆する(図14の(B)参照)。
この工程は、実施例6の[工程−620]と同様とする
ことができる。段差部の底部(具体的には凹部30の底
部)における第2の膜42の厚さを0.30μmとし
た。即ち、段差部の底面からの第2の膜42の表面の高
さT2は0.32μm(=0.02μm+0.30μ
m)である。従って、T2(=0.32μm)の値は、
(H+T1)(0.32μm=0.02μm+0.30
μm)の値と等しい。BPSGから成る第2の膜42の
成膜後、第2の膜42の熱処理は行わない。
【0122】[工程−720]その後、実施例6の[工
程−630]と同様の方法で、第2の膜42の上に、第
2の膜よりも研磨速度の遅い酸化シリコンから成る第3
の膜43を形成する(図14の(C)参照)。尚、T3
の値は、実施例6の同様の場合0.42μm程度であ
る。
【0123】[工程−730]次に、実施例5の[工程
−540]と同様の方法で、第3の膜43及び第2の膜
42を研磨し、段差部である凹部30の頂部(基体10
の表面)に形成された第1の膜41を露出させる(図1
5の(A)参照)。
【0124】[工程−740]その後、実施例6の[工
程−650]と同様に、基体10の表面に残っている第
1の膜41を除去する(図15の(B)参照)。これに
よって、トレンチ構造を有する素子分離領域31が形成
され、一方、素子分離領域31の間に例えば半導体素子
を形成すべき領域32が形成される。
【0125】(実施例8)実施例8も実施例6の変形で
ある。実施例8は、本発明の第2の態様に係る膜平坦化
方法の好ましい第2の態様に関する。実施例8が実施例
6と相違する点は、第1の膜41の形成方法にある。即
ち、基体に設けられた高さHの段差部の少なくとも頂部
に段差部頂部における膜厚がT1の第1の膜を形成する
工程は、基体10に第1の膜41を形成した後、基体1
0に凹部30から成る段差部を形成する工程から成る。
以下、基体等の模式的な一部断面図である図16及び図
17を参照して、実施例8の膜平坦化方法を説明する。
【0126】[工程−800]先ず、実施例3と同様
に、基体10の表面にのみ第1の膜41を形成する。即
ち、基体10の表面に、例えばCVD法にて酸化シリコ
ン(SiO2)や窒化シリコン(Si34)、あるいは
酸化シリコンと窒化シリコンの2層膜から成る第1の膜
41を形成する。次いで、フォトリソグラフィ技術及び
エッチング技術を用いて第1の膜41及び基体10を選
択的にエッチングし、基体10に凹部30から成る段差
部を形成する(図16の(A)参照)。第1の膜41は
基体10の表面にのみ形成されている。即ち、基体10
に設けられた段差部の頂部にのみ第1の膜41が形成さ
れる。段差部の高さHである凹部30の深さを0.30
μmとした。一方、段差部頂部(基体10の表面)にお
ける第1の膜21の厚さT1を20nmとした。
【0127】[工程−810]次に、段差部底面(具体
的には凹部30の底面)から第2の膜42の表面までの
高さT2が(H+T1)の値より小さいか若しくは略等し
くなるように、第1の膜41よりも研磨速度の早い第2
の膜42で段差部を被覆する(図16の(B)参照)。
この工程は、実施例6の[工程−620]と同様とする
ことができる。段差部の底部(具体的には凹部30の底
部)における第2の膜42の厚さを0.30μmとし
た。即ち、段差部の底面からの第2の膜42の表面の高
さT2は0.25μmである。従って、T2(=0.27
μm)の値は、(H+T1)(0.32μm=0.30
μm+0.02μm)の値より小さい。BPSGから成
る第2の膜42の成膜後、第2の膜42の熱処理は行わ
ない。
【0128】[工程−820]その後、実施例6の[工
程−630]と同様の方法で、第2の膜42の上に、第
2の膜よりも研磨速度の遅い酸化シリコンから成る第3
の膜43を形成する(図16の(C)参照)。
【0129】[工程−830]次に、実施例5の[工程
−540]と同様の方法で、第3の膜43及び第2の膜
42を研磨し、段差部である凹部30の頂部(基体10
の表面)に形成された第1の膜41を露出させる(図1
7の(A)参照)。
【0130】[工程−840]その後、実施例6の[工
程−650]と同様に、基体10の表面に残っている第
1の膜41を除去する(図17の(B)参照)。これに
よって、トレンチ構造を有する素子分離領域31が形成
され、一方、素子分離領域31の間に例えば半導体素子
を形成すべき領域32が形成される。
【0131】尚、第2の膜42が例えばBPSGから成
る場合、第2の膜42から基体へ不純物が拡散し、問題
が生ずる虞がある。このような虞がある場合には、第2
の膜42を、多結晶シリコンとBPSGの2層から構成
すればよい。
【0132】(実施例9)実施例9は、本発明の第3の
態様に係る膜平坦化方法に関する。実施例9において
は、配線と配線の間に形成される絶縁膜の平坦化、所謂
層間絶縁層の平坦化を意図している。実施例9において
は、基体は半導体基板から構成されている。また、段差
部は、基体上に形成されたLOCOS構造を有する素子
分離領域15の上に形成された配線50から構成されて
いる(図18の(A)参照)。即ち、段差部は二重(即
ち、n=2)であり、第1番目の段差部はLOCOS構
造を有する素子分離領域15から成り、第2番目の段差
部は配線50から成る。実施例9においては、段差部底
部の上方の膜は4層(k=2であり、第2k番目の膜は
第4番目の膜である)から構成されている。
【0133】第(2m−1)番目の膜(但し、m=1,
2,・・・,kであり、実施例9においてはk=n=2
である)は酸化シリコン(SiO2)から成り、第2m
番目の膜は具体的にはBPSGから成る。第1の膜は、
段差部の頂部だけでなく、段差部の側壁及び底面にも形
成されている。第2m番目の膜から第2番目の膜までの
各膜は、化学的機械研磨法(CMP法)によって研磨さ
れる。尚、第1の膜は、研磨ストッパとして機能し研磨
の均一性を改善するだけでなく、例えばBPSGから成
る第2の膜からの基体への不純物の拡散を防止するとい
う実用的な機能をも有している。
【0134】実施例9においては、n重の段差部の最底
面から最頂部までの高さをHとし、n重の段差部の最頂
部における第1番目の膜の厚さをT1とし、n重の段差
部の最底面から第2k番目の膜(但し、2≦kである)
の表面までの高さをT2kとしたとき、T2kの値を(H+
1)の値より大きくした。
【0135】更には、実施例9においては、k=n=2
であり、n重の段差部の最頂部における第1番目の膜の
厚さをT1とし、n重の段差部の最底部からi番目(但
し、i=1,2,・・・,n)の段差部の高さをHi
したとき、n重の段差部の最底面から第(2j+1)番
目の膜(但し、j=1,2,・・・,k−1であり、2
≦kである)の表面までの高さT2j+1は、
【数7】 と略等しい。
【0136】以下、基体等の模式的な一部断面図である
図18及び図19を参照して、実施例9の膜平坦化方法
を説明する。
【0137】[工程−900]先ず、実施例1の[工程
−100]と同様の方法で、LOCOS構造を有する素
子分離領域15の上に配線50を形成する。素子分離領
域15上の配線50は、例えば厚さが0.10μmのリ
ン(P)をドープした多結晶シリコン層12及び厚さが
0.10μmのタングステンシリサイド(WSi2)層
13から構成されている。n重の段差部の最底面から最
頂部までの高さH(=H1+H2)は0.35μmであ
る。即ち、素子分離領域15(第1番目の段差部)の高
さ(H1)は0.15μmであり、配線50(第2番目
の段差部)の高さ(H2)は0.20μmである。
【0138】[工程−910]実施例5の[工程−51
0]と同様の方法で、基体10に形成されたn重(但
し、n≧2であり、実施例9においてはn=2)の段差
部を、第1番目の膜51で被覆する(図18の(B)参
照)。第1番目の膜51は酸化シリコン(SiO2)か
ら成る。第1番目の膜51の厚さを0.10μmとし
た。即ち、n重の段差部の最頂部における第1番目の膜
の厚さT1は0.10μmである。
【0139】[工程−920]次に、第1の膜51より
も研磨速度が早い第2の膜52を第1の膜51上に形成
し、第2の膜52で段差部を被覆する。第2の膜52
は、実施例9においてはBPSGから成り、例えば低圧
CVD法によって形成することができる。この工程は、
実施例5の[工程−520]と同様とすることができ
る。第2の膜52の厚さを0.17μmとした。従っ
て、T2は、 T2=0.10μm+0.17μm =0.27μm である。
【0140】[工程−930]その後、第2の膜52上
に、第2の膜52よりも研磨速度の遅い第3の膜53
(第(2m+1)番目の膜であり、m=1である)を形
成する(図18の(C)参照)。第3の膜53は、例え
ば、テトラエトキシシラン(TEOS)を用いたプラズ
マCVD法によって形成された酸化シリコンとした。
尚、第3の膜53を窒化シリコン(Si34)から構成
することもできる。第3の膜53の膜厚を30nmとし
た。従って、n重の段差部の最底面から第(2m+1=
3)番目の膜53の表面までの高さT3は、 T3=0.10μm+0.17μm+0.03μm =0.30μm である。
【0141】一方、n=2、j=1なので、
【数8】 の値は0.30μmとなり、T3の値と等しい。
【0142】尚、本発明の第3の態様に係る膜平坦化方
法においては、[工程−920]及び[工程−930]
を(k−1)回繰り返すが、実施例9においてはk=2
としたので、[工程−920]及び[工程−930]を
1回実行する。
【0143】[工程−940]その後、第(2k−1=
3)番目の膜53よりも研磨速度が早い第(2k=4)
番目の膜54を第(2k−1=3)番目の膜53上に形
成する(図19の(A)参照)。この工程は、[工程−
920]と同様とすることができる。第4番目の膜54
の厚さを0.50μmとした。(H+T1)の値は、 H+T1=0.35μm+0.10μm =0.45μm である。また、n重(二重)の段差部の最底面から第
(2k=4)番目の膜54の表面までの高さT2kの値
は、 T4=0.10μm+0.17μm+0.03μm+
0.50μm =0.80μm である。従って、T2kの値は(H+T1)の値より大き
い。
【0144】[工程−950]その後、第(2k=4)
番目54の膜から第2番目の膜52までを研磨し、n重
の段差部の最頂部に形成された第1番目の膜を露出させ
る。この工程は、実施例5の[工程−540]と同様と
することができる。研磨の途中における基体等の模式的
な一部断面図を図19の(B)に示す。また、研磨完了
時における基体等の模式的な一部断面図を図19の
(C)に示す。
【0145】第1番目の段差部の高さH1は0.15μ
mである。一方、段差部の最底面である基体10の表面
を基準としたときの、第1番目の段差部の上方に形成さ
れた第3番目の膜53の表面の高さは、 H1+T3 =0.15μm+0.30μm =0.45μm である。従って、段差部の最底面である基体10の表面
を基準としたときの、第1番目の段差部の上方に形成さ
れた第3番目の膜53の高さと、n重の段差部の最頂部
における第1番目の膜の表面の高さは等しい。
【0146】それ故、第2k番目の膜(実施例9におい
ては第4番目の膜54)から第2番目の膜52までを研
磨し、n重の段差部の最頂部に形成された第1番目の膜
51を露出させたとき、かかるn重の段差部の最頂部に
形成された第1番目の膜51が研磨ストッパとなるだけ
でなく、第1番目の段差部の上方に形成された第(2m
+1)番目の膜(実施例9においては、図19の(C)
において第3番目の膜53Aで示す)も研磨ストッパと
して機能する。従って、第k番目の膜(第4番目の膜5
4)や第2m番目の膜(第2番目の膜52)が研磨され
過ぎることを効果的に抑制することができる。
【0147】尚、第2m番目の膜(但し、m=1,2,
・・・,kであり、2≦kである)は、PSG、あるい
はBPSGやPSGと多結晶シリコンの積層から構成し
てもよい。また、第(2m−1)番目の膜は、窒化シリ
コン、あるいは酸化シリコンと窒化シリコンの積層から
構成してもよい。
【0148】こうして実施例9の膜平坦化方法によっ
て、n重の段差部の間に形成され、2k層の絶縁膜が積
層されそして表面が平坦化させた多層絶縁膜が得られ
る。この多層絶縁膜の第1層目はn重の段差部の最頂部
を被覆している。一方、段差部底部の上方における多層
絶縁膜の表面の一部分は、第2k番目の層から成る。更
に、n重の段差部の最頂部を被覆した絶縁膜の第1層と
かかる第2k番目の層との間には、第2m’番目の層
(但し、m=1,2,・・・,k−1であり、2≦kで
ある)及び第(2m’+1)番目の層が露出している。
そして、第2m’番目の層は、第(2m’±1)番目の
層よりも研磨速度が早い。更には、第2k番目の層は、
第(2k−1)番目の層よりも研磨速度が早い。
【0149】(実施例10)実施例10は実施例9の変
形であり、本発明の第3の態様に係る膜平坦化方法の好
ましい態様に関する。実施例10が実施例9と相違する
点は、実施例9の[工程−940]と[工程−950]
の間に、第2k番目の膜(実施例10においては第4番
目の膜54)よりも研磨速度が遅い第(2k+1)番目
の膜(実施例10においては第5番目の膜55)を第2
k番目の膜上に形成する工程を含む点、実施例9の[工
程−950]において、第(2k+1)番目の膜(実施
例10においては第5番目の膜55)から第2番目の膜
までを研磨する点、及び第2k番目の膜(実施例10に
おいては第4番目の膜54)の膜厚を変えた点にある。
実施例10においては、段差部底部の上方の膜は5層
(2k+1=2×2+1)から構成されている。第5番
目の膜55は酸化シリコン(SiO2)から成る。
【0150】尚、実施例10においても、k=n=2で
あり、n重の段差部の最頂部における第1番目の膜の厚
さをT1とし、n重の段差部の最底部からi番目(但
し、i=1,2,・・・,n)の段差部の高さをHi
したとき、n重の段差部の最底面から第(2j+1)番
目の膜(但し、j=1,2,・・・,k−1であり、2
≦kである)の表面までの高さT2j+1は、
【数9】 と略等しい。
【0151】以下、基体等の模式的な一部断面図である
図20を参照して、実施例10の膜平坦化方法を説明す
る。
【0152】[工程−1000]先ず、実施例9の[工
程−900]と同様に、LOCOS構造を有する素子分
離領域15の上に配線50を形成する。第1番目の段差
部を構成する素子分離領域15の高さ(H1)は0.1
5μmであり、第2番目の段差部を構成する配線50の
高さ(H2)は0.20μmであり、n重の段差部の最
底面から最頂部までの高さH(=H1+H2)は0.35
μmである。
【0153】[工程−1010]実施例9の[工程−9
10]と同様に、基体10に形成されたn重(但し、n
≧2であり、実施例9においてはn=2)の段差部を、
第1番目の膜51で被覆する。第1番目の膜51は酸化
シリコン(SiO2)から成る。第1番目の膜51の厚
さを0.10μmとした。即ち、n重の段差部の最頂部
における第1番目の膜の厚さT1は0.10μmであ
る。
【0154】[工程−1020]次に、実施例9の[工
程−920]と同様に、第1の膜51よりも研磨速度が
早いBPSGから成る第2の膜52を第1の膜51上に
形成し、第2の膜52で段差部を被覆する。第2の膜5
2の厚さを0.17μmとした。従って、T2は、 T2=0.10μm+0.17μm =0.27μm である。
【0155】[工程−1030]その後、実施例9の
[工程−930]と同様に、第2の膜52上に、第2の
膜52よりも研磨速度の遅い酸化シリコン(SiO2
から成る第3の膜53(第(2m+1)番目の膜であ
り、m=1である)を形成する。第3の膜53の膜厚を
30nmとした。従って、n重の段差部の最底面から第
(2m+1=3)番目の膜53の表面までの高さT
3は、 T3=0.10μm+0.17μm+0.03μm =0.30μm である。
【0156】一方、n=2、j=1なので、
【数10】 の値は0.30μmとなり、T3の値と等しい。
【0157】尚、実施例10においてもk=2とした。
それ故、[工程−1020]及び[工程−1030]を
(k−1)回繰り返すとは、実施例10においては、
[工程−1020]及び[工程−1030]を1回、実
行することを意味する。
【0158】[工程−1040]その後、第(2k−1
=3)番目の膜53よりも研磨速度が早いBPSGから
成る第(2k=4)番目の膜54を第(2k−1=3)
番目の膜53上に形成する(図20の(A)参照)。こ
の工程は、基本的には[工程−1020]と同様とする
ことができる。但し、第4番目の膜54の厚さを0.1
2μmとした。(H+T1)の値は、 H+T1=0.35μm+0.10μm =0.45μm である。また、n重(二重)の段差部の最底面から第
(2k=4)番目の膜54の表面までの高さT2kの値
は、 T4=0.10μm+0.17μm+0.03μm+
0.12μm =0.42μm である。従って、T2kの値は(H+T1)の値より小さ
い。
【0159】[工程−1050]次に、第(2k=4)
番目の膜54よりも研磨速度が遅い第(2k+1=5)
番目の膜55を第(2k=4)番目の膜54の上に形成
する(図20の(B)参照)。第5番目の膜55の膜
は、例えば、テトラエトキシシラン(TEOS)を用い
たプラズマCVD法によって形成された酸化シリコンと
した。尚、第5の膜55を窒化シリコン(Si34)か
ら構成することもできる。第5の膜55の膜厚を30n
mとした。従って、n重の段差部の最底面から第(2k
+1=5)番目の膜55の表面までの高さT5は、 T5=0.10μm+0.17μm+0.03μm+
0.12μm+0.03μm =0.45μm である。
【0160】n重の段差部の最底面から最頂部までの高
さをHとし、n重の段差部の最底面から第(2k+1=
5)番目の膜55の表面までの高さをT2k+1としたと
き、T2k+1はH+T1に等しい。従って、実施例10に
おいては、 |T2k+1−(H+T1)|≦0.1μm の関係を満足している。
【0161】[工程−1060]その後、第(2k+1
=5)番目の膜55から第2番目の膜52までを研磨
し、n重の段差部の最頂部に形成された第1番目の膜を
露出させる。この工程は、実施例5の[工程−540]
と同様とすることができる。研磨完了時における基体等
の模式的な一部断面図を図20の(C)に示す。
【0162】第1番目の段差部の高さH1は0.15μ
mである。一方、段差部の最底面である基体10の表面
を基準としたときの、第1番目の段差部の上方に形成さ
れた第3番目の膜53の表面の高さは、 H1+T3 =0.15μm+0.30μm =0.45μm である。従って、段差部の最底面である基体10の表面
を基準としたときの、段差部底部の上方に形成された第
5番目の膜55の高さと、第1番目の段差部の上方に形
成された第3番目の膜53Aの高さと、n重の段差部の
最頂部における第1番目の膜の表面の高さは等しい。
【0163】それ故、第(2k+1)番目の膜から第2
番目の膜までを研磨し、n重の段差部の最頂部に形成さ
れた第1番目の膜を露出させたとき、かかるn重の段差
部の最頂部に形成された第1番目の膜51、及び段差部
底部の上方に形成された第5番目の膜55が研磨ストッ
パとなるだけでなく、第1番目の段差部の上方に形成さ
れた第3番目の膜53も研磨ストッパとなる。従って、
第4番目の膜54や第2番目の膜52が研磨され過ぎる
ことを一層効果的に抑制することができる。
【0164】尚、第(2m’−1)番目の膜(但し、
m’=1,2,・・・,k+1であり、2≦kである)
の膜は、窒化シリコン、あるいは酸化シリコンと窒化シ
リコンの積層から構成してもよい。また、第2m番目の
膜(但し、m=1,2,・・・,kであり、2≦kであ
る)は、PSG、あるいは、BPSGやPSGと多結晶
シリコンの積層から構成してもよい。
【0165】こうして実施例10の膜平坦化方法によっ
て、n重の段差部の間に形成され、(2k+1)層の絶
縁膜が積層されそして表面が平坦化された多層絶縁膜が
得られる。この多層絶縁膜の第1層目はn重の段差部の
最頂部を被覆している。一方、段差部底部の上方におけ
る多層絶縁膜の表面の一部分は、第(2k+1)番目の
層から成る。更に、n重の段差部の最頂部を被覆した絶
縁膜の第1層とかかる第(2k+1)番目の層との間に
は、第2m番目の層(但し、m=1,2,・・・,kで
あり、2≦kである)及び第(2m+1)番目の層(但
し、m=1,2,・・・,k−1であり、2≦kであ
る)が露出している。そして、第2m番目の層は、第
(2m±1)番目の層よりも研磨速度が早い。また、第
(2k+1)番目の層は、第2k番目の層よりも研磨速
度が遅い。
【0166】(実施例11)実施例11は実施例10の
変形である。実施例11が実施例10と相違する点は、
第2m番目の膜(但し、m=1,2,・・・,kであ
り、2≦kである)の膜厚が異なる点にある。
【0167】即ち、実施例10においては、k=n=2
であり、n重の段差部の最頂部における第1番目の膜の
厚さをT1とし、n重の段差部の最底部からi番目(但
し、i=1,2,・・・,n)の段差部の高さをHi
したとき、n重の段差部の最底面から第(2j+1)番
目の膜(但し、j=1,2,・・・,k−1であり、2
≦kである)の表面までの高さT2j+1は、
【数11】 と略等しいとした。
【0168】一方、実施例11においては、k=n=2
であり、n重の段差部の最頂部における第1番目の膜の
厚さをT1とし、n重の段差部の最底部からi番目(但
し、i=1,2,・・・,n)の段差部の高さをHi
したとき、n重の段差部の最底面から第(2j+1)番
目の膜(但し、j=1,2,・・・,k−1であり、2
≦kである)の表面までの高さT2j+1は、T1+Hiに略
等しいとした。
【0169】第1番目の膜51から第5番目の膜55の
膜厚を以下に示す。 第1番目の膜51:0.10μm 第2番目の膜52:0.12μm 第3番目の膜53:0.03μm 第4番目の膜54:0.17μm 第5番目の膜55:0.03μm
【0170】実施例11における膜平坦化方法の各工程
は実施例10と同様とすることができるので、詳細な説
明は省略する。
【0171】実施例11においても、第(2k+1)番
目の膜から第2番目の膜までを研磨し、n重の段差部の
最頂部に形成された第1番目の膜を露出させたとき、か
かるn重の段差部の最頂部に形成された第1番目の膜5
1、及び段差部底部の上方に形成された第5番目の膜5
5が研磨ストッパとなるだけでなく、第1番目の段差部
の上方に形成された第3番目の膜53も研磨ストッパと
なる。従って、第4番目の膜54や第2番目の膜52が
研磨され過ぎることを一層効果的に抑制することができ
る。
【0172】以上、本発明を好ましい実施例に基づき説
明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。各実施例にて説明した数値や条件は例示であ
り、適宜変更することができる。段差部は、配線や素子
分離領域の他にも、如何なる要素から構成されていても
よい。
【0173】実施例において、配線14,50を、MO
S型トランジスタのゲート電極、あるいはゲート電極が
延在したものとした。しかしながら、配線14,50と
しては、このような構成に限定されず、適宜構成を変更
することができる。また、基体10もシリコン半導体基
板に限定されない。基体10を、例えばGaAs等の化
合物半導体基板から構成することができる。更には、基
体10をシリコン半導体基板に形成されたトレンチ素子
分離領域とし、配線14をトレンチ素子分離領域上に形
成した構造とすることもできる。
【0174】本発明の第1及び第2の態様に関する実施
例においては、段差部の段差数を1段若しくは2段とし
て説明したが、更に多い段数であってもよい。また、本
発明の第3の態様に関する実施例においては、段差部の
段差の数を2段として説明したが、それ以外の段数であ
ってもよい。本発明の第3の態様に関する実施例におい
ては、k=n=2の場合を例にとり説明したが、nは1
以上であればよい。また、kの値は2以上であればよ
く、kの値はn未満であってもnを越えてもよい。膜平
坦化方法として本発明の第1、第2及び第3の態様のい
ずれを採用するかは、段差部の形状や高さ、段差部と段
差部の間の間隔等に基づき適宜決定すればよい。
【0175】
【発明の効果】本発明の半導体装置における膜平坦化方
法においては、リンを6乃至9重量%含有する第2の膜
若しくは第2m番目の膜を用いることにより、高い研磨
速度と膜ストレスの小さな経時変化を両立させることが
でき、研磨時間の短縮による製造コスト低下と信頼性向
上を図ることができる。また、リンを含まない第1の膜
等に対して高い研磨速度比を得ることができるため、リ
ンを含まない膜を研磨ストッパーを使用した場合、高い
信頼性を維持しながら、プロセスマージンや平坦度の向
上、並びに研磨時間の短縮を図ることができる。
【0176】また、本発明の膜平坦化方法によれば、第
1の膜と第1の膜よりも研磨速度が早い第2の膜を積層
した後、あるいは研磨速度の遅い膜と研磨速度の早い膜
を交互に積層した後、平坦化のための研磨を行うので、
段差部の頂部に形成されている第1の膜や研磨速度の遅
い膜が研磨ストッパとして機能する。このため、第2の
膜や研磨速度の早い膜の研磨は第1の膜や研磨速度の遅
い膜によって制御できるので、基体において研磨後の膜
に局所的な凹凸が発生することを効果的に抑制すること
ができる。従って、均一性を損なうことなく研磨による
膜平坦化が実現できる。しかも、第1の膜や研磨速度の
遅い膜を研磨ストッパに用いているので、膜厚制御性の
向上を図ることができる。しかも、各膜を過剰に研磨を
しても、所望の膜厚より減少させないことも可能とな
り、ウエハ面内の研磨均一性を向上させることができ
る。
【0177】その結果、フォトリソグラフィー技術にお
ける露光時の露光焦点深度マージンを増大させることが
できる。また、接続孔の形成におけるオーバーエッチン
グ量を減少することができるので、配線の信頼性の向上
を図ることが可能になる。また、トレンチ素子分離領域
の研磨法による平坦化に際して、基体へのダメージ発生
防止と、基体表面と素子分離領域との平滑化の両立を図
ることができ、広い素子分離領域においても膜厚減り
(ディッシング)を生じない研磨を確立することができ
る。それ故、半導体装置の製造歩留りが向上し、量産化
へ容易に対応することが可能となる。
【0178】尚、本発明の第2の態様あるいは第3の態
様に係る膜平坦化方法において、段差部底部の上方に形
成する第3の膜や第(2k+1)番目の膜の表面を、段
差部頂部に形成した第1の膜の表面に対して±0.1μ
mの範囲内の高さに形成すれば、十分な研磨余裕が確保
できる。それ故、各膜の表面をほぼ平坦面に研磨するこ
とができる。
【0179】さらに本発明において、第2m番目の膜を
構成する材料と第(2m±1)番目の膜を構成する材料
を適宜選択することによって、各膜に対して十分な研磨
速度比を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】BPSG中のリン濃度を変化させ、異なる温度
で熱処理を加えた後に研磨を行ったときの研磨速度を示
すグラフである。
【図2】実施例1の半導体装置における膜平坦化方法の
各工程を説明するための、基体等の模式的な一部断面図
である。
【図3】実施例1の変形における半導体装置における膜
平坦化方法の各工程を説明するための、基体等の模式的
な一部断面図である。
【図4】実施例2の半導体装置における膜平坦化方法の
各工程を説明するための、基体等の模式的な一部断面図
である。
【図5】実施例3の半導体装置における膜平坦化方法の
各工程を説明するための、基体等の模式的な一部断面図
である。
【図6】実施例4の半導体装置における膜平坦化方法の
各工程を説明するための、基体等の模式的な一部断面図
である。
【図7】実施例5の半導体装置における膜平坦化方法の
各工程を説明するための、基体等の模式的な一部断面図
である。
【図8】実施例5における研磨工程図である。
【図9】実施例5における研磨工程図である。
【図10】実施例5における各膜の表面高さと研磨時間
との関係を示す図である。
【図11】実施例5の変形の半導体装置における膜平坦
化方法の各工程を説明するための、基体等の模式的な一
部断面図である。
【図12】実施例6の半導体装置における膜平坦化方法
の各工程を説明するための、基体等の模式的な一部断面
図である。
【図13】図12に引き続き、実施例6の半導体装置に
おける膜平坦化方法の各工程を説明するための、基体等
の模式的な一部断面図である。
【図14】実施例7の半導体装置における膜平坦化方法
の各工程を説明するための、基体等の模式的な一部断面
図である。
【図15】図14に引き続き、実施例7の半導体装置に
おける膜平坦化方法の各工程を説明するための、基体等
の模式的な一部断面図である。
【図16】実施例8の半導体装置における膜平坦化方法
の各工程を説明するための、基体等の模式的な一部断面
図である。
【図17】図16に引き続き、実施例8の半導体装置に
おける膜平坦化方法の各工程を説明するための、基体等
の模式的な一部断面図である。
【図18】実施例9の半導体装置における膜平坦化方法
の各工程を説明するための、基体等の模式的な一部断面
図である。
【図19】図18に引き続き、実施例9の半導体装置に
おける膜平坦化方法の各工程を説明するための、基体等
の模式的な一部断面図である。
【図20】実施例10の半導体装置における膜平坦化方
法の各工程を説明するための、基体等の模式的な一部断
面図である。
【図21】実施例1及び実施例2における第2の膜の厚
さが不適切な場合の問題点を示す基体等の模式的な一部
断面図である。
【図22】実施例5における第2の膜の厚さが不適切な
場合の問題点を示す基体等の模式的な一部断面図であ
る。
【図23】従来の研磨平坦化技術の概要を示す半導体基
板等の模式的な一部断面図である。
【図24】従来のCMP法を用いたトレンチ素子分離領
域形成方法の問題点を説明するための、半導体基板等の
模式的な一部断面図である。
【符号の説明】
10 基体 14,50 配線 15 LOCOS構造を有する素子分離領域 21,21A,21B,41,41A,41B 第1の
膜 22,42 第2の膜 22A 酸化膜 43 第3の膜 30 凹部 31 素子分離領域 32 半導体素子形成領域

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)基体に設けられた段差部の少なくと
    も頂部に第1の膜を形成する工程と、 (ロ)該第1の膜よりも研磨速度が早く、リンを6乃至
    9重量%含有する第2の膜で段差部を被覆する工程と、 (ハ)該第2の膜を研磨し、段差部の頂部に形成された
    前記第1の膜を露出させる工程、から成ることを特徴と
    する半導体装置における膜平坦化方法。
  2. 【請求項2】工程(ロ)に引き続き、第2の膜を熱処理
    することなく、工程(ハ)を実行することを特徴とする
    請求項1に記載の半導体装置における膜平坦化方法。
  3. 【請求項3】第1の膜は、酸化シリコン及び窒化シリコ
    ンのいずれか一方若しくは両方が積層されて成り、第2
    の膜はホウ素リンシリケートガラス又はリンシリケート
    ガラスから成ることを特徴とする請求項2に記載の半導
    体装置における膜平坦化方法。
  4. 【請求項4】段差部の高さをHとし、段差部頂部におけ
    る第1の膜の厚さをT1とし、段差部の底面からの第2
    の膜の表面の高さをT2としたとき、T2の値は(H+T
    1)の値より大きいか若しくは略等しいことを特徴とす
    る請求項3に記載の半導体装置における膜平坦化方法。
  5. 【請求項5】前記(ハ)の工程の後、段差部頂部の第1
    の膜を除去する工程を更に含むことを特徴とする請求項
    3に記載の半導体装置における膜平坦化方法。
  6. 【請求項6】(イ)基体に設けられた高さHの段差部の
    少なくとも頂部に、段差部頂部における膜厚がT1の第
    1の膜を形成する工程と、 (ロ)段差部底面から第2の膜の表面までの高さT2
    (H+T1)の値より小さいか若しくは略等しくなるよ
    うに、第1の膜よりも研磨速度が早く、リンを6乃至9
    重量%含有する第2の膜で段差部を被覆する工程と、 (ハ)段差部底面から第3の膜の表面までの高さがT3
    となるように、該第2の膜上に、第2の膜よりも研磨速
    度の遅い第3の膜を形成する工程と、 (ニ)第3の膜及び第2の膜を研磨し、段差部の頂部に
    形成された前記第1の膜を露出させる工程、から成るこ
    とを特徴とする半導体装置における膜平坦化方法。
  7. 【請求項7】工程(ロ)に引き続き、第2の膜を熱処理
    することなく、工程(ハ)を実行することを特徴とする
    請求項6に記載の半導体装置における膜平坦化方法。
  8. 【請求項8】第1の膜は、酸化シリコン及び窒化シリコ
    ンのいずれか一方若しくは両方が積層されて成り、第2
    の膜はホウ素リンシリケートガラス又はリンシリケート
    ガラスから成り、第3の膜は、酸化シリコン及び窒化シ
    リコンのいずれか一方若しくは両方が積層されて成るこ
    とを特徴とする請求項7に記載の半導体装置における膜
    平坦化方法。
  9. 【請求項9】|T3−(H+T1)|≦0.1μmの関係
    を満足することを特徴とする請求項8に記載の半導体装
    置における膜平坦化方法。
  10. 【請求項10】前記(ニ)の工程の後、段差部頂部の第
    1の膜を除去する工程を更に含むことを特徴とする請求
    項8に記載の半導体装置における膜平坦化方法。
  11. 【請求項11】前記(イ)の工程は、基体に凹部から成
    る段差部を形成した後、段差部を構成する該凹部の底部
    を含む基体表面に第1の膜を形成する工程から成ること
    を特徴とする請求項8に記載の半導体装置における膜平
    坦化方法。
  12. 【請求項12】前記(イ)の工程は、基体に第1の膜を
    形成した後、基体に凹部から成る段差部を形成する工程
    から成ることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置
    における膜平坦化方法。
  13. 【請求項13】前記(イ)の工程は、基体上に酸化膜及
    び上層膜を形成した後、基体に凹部から成る段差部を形
    成し、次いで、段差部を構成する該凹部の側壁及び底面
    に酸化膜を形成する工程から成り、 段差部頂部における第1の膜は酸化膜及び上層膜から成
    り、段差部底部における第1の膜は酸化膜から成ること
    を特徴とする請求項7に記載の半導体装置における膜平
    坦化方法。
  14. 【請求項14】第1の膜を構成する上層膜は窒化シリコ
    ンから成り、第1の膜を構成する酸化膜は酸化シリコン
    から成り、第2の膜はホウ素リンシリケートガラス又は
    リンシリケートガラスから成り、第3の膜は、酸化シリ
    コン及び窒化シリコンのいずれか一方若しくは両方が積
    層されて成ることを特徴とする請求項13に記載の半導
    体装置における膜平坦化方法。
  15. 【請求項15】(イ)基体に形成されたn重(但し、n
    ≧2)の段差部を、第1番目の膜で被覆する工程と、 (ロ)第(2m−1)番目の膜(但し、m=1,2,・
    ・・,kであり、2≦kである)よりも研磨速度が早
    く、リンを6乃至9重量%含有する第2m番目の膜を第
    (2m−1)番目の膜上に形成し、次いで該第2m番目
    の膜よりも研磨速度が遅い第(2m+1)番目の膜を該
    第2m番目の膜上に形成する工程を(k−1)回繰り返
    す工程と、 (ハ)第(2k−1)番目の膜よりも研磨速度が早く、
    リンを6乃至9重量%含有する第2k番目の膜を第(2
    k−1)番目の膜上に形成する工程と、 (ニ)第2k番目の膜から第2番目の膜までを研磨し、
    n重の段差部の最頂部に形成された第1番目の膜を露出
    させる工程、から成ることを特徴とする半導体装置にお
    ける膜平坦化方法。
  16. 【請求項16】工程(ロ)において、第2m番目の膜を
    形成した後、該第2m番目の膜に対して熱処理を行うこ
    となく、第(2m+1)番目の膜を形成し、 工程(ハ)に引き続き、第2k番目の膜を熱処理するこ
    となく、工程(ニ)を実行することを特徴とする請求項
    15に記載の半導体装置における膜平坦化方法。
  17. 【請求項17】第2m番目の膜(但し、m=1,2,・
    ・・,kであり、2≦kである)は、ホウ素リンシリケ
    ートガラス又はリンシリケートガラスから成り、第(2
    m−1)番目の膜は、酸化シリコン及び窒化シリコンの
    いずれか一方若しくは両方が積層されて成ることを特徴
    とする請求項16に記載の半導体装置における膜平坦化
    方法。
  18. 【請求項18】n重の段差部の最底面から最頂部までの
    高さをHとし、該n重の段差部の最頂部における第1番
    目の膜の厚さをT1とし、n重の段差部の最底面から第
    2k番目の膜(但し、2≦kである)の表面までの高さ
    をT2kとしたとき、T2kの値が(H+T1)の値より大
    きいか若しくは略等しいことを特徴とする請求項17に
    記載の半導体装置における膜平坦化方法。
  19. 【請求項19】k=nであり、 n重の段差部の最頂部における第1番目の膜の厚さをT
    1とし、n重の段差部の最底部からi番目(但し、i=
    1,2,・・・,n)の段差部の高さをHiとしたと
    き、n重の段差部の最底面から第(2j+1)番目の膜
    (但し、j=1,2,・・・,k−1であり、2≦kで
    ある)の表面までの高さT2j+1は、 【数1】 と略等しいことを特徴とする請求項18に記載の半導体
    装置における膜平坦化方法。
  20. 【請求項20】前記工程(ハ)と(ニ)の間に、第2k
    番目の膜よりも研磨速度が遅い第(2k+1)番目の膜
    を第2k番目の膜上に形成する工程を含み、 前記工程(ニ)において、第(2k+1)番目の膜から
    第2番目の膜までを研磨することを特徴とする請求項1
    6に記載の半導体装置における膜平坦化方法。
  21. 【請求項21】第(2m’−1)番目の膜(但し、m’
    =1,2,・・・,k+1であり、2≦kである)の膜
    は、酸化シリコン及び窒化シリコンのいずれか一方若し
    くは両方が積層されて成り、第2m番目の膜(但し、m
    =1,2,・・・,kであり、2≦kである)は、ホウ
    素リンシリケートガラス又はリンシリケートガラスから
    成ることを特徴とする請求項20に記載の半導体装置に
    おける膜平坦化方法。
  22. 【請求項22】n重の段差部の最底面から最頂部までの
    高さをHとし、該n重の段差部の最頂部における第1番
    目の膜の厚さをT1とし、n重の段差部の最底面から第
    (2k+1)番目の膜の表面までの高さをT2k+1とした
    とき、|T2k +1−(H+T1)|≦0.1μmの関係を
    満足することを特徴とする請求項21に記載の半導体装
    置における膜平坦化方法。
  23. 【請求項23】k=nであり、 n重の段差部の最頂部における第1番目の膜の厚さをT
    1とし、n重の段差部の最底部からi番目(但し、i=
    1,2,・・・,n)の段差部の高さをHiとしたと
    き、n重の段差部の最底面から第(2j+1)番目の膜
    (但し、j=1,2,・・・,k−1であり、2≦kで
    ある)の表面までの高さT2j+1は、 【数2】 と略等しいことを特徴とする請求項21に記載の半導体
    装置における膜平坦化方法。
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