JPH095504A - 光拡散板 - Google Patents

光拡散板

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JPH095504A
JPH095504A JP7151279A JP15127995A JPH095504A JP H095504 A JPH095504 A JP H095504A JP 7151279 A JP7151279 A JP 7151279A JP 15127995 A JP15127995 A JP 15127995A JP H095504 A JPH095504 A JP H095504A
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栄三 川野
Shuji Yano
周治 矢野
Yozo Nagai
陽三 長井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 液晶を使用する表示装置のバックライトとし
て用いられる面光源装置に組み込まれる光拡散板であ
り、表面輝度の向上したものである。 【構成】 多孔質フィルム、シートあるいは板、有機材
料や無機材料から成る織布、不織布等から成る多孔質層
1と、無孔質層2を積層し、更に、この無孔質層2の表
面を微小凹凸とした光拡散板である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は面光源装置、例えば、液
晶を使用した表示装置のバックライトとして用いられる
面光源装置に組み込まれる光拡散板に関する。
【0002】
【従来の技術】パソコン、ワープロ、液晶テレビ等のよ
うな液晶使用の薄型表示装置は液晶が発光しないので、
この液晶を照射するためのバックライトを組み込んでい
る。かようなバックライトは薄くて、表示装置の面を均
一に照射するものである必要がある。
【0003】そして、バックライトとしては、例えば、
「NIKKEI MATERIALS & TECHN
OLOGY,1993.12,No.136」の第34
〜38頁に紹介されているように、導光板の側面に冷陰
極管(ランプ)を配置すると共に、前記導光板の表面
(光出射面)に光拡散板を、背面に反射板を積層した構
造のサイドライト型や、光拡散板と反射板の間を空気層
とすると共に、該空気層に冷陰極管を配置した構造の直
下型が知られている。
【0004】ところで、バックライトにおける光拡散板
としては、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PE
T」という)のような透明なプラスチックフィルムを支
持体とし、この片面に、プラスチックバインダーに有機
または無機の微粒子を分散させた薄層を光拡散層として
形成したものが使用されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の光拡散板は
光拡散性の点では良好であるものの、光の利用効率が未
だ充分でなく輝度の点で不満があった。従って、本発明
は輝度の改良された光拡散板を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光拡散板は
少なくとも一つの多孔質層と少なくとも一つの無孔質層
が積層されており、更に、最外無孔質層の表面が微小凹
凸とされていることを特徴とするものである。
【0007】本発明に係る光拡散板における多孔質層は
その材質や形状に特に制限はなく種々の材料により形成
できる。多孔質層形成材料の具体例としては、ポリエチ
レン、超高分子量ポリエチレン(以下、「UHPE」と
いう)、ポリプロピレン、超高分子量ポリプロピレン、
ポリ塩化ビニル、超高分子量ポリ塩化ビニル、ポリアミ
ド、超高分子量ポリアミド、ポリスチレン、メタクリル
樹脂、フッ素樹脂等の熱可塑性プラスチックから成る多
孔質のフィルム、シートあるいは板を挙げることができ
る。なお、この多孔質フィルム、シートあるいは板とし
ては、気孔率が10〜50%で、微孔の孔径が0.1〜
200μmのものが好ましい。また、有機材料や無機材
料から成る織布や不織布も多孔質層形成材料として使用
できる。これら多孔質層形成材料の厚さは特に限定され
ないが、光拡散性および光透過性を考慮すると1mm以
下が好ましく、より好ましくは0.05〜0.5mmで
ある。
【0008】なお、多孔質層の形成材料の一つである超
高分子量プラスチックはその分子量(粘度法による測定
値)が通常のものよりもはるかに大きい点で特異であ
る。例えば、通常のポリチエレンあるいはポリプロピレ
ンの分子量が約10万以下であるのに対し、UHPEま
たは超高分子量ポリプロピレンのそれは約50万以上で
ある。また、通常のポリ塩化ビニルの分子量は約8万以
下であるのに対し、超高分子量ポリ塩化ビニルのそれは
約10万以上であり、更に、通常のポリアミドの分子量
が5000以下であるのに対し、超高分子量ポリアミド
のそれは約4万以上である。
【0009】かような超高分子量プラスチックは、例え
ば、UHPEが三井石油化学工業株式会社から「ハイゼ
ックス・ミリオン」、ヘキスト社から「ホスタレンGU
R」等として、超高分子量ポリプロピレンが三井石油化
学工業株式会社から「ハイポール」等として、超高分子
量ポリ塩化ビニルが信越化学工業株式会社から「TK2
500シリーズ」等として、超高分子量ポリアミドがダ
イセル化学工業株式会社から「ダイアミド」等の商品名
で市販されている。そして、多孔質層をこのような超高
分子量プラスチックで構成した場合、この層をより薄く
できる。
【0010】熱可塑性プラスチック製多孔質体の製造法
としては、既に延伸法や発泡法が知られている。従っ
て、本発明の多孔質層もこれらの方法により得た多孔質
体により形成することができる。
【0011】また、特開平2−24129号公報に記載
されているように、UHPE等の超高分子量プラスチッ
ク粉末を金型等の保形具に充填し、次いでこれを該プラ
スチックの融点以上の温度に加熱された水蒸気雰囲気中
で焼結した後冷却し、次に旋盤等により所定の厚さに切
削して多孔質体を製造する方法も知られている。従っ
て、この方法によって得られるUHPE等の超高分子量
プラスチック製多孔質体により多孔質層を形成すること
もできる。なお、この方法による場合、加熱された水蒸
気雰囲気中での焼結に先立ち減圧を行うのが好ましい。
【0012】本発明においては上記多孔質層に無孔質層
が積層される。この無孔質層は熱可塑性樹脂、熱硬化性
樹脂あるいは光硬化性樹脂等の任意の合成樹脂により構
成される。無孔質層を形成するための熱可塑性樹脂の具
体例としては、ポリオレフィン、メタクリル樹脂、エチ
レン−エチルアクリレート共重合体、ポリ塩化ビニル、
ポリスチレン等を、熱硬化性樹脂の具体例としては、エ
ポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹
脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂
等を挙げることができる。このように多孔質層に無孔質
層を積層することにより、光線透過率の高い光拡散板が
得られる。なお、この無孔質層としては透明度の高い
(光透過率の高い)ものが好ましい。
【0013】本発明に係る光拡散板は多孔質層と無孔質
層が積層されたものであり、これら両層が各々少なくと
も一つあればその積層構造は特に限定されない。例え
ば、一つの多孔質層と一つの無孔質層を積層した構造、
多孔質層の両面に無孔質層を積層した構造、あるいは多
孔質層・無孔質層・多孔質層・無孔質層のように多孔質
層と無孔質層を交互に積層した構造等をその例として挙
げることができる。
【0014】そして、多孔質層と無孔質層を積層させる
には、多孔質層形成材料と無孔質層形成材料を重ね合わ
せ、これらを無孔質層形成材料の軟化点以上で且つ多孔
質層形成材料の融点よりも低い温度に加熱すると共に加
圧して両材料を一体化する方法や、多孔質層形成材料と
無孔層形成材料を透明接着剤で接着一体化する方法等を
採用することができる。前者の方法によるとき、その温
度、圧力あるいは加熱加圧時間によっては軟化乃至溶融
した無孔質層形成材料の一部が多孔質層形成材料の空孔
に圧入され、無孔層形成材料である合成樹脂が多孔質層
の微孔を充填することもある。このように多孔質層の空
孔に樹脂が充填される場合、その充填深さは多孔質層の
厚さの80%以下とするのが好適であり、このように充
填すると輝度の特に高い光拡散板が得られる。勿論、本
発明に係る光拡散板においては多孔質層の空孔に樹脂の
充填がなくてもよい。
【0015】本発明に係る光積層板は上記したように多
孔質層と無孔質層が積層されたものであるが、更に、最
外無孔質層の表面が微小凹凸とされる。最外無孔質層の
表面とは、一つの多孔質層と一つの無孔質層が積層され
ている場合には該無孔質層の露出面を、多孔質層の両面
に無孔質層が積層されている場合には少なくとも一方の
無孔質層の露出面を、多孔質層・無孔質層・多孔質層・
無孔質層のように多孔質層と無孔質が交互に積層されて
いる場合には無孔質層の少なくとも一つの露出面を、各
々意味する。
【0016】そして、無孔質層の表面を微小凹凸とする
には、例えば、多孔質層と無孔質層から成る積層体にお
ける無孔質層表面側を微小凹凸を有する金型に重ね合わ
せて加熱加圧することにより、金型の微小凹凸を無孔質
層表面に転写する方法を採用できる。無孔質層表面に微
小凹凸を形成するには、例えば、図2に示すように、微
小な山4を多数形成した金型5を用いることができる。
この金型においては、通常、ピッチ間隔(山と山との距
離)Lが20μm〜1mm、ピッチ高さ(山の高さ)H
が15〜900μm、頂角Rが40〜100°に設定さ
れる。この金型の微小凹凸を無孔質層に転写するときの
作業条件は、通常、温度を無孔質層の軟化点以上で且つ
多孔質層の融点よりも低く設定する。かようにすると、
無孔質層の表面にプリズム機能を有する微小凹凸が形成
できる。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。
【0018】実施例1 内径105mmの円筒状金型(上面開口、底面閉鎖)に
UHPE粉末(分子量600万、融点135℃、平均粒
径110μm)を充填し、これを金属製耐圧容器(水蒸
気導入管およびその開閉バルブを備える)内に入れ、真
空ポンプで排気し、雰囲気圧を30mmHgまで減圧し
て脱気する。
【0019】そして、真空ポンプを止めてから、上記バ
ルブを開き、水蒸気(温度158℃、6気圧)を導入し
て60分間加熱して焼結する。次いで、温度25℃の部
屋で放冷した後、金型から取り出し丸棒状の多孔質体を
得る。この丸棒状多孔質体を旋盤により、周方向に沿っ
て厚さ100μmに切削し、白色不透明のUHPE多孔
質フィルム(気孔率30%、平均孔径30μm)を得
る。
【0020】このUHPE多孔質フィルムの片面に無孔
質の低密度ポリエチレンフィルム(厚さ25μm、軟化
点112℃、)を重ね合わせ、温度115℃、線圧2k
gf/cmの条件で加熱加圧して両フィルムを積層一体
化させ、UHPE製多孔質層の片面にポリエチレン製無
孔質層が形成された積層体を得る。
【0021】次に、図2に示すのと同様な微小凹凸を有
する金型に上記積層体のポリエチレン製無孔質層側を重
ね合わせ、温度115℃、線圧1kgf/cm2 の条件
で1分間加熱加圧し、冷却後、金型から取り外した。な
お、この金型のピッチ間隔Lは50μm、ピッチ高さH
は43μm、頂角は60°である。これにより、図1に
示すように、多孔質層1の片面に無孔質層2が積層され
ており、更に、この無孔質層2の表面がプリズム機能を
有する微小凹凸3とされた光拡散板を得た。
【0022】実施例2 実施例1で用いたと同じUHPE多孔質フィルムの片面
に無孔質のエチレン−エチルアクリレート共重合体フィ
ルム(厚さ60μm、軟化点53℃)を重ね合わせ、温
度115℃、線圧2kg/cm2 の条件で加熱加圧する
ことにより、両フィルムを積層一体化させる。
【0023】次に、実施例1と同様にして積層体におけ
るエチレン−エチルアクリレート製無孔質層の表面にプ
リズム機能を有する微小凹凸を形成させることにより、
光拡散板を得た。
【0024】比較例 平均粒径3μmのメラミン樹脂粒子100重量部をポリ
エステル樹脂100重量部に混合し、この混合物から成
る厚さ10μmの薄層(光拡散層)をPETフィルム
(厚さ125μm)の片面に形成して光拡散板を得た。
【0025】試験例 上記実施例1、2および比較例で得た光拡散板を用い、
図3に示す構造のサイドライト型バックライトを作製し
た。このバックライトは厚さ3mmの透明アクリル板か
ら成る導光板6の一方の側面に冷陰極管7を配置すると
共に、該導光板6の表面(光出射面)に光拡散板8を、
背面にチタン白コーティング層を有するPETフィルム
から成る反射板9(厚さ125μm)を重ねたものであ
る。なお、実施例1および2の場合は光拡散板の無孔質
層が導光板側になるように配置した。
【0026】そして、これらバックライトを作動させ、
視認角度(正面から見た場合を0°とする)と輝度(c
d/m2 )の関係を求めた。結果は表1に示すとおりで
あった。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】本発明は上記のように構成され、多孔質
層と無孔層とを積層すると共に該無孔質層の表面を微小
凹凸としたので、輝度が高いという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光拡散板の実例を示す斜視図であ
る。
【図2】本発明に係る光拡散板の製造に用いる金型の実
例を示す正面図である。
【図3】光拡散板を組み込んで作製したバックライトの
実例を示す正面図である。
【符号の説明】
1 多孔質層 2 無孔質層 3 微小凹凸 5 光拡散板 6 導光板 7 反射板 8 冷陰極管

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一つの多孔質層と少なくとも
    一つの無孔質層が積層されており、更に、最外無孔質層
    の表面が微小凹凸とされている光散板。
  2. 【請求項2】 多孔質層が超高分子量プラスチック製で
    ある請求項1記載の光拡散板。
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