JPH0954201A - 光学樹脂材料およびその製造法 - Google Patents

光学樹脂材料およびその製造法

Info

Publication number
JPH0954201A
JPH0954201A JP8138794A JP13879496A JPH0954201A JP H0954201 A JPH0954201 A JP H0954201A JP 8138794 A JP8138794 A JP 8138794A JP 13879496 A JP13879496 A JP 13879496A JP H0954201 A JPH0954201 A JP H0954201A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substance
fluoropolymer
resin material
glass transition
transition temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8138794A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4095122B2 (ja
Inventor
Yasuhiro Koike
康博 小池
Hidenobu Murofushi
英伸 室伏
Tokuhide Sugiyama
徳英 杉山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP13879496A priority Critical patent/JP4095122B2/ja
Publication of JPH0954201A publication Critical patent/JPH0954201A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4095122B2 publication Critical patent/JP4095122B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Integrated Circuits (AREA)
  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 実質的にC−H結合を有しない非結晶性の
含フッ素重合体(a)と、含フッ素重合体(a)との比
較において屈折率の差が0.001以上である少なくと
も1種類の実質的にC−H結合を有しない物質(b)と
からなり、含フッ素重合体(a)中に物質(b)が特定
の方向に沿って濃度勾配を有して分布している屈折率分
布型光学樹脂材料であって、その光学樹脂材料全体のガ
ラス転移温度が実質的に均一である光学樹脂材料。 【効果】 屈折率分布型光ファイバー、屈折率分布型
光導波路、屈折率分布型ロッドレンズ等の多岐にわたる
プラスチック光伝送体において、非結晶性のフッ素樹脂
を利用することによりかつマイクロボイド等の発生を抑
制することにより、紫外光から近赤外光までの光を極め
て低損失に伝送することが可能になった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、従来の光学樹脂で
は実現が困難であった、高い透明性と耐熱性を合わせ持
ちマイクロボイドを低減した屈折率分布型光学樹脂材料
(以下、光学樹脂材料と略すことがある)及びその製造
法に関するものである。
【0002】本発明の光学樹脂材料は、それ自身が光フ
ァイバー等の光伝送体であってもよく、また光ファイバ
ーのプリフォーム等の光伝送体の母材であってもよい。
【0003】本発明の光学樹脂材料である光伝送体は、
非結晶樹脂であるため光の散乱がなく、しかも紫外光か
ら近赤外光まで広範囲の波長帯で透明性が非常に高いた
め、多種多様な波長の光システムに有効利用が可能であ
る。特に光通信分野において幹線石英ファイバーに利用
されている波長である1300nm、1550nmで低
損失である光伝送体を与えるものである。
【0004】また本発明の光学樹脂材料である光伝送体
は、自動車のエンジンルーム等での過酷な使用条件に耐
える、耐熱性、耐薬品性、耐湿性、不燃性を備えるもの
である。
【0005】本発明の光学樹脂材料である光伝送体は、
屈折率分布型の光ファイバー、ロッドレンズ、光導波
路、光分岐器、光合波器、光分波器、光減衰器、光スイ
ッチ、光アイソレーター、光送信モジュール、光受信モ
ジュール、カップラー、偏向子、光集積回路等の多岐に
わたる屈折率分布型光伝送体として有用である。ここ
で、屈折率分布とは光伝送体の特定の方向に沿って屈折
率が連続的に変化する領域を意味し、例えば屈折率分布
型光ファイバーの屈折率分布は、ファイバーの中心から
半径方向に向かって屈折率が放物線に近い曲線で低下し
ている。
【0006】本発明の光学樹脂材料が光伝送体の母材の
場合は、これを熱延伸等で紡糸して、屈折率分布型光フ
ァイバー等の光伝送体を製造できる。
【0007】
【従来の技術】従来より知られている屈折率分布型プラ
スチック光伝送体用の樹脂としては、メチルメタクリレ
ート系樹脂を代表とした光学樹脂や、WO94/049
49に記載されたテトラフルオロエチレン樹脂やビニリ
デンフルオライド樹脂が提案されている。WO94/0
4949には、2層以上の多層押し出し溶融成形法で屈
折率分布型プラスチック光伝送体を製造する方法が提案
されている。
【0008】段階屈折率型プラスチック光ファイバーと
してはコアをメチルメタクリレート樹脂、スチレン樹
脂、カーボネート樹脂、ノルボルネン樹脂等の光学樹脂
を使用し、クラッドを含フッ素ポリマーとする提案が多
くなされている。また特開平2−244007号公報に
はコアとクラッドに含フッ素樹脂を用いた提案もされて
いる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、メチルメタ
クリレート樹脂、カーボネート樹脂、ノルボルネン樹脂
等の光伝送体では達し得なかった、自動車、オフィスオ
ートメーション(OA)機器、家電機器用途等で要求さ
れる耐熱性、耐湿性、耐薬品性、不燃性を有する光学樹
脂材料及びその製造法を提供することを目的とする。
【0010】また本発明は、メチルメタクリレート樹
脂、カーボネート樹脂、ノルボルネン樹脂等の光伝送体
では達し得なかった紫外光(波長200nmから400
nm)と近赤外光(波長700nmから2500nm)
を利用可能とし、さらに広範囲の伝送領域帯で低い光伝
送損失をもつ光学樹脂材料及びその製造法を提供するこ
とを目的とする。
【0011】また、従来のコア部とクラッド部とでガラ
ス転移温度の異なる素材を用いたロッドインチューブ成
形法や、2層以上の多層押し出し溶融成形法などで散乱
損失増大の原因となっていた、成形後冷却時の成形体中
心部と外周部との熱膨張率差に起因するマイクロボイド
を低減した、低い光伝送損失をもつ光学樹脂材料及びそ
の製造法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題点
の認識に基づいて鋭意検討を重ねた結果、耐熱性、耐湿
性、耐薬品性、不燃性を付与しかつ近赤外光で光吸収が
起こるC−H結合(すなわち、炭素−水素結合)をなく
すためにはC−H結合を実質的に含まない含フッ素重合
体が最適であるとの知見を得た。この含フッ素重合体は
C−H結合の代わりにC−F結合(すなわち、炭素−フ
ッ素結合)を有する。
【0013】すなわち、物質に光を照射すると、ある原
子間の結合の伸縮振動や、変角振動と共鳴振動する波長
の光が、優先的に吸収されることになる。これまでプラ
スチック光ファイバーに用いられた高分子物質は主にC
−H結合を有する化合物であった。このC−H結合を基
本とする高分子物質では、水素原子が軽量で振動しやす
いために、基本吸収は、赤外域の短波長側(3000〜
4000nm)に現れる。従って、光源の波長である近
赤外〜赤外域(600〜1550nm)では、このC−
H伸縮振動の比較的低倍音吸収がとびとびに現れ、これ
が吸収損失の大きな原因になっている。
【0014】そこで水素原子をフッ素原子に置換する
と、それらの倍音吸収ピークの波長は長波長側に移動
し、近赤外域での吸収量が減少する。理論値から見れ
ば、C−H結合を有するメチルメタクリレート樹脂の場
合には波長650nmにおいてC−H結合の吸収損失
は、105dB/kmと見積もられており、波長130
0nmにおいては10000dB/km以上になる。
【0015】一方、水素原子をフッ素原子に置き換えた
物質では波長650nmでは実質的に吸収による損失は
なく、波長1300nmにおいてもC−F結合の伸縮振
動の6倍音と7倍音の間で、1dB/kmのオーダーで
あり吸収損失はないと考えてよい。そのために我々はC
−F結合を有する化合物を用いることを提案する。
【0016】また、耐熱性、耐湿性、耐薬品性、不燃性
を阻害する要因となるカルボキシル基やカルボニル基等
の官能基を除外することが望ましい。また、カルボキシ
ル基があると近赤外光の光吸収があり、カルボニル基が
あると紫外光の光吸収があるため、これらの基を除外す
ることが望ましい。さらに光の散乱による伝送損失を低
減するためには非結晶性の重合体にする事が重要であ
る。
【0017】更に、段階屈折率型光ファイバーの場合、
マルチモードの光はコアとクラッドの界面で反射されな
がら伝搬する。そのためモード分散が起こり伝送帯域が
低下する。しかし屈折率分布型光ファイバーではモード
分散が起こりにくく伝送帯域は増加する。
【0018】更に、成形体冷却時の熱膨張率差に起因す
るマイクロボイドの発生を抑えるためには、成形体の中
心部とその外周部とに関わらず、光学樹脂材料全体が実
質的に均一のガラス転移温度を持つことが重要であるこ
とを提案する。
【0019】そこで光学樹脂材料として実質的にC−H
結合を有しない非結晶性の含フッ素重合体、特に主鎖に
環構造を有する含フッ素重合体と、該重合体に比較して
屈折率の異なる物質の濃度が特定の方向に勾配を有しか
つ、光学樹脂材料全体が実質的に均一のガラス転移温度
を有する光学樹脂材料及びその製造法を新規に見いだ
し、下記本発明(1)〜(3)に至った。
【0020】(1)実質的にC−H結合を有しない非結
晶性の含フッ素重合体(a)と、含フッ素重合体(a)
との比較において屈折率の差が0.001以上である少
なくとも1種類の実質的にC−H結合を有しない物質
(b)とからなり、含フッ素重合体(a)中に物質
(b)が特定の方向に沿って濃度勾配を有して分布して
いる屈折率分布型光学樹脂材料であって、その光学樹脂
材料全体のガラス転移温度が実質的に均一であることを
特徴とする光学樹脂材料。
【0021】(2)実質的にC−H結合を有しない非結
晶性の含フッ素重合体(a)と、含フッ素重合体(a)
との比較において屈折率の差が0.001以上である少
なくとも1種類の実質的にC−H結合を有しない物質
(b)とからなり、含フッ素重合体(a)中に物質
(b)が特定の方向に沿って濃度勾配を有して分布して
いる屈折率分布型光学樹脂材料を、2層以上の多層押し
出し溶融成形法で製造するに当たり、ノズル中心部に供
給する材料のガラス転移温度と、外周部に供給する材料
のガラス転移温度を実質的に均一にすることにより光学
樹脂材料全体のガラス転移温度が実質的に均一である光
学樹脂材料を得ることを特徴とする光学樹脂材料の製造
法。
【0022】(3)実質的にC−H結合を有しない非結
晶性の含フッ素重合体(a)と、含フッ素重合体(a)
との比較において屈折率の差が0.001以上である少
なくとも1種類の実質的にC−H結合を有しない物質
(b)とからなる屈折率分布型光ファイバー製造用であ
り、コア部とクラッド部からなるプリフォームを製造す
るに当たり、プリフォームのコア部に相当する部分の材
料のガラス転移温度と、プリフォームのクラッド部に相
当する部分の材料のガラス転移温度を実質的に均一にす
ることによりプリフォーム全体のガラス転移温度が実質
的に均一であるプリフォームを得ることを特徴とする屈
折率分布型光ファイバー用プリフォームの製造法。
【0023】含フッ素重合体として、従来よりテトラフ
ルオロエチレン樹脂、パーフルオロ(エチレン−プロピ
レン)樹脂、パーフルオロアルコキシ樹脂、ビニリデン
フルオライド樹脂、エチレン−テトラフルオロエチレン
樹脂、クロロトリフルオロエチレン樹脂等が広く知られ
ている。しかしながら、これらの含フッ素樹脂は結晶性
を有するため、光の散乱が起こり、透明性が良好でな
く、プラスチック光伝送体の材料としては好ましくな
い。
【0024】これに対して、非結晶性の含フッ素重合体
は、結晶による光の散乱がないため、透明性に優れる。
本発明における含フッ素重合体(a)としては、C−H
結合を有しない非結晶性の含フッ素重合体であれば何ら
限定されないが、主鎖に環構造を有する含フッ素重合体
が好ましい。主鎖に環構造を有する含フッ素重合体とし
ては、含フッ素脂肪族環構造、含フッ素イミド環構造、
含フッ素トリアジン環構造または含フッ素芳香族環構造
を有する含フッ素重合体が好ましい。含フッ素脂肪族環
構造を有する含フッ素重合体では含フッ素脂肪族エーテ
ル環構造を有するものがさらに好ましい。
【0025】含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重
合体は、含フッ素イミド環構造、含フッ素トリアジン環
構造または含フッ素芳香族環構造を有する含フッ素重合
体に比べ、後述の熱延伸または溶融紡糸によるファイバ
ー化に際してもポリマー分子が配向しにくく、その結果
光の散乱を起こすこともないなどの理由から、より好ま
しい重合体である。
【0026】含フッ素重合体(a)の溶融状態における
粘度は、溶融温度200℃〜300℃において103
105ポイズが好ましい。溶融粘度が高過ぎると溶融紡
糸が困難なばかりでなく、屈折率分布の形成に必要な、
物質(b)の拡散が起こりにくくなり屈折率分布の形成
が困難になる。また、溶融粘度が低過ぎると実用上問題
が生じる。すなわち、電子機器や自動車等での光伝送体
として用いられる場合に高温にさらされ軟化し、光の伝
送性能が低下する。
【0027】含フッ素重合体(a)の数平均分子量は、
10,000〜5000,000が好ましく、より好ま
しくは50,000〜1000,000である。分子量
が小さ過ぎると耐熱性を阻害することがあり、大き過ぎ
ると屈折率分布を有する光伝送体の形成が困難になるた
め好ましくない。
【0028】含フッ素脂肪族環構造を有する重合体とし
ては、含フッ素環構造を有するモノマーを重合して得ら
れるものや、少なくとも2つの重合性二重結合を有する
含フッ素モノマーを環化重合して得られる主鎖に含フッ
素脂肪族環構造を有する重合体が好適である。
【0029】含フッ素脂肪族環構造を有するモノマーを
重合して得られる主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する
重合体は、特公昭63−18964号公報等により知ら
れている。即ち、パーフルオロ(2,2−ジメチル−
1,3−ジオキソール)等の含フッ素脂肪族環構造を有
するモノマーを単独重合することにより、またこのモノ
マーをテトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエ
チレン、パーフルオロ(メチルビニールエーテル)など
のラジカル重合性モノマーと共重合することにより主鎖
に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体が得られる。
【0030】また、少なくとも2つの重合性二重結合を
有する含フッ素モノマーを環化重合して得られる主鎖に
含フッ素脂肪族環構造を有する重合体は、特開昭63−
238111号公報や特開昭63−238115号公報
等により知られている。即ち、パーフルオロ(アリルビ
ニルエーテル)やパーフルオロ(ブテニルビニルエーテ
ル)等のモノマーを環化重合することにより、またはこ
のようなモノマーをテトラフルオロエチレン、クロロト
リフルオロエチレン、パーフルオロ(メチルビニールエ
ーテル)などのラジカル重合性モノマーと共重合するこ
とにより主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体が
得られる。
【0031】また、パーフルオロ(2,2−ジメチル−
1,3−ジオキソール)等の含フッ素脂肪族環構造を有
するモノマーとパーフルオロ(アリルビニルエーテル)
やパーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)等の少なく
とも2つの重合性二重結合を有する含フッ素モノマーと
を共重合することによっても主鎖に含フッ素脂肪族環構
造を有する重合体が得られる。
【0032】上記の含フッ素脂肪族環構造を有する重合
体としては、具体的には以下の(I)〜(IV)式から
選ばれる繰り返し単位を有する含フッ素重合体、または
以下の(I)〜(IV)式から選ばれる繰り返し単位お
よび(V)式の繰り返し単位を有する含フッ素重合体が
例示される。なお、これらの含フッ素脂肪族環構造を有
する重合体中のフッ素原子は、屈折率を高めるために一
部塩素原子で置換されていてもよい。
【0033】
【化1】
【0034】[上記(I)〜(IV)式において、sは
0〜5、tは0〜4、uは0〜1、s+t+uは1〜
6、p,q,rはそれぞれ0〜5、p+q+rは1〜
6、RはFまたはCF3、R1はFまたはCF3、R2はF
またはCF3、X1はFまたはCl、X2はFまたはC
l、X3はFまたはClである。] 含フッ素脂肪族環構造を有する重合体は、主鎖に環構造
を有する重合体が好適であり、含フッ素脂肪族環構造を
有する重合体の全重合単位に対して環構造を有する重合
単位を20モル%以上、好ましくは40モル%以上含有
するものが透明性、機械的特性等の面から好ましい。
【0035】物質(b)は、含フッ素重合体(a)との
比較において屈折率の差が0.001以上である少なく
とも1種類の物質で、含フッ素重合体(a)と同様な理
由から実質的にC−H結合を有しないものである。物質
(b)は、含フッ素重合体(a)よりも高屈折率であっ
ても低屈折率であってもよい。光ファイバー等において
は通常は含フッ素重合体(a)よりも高屈折率の物質を
用いる。
【0036】物質(b)としては、低分子化合物、オリ
ゴマー、ポリマーいずれであってもく、フッ素、塩素、
臭素またはヨウ素のハロゲン原子、ベンゼン環等の芳香
族環、エーテル結合等の結合基を含むものが好ましい。
物質(b)は、通常含フッ素重合体(a)のガラス転移
温度を低下させる物質から選ばれ、また含フッ素重合体
(a)との屈折率の差は0.005以上であることが好
ましい。
【0037】物質(b)は、含フッ素重合体(a)との
比較において、溶解性パラメータの差が7(cal/c
3)1/2以内であることが好ましい。ここで溶解性パラ
メータとは物質間の混合性の尺度となる特性値であり、
溶解性パラメータをδ、物質の分子凝集エネルギーを
E、分子容をVとして、式δ=(E/V)1/2で表され
る。
【0038】低分子化合物としては、例えば炭素原子に
結合した水素原子を含まないハロゲン化芳香族炭化水素
がある。特に、ハロゲン原子としてフッ素原子のみを含
むハロゲン化芳香族炭化水素やフッ素原子と他のハロゲ
ン原子を含むハロゲン化芳香族炭化水素が、含フッ素重
合体(a)との相溶性の面で好ましい。また、これらの
ハロゲン化芳香族炭化水素は、カルボニル基、シアノ基
などの官能基を有していないことがより好ましい。
【0039】このようなハロゲン化芳香族炭化水素とし
ては、例えば式Φr−Zb[Φrは水素原子のすべてが
フッ素原子に置換されたb価のフッ素化芳香環残基、Z
はフッ素以外のハロゲン原子、−Rf、−CO−Rf、
−O−Rf、あるいは−CN。ただし、Rfはパーフル
オロアルキル基、ポリフルオロパーハロアルキル基、ま
たは1価のΦr。bは0または1以上の整数。]で表さ
れる化合物がある。芳香環としてはベンゼン環やナフタ
レン環がある。Rfであるパーフルオロアルキル基やポ
リフルオロパーハロアルキル基の炭素数は5以下が好ま
しい。フッ素以外のハロゲン原子としては、塩素原子や
臭素原子が好ましい。
【0040】具体的な化合物としては例えば、1,3−
ジブロモテトラフルオロベンゼン、1,4−ジブロモテ
トラフルオロベンゼン、2−ブロモテトラフルオロベン
ゾトリフルオライド、クロロペンタフルオロベンゼン、
ブロモペンタフルオロベンゼン、ヨードペンタフルオロ
ベンゼン、デカフルオロベンゾフェノン、パーフルオロ
アセトフェノン、パーフルオロビフェニル、クロロヘプ
タフルオロナフタレン、ブロモヘプタフルオロナフタレ
ンなどがある。
【0041】オリゴマーやポリマーである物質(b)と
しては、前記したような含フッ素重合体(a)を形成す
るモノマーの重合体からなり、含フッ素重合体(a)と
の比較において屈折率の差が0.001以上であるオリ
ゴマーやポリマーであってもよい。このモノマーとして
は、含フッ素重合体(a)との比較において屈折率の差
が0.001以上であるオリゴマーやポリマーを形成す
るものから選ばれる。たとえば、屈折率の異なる2種の
含フッ素重合体(a)を用い、一方の重合体(a)を物
質(b)として他の重合体(a)中に分布させることが
できる。
【0042】オリゴマーやポリマーである物質(b)と
しては、前記(I)〜(V)の繰り返し単位を有するも
のの内、組み合される含フッ素重合体(a)とは異なる
屈折率を有する含フッ素重合体(例えば、ハロゲン原子
としてフッ素原子のみを含む含フッ素重合体とフッ素原
子と塩素原子を含む含フッ素重合体との組み合せ、異な
る種類や異なる割合の2以上のモノマーを重合して得ら
れた2種の含フッ素重合体の組み合せなど)が好まし
い。
【0043】また、上記のごとき主鎖に環構造を有する
含フッ素重合体以外に、テトラフルオロエチレン、クロ
ロトリフルオロエチレン、ジクロロジフルオロエチレ
ン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキル
ビニルエーテルなどの水素原子を含まないモノマーから
なるオリゴマー、これらモノマー2種以上からなる共重
合オリゴマーなども物質(b)として使用できる。ま
た、−CF2CF(CF3)O−や−(CF2nO−(n
は1〜3の整数)の構造単位を有するパーフルオロポリ
エーテルなども使用できる。これらオリゴマーの分子量
は、非結晶性となる分子量範囲から選ばれ、数平均分子
量300〜10,000が好ましい。拡散のしやすさを
考慮すると、数平均分子量300〜5000がさらに好
ましい。
【0044】特に好ましい物質(b)は、含フッ素重合
体(a)特に主鎖に環構造を有する含フッ素重合体との
相溶性が良好であることなどから、クロロトリフルオロ
エチレンオリゴマーである。相溶性が良好であることに
より、含フッ素重合体(a)、特に主鎖に環構造を有す
る含フッ素重合体、とクロロトリフルオロエチレンオリ
ゴマーとを200〜300℃で加熱溶融により容易に混
合させることができる。又、含フッ素溶媒に溶解させて
混合した後、溶媒を除去することにより両者を均一に混
合させることができる。クロロトリフルオロエチレンオ
リゴマーの好ましい分子量は、数平均分子量500〜1
500である。
【0045】本発明の光学樹脂材料は、含フッ素重合体
(a)中に物質(b)が特定の方向に沿って濃度勾配を
有して分布しているために、その分布状況によっては光
学樹脂材料全体のガラス転移温度が実質的に均一となら
ないことがある。この場合、含フッ素重合体(a)中に
物質(c)を分布させることにより、物質(b)の濃度
分布によって変化した光学樹脂材料のガラス転移温度を
修正でき、光学樹脂材料全体のガラス転移温度を実質的
に均一とできる。
【0046】通常物質(b)と(c)はいずれも、含フ
ッ素重合体(a)のガラス転移温度を低下させる物質か
ら選ばれる。含フッ素重合体(a)中で物質(b)の濃
度が低いためにガラス転移温度が高くなる領域は、物質
(c)を分布させ物質(b)と(c)を混在させること
によりガラス転移温度を低下させることができる。ま
た、含フッ素重合体(a)中で物質(b)または物質
(c)のみが分布する領域がある場合には、これらの領
域と物質(b)と(c)が混在する領域のガラス転移温
度が実質的に均一となるように、物質(b)と(c)の
種類や濃度を選択する。図1に含フッ素重合体(a)と
物質(c)の混合物のガラス転移温度(Tg)が混合物
中の物質(c)の濃度が高くなるに従い低下する関係を
示す。
【0047】したがって、例えば含フッ素重合体(a)
のガラス転移温度を低下させる度合いが同じである物質
(b)と(c)を使用し、含フッ素重合体(a)全体に
物質(b)と(c)が分布している場合、物質(b)と
(c)の合計の濃度を含フッ素重合体(a)全体で等し
くするように両物質を分布させれば光学樹脂材料全体の
ガラス転移温度を実質的に均一とできる。含フッ素重合
体(a)のガラス転移温度を低下させる度合いが物質
(b)と(c)で異なる場合には、含フッ素重合体
(a)中の両物質の分布の度合を調節することにより光
学樹脂材料全体のガラス転移温度を実質的に均一とでき
る。
【0048】なお、「含フッ素重合体(a)、物質
(b)および物質(c)の混合物」、「含フッ素重合体
(a)と物質(b)の混合物」または「含フッ素重合体
(a)と物質(c)を混合物」は均一な混合物とするこ
とにより、これらの混合物には一定のガラス転移温度が
存在する。
【0049】上記の本発明製造法(2)において、ノズ
ル中心部に供給する材料は通常含フッ素重合体(a)と
物質(b)の混合物からなり、外周部に供給する材料は
通常含フッ素重合体(a)からなる。同様に本発明製造
法(3)において、プリフォームのコア部に相当する部
分の材料は通常含フッ素重合体(a)と物質(b)の混
合物からなり、プリフォームのクラッド部に相当する部
分の材料は通常含フッ素重合体(a)からなる。
【0050】ノズル中心部に供給する材料のガラス転移
温度と外周部に供給する材料のガラス転移温度を実質的
に均一にするためには、外周部に供給する含フッ素重合
体(a)中に含フッ素重合体(a)と相溶性のある物質
(c)を混合することが有効である。同様にプリフォー
ムのコア部に相当する部分の材料のガラス転移温度とプ
リフォームのクラッド部に相当する部分の材料のガラス
転移温度を実質的に均一にするためには、クラッド部に
相当する部分の含フッ素重合体(a)中に含フッ素重合
体(a)と相溶性のある物質(c)を混合することが有
効である。
【0051】本発明製造法(2)の好ましい例は、ノズ
ル中心部に供給する材料を、含フッ素重合体(a)と物
質(b)の混合物または物質(b)とし、ノズル外周部
に供給する材料を、含フッ素重合体(a)と物質(c)
を溶融混合して得た均一な混合物とする、ノズル中心部
と外周部の2層からなる押し出し溶融成形法である。こ
の場合、含フッ素重合体(a)と物質(c)の混合物の
溶融液の中心部に、含フッ素重合体(a)と物質(b)
の混合物または物質(b)を注入し、物質(b)および
物質(c)を拡散させながら、または拡散させた後に成
形する方法が好ましい。
【0052】光学樹脂材料全体のガラス転移温度が実質
的に均一である光学樹脂材料を得るために、本発明製造
法(2)においてノズル中心部に供給する材料のガラス
転移温度とノズル外周部に供給する材料のガラス転移温
度を予め実質的に均一にする。
【0053】本発明の光学樹脂材料が物質(c)を含む
場合、上記好ましい方法の様に光学樹脂材料の中心部か
ら周辺部に向かって物質(b)が拡散する状況において
は、それと同時に周辺部から中心に向かって物質(c)
が拡散するため、光学樹脂材料全体として均一なガラス
転移温度が保持される。すなわち、中心部から周辺部に
向かって物質(b)が拡散すると、通常ガラス転移温度
は通常中心部から周辺部に向かって変化するが、この変
化分を補う様に周辺部から中心に向かって物質(c)が
拡散されてくるため、本発明製造法(2)においてノズ
ル中心部に供給する重合体のガラス転移温度とノズル外
周部に供給する重合体のガラス転移温度を予め実質的に
均一にしておけば、最終的に光学樹脂材料全体のガラス
転移温度が実質的に均一である光学樹脂材料が得られ
る。
【0054】ノズル中心部に供給する材料あるいはノズ
ル外周部に供給する材料は、1層のみならず多層に注入
してもよい。成形方法には光ファイバーのプリフォーム
等のごときロッド状母材を成形するために適する押出溶
融成形、光ファイバーを成形するために適する溶融紡糸
成形等がある。
【0055】本発明製造法(3)において、プリフォー
ムにはある程度以上の屈折率分布を形成しておくことが
好ましい。プリフォームにはある程度以上の屈折率分布
を形成しておくことにより、プリフォームから屈折率分
布型光ファイバーを製造する効率が向上する。本発明製
造法(3)の好ましい例には、以下の(4)〜(6)の
方法がある。
【0056】(4)回転ガラス管などの回転管を利用し
て中空状の含フッ素重合体(a)と物質(c)の均一混
合体からなり、プリフォームのクラッド部に相当する管
(チューブ)を形成し、この管の内部に物質(b)を均
一に含む含フッ素重合体(a)からなり、プリフォーム
のコア部に相当するロッドを挿入した後、両者を熱融着
させて一体化してプリフォームを製造する方法。
【0057】上記(4)の方法においては、熱融着時に
物質(b)および物質(c)の拡散を起こしてもよく、
またその後の線引き工程時に拡散を起こさせてもよい。
また、プリフォームのクラッド部に相当する管の製造法
としては他にも、アルミ管を心棒としてその回りに含フ
ッ素重合体(a)と物質(c)の均一混合体からなる管
を形成し、後にそのアルミ管を酸で溶解除去する方法
や、ガラス管を心棒として成形し、後にフッ化水素酸で
ガラス管を溶解除去する方法などがあるが、これらに限
定されるものではない。
【0058】(5)含フッ素重合体(a)と物質(c)
の均一混合体からなり、上記(4)の方法と同様にして
得た管を型として、その内面に物質(b)を均一に含む
含フッ素重合体(a)からなり、プリフォームのコア部
に相当する少なくとも1つの層を回転成形により形成
し、内外少なくとも2層の構成を有する円筒状ないし円
柱状の成形物からなるプリフォームを製造する方法。
【0059】(6)上記(5)の方法で外層となる成形
体を回転成形により成形すると共に、引き続き物質
(b)を均一に含む含フッ素重合体(a)からなる内層
を回転成形により形成し、内外少なくとも2層の構成を
有する円筒状ないし円柱状の成形物からなるプリフォー
ムを製造する方法。
【0060】光学樹脂材料全体のガラス転移温度が実質
的に均一である光学樹脂材料を得るために、本発明製造
法(3)においてプリフォームのコア部に相当する部分
の材料のガラス転移温度とプリフォームのクラッド部に
相当する部分の材料のガラス転移温度を予め実質的に均
一にする。
【0061】本発明の光学樹脂材料が物質(c)を含む
場合、例えば上記(4)の方法で光学樹脂材料の中心部
から周辺部に向かって物質(b)が拡散する状況におい
て、それと同時に周辺部から中心に向かって物質(c)
が拡散するため、光学樹脂材料全体として均一なガラス
転移温度が保持される。すなわち、中心部から周辺部に
向かって物質(b)が拡散すると、通常ガラス転移温度
は通常中心部から周辺部に向かって変化するが、この変
化分を補う様に周辺部から中心に向かって物質(c)が
拡散されてくるため、本発明製造法(3)においてプリ
フォームのコア部に相当する部分の材料のガラス転移温
度とプリフォームのクラッド部に相当する部分の材料の
ガラス転移温度を予め実質的に均一にしておけば、最終
的に光学樹脂材料全体のガラス転移温度が実質的に均一
である光学樹脂材料が得られる。物質(c)は、含フッ
素重合体(a)と同様な理由から実質的にC−H結合を
有しない物質であることが好ましい。また、上述の通り
物質(b)の分布により変化する光学樹脂材料のガラス
転移温度を修正するものである。物質(c)は、含フッ
素重合体(a)よりも高屈折率であっても低屈折率であ
ってもよい。通常、光ファイバー等においては物質
(b)の拡散による屈折率分布を阻害しないために、含
フッ素重合体(a)よりも低屈折率、または含フッ素重
合体(a)と同程度の屈折率を持つ物質を用いる。
【0062】物質(c)の屈折率は、含フッ素重合体
(a)および物質(b)との関係において下記式 (1)
(2) (3)または(4) を満足するものから選ばれる。
【0063】(1) 物質(c)の屈折率≦含フッ素重合体
(a)の屈折率<物質(b)の屈折率 (2) 含フッ素重合体(a)の屈折率≦物質(c)の屈折
率<物質(b)の屈折率 (3) 物質(c)の屈折率≧含フッ素重合体(a)の屈折
率>物質(b)の屈折率 (4) 含フッ素重合体(a)の屈折率≧物質(c)の屈折
率>物質(b)の屈折率 光ファイバー等においては、ファイバー中心部と外周部
の屈折率の差が大きくとれ、光ファイバーを折り曲げた
際の伝送損失を抑制できることから、上記 (1)〜(4) の
うち、 (1)または(3) を満足するものが好ましい。
【0064】物質(c)としては、前述の物質(b)と
して挙げた低分子化合物、オリゴマーおよびポリマーか
ら選ばれるものが好ましい。物質(c)は、物質(b)
と同様に含フッ素重合体(a)との比較において、溶解
性パラメータの差が7(cal/cm3)1/2以内である
ことが好ましい。
【0065】物質(c)がオリゴマーの場合、その分子
量は非結晶性となる分子量範囲から選ばれ、数平均分子
量300〜10,000が好ましい。これらの化合物は
成形条件において拡散することが好ましく、ガラス転移
温度を調整するのに十分な量を均一に混合するために
は、含フッ素重合体(a)との相溶性を考慮すると、数
平均分子量500〜5000がさらに好ましい。
【0066】特に好ましい物質(c)は、含フッ素重合
体(a)特に主鎖に環構造を有する含フッ素重合体との
相溶性が良好であること等から、パーフルオロポリエー
テルである。相溶性が良好であることにより、含フッ素
重合体(a)、特に主鎖に環構造を有する含フッ素重合
体、とパーフルオロポリエーテルとを200〜300℃
で加熱溶融により容易に混合させることができる。又、
含フッ素溶媒に溶解させて混合した後、溶媒を除去する
ことにより両者を均一に混合させることができる。パー
フルオロポリエーテルの好ましい分子量は、数平均分子
量500〜5000である。
【0067】本発明の光学樹脂材料は屈折率分布型光フ
ァイバーであることが最も好ましい。この光ファイバー
において、物質(b)は含フッ素重合体(a)中に中心
から周辺方向に沿って濃度勾配を有して分布している。
好ましくは、物質(b)が含フッ素重合体(a)よりも
高屈折率の物質であり、この物質(b)が光ファイバー
の中心から周辺方向に沿って濃度が低下する濃度勾配を
有して分布している光ファイバーである。ある場合には
物質(b)が含フッ素重合体(a)よりも低屈折率の物
質であり、この物質が光ファイバーの周辺から中心方向
に沿って濃度が低下する濃度勾配を有して分布している
光ファイバーも有用である。前者の光ファイバーなどの
光伝送体は通常物質(b)を中心に配置し周辺方向に向
かって拡散させることにより製造できる。後者の光ファ
イバーなどの光伝送体は物質(b)を周辺から中心方向
に拡散させることによって製造できる。
【0068】本発明の光学樹脂材料は光学樹脂材料全体
のガラス転移温度が実質的に均一であることにより、製
造後冷却する際に発生する熱膨張率差に伴うマイクロボ
イドの生成が抑制され、散乱損失が低く抑えられる。本
発明においてガラス転移温度を実質的に均一にすると
は、上記冷却時に発生する熱膨張率差に伴うマイクロボ
イドの生成が抑制されれば、ガラス転移温度が多少相違
していてもよい意味である。マイクロボイドの生成を抑
制するためには冷却速度が重要であり、冷却速度が速く
なればなる程、ガラス転移温度をできるだけ均一に近づ
ける必要がある。
【0069】また、物質(c)による可塑化効果によ
り、一定温度における溶融粘度が含フッ素重合体(a)
単独の場合よりも低下するため、低温、短時間で物質
(b)の拡散が可能となり、従来と比較して生産性向
上、あるいは成形に伴う素材の熱劣化の大幅な低減をも
たらす等の効果がある。
【0070】本発明の光学樹脂材料である光伝送体は、
波長700〜1,600nmで、100mの伝送損失が
100db以下とすることができる。特に主鎖に脂肪族
環構造を有する含フッ素重合体では同様な波長で、10
0mの伝送損失が50db以下とすることができる。波
長700〜1,600nmという比較的長波長におい
て、このような低レベルの伝送損失であることは極めて
有利である。すなわち、石英光ファイバーと同じ波長を
使えることにより、石英光ファイバーとの接続が容易で
あり、また波長700〜1,600nmよりも短波長を
使わざるをえない従来のプラスチック光ファイバーに比
べ、安価な光源で済むという利点がある。本発明の光学
樹脂材料製造において、樹脂の成形と屈折率分布の形成
は同時であっても別々であってもよい。たとえば、紡糸
や押し出し成形等により屈折率分布を形成すると同時に
屈折率分布を形成して本発明光学樹脂材料を製造でき
る。また、紡糸や押し出し成形で樹脂の成形を行った
後、屈折率分布を形成することができる。さらに、屈折
率分布を有するプリフォーム(母材)を製造し、このプ
リフォームを成形(たとえば紡糸)して光ファイバー等
の光学樹脂材料を製造できる。なお、前記のように本発
明光学樹脂材料は、上記屈折率分布を有するプリフォー
ムをも意味する。
【0071】
【実施例】
「合成例1」パーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)
[PBVE]の35g、イオン交換水の150g、及び
重合開始剤として((CH3)2CHOCOO)2の90m
gを、内容積200mlの耐圧ガラス製オートクレーブ
に入れた。系内を3回窒素で置換した後、40℃で22
時間懸濁重合を行った。その結果、数平均分子量約1.
5×105の重合体(以下、重合体Aという)を28g
得た。
【0072】重合体Aの固有粘度[η]は、パーフルオ
ロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)[PBTHF]中
30℃で0.50であった。重合体Aのガラス転移点は
108℃であり、室温ではタフで透明なガラス状の重合
体であった。また10%熱分解温度は465℃であり、
溶解性パラメーターは5.3(cal/cm3)1/2であ
り、屈折率は1.34であった。
【0073】「参考例1」−CF2CF(CF3)O−、
−(CF2)O−および−(CF2)2O−の構造単位を有
するパーフルオロポリエーテル(屈折率1.29、数平
均分子量1800、以下PFPEという)と重合体Aを
ガラス管中に真空封管して、250℃で溶融混合させて
混合重合体を得た。PFPEの含有量を、5〜30重量
%まで5重量%刻みに混合比を変えたところ、30重量
%までは均一透明な混合重合体が得られることを確認し
た。これらの混合重合体に対して、アッベの屈折率計で
屈折率を、DSCでガラス転移温度の測定を行った結
果、屈折率は含有量と共に緩やかに低下し、ガラス転移
温度はほぼ直線的に低下することを見い出した。図1に
結果のグラフを示す。
【0074】「実施例1」重合体AをPBTHF溶媒中
で溶解し、これに屈折率1.52であり重合体Aとの溶
解性パラメーターの差が3.2(cal/cm3)1/2
ある1,3−ジブロモテトラフルオロベンゼン(DBT
FB)を12重量%量添加し混合溶液を得た。この溶液
を脱溶媒し透明な混合重合体(以下、重合体Bという)
を得た。この重合体Bのガラス転移温度は82℃であっ
た。
【0075】さらに重合体AにPFPEを12重量%溶
融混合した均一透明な混合重合体(以下、重合体Cとい
う)を得た。この重合体Cのガラス転移温度は82℃で
あった。その重合体Cを250℃で溶融させ、その中心
に溶融液の重合体Bを注入しながら250℃で溶融紡糸
することにより屈折率が中心部から周辺部に向かって徐
々に低下する光ファイバーが得られた。
【0076】得られた光ファイバーの光伝送特性は、7
80nmで150dB/km、1550nmで80dB
/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝
達できる光ファイバーであることを確かめた。またこの
ファイバーを液体窒素で冷却して割断した面を走査型電
子顕微鏡(SEM)観察したところ、散乱の原因となる
様なマイクロボイド等の不均一構造は一切観察されなか
った。
【0077】「実施例2」DBTFBを12重量%用い
る代わりに数平均分子量800のクロロトリフルオロエ
チレン(CTFE)オリゴマーを12重量%用いる以外
実施例1と同様な方法で光ファイバーを得た。このオリ
ゴマーの屈折率は1.41であり、重合体Aとの溶解性
パラメーターの差は1.4(cal/cm3)1/2であっ
た。得られた光ファイバーは屈折率が中心部から周辺部
に向かって徐々に低下していた。
【0078】この光ファイバーの光伝送特性は、780
nmで100dB/km、1550nmで65dB/k
mであり、可視光から近赤外までの光を良好に伝達でき
る光ファイバーであることを確かめた。なお、重合体A
に上記数平均分子量800のクロロトリフルオロエチレ
ン(CTFE)オリゴマーを12重量%溶融混合した重
合体は、均一透明な混合重合体でありこのガラス転移温
度は82℃であった。 「実施例3」重合体Aと15重量%PFPEをガラス管
中に真空封管して250℃で溶融混合し、均一な混合重
合体(以下、重合体Dという)を得た。この重合体Dの
ガラス転移温度は76℃であった。この重合体Dを同心
円状に2重構造を持つガラス管の一層目と、2層目の隙
間に250℃で溶融させて溶かし落とした。これを冷却
後、外側のガラス管は割り、中心のガラス管は中空管の
内壁を傷つけないために、50%のフッ化水素酸で溶解
させて取り除いた。こうして外径17mm、内径9mm
の重合体Dの中空管を得た。
【0079】さらに、重合体Aと数平均分子量1000
のCTFEオリゴマー15重量%をガラス管中に真空封
管して、250℃で溶融混合し均一な混合重合体(以
下、重合体Eという)の直径8mmのロッドを得た。こ
の重合体Eのガラス転移温度は76℃であった。
【0080】こうして得られた重合体Dの中空管に、重
合体Eのロッドを挿入し、中空管の外側に熱収縮チュー
ブを装着した後、全体をガラス管中に真空封管して、2
00℃にて重合体Dの中空管と重合体Eのロッドを熱融
着させてプリフォーム(以下、プリフォームFという)
を得た。このプリフォームFを240℃で溶融紡糸する
ことにより屈折率が中心部から周辺部に向かって徐々に
低下する光ファイバーが得られた。
【0081】得られた光ファイバーの光伝送特性は、7
80nmで100dB/km、1550nmで70dB
/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝
達できる光ファイバーであることを確かめた。
【0082】「実施例4」PBVE90部とCTFE1
0部とを重合することにより数平均分子量約2×105
の重合体(以下、重合体Gという)を得た。重合体Gの
ガラス転移温度は100℃であった。重合体Gに数平均
分子量1800のPFPEを溶融均一混合してそのPF
PE含量が12重量%となるような混合重合体(以下、
重合体Hという)を得た。重合体Hのガラス転移温度は
75℃であった。
【0083】この重合体Hをガラス管中に真空封管した
後、水平にセットした中空電気炉に挿入して、両端にベ
アリングを、一端にモーターを取り付けた。2000r
pmの回転数で水平に回転させながら、300℃で加熱
することにより、ガラス管内壁に重合体Hが均一に積層
された。これを回転しながら徐々に冷却した後、外側の
ガラス管を取り除くことにより、重合体Hの中空管を得
た。
【0084】この重合体Hの中空管中に実施例3と同様
にして作成した重合体Eのロッドを挿入して、プリフォ
ーム(以下、プリフォームIという)を得た。このプリ
フォームIを210℃で溶融紡糸することにより屈折率
が中心部から周辺部に向かって徐々に低下する光ファイ
バーが得られた。
【0085】得られた光ファイバーの光伝送特性は、7
80nmで150dB/km、1550nmで80dB
/kmであり、可視光から近赤外光までの光を良好に伝
達できる光ファイバーであることを確かめた。
【0086】「比較例1」屈折率分布型プラスチック光
ファイバーにおいて、PMMAの光伝送損失は波長65
0nmで約400dB/km、また波長780nm、1
300nm、1550nmでは非常に伝送損失が大きく
光伝送体としては実用性がないものであった。
【0087】又、段階屈折率型プラスチック光ファイバ
ーにおいて、コアとクラッドが含フッ素樹脂光ファイバ
ーは可視光から近赤外光までの光を伝送可能だが、その
光伝送損失は約300dB/kmと報告されている。
【0088】これに比較して本発明による屈折率分布型
透明フッ素樹脂光ファイバーは可視光から近赤外光まで
の光を極めて低損失に伝送することが可能である。
【0089】「比較例2」PFPEを加えない以外は
「実施例1」と同様にしてつくったファイバーの場合に
は、中心部のガラス転移温度が82℃であるのに対し
て、外周部のガラス転移温度は108℃となり、得られ
た光ファイバーの光伝送特性は、780nmで400d
B/km、1550nmで280dB/kmとなり、P
FPEを加えた場合の数倍以上の伝送損失増加をもたら
した。また、このファイバーの割断面を走査型電子顕微
鏡(SEM)で観察したところ、ファイバー内に多くの
マイクロボイドが発生していることが確認された。
【0090】
【発明の効果】本発明の光学樹脂材料は、非結晶性のフ
ッ素樹脂を利用しかつマイクロボイド等の発生が抑制さ
れているため、プラスチック光伝送体において紫外光か
ら近赤外光までの光を極めて低損失に伝送することが可
能になった。
【0091】特に屈折率分布型光ファイバーはファイバ
ー径が大きいにもかかわらずフレキシブルで分岐・接続
が容易であるため短距離光通信用に最適であるが、これ
まで実用可能な低損失の光ファイバーは提案されなかっ
た。本発明は短距離光通信用に実用可能な低損失の光フ
ァイバーを提供するものである。
【0092】又、本発明の光学樹脂材料は、自動車のエ
ンジンルーム、OA機器、プラント、家電等での過酷な
使用条件に耐える、耐熱性、耐薬品性、耐湿性、不燃性
を備えるプラスチック光伝送体を提供するものである。
更に、本発明の光学樹脂材料は、光ファイバーのみなら
ず平板型やロッド型のレンズとしても利用可能である。
その場合、中心部から周辺部への屈折率変化を低くする
か高くするかにより、凸レンズ及び凹レンズとして機能
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】重合体AとPFPEの均一透明混合物におけ
る、PFPE含有率と屈折率、及びガラス転移温度の相
関を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08L 27/12 LGL G02B 3/00 B G02B 3/00 6/12 N B29K 27:12

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的にC−H結合を有しない非結晶性
    の含フッ素重合体(a)と、含フッ素重合体(a)との
    比較において屈折率の差が0.001以上である少なく
    とも1種類の実質的にC−H結合を有しない物質(b)
    とからなり、含フッ素重合体(a)中に物質(b)が特
    定の方向に沿って濃度勾配を有して分布している屈折率
    分布型光学樹脂材料であって、その光学樹脂材料全体の
    ガラス転移温度が実質的に均一であることを特徴とする
    光学樹脂材料。
  2. 【請求項2】 含フッ素重合体(a)中に実質的にC−
    H結合を有せず、物質(b)の分布により変化する光学
    樹脂材料のガラス転移温度を修正する物質(c)が分布
    している請求項1の光学樹脂材料。
  3. 【請求項3】 物質(b)および物質(c)が含フッ素
    重合体(a)のガラス転移温度を低下させる物質である
    請求項2の光学樹脂材料。
  4. 【請求項4】 含フッ素重合体(a)が主鎖に環構造を
    有する含フッ素重合体である請求項1〜3いずれか1項
    の光学樹脂材料。
  5. 【請求項5】 光学樹脂材料が屈折率分布型光ファイバ
    ー製造用のプリフォームまたは屈折率分布型光ファイバ
    ーである請求項1〜4いずれか1項の光学樹脂材料。
  6. 【請求項6】 実質的にC−H結合を有しない非結晶性
    の含フッ素重合体(a)と、含フッ素重合体(a)との
    比較において屈折率の差が0.001以上である少なく
    とも1種類の実質的にC−H結合を有しない物質(b)
    とからなり、含フッ素重合体(a)中に物質(b)が特
    定の方向に沿って濃度勾配を有して分布している屈折率
    分布型光学樹脂材料を、2層以上の多層押し出し溶融成
    形法で製造するに当たり、ノズル中心部に供給する材料
    のガラス転移温度と、外周部に供給する材料のガラス転
    移温度を実質的に均一にすることにより光学樹脂材料全
    体のガラス転移温度が実質的に均一である光学樹脂材料
    を得ることを特徴とする光学樹脂材料の製造法。
  7. 【請求項7】 ノズル中心部に供給する材料が含フッ素
    重合体(a)と物質(b)の混合物であり、外周部に供
    給する材料が含フッ素重合体(a)と実質的にC−H結
    合を有せず、物質(b)の分布により変化する光学樹脂
    材料のガラス転移温度を修正する物質(c)の混合物で
    ある請求項6の製造法。
  8. 【請求項8】 光学樹脂材料が屈折率分布型光ファイバ
    ー製造用のプリフォームまたは屈折率分布型光ファイバ
    ーである請求項6または7の製造法。
  9. 【請求項9】 実質的にC−H結合を有しない非結晶性
    の含フッ素重合体(a)と、含フッ素重合体(a)との
    比較において屈折率の差が0.001以上である少なく
    とも1種類の実質的にC−H結合を有しない物質(b)
    とからなる屈折率分布型光ファイバー用であり、コア部
    とクラッド部からなるプリフォームを製造するに当た
    り、プリフォームのコア部に相当する部分の材料のガラ
    ス転移温度と、プリフォームのクラッド部に相当する部
    分の材料のガラス転移温度を実質的に均一にすることに
    よりプリフォーム全体のガラス転移温度が実質的に均一
    であるプリフォームを得ることを特徴とする屈折率分布
    型光ファイバー用プリフォームの製造法。
  10. 【請求項10】 コア部に相当する部分の材料が含フッ
    素重合体(a)と物質(b)の混合物であり、クラッド
    部に相当する部分の材料が含フッ素重合体(a)と実質
    的にC−H結合を有せず、物質(b)の分布により変化
    するプリフォームのガラス転移温度を修正する物質
    (c)の混合物である請求項9の製造法。
JP13879496A 1995-06-09 1996-05-31 光学樹脂材料およびその製造法 Expired - Fee Related JP4095122B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13879496A JP4095122B2 (ja) 1995-06-09 1996-05-31 光学樹脂材料およびその製造法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7-143716 1995-06-09
JP14371695 1995-06-09
JP13879496A JP4095122B2 (ja) 1995-06-09 1996-05-31 光学樹脂材料およびその製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0954201A true JPH0954201A (ja) 1997-02-25
JP4095122B2 JP4095122B2 (ja) 2008-06-04

Family

ID=26471753

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13879496A Expired - Fee Related JP4095122B2 (ja) 1995-06-09 1996-05-31 光学樹脂材料およびその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4095122B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014042023A1 (ja) * 2012-09-11 2014-03-20 旭硝子株式会社 プラスチック光ファイバおよびその製造方法
WO2022176863A1 (ja) * 2021-02-16 2022-08-25 日東電工株式会社 光学樹脂組成物及び光学樹脂成形体

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014042023A1 (ja) * 2012-09-11 2014-03-20 旭硝子株式会社 プラスチック光ファイバおよびその製造方法
KR20150054750A (ko) * 2012-09-11 2015-05-20 아사히 가라스 가부시키가이샤 플라스틱 광 파이버 및 그 제조 방법
US9304251B2 (en) 2012-09-11 2016-04-05 Asahi Glass Company, Limited Plastic optical fiber and method for its production
JPWO2014042023A1 (ja) * 2012-09-11 2016-08-18 旭硝子株式会社 プラスチック光ファイバおよびその製造方法
WO2022176863A1 (ja) * 2021-02-16 2022-08-25 日東電工株式会社 光学樹脂組成物及び光学樹脂成形体

Also Published As

Publication number Publication date
JP4095122B2 (ja) 2008-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5916971A (en) Graded-refractive-index optical plastic material and method for its production
US5783636A (en) Graded-refractive-index optical plastic material and method for its production
US5760139A (en) Graded-refractive-index optical plastic material and method for its production
KR100768020B1 (ko) 플라스틱 광학 섬유
JP3719733B2 (ja) 屈折率分布型光学樹脂材料及びその製造方法
JP3719735B2 (ja) 光ファイバー
JP2002071972A (ja) プラスチック光ファイバ
JP3679155B2 (ja) 屈折率分布型光学樹脂材料の製造方法
JP3530630B2 (ja) 屈折率分布型光ファイバー及びその母材の製造方法
JP3419960B2 (ja) 屈折率分布型光学樹脂材料
JP4095122B2 (ja) 光学樹脂材料およびその製造法
EP1279976B1 (en) Plastic optical fiber and process for its production
JP3533263B2 (ja) 屈折率分布型光ファイバー製造用母材の製造方法
JP3723250B2 (ja) 屈折率分布型光ファイバー製造用の母材の製造方法
JP3489764B2 (ja) 屈折率分布型光学樹脂材料
JP2003098365A (ja) プラスチック光ファイバとその製造方法
JP3719734B2 (ja) プラスチック光ファイバーコード及びバンドルファイバー
JP2006106779A (ja) 光学樹脂材料、屈折率分布型光ファイバー及び屈折率分布型光学樹脂材料の製造方法
JPH08334601A (ja) 屈折率分布型の光学樹脂材料
JP2002311254A (ja) 屈折率分布型光学樹脂材料の製造方法
JPH11109144A (ja) 屈折率分布型光ファイバ及びその製造方法
JP2005023324A (ja) 屈折率分布型光学樹脂材料及びその製造方法
JPH08304638A (ja) プラスチック光ファイバー
JPH08304639A (ja) 光伝送システム
WO2003091772A1 (fr) Fibre optique plastique

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071005

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080201

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080207

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080303

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080307

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110314

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120314

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120314

Year of fee payment: 4

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120314

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130314

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130314

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140314

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees