JPH0953423A - すぐれた耐摩耗性と低い相手攻撃性を有する鉛溶浸Ｆｅ基焼結合金製バルブガイド部材 - Google Patents
すぐれた耐摩耗性と低い相手攻撃性を有する鉛溶浸Ｆｅ基焼結合金製バルブガイド部材Info
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- JPH0953423A JPH0953423A JP22470895A JP22470895A JPH0953423A JP H0953423 A JPH0953423 A JP H0953423A JP 22470895 A JP22470895 A JP 22470895A JP 22470895 A JP22470895 A JP 22470895A JP H0953423 A JPH0953423 A JP H0953423A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 すぐれた耐摩耗性と低い相手攻撃性を有する
内燃機関の鉛溶浸Ｆｅ基焼結合金製バルブガイド部材を
提供する。 【解決手段】 バルブガイド部材が、重量％で、Ｃ：１
〜４％、Ｃｕ：１．５〜６％、Ｐ：０．１〜０．８％を
含有し、残りがＦｅと不可避不純物からなる組成、素地
の主体がパーライト相からなり、前記素地中に、セメン
タイト相、フェライト相、および遊離黒鉛が分布し、か
つ前記セメンタイト相の周辺部に前記フェライト相が存
在した組織、並びに６〜２０％の気孔率を有するＦｅ基
焼結合金に、鉛または鉛合金を溶浸してなる鉛溶浸Ｆｅ
基焼結合金で構成してなる。
内燃機関の鉛溶浸Ｆｅ基焼結合金製バルブガイド部材を
提供する。 【解決手段】 バルブガイド部材が、重量％で、Ｃ：１
〜４％、Ｃｕ：１．５〜６％、Ｐ：０．１〜０．８％を
含有し、残りがＦｅと不可避不純物からなる組成、素地
の主体がパーライト相からなり、前記素地中に、セメン
タイト相、フェライト相、および遊離黒鉛が分布し、か
つ前記セメンタイト相の周辺部に前記フェライト相が存
在した組織、並びに６〜２０％の気孔率を有するＦｅ基
焼結合金に、鉛または鉛合金を溶浸してなる鉛溶浸Ｆｅ
基焼結合金で構成してなる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、すぐれた耐摩耗
性を有し、かつ相手攻撃性も低く、さらに良好な制振性
および被削性も具備した鉛溶浸Ｆｅ基焼結合金製バルブ
ガイド部材に関するものである。
性を有し、かつ相手攻撃性も低く、さらに良好な制振性
および被削性も具備した鉛溶浸Ｆｅ基焼結合金製バルブ
ガイド部材に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】一般に、内燃機関の構造部材であるバル
ブガイド部材は、往復動するバルブを支持する機能をも
つものであるため、長さ方向中心部に形成された貫通孔
の内面はバルブのステム（軸）によって摺動摩耗を受け
るものである。したがって、その製造には、例えば特開
昭５０−５７０１０号公報や特開昭５１−９６７１４号
公報、さらに特開昭５０−７５５１０号公報などに記載
される通り、耐摩耗性のすぐれたＦｅ基焼結合金が用い
られている。
ブガイド部材は、往復動するバルブを支持する機能をも
つものであるため、長さ方向中心部に形成された貫通孔
の内面はバルブのステム（軸）によって摺動摩耗を受け
るものである。したがって、その製造には、例えば特開
昭５０−５７０１０号公報や特開昭５１−９６７１４号
公報、さらに特開昭５０−７５５１０号公報などに記載
される通り、耐摩耗性のすぐれたＦｅ基焼結合金が用い
られている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の内燃機関
の高出力化および高速化はめざましく、これに伴ない、
これの構造部材の使用条件は一段と苛酷さを増し、バル
ブガイド部材においては、中心部貫通孔に挿通されて往
復動するバルブ（相手材）との間ではげしい摺動摩耗を
受けるようになるが、上記の従来バルブガイド部材はじ
め、その他多くのＦｅ基焼結合金製バルブガイド部材に
おいては、上記の苛酷な条件下で、すぐれた耐摩耗性を
示すものは、相手攻撃性が強く、一方低い相手攻撃性し
か示さないものは、耐摩耗性に劣るのが現状である。
の高出力化および高速化はめざましく、これに伴ない、
これの構造部材の使用条件は一段と苛酷さを増し、バル
ブガイド部材においては、中心部貫通孔に挿通されて往
復動するバルブ（相手材）との間ではげしい摺動摩耗を
受けるようになるが、上記の従来バルブガイド部材はじ
め、その他多くのＦｅ基焼結合金製バルブガイド部材に
おいては、上記の苛酷な条件下で、すぐれた耐摩耗性を
示すものは、相手攻撃性が強く、一方低い相手攻撃性し
か示さないものは、耐摩耗性に劣るのが現状である。
【０００４】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、すぐれた耐摩耗性と低い相手攻
撃性を具備したＦｅ基焼結合金製バルブガイド部材を開
発すべく研究を行なった結果、原料粉末として、Ｆｅ粉
末、炭素粉末、Ｃｕ−Ｐ合金粉末、およびＦｅ−Ｐ合金
粉末を用い、これら原料粉末を、重量％で（以下、組成
に関する％は重量％を示す） Ｃ：１〜４％、 Ｃｕ：１．５〜６％、Ｐ：
０．１〜０．８％、 Ｆｅ：残りからなる配合組成に
配合し、いずれも通常の条件で、混合した後、圧粉体に
プレス成形し、この圧粉体を還元性雰囲気中で液相焼結
することにより製造した、実質的に上記配合組成と同じ
成分組成を有し、かつ素地の主体がパーライト相からな
り、前記素地中に、セメンタイト相、フェライト相、お
よび遊離黒鉛が分布し、かつ前記セメンタイト相の周辺
部に前記フェライト相が存在した組織、並びに６〜２０
％の気孔率をもったＦｅ基焼結合金に、鉛または鉛合金
を溶浸してなる鉛溶浸Ｆｅ基焼結合金でバルブガイド部
材を構成すると、この結果のバルブガイド部材は、上記
組織における素地のパーライト相と、これに分布するセ
メンタイト相によってすぐれた耐摩耗性を示し、さらに
上記フェライト相が特に前記セメンタイト相の周辺部に
あって、これによる相手攻撃性を著しく緩和し、かつ潤
滑性を有する遊離黒鉛および鉛溶浸材によってより一段
の耐摩耗性向上効果が発揮され、さらに前記鉛溶浸材に
よって制振性を具備し、被削性が向上するようになると
いう研究結果を得たのである。
上述のような観点から、すぐれた耐摩耗性と低い相手攻
撃性を具備したＦｅ基焼結合金製バルブガイド部材を開
発すべく研究を行なった結果、原料粉末として、Ｆｅ粉
末、炭素粉末、Ｃｕ−Ｐ合金粉末、およびＦｅ−Ｐ合金
粉末を用い、これら原料粉末を、重量％で（以下、組成
に関する％は重量％を示す） Ｃ：１〜４％、 Ｃｕ：１．５〜６％、Ｐ：
０．１〜０．８％、 Ｆｅ：残りからなる配合組成に
配合し、いずれも通常の条件で、混合した後、圧粉体に
プレス成形し、この圧粉体を還元性雰囲気中で液相焼結
することにより製造した、実質的に上記配合組成と同じ
成分組成を有し、かつ素地の主体がパーライト相からな
り、前記素地中に、セメンタイト相、フェライト相、お
よび遊離黒鉛が分布し、かつ前記セメンタイト相の周辺
部に前記フェライト相が存在した組織、並びに６〜２０
％の気孔率をもったＦｅ基焼結合金に、鉛または鉛合金
を溶浸してなる鉛溶浸Ｆｅ基焼結合金でバルブガイド部
材を構成すると、この結果のバルブガイド部材は、上記
組織における素地のパーライト相と、これに分布するセ
メンタイト相によってすぐれた耐摩耗性を示し、さらに
上記フェライト相が特に前記セメンタイト相の周辺部に
あって、これによる相手攻撃性を著しく緩和し、かつ潤
滑性を有する遊離黒鉛および鉛溶浸材によってより一段
の耐摩耗性向上効果が発揮され、さらに前記鉛溶浸材に
よって制振性を具備し、被削性が向上するようになると
いう研究結果を得たのである。
【０００５】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、Ｃ：１〜４％、 Ｃ
ｕ；１．５〜６％、Ｐ：０．１〜０．８％、を含有し、
残りがＦｅと不可避不純物からなる組成、素地の主体が
パーライト相からなり、前記素地中に、セメンタイト
相、フェライト相、および遊離黒鉛が分布し、かつ前記
セメンタイト相の周辺部に前記フェライト相が存在した
組織、並びに、６〜２０％の気孔率、を有するＦｅ基焼
結合金に鉛または鉛合金を溶浸してなる鉛溶浸Ｆｅ基焼
結合金で構成してなる、すぐれた耐摩耗性と低い相手攻
撃性を有し、かつ制振性および良好な被削性も具備した
鉛溶浸Ｆｅ基焼結合金製バルブガイド部材に特徴を有す
るものである。
なされたものであって、Ｃ：１〜４％、 Ｃ
ｕ；１．５〜６％、Ｐ：０．１〜０．８％、を含有し、
残りがＦｅと不可避不純物からなる組成、素地の主体が
パーライト相からなり、前記素地中に、セメンタイト
相、フェライト相、および遊離黒鉛が分布し、かつ前記
セメンタイト相の周辺部に前記フェライト相が存在した
組織、並びに、６〜２０％の気孔率、を有するＦｅ基焼
結合金に鉛または鉛合金を溶浸してなる鉛溶浸Ｆｅ基焼
結合金で構成してなる、すぐれた耐摩耗性と低い相手攻
撃性を有し、かつ制振性および良好な被削性も具備した
鉛溶浸Ｆｅ基焼結合金製バルブガイド部材に特徴を有す
るものである。
【０００６】つぎに、この発明のバルブガイド部材を構
成するＦｅ基焼結合金の成分組成および気孔率を上記の
通りに限定した理由を説明する。 （Ａ） 成分組成 （ａ） Ｃ Ｃ成分には、素地のパーライト相、および素地に分布す
るセメンタイト相を形成して耐摩耗性を向上させるほ
か、遊離黒鉛を形成して自己潤滑性を向上させ、もって
耐摩耗性の一段の向上をはかる作用があるが、その含有
量が１％未満になると、特にセメンタイト相および遊離
黒鉛の形成が不十分となって所望の耐摩耗性を確保する
ことができず、一方その含有量が４％を越えると、特に
セメンタイト相の形成が多量となって相手攻撃性が増大
するようになることから、その含有量を１〜４％、望ま
しくは１．５〜３％と定めた。
成するＦｅ基焼結合金の成分組成および気孔率を上記の
通りに限定した理由を説明する。 （Ａ） 成分組成 （ａ） Ｃ Ｃ成分には、素地のパーライト相、および素地に分布す
るセメンタイト相を形成して耐摩耗性を向上させるほ
か、遊離黒鉛を形成して自己潤滑性を向上させ、もって
耐摩耗性の一段の向上をはかる作用があるが、その含有
量が１％未満になると、特にセメンタイト相および遊離
黒鉛の形成が不十分となって所望の耐摩耗性を確保する
ことができず、一方その含有量が４％を越えると、特に
セメンタイト相の形成が多量となって相手攻撃性が増大
するようになることから、その含有量を１〜４％、望ま
しくは１．５〜３％と定めた。
【０００７】（ｂ） Ｃｕ Ｃｕ成分には、素地に固溶して、これを強化するほか、
フェライト相の形成を促進する作用があるが、その含有
量が１．５％未満では前記作用に所望の効果が得られ
ず、一方その含有量が６％を越えるとセメンタイト相の
形成が抑制されるようになることから、その含有量を
１．５〜６％、望ましくは２〜４％と定めた。
フェライト相の形成を促進する作用があるが、その含有
量が１．５％未満では前記作用に所望の効果が得られ
ず、一方その含有量が６％を越えるとセメンタイト相の
形成が抑制されるようになることから、その含有量を
１．５〜６％、望ましくは２〜４％と定めた。
【０００８】（ｃ） Ｐ Ｐ成分には、焼結性を良好ならしめ、もって強度を向上
させるほか、セメンタイト相の形成を促進する作用があ
るが、その含有量が０．１％未満では前記作用に所望の
効果が得られず、一方その含有量が０．８％を越えると
フェライト相の形成が抑制されるようになることから、
その含有量を０．１〜０．８％、望ましくは０．２〜
０．５％と定めた。
させるほか、セメンタイト相の形成を促進する作用があ
るが、その含有量が０．１％未満では前記作用に所望の
効果が得られず、一方その含有量が０．８％を越えると
フェライト相の形成が抑制されるようになることから、
その含有量を０．１〜０．８％、望ましくは０．２〜
０．５％と定めた。
【０００９】（Ｂ） 気孔率 ６％未満の気孔率では、鉛溶浸の均一性が損なわれ、か
つその割合も不十分となって所望の潤滑性向上効果を確
保することができないばかりでなく、制振性および被削
性の向上も不十分となり、一方気孔率が２０％を越える
と鉛溶浸の割合が多くなりすぎ、耐摩耗性が低下するよ
うになることから、気孔率を６〜２０％、望ましくは１
０〜１５％と定めた。
つその割合も不十分となって所望の潤滑性向上効果を確
保することができないばかりでなく、制振性および被削
性の向上も不十分となり、一方気孔率が２０％を越える
と鉛溶浸の割合が多くなりすぎ、耐摩耗性が低下するよ
うになることから、気孔率を６〜２０％、望ましくは１
０〜１５％と定めた。
【００１０】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明のバルブガイド
部材を実施例により具体的に説明する。原料粉末とし
て、粒度：−８０meshのＦｅ粉末、同−２００meshの炭
素粉末、同−１５０meshのＦｅ−２７％Ｐ合金粉末、お
よび同−２００meshのＣｕ−８％Ｐ合金粉末を用い、こ
れら原料粉末をそれぞれ表１に示される配合組成に配合
し、１％のステアリン酸亜鉛を加えてＶ型ミキサーにて
３０分間混合した後、５〜７ton ／cm2 の範囲内の所定
の圧力で圧粉体にプレス成形し、ついでこの圧粉体を、
天然ガスの分解ガス雰囲気中、温度：６５０℃に３０分
間保持して脱脂し、引続いて１０５０〜１１５０℃の範
囲内の所定の焼結温度に昇温し、この温度に６０分間保
持後、徐冷の条件で焼結して、上記配合組成と実質的に
同一の組成および表１に示される気孔率をもったＦｅ基
焼結合金本体Ａ〜Ｑを形成し、これに表２に示される組
合せで、銅溶湯浸漬法により純鉛Ｐｂ−３０％Ｓｎの組
成をもったＰｂ合金を溶浸し、最終的に仕上加工を施す
ことにより、いずれも長さ：５０mm×外径：１２mm×内
径：６．６mmの寸法をもった本発明鉛溶浸Ｆｅ基焼結合
金製バルブガイド部材（以下、本発明バルブガイドとい
う）１〜１１、および比較鉛溶浸Ｆｅ基焼結合金製バル
ブガイド部材（以下、比較バルブガイドという）１〜６
をそれぞれ製造した。なお、上記比較バルブガイド１〜
６は、合金成分のうちのいずれかの成分含有量（表中に
※印を付す）がこの発明の範囲から外れた組成を有する
Ｆｅ基焼結合金で構成されたものである。
部材を実施例により具体的に説明する。原料粉末とし
て、粒度：−８０meshのＦｅ粉末、同−２００meshの炭
素粉末、同−１５０meshのＦｅ−２７％Ｐ合金粉末、お
よび同−２００meshのＣｕ−８％Ｐ合金粉末を用い、こ
れら原料粉末をそれぞれ表１に示される配合組成に配合
し、１％のステアリン酸亜鉛を加えてＶ型ミキサーにて
３０分間混合した後、５〜７ton ／cm2 の範囲内の所定
の圧力で圧粉体にプレス成形し、ついでこの圧粉体を、
天然ガスの分解ガス雰囲気中、温度：６５０℃に３０分
間保持して脱脂し、引続いて１０５０〜１１５０℃の範
囲内の所定の焼結温度に昇温し、この温度に６０分間保
持後、徐冷の条件で焼結して、上記配合組成と実質的に
同一の組成および表１に示される気孔率をもったＦｅ基
焼結合金本体Ａ〜Ｑを形成し、これに表２に示される組
合せで、銅溶湯浸漬法により純鉛Ｐｂ−３０％Ｓｎの組
成をもったＰｂ合金を溶浸し、最終的に仕上加工を施す
ことにより、いずれも長さ：５０mm×外径：１２mm×内
径：６．６mmの寸法をもった本発明鉛溶浸Ｆｅ基焼結合
金製バルブガイド部材（以下、本発明バルブガイドとい
う）１〜１１、および比較鉛溶浸Ｆｅ基焼結合金製バル
ブガイド部材（以下、比較バルブガイドという）１〜６
をそれぞれ製造した。なお、上記比較バルブガイド１〜
６は、合金成分のうちのいずれかの成分含有量（表中に
※印を付す）がこの発明の範囲から外れた組成を有する
Ｆｅ基焼結合金で構成されたものである。
【００１１】また、図１，２に、それぞれ本発明バルブ
ガイド２，３を構成する鉛溶浸Ｆｅ基焼結合金の金属顕
微鏡による組織写真（４００倍）の模写図を示したが、
図示されるように本発明バルブガイド１〜１１は、いず
れも素地の主体がパーライト相からなり、前記素地中に
セメンタイト相、フェライト相、および遊離黒鉛（図２
に示されるように粗大遊離黒鉛が存在する場合もある）
が分布し、かつ前記セメンタイト相の周辺部に前記フェ
ライト相が存在した組織を有し、さらに気孔には鉛溶浸
されてなるものであった。
ガイド２，３を構成する鉛溶浸Ｆｅ基焼結合金の金属顕
微鏡による組織写真（４００倍）の模写図を示したが、
図示されるように本発明バルブガイド１〜１１は、いず
れも素地の主体がパーライト相からなり、前記素地中に
セメンタイト相、フェライト相、および遊離黒鉛（図２
に示されるように粗大遊離黒鉛が存在する場合もある）
が分布し、かつ前記セメンタイト相の周辺部に前記フェ
ライト相が存在した組織を有し、さらに気孔には鉛溶浸
されてなるものであった。
【００１２】つぎに、この結果得られた各種のバルブガ
イドを、排気量：２０００ccのＤＯＨＣ型エンジンのＡ
ｌ合金鋳物製シリンダヘッドの排気側に圧入して取付
け、内径の仕上げ加工を行なった状態で、燃料として無
鉛ガソリンを用い、回転数：６０００r.p.m.で５００時
間運転の実機試験を行ない、バルブシート側の端縁から
長さ方向５mmの内面位置での内径、並びにタフトライド
処理したＳＵＨ−１１製バルブステム（相手材）におけ
る最小外径を測定し、試験前の内径および外径に対する
試験後の内径変化量および外径変化量をそれぞれ摩耗量
とて測定し、耐摩耗性および相手攻撃性を評価した。こ
れらの測定結果を表２に示した。
イドを、排気量：２０００ccのＤＯＨＣ型エンジンのＡ
ｌ合金鋳物製シリンダヘッドの排気側に圧入して取付
け、内径の仕上げ加工を行なった状態で、燃料として無
鉛ガソリンを用い、回転数：６０００r.p.m.で５００時
間運転の実機試験を行ない、バルブシート側の端縁から
長さ方向５mmの内面位置での内径、並びにタフトライド
処理したＳＵＨ−１１製バルブステム（相手材）におけ
る最小外径を測定し、試験前の内径および外径に対する
試験後の内径変化量および外径変化量をそれぞれ摩耗量
とて測定し、耐摩耗性および相手攻撃性を評価した。こ
れらの測定結果を表２に示した。
【００１３】
【表１】
【００１４】
【表２】
【００１５】
【発明の効果】表２に示される結果から、本発明バルブ
ガイド１〜１１は、いずれもきわめて低い相手攻撃性
で、すぐれた耐摩耗性を示すのに対して、比較バルブガ
イド１〜６に見られるように、これを構成するＦｅ基焼
結合金の合金成分のうちのいずれかの成分含有量がこの
発明の範囲から外れると、遊離黒鉛、セメンタイト相、
およびフェライト相の相互バランスがくずれて、耐摩耗
性が低下したり、相手攻撃性が増大したりするようにな
ることが明らかである。上述のように、この発明の鉛溶
浸バルブガイド部材は、内燃機関の高出力化および高速
化によって、その使用条件が苛酷になっても相手攻撃性
を増大させることなく、すぐれた熱伝導性を具備するこ
とと相まって、すぐれた耐摩耗性を発揮するのである。
ガイド１〜１１は、いずれもきわめて低い相手攻撃性
で、すぐれた耐摩耗性を示すのに対して、比較バルブガ
イド１〜６に見られるように、これを構成するＦｅ基焼
結合金の合金成分のうちのいずれかの成分含有量がこの
発明の範囲から外れると、遊離黒鉛、セメンタイト相、
およびフェライト相の相互バランスがくずれて、耐摩耗
性が低下したり、相手攻撃性が増大したりするようにな
ることが明らかである。上述のように、この発明の鉛溶
浸バルブガイド部材は、内燃機関の高出力化および高速
化によって、その使用条件が苛酷になっても相手攻撃性
を増大させることなく、すぐれた熱伝導性を具備するこ
とと相まって、すぐれた耐摩耗性を発揮するのである。
【図１】本発明バルブガイド２を構成する鉛溶浸Ｆｅ基
焼結合金の金属顕微鏡による組織写真（４００倍）の模
写図である。
焼結合金の金属顕微鏡による組織写真（４００倍）の模
写図である。
【図２】本発明バルブガイド３を構成する鉛溶浸Ｆｅ基
焼結合金の金属顕微鏡による組織写真（４００倍）の模
写図である。
焼結合金の金属顕微鏡による組織写真（４００倍）の模
写図である。
Claims (1)
- 【請求項１】 重量％で、 Ｃ：１〜４％、 Ｃｕ；１．５〜６％、 Ｐ：０．１〜０．８％、を含有し、残りがＦｅと不可避
不純物からなる組成、 素地の主体がパーライト相からなり、前記素地中に、セ
メンタイト相、フェライト相、および遊離黒鉛が分布
し、かつ前記セメンタイト相の周辺部に前記フェライト
相が存在した組織、並びに、 ６〜２０％の気孔率、を有するＦｅ基焼結合金に、鉛ま
たは鉛合金を溶浸してなる鉛溶浸Ｆｅ基焼結合金で構成
したことを特徴とするすぐれた耐摩耗性と低い相手攻撃
性を有する鉛溶浸Ｆｅ基焼結合金製バルブガイド部材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22470895A JPH0953423A (ja) | 1995-08-09 | 1995-08-09 | すぐれた耐摩耗性と低い相手攻撃性を有する鉛溶浸Ｆｅ基焼結合金製バルブガイド部材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22470895A JPH0953423A (ja) | 1995-08-09 | 1995-08-09 | すぐれた耐摩耗性と低い相手攻撃性を有する鉛溶浸Ｆｅ基焼結合金製バルブガイド部材 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0953423A true JPH0953423A (ja) | 1997-02-25 |
Family
ID=16818005
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP22470895A Withdrawn JPH0953423A (ja) | 1995-08-09 | 1995-08-09 | すぐれた耐摩耗性と低い相手攻撃性を有する鉛溶浸Ｆｅ基焼結合金製バルブガイド部材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0953423A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6012703A (en) * | 1996-07-10 | 2000-01-11 | Hitachi Powdered Metals Co., Ltd. | Valve guide and process for manufacturing thereof |
| CN102443739A (zh) * | 2010-09-30 | 2012-05-09 | 日立粉末冶金株式会社 | 烧结阀导承材料及其制备方法 |
-
1995
- 1995-08-09 JP JP22470895A patent/JPH0953423A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6012703A (en) * | 1996-07-10 | 2000-01-11 | Hitachi Powdered Metals Co., Ltd. | Valve guide and process for manufacturing thereof |
| CN102443739A (zh) * | 2010-09-30 | 2012-05-09 | 日立粉末冶金株式会社 | 烧结阀导承材料及其制备方法 |
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| Date | Code | Title | Description |
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| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20021105 |