JPH0952730A - 耐擦傷性のガラス - Google Patents

耐擦傷性のガラス

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JPH0952730A
JPH0952730A JP14625596A JP14625596A JPH0952730A JP H0952730 A JPH0952730 A JP H0952730A JP 14625596 A JP14625596 A JP 14625596A JP 14625596 A JP14625596 A JP 14625596A JP H0952730 A JPH0952730 A JP H0952730A
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JP
Japan
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glass
weight
less
density
resistant glass
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JP14625596A
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English (en)
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Seegaru Jitendora
セーガル ジテンドラ
Akira Takada
章 高田
Setsuo Ito
節郎 伊藤
Yasumasa Nakao
泰昌 中尾
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】きわめて耐擦傷性の高いガラスを得る。 【解決手段】本質的に67〜78重量%のSiO2 、重
量比RO/R'2O比が0.6未満であるところの15〜
30重量%のRO+R'2O、2〜10重量%のAl2
3 、0.5重量%未満のB23 からなり、密度が2.
41g/ccを超えて2.47g/cc以下とされるこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐擦傷性がきわめ
て高いガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】ガラスは本質的に脆い材料であり、特に
使用時に発生する微小な表面傷によってその強度が低下
し、そこに力が加わると、微小傷を端緒とするクラック
が伸展して破壊に至る。
【0003】したがって、ガラスの耐久性を上げるため
に、表面に傷が付きにくくしようとする試みは古くから
行われている。たとえばそれは表面のハードコーティン
グであり、イオン交換による表面強化であり、また急冷
による物理強化である。
【0004】これらの技術はガラスの表面を他の材料で
覆って傷の発生を防ぐ方法と、表面に圧縮残留応力を発
生させて傷の発生、伸展を防ぐ方法に大別され、どちら
にせよ、本質的にガラスそのものの脆さを改善する試み
ではない。したがって、表面のコーティングが磨耗、劣
化などにより除去されてしまったり、または温度の上昇
などによって表面の残留応力が消失してしまう環境下に
おいてその効果は発現されないという問題がある。
【0005】一方、現在汎用されているソーダライムシ
リカガラスは、歴史的にも推移があるが、一般的には以
下のような組成を有する。 SiO2 66〜75 重量%、 MgO 0〜 5 重量%、 CaO 7〜12 重量%、 Na2 O 12〜20 重量%、 K2 O 0〜 3 重量%、 Al23 0〜 4 重量%。
【0006】ソーダライムシリカガラスにおいて、組成
と硬度との関係については、研究は多くない。一般的な
認識としては、SiO2 を増加させると強度が上がるこ
と、CaOでNa2 Oを置換するとネットワークの結合
性が上がり、強度が向上すること、Al23 の添加が
強度および硬度の向上に役立つこと、などがある程度で
ある。
【0007】さらに表面の傷のつきやすさに対応する擦
傷硬度については、実際のガラスの強度を決定するうえ
で重要であるが、ガラスの研磨現象は複雑で、必ずしも
ビッカース硬度との相関性が良くない。これは、耐擦傷
性が、硬度に関係する因子のみならず微細クラックの発
生と伸展による試料からの脱離、摩擦熱による影響があ
るためと考えられる。
【0008】結局、従来は、ガラス表面の傷のつきやす
さと組成との関係については、石英ガラスが最も耐擦傷
性に優れ、網目修飾イオンが増えるにしたがい耐擦傷性
が低下するという程度の認識しかなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の認識に基づき、
単純に硬度を上げるためにSiO2 を増加させると、溶
解しにくくなるため、生産性の良い溶融法による生産が
困難になる。一方、ソーダライムシリカ系のガラスにお
いて、一般的には、溶融法での生産が容易な組成を選択
すると、さほど硬度の向上は見られないという問題があ
る。
【0010】また、ガラスの表面に何らかの処理を行う
ことによって脆さを克服する方法においては、ガラス成
形後の後処理が必要であり、コストの上昇の問題や適用
の制限の問題、場合によっては使用時にその効果が持続
しない問題などがあった。
【0011】本発明の目的は、従来技術が有する前述の
問題、すなわち、後処理や表面の改質ではなく、ガラス
そのものの脆さを改善し、実使用時の外力による傷の発
生を防ぐとともに、溶融法による生産ができソーダライ
ムシリカガラスの持つ耐久性などの長所を基本的に維持
したガラスを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、本質的に67
〜78重量%のSiO2 、RO/R'2O重量比が0.6
未満であるところの15〜30重量%のRO+R'2
(RはCa、MgおよびZnから選ばれる1種以上、
R' はLi、NaおよびKから選ばれる1種以上)、2
〜10重量%のAl23 、0.5重量%未満のB2
3 からなり、密度が2.41g/ccを超えて2.47
g/cc以下とされることを特徴とする耐擦傷性のガラ
スである。
【0013】また、本質的に67〜78重量%のSiO
2 、RO/R'2O重量比が0.6未満であるところの1
5〜30重量%のRO+R'2O(RはCa、Mgおよび
Znから選ばれる1種以上、R' はLi、NaおよびK
から選ばれる1種以上)、2〜10重量%のAl2
3 、0.5〜1重量%のB23 からなり、密度が2.
43g/ccを超えて2.47g/cc以下とされるこ
とを特徴とする耐擦傷性のガラスである。
【0014】また、本質的に67〜74重量%未満のS
iO2 、RO/R'2O重量比が0.6未満であるところ
の15〜30重量%のRO+R'2O(RはCa、Mgお
よびZnから選ばれる1種以上、R' はLi、Naおよ
びKから選ばれる1種以上)、2〜10重量%のAl2
3 、0.5〜1重量%のB23 からなり、密度が
2.41g/ccを超えて2.47g/cc以下とされ
ることを特徴とする耐擦傷性のガラスである。
【0015】本発明者は、多種のソーダライムシリカガ
ラスについてその組成と耐擦傷性の関係を詳細に検討し
た結果、前述のガラス組成範囲内において、0.5重量
%未満のB23 を含有する場合にはその密度を2.4
1g/ccを超えて2.47g/cc以下、また、0.
5〜1重量%のB23 を含有する場合にはその密度を
2.43g/ccを超えて2.47g/cc以下、特
に、0.5〜1重量%のB23 と67〜74重量%未
満のSiO2 とを含有する場合には、その密度を2.4
1g/ccを超えて2.47g/cc以下、(なお、通
常のソーダライムシリカガラスの密度は2.49〜2.
52g/cc程度)とすることによって、従来のソーダ
ライムシリカガラスにおける溶融性、化学的耐久性など
の特性を基本的に維持するとともに、従来のソーダライ
ムシリカガラスに比べてきわめて傷がつきにくくなるこ
とを見いだした。
【0016】特に、前述の組成でガラスの密度を2.5
2g/ccから下げていった場合に2.47g/cc以
下になると、他の特性は徐々に変化するのに対して、耐
擦傷性は急激に改善されることを見いだした。これはす
なわち、密度2.47g/cc近傍の組成域において、
ガラス構造の柔軟性(原子レベルでの結合角の自由度)
が急激に変わるためと考えられる。
【0017】すなわち、本発明はソーダライムシリカガ
ラスにおいて、密度が最も耐擦傷性に影響する因子であ
り、また、その制御がある組成範囲内において可能であ
ることを見いだしたことに基づく。そして、後記実施例
に示すとおり、その組成を最適化すれば、溶融法による
製造が容易で、かつ、通常のソーダライムシリカガラス
に比べて傷の発生荷重が非常に高く、実際の強度も大き
く向上したガラスが得られる。
【0018】次に本発明のガラスの組成範囲について説
明する。SiO2 はガラスの網目構造を形成する主成分
である。これが少なすぎると、相対的に非架橋酸素量が
増えて、網目構造が弱くなるとともに、密度が上昇して
クラック伝播が容易となるため、強度自体が低くなる。
また、多すぎると、溶融性が悪くなり、溶融法によって
均質なガラスを得ることが困難となる。この観点で本発
明では、ガラス全体に対して67〜78重量%とする。
【0019】R'2O(R' はLi、NaおよびKから選
ばれる1種以上)は溶解性の改善に必須であり、また、
RO(RはMg、CaおよびZnから選ばれる1種以
上)は溶解性の改善および化学的耐久性の改善に必須な
成分である。R'2OとROの量は合量で15〜30重量
%とする。
【0020】また、特にその組成は耐擦傷性に大きく影
響する。各成分の具体的な働きは詳細には未解明である
が、後記実施例で明らかになるように、本発明において
は、ROよりもR'2Oを添加する方が耐擦傷性は改善さ
れる。少なくともこの結果は従来の認識とは一致しな
い。この観点から、本発明では、RO/R'2O重量比は
0.6未満、好ましくは0.5未満とされる。
【0021】添加するこれらのR、R' は、傾向として
は元素番号の小さい、すなわち軽い元素が密度の低減に
有効であり、結果として耐擦傷性も改善される。かかる
観点で、Rとしては、CaよりはむしろMgを多くする
ことが好ましい。ただし、いくつかの元素においては同
時に添加される元素の影響により、異なった挙動も示す
ものもある。これらは耐擦傷性を決定する因子が密度以
外に非架橋酸素量やシリカを主体とする網目構造の形、
ヤング率などがあるためと考えられる。
【0022】Al23 は化学的耐久性を向上する。本
発明では、2〜10重量%含有せしめる。
【0023】一方、RO成分が比較的少ない本発明のガ
ラスにB23 を過度に添加すると、耐水性の低下を招
くおそれがあるうえ、コスト増を招き、通常のソーダラ
イムシリカガラスの持つ安価という特性を損なうので、
1重量%以下とする。
【0024】このうち、B23 の含有量が0.5重量
%未満の場合には、密度は2.41〜2.47g/cc
とされ、B23 の含有量が0.5〜1重量%の場合に
は、密度は2.43〜2.47g/ccとされる。特
に、0.5〜1重量%のB23 と67〜74重量%未
満のSiO2 とを含有する場合には、その密度を2.4
1g/ccを超えて2.47g/cc以下とされる。
【0025】具体的には、本発明におけるガラスの好ま
しい組成範囲は、本質的に以下のようになる。まず、B
23 の含有量が0.5重量%未満の場合には以下のよ
うになる。 SiO2 67〜78 重量%、 MgO 0〜 5 重量%、 CaO 0〜 5 重量%、 ZnO 0〜 2 重量%、 Na2 O 5〜22 重量%、 K2 O 0〜 4 重量%、 Li2 O 0〜 4 重量%、 Al23 2〜10 重量%、 B23 0〜 0.5重量%未満。
【0026】また、B23 の含有量が0.5〜1重量
%の場合には以下のようになる。 SiO2 67〜78 重量%、 MgO 0〜 5 重量%、 CaO 0〜 5 重量%、 ZnO 0〜 2 重量%、 Na2 O 5〜22 重量%、 K2 O 0〜 4 重量%、 Li2 O 0〜 4 重量%、 Al23 2〜10 重量%、 B23 0.5〜 1 重量%。
【0027】本発明でいう「本質的」とは、SiO2
Al23 、B23 、ROおよびR'2Oからなる上記
の主成分がガラス全体の96重量%以上を占めることを
いう。他に微量成分として、ガラス全体の均質化、着
色、赤外線透過能および紫外線透過能の制御の目的で、
Fe、Ni、Se、Co、Ceなどを添加できる。
【0028】また、より均質なガラスをより容易に製造
するために、公知の清澄剤も添加できる。かかる清澄剤
としては、SO3 、Clなどがある。
【0029】本発明のガラスは、溶融性にも優れるた
め、各種の製造方法が適用できる。すなわち、常法にし
たがって目標組成になるように各原料を調合し、これを
1450〜1600℃に加熱してガラス化する。次いで
この溶融ガラスを清澄した後、所定の形状に成形する。
その際、板ガラスに成形する場合は、ロールアウト法、
フロート法、プレス法等が使用される。また、各種容器
形状にする場合にはプレス法、エアーブロウ法が使用さ
れる。また、ファイバに成形する場合には、白金製のピ
ンホールから引き出す方法が使用される。かくして成形
されたガラスは通常のガラスと同様に徐冷され、商品と
なる。
【0030】本発明のガラスは本質的に傷の発生がしに
くいため、表面に特段の処理を施すことなく高い耐久性
を有する。また、溶融性にも優れることから、広範に応
用できる。
【0031】特に、熱性反射膜等の機能性膜を表面に付
加すること、物理的または化学的手法による強化などを
行うことは自由である。また、用途の面からみれば、車
両用、建築用、びん用、ファイバ用など、種々の用途に
使用できる。
【0032】本発明のガラスは、単板ガラス、合せガラ
ス、複層ガラスとして使用できる。合せガラス、複層ガ
ラスとする場合は、本発明によるガラス同志を使用して
合せガラス、複層ガラスとしてもよく、本発明によるガ
ラスと他のガラスとを使用し合せガラス、複層ガラスと
してもよい。
【0033】本発明において、ガラスの脆さ(耐擦傷
性)の指標としてはローンらによって提案された脆さ指
標値Bを使用した(B.R.Lawn and D.B.Marshall,J.Am.C
eram.Soc.,62[7-8]347-350(1979))。ここで、脆さ指標
値Bは材料のビッカース硬さHv と破壊靭性値Kc から
式(1)により定義される。
【0034】
【数1】
【0035】この脆さの指標をガラスに適用する際の大
きな問題は破壊靭性値Kc が正確に評価しにくいことで
ある。そこで、本発明者は、いくつかの手法を検討した
結果、ビッカース圧子を押し込んだときにガラス表面に
残る圧子の痕の大きさと痕の四隅から発生するクラック
の長さとの関係から脆さを定量的に評価できることを見
いだした。その関係は式(2)により定義される。ここ
で、Pはビッカース圧子の押し込み荷重であり、2a、
2cはそれぞれ、図1に示したように、ビッカース圧痕
の対角長および四隅から発生するクラックの長さ(圧子
の痕を含む対称な2つのクラックの全長)である。
【0036】
【数2】
【0037】各種ガラスの表面に打ち込んだビッカース
圧痕の寸法と式(2)を用いれば、ガラスの脆さを簡単
に評価できる。
【0038】図2は、こうして測定した脆さ指標値Bと
サンドブラストによる摩耗量との関係を示す。脆さ指標
値Bと、サンドブラストによる摩耗量とは非常に強い相
関関係にあり、脆さ指標値が耐擦傷性の大変良い指標に
なっていることがわかる。
【0039】本発明では、溶融性の指標として、粘度が
102 ポイズとなる温度を採用する。これが1600℃
以下となるようなガラスは従来のソーダライムシリカガ
ラスと同程度に溶融性が良く、溶融法によるガラス製造
が容易であるといえる。
【0040】本発明のガラスは本質的に傷の発生がしに
くいため、表面に特段の処理を施すことなく高い耐久性
を有する。また、溶解性にも優れることから、広範な応
用ができる。
【0041】
【実施例】表1、表2には本発明のガラス(例1〜8)
および比較例(例9〜12)として検討した12種類の
ガラス組成、同ガラスの密度、脆さ指標値および溶融性
指標値として、粘度が102 ポイズ、104 ポイズとな
る温度(℃)を示す。表の組成は蛍光X線で分析したも
のである。
【0042】各組成の原料粉体200gを白金製の坩堝
に投入した後、1450〜1650℃大気中にて4時間
撹拌しながら加熱溶解した。すべて通常のソーダライム
ガラスと同程度の溶解性があり、製造上の問題がないこ
とを確認した。均一に溶解した各組成のガラスは、カー
ボンの型に流し込んで約10cm角で厚さ5mmの板に
成形・冷却した。得られたガラスは490〜570℃に
おいてアニールを施し歪みを除去した後、切断研磨し、
2cm角で厚さ4mmの試料とした。
【0043】研磨して鏡面を出した試料はさらに研磨に
よる表面残留応力を除去するために角ガラスの歪み点温
度より若干上の温度に加熱(100℃/hr)し、保持
(3時間)後、徐冷(60℃/hr)した。こうして表
面の熱および加工歪みを完全に除去した状態にてその脆
さを測定した。脆さの測定にはビッカース硬さ試験器を
使用した。同装置により、ガラス表面に圧痕を打ち込
み、前記の(1)、(2)式を用いてその圧痕の四角か
ら発生するクラックの長さとビッカース圧子の押し込み
荷重により脆さを算出した。
【0044】押し込み荷重は5kg重とし、すべての例
について脆さを測定した。また、密度については、試料
の乾燥重量と水中での重量からアルキメデス法により算
出した。測定にはマイクログラムまで測定可能な高精度
の秤を使用し、有効数字5桁まで計算したのち最後の桁
を四捨五入して4桁とした。
【0045】表1、表2より本発明の組成範囲にあるガ
ラスは脆さ指標値bが6700m-1 /2以下、粘度が10
2 ポイズとなる温度が1600℃以下となっている。
【0046】それに対し、その範囲外の比較例(例9、
例10)では密度は2.470g/cc以下で、脆さ指
標値Bは6700m-1/2以下となっているが、102
イズとなる温度が1600℃以上で溶解・成形性に難が
ある。比較例(例11、12)では、102 ポイズとな
る温度が1600℃以下で溶解・成形が容易であるが、
密度は2.470g/ccを超えており、脆さ指標値B
が6700m-1/2を超えるため、耐擦傷性の改善が見ら
れない。また、これらの例において密度と脆さは良い正
の相関を示しており、密度が低下するにしたがって脆さ
指標値も低下する、すなわち傷が付きにくくなっている
ことがわかる。
【0047】さらに、最も低い脆さ指標値を示した例6
のガラスにビッカース圧子を押し込んだときの亀裂発生
荷重(荷重を徐々に増やしていくと、その荷重以上にお
いて初めて圧痕の四角からクラックが発生する荷重)を
求めると、900g重となった。通常のソーダライムガ
ラスでは同一の方法で求めた亀裂発生荷重は200g重
であり、脆さを改善することにより亀裂発生荷重を4.
5倍まで高めることができた。これはガラスの実使用時
強度低下の主要因がガラス製造後に表面に発生した傷に
よることを考えると、非常に大きい利点である。
【0048】すなわち、本組成のガラスを使用すること
により実使用時の表面傷による強度低下を低減でき、そ
の結果商品の寿命を格段に伸ばし、またその信頼性を大
幅に改善しうる。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】本発明のガラスは溶融法によって生産性
良く製造できるとともに、これを使用することにより実
使用時の表面傷による強度低下を低減でき、その結果商
品の寿命を格段に伸ばし、またその信頼性を大幅に改善
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における脆さの定義を説明する説明図
【図2】脆さ指標値Bとサンドブラストによる摩耗量と
の関係を示すグラフ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中尾 泰昌 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】本質的に67〜78重量%のSiO2 、R
    O/R'2O重量比が0.6未満であるところの15〜3
    0重量%のRO+R'2O(RはCa、MgおよびZnか
    ら選ばれる1種以上、R' はLi、NaおよびKから選
    ばれる1種以上)、2〜10重量%のAl23 、0.
    5重量%未満のB23 からなり、密度が2.41g/
    ccを超えて2.47g/cc以下とされることを特徴
    とする耐擦傷性のガラス。
  2. 【請求項2】本質的に、以下の成分からなる請求項1の
    耐擦傷性のガラス。 SiO2 67〜78 重量%、 MgO 0〜 5 重量%、 CaO 0〜 5 重量%、 ZnO 0〜 2 重量%、 Na2 O 5〜22 重量%、 K2 O 0〜 4 重量%、 Li2 O 0〜 4 重量%、 Al23 2〜10 重量%、 B23 0〜 0.5重量%未満。
  3. 【請求項3】本質的に67〜78重量%のSiO2 、R
    O/R'2O重量比が0.6未満であるところの15〜3
    0重量%のRO+R'2O(RはCa、MgおよびZnか
    ら選ばれる1種以上、R' はLi、NaおよびKから選
    ばれる1種以上)、2〜10重量%のAl23 、0.
    5〜1重量%のB23 からなり、密度が2.43g/
    ccを超えて2.47g/cc以下とされることを特徴
    とする耐擦傷性のガラス。
  4. 【請求項4】本質的に、以下の成分からなる請求項3の
    耐擦傷性のガラス。 SiO2 67〜78 重量%、 MgO 0〜 5 重量%、 CaO 0〜 5 重量%、 ZnO 0〜 2 重量%、 Na2 O 5〜22 重量%、 K2 O 0〜 4 重量%、 Li2 O 0〜 4 重量%、 Al23 2〜10 重量%、 B23 0.5〜 1 重量%。
  5. 【請求項5】本質的に67〜74重量%未満のSiO
    2 、RO/R'2O重量比が0.6未満であるところの1
    5〜30重量%のRO+R'2O(RはCa、Mgおよび
    Znから選ばれる1種以上、R' はLi、NaおよびK
    から選ばれる1種以上)、2〜10重量%のAl2
    3 、0.5〜1重量%のB23 からなり、密度が2.
    41g/ccを超えて2.47g/cc以下とされるこ
    とを特徴とする耐擦傷性のガラス。
  6. 【請求項6】脆さ指標値Bが6700m-1/2以下である
    請求項1、2、3、4または5の耐擦傷性のガラス。こ
    こで、B=Hv /Kc (Hv はビッカース硬さ、Kc
    破壊靭性値)である。
  7. 【請求項7】粘度が100ポイズとなる温度が1600
    ℃以下である請求項1、2、3、4、5または6の耐擦
    傷性のガラス。
JP14625596A 1995-06-07 1996-06-07 耐擦傷性のガラス Pending JPH0952730A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008001590A (ja) * 2006-05-25 2008-01-10 Nippon Electric Glass Co Ltd 強化ガラス及びその製造方法
JP2015522508A (ja) * 2012-06-07 2015-08-06 コーニング インコーポレイテッド 耐層間剥離性ガラス容器

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